JP2013015202A - 管壁穴部の被覆方法、加圧加熱治具、及び管体の接続方法 - Google Patents

管壁穴部の被覆方法、加圧加熱治具、及び管体の接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、簡単な作業にて、管体の管壁に生じた穴部を被覆することができる新規な管壁穴部の被覆方法及び、簡単な作業にて、管体間に生じた継ぎ目を被覆すると共に隣接する管体同士を接続することができる新規な管体の接続方法を提供することを目的とする。
【解決手段】管体100における穴部101が生じている部分に対し、熱可塑性樹脂からなる板状の被覆部材1の一面12を、前記管体100内壁面側からあてがうことによって、前記穴部101を覆い、前記被覆部材1を、前記管体100の内壁面に向かって他面13側から加圧すると共に前記被覆部材1の融点以上の温度で加熱することによって、前記被覆部材1を、前記穴部101を覆った状態で、前記管体100の内壁面に溶着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂からなる管体の管壁に生じた穴部を被覆する管壁穴部の被覆方法、前記管壁穴部の被覆方法において用いられる加圧加熱治具、及び熱可塑性樹脂からなる管体同士を接続する管体の接続方法に関する。
従来、下水管路、上水管路、農業用水路などの既設管が、老朽化によってひび割れたり、腐食したりした場合の対策の一つとして、既設管の管路内に更生管を敷設することによって既設管を更生する方法が実施されている(例えば、下記特許文献1及び2参照。)。
特許文献1に記載の更生方法は、既設管の内壁面に沿って回転しながら、連続的に供給される帯状部材を螺旋状に巻き回して更生管を形成し、形成された更生管を残置しつつ、施工開始地点から施工終了地点に向かって移動することによって、既設管の管路に沿って更生管を敷設する自走式の製管機を用いた更生方法である。
一方、特許文献2に記載の更生方法は、施工開始地点にて定点設置され、連続的に供給される帯状部材を螺旋状に巻き回して更生管を形成しつつ、形成された更生管を回転させながら施工終了地点に向かって順次押し出すことによって、既設管の管路に沿って更生管を敷設する元押し式の製管機を用いた更生方法である。
前記更生方法を実行することによって既設管の管路に沿って更生管が敷設された後は、通常、更生管の外壁面と既設管の内壁面との間に存する間隙にモルタルなどの裏込め材が充填される。この際、充填された裏込め材によって更生管が浮き上がらないように、裏込め材を充填する作業に先立ち、更生管の浮上防止措置が採られる。
図21(a)及び(b)に示すように、通常、この浮上防止措置を行うにあたっては、まず、更生管300の管頂部分における管壁に複数の貫通孔301をあける。一方、更生管300の管底には、管路に沿って腹起こし部材30を設置し、この腹起こし部材30上における前記貫通孔301と対峙する位置にジャッキ31を積載する。そして、前記貫通孔301に、前記貫通孔301の内径と同じ外径を有する単管パイプ32の一端を挿入した上で、単管パイプ32の他端をジャッキ31上に設置し、この状態でジャッキ31を伸ばせば、単管パイプ32の一端が既設管200の内壁面に突き当たると共に、腹起こし部材30が更生管300の管底を押圧する。これによって、更生管300が既設管200の管低に向かって押し付けられ、もって、裏込め材充填作業中において生じる裏込め材400の浮力によって更生管300が浮上することが防止される。
充填された裏込め材400の硬化が進み、裏込め材400の流動性が喪失された後、ジャッキ31を緩めることによって単管パイプ32が貫通孔301から抜き取られる。図21(c)に示すように、貫通孔301から単管パイプ32が抜き取られると、硬化した裏込め材400には前記貫通孔301と連続する凹穴401が生じる。その後、貫通孔301は板状の被覆部材10にて覆われる。被覆部材10の固定は、接着剤が用いられることもあるが、更生管300の材質によっては接着強度が不十分となる場合があるため、通常、被覆部材10の固定は、被覆部材10の周縁を押出溶接機を利用して加熱し、軟化させると共に、溶接棒を溶融させることによって得られた溶接樹脂を被覆部材1の周縁に塗布することによって行われる。
ところで、特許文献1及び2に記載の更生方法は、いずれも既設管の管路内に沿って更生管を敷設していくものであり、既設管の管路に緩やかなカーブが存在していても、係るカーブに沿って湾曲する更生管を敷設することができる。但し、既設管の管路に急激な曲がり角が存在する場合、係る曲がりを超えて更生管を製管することはできない。
又、前記元押し式の製管機を用いた更生方法は、製管された更生管を回転させながら順次押し出すことによって更生管を敷設するものであることから、更生管の長さが長くなればなるほど、更生管と既設管との間に生じる摩擦力が高まり、係る摩擦力が更生管を回転させるトルクより大きくなった時点で、それ以上更生管を既設管内に挿入することができなくなる。
この点に鑑み、最近では、設定長さの更生管を製管するとともに、製管された更生管を切断して製管方向に牽引する一方、新たに設定長さの更生管を製管するとともに、新たに製管された更生管を切断して製管方向に牽引し、その前端面を先に製管された更生管の後端面に対向させ、次いで、先に製管された更生管の後端側内周面と新たに製管された更生管の前端側内周面にわたって接続部材を接合し、先に製管された更生管および新たに製管された更生管を接続する更生管の製管方法が提案されている(例えば、下記特許文献3参照)。
前記特許文献3に記載された更生管の製管方法において、先に製管された更生管と新たに製管された更生管との接続は、先に製管された更生管の後端側内周面と新たに製管された更生管の前端側内周面にわたって帯状の接続部材を接合することによって行われる。接続部材の接合は、先に製管された更生管の後端側内周面と新たに製管された更生管の前端側内周面にわたって接続部材をあてがい、次いで、接続部材の周縁を押出溶接機を利用して加熱し、軟化させると共に、溶接棒を溶融させることによって得られた溶接樹脂を接続部材の周縁に塗布することによって行われる。
即ち、従来、管体に穴や継ぎ目が生じている場合、係る穴や継ぎ目に対して、板状又は帯状の部材をあてがい、その周縁部に対して押出溶接機を用いて溶接樹脂を塗布することによって、係る穴や継ぎ目を被覆していた。
特開平8‐200547号公報 特表2008‐536027号公報 特開2011‐25555号公報
前記板状或いは帯状の部材による貫通孔の被覆や管体管の継ぎ目の被覆は、いずれも押出溶接機を用いて行われるが、更生管内において押出溶接機を用いた作業を行うことは必ずしも容易とはいえず、又、作業者の熟練度によって、仕上がりにバラツキが生じる場合がある。
本発明は、このような技術的課題を解決するために開発されたものであり、簡単な作業にて、管体の管壁に生じた穴部を被覆することができる新規な管壁穴部の被覆方法、この管壁穴部の被覆方法に用いられる加圧加熱治具、及び簡単な作業にて、管体間に生じた継ぎ目を被覆すると共に隣接する管体同士を接続することができる新規な管体の接続方法を提供することを目的とする。
本発明の管壁穴部の被覆方法は、熱可塑性樹脂からなる管体の管壁に生じた穴部を被覆する管壁穴部の被覆方法であって、前記管体における前記穴部が生じている部分に対し、熱可塑性樹脂からなる板状の被覆部材の一面を、前記管体の内壁面側からあてがうことによって、前記被覆部材にて前記穴部を覆い、前記被覆部材を、前記管体の内壁面に向かって他面側から加圧すると共に前記被覆部材の融点以上の温度で加熱することによって、前記被覆部材を、前記穴部を覆った状態で、前記管体の内壁面に溶着することを特徴とする(以下、本発明被覆方法と称する。)。
本発明被覆方法においては、前記管体が、既設管を更生するために既設管の管路内に敷設された更生管であることが好ましい態様となる。
本発明被覆方法においては、前記穴部が、前記既設管の内壁と前記更生管の外壁との間に存する間隙に裏込め材を充填する際に、前記更生管の浮上を防止するために管壁に設けられた円形の貫通孔であることが好ましい態様となる。
