JPH10101188A - ライニング構造 - Google Patents
ライニング構造Info
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- JPH10101188A JPH10101188A JP8258918A JP25891896A JPH10101188A JP H10101188 A JPH10101188 A JP H10101188A JP 8258918 A JP8258918 A JP 8258918A JP 25891896 A JP25891896 A JP 25891896A JP H10101188 A JPH10101188 A JP H10101188A
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- plastic
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- butt
- welded
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Abstract
(57)【要約】
【課題】シ−トライニング、特にル−ズライニングにお
いて、ライニングシ−ト接合部の機械的強度を容易にラ
イニングシ−ト自体の機械的強度とほぼ同程度になし
得、高い水深圧が作用する超大型スラグ槽に対し安全な
ル−ズライニングを施工可能にする。 【解決手段】プラスチックシ−ト2,2相互間が余盛り
状態で突合せ溶接3され、該溶接部3の余盛りを収容す
る溝41を裏面に有するプラスチック当板4が上記の突
合せ溶接部3上に沿い当てがわれ、そのプラスチック当
板4の巾両端と上記プラスチックシ−ト2との間が溶接
43され、該プラスチック当板4の上記溝41内に上記
突合せ溶接部3の余盛りが収容されている。
いて、ライニングシ−ト接合部の機械的強度を容易にラ
イニングシ−ト自体の機械的強度とほぼ同程度になし
得、高い水深圧が作用する超大型スラグ槽に対し安全な
ル−ズライニングを施工可能にする。 【解決手段】プラスチックシ−ト2,2相互間が余盛り
状態で突合せ溶接3され、該溶接部3の余盛りを収容す
る溝41を裏面に有するプラスチック当板4が上記の突
合せ溶接部3上に沿い当てがわれ、そのプラスチック当
板4の巾両端と上記プラスチックシ−ト2との間が溶接
43され、該プラスチック当板4の上記溝41内に上記
突合せ溶接部3の余盛りが収容されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はライニングシ−トを
用いたライニング構造に関し、特に、スラグ超大型槽の
内面に耐圧性のル−ズライニングを施す場合に好適に使
用されるものである。
用いたライニング構造に関し、特に、スラグ超大型槽の
内面に耐圧性のル−ズライニングを施す場合に好適に使
用されるものである。
【0002】
【従来の技術】スラグ槽内面に耐圧性のル−ズライニン
グを施しておけば、スラグに亀裂が生じても、ル−ズラ
イニングにまで亀裂が波及するのを排除して、充分に長
い期間、貯水性を保持させることができる。槽内面にル
−ズライニングを施すには、シ−トライニング、すなわ
ち、槽内面上にプラスチックシ−トを敷き詰め、そのプ
ラスチックシ−ト相互間を水密に溶接する方法が使用さ
れるが、このル−ズライニングに耐圧性を付与するに
は、プラスチックシ−トの厚みを厚くし、シ−トの接合
部の強度を補強により大とすることが必要である。
グを施しておけば、スラグに亀裂が生じても、ル−ズラ
イニングにまで亀裂が波及するのを排除して、充分に長
い期間、貯水性を保持させることができる。槽内面にル
−ズライニングを施すには、シ−トライニング、すなわ
ち、槽内面上にプラスチックシ−トを敷き詰め、そのプ
ラスチックシ−ト相互間を水密に溶接する方法が使用さ
れるが、このル−ズライニングに耐圧性を付与するに
は、プラスチックシ−トの厚みを厚くし、シ−トの接合
部の強度を補強により大とすることが必要である。
【0003】従来、ライニングシ−トの接合部を補強す
るには、図2に示すように、ライニングシ−ト(プラス
チックシ−ト)2’,2’の突合せ溶接部3’の余盛り
