JPH09240691A - 詰替用液体収納容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】中味の液体を容易且つ確実に、また短時間で他
の容器に移し替え得る詰替用液体収納容器を提供する。 【構成】表裏二枚の合成樹脂フィルムの周辺をシール１
し、その周辺の一部に突起状注出部２を設け、該注出部
２の表裏二枚の合成樹脂フィルムの間に半硬質ないし硬
質パイプ３を埋設してなる詰替用液体収納容器におい
て、該パイプが内側パイプ３”と外側パイプ３’からな
る二重パイプであり、内側パイプ３”は摺動可能である
ことを特徴とする詰替用液体収納容器である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ポンプ式容器などの容
器に詰め替えるための詰替用の液体を収納する容器に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来からシャンプー、ボディーソープ、
食器用洗剤などの液体を、使用時にポンプで適量づつ排
出するポンプ式容器が多用されている。そして、近年、
資源の節約から、ポンプ式容器の中味がなくなっても、
該容器を破棄することなく、新たに液体を充填し、すな
わち中味を詰替えて何回も再使用することが行なわれて
いる。

【０００３】この詰替用の液体を収納する容器は種々の
タイプが知られている。その一つに、液体を注出する注
出口をパイプで構成したものが知られている。すなわ
ち、表裏二枚の合成樹脂フィルムの周辺をシールし、そ
の周辺の一部に、表裏二枚の合成樹脂フィルム間に硬質
ないし半硬質パイプを埋設した突起状注出部を設けた詰
替用液体収納容器が提案されている。

【０００４】図５はその従来の詰替用液体収納容器の一
例を示したもので、液体を充填封入した状態を示す正面
図である。１は詰替用液体収納容器の周辺をシールした
シール部で、斜線で示してある。２は注出部を形成する
突起部で、この突起状注出部２は、表面フィルムと裏面
フィルムの間に半硬質ないし硬質のパイプ３を挿入し、
突起状注出部全体を接着しパイプ３を埋設した構造にな
っている。４はパイプ３の注出口である。図６は図５の
突起状注出部２をＡ−Ａ線で切断した断面図である。パ
イプ３は表フィルム５と裏フィルム６との接着により固
定され、パイプ３の両側にシール部７、８がヒレ状に存
在する。

【０００５】図５の詰替用液体収納容器から、中の液体
をポンプ式容器に移し替えるには、該詰替用液体収納容
器の突起状注出部２のＡ−Ａ線の個所をハサミなどの切
断器具を用いて切断してシール部先端部９を切離し、パ
イプ３の注出口４を露出させ、次いで突起状注出部２を
ヒレ状のシール部７、８を付けた状態でポンプ式容器の
口に挿入し、該詰替用液体収納容器を傾けて中味の液体
をポンプ式容器に注入させている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の従来
の詰替用液体収納容器から例えばポンプ式容器に移し替
えるに当たっては、詰替用液体収納容器のパイプ３の注
出口４を、ポンプ式容器の注入口内に差し込まないと円
滑な移し替えは行い難い。しかして、パイプ３の注出口
４の両側にはヒレ状のシール部７、８が付いていて、ヒ
レ状のシール部の幅は、通常ポンプ式容器の注入口の口
径より大きい場合が多い（注入効率を良くするべくパイ
プの口径を大きくすると、必然的にシール部の幅が大き
くなる。）。このようにヒレ状のシール部の幅がポンプ
式容器の注入口の口径より大きい場合には、シール部分
７、８を手でパイプ３に巻き付けるような状態に丸め
て、ポンプ式容器の注入口に差し込む必要があった。本
発明は、かかる煩雑な作業を必要とすることなく、詰替
用液体収納容器のパイプ３の注出口４を容易にポンプ式
容器の注入口内に差し込むことができるようにした詰替
用液体収納容器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の事
情に鑑み、詰替用液体収納容器におけるのパイプの注出
口について種々検討した結果、この埋設させるパイプと
して内側パイプと外側パイプとからなる二重パイプを用
い、詰替用液体収納容器の中味をポンプ式容器などの他
の容器に移し替えるときに、内側のパイプを引き出し、
この部分をポンプ式容器などの他の容器の注入口内に差
し込むとことにより、円滑に移し替え得ることを知り、
本発明を完成した。

【０００８】すなわち本発明は、表裏二枚の合成樹脂フ
ィルムの周辺をシールし、その周辺の一部に突起状注出
部を設け、該注出部の表裏二枚の合成樹脂フィルムの間
に半硬質ないし硬質パイプを埋設してなる詰替用液体収
納容器において、該パイプが内側パイプと外側パイプか
らなる二重パイプであり、且つ内側パイプは摺動可能で
あることを特徴とする詰替用液体収納容器である。