本発明被覆方法においては、前記被覆部材として、板状の被覆部材本体の一面に、前記円形の貫通孔に嵌挿し得る外径を有する円柱状又は円筒状のガイドリブが設けられてなるものを用い、前記貫通孔に前記ガイドリブを嵌挿させた状態で、前記被覆部材本体の一面を、前記管体の内壁面側からあてがうことが好ましい態様となる。
本発明被覆方法においては、前記貫通孔に前記ガイドリブを挿入する際に、前記ガイドリブの外周面と、裏込め材に存する前記貫通孔と連続する凹穴の内周面と、の間に粘着性樹脂を介在させることによって、前記ガイドリブを前記凹穴に粘着固定することが好ましい態様となる。
本発明被覆方法においては、前記被覆部材として、前記ガイドリブの外周面に凸部が設けられてなるものを用い、前記貫通孔に前記ガイドリブを挿入する際に、前記ガイドリブと共に前記凸部を裏込め材に存する前記貫通孔と連続する凹穴に押し込むことが好ましい態様となる。
本発明被覆方法においては、前記被覆部材として、板状の被覆部材本体の周縁部において、厚みを増加させる厚肉部が設けられてなるものを用いることが好ましい態様となる。
本発明被覆方法においては、金属プレートを備えた加圧加熱治具を用い、前記金属プレートを、前記被覆部材の他面側から圧接させると共に加熱することによって、前記被覆部材を前記管体の内壁面に向かって加圧すると共に加熱することが好ましい態様となる。
本発明被覆方法においては、前記管体の内壁面に対する前記金属プレートの接近距離を規制するスペーサ部材を更に備えた前記加圧加熱治具を用い、前記被覆部材を前記管体の内壁面に向かって加圧する際の押圧力を調整することが好ましい態様となる。
本発明被覆方法においては、前記被覆部材の他面には、凸状、又は凹状の位置決め部が設けられてなり、前記金属プレートの表面には、前記位置決め部に係止させる凹状、又は凸状の係止部が設けられてなり、前記位置決め部に前記係止部を係止させた状態で、前記金属プレートを、前記被覆部材の他面側から圧接すると共に加熱することが好ましい態様となる。
本発明第一の加圧加熱治具は、前記本発明被覆方法において用いられる加圧加熱治具であって、底板部と前記底板部の周縁から立ち上げられた複数の側板部とを有するスペーサ部材と、断熱材からなる基板の一面側に電熱によって加熱される金属プレートが備えられると共に、前記基板の他面側に、弾性的に伸縮可能となされた支持部材の一端が固定された加熱部材と、を具備してなり、前記スペーサ部材における前記底板部に前記支持部材の他端側が固定された状態、且つ、前記複数の側板部が前記金属プレートの周縁に配置された状態にて、前記スペーサ部材に前記加熱部材が固定されてなり、加熱された前記金属プレートが前記被覆部材の他面に圧接されると共に前記複数の側板部の端部が前記管体の内壁面に当接された際に、前記被覆部材から受ける反力にて前記金属プレートが前記底板部に向かって後退されるものであることを特徴とする(以下、本発明第一治具と称する。)。
本発明第一治具においては、前記支持部材は、前記基板の他面側に固定される上部支持部材と、前記底板部に固定される下部支持部材とが芯鞘構造によって連結され、且つ、前記芯鞘構造に付与されたバネによって、弾性的に伸縮可能となされたものであり、前記上部支持部材及び前記下部支持部材のうちの一方には、係止穴が形成されてなり、前記上部支持部材及び前記下部支持部材のうちの他方には、軸芯方向に沿って長穴が形成されてなり、前記係止穴と長穴とが対峙された状態で、前記長穴及び係止穴に係止部材が挿入されることによって、前記支持部材の伸縮幅が規制されてなるものが好ましい態様となる。
本発明第一治具においては、前記係止穴が複数箇所、前記金属プレートからの距離を変えた位置に設けられてなり、前記複数箇所に設けられた係止穴から選択された一の係止穴及び前記長穴に前記係止部材が挿入されることによって、前記側板部の端部に対する前記金属プレートの表面の位置が変更可能となされたものが好ましい態様となる。
本発明第一治具においては、前記金属プレートの表面には、前記被覆部材の他面に設けられた位置決め部に係止される凹状、又は凸状の係止部が設けられてなるものが好ましい態様となる。
本発明第二の加圧加熱治具は、前記本発明被覆方法において用いられる加圧加熱治具であって、底板部と前記底板部の周縁から立ち上げられた複数の側板部とを有するスペーサ部材と、断熱材からなる基板の一面側に電熱によって加熱される金属プレートが備えられると共に、前記基板の他面側に支持部材の一端が固定された加熱部材と、を具備してなり、前記スペーサ部材における前記底板部に前記支持部材の他端側が固定された状態、且つ、前記複数の側板部が前記金属プレートの周縁に配置された状態にて、前記スペーサ部材に前記加熱部材が固定されてなり、前記複数の側板部の各端部が、前記被覆部材の厚さ分以下に設定された突出幅にて、前記金属プレートの表面の位置より突出されてなることを特徴とする(以下、本発明第二治具と称する。)。
本発明第三の加圧加熱治具は、底板部と前記底板部の周縁から立ち上げられた複数の側板部とを有するスペーサ部材と、断熱材からなる基板の一面側に電熱によって加熱される金属プレートが備えられた加熱部材と、を具備してなり、前記スペーサ部材における前記底板部に前記加熱部材における基板の他面が固定された状態、且つ、前記複数の側板部が前記金属プレートの周縁に配置された状態にて、前記スペーサ部材に前記加熱部材が固定されてなり、前記複数の側板部の各端部が、前記被覆部材の厚さ分以下に設定された突出幅にて、前記金属プレートの表面の位置より突出されてなることを特徴とする(以下、本発明第三治具と称する。)。
本発明の管体の接続方法は、開口端同士を対峙させた状態で隣接させた、熱可塑性樹脂からなる管体間の継ぎ目を被覆すると共に隣接する管体同士を接続する管体の接続方法であって、前記継ぎ目が生じている部分に対し、熱可塑性樹脂からなる長尺帯板状の被覆部材の一面を、前記管体の内壁面側からあてがうことによって、前記被覆部材にて前記継ぎ目を覆い、前記被覆部材を、前記管体の内壁面に向かって他面側から加圧すると共に前記被覆部材の融点以上の温度で加熱することによって、前記被覆部材を、前記継ぎ目を覆った状態で、前記管体の内壁面に溶着することを特徴とする(以下、本発明接続方法と称する。)。
本発明接続方法においては、前記被覆部材として、長尺帯板状の被覆部材本体の一面の長さ方向に沿って一ないし複数条のガイドリブが設けられてなるものを用い、前記継ぎ目に沿って前記ガイドリブを挿入させた状態で、前記被覆部材本体の一面を、前記管体の内壁面側からあてがうことが好ましい態様となる。
本発明接続方法においては、前記被覆部材として、長尺帯板状の被覆部材本体の長さ方向に沿う両側縁部において厚みを増加させる厚肉部が設けられてなるものを用いることが好ましい態様となる。
本発明被覆方法によれば、簡単な作業にて、管体の管壁に生じた穴部を被覆することができる。本発明被覆方法において、本発明第一治具、本発明第二治具、又は本発明第三治具を用いれば、本発明被覆方法の実行がより容易になる。又、本発明接続方法によれば、簡単な作業にて、管体間に生じた継ぎ目を被覆すると共に隣接する管体同士を接続することができる。
