JPH10100246A - ポリオレフィン成形体の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン成形体の製造方法

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JPH10100246A
JPH10100246A JP25514696A JP25514696A JPH10100246A JP H10100246 A JPH10100246 A JP H10100246A JP 25514696 A JP25514696 A JP 25514696A JP 25514696 A JP25514696 A JP 25514696A JP H10100246 A JPH10100246 A JP H10100246A
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JP
Japan
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stretching
temperature
sheet
polyolefin
rolling
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JP25514696A
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English (en)
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Satoru Yamamoto
哲 山本
Masanori Nakamura
雅則 中村
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高倍率延伸を行ったとしても、強度や弾性率
などの機械的物性なの低下を生じることなく軽量化を図
り得るポリオレフィン成形体の製造方法を提供する。 【解決手段】 高密度ポリオレフィンを主成分とするフ
ィルムまたはシート状物を圧延し、次に75℃から高密
度ポリオレフィンの融点までの範囲で複数回延伸し、分
子鎖を伸長させ、それによって強度及び弾性率の向上を
図り、さらに多段延伸工程における最低延伸温度よりも
35℃低い温度以上、該最低延伸温度よりも5℃低い温
度以下で同一方向に延伸することにより成形体の密度を
低下させて軽量化を図るポリオレフィン成形体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度の軽量ポリ
オレフィン成形体を製造する方法に関し、より詳細に
は、高密度ポリエチレンのような高密度ポリオレフィン
を主成分とするフィルムやシートを圧延した後、多段延
伸することにより、強度及び弾性率を低下させることな
く軽量化を図り得るポリオレフィン成形体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンシートやフィルムは従来
より種々の分野で汎用されているが、他の樹脂フィルム
と同様に、延伸により強度及び弾性率を高める方法が種
々試みられている。
【0003】例えば、特開昭52−77180号公報に
は、結晶性ポリオレフィンシートまたはフィルムを圧延
により2〜10倍に伸長する圧延工程と、伸長されたシ
ートまたはフィルムを接触型延伸装置により7倍以下に
延伸する工程とを連続して行い、合計で8〜25倍伸長
させることにより、高度に伸長された高強度のポリオレ
フィン成形体を得る方法が開示されている。
【0004】しかしながら、特開昭52−77180号
公報に開示されている先行技術を用いたとしても、30
倍以上の高倍率延伸領域では、延伸が安定に行い難く、
均一な物性を有するフィルムやシートを得ることが困難
であった。また、甚だしき場合には、上記のような高倍
率延伸を試みると、延伸中にシートやフィルム等が切断
することもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した先行技術の欠点を解消し、30倍以上の高倍率延伸
を安定に行うことが可能であり、引張強度等の機械的物
性を低下させることなく軽量化を図り得るポリオレフィ
ン成形体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために成されたものであり、請求項1に記載の発
明は、高密度ポリオレフィンを主成分とするフィルムま
たはシート(以下、シート状物と総称する。)を圧延す
る工程と、圧延されたシート状物を2回以上延伸する多
