JPH099974A - クラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチド、それをコードするdna、そのdnaを含む組換えベクター、その組換えベクターを含む形質転換体、及び抗クラミジア・ニューモニエ抗体の製造方法 - Google Patents
クラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチド、それをコードするdna、そのdnaを含む組換えベクター、その組換えベクターを含む形質転換体、及び抗クラミジア・ニューモニエ抗体の製造方法Info
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Abstract
ッタシ等のクラミジア・ニューモニエ以外のクラミジア
属細菌に対する抗体に反応せず、クラミジア・ニューモ
ニエ特異的抗体とのみ反応し、これを検出するための抗
原ポリペプチド及びクラミジア・ニューモニエ、クラミ
ジア・トラコマチス、クラミジア・シッタシ等のクラミ
ジア属細菌に共通に反応する抗体を検出するための抗原
ポリペプチドを提供する。 【解決手段】 配列番号1のポリペプチドの中の連続し
た少なくとも5個のアミノ酸配列を含むポリペプチドA
からなる、クラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチ
ド、この抗原ポリペプチドをコードするDNA若しくは
それに相補的なDNA、このDNAを含む組換えベクタ
ー、この組換えベクターを含む形質転換体及び前記抗原
ポリペプチドを抗原として用いることを特徴とする、抗
クラミジア・ニューモニエ抗体の製造方法。
Description
ーモニエ感染症の診断に有用なクラミジア・ニューモニ
エの抗原ポリペプチド、それをコードするDNA、その
DNAを含む組換えベクター、その組換えベクターを含
む形質転換体、及び抗クラミジア・ニューモニエ抗体の
製造方法に関する。本発明は医薬品工業、特にクラミジ
ア・ニューモニエ感染症の診断薬の製造において有効に
利用される。
ラコマチス、クラミジア・シッタシ、クラミジア・ニュ
ーモニエ等の種(Species)が知られている。クラミジ
ア・トラコマチスは、トラコーマ、性病性リンパ肉芽
腫、泌尿生殖器感染症、封入体結膜炎、新生児肺炎等を
引き起こす原因菌であり、クラミジア・シッタシは、オ
ウム病等の原因菌であり、またクラミジア・ニューモニ
エは、呼吸器感染症、異形肺炎等の原因菌である。
吸器感染症の症状は、マイコプラズマ・ニューモニエや
インフルエンザウイルスが原因で起こる感染症の症状と
類似しているので、しばしば誤診されやすい。そのた
め、クラミジア・ニューモニエの簡便な診断方法の開発
が望まれていた。
る原因菌の存在の検出か、血清・その他の体液中におけ
る(原因菌に対する)抗体の存在の検出により確定的に
なされる。前者は抗原検査、後者は抗体検査と呼ばれ、
いずれも臨床で重要な意義があり、クラミジア・ニュー
モニエの抗体検査としては、クラミジア・ニューモニエ
の基本小体を用いて抗体の存在を検出する方法が知られ
ている。
ニューモニエの基本小体は、クラミジア・ニューモニエ
以外のクラミジア属細菌、すなわち、クラミジア・トラ
コマチス又はクラミジア・シッタシにも共通に存在する
抗原を含むため、この基本小体を用いる方法ではクラミ
ジア・ニューモニエに対する抗体だけでなく、他の種の
クラミジアに対する抗体とも反応し、特異性に欠ける難
点があった。本発明は、クラミジア・トラコマチスやク
ラミジア・シッタシ等のクラミジア・ニューモニエ以外
のクラミジア属細菌に対する抗体に反応せず、クラミジ
ア・ニューモニエ特異的抗体とのみ反応し、これを検出
するための抗原ポリペプチドを提供することを目的とす
る。更には、本発明はクラミジア・ニューモニエ、クラ
ミジア・トラコマチス、クラミジア・シッタシ等のクラ
ミジア属細菌に共通に反応する抗体を検出するための抗
原ポリペプチドを提供することも目的とする。
ア・ニューモニエ特異的抗原ポリペプチド又はクラミジ
ア属細菌特異的(すなわち、クラミジア・ニューモニ
エ、クラミジア・トラコマチス、クラミジア・シッタシ
等のクラミジア属細菌共通の抗原ポリペプチド)を純粋
に、かつアミノ酸配列が解明された形で取得するため、
先ず、クラミジア・ニューモニエを宿主細胞中に培養
し、そのクラミジア・ニューモニエからゲノムDNAを
抽出し、制限酵素で部分分解し、これをλgt11DNAに
挿入してゲノムDNAライブラリーを作成し、これを大
腸菌Y1090r−株に感染させ、クラミジア・ニュー
モニエ特異的モノクローナル抗体又はクラミジア属細菌
特異的モノクローナル抗体を用いてクラミジア・ニュー
モニエの抗原ポリペプチドを発現する感染大腸菌のコロ
ニーをスクリーニングし、陽性の感染大腸菌からλファ
ージを抽出し、この操作を繰り返してλファージを精製
し、これを大腸菌Y1090r−株に感染させて増幅さ
せた後そのDNAの塩基配列を分析し、これをポリペプ
チドに翻訳して、抗原ポリペプチドのアミノ酸配列を決
定し、本発明を完成した。
ものである。 (1)配列番号1のポリペプチドの中の連続した少なく
とも5個のアミノ酸配列を含むポリペプチドAからな
る、クラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチド。 (2)ポリペプチドAが、配列番号1のポリペプチドか
らアミノ酸が欠落しているポリペプチドである、上記
(1)記載の抗原ポリペプチド。 (3)ポリペプチドAが、配列番号1のポリペプチドの
中のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されているか又は配
列番号1のポリペプチドの中にアミノ酸が挿入されてい
るポリペプチドである、上記(1)記載の抗原ポリペプ
チド。 (4)ポリペプチドAが、配列番号1のポリペプチドの
中の連続した少なくとも5個のアミノ酸配列にアミノ酸
若しくはペプチドが結合したポリペプチドである、上記
(1)記載の抗原ポリペプチド。 (5)ポリペプチドAが配列番号1のアミノ酸配列から
なるポリペプチドである、上記(1)記載の抗原ポリペ
プチド。 (6)ポリペプチドAが配列番号2のアミノ酸配列から
なるポリペプチドである、上記(1)記載の抗原ポリペ
プチド。 (7)ポリペプチドAが配列番号5のアミノ酸配列から
なるポリペプチドである、上記(1)記載の抗原ポリペ
プチド。 (8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の抗原ポリ
ペプチドをコードするDNA若しくはそれに相補的なD
NA。 (9)塩基配列が配列番号3の塩基配列である、上記
(8)記載のDNA。 (10)塩基配列が配列番号4の塩基配列である、上記
(8)記載のDNA。 (11)塩基配列が配列番号7の塩基配列である、上記
(8)記載のDNA。 (12)上記(8)〜(11)のいずれかに記載のDN
Aを含む組換えベクター。 (13)組換えベクターが配列番号10の塩基配列を有
するpCPN533αプラスミドである、上記(12)
記載の組換えベクター。 (14)上記(12)又は上記(13)記載の組換えベ
クターを含む形質転換体。 (15)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の抗原ポ
リペプチドを抗原として用いることを特徴とする、抗ク
ラミジア・ニューモニエ抗体の製造方法。
に関するものでもある。 (16)(a) 配列番号5のポリペプチド; (b) 配列番号5のポリペプチド中のアミノ酸の1又は2
以上に欠落のあるポリペプチド; (c) 配列番号5のポリペプチド中のアミノ酸の1又は2
以上が他のアミノ酸で置換されたポリペプチド;及び (d) 上記(a)〜(c)のいずれかのポリペプチドに他のアミ
ノ酸もしくはペプチドが結合してなる融合ポリペプチ
ド、からなる群から選ばれるクラミジア・ニューモニエ
の抗原ポリペプチド。
以上に欠落のあるポリペプチド; (c) 配列番号6のポリペプチド中のアミノ酸の1又は2
以上が他のアミノ酸で置換されたポリペプチド;及び (d) 上記(a)〜(c)のいずれかのポリペプチドに他のアミ
ノ酸もしくはペプチドが結合してなる融合ポリペプチ
ド、 からなる群から選ばれるクラミジア・ニューモニエの抗
原ポリペプチド。
ードするDNA、又はそれに相補的なDNA。 (19)上記(17)のポリペプチドをコードするDN
A、又はそれに相補的なDNA。 (20)上記(16)のポリペプチドをコードするDN
Aが配列番号7である、上記(18)のDNA。 (21)上記(17)のポリペプチドをコードするDN
Aが配列番号8である、上記(19)のDNA。 (22)上記(18)〜(21)のいずれかのDNAを
含む、組換えベクター。
デオキシヌクレオチドはモノデオキシヌクレオチドとい
い、塩基の数が2以上のデオキシヌクレオチドは、特に
断らない限り、DNAと総称した。
る最小の大きさの観点から、配列番号1のポリペプチド
の中の連続した少なくとも5個のアミノ酸配列を含むポ
リペプチド(以下「ポリペプチドA」という)からなる
ものである。アミノ酸配列が長いほうが高感度の抗原抗