図1(a)〜(c)は、実施形態1に係る本発明被覆方法を実施する工程を説明する説明図である。 図2は、実施形態1に係る本発明被覆方法に用いられる被覆部材を示す斜視図である。 図3は、被覆部材の他の例を示す断面図である。 図4は、被覆部材の他面に設けられた位置決め部に、金属プレートの表面に設けられた係止部を係止させた状態で、本発明被覆方法を実施している状態を示す説明図である。 図5(a)〜(c)は、実施形態2に係る本発明被覆方法を実施する工程を説明する説明図である。 図6は、更生管に製管される帯状部材を示す断面図である。 図7は、実施形態2に係る本発明被覆方法に用いられる被覆部材を示す斜視図(a)と断面図(b)である。 図8は、被覆部材の他の例を示す断面図である。 図9は、被覆部材の更に他の例を示す斜視図(a)と断面図(b)である。 図10は、更生管に製管される他の帯状部材を示す断面図である。 図11(a)は、別体のコネクタを嵌め込むことによって接合された他の帯状部材を示す断面図であり、図11(b)は、帯状部材にコネクタを嵌め込んで接合する状態を示す斜視図である。 図12は、本発明第一治具を示す分解斜視図である。 図13(a)、(b)は、本発明第一治具を用いて本発明被覆方法を実施している状態を示す説明図である。 図14は、本発明第二治具を示す断面図である。 図15(a)、(b)は、本発明第二治具を用いて本発明被覆方法を実施している状態を示す説明図である。 図16は、本発明第三治具を示す斜視図(a)と断面図(b)である。 図17(a)は、開口端同士を対峙させた状態で隣接させた更生管を示す側面図であり、図17(b)〜(d)は、実施形態3に係る本発明接続方法を実施する工程を説明する説明図である。 図18は、実施形態3に係る本発明接続方法に用いられる被覆部材を示す斜視図である。 図19は、被覆部材の他の例を示す断面図である。 図20は、被覆部材の更に他の例を示す断面図である。 図21(a)及び(b)は、更生管に対し浮上防止措置を講じた状態を示す正面断面図と側面図であり、図21(c)は、浮上防止措置の際に生じた貫通孔を被覆部材で覆う状態を示す正面断面図である。
[実施形態1]
図1に実施形態1に係る本発明被覆方法を示す。本実施形態は、ポリオレフィン系の熱可塑性樹脂(ポリエチレン)からなる水道管(特許請求の範囲における「管体」に相当。以下、「管体100」と称する。)の管頂部分に生じたひび割れなどの損傷部分(特許請求の範囲における「穴部」に相当。以下、「穴部101」と称する。)を本発明被覆方法にて被覆し、もって管体100を補修するものである。
図2に示すように、本実施形態においては、円盤状の板状体からなる被覆部材1を用いた。この被覆部材1は、前記穴部101を覆って余る大きさを有する。
図1(a)に示すように、本実施形態においては、まず、管体100の管頂部分に生じた穴部101にポリオレフィン系の熱可塑性樹脂(ポリエチレン)からなる板状の被覆部材1の一面12を、管体100の内壁面側からあてがい、前記被覆部材1にて穴部101を覆う。この際、被覆部材1の一面12と、管体100の内壁面との間に粘着性樹脂を介在させることによって、被覆部材1を仮固定することが好ましい。
本発明被覆方法においては、前記被覆部材1にて前記穴部101を覆った後、前記被覆部材1を、前記管体100の内壁面に向かって他面13側から加圧すると共に前記被覆部材1の融点以上の温度で加熱する(図1(b)参照)。本実施形態においては、前記被覆部材1を前記管体100の内壁面に向かって加圧すると共に加熱する手段として、ステンレス(SUS304)製の金属プレート24を備えた加圧加熱治具2を用いた。この加圧加熱治具2は、ジャッキ21における伸縮自在のロッド22の先端に電熱ヒータ23が設けられてなり、係る電熱ヒータ23から伝達される熱によって加熱される金属プレート24が更に設けられたものである。なお、金属プレート24の表面(被覆部材1の他面13に当接させる面)は、前記被覆部材1を覆って余る大きさを有する。
図1(b)に示すように、金属プレート24の表面を被覆部材1の他面13に当接させた状態でジャッキ21におけるロッド22を伸ばせば、ジャッキ21の一端が管体100の管底部に当接し、管頂部と管底部との間に加圧加熱治具2が支持される。加圧加熱治具2によって被覆部材1に負荷される押圧力(加圧の程度)は、ロッド22の伸度を調整することによって決定することができる。加圧加熱治具2によって加圧された被覆部材1は、可撓変形し、管体100の内壁面に沿って密着する。
この状態で電熱ヒータ23を作動させると、金属プレート24が熱せられ、この金属プレート24の熱によって、被覆部材1が他面13側から加熱される。被覆部材1に伝達される熱エネルギーは、電熱ヒータ23の出力を調整することによって決定することができる。
被覆部材1に伝達される熱エネルギーが、被覆部材1の融点を超えた時点で、被覆部材1は他面13側から溶融し始め、徐々に溶融が一面12側に移行していく。被覆部材1に伝達される熱エネルギーが被覆部材1の一面12に移行すると、管体100における被覆部材1に接触している内壁面も加熱され、軟化する。又、溶融した被覆部材1の一部が穴部101に入り込む。これにより、被覆部材1と管体100の内面とが強固に融着する。なお、被覆部材1は加圧されながら、加熱されているため、溶融し、軟化した被覆部材1は、厚みを減少させつつ、面方向に拡大するが、被覆部材1は他面13全体が金属プレート24によって覆われた状態で管体100の内壁面に向かって加圧されているため、金属プレート24の大きさ以上に被覆部材1が拡大するまで、樹脂のたれは生じない。
この状態で一定時間、被覆部材1を加圧すると共に加熱し続ければ、溶融した被覆部材1は、管体100の内壁面に融着する。その後、電熱ヒータ23を停止し、被覆部材1に対する加熱を停止すれば、被覆部材1は、管体100の内壁面に融着した状態で冷却されて硬化する。これによって、管体100に生じた穴部101が被覆部材1によって被覆され、もって管体100が補修される(図1(c)参照)。
本発明被覆方法によれば、加圧のための押圧力、加熱のための熱エネルギー、及び加熱時間を設定すれば、作業者の熟練度に関係なく、一定の品質の仕上がりを得ることができる。加圧のための押圧力、加熱のための熱エネルギー、及び加熱時間の調整は、非常に単純な作業であり、従って、簡単な作業にて管体100に生じた穴部101を被覆することができる。
なお、本実施形態においては、前述の加圧加熱治具2を用いて、被覆部材1を管体100の内壁面に融着させたが、本発明被覆方法においては、必ずしもこのような加圧加熱治具2を用いる場合に限られない。
例えば、アイロンのような手持ちの加熱器具を用いて、作業員の人力によって被覆部材1を加圧すると共に加熱しても良い。作業員の人力は、作業員ごとに極端に替わるものでもなく、設定された加熱温度にて、一定時間被覆部材1を加圧すれば、一定範囲内の品質の仕上がりは確保できる。
又、本実施形態においては、金属プレート24における被覆部材1に当接させる面(以下、当接面と称する。)の大きさにつき、被覆部材1を覆って余る大きさに設定しているが、係る当接面の大きさは、被覆部材1より小さくても良い。係る当接面の大きさが、被覆部材1より小さくても、金属プレート24を当接させる位置を変えながら複数回に分けて、被覆部材1を加圧、加熱すれば、本発明被覆方法を実行することができる。金属プレート24を当接させる位置を変えながら複数回に分けて、被覆部材1を加圧、加熱する場合にあっても、各回において、加圧のための押圧力、加熱のための熱エネルギー、及び加熱時間を一定にすれば、作業者の熟練度に関係なく、一定の品質の仕上がりを得ることができる。
更に、本実施形態においては、被覆部材1を構成する素材としてポリエチレンを用いたが、被覆部材1を構成する素材としては、熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。ポリエチレン以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレンなどを挙げることができる。なお、被覆部材1を構成する素材の選択にあたっては、管体100の内壁面を構成する素材と同系統の樹脂を選択することが好ましい。被覆部材1を構成する素材を、管体100の内壁面を構成する素材と同系統の樹脂にすれば、融着後の固定強度が高くなる。
加えて、本実施形態においては、被覆部材1として円盤状の板状体を用いたが、被覆部材1の形状としては、管体100に生じた穴部101を覆い得る大きさを有するものであれば特に限定されるものではなく、穴部101の形状や大きさに応じて適宜決定すれば良い。又、被覆部材1の一面12については、予め管体100の内壁面に沿い得る湾曲面としても良い。
又、被覆部材1としては、図3に示すような、被覆部材1の周縁部において、その厚みを増加させる厚肉部14が設けられてなるものを用いても良い。被覆部材1の周縁部において、前記被覆部材1の厚みを増加させる厚肉部14が設けられてなるものを用いれば、係る厚肉部14に対して集中的に加熱、加圧を行うことができ、もって、特に、管体100との密着性を向上させたい被覆部材1の周縁において集中的な融着が可能となる。