段延伸工程と、多段延伸工程の最低延伸温度よりも35
℃低い温度以上、該最低延伸温度より5℃低い温度以下
でさらに延伸する最終延伸工程とを順次行うことを特徴
とするポリオレフィン成形体の製造方法である。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、上記高密
度ポリオレフィンとして、高密度ポリエチレンを用いる
ことを特徴とする。以下、本発明の詳細を説明する。
【0008】本発明で用いられる高密度ポリオレフィン
としては、結晶性が高いポリオレフィンであれば特に限
定されないが、例えば、ポリエチレン;ポリプロピレ
ン;1−ブテンや1−ペンテンなどの単独重合体もしく
は共重合成分が10重量%以下の共重合体等が挙げられ
る。また、上記単量体とビニル系単量体、例えば、酢酸
ビニル、ビニルアルコール、アクリル酸または塩化ビニ
ルなどが好ましくは10重量%以下の割合で共重合され
て成るものを例示することができる。
【0009】本発明では、上記高密度ポリオレフィンの
中でも、高密度ポリエチレン(HDPE)が好適に用い
られる。高密度ポリエチレンを用いる場合、その密度は
高い方が好ましく、密度が低いと延伸しても強度及び弾
性率をあまり向上させることができない。従って、好ま
しくは、密度0.94g/cm3 以上の高密度ポリエチ
レンが用いられる。
【0010】また、本発明において、上記高密度ポリオ
レフィンのメルトインデックス(MI)が小さすぎる
と、押出機等の成形機に負担がかかることになり、大き
すぎると成形が困難となることがある。従って、MI
が、好ましくは0.1〜20、より好ましくは1〜10
の範囲の高密度ポリオレフィンが用いられる。
【0011】上記高密度ポリエチレンは単独で用いても
よく、高密度ポリエチレンに、他のポリオレフィン系樹
脂、例えばポリプロピレン(PP)、低密度ポリエチレ
ン(LDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどを好
ましくは全体の10重量%以下の範囲で混合したものを
用いてもよい。
【0012】以下、高密度ポリオレフィンとして、高密
度ポリエチレン樹脂を用いた場合を例に取り本発明を説
明する。高密度ポリエチレンを押出機などを用いて溶融
成形する場合、その溶融温度は130℃以上、より好ま
しくは140℃以上とする。溶融温度が130℃未満の
場合には、高密度ポリエチレン樹脂の溶融が不完全とな
り、押出機等の成形機に負担がかかることがある。
【0013】本発明においては、成形物としては、上記
シート状物が用いられるが、シート状物には、フィル
ム、シートのほか、テープ状または繊維状のものも含む
ものとする。
【0014】また、上記シート状物の厚みは、後の圧延
工程に大きく影響する。すなわち、圧延ロールがシート
状物を押しつぶすのに必要な力、いわゆる圧下力が、シ
ート状物の厚みが大きくなると大きくなるため、圧延ロ
ールのたわみが増大し、幅方向に均一に圧延できなくな
ることがある。
【0015】逆に、シート状物の厚みが薄くなりすぎる
と、圧延後のシート状物の厚みが薄くなりすぎ、加えて
圧延ロール同士が接触し、ロールの寿命が短くなる可能
性がある。従って、好ましくは、用意されるシート状物
の厚みは0.5〜4mmの範囲とされる。
【0016】本発明では、まず、上記シート状物を圧延
する。圧延は、通常行われている方法、すなわち、一対
の互いに反対方向に回転する圧延ロール間のクリアラン
スを、上記シート状物の厚みよりも狭くし、圧延ロール
間にシート状物を挿入し、該フィルムまたはシート状物
の厚みを減少させると共に、一対のロールに挟持された
シートの進行方向にシート状物を伸長することにより行
われる。
【0017】圧延工程における圧延ロールの温度が低す
ぎると、圧下力が大きいため、均一な圧延が困難となる
ことがあり、高すぎると、フィルムまたはシート状物が
圧延中に溶融切れすることがある。従って、圧延工程に
おける圧延ロールの温度は、通常、70〜120℃、好
ましくは90〜115℃の範囲とされる。
【0018】また、圧延倍率が低すぎると、圧延の効果
を期待することができないだけでなく、後の延伸工程に
負担がかかる。逆に、圧延倍率が大きすぎると、圧下力
が大きくなり、均一な延伸が困難となるだけでなく、シ
ート状物の厚みが薄くなりすぎ、後の延伸工程中にシー
ト状物が切断するおそれがある。従って、圧延倍率は、
2倍以上10倍以下であることが好ましく、より好まし
くは4倍以上10倍以下であることが好ましい。
【0019】なお、圧延倍率とは、次の式によって定義
される値である。
【0020】
【数1】