体反応を期待できることから、ポリペプチドAとして
は、望ましくは20個以上、より望ましくは100個以
上、さらに望ましくは250個以上のアミノ酸からなる
ものがよい。また、クラミジア・ニューモニエとしての
抗原性を有していれば、ポリペプチドAとしては、配列
番号1のポリペプチドからアミノ酸(例えば1〜250
個)が欠落しているものであってもよい。欠落するアミ
ノ酸の個数が多すぎると、ポリペプチドAのクラミジア
・ニューモニエとしての抗原性が損なわれる傾向があ
る。
ば5個以上)、クラミジア・ニューモニエのとしての抗
原性を保つ上から、ポリペプチドAは、アミノ酸が連続
して(例えば5個以上)欠落しているものであることが
好ましい。また、クラミジア・ニューモニエとしての抗
原性を有していれば、ポリペプチドAとしては、配列番
号1のポリペプチドの中のアミノ酸(例えば1〜100
個)が他のアミノ酸で置換されているものであってもよ
いし、あるいは、配列番号1のポリペプチドの中にアミ
ノ酸(例えば1〜100個)が挿入されているものであ
ってもよい。置換又は挿入されるアミノ酸の数が多すぎ
ると、ポリペプチドAのクラミジア・ニューモニエとし
ての抗原性が損なわれる傾向がある。置換又は挿入され
るアミノ酸の個数が多い場合(例えば5個以上)、クラ
ミジア・ニューモニエとしての抗原性を保つ上から、ポ
リペプチドAは、アミノ酸が連続して(例えば5個以
上)置換又は挿入されているものであることが好まし
い。置換されるアミノ酸は類似の性質を有するものが好
ましく、例えば、グリシンとアラニンの置換がある。
抗原性を有していれば、ポリペプチドAとしては、配列
番号1のポリペプチドの中の連続した少なくとも5個の
アミノ酸配列に、直接又は介在アミノ酸配列を介して、
アミノ酸若しくはペプチドが結合したポリペプチドであ
ってもよい。このようなペプチドは、クラミジア・ニュ
ーモニエのとしての抗原性を保つ上から、1000個以
下のアミノ酸配列からなるものが好ましく、500個以
下のアミノ酸配列からなるものがより好ましく、200
個以下のアミノ酸配列からなるものがさらに好ましい。
このようなアミノ酸若しくはペプチドとしては、例え
ば、ロイシン、ロイシン−メチオニン、ジヒドロ葉酸還
元酵素(DHFR)、β−ガラクトシダーゼ等がある。
介在アミノ酸配列は特に限定されないが、例えば、ロイ
シン、ロイシン−メチオニンのアミノ酸配列等がある。
ポリペプチドAの具体例としては、例えば、配列番号
1、配列番号2及び配列番号5のポリペプチドがある。
〜250個が欠落しているポリペプチドとしては、例え
ば、配列番号5のポリペプチドがある。本発明の配列番
号1のポリペプチドは、配列表に示すとおり、488個
のアミノ酸残基から成る抗原ポリペプチドである。本発
明の配列番号2のポリペプチドは、配列表に示すとお
り、271個のアミノ酸残基から成る抗原ポリペプチド
である。本発明の配列番号5のポリペプチドは、配列表
に示すとおり、259個のアミノ酸残基から成る抗原ポ
リペプチドである。本発明に係る配列番号6のポリペプ
チドは、配列表に示すとおり、571個のアミノ酸残基
から成る抗原ポリペプチドである。上記抗原ポリペプチ
ドの中では、クラミジア・ニューモニエの53KDaの
抗原ポリペプチド全体を含む配列番号1のポリペプチド
が望ましい。
学合成法や遺伝子組換え法がある。化学合成法として
は、例えば、マップ(Multiple Antigen Peptide、MA
P)法があり、30個以下のアミノ酸配列からなるペプ
チドの合成に適しており、市販のペプチド合成機を使用
して合成することができる。遺伝子組換え法としては、
例えば、本発明の抗原ポリペプチドをコードするDNA
をベクターに挿入して組換えベクターを構築し、それを
宿主に挿入して形質転換体を作製し、その形質転換体か
ら目的のペプチドを精製する方法がある。本発明の抗原
ポリペプチドをコードするDNAについては後述する。
ベクターとしては、例えば、プラスミドやファージ等が
ある。宿主としては、例えば、大腸菌、枯草菌、酵母等
がある。以下、形質転換体の作製法と、その形質転換体
を用いた目的のペプチドの精製法について詳しく説明す
る。
む組換えベクターの作製、及びそれを含む形質転換体の
作製 スクリーニングで取得したλファージ自体(後述)も本
発明のDNAを含む組換えベクターであるが、クラミジ
ア・ニューモニエ抗原ポリペプチドをコードするDNA
(後述)を常法で既存のプラスミドベクターやファージ
ベクター等に挿入して、新たに組換えベクターを作製す
ることもできる。その際、必要に応じ、リンカーを使用
する。既存のプラスミドベクターとしては、例えばpB
R322、pUC18、pUC19、pBBK10MM
等を使用することができる。pBR322、pUC1
8、pUC19は市販されており、また、pBBK10
MMについては特開平4−117284号公報に詳細に
記載されており、pBBK10MMを含む大腸菌は受託
番号FERM BP−2394として工業技術院生命工
学工業技術研究所に寄託されている。また、ファージベ
クターとしてはλgt11ファージ、λgt10ファージ等が利
用できる。いずれも、用いた親ベクターに対応する組換
えベクターが得られる。本発明のDNAを含む組換えベ
クターとしては、後述するようにpCPN533αプラ
スミド、53−3Sλファージ等がある。得られた組換
えベクターを宿主に入れ、形質転換体を作製する。大腸
菌由来のプラスミドやλファージを使用する場合は宿主
としては大腸菌を使用することができ、例えば大腸菌H
B101株を使用することができる。この宿主をコンピ
テントセルとなるように処理をする。大腸菌HB101
株を処理して得たコンピテントセルは宝酒造から販売さ
れている。上記連結の反応物を宿主に入れ、形質転換体
を作製する方法は文献″モレキュラー・クローニング″
(後述)に記載されている。
形成させ、各コロニーからプラスミドDNAを取得し、
適切な制限酵素で切断し、アガロースゲル電気泳動で分
析し、所望の組換えプラスミドをもつ形質転換体を選択
する。このようにして作製されたプラスミドベクターと
しては、例えばpCPN533αプラスミドがある。こ
のようにして作製された形質転換体をとしては、前述の
組換えベクターpCPN533αが入った大腸菌HB1
01株がある。形質転換体の培養は、その形質転換体が
成長しうる培地でこの抗原ポリペプチドが形質転換体内
に十分蓄積されるまで適温で培養器を振とうする。形質
転換体として前述の組換えベクターpCPN533αが
入った大腸菌HB101株を使用する場合は、アンピシ
リンを含むLB培地で37℃で一晩振とう培養し、その
後、この培養液をアンピシリンを含むTB培地等に接種
してさらに37℃で一晩振とう培養する。TB培地の調
製方法は、文献″モレキュラー・クローニング″(後
述)に記載されている。
遠心分離で形質転換体を集め、緩衝液に懸濁し、これに
超音波を照射する。形質転換体が大腸菌の場合は、上記
懸濁液にリゾチームを加え、SDSを含む緩衝液を加え
ることよって菌体を溶菌させてもよい。一方、目的のポ
リペプチドが分泌性のものである場合は、培養液を遠心
分離して上清を取得する。形質転換体を破砕又は溶解す
る後、遠心分離して細胞残渣を除去し、上清を取得す
る。上記のいずれかの上清にストレプトマイシン硫酸塩
を添加し、しばらく撹拌し、遠心分離することによっ
て、核酸を沈殿物として除去し、上清を取得する。この
上清を硫安沈殿させ、遠心分離する。通常、沈殿を取得
するが、目的のペプチドが上清に含まれていることもあ
り、サンプリングして、目的のペプチドの有無を確認し
ておく。上記沈殿を少量の緩衝液に溶解したものか又は
上記上清を液体クロマトグラフィーによって分画し、各
画分に含まれる蛋白質について、前述のクラミジア・ニ
ューモニエ特異的モノクローナル抗体を用い、ウェスタ
ン・ブロット法行い、抗原ポリペプチドを含む画分を取
得する。細胞膜等の残渣の除去、ストレプトマイシン硫
酸塩を添加するDNAの除去、硫酸アンモニウムを添加
する蛋白質の取得、及びウェスタン・ブロット法の具体
的方法は、文献″モレキュラー・クローニング″(後
述)に記載されている。
るDNAとは、配列番号1のポリペプチドをトリプレッ
ト暗号表(それぞれのアミノ酸に対して、1〜6通りの
ヌクレオチド配列が割り当てられている)に従ってアミ
ノ酸をヌクレオチド配列に読み替えたときのDNA群
(この中には、配列番号3のDNAも含まれる)から選
ばれるDNAのことである。抗原ポリペプチドをコード
するDNAとは、ポリペプチドAをコードするDNAで
あり、このDNAは、ポリペプチドAのアミノ酸配列を
トリプレット暗号表に従ってアミノ酸をヌクレオチド配
列に読み替えたときのDNA群から選ばれるDNAのこ
とである。ポリペプチドAとしては、前記抗原ポリペプ
チドの項で説明したものが挙げられ、ポリペプチドAを
コードするDNAも、それらのポリペプチドのアミノ酸
配列に対応したヌクレオチド配列のものがある。同様
に、本発明において、配列番号2のポリペプチドをコー
ドするDNAとは、配列番号2のポリペプチドをトリプ
レット暗号表(それぞれのアミノ酸に対して、1〜6通
りのヌクレオチド配列が割り当てられている)に従って