更に、被覆部材1として、その他面13に凹状の位置決め部17が設けられたものを用いると共に、加圧加熱治具2として金属プレート24の表面に前記位置決め部17に係止させる凸状の係止部25が設けられてなるものを用いることが好ましい。図4に示すように、前記位置決め部17に前記係止部25を係止させた状態で、前記金属プレート24を、前記被覆部材1の他面13側から圧接すると共に加熱すれば、前記被覆部材1に対する前記金属プレート24の位置決めが容易となり、もって作業性が向上する。なお、前記位置決め部17を凸状とし、前記係止部25を凹状としても同じ作用が得られる。
ところで、本発明被覆方法においては、被覆部材1を構成する熱可塑性樹脂に応じて、加熱温度を適宜変更する必要が生じる。例えば、被覆部材1を構成する熱可塑性樹脂がポリエチレンの場合にあっては、160〜220℃程度に加熱することが好ましい。被覆部材1を構成する熱可塑性樹脂がポリプロピレンの場合にあっては、180〜260℃程度に加熱することが好ましい。なお、被覆部材1を加圧する押圧力と、加熱時間については、主として被覆部材1の厚みに応じて適宜決定すれば良い。
[実施形態2]
図5に実施形態2に係る本発明被覆方法を示す。本実施形態は、既設管200の管路に沿って敷設された、更生管300の管頂部分に意図的に設けられた円形の貫通孔301を本発明被覆方法にて被覆し、もって更生管300を補修するものである。
図6に示すように、本実施形態においては、更生管300を構成する帯状部材310として、ポリオレフィン系の熱可塑性樹脂(ポリエチレン)からなる長尺帯状の基板311の片側面(更生管300に形成された際、更生管300の外壁面となる側の面)に複数条の補強リブ312が設けられてなり、更に、基板311の一側縁部に段落ち部316が設けられているものを用いた。この帯状部材310は、螺旋状に巻き回されて、先行する帯状部材310の一側縁部と周回遅れで後続する帯状部材310の他側縁部とが隣接され、先行する帯状部材310の一側縁部に設けられた段落ち部316と後続する帯状部材310の他側縁部とが重ね合わされた上で融着されることによって、帯状部材310が螺旋状に付加形成された更生管300に製管される仕組みとなっている。なお、前記補強リブ312は、製管された更生管300の自立強度(保形成)を高める役割を有しており、本実施形態においては、係る補強リブ312内にその物理的強度を高める金属製の心材317が埋設されている。
更生管300の管頂部分に意図的に設けられた円形の貫通孔301は、前記「背景技術」の欄において説明したように、既設管200の管路に沿って更生管300を敷設した後、既設管200の内壁面と更生管300の外壁面との間に存する間隙に裏込め材400を充填するにあたり、充填された裏込め材400によって更生管300が浮き上がらないように、更生管300の浮上防止措置を採る際の必要に応じて開けられた穴である。従って、裏込め材400には、前記貫通孔301と連続する凹穴401が生じている。
図7に示すように、本実施形態において使用した被覆部材1は、円形の板状体からなる被覆部材本体11の一面12に、前記円形の貫通孔301に嵌挿し得る外径を有する円筒状のガイドリブ15が設けられてなるものである。なお、この被覆部材1の他面13には、凹状の位置決め部17が設けられている。
図5(a)に示すように、本実施形態においては、まず、更生管300の管頂部分に設けられた円形の貫通孔301に熱可塑性樹脂(ポリエチレン)からなる被覆部材1の一面12を、更生管300の内壁面側からあてがい、前記被覆部材1にて貫通孔301を覆う。
更に詳しくは、本実施形態において、前記ガイドリブ15の外径は、前記円形の貫通孔301の内径と同一径に設定されてなり、被覆部材1は、前記貫通孔301に前記ガイドリブ15を嵌挿させた状態で、被覆部材本体11の一面12を、更生管300の内壁面側からあてがわれる。なお、本実施形態においては、前記貫通孔301に前記ガイドリブ15を挿入する際に、前記ガイドリブ15の外周面と、裏込め材400に存する前記貫通孔301と連続する凹穴401の内周面との間に粘着性樹脂(図示せず)を介在させることによって、前記ガイドリブ15を前記凹穴401に粘着固定している。前記凹穴401の内周面はモルタル等からなる裏込め材400が露出していることから、ガイドリブ15の外周面と凹穴401の内周面との間に粘着性樹脂を介在させれば、ガイドリブ15は凹穴401に固定される。
図5(b)に示すように、この状態で、前記実施形態1で説明した加圧加熱治具2を用いて、被覆部材本体11を、更生管300の内壁面に向かって他面13側から加圧すると共に被覆部材本体11の融点以上の温度で一定時間加熱すると、金属プレート24の熱によって、被覆部材本体11が他面13側から加熱され、溶融した被覆部材本体11が、更生管300の内壁面に融着する。その後、加圧加熱治具2を取り外せば、更生管300の内壁面に融着した状態で、被覆部材本体11が冷却されて硬化する。これによって、更生管300に設けられた貫通孔301が被覆部材本体11によって被覆され、もって更生管300が補修される(図5(c)参照)。
本実施形態においては、被覆部材1として、円形の板状体からなる被覆部材本体11の一面12に、円筒状のガイドリブ15設けられてなるものを用いているから、貫通孔301に対する被覆部材1の位置決めが容易となる。
又、ガイドリブ15は、粘着性樹脂によって、凹穴401に固定されているから、更生管300に対する被覆部材1の固定強度が向上する。
更に、ガイドリブ15は、被覆部材1を補強する作用も有しており、更生管300の内壁面に融着された被覆部材1の物理的強度が向上する。
なお、本実施形態においては、被覆部材本体11として円形の板状体を用いたが、被覆部材本体11については、矩形などのその他の形状であっても良い。又、ガイドリブ15についても円筒状とする場合に限られず、円柱状としても良い。更に、図8に示すような、被覆部材本体11の周縁部において、前記被覆部材本体11の厚みを増加させる厚肉部14が設けられてなるものを用いても良い。被覆部材本体11の周縁部において、前記被覆部材本体11の厚みを増加させる厚肉部14が設けられてなるものを用いれば、係る厚肉部14に対して集中的に加熱、加圧を講じることができ、もって、被覆部材本体11の周縁において集中的な融着が可能となる。
更に、被覆部材1としては、図9に示すような前記ガイドリブ15の外周面に凸部18が設けられてなるものを用いても良い。この被覆部材1は、前記貫通孔301に前記ガイドリブ15を挿入する際に、前記ガイドリブ15と共に前記凸部18を裏込め材400に存する前記貫通孔301と連続する凹穴401に押し込むものであり、粘着性樹脂を用いなくても前記被覆部材1を前記貫通孔301に仮固定することができる。
又、本実施形態においては、帯状部材310として、基板311の一側縁部に設けられた段落ち部316と他側縁部とを重ね合わせて融着することによって更生管300に構築されるものが用いられているが、帯状部材310としては、必ずしも係る接合手段によって更生管300に製管されるものを用いる必要はない。帯状部材310としては、例えば、図10に示すような、基板311の一側縁部と他側縁部とにそれぞれ設けられた雄型嵌合部313と雌型嵌合部314との嵌め込みによる接合手段によって更生管300に構築されるものを用いても良いし、図11(a)及び図11(b)に示すような接合機序によって接合されるものであっても良い。
図11に示す帯状部材310は、熱可塑性樹脂を長尺帯状に成形したものであって、複数の補強リブ312が長手方向に沿って形成されており、長尺帯状のコネクタ320を用いて側縁部同士が接続されるようになっている。なお、この帯状部材310には、前記補強リブ312を補強する補強金具330が嵌め込み固定されている。