【0021】次に、本発明では、上記のようにして圧延
されたシート状物を、上記圧延方向と同方向に2回以上
延伸する多段延伸工程を実施する。延伸方法については
特に限定されるものではなく、通常のロール延伸やゾー
ン延伸などの適宜延伸方法を用いることができる。もっ
とも、本発明では、特別な設備を必要とせず、かつ延伸
倍率の制御が容易であり、生産性に優れているローマ延
伸法を用いることが好ましい。
【0022】また、延伸に際してシート状物を加熱する
方法についても特に限定されず、熱風加熱、熱水加熱、
赤外線加熱、マイクロ波加熱などの適宜の方法を用いる
ことができる。中でも、装置が簡便であり、温度制御も
容易である熱風加熱法が好適に用いられる。
【0023】後述の最終延伸工程を除き、この多段延伸
工程では少なくとも2回の延伸が行われる。多段延伸工
程において1回の延伸を実施しただけでは、高倍率の延
伸を安定に行うことができないからである。
【0024】しかしながら、延伸回数を多くしすぎる
と、各延伸工程における延伸倍率を低倍率とし得るた
め、延伸が円滑に行われ得るが、延伸装置が大型にな
り、設備投資の負担が大きくなる。従って、多段延伸工
程における延伸回数は、実質的には5回以下であること
が好ましい。
【0025】また、多段延伸工程における各延伸工程の
延伸温度は、高密度ポリエチレンの場合には、好ましく
は70℃から該高密度ポリエチレンまでの融点までの範
囲、より好ましくは80℃以上であり、かつ用いる高密
度ポリエチレンの融点よりも10℃低い温度以下の範囲
が好ましい。
【0026】なお、本明細書においてポリオレフィンの
融点とは、示差走査型熱量測定装置(DSC)の熱分析
において、結晶の融解に伴う吸熱ピークの最大温度をい
うものとする。
【0027】高密度ポリエチレンからなるシート状物の
場合、延伸工程を70℃未満で行うと、延伸に大きな力
が必要となるだけでなく、高倍率延伸させようとすると
延伸が非常に不安定となったり、最悪の場合、延伸切れ
を引き起こす。また、ポリエチレンの融点よりも高い温
度で延伸すると、延伸による強度向上効果があまり得ら
れず、シート状物が溶融切れを引き起こすおそれがあ
る。
【0028】また、多段延伸工程における1つの延伸工
程の延伸倍率は、好ましくは2倍以上、より好ましくは
4倍以上とされる。延伸倍率が2倍未満の場合にはシー
ト状物の強度及び弾性率を高める効果が十分に得られな
いからである。逆に、1回の延伸工程における延伸倍率
を大きくしすぎると、シート状物が切断し易くなる。従
って、1回の延伸工程における延伸倍率は、3倍以下と
することが望ましい。
【0029】なお、本明細書における延伸倍率とは、次
の式で示される値である。
【0030】
【数2】
【0031】本発明においては、上記のように多段延伸
工程が行われた後に、延伸されたシート状物を、多段延
伸工程における最低延伸温度より35℃低い温度〜該最
低温度よりも5℃低い温度の範囲の温度でさらに延伸す
る。この温度範囲より低い温度で最終延伸しようとして
も延伸が困難となり、シート状物が切断することがあ
る。また、この範囲を超える温度で最終延伸すると、均
一な延伸が困難となる。具体的な最終延伸工程における
延伸温度としては、50〜80℃が好ましく、より好ま
しくは60〜75℃とされる。
【0032】また、最終延伸工程における延伸倍率は、
1.2倍以上であることが望ましい。最終延伸工程にお
ける延伸倍率が1.2倍未満では、延伸による分子配向
効果がさほど期待できないだけでなく、軽量化を果たす
ことができないことがある。また、延伸倍率が大きくな
りすぎると、延伸中に成形体が切断してしまう可能性が
あるため、実質的には最終延伸工程における延伸倍率は
2倍以下とすることが望ましい。
【0033】作用ポリオレフィン樹脂などの高分子を延
伸させる場合、その高分子の結晶化温度付近で延伸する
ことにより、強度及び弾性率の向上を図ることができ
る。しかしながら、本発明では、通常の延伸温度よりも
比較的低い温度で延伸させることにより、延伸が安定
し、高強度及び高弾性率化が成されている。この理由
は、以下のメカニズムによるものと考えられる。
【0034】すなわち、通常の延伸温度よりも低い温度
領域では、高分子の分子鎖の分子運動が小さいため、絡
まっている分子鎖が解け難い。従って、物理的疑似架橋
点が通常の延伸温度領域と比べて多いため、延伸応力を
伝達する分子鎖が多くなり、延伸が安定かつ均一に進む
ものと考えられる。また、同時に、低温領域では、結晶
部分も比較的堅いため、延伸によって結晶界面でミクロ
ボイドが発生し、その結果延伸体が白化し、またその比