アミノ酸をヌクレオチド配列に読み替えたときのDNA
群(この中には、配列番号4のDNAも含まれる)から
選ばれるDNAのことである。また、配列番号5のポリ
ペプチドをコードするDNAとは、配列番号5のポリペ
プチドをトリプレット暗号表に従ってアミノ酸をヌクレ
オチド配列に読み替えたときのDNA群(この中には、
配列番号7のDNAも含まれる)から選ばれるDNAの
ことである。また、配列番号6のポリペプチドをコード
するDNAとは、配列番号6のポリペプチドをトリプレ
ット暗号表に従ってアミノ酸をヌクレオチド配列に読み
替えたときのDNA群(この中には、配列番号8のDN
Aも含まれる)から選ばれるDNAのことである。
学合成法か遺伝子組換え法で作製することができる。化
学合成法としては、例えば、ホスホアミダイド法があ
り、全長が100塩基以下の塩基配列からなるDNAの
合成に適しており、市販のDNA合成機で化学合成する
ことができる。遺伝子組換え法としては、例えば、後述
するようにクラミジア・ニューモニエの基本小体からD
NAをクローニングする方法や、既に取得したDNAを
鋳型にし、そのDNAの任意の位置の塩基配列を元にし
て作製したプライマーを利用したPCR法等がある。遺
伝子組換え法は、100塩基以上の長いDNAの作製も
可能である。次に、クラミジア・ニューモニエの基本小
体から抗原ポリペプチドをコードするDNAのクローニ
ング方法について詳しく説明する。
を除去した後にクラミジア・ニューモニエの浮遊液を添
加してこれを培養し、遠心分離してクラミジア・ニュー
モニエ感染HL細胞を取得する。クラミジア・ニューモ
ニエとしては、例えばクラミジア・ニューモニエYK4
1株(金本ら:ミクロバイオロジカル・イムノロジー、3
7巻、495-498頁、1993年(Y.Kanamoto et al., Microbio
l. Immunol., Vol.37, p.495-498, 1993))が使用でき
る。
製 クラミジア・ニューモニエ感染HL細胞を破砕し、遠心
分離し、上清を回収する。ウログラフィン(シェーリン
グ社製)を用いた連続密度勾配液にこの上清を添加して
遠心分離する。予備実験で黄色味がかった白いバンドの
中にクラミジア・ニューモニエの基本小体が含有されて
いることを電子顕微鏡で確認しているので、このバンド
を回収する。
の調製 クラミジア・ニューモニエの基本小体を、1mM エチ
レンジアミン四酢酸(EDTA)を含む10mMトリス
−塩酸緩衝液(pH8.0)(以下、TE緩衝液とい
う。)に懸濁し、1%ドデシル硫酸ナトリウム(SD
S)水溶液及び1mg/mlプロテイナーゼK水溶液を加え
て保温し、基本小体を溶解させる。0.1Mトリス−塩
酸緩衝液(pH8.0)飽和フェノールを加えて撹拌し、
遠心分離し、水層を回収する。さらにRNA分解酵素
(RNase)処理をし、フェノール/クロロホルム/
イソアミルアルコール処理とエタノール沈殿処理をし、
クラミジア・ニューモニエのゲノムDNAを取得する。
uIで消化し、フェノール/クロロホルム/イソアミル
アルコール処理とエタノール沈殿処理をし、部分消化D
NAを取得する。この部分消化DNAにリンカー、アデ
ノシン−5′−三リン酸(adenosine 5′-triphosphat
e、以下、ATPと略す。)及びT4リガーゼを添加し
て、部分消化DNAにリンカーを付加させる。これを、
0.1M NaCl及び1mM EDTA含有10mM
トリス−塩酸緩衝液を移動相とするクロマ・スピン60
00(Chroma spin 6000)カラムにかけ、溶出液を分取
し、1kbpから7kbpのDNA断片を含む分画を回
収する。得られた分画にATP及びT4ポリヌクレオチ
ドキナーゼを加えて反応させ、DNA断片の5′端をリ
ン酸化する。反応液をフェノール/クロロホルム/イソ
アミルアルコール処理及びエタノール沈殿処理し、5′
端がリン酸化されたDNA断片を取得する。このDNA
断片に、予め制限酵素EcoRIで切断しておいたλgt
11DNA、ATP及びT4リガーゼを加えて反応させ、
市販のパッケージングキットを用い、得られた組換えλ
gt11DNAをパッケージングし、ゲノムDNA発現ライ
ブラリーを作製する。
ローニング 大腸菌Y1090r−株の培養液に上記ゲノムDNA発
現ライブラリーを感染させ、寒天培地上で培養し、イソ
プロピルチオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)水溶
液に浸漬したニトロセルロースフィルターを利用して、
挿入DNAの発現により菌体内に産生されたタンパク質
をニトロセルロースフィルターに付着させる。このフィ
ルターを牛血清アルブミンを用いてブロッキング反応さ
せ、洗浄し、次いでフィルターをクラミジア・ニューモ
ニエ特異的モノクローナル抗体と反応させる。クラミジ
ア・ニューモニエ特異的モノクローナル抗体としては、
例えば、AY6E2E8やSCP53を使用することが
できる。AY6E2E8を産生するハイブリドーマは工
業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号FERM
BP−5154として寄託されている。また、SCP5
3を産生するハイブリドーマについてはジャーナル・オ
ブ・クリニカル・ミクロバイオロジー、132巻、583-588
頁(1994)(J. Clin. Microbiol.,Vol.132, p.583-588,
1994)に記載されている。反応後、フィルターを洗浄
し、パーオキシダーゼ等の酵素で標識された抗マウスI
gG抗体を反応させる。反応後、フィルターを洗浄し、
発色基質液を添加して反応させる。発色基質液として
は、例えば、過酸化水素水溶液及び4−クロロ−1−ナ
フトールのメタノール溶液を含む液を利用することがで
きる。反応後、フィルターを洗浄し、風乾させる。
培地上のプラークを同定し、プラークに含まれるλファ
ージを取得する。プラークが全て上記モノクローナル抗
体と反応するようになるまで前記操作を繰り返し、抗原
ポリペプチドをコードするDNAをクローン化し、クラ
ミジア・ニューモニエ特異的モノクローナル抗体反応性
のクラミジア・ニューモニエ特異的抗原ポリペプチドを
発現するλファージを取得する。
ドをコードするDNAの取得 取得したλファージを大腸菌Y1090r−株に感染さ
せ、培養し、λファージを大量に生産する。市販のキッ
トを用いてλファージからDNAを取得・精製する。こ
のDNAにプライマー、タックポリメラーゼ(Taq Poly
merase)及びデオキシヌクレオチド類を添加し、加熱、
冷却、保温の工程を繰り返し、λgt11に挿入されたDN
Aを増幅させる。プライマーとしては、例えば、λgt11
・フォワード・プライマー(λgt11 forward primer)
及びλgt11・リバース・プライマー(λgt11 reverse p
rimer)(いずれも宝酒造株式会社製)があり、タック
ポリメラーゼとしては、例えば、アンプリタック・DN
A・ポリメラーゼ(AmpliTaq DNA Polymerase)があ
る。このDNA増幅方法の一般的手法はPCR法として
知られており、詳細は「サムブロック他編集、モレキュ
ラー・クローニング第2版(コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー)(1989年)」(J.Samblook et a
l., Molecular Cloning 2nd ed., Cold Spring Harbor
Laboratory Press (1989)、以下、本文献を文献″モ
レキュラー・クローニング″という)に記載されてい
る。
定・解析する。DNAの取得には市販のキットを使用す
ることができ、例えばウイザード・PCR・プレップキ
ット(Wizard PCR Prep kit)(プロメガ(Promega)社製品)
を使用することができる。また、塩基配列を決定はタッ
クポリメラーゼを用いた蛍光標識ターミネータサイクル
シークエンス法で行うことができ、この方法を用いるに
は、パーキン・エルマー・ジャパン社から販売されてい
るキットを使用することができる。また、分析にあたっ
ては市販の機械、例えば373A型DNAシークエンサ
(アプライドバイオシステムズ社)を利用することがで
きる。
列を遺伝子配列分析ソフトで解析し、編集、連結、アミ
ノ酸翻訳領域の推定を行なう。遺伝子配列分析ソフトと
しては、「DNASIS」(日立ソフトウェアエンジニ
アリング社)を用いることができる。解析の結果、完全
長の遺伝子が取得できていない場合は、既に取得されて
いるDNAの前後のDNAをゲノムウォーキングによっ
て取得する。ゲノムウォーキングを行うには、宝酒造
(株)から販売されているキットを使用することができ
る。
抗クラミジア・ニューモニエ抗体の製造方法 抗クラミジア・ニューモニエ抗体を製造するには、本発
明の抗原ポリペプチドを抗原としてマウスを免疫し、そ
のひ臓細胞を骨髄腫細胞株と融合させてハイブリドーマ
を作製し、その中からクラミジア・ニューモニエの53
KDaの抗原ポリペプチドを認識するハイブリドーマを
選択し、これを培養することによって得ることができ
る。骨髄腫細胞株としては、例えばP3X63Ag8.
