JPH10101101A - 詰替用液体収納容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】他の容器に移し替える液体を収納するための、
外観の良い詰替用液体収納容器を提供する。 【構成】表裏２枚の合成樹脂フィルムの周辺をシールし
てなり、その周辺に突起状注出部を設け、該注出部には
表裏２枚の合成樹脂フィルムの間に半硬質ないし硬質パ
イプ３が埋設された詰替用液体収納容器において、埋設
されたパイプ３先端前方にパイプ先端面を底面とする円
錐状ないし半楕円球状の未シール部１０が存在し、該円
錐ないし半楕円球の高さＨは、Ｈ≧φ／２（但し、φは
パイプの外径）である詰替用液体収納容器。 【効果】上記形状、大きさの未シール部１０を形成させ
ることによって、パイプ３先端部周辺の表裏フィルムに
皺がない外観の良い詰替用液体収納容器を得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、詰替用の液体を収
納する容器に関する。更に詳しくは、外観の良い詰替用
液体収納容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来からシャンプー、ボディーソープ、
食器用洗剤などの液体を、使用時にポンプで適量づつ排
出するポンプ式容器が多用されている。そして、近年、
資源の節約から、ポンプ式容器の中味がなくなっても、
該容器を破棄することなく、新たに液体を充填し、すな
わち中味を詰替て何回も再使用することが行なわれてい
る。

【０００３】この詰替用の液体を収納する容器は種々の
タイプが知られており、その一つに、液体を注出する注
出口をパイプで構成したものが知られている。すなわ
ち、表裏２枚の合成樹脂フィルムの周辺をシールし、そ
の周辺の一部に、表裏２枚の合成樹脂フィルム間に硬質
ないし半硬質パイプを埋設した突起状注出部を設けた詰
替用液体収納容器が提案されている。

【０００４】図２はその従来の詰替用液体収納容器の一
例を示したもので、液体を充填封入した状態を示す正面
図である。図３は、図２の突起状注出部２をＡ−Ａ線で
切断した断面図である。１は詰替用液体収納容器の周辺
をシールしたシール部で、斜線で示してある。２は注出
部を形成する突起部で、この突起状注出部２は、表面フ
ィルム５と裏面フィルム６の間に半硬質ないし硬質のパ
イプ３を挿入し、シールしてパイプ３を埋設した構造に
なっている。４はパイプ３の注出口である。パイプ３は
表フィルム５と裏フィルム６との接着により固定され、
パイプ３の両側にシール部７、８がヒレ状に存在する。

【０００５】図２の詰替用液体収納容器から、中の液体
をポンプ式容器に移し替えるには、該詰替用液体収納容
器の突起状注出部２のＡ−Ａ線の個所をハサミなどで切
断してシール部先端部９を切離し、パイプ３の注出口４
を露出させ、次いで突起状注出部２をヒレ状のシール部
７、８を付けた状態でポンプ式容器の口に挿入し、該詰
替用液体収納容器を傾けて中味の液体をポンプ式容器に
排出させている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記の詰替用液体収納
容器において、上記の突起状注出部２にパイプ３を埋設
するには、表面フィルム５と裏面フィルム６の間の所定
の位置にパイプ３を挿入し、次いで、両側から金型を当
て加熱加圧する。表面フィルム５と裏面フィルム６との
内面には熱接着樹脂のシーラント層が設けられているた
めに熱シールが行われパイプは埋設される。このとき、
表裏の合成樹脂フィルムの伸びには限度があるので、パ
イプ先端部４に沿ってシールすることは困難であり、そ
のため埋設されたパイプ先端前方に未シール部１０が形
成される。この未シール部は金型にそれに相当する凹部
を設けておくことにより行われる。

【０００７】ところで、表面フィルム５と裏面フィルム
６の間にパイプ３を挿入して金型で加熱加圧し、表面フ
ィルム５と裏面フィルム６とを合致させてシールすると
き、パイプ３の周辺の表面フィルム５と裏面フィルム６
はパイプ３の存在によって歪みが生じ、この歪みが生じ
た状態でシールされることにより、パイプ３の周辺部
分、特にパイプ先端の未シール部１０やその周辺シール
部９の表裏のフィルムに小さな皺が存在するようにな
り、そのために詰替用液体収納容器の外観が悪くなる。
本発明は、この小さな皺が存在しない外観の良い詰替用
液体収納容器を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明者等は上記のパイ
プの先端部周辺に発生する小さな皺について種々検討し
た結果、この小さな皺の発生は、埋設されたパイプの外
径とパイプ先端前方に形成する未シール部の形状、大き
さとが関係することを究明し、本発明を完成した。すな
わち、本発明は、表裏２枚の合成樹脂フィルムの周辺を
シールしてなり、その周辺に突起状注出部を設け、該注
出部には表裏２枚の合成樹脂フィルムの間に半硬質ない
し硬質パイプが埋設された詰替用液体収納容器におい
て、埋設されたパイプ先端前方にパイプ先端面を底面と
する円錐状ないし半楕円球状の未シール部が存在し、該
円錐ないし半楕円球の高さＨは、Ｈ≧φ／２（但し、φ
はパイプの外径）であることを特徴とする詰替用液体収
納容器である。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は本発明の詰替用液体収納容
器の一例の突起状注出部の拡大正面図である。図１にお
いて１は詰替用液体収納容器の周辺をシールしたシール
部で、斜線で示してある。２は注出部を形成する突起部
で、この突起状注出部２は、表面フィルム５と裏面フィ
ルム６の間に半硬質ないし硬質のパイプ３を挿入し、そ
の周囲をシール７、８、９し、パイプ３を埋設した構造
になっている。１０はパイプ先端前方に設けた未シール
部である。この未シール部１０はパイプの先端面４を底
面とする円錐状ないし半楕円球状の空間を形成してい
る。Ｈはパイプの先端面４と円錐状ないし半楕円球状の
頂部との距離、すなわち円錐状ないし半楕円球状の高さ
である。φはパイプの外径である。