即ち、この帯状部材310の両側縁部にはそれぞれ接合凹部315が長手方向に沿って形成されている。また、コネクタ320には、帯状部材310の接合凹部315に接合することが可能な2つの接合凸部321が長手方向に沿って互いに平行に形成されている。
そして、このような形態の帯状部材310は、その両側縁部の接合凹部315の片方にコネクタ320の接合凸部321の一方を嵌め込んだ状態で、螺旋状に巻回されて更生管300を形成する。その巻回過程において、図11(a)及び図11(b)に示すように、互いに隣接する2つの帯状部材310のうち、一方の帯状部材310の接合凹部315に、他方の帯状部材310の接合凹部315に嵌め込んだコネクタ320の接合凸部321を嵌め込むことにより、これら互いに隣接する帯状部材310を相互に接合することができる。
ところで、本発明被覆方法においては、前記被覆部材1を前記更生管300の内壁面に向かって加圧すると共に加熱する手段として、図12に示す加圧加熱治具(本発明第一治具に相当)2を用いることが好ましい。
この加圧加熱治具2は、スペーサ部材26と、加熱部材27とを具備する。
前記スペーサ部材26は、鉄板からなる矩形状の底板部261と前記底板部261の周縁から立ち上げられた複数(本実施形態においては二枚)の鉄板からなる平板状の側板部262とを有する。前記二枚の側板部262は、その自立強度を高める鉄板からなる平板状の架橋部材263によって相互に架橋されている。各側板部262の端部(端部辺)は、いずれも直線状であり、互いに平行関係を有している。一方、前記架橋部材263の上縁(前記側板部262の端部に近い側の縁)の中ほどには、段落ち部2631が形成されている。一方、前記架橋部材263の下縁(前記底板部261に近い側の縁)は、前記底板部261と接していない。従って、前記架橋部材263の上縁側には切り欠き窓部2632が形成され、前記架橋部材263の下縁側には、開口窓部2634が形成される。
即ち、このスペーサ部材26は、前記底板部261と、対向する一対の前記側板部262と、対向する一対の前記架橋部材263とによって囲まれた外観を有するものであり、前記切り欠き窓部2632と前記開口窓部2634とを除けば、水平断面形状が四角の有底の筒状体となる。なお、各側板部262間の間隔は、後述する金属プレート272からの熱が各側板部262に直接伝達されないように、前記金属プレート272の径(幅)より大きくなるように設定されている。通常、各側板部262間の間隔は、前記金属プレート272の径(幅)に対し、1.1〜2倍程度に設定される。同様に、前記架橋部材263間の間隔も前記金属プレート272の径(幅)に対し、1.1〜2倍程度に設定される。
前記加熱部材27は、基板271と、電熱によって加熱される金属プレート272と、前記基板271の他面側に一端が固定された支持部材273(上部支持部材2731)とを具備する。
前記基板271は、円盤状に加工された断熱材(ニチアス社製ノンアスベスト断熱材(商品名:ヘミサル))からなり、その一部に切り欠き2711が形成されている。
前記金属プレート272は、前記基板271と同径の円盤状のプレートヒータ2721の一面が、同径の円盤状の金属プレート本体2722にて覆われた構成を有する。
前記プレートヒータ2721は、温度制御用のコントローラCと二本の電流供給用リード線L1、L2を介して電気的に接続されてなり、前記コントローラCが操作されることによって供給された電流を電熱に変換するものである。又、前記プレートヒータ2721から生じる電熱は、前記プレートヒータ2721に設けられた温度センサーSによって感知されており、温度情報供給用リード線L3を介してこの温度センサーSから伝達される温度情報を受け取った前記コントローラCが、設定範囲内の温度を維持するように制御する仕組みとなっている。
前記金属プレート本体2722は、前記プレートヒータ2721と同径のステンレス(SUS304)製の円盤であり、前記プレートヒータ2721から生じる電熱により加熱されるものである。前記金属プレート本体2722の中心には、凸状の係止部25が設けられている。なお、金属プレート本体2722の表面(被覆部材1の他面13に当接させる面)は、前記被覆部材本体11を覆って余る大きさを有する。
前記支持部材273は、芯鞘構造にて連結された上部支持部材2731と下部支持部材2732とからなる。
前記上部支持部材2731は、ステンレス(SUS304)を前記基板271と同径の円盤状に加工することによって形成した円盤部2733と、前記円盤部2733の中心部分に溶接固定(点付け)されたステンレス(SUS304)製の芯棒部2734とからなる。前記円盤部2733には、その一部に切り欠き2735が形成されている。前記芯棒部2734には、軸芯に沿って凹溝状の長穴2736が設けられている。
前記下部支持部材2732は、鉄製の有底円筒体であり、その側壁には、側壁を貫通する係止穴2737が設けられている。この係止穴2737の内壁にはねじ山が設けられている。前記下部支持部材2732は、前記スペーサ部材26の底板部261から屹立させた状態にて底板部261に固定されている。
この様な構成を有する加圧加熱治具2を構築するにあたっては、まず、前記基板271の一面側に前記金属プレート272におけるプレートヒータ2721側を重ね合わせると共に、前記基板271の他面側に、前記上部支持部材2731の円盤部2733側を重ね合わせ、4本のボルトBにて各部材を締結固定する。この際、前記プレートヒータ2721に配された二本の電流供給用リード線L1、L2と温度情報供給用リード線L3とは、加圧加熱治具2の動作の邪魔にならないように、切り欠き2711、2735を介して前記上部支持部材2731の円盤部2733の下面に導かれ、開口窓部2634を介してコントローラCに接続される。
次いで、前記下部支持部材2732内にバネ274を挿通した上で、前記下部支持部材2732と前記上部支持部材2731とを芯鞘構造にて連結し、前記長穴2736と前記係止穴2737とを対峙させた状態で、ボルト(特許請求の範囲における係止部材に相当)275を前記係止穴2737を通して前記長穴2736に挿入する。これによって、一端(前記円盤部2733)が前記基板271に固定され、且つ他端側がスペーサ部材26の底板部261に固定された、弾性的に伸縮可能となされた前記支持部材273が形成される。この支持部材273の伸縮幅は、前記長穴2736に挿入されたボルト275によって前記長穴2736の溝長さに規制されている。
このようにして、前記上部支持部材2731と前記下部支持部材2732とを芯鞘構造にて連結すれば、前記金属プレート272の周囲に前記複数の側板部262が配置された加圧加熱治具2が構築される。
この加圧加熱治具2には、更に、前記底板部261における前記下部支持部材2732を固定させた面の反対側の面にジャッキ21(図示せず)における伸縮自在のロッド22の先端が取り付けられる。
前記金属プレート272の表面と、前記側板部262の各端部(端部辺)とは、互いに平行関係となっており、前記金属プレート272を底板部261に向かって押し込めば、支持部材273が弾性的に縮み、前記金属プレート272の表面と前記側板部262の各端部との平行関係を維持したまま、前記金属プレート272の表面位置が前記複数の側板部262の端部の位置より没入する仕組みとなっている。なお、本実施形態においては、前記金属プレート272に対して押圧力が加えられていない場合、前記金属プレート272の表面位置が、前記複数の側板部262の端部の位置となるように設定されている。
この加圧加熱治具2を用いて本発明被覆方法を実行するにあたっては、まず、図13(a)に示すように、前記加圧加熱治具2における前記金属プレート(前記金属プレート本体2722)272を前記被覆部材1の他面13に当接させる。この際、前記金属プレート本体2722に設けられた凸状の係止部25を前記被覆部材1に設けられた凹状の位置決め部17に係止させることによって、前記金属プレート272を位置決めする。架橋部材263の上縁側には切り欠き窓部2632が形成されているため、作業者は、この切り欠き窓部2632を介してスペーサ部材26に囲まれた内部を視認しつつ、係止部25と位置決め部17との係止を行うことができる。