653(ATCC CRL−1580)やP3/NSI
/1−Ag4−1(ATCC TIB−18)を使用す
ることができる。抗原として本発明の抗原ポリペプチド
を使用すること以外は、マウスを免疫して抗体を得る公
知の一般的手法に従い、抗クラミジア・ニューモニエ抗
体を製造する。
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
ーナル抗体は、SCP53、AY6E2E8及び70で
ある。SCP53及び70は、本発明者の一人の松本等
がクラミジア・ニューモニエKKpn−1株を抗原とし
て、マウスを免疫し、その脾臓細胞をミエローマ細胞と
融合させて得られたハイブリドーマSCP53及びハイ
ブリドーマ70が分泌する抗体であり、また、AY6E
2E8は、本発明者の一人の井筒等が、クラミジア・ニ
ューモニエYK−41株の基本小体を抗原として、マウ
スを免疫し、その脾臓細胞をミエローマと細胞融合させ
て得られたハイブリドーマAY6E2E8が分泌する抗
体AY6E2E8である。表1に示されるように、モノ
クローナル抗体のSCP53及びAY6E2E8は C.ニューモ
ニエに特異的であり、モノクローナル抗体の70はクラ
ミジア属細菌に特異的である。モノクローナル抗体の作
製方法については後述する。
ら、クラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチドの遺
伝子DNA配列/アミノ酸配列の決定まで、順を追って
説明する。
的53K抗原ポリペプチドをコードするDNAの作製 (A)宿主細胞(HL細胞)の培養 予め、プラスチック製培養フラスコ(75cm2)の底面
いっぱいに増殖させたHL細胞をリン酸緩衝化生理食塩
液(以下、PBSという。)マグネシウム不含(−)液
5mlで洗浄し、0.1%(w/v)トリプシンを含むP
BSを5ml加えて細胞表面全体に行き渡らせ、その液を
捨てた後、37℃で10分間保温し、10%(v/v)
牛胎児血清を含むダルベッコMEM培地5mlを加え、ピ
ペッテイングによりHL細胞を剥離して、細胞浮遊液を
調製した。
培養するときは、培養フラスコに上記細胞浮遊液1ml及
び10%(v/v)牛胎児血清含有ダルベッコMEM培
地15〜20mlを加え、また、6ウェルプラスチック製
培養容器で培養するときは、上記細胞浮遊液8mlと10
%牛胎児血清含有ダルベッコMEM培地292mlとの混
合液4mlずつを各ウェルに加え、5%(v/v)炭酸ガ
ス雰囲気下で培養した。
1の培養 6ウェルプラスチック製培養容器(底面上)に増殖した
HL細胞の培養上清をピペットで取り除き、これにクラ
ミジア・ニューモニエYK41株(金本ら:Microbiol.
Immunol.,Vol.37,P.495-498,1993)の浮遊液〔クラミジ
ア・ニューモニエYK41保存液を、1リットルあたり
庶糖75g、リン酸一カリウム0.52g、リン酸二カ
リウム1.22g及びグルタミン酸0.72gを含む水
溶液(以下、SPGという。)で12ないし24倍に希
釈し、超音波で1分間処理し、2,000rpmで3分間
遠心分離した上清〕を1ウェルあたり2ml加えて、2,
000rpmで1時間遠心吸着を行った。遠心吸着後、ク
ラミジア・ニューモニエ浮遊液を除き、1μg/mlシクロ
ヘキシミド及び10%(v/v)牛胎児血清を含むダル
ベッコMEM培地をウェルあたり4ml加え、5%(v/
v)炭酸ガス雰囲気下、36℃で3日間培養した。培養
後、滅菌したシリコン片で細胞を剥離し、細胞を回収し
た。これを8,000rpmで30分間遠心分離して、沈
殿をSPGに再懸濁し、−70℃で保存した。
の基本小体の精製 −70℃に保存しておいたクラミジア・ニューモニエY
K41感染凍結HL細胞浮遊液を融解し、テフロンホモ
ジナイザーでホモジナイズした。2,500rpmで10
分間遠心分離し、上清を回収した。沈殿は再びSPGに
懸濁し、同様の操作を行い、上清を回収した。同様の操
作を更に2回行い、得られた上清は集めて合わせた。
む0.03Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)、次い
で、ウログラフィン76%(シェーリング社製)3容量
と0.03Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)7容量と
の混合液を重層し、この上に先に回収した上清を注意深
く重層し、8,000rpmで1時間遠心分離した。50
%(w/v)庶糖を含む0.03Mトリス−塩酸緩衝液
(pH7.4)層及び沈殿を回収し、この回収液に同容量
のSPGを加え、10,000rpmで30分間遠心分離
した。上清を捨て、沈殿をSPGに懸濁した。遠心分離
管に、ウログラフィン76%(シェーリング社製)と
0.03Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)の35%か
ら50%(総量に対する前者の容量比)までの連続密度
勾配液を作製し、この上に懸濁液を重層し、8000rp
mで1時間遠心分離した。クラミジア・ニューモニエ Y
K41の基本小体に相当する黄色味を帯びた白濁したバ
ンドを回収し、これをSPGで2倍に希釈し、1000
0rpmで30分間遠心分離した。得られた沈殿をSPG
に懸濁し、タンパク質濃度を測定(バイオラッド社のタ
ンパク測定キットを用い、牛血清アルブミンを標準とし
た)後、−70℃で保存した。
1株のゲノムDNAの調製 上記精製クラミジア・ニューモニエYK−41株の基本
小体の懸濁液300μl(タンパク質濃度:1.37mg
/ml)を4℃、12,000rpmで5分間遠心分離した。
沈殿に1mM EDTAを含む10mMトリス−塩酸緩
衝液pH8.0(以下、TE緩衝液という)500μlを
加えて懸濁した。同様の遠心分離を再度行い、沈殿を3
00μlのTE緩衝液に懸濁した。1%SDS水溶液3
0μl及び1mg/mlプロテイナーゼK水溶液30μlを
加え、56℃で30分間インキュベートし、基本小体を
溶解させた。0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)
飽和フェノール350μlを加え、ボルテックスミキサ
ーでよく混合後、4℃、12,000rpmで5分間遠心
分離し、水層を回収した(DNAの抽出)。この抽出操
作はもう一度繰り返した。10mg/mlのRNase溶液
を2μl加え、37℃で2時間インキュベートし、RN
Aを分解した。0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.
0)飽和フェノール、クロロホルム及びイソアミルアル
コールの25:24:1(容量比)の混合液(以下、P
CIという。)300μlを加え、ボルテックスミキサ
ーでよく混合し、4℃、12,000rpmで5分間遠心
分離し、水層を回収した。この操作を合計5回繰り返し
た。
アンモニウム水溶液及び2容のエタノールを加え、5分
間放置し、DNAを析出させたのち、4℃、12,00
0rpmで5分間遠心分離した。沈殿は70%エタノール
水溶液600μlを加え、混合し、4℃、12,000
rpmで5分間遠心分離する洗浄を2回繰り返した。遠沈
管のふたを開けたまま15分間放置して沈殿を乾燥さ
せ、これにTE200μlを加えて溶かし、−20℃に
保存した。
製 ゲノムDNA溶液100μlに、制限酵素用M-buffer1
0μl、制限酵素混合液(AccI、HaeIII及び1
/50希釈のAluI各0.4μlとTE20μlを混
合)10μlを加え、37℃で20分間反応させた。な
お、上記20分の反応時間は、DNAが1kbp〜7k
bpの大きさの部分消化DNAに分解される時間で、予
め少量のゲノムDNAを用いて試験した。上記反応液に
PCIを100μl加え、ボルテックスミキサーでよく
混ぜ、4℃、12,000rpmで5分間遠心分離し、水
層を回収した。これに3M酢酸ナトリウム水溶液10μ
l及びエタノール220μlを加え、−80℃に15分
間静置し、部分消化DNAを析出させた。4℃、12,
000rpmで5分間遠心分離し、上清液を捨てたのち、
沈殿に70%エタノール水溶液500μlを加えて混
ぜ、再び、12,000rpmで5分間遠心分離した。上
清液を捨て、沈殿を減圧下に乾燥した。
に溶かし、その19μlをとり、これに下記化1で示す
リンカー(20pmole/μl)14μl、10mM AT
P4.5μl、50mM MgCl2、50mMジチオ
スレイトール及び500μg/ml牛血清アルブミン含有
0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.6、以下、10倍
濃度ライゲーション用緩衝液という)4.5μl、精製
水2μl及びT4リガーゼ1μlを加え、16℃で4時
間反応させ、リンカーを付加させた。
0.1M NaCl及び1mM EDTA含有10mMト
リス−塩酸緩衝液を移動相とするChroma spin 6000カラ
ムにかけた。溶出液2滴ずつを分取し、各分画の一部を
0.8%アガロースゲル電気泳動で分析して、1kbp
から7kbpのDNA断片を含む分画を回収した。得ら
れた分画144μlに、精製水13μl、10mM A
TP 20μl、0.1M MgCl2、50mMジチオ
スレイトール、1mMスペルミジン塩酸塩及び1mM
EDTA含有0.5Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.6、
以下、10倍濃度リン酸化反応用緩衝液という。)20