【００１０】しかして、実験の結果、本発明では上記の
円錐状ないし半楕円球状の高さＨを、Ｈ≧φ／２にした
ものである。パイプ３先端前方に設けた未シール部１０
の形状、大きさをこのようにすることによって、パイプ
３の周辺をシールするとき、パイプ３の周辺の表裏のフ
ィルムの歪みを押さえることができ、したがってパイプ
３の先端の未シール部分１０及びその周辺のシール部分
９の表裏のフィルムに小さな皺が入るのを防ぐことがで
きる。Ｈが（φ／２）×√３程度のときに表裏のフィル
ムの歪みを最少に押さえることができる。また、上記高
さＨがφ／２未満であるとパイプ３の先端の未シール部
分及びその周辺のシール部分に小さな皺が入る。上記高
さＨがφ／２より大きい場合には上記の小さな皺は入ら
ないが、Ｈを大きくするほど突起状先端部４を長くしな
ければならなく、また突起状先端部にいわゆる芯がない
部分が生じるで、Ｈの大きさにはこれらの観点から自ず
から限界がある。

【００１１】本発明における表裏２枚の合成樹脂フィル
ムには、従来常用されている素材、例えば二軸延伸ポリ
プロピレンフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム、二
軸延伸ポリエステルフィルム、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体フィルムなどの各種フィルムを基材とし、
これらの基材フィルムに、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ポリプロピレンなどのオレフィン系の熱接着性樹脂をシ
ーラント層として積層した複合フィルムが用いられる。
この場合、基材には上記した各種フィルムを、内容物の
保護性を高めるために複数積層してもよく、更にはアル
ミニウム箔などの金属薄膜層を使用してもよい。また容
器の形状は底が存在する形状のものが好ましいが、限定
されるものではい。

【００１２】本発明において、突起状注出部に埋設させ
る半硬質ないし硬質のパイプは、中密度又は高密度のポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどを成
形したものである。パイプの長さは、１０〜３０ｍｍで
ある。このパイプの外径及び内径は、中味を移し替える
相手の容器の口の内径の大きさによる。例えば相手の容
器の口の内径が約２０ｍｍの一般のポンプ式容器に詰替
ることを目的とする詰替用液体収納容器の場合は、外径
６〜１８ｍｍ、内径３〜１５ｍｍが好ましい。またパイ
プの厚さは０．５〜１．５ｍｍが好ましい。

【００１３】実施例 シーラント層として低密度ポリエチレン層を設けた二軸
延伸ポリアミド複合フィルムを用い、周辺を熱シールし
て図２に示すごとき形状の詰替用液体収納容器を作成し
た。この複合フィルムの厚さは１３０μｍであった。熱
シールは金型を用い、加熱加圧して行った。この熱シー
ルに当って、図１に示すごときパイプ３の先端面４を底
面とする半楕円球状の突起状注出部１０を形成させて、
外径（φ）１１ｍｍ、内径９．５ｍｍ、長さ１８ｍｍの
高密度ポリエチレン製パイプを埋設した。熱シール部
７、８、９のシール幅は３．５ｍｍにした。そして半楕
円球状の高さＨ＝（φ／２）×√３＝９．５ｍｍにし
た。埋設されたパイプ３の先端未シール部分及びその周
辺のシール部分に小さな皺が入っていなく、外観が良い
詰替用液体収納容器が得られた。

【００１４】比較例 実施例１と同様にして詰替用液体収納容器を作成した
が、その際Ｈを５．０ｍｍにした。埋設されたパイプ３
の先端未シール部分及びその周辺のシール部分の表裏の
フィルムに小さな皺が入り、外観上見ばえが良くなかっ
た。

【００１５】

【発明の効果】本発明の詰替用液体収納容器は、埋設さ
れたパイプの先端部未シール部分及びその周辺のシール
部分の表裏のフィルムに小さな皺が入っていなく、外観
が良いので、商品価値が上がる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の詰替用液体収納容器の一例の部分平面
図

【図２】従来の詰替用液体収納容器の平面図

【図３】図３のＡ−Ａ線の断面図

【符号の説明】

１ シール部、２ 突起状注出部、３ パイプ、４ パ
イプの注出口、５ 表面フィルム、６ 裏面フィルム、
７、８ パイプ側部のシール部、９ シール部、１０
未シール部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表裏２枚の合成樹脂フィルムの周辺をシー
   ルしてなり、その周辺に突起状注出部を設け、該注出部
   には表裏２枚の合成樹脂フィルムの間に半硬質ないし硬
   質パイプが埋設された詰替用液体収納容器において、埋
   設されたパイプ先端前方にパイプ先端面を底面とする円
   錐状ないし半楕円球状の未シール部が存在し、該円錐な
   いし半楕円球の高さＨは、Ｈ≧φ／２（但し、φは埋設
   されたパイプの外径）であることを特徴とする詰替用液
   体収納容器。