をグラインダ−等で削除して平面状に仕上げ、その上に
プラスチック当板4’を当てがい、該プラスチック当板
4’の巾両端とプラスチックシ−ト2’との間をすみ肉
溶接(43’)している。
るには、図2に示すように、ライニングシ−ト(プラス
チックシ−ト)2’,2’の突合せ溶接部3’の余盛り
をグラインダ−等で削除して平面状に仕上げ、その上に
プラスチック当板4’を当てがい、該プラスチック当板
4’の巾両端とプラスチックシ−ト2’との間をすみ肉
溶接(43’)している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2に
示すライニングシ−ト接合部の補強構造では、機械的強
度をライニングシ−ト自体の強度のたかだか70%程度
にしかなし得ず、水深圧の高い超大型槽のル−ズライニ
ングへの施用には問題がある。かかる機械的強度上の不
都合は、ライニングシ−トの突合せ溶接部の余盛りを削
除したことに原因があると推察できるが、図2に示す補
強構造に対し、余盛りを削除せず残したままにしてプラ
スチック当板の巾両端をプラスチックシ−トにすみ肉溶
接すると、ライニングシ−トの突合せ溶接部の余盛りの
ためにプラスチック当板が突き上げられて曲げられる結
果、溶接時や使用時の加熱・冷却に伴いプラスチック当
板やすみ肉溶接箇所に作用する熱応力がプラスチック当
板の曲げのために複雑化され、また、ル−ズライニング
の水圧による引張りに対しても、プラスチック当板の曲
げのためにプラスチック当板巾両端のすみ肉溶接箇所に
曲げモ−メントが作用するため、プラスチック当板やす
み肉溶接箇所に割れが生じ易くなり、かえって不利であ
る。
示すライニングシ−ト接合部の補強構造では、機械的強
度をライニングシ−ト自体の強度のたかだか70%程度
にしかなし得ず、水深圧の高い超大型槽のル−ズライニ
ングへの施用には問題がある。かかる機械的強度上の不
都合は、ライニングシ−トの突合せ溶接部の余盛りを削
除したことに原因があると推察できるが、図2に示す補
強構造に対し、余盛りを削除せず残したままにしてプラ
スチック当板の巾両端をプラスチックシ−トにすみ肉溶
接すると、ライニングシ−トの突合せ溶接部の余盛りの
ためにプラスチック当板が突き上げられて曲げられる結
果、溶接時や使用時の加熱・冷却に伴いプラスチック当
板やすみ肉溶接箇所に作用する熱応力がプラスチック当
板の曲げのために複雑化され、また、ル−ズライニング
の水圧による引張りに対しても、プラスチック当板の曲
げのためにプラスチック当板巾両端のすみ肉溶接箇所に
曲げモ−メントが作用するため、プラスチック当板やす
み肉溶接箇所に割れが生じ易くなり、かえって不利であ
る。
【0005】本発明の目的は、シ−トライニング、特に
ル−ズライニングにおいて、ライニングシ−ト接合部の
機械的強度を容易にライニングシ−ト自体の機械的強度
とほぼ同程度になし得、高い水深圧が作用する超大型ス
ラグ槽に対し安全なル−ズライニングを施工可能にする
ことにある。
ル−ズライニングにおいて、ライニングシ−ト接合部の
機械的強度を容易にライニングシ−ト自体の機械的強度
とほぼ同程度になし得、高い水深圧が作用する超大型ス
ラグ槽に対し安全なル−ズライニングを施工可能にする
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るライニング
構造は、プラスチックシ−ト相互間が余盛り状態で突合
せ溶接され、該溶接部の余盛りを収容する溝を裏面に有
するプラスチック当板が上記の突合せ溶接部上に沿い当
てがわれ、そのプラスチック当板の巾両端と上記プラス
チックシ−トとの間が溶接され、該プラスチック当板の
上記溝内に上記突合せ溶接部の余盛りが収容されている
ことを特徴とする構成であり、溝は断面円弧状とするこ
とが好ましい。
構造は、プラスチックシ−ト相互間が余盛り状態で突合
せ溶接され、該溶接部の余盛りを収容する溝を裏面に有
するプラスチック当板が上記の突合せ溶接部上に沿い当
てがわれ、そのプラスチック当板の巾両端と上記プラス
チックシ−トとの間が溶接され、該プラスチック当板の
上記溝内に上記突合せ溶接部の余盛りが収容されている
ことを特徴とする構成であり、溝は断面円弧状とするこ