μl、及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ3μlを加
え、37℃で30分間反応させ、DNA断片の5′端を
リン酸化した。PCI 200μlを加えてよく振り混
ぜた後、4℃、12,000rpmで5分間遠心分離し、
水層を回収した。20mg/mlグリコーゲン水溶液1μ
l、3M酢酸ナトリウム水溶液20μl及びエタノール
400μlを加えてヌクレオチドを析出させた。4℃、
12,000rpmで10分間遠心分離し、上清を捨て、
沈殿に70%エタノール200μlを加え混ぜ、再び遠
心分離し、上清を捨て、沈殿を風乾し、精製水1μlを
加え溶かした。
RIで切断したλgt11 DNA(1μg/μl、ストラタジ
ーン(Stratagene)社)1μl、10倍濃度ライゲーシ
ョン用緩衝液0.5μl、10mM ATP0.5μl、
T4リガーゼ0.4μl及び精製水2μlを加え、4℃
で一晩反応させた。次いで、ギガパック(Gigapack)II
Goldパッケージングキット(ストラタジーン社)を用
い、得られた組換えλgt11DNAをパッケージングし
た。
ノクローナル抗体の作製 骨髄腫細胞株の培養及び継代 モノクローナル抗体の作製に用いた骨髄腫細胞株は、P
3/NSI/1−Ag4−1(ATCC TIB−1
8)である。10%(v/v)牛胎児血清を含むRPM
I1640培地で培養し、継代した。細胞融合に供する
2週間前に、0.13mMの8−アザグアニン、0.5
μg/mlのMC−210(マイコプラズマ除去剤、大日本
製薬(株)製)及び10%(v/v)牛胎児血清を含むR
PMI1640培地で1週間培養し、その後の1週間は
通常の培地で培養した。
液200μlを、12000rpmで10分間遠心分離
し、沈殿に200μlのPBSを加え、再懸濁した。こ
れに200μlのフロイントコンプリートアジュバント
を加え、エマルジョンとし、その150μlをマウスの
背中の皮下に注射した(この日を0日目とする)。14
日目、34日目及び49日目に、タンパク質の濃度が2
70μg/mlの精製基本小体の懸濁液100μlをマウス
の腹腔内に注射した。更に、69日目にタンパク質の濃
度が800μg/mlの精製基本小体の懸濁液50μl、9
2日目に同懸濁液100μlをマウスの腹腔内に注射
し、95日目に脾臓を取りだし、細胞融合に供した。
して骨髄腫細胞107個を丸底ガラスチューブにとり、
よく混合し、1400rpmで5分間遠心分離し、上清を
除去した後、細胞を更によく混合した。予め37℃に保
温しておいた30%(w/v)ポリエチレングリコール
を含むRPMI1640培地0.4mlを加え、30秒間
放置した。700rpmで6分間遠心分離した後、RPM
I1640培地10mlを加え、ポリエチレングリコール
がよく混ざるようにガラスチューブをゆっくり回転さ
せ、1400rpmで5分間遠心分離し、上清を完全に
除去し、沈殿に5mlのHAT培地を加え、5分間放置し
た。更に10〜20mlのHAT培地を加え、30分間放
置した後、骨髄腫細胞濃度が3.3×105/mlとなるよ
うにHAT培地を加えて細胞を懸濁させ、パスツールピ
ペットを用い96ウェルプラスチック製培養容器のウェ
ルに2滴ずつ分注した。5%(v/v)炭酸ガス雰囲気
下、36℃で培養し、1日後、7日後及び14日後にウ
ェルにHAT培地を1〜2滴加えた。
1%(w/v)SDSで可溶化し、0.02%アジ化ソ
ーダ含有0.05M重炭酸ソーダ緩衝液(pH9.6)に
対して透析したのち、タンパク質濃度が1〜10μg/ml
となるように希釈した液を、塩化ビニル製96ウェルE
IA用プレートのウェルに50μlとり、4℃で一晩放
置し、抗原を吸着させた。上澄みを除去し、ウェルに
0.02%(w/v)ツィーン20を含むPBS150
μlを加え、3分間放置し、その後除去・洗浄した。洗
浄操作を更に1回行なった後、ウェルに1%(v/v)
牛血清アルブミンを含むPBS100μlを加え、4℃
で一晩以上放置し、ブロッキングを行なった。牛血清ア
ルブミンを含むPBSを除いた後、0.02%(w/
v)ツィーン20を含むPBSで同様に2回洗浄後、ウ
ェルに融合細胞の培養上清を50μl加え、室温で2時
間放置した。0.02%(w/v)ツィーン20を含む
PBSで同様に3回洗浄後、ウェルに25ng/mlのペル
オキシダーゼ標識化ヤギ抗マウスIgG抗体を50μl
加え、室温で2時間放置した。0.02%(w/v)ツ
ィーン20を含むPBSで同様に3回洗浄後、ウェルに
ABTS溶液(KPL社製)を50μl加え、室温で1
5分〜1時間放置して発色反応させた後、96ウエルE
IAプレート用光度計で405nmの吸光度を測定した。
この結果、陽性のウエルが見出され、その培養上清中に
は基本小体と反応する抗体が含まれていることが分かっ
た。このウェル中の細胞をそれぞれパスツールピペット
で回収し、24ウェルプラスチック製培養容器に移し、
HAT培地1〜2mlを加え、同様に培養した。
胞の細胞濃度を測定し、細胞数が20個/mlとなるよう
それぞれをHT培地で希釈した。別にHT培地に懸濁し
た4〜6週齢のマウス胸腺細胞を96ウェルプラスチッ
ク製培養容器に2×105個/ウェルとり、これに上記
の融合細胞(細胞濃度が20個/ml)を50μl/ウェ
ルずつ加え、5%(v/v)炭酸ガス雰囲気下、36℃
で培養し、その1日後、7日後及び14日後にHT培地
を1〜2滴/ウェル加えた。細胞の増殖が見られたウェ
ルの培養上清を50μl回収し、上記と同様の方法で抗
体の生産を確認した。ウェル中に単一の細胞コロニーし
か存在せず、基本小体と反応する抗体を生産するもの
で、かつ増殖が早い細胞をウェルから回収し、引き続き
24ウェルプラスチック製培養容器で増殖させた。更
に、同様のクローニング操作を繰り返し、最終的にハイ
ブリドーマ、AY6E2E8を得た。
胎児血清含有RPMI1640培地20mlを入れた75
cm2プラスチック製細胞培養用フラスコで増殖させ、3
〜4日ごとにその培養液から16〜18mlを抜き取り、
代わりに新鮮な10%(v/v)牛胎児血清含有RPM
I1640培地を総量で20mlとなるように補い、継代
培養を続けた。抜き取って回収した細胞培養液は、12
00rpmで5分間遠心分離し、上清(モノクローナル抗
体含有培養上清)を回収した。また、予め2週間前にプ
リスタン0.5mlを腹腔内に注射しておいたBalb/
cマウスのその腹腔内に、1〜5×106個/mlとなる
ようPBSで懸濁したハイブリドーマ株を1ml注射し
た。3週間後、balb/cマウスの腹水を回収し、1
200rpmで5分間遠心分離し、上清(モノクローナル
抗体含有腹水)を回収した。
ナル抗体は以下のようにして精製した。ハイブリドーマ
AY6E2E8をマウス腹腔内に注射して得られたモ
ノクローナル抗体含有腹水1容に3容のPBSを加えて
混合し、3000rpmで10分間遠心分離し、その上清
をポアサイズ0.22μmのフィルタで濾過後、これを
クロマトップスーパープロテインAカラム(径4.6mm
×100mm、日本ガイシ(株)製)を用いるHPLCで精
製した。カラムは予め、PBSで平衡化しておいた。
0.22μmフィルタで濾過後のサンプル1mlをカラ
ムに注入後、PBSを1ml/minで3分間流し、次いで、
5ml/minで4分間流してカラムを洗浄した後、精製水1
LにNaCl 8.77g、クエン酸(一水和物)1
6.7g及びNa2HPO4・12H2O 14.72gを
溶かした液を2ml/minで5分間流してモノクローナル抗
体を溶出した。モノクローナル抗体の溶出画分を集め、
TTBS溶液で希釈した。クラミジア・ニューモニエの
基本小体を溶解し、基本小体に含有されているペプチド
を取得した。このペプチドと上記モノクローナル抗体を
用いてウェスタンブロットを行い、取得したモノクロー
ナル抗体の特異性を確認した。その結果、取得したモノ
クローナル抗体はクラミジア・ニューモニエ53KDa
抗原ポリペプチドを認識することがわかった。ハイブリ
ドーマ AY6E2E8と同様にして、ハイブリドーマ
SCP53及びハイブリドーマ70を取得した。上記の
方法と同様にしてハイブリドーマSCP53及びハイブ
リドーマ70が産生するモノクローナル抗体の特異性を
調べた結果、これらのモノクローナル抗体は、それぞ
れ、クラミジア・ニューモニエの53KDa抗原ポリペ
プチド及び73KDa抗原ポリペプチドを認識すること
がわかった。また、上記の方法と同様にしてハイブリド
ーマSCP53及びハイブリドーマ70が産生するモノ
クローナル抗体のサブクラスを調べた結果、これらの抗
体のサブクラスは、それぞれ、IgG1及びIgGであ
った。
Aのクローニング 大腸菌Y1090r−株の一白金耳を10mM MgS
O43ml、0.2%マルトース及び50μg/mlアンピシ
リン含有のLB(水1L中にNaCl 5g、ポリペプ
トン10g及び酵母エキス5gを含む)培地に接種し、
37℃で一晩振とう培養したのち、これを2,000rp
mで10分間遠心分離した。沈殿(大腸菌)に10mM
MgSO4水溶液9mlを加えて混ぜ、この大腸菌懸濁液
の0.35mlを採り、これにλgt11(DNAライブラリ
ー)懸濁液を0.1〜10μl加え、37℃で20分間
インキューベートし、大腸菌にλgt11を感染させた。予
め47℃に保温した液状LB寒天培地2.5mlに、上記
λgt11感染大腸菌を加え、これを直ちにLB寒天培地上
に撒いた。上層寒天培地が固化した後、42℃で3〜4
時間培養し、プラークが観察された時点で10mM I