重も小さくなるものと思われる。もっとも、延伸温度が
結晶化温度よりも低くなりすぎると、結晶部が堅いため
結晶界面のすべりが増大し、ボイドが大きくなり、その
ため、延伸応力が集中する部分が発生し、延伸中に破断
し易くなると考えられる。
【0035】よって、本発明では、上記のように、最終
延伸工程における延伸温度は、多段延伸工程における最
低延伸温度よりも35℃低い温度以上、最低延伸温度よ
りも5℃低い温度の範囲で延伸され、それによってポリ
オレフィン成形体の強度及び弾性率の向上だけでなく、
軽量化を果たすことが可能とされている。
【0036】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例につき説明
する。 (1)圧延原反の作成 後述の高密度ポリエチレン樹脂を同方向2軸混練押出機
(池貝鉄鋼社製、商品名:PCM30)を用い、170
℃の温度で幅60mm、厚さ1.8mmのシートとなる
ように成形した。
【0037】(2)圧延工程 上記のようにして用意した圧延原反を、熱ロール(小平
製作所製、ロールの直径=15.24cm)を用いて、
圧延ロールの温度を115℃として7倍に延伸した。
【0038】(3)多段延伸工程 上記圧延工程に引続き、熱風加熱式ロール延伸機を用
い、上記圧延工程と同一方向に、後述の延伸温度でシー
トを2回延伸した。なお、1回目の延伸では延伸倍率を
1.8倍、2回目の延伸では1.7倍とし、合計3.1
倍の延伸を行った。
【0039】(4)最終延伸工程 上記多段延伸工程を実施した後に、同じ熱風加熱式ロー
ル延伸機を用い、下記の実施例1〜4及び比較例1〜4
に示すように延伸温度を設定し、1.5倍の設定延伸倍
率で延伸を行った。
【0040】(実施例1)MI=7、密度0.964、
DSCで測定した融点が136℃の高密度ポリエチレン
樹脂(三菱化学社製、グレード:HJ560W)を用
い、上記(1)、(2)の工程を実施した。なお、多段
延伸工程における延伸温度は85℃とし、最終延伸工程
における延伸温度は75℃とした。
【0041】(実施例2)最終延伸工程における延伸温
度を55℃としたこと以外は、実施例1と同様とした。
【0042】(実施例3)MI=1.0、密度0.96
1g/cm3 、DSCで測定した融点が135℃の高密
度ポリエチレン樹脂(三菱化学社製、グレート:HY5
40)を用い、上記(1)〜(4)の各工程を実施し
た。なお、多段延伸工程における延伸温度は95℃と
し、最終延伸工程における温度は85℃とした。
【0043】(実施例4)最終延伸工程における延伸温
度を75℃としたこと以外は、実施例3と同様とした。
【0044】(比較例1)最終延伸温度を85℃とした
こと以外は、実施例1と同様とした。 (比較例2)最終延伸温度を45℃としたこと以外は、
実施例1と同様とした。
【0045】(比較例3)最終延伸温度を95℃とした
こと以外は、実施例2と同様とした。 (比較例4)最終延伸温度を55℃としたこと以外は、
実施例2と同様とした。
【0046】上記実施例1〜4及び比較例1〜4で得た
成形体の物性を下記の要領で測定した。結果を、下記の
表1,2に示す。 引張強度及び引張弾性率の測定…2号ダンベルを用い
て試験片を作製し、引張試験機(オリエンティック社
製、商品名:テンシロン)を用いてJIS K7113
に準拠して行った。
【0047】総延伸倍率…圧延倍率と各延伸工程にお
ける延伸倍率との積で表した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】実施例1,2では、多段延伸工程の最低延
伸温度は85℃であり、最終延伸工程における延伸温度
は実施例1では75℃、実施例2では55℃とした。す
なわち、実施例1,2では、最終延伸工程の延伸温度
は、多段延伸工程の最低延伸温度よりも、それぞれ、1
0℃及び30℃低い温度で最終延伸工程を実施した。こ
の場合、表1から明らかなように、何れにおいても、延
伸中に成形体の切断が生じておらず、かつ円滑な延伸が
可能であった。また、延伸後の成形体は均一に白化して
おり、その密度は0.85g/cm3 以下であり、軽量
であった。
【0051】これに対して、比較例1では、最終延伸温
度を85℃とし、多段延伸工程における最低延伸温度と
同一温度とした結果、最終延伸が非常に不安定となり、
延伸倍率が部分的に大きく変化した。また、延伸後の成
形体の白化部と透明部とが存在していた。白化部は幅が
狭く、高倍率延伸されており、透明部は幅が広く低倍率
延伸となっていた。白化部と透明部との引張物性を比較
すると、白化部の弾性率が40.2GPa、強度が2
5.5GPa、透明率の弾性率が25.5GPa、強度