とが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態を説明する。図1の(イ)は本発明に係るラ
イニング構造の一例としてのル−ズライニングを示す正
面図、図1の(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面
図である。図1の(イ)及び図1の(ロ)において、1
は被ライニング本体としてのスラグ槽本体である。2,
…は被ライニング面に突合せ溶接して敷き詰めたプラス
チックシ−トであり、突合せ端を開先加工し、余盛り状
態で溶接してある(。4,…はプラスチック当板であ
り、上記突合せ溶接部の余盛りを収容するための溝41
を裏面に有し、上記突合せ溶接部3上に沿って当てが
い、巾両端42,42の各端とプラスチックシ−ト2と
の間をすみ肉溶接し(符号43で示されている)、溝4
1内に上記突合せ溶接部3の余盛りを間隙5を介して収
容してある。
実施の形態を説明する。図1の(イ)は本発明に係るラ
イニング構造の一例としてのル−ズライニングを示す正
面図、図1の(ロ)は図1の(イ)におけるロ−ロ断面
図である。図1の(イ)及び図1の(ロ)において、1
は被ライニング本体としてのスラグ槽本体である。2,
…は被ライニング面に突合せ溶接して敷き詰めたプラス
チックシ−トであり、突合せ端を開先加工し、余盛り状
態で溶接してある(。4,…はプラスチック当板であ
り、上記突合せ溶接部の余盛りを収容するための溝41
を裏面に有し、上記突合せ溶接部3上に沿って当てが
い、巾両端42,42の各端とプラスチックシ−ト2と
の間をすみ肉溶接し(符号43で示されている)、溝4
1内に上記突合せ溶接部3の余盛りを間隙5を介して収
容してある。
【0008】後述するように、スラグ槽本体1に亀裂が
生じ、ライニングが水圧により曲げ変形されても、プラ
スチックシ−トの補強接合部を接合部以外のプラスチッ
クシ−ト部分と同様に一様に曲げ変形させるように、プ
ラスチック当板4の溝41の形状は曲げ応力の集中を良
好に排除し得る円弧形としてある。この溝41の巾中央
はプラスチック当板4の巾中央に位置させてある。
生じ、ライニングが水圧により曲げ変形されても、プラ
スチックシ−トの補強接合部を接合部以外のプラスチッ
クシ−ト部分と同様に一様に曲げ変形させるように、プ
ラスチック当板4の溝41の形状は曲げ応力の集中を良
好に排除し得る円弧形としてある。この溝41の巾中央
はプラスチック当板4の巾中央に位置させてある。
【0009】6は中間シ−ト材であり、プラスチックシ
−ト2と被ライニング面61との間をル−ズ状態に保
ち、スラグ槽本体1に亀裂が生じても、その亀裂がプラ
スチックシ−ト2に波及するのを防止し得るものであれ
ば、適宜のものを使用できる。図1の(イ)において、
b−bは槽の底面を示している。上記のライニングを施
工するには、プラスチックシ−ト2,…を突合せ状態で
順次に敷き並べ、一枚敷き並べるごとに突合せ溶接して
いく。この場合、プラスチックシ−トの敷き並べは、ラ
イニングへの作用荷重(水槽の場合は、内水圧)に対す
る応力集中を軽減するために、図1の(イ)に示すよう
に、プラスチックシ−ト2,2,2をT字状で取り合わ
せ、十字状で取り合わせないようにすることが望まし
い。
−ト2と被ライニング面61との間をル−ズ状態に保
ち、スラグ槽本体1に亀裂が生じても、その亀裂がプラ
スチックシ−ト2に波及するのを防止し得るものであれ
ば、適宜のものを使用できる。図1の(イ)において、
b−bは槽の底面を示している。上記のライニングを施
工するには、プラスチックシ−ト2,…を突合せ状態で
順次に敷き並べ、一枚敷き並べるごとに突合せ溶接して
いく。この場合、プラスチックシ−トの敷き並べは、ラ
イニングへの作用荷重(水槽の場合は、内水圧)に対す
る応力集中を軽減するために、図1の(イ)に示すよう
に、プラスチックシ−ト2,2,2をT字状で取り合わ
せ、十字状で取り合わせないようにすることが望まし
い。
【0010】上記のようにして、被ライニング面へのプ
ラスチックシ−トの敷き詰め・突合せ溶接を行ったのち
は、プラスチック当板4を上記の突合せ溶接部3を覆う
ようにして当てがい、裏面の溝41に突合せ溶接部3の
余盛りを収容し、この状態でプラスチック当板4の巾両