PTG水溶液に浸漬したニトロセルロースフィルター
(φ82mm)を上層寒天培地に乗せ、37℃で12時間
培養した。黒インクをつけた注射針で非対称に3ヵ所突
き刺してフィルターに目印をつけた後、フィルターを寒
天培地からとり出し、150mM NaCl及び0.1
%ツィーン20含有20mMトリス−塩酸緩衝液(pH
7.5)(以下、TTBS緩衝液という)で3回洗浄し
た。寒天培地は冷蔵庫中に保存した。
0mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)(以下、TBS
緩衝液という)の0.1%牛血清アルブミン含有液に浸
し、37℃で1時間振とうし、ブロッキング反応を行っ
た。次いで、フィルターをTTBS緩衝液で2回洗浄し
たのち、5〜10μg/mlのクラミジア・ニューモニエ特
異的モノクローナル抗体(SCP53又はAY6E2E8)の
TTBS溶液に浸し、37℃、1時間振とうした。フィ
ルターをTTBS緩衝液で3回洗浄した後、パーオキシ
ダーゼ標識の(50ng/ml)抗マウスIgG抗体溶液
(TTBS緩衝液)中、37℃で1時間振とうした。フ
ィルターをTTBS緩衝液で3回、及びTBS緩衝液で
3回洗浄した後、発色基質液(TBS緩衝液100mlに
30%過酸化水素水溶液60μlと0.3% 4−クロ
ロ−1−ナフトールのメタノール溶液20mlを加えて調
製)に浸漬し、室温で約30分間放置した。十分発色し
た時点でフィルターをとり出し、精製水で洗浄し、風乾
した。
培地上のプラークを捜して同定し、この部分の寒天をパ
スツールピペットでつき刺し、プラークを回収した。回
収したプラークはクロロホルム1滴を加えた0.1M
NaCl、8mM硫酸マグネシウム及び0.01%ゼラ
チン含有50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)(以
下、SM緩衝液という)中に採り、4℃で一晩放置しプ
ラーク中のλファージを抽出した。プラークが全て上記
モノクローナル抗体と反応するようになるまで、前記操
作を繰り返し、抗原ポリペプチドをコードするDNAを
クローン化した。このようにして、クラミジア・ニュー
モニエ特異的モノクローナル抗体反応性のクラミジア・
ニューモニエ特異的抗原ポリペプチドを発現するλファ
ージが得られ、これを53−3Sλファージと命名し
た。
A精製 前記(G)で述べた方法と同様にしてプラークを形成さ
せ、一つのプラークを回収し、100μlのSM緩衝液
に入れ、4℃で一晩放置しλファージを抽出した。LB
培養液で一晩培養した大腸菌Y1090r−株250μ
lに、λファージ液5〜10μlを加え、37℃で20
分間放置し、大腸菌にλファージを感染させた。予め3
7℃に温めておいた10mM硫酸マグネシウムを含むL
B培地50mlに接種し、λファージによる大腸菌の溶菌
が起こるまで37℃で5〜7時間振とう培養した。25
0μlのクロロホルムを加え、3,000rpmで10分
間遠心分離し大腸菌細胞残渣を除き、λファージ懸濁液
を得た。λファージDNAは、Wizard λ preps キット
(プロメガ社)を用いて精製した。
ペプチドをコードするDNAの増幅 600μl用のマイクロチューブに、精製水61.5μ
l、10倍濃度 反応用緩衝液(500mM KCl、
15mM MgCl2、0.01%ゼラチンを含むトリ
ス−塩酸緩衝液pH8.3)10μl、20mM dNT
P 1μl、53−3SλファージDNA溶液0.1μ
l、20nM λgt11 forward primer(宝酒造株式会
社)1μl、20nM λgt11 reverse primer(宝酒
造株式会社)1μl、AmpliTaq DNA Polymerase 0.5
μlを入れ、ミネラルオイルを2〜3滴重層した。94
℃ 30秒、55℃ 30秒、73℃ 2分のサイクル
のインキュベーションを30回繰返し、DNAを増幅し
た。反応後、1.2% 低温融解アガロースゲル電気泳
動を行い、増幅されたDNAを切り出して WizardPCR P
rep キット(プロメガ社)で精製した。
として、Taq DNA ポリメラーゼを用いた蛍光標識ターミ
ネータサイクルシークエンス法でシークエンス反応を行
い、373A型DNAシークエンサ(アプライドバイオ
システムズ社)で分析を行った。得られたDNA塩基配
列を遺伝子配列分析ソフト「DNASIS」(日立ソフ
トウェアエンジニアリング社)を用いて、編集、連結、
アミノ酸翻訳領域の推定を行ない、配列番号9の配列を
得た。配列番号9の配列の解析結果から、53KDa抗
原ポリペプチドについて、そのN末端からC末端に向け
て約60%のアミノ酸配列が解明されたことが分かっ
た。上記クラミジア・ニューモニエ抗原ポリペプチドを
コードするDNAは、クラミジア・ニューモニエに特異
的で、かつ、53KDa抗原ポリペプチドを認識するモ
ノクローナル抗体を利用してクローニングされたので、
このDNAは、明らかに53KDa抗原ポリペプチドを
コードしている。配列番号9の塩基配列及びアミノ酸配
列の相同性検索をGenBankデータベースで行なっ
た結果、高い相同性を示す既知の配列は無かった。
原ポリペプチドの一部を含むポリペプチドをコードする
DNAを含む組換えベクターの作製、及びそれを含む形
質転換体の作製 前述したように、取得したDNAが53KDa抗原ポリ
ペプチドをコードしていることが明らかであるが、念の
ため、下記のようにして、取得したDNAを発現させ、
上記抗体と反応するか否か調べた。プラスミドpBBK
10MMを制限酵素BamHIとXhoIで切断し、1.2%低
温融解アガロースゲル電気泳動を行い、約4.6Kbp
のDNA断片を切り出して精製した。このDNA断片10
0ngに、配列番号11及び配列番号12の合成DNA各
1ngを添加し、DNAライゲーションキット(宝酒造)
を用いてこれらのDNAを連結した。この反応物を大腸
菌HB101株コンピテントセル(宝酒造)に入れ、形
質転換体を作製し、プラスミドを取得し、これをpAD
A431と名付けた。このプラスミドを制限酵素MunIで
切断した後、アルカリホスファターゼ処理し5′リン酸
基を除去した。一方、53−3SλファージDNAを制
限酵素EcoRIで切断し、このDNA断片50ngに、上記
の制限酵素MunIで切断したpADA431プラスミ
ドDNA100ngを添加し、同様に連結し、形質転換体
を作製し、53−3SλファージDNAの制限酵素Ec
oRI断片が組み込まれたプラスミドを取得し、これを
pCPN533αと名付けた。このプラスミドは、配列
番号10の塩基配列を有する約5.7kbpのDNAで
あり、53K抗原ポリペプチドの一部を含むポリペプチ
ドを宿主大腸菌で発現させることができるものである。
この53K抗原ポリペプチドの一部を含むポリペプチド
をコードするDNAの塩基配列は配列番号4のようにな
っており、この塩基配列から推定されるアミノ酸配列は
を配列番号2のようになっていた。プラスミドpCPN
533αをもつ大腸菌を同様に培養し、電気泳動、ニト
ロセルロース膜への転写、モノクローナル抗体での検出
を同様に行った結果、上記ポリペプチドに相当する発色
したバンドが観察され、プラスミドpCPN533αを
もつ大腸菌が、クラミジア・ニューモニエに特異的に反
応するモノクローナル抗体と反応することができる53
K抗原ポリペプチドを発現していることが示された。
3KDa抗原ポリペプチド全体をコードするDNAの取
得 配列番号9の塩基配列を元に、配列番号14及び15の
塩基配列を有するDNAを、DNA合成機を用いて合成
した。実施例1で得たクラミジア・ニューモニエYK4
1株のゲノムDNAの水溶液10μl(DNA含有量:
約1μg)に、10倍濃縮Kバッファ5μl、精製水3
5μl及び制限酵素HindIII(19U/μl)5μ
lを添加し、37℃で3時間保温した。得られた反応液
をフェノールで抽出し、エタノールを添加し、遠心分離
して沈殿を取得した。この沈殿に、PCR in vitro Cl
oning Kit(宝酒造(株)製品名)中のHindIIIカセット
DNA(20ng/μl)5μl、ライゲーション溶液15
μlを添加し、16℃で30分間保温した。取得した反
応液をフェノールで抽出し、エタノールを添加し、遠心
分離して沈殿を取得し、これを10μlの精製水に溶解
した。得られた溶液1μlに、精製水78.5μl、1
0倍濃縮PCR用バッファ10μl、2.5mMdNT
P8μl及びTaqポリメラーゼ0.5μl(5U/μ
l)を添加し、さらに、プライマーDNAとして、配列
番号14の塩基配列を有するDNA(20pmol/μl)1
μl及び配列番号16の塩基配列を有するDNA(20
pmol/μl)(上記キットにおいて、プライマーC1とし
て同封されていたもの)1μlを添加して、これらを
0.6mlのマイクロチューブに入れ、ミネラルオイル
2滴を重層し、94℃30秒、55℃2分、72℃3分
の温度サイクルを30回繰り返した。以上の工程をPC
R工程という。PCR工程後の反応液1μlに、プライ
マーDNAとして、配列番号15の塩基配列を有するD
NA(20pmol/μl)1μl及び配列番号17の塩基配
列を有するDNA(20pmol/μl)(上記キットにおい
て、プライマーC2として同封されていたもの)1μl
を用い、再度PCR工程を行った。2番目のPCR工程
後の反応液を1.2%低融点アガロースゲル電気泳動さ
せ、約1.4kbpの大きさのDNAが含有されている
アガロースゲルを切り出した。DNAの精製には Wizar