が0.53GPaであった。すなわち、物性が部分的に
非常にばらついており、均一な成形体の得られないこと
がわかる。
【0052】なお、比較例2では、最終延伸温度を45
℃とし、多段延伸工程における延伸温度よりも40℃低
い温度で延伸しており、最終延伸工程における延伸温度
が低すぎたためか、最終延伸工程中に切断し、製品を得
ることはできなかった。
【0053】実施例3,4は、実施例1,2とは異なる
ポリエチレン樹脂を用いているが、この場合においても
実施例1,2の場合と同様に、均一な最終延伸が可能で
あり、物性も延伸により高められている。
【0054】しかしながら、比較例3では、実施例3,
4と同一のポリエチレン樹脂を用いているが、最終延伸
温度を95℃とし、すなわち多段延伸工程における延伸
温度と同一温度で最終延伸を行ったため、比較例1と同
様に、延伸後の成形体においてシートの幅が部分的に著
しく変化し、白化部と透明部が混在していた。従って、
物性も部分的に大きく変化していた。
【0055】また、比較例4では、最終延伸温度を55
℃とし、多段延伸工程の延伸温度よりも40℃低くした
ため、シート全体が白化し、最終延伸を安定に行うこと
は可能であったが、最終延伸工程における延伸倍率が約
1.2倍と非常に低かった。従って、総延伸倍率も26
倍と低倍率であったため、表2に示すように、強度及び
弾性率が何れも低かった。
【0056】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、高密度ポリオレフィンを主成分とするシート状
物を圧延及び延伸して強度及び弾性率に優れたポリオレ
フィン成形体を製造するに際し、圧延工程を実施し、2
回以上の延伸を行う多段延伸工程を実施し、さらに多段
延伸工程の最低延伸温度よりも35℃低い温度以上、該
最低延伸温度よりも5℃低い温度以下の温度で最終延伸
を行うため、分子鎖が高度に伸長されて強度や弾性率が
著しく高められており、軽量化が果たされているポリオ
レフィン成形体を得ることが可能となる。
【0057】よって、請求項1に記載の発明によれば、
強度及び弾性率が高く、かつ軽量のポリオレフィン成形
体を安定に提供することが可能となる。また、請求項2
に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様に
強度及び弾性率が高く、かつ軽量の高密度ポリエチレン
からなる成形体を提供することが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高密度ポリオレフィンを主成分とするフ
    ィルムまたはシートを圧延する工程と、 圧延されたフィルムまたはシートを圧延方向と同じ方向
    に2回以上延伸する多段延伸工程と、 前記多段延伸工程の最低延伸温度よりも35℃低い温度
    以上、該最低延伸温度よりも5℃低い温度以下で同じ方
    向に延伸する最終延伸工程とを順次行うことを特徴とす
    るポリオレフィン成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記高密度ポリオレフィンが高密度ポリ
    エチレンである請求の範囲第1項に記載のポリオレフィ
    ン成形体の製造方法。
JP25514696A 1996-09-26 1996-09-26 ポリオレフィン成形体の製造方法 Pending JPH10100246A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002022343A1 (fr) * 2000-09-11 2002-03-21 Sekisui Chemical Co., Ltd. Feuille etiree en polyolefine et son procede de production
KR101523891B1 (ko) * 2012-02-08 2015-05-28 스미또모 가가꾸 가부시끼가이샤 폴리올레핀 미세 다공 필름의 제조 방법 및 적층 다공 필름의 제조 방법

Cited By (2)

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WO2002022343A1 (fr) * 2000-09-11 2002-03-21 Sekisui Chemical Co., Ltd. Feuille etiree en polyolefine et son procede de production
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