端42,42の一方をプラスチックシ−ト2にすみ肉溶
接し、ついで、同プラスチック当板の巾両端の他方をプ
ラスチックシ−トにすみ肉溶接していく。
ラスチックシ−トの敷き詰め・突合せ溶接を行ったのち
は、プラスチック当板4を上記の突合せ溶接部3を覆う
ようにして当てがい、裏面の溝41に突合せ溶接部3の
余盛りを収容し、この状態でプラスチック当板4の巾両
端42,42の一方をプラスチックシ−ト2にすみ肉溶
接し、ついで、同プラスチック当板の巾両端の他方をプ
ラスチックシ−トにすみ肉溶接していく。
【0011】このプラスチック当板には、縦方向溶接線
に対する縦方向のものと、横方向溶接線に対する横方向
のものとがあり、図1の(イ)に示すように、プラスチ
ックシ−トのT字状取り合わせ箇所で横方向プラスチッ
ク当板4aに縦方向プラスチック当板4bをT字状に溶
接する。横方向プラスチック当板4aにおいては、運搬
上等の長さ制限から接続して使用するが、この接続箇所
はプラスチックシ−トのT字状取り合わせ箇所より外れ
た箇所に位置させることが望ましい。
に対する縦方向のものと、横方向溶接線に対する横方向
のものとがあり、図1の(イ)に示すように、プラスチ
ックシ−トのT字状取り合わせ箇所で横方向プラスチッ
ク当板4aに縦方向プラスチック当板4bをT字状に溶
接する。横方向プラスチック当板4aにおいては、運搬
上等の長さ制限から接続して使用するが、この接続箇所
はプラスチックシ−トのT字状取り合わせ箇所より外れ
た箇所に位置させることが望ましい。
【0012】上記プラスチックシ−トの突合せ溶接やプ
ラスチック当板の巾両端のすみ肉溶接には、通常、熱風
溶接法(プラスチック溶接棒を溶接部に沿い所定の圧力
で押し付けていき、溶接棒及び被溶接面を両者の加圧接
触直前で熱風によって加熱溶融させ、前記加圧力で両者
を溶着させる方法)が使用される。上記において、プラ
スチック当板の巾両端の溶接のうち、後から行われた溶
接後にプラスチック当板が冷却されていく際、その後か
ら行われた溶接部がまだ充分に固化されておらずに半固
定状態にあるから、プラスチック当板が巾方向に収縮す
ると共にプラスチック当板に巾方向引張り応力が作用す
る。而るに、かかるプラスチック当板の巾方向収縮のも
とでも、図1の(ロ)に示すように、プラスチック当板
4の溝41内にプラスチックシ−トの突合せ溶接部3の
余盛りが間隙5を介して収容されているから、余盛りに
プラスチック当板4が乗り上がってプラスチック当板4
が曲がるようなことがない。もし、プラスチック当板が
曲がった状態で引っ張られると、プラスチック当板の曲
げ剛性のためにプラスチック当板に曲げ応力が発生し、
また、プラスチック当板の巾両端のすみ肉溶接箇所に曲
げモ−メント反力が作用して応力状態が複雑化し、プラ
スチック当板やすみ肉溶接箇所での割れ発生が懸念され
る。しかしながら、本発明にかかわるライニング構造に
おいては、上記した通り、プラスチック当板の曲げ変形
をよく回避できるので、かかるプラスチック当板やすみ
肉溶接箇所での割れ発生を排除できる。
ラスチック当板の巾両端のすみ肉溶接には、通常、熱風
溶接法(プラスチック溶接棒を溶接部に沿い所定の圧力
で押し付けていき、溶接棒及び被溶接面を両者の加圧接
触直前で熱風によって加熱溶融させ、前記加圧力で両者
を溶着させる方法)が使用される。上記において、プラ
スチック当板の巾両端の溶接のうち、後から行われた溶
接後にプラスチック当板が冷却されていく際、その後か
ら行われた溶接部がまだ充分に固化されておらずに半固
定状態にあるから、プラスチック当板が巾方向に収縮す
ると共にプラスチック当板に巾方向引張り応力が作用す
る。而るに、かかるプラスチック当板の巾方向収縮のも
とでも、図1の(ロ)に示すように、プラスチック当板
4の溝41内にプラスチックシ−トの突合せ溶接部3の
余盛りが間隙5を介して収容されているから、余盛りに
プラスチック当板4が乗り上がってプラスチック当板4
が曲がるようなことがない。もし、プラスチック当板が
曲がった状態で引っ張られると、プラスチック当板の曲
げ剛性のためにプラスチック当板に曲げ応力が発生し、
また、プラスチック当板の巾両端のすみ肉溶接箇所に曲
げモ−メント反力が作用して応力状態が複雑化し、プラ
スチック当板やすみ肉溶接箇所での割れ発生が懸念され