次いで、ジャッキ21(図示せず)のロッド22を伸ばし、ジャッキ21の一端を更生管300の管底部に当接させ、管頂部と管底部との間に加圧加熱治具2を支持させる。
この際、図13(b)に示すように、被覆部材1から受ける反力によって前記金属プレート272が前記底板部261に向かって後退し、前記金属プレート272の周縁を囲む前記複数の側板部262が、被覆部材本体11の厚み分、前記金属プレート272の表面より突出し、更生管300の内壁に当接する。即ち、前記金属プレート272の前記被覆部材1を押圧する押圧力は、ロッド22の伸縮の程度にかかわらず、支持部材273に付与されたバネ274の弾性反発力によって決定される。
なお、図面上、更生管300の内壁面は平面となっているが、実際の更生管300の内壁面は湾曲している。この点につき、前記加圧加熱治具2は、前記スペーサ部材26における対向する一対の側板部262の並びを更生管300の内周方向に沿わせることによって、各側板部262の端部をそれぞれ更生管300の内壁面に線接触させることができる。これより対向する一対の側板部262の端部を、安定した状態にて更生管300の内壁に当接させることができる。
この状態で前記温度制御コントローラCを操作し、前記プレートヒータ2721に電流を通じると、前記プレートヒータ2721に電熱が生じ、前記金属プレート本体2722が熱せられ、この前記金属プレート本体2722から付与される熱によって、被覆部材1が他面13側から加熱される。
前記被覆部材1は加圧されながら、加熱されているため、溶融し、軟化した前記被覆部材本体11は厚みを減少させるが、前記金属プレート272による前記被覆部材1を押圧する押圧力は、支持部材273に付与されたバネ274の弾性反発力によって生じているものであるため、前記被覆部材本体11の厚みの減少に応じて、前記金属プレート272が進出して追随する。
この状態で一定時間、前記被覆部材1を加圧すると共に加熱し続ければ、溶融した被覆部材1は、更生管300の内壁面に融着する。その後、前記温度制御コントローラCを操作して前記プレートヒータ2721への電流の供給を停止すれば、被覆部材1に対する加熱が停止され、被覆部材1は、更生管300の内壁面に融着した状態で冷却されて硬化する。これによって、更生管300に設けられた貫通孔301が被覆部材本体11によって被覆され、もって更生管300が補修される。
即ち、本発明被覆方法において、本発明第一治具に相当する前記加圧加熱治具2を用いれば、作業時において、加圧のための押圧力を調整する必要が無く、加熱のための熱エネルギー、及び加熱時間を設定すれば、作業者の熟練度に関係なく、一定の品質の仕上がりを得ることができる。加圧のための押圧力は、主としてバネ274の弾性力を調整することによって容易に変更することができる。
なお、押圧力は、バネ274の弾性力の調整によって変更する場合に限られず、前記金属プレート272の表面位置に対する前記複数の側板部262の端部の位置を適宜変更することによっても変更可能である。バネ274の弾性力が変わらなくても、例えば、前記複数の側板部262の端部の位置を、前記金属プレート272の表面位置より突出させれば、前記側板部262の端部の突出幅に応じて押圧力は相対的に弱くなる。一方、前記金属プレート272の表面位置を、前記複数の側板部262の端部の位置より突出させれば、前記金属プレート272の突出幅に応じて押圧力は相対的に強くなる。
前記金属プレート272の表面位置に対する前記複数の側板部262の端部の位置を変更する手段としては特に限定されるものではないが、例えば、前記係止穴2737を複数箇所、前記金属プレート272からの距離を変えた位置に設け、前記複数箇所に設けられた係止穴2737から一の係止穴2737を選択し、選択された一の係止穴2737を通じて前記長穴2736に前記係止部材275を挿入することによって、前記側板部262の端部に対する前記金属プレート272の表面の位置を変更可能とする手段などを挙げることができる。なお、前記金属プレート272の表面の位置に対して前記側板部262の端部の位置を突出させる場合にあっては、その突出幅は、前記被覆部材本体11の厚み分以下とする必要がある。この突出幅は、前記被覆部材本体11の厚みに対し、0〜60%の範囲内とすることが好ましい。一方、前記側板部262の端部の位置に対して前記金属プレート272の表面位置を突出させる場合にあっては、その突出幅は特に限定されるものではない。
又、本発明被覆方法においては、前記被覆部材1を前記更生管300の内壁面に向かって加圧すると共に加熱する手段として、図14に示す加圧加熱治具(本発明第二治具に相当)2を用いても良い。
図12に示す前記加圧加熱治具(本発明第一治具)2と比較して、図14に示す加圧加熱治具2が異なる点は、支持部材273として伸縮する機能を有さない単なる支柱を用いた点と、複数の側板部262の各端部が、前記被覆部材本体11の厚さ分以下に設定された突出幅にて、前記金属プレート272の表面の位置より突出されてなる点にあり、その余は同様の構成を有する。
この加圧加熱治具2を用いて本発明被覆方法を実行するにあたっては、まず、図15(a)に示すように、前記加圧加熱治具2における前記金属プレート(前記金属プレート本体2722)272を前記被覆部材1の他面13に当接させる。
次いで、ジャッキ21(図示せず)のロッド22を伸ばし、ジャッキ21の一端を更生管300の管底部に当接させて、管頂部と管底部との間に加圧加熱治具2を支持させる。
この状態で温度制御コントローラC(図示せず)を操作し、プレートヒータ2721に電流を通じると、前記プレートヒータ2721に電熱が生じ、金属プレート本体2722が熱せられ、この金属プレート本体2722の熱によって、被覆部材1が他面13側から加熱される。
加熱によって溶融し、軟化した前記被覆部材1は、厚みを減少させる。この際、ジャッキ21によって前記被覆部材1に向かって押圧させた金属プレート272は、被覆部材本体11の厚みの減少に応じて追随し、最終的に、前記金属プレート272の表面位置より突出させた前記複数の側板部262の端部が、更生管300の内壁に当接する(図15(b)参照)。即ち、前記複数の側板部262の端部が、更生管300の内壁に当接した時点で、前記金属プレート272による前記被覆部材1を押圧する押圧力は喪失される。
この状態で一定時間、被覆部材1を加熱し続ければ、溶融した被覆部材1は、更生管300の内壁面に融着する。その後、温度制御コントローラCを操作し、プレートヒータ2721への電流の供給を停止すれば、被覆部材1に対する加熱が停止され、被覆部材1は、更生管300の内壁面に融着した状態で冷却されて硬化する。これによって、更生管300に設けられた貫通孔301が被覆部材本体11によって被覆され、もって更生管300が補修される。
即ち、本発明被覆方法において、本発明第二治具に相当する前記加圧加熱治具2を用いれば、作業時において、加圧のための押圧力を調整する必要が無く、加熱のための熱エネルギー、及び加熱時間を設定すれば、作業者の熟練度に関係なく、一定の品質の仕上がり、特に、処理後の被覆部材1の厚みを一定にすることができる。加圧のための押圧力は、前記金属プレート272の表面位置より突出させた前記複数の側板部262の端部の突出幅を調整することによって容易に変更することができる。この突出幅は、前記被覆部材本体11の厚みに対し、0〜60%の範囲内とすることが好ましい。
更に、本発明被覆方法においては、前記被覆部材1を前記更生管300の内壁面に向かって加圧すると共に加熱する手段として、図16に示す加圧加熱治具(本発明第三治具に相当)2を用いても良い。
図14に示す前記加圧加熱治具(本発明第二治具)2と比較して、図16に示す加圧加熱治具2が異なる点は、前記支持部材273を介さずに、スペーサ部材26における底板部261に加熱部材27における基板271の他面が直接固定されている点と、対向する一対の側板部262同士が前記架橋部材263によって架橋されておらず、前記架橋部材263の替わりに底板部261と側板部262とがなす四箇所の角部にそれぞれリブ2635が設けられている点にあり、その余は同様の構成を有する。