d PCR Prep キット(プロメガ社)を用いた。即ち、切
り出したアガロースゲルにキットに同封されている緩衝
液を添加し、加熱してアガロースゲルを溶解し、キット
に同封されている精製用樹脂を添加してDNAを樹脂に
吸着させ、遠心分離して精製用樹脂を沈殿として取得し
た。沈殿をプロパノールで洗浄し、再度遠心分離して沈
殿を取得した。沈殿に精製水を添加し、精製用樹脂から
DNAを溶出して、遠心分離し、上清(DNA水溶液)
を得た。以上の工程をDNA精製工程という。取得した
DNA水溶液を用い、含まれるDNAを鋳型とするTaq
DNA ポリメラーゼを用いた蛍光標識ターミネータサイク
ルシークエンス法でシークエンス反応を行い、373A
型DNAシークエンサ(アプライドバイオシステムズ
社)でそのDNAの塩基配列を分析した。得られたDN
A塩基配列を遺伝子配列分析ソフト「DNASIS」
(日立ソフトウェアエンジニアリング社)を用いて、編
集、連結、アミノ酸翻訳領域の推定を行なった。以上の
工程を塩基配列解析工程という。取得したDNAの塩基
配列を解析した結果、このDNAは実施例1で取得した
クラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチドをコード
するDNAの中の3′末端側の約50bpの塩基配列を
有していた。さらに、その塩基配列の下流には、終始コ
ドンを含有する約0.7kbのコード領域が存在してい
ることがわかった。 配列番号9の塩基配列を元に、ク
ラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチドのをコード
するDNAの上流部分に相当するプライマーとして、配
列番号18の塩基配列を有するDNAを、また、上記の
約0.7kbのコード領域を含む塩基配列を元に、クラ
ミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチドのをコードす
るDNAの下流部分に相当するプライマーとして、配列
番号19の塩基配列を有するDNAを、それぞれ、DN
A合成機を用いて合成した。実施例1で得たクラミジア
・ニューモニエYK41株のゲノムDNAの水溶液1μ
lを用い、プライマーDNAとして配列番号18の塩基
配列を有するDNA(20pmol/μl)1μl及び配列番
号19の塩基配列を有するDNA(20pmol/μl)1μ
lを用いてPCR工程を行った。3番目のPCR工程後
の反応液を用い、上記DNA精製工程を行い、約1.5
kbpのDNAを取得した。取得したDNA水溶液を用
い、上記塩基配列解析工程を行った。取得したDNAの
塩基配列を解析した結果、このDNAは配列番号4の塩
基配列を有しており、配列番号1のアミノ酸配列をコー
ドしていることがわかった。またプラスミドpCPN5
33αと前述のλgt11のDNAライブラリーを用いてゲ
ノムウォーキングを行い、クラミジア・ニューモニエの
53KDa抗原ポリペプチド全体をコードするDNAを
取得した。
3KDa抗原ポリペプチド全体をコードするDNAを含
む組換えベクターの作製、及びそれを含む形質転換体の
作製 クラミジア・ニューモニエの53KDa抗原ポリペプチ
ド全体をコードするDNAを用い、実施例2と同様にし
てクラミジア・ニューモニエの53KDa抗原ポリペプ
チド全体をコードするDNAを含む組換えベクターとそ
れを含む形質転換体を作製する。
3K抗原ポリペプチドをコードするDNAの作製 モノクローナル抗体SCP53又はAY6E2E8の代
わりに、モノクローナル抗体70を使用し、実施例1と
同様の手順で操作した。クローン70−2Sλファージ
が得られ、これから配列番号13の配列が得られた。配
列番号13の配列の解析結果から、クラミジア・ニュー
モニエの73K抗原タンパク質については、そのN末端
からC末端に向けて約90%のアミノ酸配列が解明され
たことが分かった。配列番号13の塩基配列及びアミノ
酸配列の相同性検索をGenBankデータベースで行
なった結果、これはクラミジア・トラコマチスから単離
された遺伝子塩基配列(L.M.Sardinia et al:J. Bacter
iol., Vol.171, 335-341(1989))と高い相同性を示すも
のであった。
原ポリペプチドを抗原として用いる、抗クラミジア・ニ
ューモニエ抗体の製造 (A)骨髄腫細胞株の培養及び継代 骨髄腫細胞株はP3X63Ag8.653(ATCC
CRL−1580)を10%(v/v)牛胎児血清を含
むRPMI1640培地で培養し、継代する。細胞融合
に供する2週間前に、0.13mMの8−アザグアニ
ン、0.5μg/mlのMC−210(マイコプラズマ除去
剤、大日本製薬(株)製)及び10%(v/v)牛胎児血
清を含むRPMI1640培地で1週間培養し、その後
の1週間は通常の培地で培養する。
ドの懸濁液200μlを、12000rpmで10分間遠
心分離し、沈殿に200μlのPBSを加え、再懸濁す
る。これに200μlのフロイントコンプリートアジュ
バントを加え、エマルジョンとし、その150μlをマ
ウスの背中の皮下に注射する(この日を0日目とす
る)。14日目、34日目及び49日目に、タンパク質
の濃度が270μg/mlの上記抗原ポリペプチドの懸濁液
100μlをマウスの腹腔内に注射し、更に、69日目
にタンパク質の濃度が800μg/mlの上記抗原ポリペプ
チドの懸濁液50μl、92日目に同懸濁液100μl
をマウスの腹腔内に注射し、95日目に脾臓を取り出
し、細胞融合に供する。
胞107個を丸底ガラスチューブにとり、よく混合し、
1400rpmで5分間遠心分離し、上清を除去し、細胞
を更によく混合する。予め37℃に保温してある30%
(w/v)ポリエチレングリコールを含むRPMI16
40培地0.4mlを加え、30秒間放置する。700rp
mで6分間遠心分離した後、RPMI1640培地10m
lを加え、ポリエチレングリコールがよく混ざるように
ガラスチューブをゆっくり回転させ、1400rpmで5
分間遠心分離し、上清を完全に除去し、沈殿に5mlのH
AT培地を加え、5分間放置する。更に10〜20mlの
HAT培地を加え、30分間放置し、骨髄腫細胞濃度が
3.3×105/mlとなるようにHAT培地を加えて細胞
を懸濁させ、パスツールピペットを用い96ウェルプラ
スチック製培養容器のウェルに2滴ずつ分注する。5%
(v/v)炭酸ガス雰囲気下、36℃で培養し、1日
後、7日後及び14日後にウェルにHAT培地を1〜2
滴加える。
mlとなるように0.02%(w/v)アジ化ソーダ含有
0.05M重炭酸ソーダ緩衝液(pH9.6)に懸濁し、
0.02%アジ化ソーダ含有0.05M重炭酸ソーダ緩
衝液(pH9.6)に対して透析し、その後、タンパク質
濃度が1〜10μg/mlとなるように希釈した液を、塩化
ビニル製96ウェルEIA用プレートのウェルに50μ
lとり、4℃で一晩放置し、抗原を吸着させる。上澄み
を除去し、ウェルに0.02%(w/v)ツィーン20
を含むPBS150μlを加え、3分間放置し、その後
除去・洗浄する。洗浄操作を更に1回行なった後、ウェ
ルに1%(v/v)牛血清アルブミンを含むPBS10
0μlを加え、4℃で一晩以上放置し、ブロッキングを
行なう。牛血清アルブミンを含むPBSを除いた後、
0.02%(w/v)ツィーン20を含むPBSで同様
に2回洗浄後、ウェルに融合細胞の培養上清を50μl
加え、室温で2時間放置する。0.02%(w/v)ツ
ィーン20を含むPBSで同様に3回洗浄後、ウェルに
25ng/mlのペルオキシダーゼ標識化ヤギ抗マウスIg
G抗体を50μl加え、室温で2時間放置する。0.0
2%(w/v)ツィーン20を含むPBSで同様に3回
洗浄後、ウェルにABTS溶液(KPL社製)を50μ
l加え、室温で15分〜1時間放置して発色反応させ、
96ウエルEIAプレート用光度計で405nmの吸光度
を測定する。そして陽性のウエル中の細胞をそれぞれパ
スツールピペットで回収し、24ウェルプラスチック製
培養容器に移し、HAT培地1〜2mlを加え、同様に培
養する。
融合細胞の細胞濃度を測定し、細胞数が20個/mlとな
るようそれぞれをHT培地で希釈する。別にHT培地に
懸濁した4〜6週齢のマウス胸腺細胞を96ウェルプラ
スチック製培養容器に1〜2×105個/ウェルとり、こ
れに上記の融合細胞(細胞濃度が20個/ml)を50μl
/ウェルずつ加え、5%(v/v)炭酸ガス雰囲気下、
36℃で培養し、その1日後、7日後及び14日後にH
T培地を1〜2滴/ウェル加える。細胞の増殖が見られ
たウェルの培養上清を50μl回収し、上記(D)の
「抗体生産細胞のスクリーニング」と同様の方法で抗体
の生産を確認する。ウェル中に単一の細胞コロニーしか
存在せず、基本小体と反応する抗体を生産するもので、
かつ増殖が早い細胞をウェルから回収し、引き続き24
ウェルプラスチック製培養容器で増殖させる。更に、同
様のクローニング操作を繰り返し、抗クラミジア・ニュ
ーモニエ抗体を産生するハイブリドーマを取得する。こ
れを培養し、その培養上清から抗クラミジア・ニューモ
ニエ抗体を製造する。
ラミジア・ニューモニエの抗体検査等に利用できる。請
求項2記載の抗原ポリペプチドは、請求項1記載の抗原
ポリペプチドの効果を奏し、さらに、アミノ酸配列の長
さが短いため、担体等に固定化できる抗原ペプチドの数
を多くすることができ、それにより、感度の高い診断薬
の製造に利用できる。請求項3記載の抗原ポリペプチド
は、請求項1記載の抗原ポリペプチドの効果を奏し、さ
らに、タンパク質分解酵素による分解を受けにくい構造