る。しかしながら、本発明にかかわるライニング構造に
おいては、上記した通り、プラスチック当板の曲げ変形
をよく回避できるので、かかるプラスチック当板やすみ
肉溶接箇所での割れ発生を排除できる。
【0013】かかる作用効果は、ライニング施工後、使
用中での温度変化でプラスチック当板の巾方向に熱膨張
収縮が生じても、同様に奏される。図1に示すライニン
グにおいて、通常は、スラグ槽本体1とライニングAと
の複合構造体で槽内水圧が支持されるが、スラグ槽本体
1に亀裂等が生じて槽本体1の剛性が低下すると、槽内
水圧のライニングAへの作用割合が増加し、ライニング
の荷重状態が過酷になる。
用中での温度変化でプラスチック当板の巾方向に熱膨張
収縮が生じても、同様に奏される。図1に示すライニン
グにおいて、通常は、スラグ槽本体1とライニングAと
の複合構造体で槽内水圧が支持されるが、スラグ槽本体
1に亀裂等が生じて槽本体1の剛性が低下すると、槽内
水圧のライニングAへの作用割合が増加し、ライニング
の荷重状態が過酷になる。
【0014】この場合、ライニングに作用する荷重を曲
げモ−メントMとし、上記ライニングシ−トの補強接合
部でのその曲げモ−メントMの支持状態を考察すると、
当該補強接合部のプラスチックシ−ト側が負担する曲げ
モ−メントをM1、同じく曲げ剛性をE1I1とし、、当
該補強接合部のプラスチック当板側が負担する曲げモ−
メントをM2、同じく曲げ剛性をE2I2とすれば、 M1=E1I1M/(E1I1+E2I2) M2=E2I2M/(E1I1+E2I2) が成立する。
げモ−メントMとし、上記ライニングシ−トの補強接合
部でのその曲げモ−メントMの支持状態を考察すると、
当該補強接合部のプラスチックシ−ト側が負担する曲げ
モ−メントをM1、同じく曲げ剛性をE1I1とし、、当
該補強接合部のプラスチック当板側が負担する曲げモ−
メントをM2、同じく曲げ剛性をE2I2とすれば、 M1=E1I1M/(E1I1+E2I2) M2=E2I2M/(E1I1+E2I2) が成立する。
【0015】本発明に係るライニング構造においては、
プラスチックシ−トの突合せ溶接部の強度を余盛りのた
めに充分に大きくできるから、式のM1をそれだけ大
きくし得、従って、式のE1I1/(E1I1+E2I2)
を大きくし得る。これに応じ、1−E1I1/(E1I1+
E2I2)、すなわち、式のE2I2/(E1I1+E
2I2)を小にし得、従って、プラスチック当板の曲げ剛
性E2I2をプラスチックシ−トの曲げ剛性E1I1に較べ
小にできる。而るに、本発明に係るライニング構造にお
いては、プラスチックシ−トの突合せ溶接部の余盛りを
収容する溝をプラスチック当板に設けており、プラスチ
ック当板が曲がり易くプラスチック当板の曲げ剛性(E
2I2)が小であるにもかかわらず、プラスチックシ−ト
の余盛り突合せ溶接と前記溶接時やライニング使用中で
のプラスチック当板やプラスチック当板巾両端の溶接箇
所の割れ防止のために、ライニングシ−トの補強接合部
に充分な曲げ強度を付与できる。従って、スラグ槽が水
深の深い超大型槽であっても、スラグの躯体剛性が亀裂
等により低下したときに、充分に長い期間、槽内水圧を
ライニングで充分安全に受圧できる。
プラスチックシ−トの突合せ溶接部の強度を余盛りのた
めに充分に大きくできるから、式のM1をそれだけ大
きくし得、従って、式のE1I1/(E1I1+E2I2)
を大きくし得る。これに応じ、1−E1I1/(E1I1+
E2I2)、すなわち、式のE2I2/(E1I1+E
2I2)を小にし得、従って、プラスチック当板の曲げ剛
性E2I2をプラスチックシ−トの曲げ剛性E1I1に較べ
小にできる。而るに、本発明に係るライニング構造にお
いては、プラスチックシ−トの突合せ溶接部の余盛りを
収容する溝をプラスチック当板に設けており、プラスチ
ック当板が曲がり易くプラスチック当板の曲げ剛性(E
2I2)が小であるにもかかわらず、プラスチックシ−ト
の余盛り突合せ溶接と前記溶接時やライニング使用中で
のプラスチック当板やプラスチック当板巾両端の溶接箇
所の割れ防止のために、ライニングシ−トの補強接合部
に充分な曲げ強度を付与できる。従って、スラグ槽が水
深の深い超大型槽であっても、スラグの躯体剛性が亀裂