この加圧加熱治具2を用いた本発明被覆方法の実行は、図14に示す前記加圧加熱治具2を用いた場合と同様の工程にて行われる。
本発明被覆方法において、本発明第三治具に相当する前記加圧加熱治具2を用いれば、作業時において、加圧のための押圧力を調整する必要が無く、加熱のための熱エネルギー、及び加熱時間を設定すれば、作業者の熟練度に関係なく、一定の品質の仕上がり、特に、処理後の被覆部材1の厚みを一定にすることができる。加圧のための押圧力は、前記金属プレート272の表面位置より突出させた前記複数の側板部262の端部の突出幅を調整することによって容易に変更することができる。この突出幅は、前記被覆部材本体11の厚みに対し、0〜60%の範囲内とすることが好ましい。
なお、この加圧加熱治具2は、スペーサ部材26における底板部261に加熱部材27における基板271の他面が直接固定されていることから、加熱された金属プレート272からの熱損失が少なく、もって効率よく被覆部材1を加熱することが可能となる。
本実施形態のその余については、前記実施形態1にて説明した事項と同様であることから、繰り返しを避けるためここでは説明を省略する。
[実施形態3]
図17に実施形態3に係る本発明接続方法を示す。本実施形態は、熱可塑性樹脂(ポリプロピレン)からなる帯状部材310が螺旋状に付加形成された更生管300を既設管200の管路内に敷設する際に、必要に応じて開口端同士を対峙させた状態で隣接させた更生管300の間に生じた継ぎ目302を被覆すると共に隣接する更生管300同士を接続するものである(図17(a)参照)。なお、更生管300を構成する帯状部材310は、前記実施形態2において説明したものと同様である。
本実施形態においては、まず、接続する各更生管300の開口端をそれぞれグラインダー等で削ることによって、各更生管300の開口端の端面が互いに平行となるように処理する。次いで、図17(b)に示すように、隣接させた更生管300の間に生じた継ぎ目302に対し、熱可塑性樹脂(ポリプロピレン)からなる長尺帯板状の被覆部材1の一面12を、更生管300の内壁面側からあてがい、前記被覆部材本体11にて継ぎ目302を覆う。
図18に示すように、本実施形態においは、被覆部材1として、長尺帯板状の被覆部材本体11の一面12の長さ方向に沿って一条のガイドリブ15が設けられたものを用い、前記継ぎ目302に沿って前記ガイドリブ15を挿入させた状態で、前記被覆部材本体11の一面12を、前記更生管300の内壁面側からあてがっている。この際、被覆部材本体11の一面12と、更生管300の内壁面との間に粘着性樹脂を介在させることによって、被覆部材1を仮固定することが好ましい。
図17(c)に示すように、この状態で、前記実施形態1で説明した加圧加熱治具2を用いて、被覆部材本体11の一部を、更生管300の内壁面に向かって他面13側から加圧すると共に被覆部材本体11の融点以上の温度で一定時間加熱すると、金属プレート24の熱によって、被覆部材本体11が他面13側から加熱され、溶融した被覆部材本体11の一部が、更生管300の内壁面に融着する。
被覆部材本体11の一部が更生管300の内壁面に融着したら、図17(d)に示すように、加圧加熱治具2を緩めて、金属プレート24を更生管300の円周方向に沿ってずらし、前記被覆部材本体11の一部に隣接する他の一部に金属プレート24を当接させ、被覆部材本体11の他の一部を更生管300の内壁面に向かって他面13側から加圧する。
この作業の繰り返しによって、加圧加熱治具2に備えられた金属プレート24を更生管300の内周面に沿って周回させながら、被覆部材本体11を更生管300の内壁面に融着すれば、前記継ぎ目302が被覆部材本体11によって被覆されると共に、隣接する更生管300同士が接続される。継ぎ目302に沿って周回させた被覆部材本体11の始端と後端とは、端部同士を隣接させた状態で、加圧加熱治具2によって、再度、加圧、加熱されて一体化される。
本実施形態においては、被覆部材1として、長尺帯板状の被覆部材本体11の一面12の長さ方向に沿って、ガイドリブ15が設けられてなるものを用いているから、継ぎ目302に対する被覆部材1の位置決めが容易となる。なお、本実施形態においては、被覆部材本体11として更生管300の内周を周回し得る長さの長尺帯板状のものを一枚用いたが、複数の被覆部材1を隣接させながら前記継ぎ目302を被覆しても良い。
又、更生管300の外壁面から突出するガイドリブ15は、隣接する更生管300の継ぎ目302における自立強度を高める作用も有している。従って、ガイドリブ15の高さは、被覆部材1が更生管300に融着された際、更生管300を構成する帯状部材310自体に設けられた補強リブ312の高さと同じ高さとなるように設定することが好ましい。又、図19に示すように、ガイドリブ15の内部には、その物理的強度を高めるための金属製の心材16を備えることが好ましい。
又、図20に示すように、被覆部材1としては、被覆部材本体11の両側縁部において、前記被覆部材本体11の厚みを増加させる厚肉部14が設けられてなるものを用いても良い。被覆部材本体11の両側縁部において、前記被覆部材本体11の厚みを増加させる厚肉部14が設けられてなるものを用いれば、係る厚肉部14に対して集中的に加熱、加圧を講じることができ、もって、被覆部材本体11の両側縁部において集中的な融着が可能となる。
更に、本実施形態においても、被覆部材1を加圧、加熱するにあたり、図12、図14又は図16に示す如きの加圧加熱治具(本発明第一治具、本発明第二治具、又は本発明第三治具)を用いることが好ましい。なお、本実施形態において係る加圧加熱治具2を用いる場合にあっては、金属プレート272の表面形状が被覆部材1より幅広の矩形となされたものを用いることが好ましい。
本実施形態のその余については、前記実施形態1及び前記実施形態2にて説明した事項と同様であることから、繰り返しを避けるためここでは説明を省略する。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、例えば、下水管路、上水管路、農業用水路などの既設管や既設管の管路内に沿って敷設された更生管などの管体に生じた穴部を被覆する方法や、開口端同士を対峙させた状態で隣接させた、前記管体間の継ぎ目を被覆すると共に隣接する管体同士を接続する方法として利用することができる。
1 被覆部材
11 被覆部材本体
12 一面
13 他面
14 厚肉部
15 ガイドリブ
2 加圧加熱治具
21 ジャッキ
22 ロッド
23 電熱ヒータ
24 金属プレート
25 係止部
26 スペーサ部材
261 底板部
262 側板部
263 架橋部材
27 加熱部材
271 基板
2711 切り欠き
272 金属プレート
2721 プレートヒータ
2722 金属プレート本体
273 支持部材
2731 上部支持部材
2732 下部支持部材
2733 円盤部
2734 芯棒部
2735 切り欠き
2736 長穴
2737 係止穴
274 バネ
275 ボルト
100 管体
101 穴部
200 既設管
300 更生管
301 貫通孔
302 継ぎ目
310 帯状部材
311 基板
312 補強リブ
313 雄型嵌合部
314 雌型嵌合部
315 接合凹部
320 コネクタ
321 接合凸部
330 補強金具
400 裏込め材
401 凹穴

Claims (19)

  1. 熱可塑性樹脂からなる管体の管壁に生じた穴部を被覆する管壁穴部の被覆方法であって、
    前記管体における前記穴部が生じている部分に対し、熱可塑性樹脂からなる板状の被覆部材の一面を、前記管体の内壁面側からあてがうことによって、前記被覆部材にて前記穴部を覆い、
    前記被覆部材を、前記管体の内壁面に向かって他面側から加圧すると共に前記被覆部材の融点以上の温度で加熱することによって、
    前記被覆部材を、前記穴部を覆った状態で、前記管体の内壁面に溶着することを特徴とする管壁穴部の被覆方法。
  2. 請求項1に記載の管壁穴部の被覆方法において、
    前記管体が、既設管を更生するために既設管の管路内に敷設された更生管である管壁穴部の被覆方法。