【０００９】本発明の詰替用液体収納容器を、その一例
を示す図１を用いて説明する。図１は本発明の詰替用液
体収納容器に液体を充填封入した状態を示す正面図であ
る。１は詰替用液体収納容器の周辺をシールしたシール
部で、斜線で示してある。２は注出部を形成する突起部
である。この突起状注出部２は、表面フィルムと裏面フ
ィルムの間に半硬質ないし硬質のパイプ３を挿入し、突
起状注出部全体をシールし、パイプ３を埋設した構造に
なっている。このパイプ３は二重パイプになっていて、
外側パイプ３’と、その内側に摺動可能に挿入した内側
パイプ３”とからなっている。また、手でシール部を切
断することができるようにパイプ３を固定するシール部
の両側部７、８に、開封用ノッチ１０、１１を設けても
よい。この開封用ノッチは片側のみに設けてもよい。

【００１０】上記のパイプ３において、内側パイプ３”
は、外側パイプ３’と摺動可能ではあるが、傾けたとき
などに内側パイプ３”が外側パイプから自然に抜け出て
しまうことがないように抜け出し防止機構が設けられて
いる。この抜け出し防止機構には種々の態様が採用でき
る。図３はその一例を示した断面図である。図３におい
て、外側パイプ３’の内周面の２個所に断面がかまぼこ
状の溝部ａ及び溝部ｂを設ける。また内側パイプ３”の
外周面の適当な個所に断面がかまぼこ状の突起部ｃを設
ける。この断面かまぼこ状の突起部ｃは断面かまぼこ状
の溝部ａ及び溝部ｂのそれぞれと嵌合できる形状になっ
ている。図３のＡ図は、内側パイプ３”の外周面の突起
部ｃが、外側パイプ３’の内周面の溝部ａと嵌合した状
態を示す。この状態では突起部ｃが溝部ａと嵌合してい
るので、内側パイプ３”は外側パイプ３’に固定され摺
動しなく、外側パイプ３’から自然に抜け出すことはな
い。そして、この状態で前記の突起状注出部２に埋設す
る。

【００１１】本発明の上記の詰替用液体収納容器から、
その中の液体を他の容器例えばポンプ式容器などに移し
替えるには、該詰替用液体収納容器の突起状注出部２の
パイプ３の先端部をハサミ又はそこに設けた開封用ノッ
チ１０又は１１を利用して、シール部７、８を切断し
て、その先端部分９を容器から取り除く。これによって
パイプ３の先端がシール部７、８から露出する。次い
で、内側パイプ３”の先端を摘んで内側パイプ３”を外
側パイプ３’から引出す。図２はこの引き出した状態を
示す。この引き出すとき、図３のＢ図に示すように、内
側パイプ３”の外周面の突起部ｃが、外側パイプ３’の
内周面の溝部ｂと嵌合した状態になるまで引き出す。こ
の状態においては、突起部ｃが溝部ｂと嵌合しているの
で、内側パイプ３”は外側パイプ３’に固定され摺動し
なく、外側パイプ３’から抜け出すことがない。

【００１２】図２において、４は注出口である。そし
て、内側パイプ３”を上記した如く外側パイプ３’から
引き出すことによって、内側パイプ３”の先の部分がシ
ール部７、８より突出した状態になる。このシール部
７、８から突出した内側パイプ３”をポンプ式容器など
他の容器の注入口に挿入し、該詰替用液体収納容器を傾
けて中味の液体をポンプ式容器などの他の容器に移し替
える。内側パイプ３”がシール部より突出しているの
で、ポンプ式容器など他の容器の注入口への挿入が極め
て容易であり、そのため移し替え操作が円滑に行え、ま
た液体が外に漏れることなく確実に移し替え得る。

【００１３】図４は、内側パイプ３”が外側パイプから
自然に抜け出すことがないようにした抜け出し防止機構
の他の例を示す断面図である。図４において、外側パイ
プ３’の内周面の適当な個所に断面がかまぼこ状の溝部
ｄを設ける。また内側パイプ３”の外周面の２個所に断
面がかまぼこ状の突起部ｅ及び突起部ｆを設ける。この
断面かまぼこ状の突起部ｅは断面かまぼこ状の溝部ｄと
嵌合する形状になっている。図４のＡ図は、内側パイプ
３”の外周面の突起部ｆが外側パイプ３’の先端縁に接
するまで、内側パイプ３”を外側パイプ３’内に押し込
めた状態を示す。突起部ｆが外側パイプ３’の先端縁で
妨げられるため、内側パイプ３”はこれ以上は中に押し
込まれない。そして、このＡ図の状態で前記の突起状注
出部２に埋設する。