等により低下したときに、充分に長い期間、槽内水圧を
ライニングで充分安全に受圧できる。
【0016】本発明において、プラスチックシ−トやプ
ラスチック当板には、熱可塑性樹脂、例えば、硬質塩化
ビニル樹脂、ポリエチレン(HD)、ポリプロピレン、
ポリアミド、ポリカ−ボネ−ト、四フッカ樹脂、メチル
メタアクリレ−ト、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチ
レン等を使用できる。プラスチックシ−トとプラスチッ
ク当板の材質は、通常同材質とされる。
ラスチック当板には、熱可塑性樹脂、例えば、硬質塩化
ビニル樹脂、ポリエチレン(HD)、ポリプロピレン、
ポリアミド、ポリカ−ボネ−ト、四フッカ樹脂、メチル
メタアクリレ−ト、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチ
レン等を使用できる。プラスチックシ−トとプラスチッ
ク当板の材質は、通常同材質とされる。
【0017】上記プラスチックシ−トやプラスチック当
板の厚みは、ライニング自体に充分な耐圧性を付与する
ために、取扱上支障をきたさない限度で可及的に厚くさ
れ、通常、3mm〜8mmとされる。プラスチックシ−
トの平面寸法は、運搬や取扱に上支障をきたさない限度
で可及的に大きくされ、通常、(1000〜3000m
m)×(500〜1500mm)とされる。プラスチッ
ク当板の巾寸法は、通常30〜80mmとされる。ま
た、プラスチック当板の溝の巾Wは、プラスチックシ−
トの余盛り突合せ溶接部の巾Sに対し、プラスチック当
板の溝内面を余盛り突合せ溶接部に接触させることな
く、巾方向に±(0.5〜1)S程度、移動させ得る寸
法とすることが好ましい。
板の厚みは、ライニング自体に充分な耐圧性を付与する
ために、取扱上支障をきたさない限度で可及的に厚くさ
れ、通常、3mm〜8mmとされる。プラスチックシ−
トの平面寸法は、運搬や取扱に上支障をきたさない限度
で可及的に大きくされ、通常、(1000〜3000m
m)×(500〜1500mm)とされる。プラスチッ
ク当板の巾寸法は、通常30〜80mmとされる。ま
た、プラスチック当板の溝の巾Wは、プラスチックシ−
トの余盛り突合せ溶接部の巾Sに対し、プラスチック当
板の溝内面を余盛り突合せ溶接部に接触させることな
く、巾方向に±(0.5〜1)S程度、移動させ得る寸
法とすることが好ましい。
【0018】上記プラスチックシ−トには、押出し法に
より製造したものを使用することが望ましいが、カレン
ダロ−ル加工で得たフィルムを積層して熱プレスで所定
の厚みにしたものも使用可能である。本発明に係るライ
ニング構造はル−ズライニングの施工に好適に使用され
る。しかしながら、接着ライニング、すなわち、ライニ
ングシ−トと被ライニング面との間を接着剤で接着し、
シ−ト相互間を突合せ溶接するシ−トライニングでも、
突合せ溶接時、その溶接箇所直下の接着剤層部分が溶接
熱で劣化される畏れがあって、ライニングに作用する熱
応力その他の応力に対して突合せ溶接部の補強が必要と
されることがあるので、かかる補強上、本発明に係るラ
イニング構造は接着ライニングの施工にも有用である。
より製造したものを使用することが望ましいが、カレン
ダロ−ル加工で得たフィルムを積層して熱プレスで所定
の厚みにしたものも使用可能である。本発明に係るライ
ニング構造はル−ズライニングの施工に好適に使用され
る。しかしながら、接着ライニング、すなわち、ライニ
ングシ−トと被ライニング面との間を接着剤で接着し、
シ−ト相互間を突合せ溶接するシ−トライニングでも、
突合せ溶接時、その溶接箇所直下の接着剤層部分が溶接
熱で劣化される畏れがあって、ライニングに作用する熱
応力その他の応力に対して突合せ溶接部の補強が必要と
されることがあるので、かかる補強上、本発明に係るラ
イニング構造は接着ライニングの施工にも有用である。
【0019】
〔実施例〕プラスチックシ−トには、横2000mm、
縦1000mm、厚み5mmの硬質塩化ビニル樹脂プレ
−トを使用し、プラスチック当板には、巾55mm、最
大厚み8mm、溝巾20mm、溝の曲率半径20mmの
硬質塩化ビニル樹脂板を使用した。
縦1000mm、厚み5mmの硬質塩化ビニル樹脂プレ