  3. 請求項2に記載の管壁穴部の被覆方法において、
    前記穴部が、前記既設管の内壁と前記更生管の外壁との間に存する間隙に裏込め材を充填する際に、前記更生管の浮上を防止するために管壁に設けられた円形の貫通孔である管壁穴部の被覆方法。
  4. 請求項3に記載の管壁穴部の被覆方法において、
    前記被覆部材として、板状の被覆部材本体の一面に、前記円形の貫通孔に嵌挿し得る外径を有する円柱状又は円筒状のガイドリブが設けられてなるものを用い、
    前記貫通孔に前記ガイドリブを嵌挿させた状態で、前記被覆部材本体の一面を、前記管体の内壁面側からあてがう管壁穴部の被覆方法。
  5. 請求項4に記載の管壁穴部の被覆方法において、
    前記貫通孔に前記ガイドリブを挿入する際に、前記ガイドリブの外周面と、裏込め材に存する前記貫通孔と連続する凹穴の内周面と、の間に粘着性樹脂を介在させることによって、前記ガイドリブを前記凹穴に粘着固定する管壁穴部の被覆方法。
  6. 請求項4又は5に記載の管壁穴部の被覆方法において、
    前記被覆部材として、前記ガイドリブの外周面に凸部が設けられてなるものを用い、
    前記貫通孔に前記ガイドリブを挿入する際に、前記ガイドリブと共に前記凸部を裏込め材に存する前記貫通孔と連続する凹穴に押し込む管壁穴部の被覆方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の管壁穴部の被覆方法において、
    前記被覆部材として、板状の被覆部材本体の周縁部において、厚みを増加させる厚肉部が設けられてなるものを用いる管壁穴部の被覆方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の管壁穴部の被覆方法において、
    金属プレートを備えた加圧加熱治具を用い、
    前記金属プレートを、前記被覆部材の他面側から圧接させると共に加熱することによって、前記被覆部材を前記管体の内壁面に向かって加圧すると共に加熱する管壁穴部の被覆方法。
  9. 請求項8に記載の管壁穴部の被覆方法において、
    前記管体の内壁面に対する前記金属プレートの接近距離を規制するスペーサ部材を更に備えた前記加圧加熱治具を用い、前記被覆部材を前記管体の内壁面に向かって加圧する際の押圧力を調整する管壁穴部の被覆方法。
  10. 請求項8又は9に記載の管壁穴部の被覆方法において、
    前記被覆部材の他面には、凸状、又は凹状の位置決め部が設けられてなり、
    前記金属プレートの表面には、前記位置決め部に係止させる凹状、又は凸状の係止部が設けられてなり、
    前記位置決め部に前記係止部を係止させた状態で、前記金属プレートを、前記被覆部材の他面側から圧接すると共に加熱する管壁穴部の被覆方法。
  11. 請求項9又は10に記載の管壁穴部の被覆方法において用いられる加圧加熱治具であって、
    底板部と前記底板部の周縁から立ち上げられた複数の側板部とを有するスペーサ部材と、
    断熱材からなる基板の一面側に電熱によって加熱される金属プレートが備えられると共に、前記基板の他面側に、弾性的に伸縮可能となされた支持部材の一端が固定された加熱部材と、
    を具備してなり、
    前記スペーサ部材における前記底板部に前記支持部材の他端側が固定された状態、且つ、前記複数の側板部が前記金属プレートの周縁に配置された状態にて、前記スペーサ部材に前記加熱部材が固定されてなり、
    加熱された前記金属プレートが前記被覆部材の他面に圧接されると共に前記複数の側板部の端部が前記管体の内壁面に当接された際に、前記被覆部材から受ける反力にて前記金属プレートが前記底板部に向かって後退されるものであることを特徴とする加圧加熱治具。
  12. 請求項11に記載の加圧加熱治具において、
    前記支持部材は、前記基板の他面側に固定される上部支持部材と、前記底板部に固定される下部支持部材とが芯鞘構造によって連結され、且つ、前記芯鞘構造に付与されたバネによって、弾性的に伸縮可能となされたものであり、
    前記上部支持部材及び前記下部支持部材のうちの一方には、係止穴が形成されてなり、
    前記上部支持部材及び前記下部支持部材のうちの他方には、軸芯方向に沿って長穴が形成されてなり、
    前記係止穴と長穴とが対峙された状態で、前記長穴及び係止穴に係止部材が挿入されることによって、前記支持部材の伸縮幅が規制されてなる加圧加熱治具。
  13. 請求項12に記載の加圧加熱治具において、
    前記係止穴が複数箇所、前記金属プレートからの距離を変えた位置に設けられてなり、
    前記複数箇所に設けられた係止穴から選択された一の係止穴及び前記長穴に前記係止部材が挿入されることによって、前記側板部の端部に対する前記金属プレートの表面の位置が変更可能となされた加圧加熱治具。
  14. 請求項11ないし13のいずれか1項に記載の加圧加熱治具において、
    前記金属プレートの表面には、前記被覆部材の他面に設けられた位置決め部に係止される凹状、又は凸状の係止部が設けられてなる加圧加熱治具。
  15. 請求項9又は10に記載の管壁穴部の被覆方法において用いられる加圧加熱治具であって、
    底板部と前記底板部の周縁から立ち上げられた複数の側板部とを有するスペーサ部材と、
    断熱材からなる基板の一面側に電熱によって加熱される金属プレートが備えられると共に、前記基板の他面側に支持部材の一端が固定された加熱部材と、
    を具備してなり、
    前記スペーサ部材における前記底板部に前記支持部材の他端側が固定された状態、且つ、前記複数の側板部が前記金属プレートの周縁に配置された状態にて、前記スペーサ部材に前記加熱部材が固定されてなり、
    前記複数の側板部の各端部が、前記被覆部材の厚さ分以下に設定された突出幅にて、前記金属プレートの表面の位置より突出されてなることを特徴とする加圧加熱治具。
  16. 請求項9又は10に記載の管壁穴部の被覆方法において用いられる加圧加熱治具であって、
    底板部と前記底板部の周縁から立ち上げられた複数の側板部とを有するスペーサ部材と、
    断熱材からなる基板の一面側に電熱によって加熱される金属プレートが備えられた加熱部材と、
    を具備してなり、
    前記スペーサ部材における前記底板部に前記加熱部材における基板の他面が固定された状態、且つ、前記複数の側板部が前記金属プレートの周縁に配置された状態にて、前記スペーサ部材に前記加熱部材が固定されてなり、
    前記複数の側板部の各端部が、前記被覆部材の厚さ分以下に設定された突出幅にて、前記金属プレートの表面の位置より突出されてなることを特徴とする加圧加熱治具。
  17. 開口端同士を対峙させた状態で隣接させた、熱可塑性樹脂からなる管体間の継ぎ目を被覆すると共に隣接する管体同士を接続する管体の接続方法であって、
    前記継ぎ目が生じている部分に対し、熱可塑性樹脂からなる長尺帯板状の被覆部材の一面を、前記管体の内壁面側からあてがうことによって、前記被覆部材にて前記継ぎ目を覆い、
    前記被覆部材を、前記管体の内壁面に向かって他面側から加圧すると共に前記被覆部材の融点以上の温度で加熱することによって、
    前記被覆部材を、前記継ぎ目を覆った状態で、前記管体の内壁面に溶着することを特徴とする管体の接続方法。
  18. 請求項17に記載の管体の接続方法において、
    前記被覆部材として、長尺帯状の被覆部材本体の一面の長さ方向に沿って一ないし複数条のガイドリブが設けられてなるものを用い、
    前記継ぎ目に沿って前記ガイドリブを挿入させた状態で、前記被覆部材の一面を、前記管体の内壁面側からあてがう管体の接続方法。
  19. 請求項17又は18に記載の管体の接続方法において、
    前記被覆部材として、長尺帯状の被覆部材本体の長さ方向に沿う両側縁部において厚みを増加させる厚肉部が設けられてなるものを用いる管体の接続方法。
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