【００１４】図４のＢ図は、上記の図２の過程のパイプ
３の先端がシール部７、８から露出させ、次いで、内側
パイプ３”の先端を摘んで内側パイプ３”を外側パイプ
３’から引出したときの状態を示す断面図である。この
とき、内側パイプ３”の外周面の突起部ｅが、外側パイ
プ３’の内周面の溝部ｄと嵌合した状態になるまで引き
出す。この状態になると、突起部ｃが溝部ｂと嵌合して
いるために、内側パイプ３”は、外側パイプ３’に固定
され摺動しなくなり、外側パイプ３’から抜け出すこと
がなく、ポンプ式容器など他の容器の注入口への挿入が
極めて容易である。

【００１５】本発明の詰替用液体収納容器は、従来常用
されている素材、例えば二軸延伸ポリプロピレンフィル
ム、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリエステ
ルフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィ
ルムなどの各種フィルムを基材とし、これらの基材フィ
ルムに、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンな
どのオレフィン系の熱接着樹脂をシーラント層として積
層した複合フィルムが用いられる。この場合、基材には
上記した各種フィルムを、内容物の保護性を高めるため
に複数積層してもよく、更にはアルミニウム箔を使用し
てもよい。また、容器の形状は任意であるが、スタンデ
ィングパウチなどが好ましい。

【００１６】本発明において、外側パイプ、内側パイプ
となる半硬質ないし硬質のパイプは、中・高ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどを成形したも
のである。外側パイプの外径は、中味を移し替える相手
の容器の注入口の内径の大きさによるが、６〜１８ｍｍ
で、その厚さは０．５〜１．５ｍｍが好ましい。そして
内側パイプの外径は外側パイプに摺動可能な大きさであ
り、その厚さは０．５〜１．５ｍｍが好ましい。

【００１７】本発明では、上記の如く内側パイプのみ、
すなわちパイプを剥き出した状態にしてポンプ式容器の
注入口に挿入できるようにしたから、前記したようにそ
の挿入操作が容易であり、確実に移し代え得るが、その
上に更にパイプの口径を従来のものより大きくすること
ができる利点がある。すなわち、従来の詰替用液体収納
容器では、パイプを固定するパイプ両側部のヒレ状のシ
ール部をもポンプ式容器に挿入しなければならなかった
ため、注出部のパイプの口径を大きくするのに限界があ
ったが、本発明では内側パイプを両側部のヒレ状のシー
ル部から突出させるので、このヒレ状のシール部の幅分
だけ内側パイプの口径を大きくすることができる。極端
にいえば、内側パイプの口径を、中味を移し替える相手
の容器の口の内径近くまで大きくすることができる。そ
して、内側パイプの口径を大きくすることにより、たと
え中味の液体が粘稠であっても、短時間で詰替用液体収
納容器の中味の液体をポンプ式容器等の他の容器にに移
し替えることができ、また移し替え終了時に余りしごか
なくても詰替用液体収納容器の中味の液体をポンプ式容
器等の他の容器に完全に移し替えることができる。

【００１８】

【発明の効果】本発明の詰替用液体収納容器は、注出口
のパイプとして二重パイプを用いたので、開封後に内側
パイプを引出し、その先の部分をシール部から突出させ
ることができる。そのためパイプの注入口を、中味の液
体を移し替える対象となるポンプ式容器等の他の容器の
注入口に差し込み易くなり、移し替え操作が円滑に行
え、また確実に移し替えが行え得る。また内側パイプの
みが他の容器の注入口に差し込まれるので、その口径を
大きくすることができるため、短時間で詰替用液体収納
容器の中味の液体をポンプ式容器等の他の容器にに移し
替えることができ、また移し替え終了時に余りしごかな
くても詰替用液体収納容器の中味の液体をポンプ式容器
等の他の容器に完全に移し替えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の詰替用液体収納容器の一例の平面図

【図２】本発明の詰替用液体収納容器の使用時の平面図

【図３】内側パイプと外側パイプとの構造の一例を示し
た断面図

【図４】内側パイプと外側パイプとの構造の他の例を示
した断面図

【図５】従来の詰替用液体収納容器の平面図

【図６】図５のＡ−Ａ線の断面図

【符号の説明】

１ シール部、２ 突起状注出部、３ パイプ、３’
外側パイプ、３” 内側パイプ、４ 注出口、５ 表面
フィルム、６ 裏面フィルム、７、８ パイプ側部のシ
ール部、９ シール部先端部、１０、１１ 開封用ノッ
チ、

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表裏二枚の合成樹脂フィルムの周辺をシー
   ルし、その周辺の一部に突起状注出部を設け、該注出部
   の表裏二枚の合成樹脂フィルムの間に半硬質ないし硬質
   パイプを埋設してなる詰替用液体収納容器において、該
   パイプが内側パイプと外側パイプからなる二重パイプで
   あり、且つ内側パイプは摺動可能であることを特徴とす
   る詰替用液体収納容器。