−トを使用し、プラスチック当板には、巾55mm、最
大厚み8mm、溝巾20mm、溝の曲率半径20mmの
硬質塩化ビニル樹脂板を使用した。
【0020】縦9000mm、横9000mm、高さ6
900mmのスラグ槽内の底面から側面に至る面の約3
00m2に、図1の(イ)に示す敷き詰めパタ−ンで、
図1の(ロ)に示す接合補強構造にてライニングを施し
た。溶接は、熱風温度200℃、風圧0.2kg/c
m3、塩化ビニル樹脂溶接棒3φ、押圧力1.5kgの条
件のもとで熱風溶接により行った。
900mmのスラグ槽内の底面から側面に至る面の約3
00m2に、図1の(イ)に示す敷き詰めパタ−ンで、
図1の(ロ)に示す接合補強構造にてライニングを施し
た。溶接は、熱風温度200℃、風圧0.2kg/c
m3、塩化ビニル樹脂溶接棒3φ、押圧力1.5kgの条
件のもとで熱風溶接により行った。
【0021】溶接後冷却時での割れ発生は観られず、補
強接合部の強度は、ライニングシ−ト自体の強度の95
〜100%の範囲内であった。 〔比較例1〕実施例に対し、硬質塩化ビニル樹脂プレ−
トの突合せ溶接部の余盛りをグラインダ−で削除して平
面仕上げを行い、プラスチック当板の溝形成を省略した
(図2参照)以外、実施例に同じとした。
強接合部の強度は、ライニングシ−ト自体の強度の95
〜100%の範囲内であった。 〔比較例1〕実施例に対し、硬質塩化ビニル樹脂プレ−
トの突合せ溶接部の余盛りをグラインダ−で削除して平
面仕上げを行い、プラスチック当板の溝形成を省略した
(図2参照)以外、実施例に同じとした。
【0022】この比較例1での補強接合部の強度は、ラ
イニングシ−ト自体の強度の70%以下であった。これ
は、硬質塩化ビニル樹脂プレ−トの突合せ溶接強度が余
盛りの削除のために低下したことによると推定できる。 〔比較例2〕実施例に対し、プラスチック当板の溝形成
を省略した以外、実施例に同じとした。
イニングシ−ト自体の強度の70%以下であった。これ
は、硬質塩化ビニル樹脂プレ−トの突合せ溶接強度が余
盛りの削除のために低下したことによると推定できる。 〔比較例2〕実施例に対し、プラスチック当板の溝形成
を省略した以外、実施例に同じとした。
【0023】この比較例2では、当板が硬質塩化ビニル
樹脂プレ−トの突合せ溶接部の余盛りによる突き上げの
ために曲げられ、当板やその両端の溶接箇所の所々にク
ラックの発生が観られた。この比較例2の補強接合部の
強度も、ライニングシ−ト自体の強度の70%以下であ
った。
樹脂プレ−トの突合せ溶接部の余盛りによる突き上げの
ために曲げられ、当板やその両端の溶接箇所の所々にク
ラックの発生が観られた。この比較例2の補強接合部の
強度も、ライニングシ−ト自体の強度の70%以下であ
った。
【0024】
【発明の効果】本発明に係るライニング構造によれば、
プラスチックシ−トを敷き並べつつそのシ−ト相互間を
溶接接合するシ−トライニングにおいて、シ−ト接合部
の強度をライニングシ−ト自体の強度とほぼ同程度に高
くでき、シ−トライニング自体に高い耐内圧性を付与で
きるから、高内圧の被ライニング躯体、例えば、水深の
深い超大型のスラブ槽の剛性が亀裂等により低下して
も、充分に長い期間、水圧をライニングで安全に受圧で
きる。従って、スラブ槽の容量が大となっても(従来の
100m3程度から500m3程度に増大しても)、スラ
ブ槽のシ−トライニングによる地震対策を安全に行い得
る。
プラスチックシ−トを敷き並べつつそのシ−ト相互間を
溶接接合するシ−トライニングにおいて、シ−ト接合部
の強度をライニングシ−ト自体の強度とほぼ同程度に高
くでき、シ−トライニング自体に高い耐内圧性を付与で
きるから、高内圧の被ライニング躯体、例えば、水深の
深い超大型のスラブ槽の剛性が亀裂等により低下して
も、充分に長い期間、水圧をライニングで安全に受圧で
きる。従って、スラブ槽の容量が大となっても(従来の
100m3程度から500m3程度に増大しても)、スラ
ブ槽のシ−トライニングによる地震対策を安全に行い得
る。
【図1】図1の(イ)は本発明に係るライニング構造の
一例を示す正面図、図1の(ロ)は図1の(イ)におけ
るロ−ロ断面図である。
一例を示す正面図、図1の(ロ)は図1の(イ)におけ
るロ−ロ断面図である。
【図2】従来のライニング構造を示す断面図である。
1 被ライニング躯体 2 プラスチックシ−ト 3 突合せ溶接部 4 プラスチック当板 41 溝 43 すみ肉溶接部
Claims (2)
- 【請求項1】プラスチックシ−ト相互間が余盛り状態で
突合せ溶接され、該溶接部の余盛りを収容する溝を裏面
に有するプラスチック当板が上記の突合せ溶接部上に沿
い当てがわれ、そのプラスチック当板の巾両端と上記プ
ラスチックシ−トとの間が溶接され、該プラスチック当
板の上記溝内に上記突合せ溶接部の余盛りが収容されて
いることを特徴とするライニング構造。 - 【請求項2】溝が断面円弧状である請求項1記載のライ
ニング構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8258918A JPH10101188A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | ライニング構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8258918A JPH10101188A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | ライニング構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10101188A true JPH10101188A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17326848
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8258918A Pending JPH10101188A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | ライニング構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10101188A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100425950B1 (ko) * | 2002-11-19 | 2004-04-01 | 전정하 | 유류저장탱크의 보수방법 |
KR100938702B1 (ko) | 2009-04-16 | 2010-01-25 | (주)아쿠아프라텍 | 물탱크 패널 용접용 보강재 |
KR100938699B1 (ko) | 2008-04-15 | 2010-01-25 | (주)아쿠아프라텍 | 물탱크 패널 용접용 보강재 |
KR100953519B1 (ko) * | 2009-08-18 | 2010-04-21 | (주)아쿠아프라텍 | 복합패널 물탱크의 용접방법 |
KR101682361B1 (ko) * | 2016-08-31 | 2016-12-05 | 조태영 | 저장탱크의 보수 및 라이닝방법 |
-
1996
- 1996-09-30 JP JP8258918A patent/JPH10101188A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100425950B1 (ko) * | 2002-11-19 | 2004-04-01 | 전정하 | 유류저장탱크의 보수방법 |
KR100938699B1 (ko) | 2008-04-15 | 2010-01-25 | (주)아쿠아프라텍 | 물탱크 패널 용접용 보강재 |
KR100938702B1 (ko) | 2009-04-16 | 2010-01-25 | (주)아쿠아프라텍 | 물탱크 패널 용접용 보강재 |
KR100953519B1 (ko) * | 2009-08-18 | 2010-04-21 | (주)아쿠아프라텍 | 복합패널 물탱크의 용접방법 |
KR101682361B1 (ko) * | 2016-08-31 | 2016-12-05 | 조태영 | 저장탱크의 보수 및 라이닝방법 |
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