をつくることができるので、抗原として安定性に優れ
る。請求項4記載の抗原ポリペプチドは、請求項1記載
の抗原ポリペプチドの効果を奏し、さらに、アミノ酸若
しくは2〜1000個のアミノ酸配列を利用して担体等
に固定化できるので、固定化による抗原性の低下又は喪
失が生じにくい。請求項5記載の抗原ポリペプチドは、
請求項1記載の抗原ポリペプチドの効果を奏し、さら
に、クラミジア・ニューモニエに特異的な抗原ポリペプ
チドの全体を有するので、抗体検査やクラミジア・ニュ
ーモニエ感染の正確な診断に極めて適切である。請求項
6記載の抗原ポリペプチドは、請求項1記載の抗原ポリ
ペプチドの効果を奏し、さらに、クラミジア・ニューモ
ニエに特異的な抗原部分を有するので、抗体検査やクラ
ミジア・ニューモニエ感染の正確な診断に極めて適切で
ある。請求項7記載の抗原ポリペプチドは、請求項1記
載の抗原ポリペプチドの効果を奏し、さらに、クラミジ
ア・ニューモニエに特異的な抗原部分を有するので、抗
体検査やクラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断に
極めて適切である。請求項8記載のDNAは、クラミジ
ア・ニューモニエの抗体検査やクラミジア・ニューモニ
エ感染の診断等に好適な抗原ポリペプチドの製造に利用
できる。請求項9記載のDNAは、請求項8記載のDN
Aの効果を奏し、さらに、このDNAにコードされてい
る抗原ポリペプチドはクラミジア・ニューモニエに特異
的な抗原ポリペプチドの全体を有するので、クラミジア
・ニューモニエの特異的抗体検査等に好適な抗原ポリペ
プチドの製造に利用できる。請求項10記載のDNA
は、請求項8記載のDNAの効果を奏し、さらに、この
DNAにコードされている抗原ポリペプチドはクラミジ
ア・ニューモニエに特異的な抗原部分を有するので、ク
ラミジア・ニューモニエの特異的抗体検査等に好適な抗
原ポリペプチドの製造に利用できる。請求項11記載の
DNAは、請求項8記載のDNAの効果を奏し、さら
に、このDNAにコードされている抗原ポリペプチドは
クラミジア・ニューモニエに特異的な抗原部分を有する
ので、クラミジア・ニューモニエの特異的抗体検査等に
好適な抗原ポリペプチドの製造に利用できる。請求項1
2記載の組換えベクターは、クラミジア・ニューモニエ
の抗体検査やクラミジア・ニューモニエの感染症の診断
に好適な抗原ポリペプチドの製造に利用できる。請求項
13記載の組換えベクターは、請求項12記載の組換え
ベクターの効果を奏し、さらに、クラミジア・ニューモ
ニエに特異的な抗原部分を有するポリペプチドを発現さ
せることができるので、クラミジア・ニューモニエの特
異的抗体検査等に極めて適切な抗原ポリペプチドの製造
に利用できる。請求項14記載の形質転換体は、クラミ
ジア・ニューモニエの特異的抗体検査等に好適な抗原ポ
リペプチドの製造に利用できる。請求項15記載の抗ク
ラミジア・ニューモニエ抗体の製造方法は、クラミジア
・ニューモニエ感染の診断薬製造に利用できる。
GAC AAT CAA AAA AAT ATC ATG 48 Met Ser Ile Ser Ser Ser Ser Gly Pro Asp Asn Gln Lys Asn Ile Met 1 5 10 15 TCT CAA GTT CTG ACA TCG ACA CCC CAG GGC GTG CCC CAA CAA GAT AAG 96 Ser Gln Val Leu Thr Ser Thr Pro Gln Gly Val Pro Gln Gln Asp Lys 20 25 30 CTG TCT GGC AAC GAA ACG AAG CAA ATA CAG CAA ACA CGT CAG GGT AAA 144 Leu Ser Gly Asn Glu Thr Lys Gln Ile Gln Gln Thr Arg Gln Gly Lys 35 40 45 AAC ACT GAG ATG GAA AGC GAT GCC ACT ATT GCT GGT GCT TCT GGA AAA 192 Asn Thr Glu Met Glu Ser Asp Ala Thr Ile Ala Gly Ala Ser Gly Lys 50 55 60 GAC AAA ACT TCC TCG ACT ACA AAA ACA GAA ACA GCT CCA CAA CAG GGA 240 Asp Lys Thr Ser Ser Thr Thr Lys Thr Glu Thr Ala Pro Gln Gln Gly 65 70 75 80 GTT GCT GCT GGG AAA GAA TCC TCA GAA AGT CAA AAG GCA GGT GCT GAT 288 Val Ala Ala Gly Lys Glu Ser Ser Glu Ser Gln Lys Ala Gly Ala Asp 85 90 95 ACT GGA GTA TCA GGA GCG GCT GCT ACT ACA GCA TCA AAT ACT GCA ACA 336 Thr Gly Val Ser Gly Ala Ala Ala Thr Thr Ala Ser Asn Thr Ala Thr 100 105 110 AAA ATT GCT ATG CAG ACC TCT ATT GAA GAG GCG AGC AAA AGT ATG GAG 384 Lys Ile Ala Met Gln Thr Ser Ile Glu Glu Ala Ser Lys Ser Met Glu 115 120 125 TCT ACC TTA GAG TCA CTT CAA AGC CTC AGT GCC GCG CAA ATG AAA GAA 432 Ser Thr Leu Glu Ser Leu Gln Ser Leu Ser Ala Ala Gln Met Lys Glu 130 135 140 GTC GAA GCG GTT GTT GTT GCT GCC CTC TCA GGG AAA AGT TCG GGT TCC 480 Val Glu Ala Val Val Val Ala Ala Leu Ser Gly Lys Ser Ser Gly Ser 145 150 155 160 GCA AAA TTG GAA ACA CCT GAG CTC CCC AAG CCC GGG GTG ACA CCA AGA 528 Ala Lys Leu Glu Thr Pro Glu Leu Pro Lys Pro Gly Val Thr Pro Arg 165 170 175 TCA GAG GTT ATC GAA ATC GGA CTC GCG CTT GCT AAA GCA ATT CAG ACA 576 Ser Glu Val Ile Glu Ile Gly Leu Ala Leu Ala Lys Ala Ile Gln Thr 180 185 190 TTG GGA GAA GCC ACA AAA TCT GCC TTA TCT AAC TAT GCA AGT ACA CAA 624 Leu Gly Glu Ala Thr Lys Ser Ala Leu Ser Asn Tyr Ala Ser Thr Gln 195 200 205 GCA CAA GCA GAC CAA ACA AAT AAA CTA GGT CTA GAA AAG CAA GCG ATA 672 Ala Gln Ala Asp Gln Thr Asn Lys Leu Gly Leu Glu Lys Gln Ala Ile 210 215 220 AAA ATC GAT AAA GAA CGA GAA GAA TAC CAA GAG ATG AAG GCT GCC GAA 720 Lys Ile Asp Lys Glu Arg Glu Glu Tyr Gln Glu Met Lys Ala Ala Glu 225 230 235 240 CAG AAG TCT AAA GAT CTC GAA GGA ACA ATG GAT ACT GTC AAT ACT GTG 768 Gln Lys Ser Lys Asp Leu Glu Gly Thr Met Asp Thr Val Asn Thr Val 245 250 255 ATG ATC GCG AAG GGG TTC GAA TTG CCA TGG GGG CCC TTA ATT AAT 813 Met Ile Ala Lys Gly Phe Glu Leu Pro Trp Gly Pro Leu Ile Asn 260 265 270 271
Asp Asn Gln Lys Asn Ile Met 1 5 10 15 Ser Gln Val Leu Thr Ser Thr Pro Gln Gly Val Pro Gln Gln Asp Lys 20 25 30 Leu Ser Gly Asn Glu Thr Lys Gln Ile Gln Gln Thr Arg Gln Gly Lys 35 40 45 Asn Thr Glu Met Glu Ser Asp Ala Thr Ile Ala Gly Ala Ser Gly Lys 50 55 60 Asp Lys Thr Ser Ser Thr Thr Lys Thr Glu Thr Ala Pro Gln Gln Gly 65 70 75 80 Val Ala Ala Gly Lys Glu Ser Ser Glu Ser Gln Lys Ala Gly Ala Asp 85 90 95 Thr Gly Val Ser Gly Ala Ala Ala Thr Thr Ala Ser Asn Thr Ala Thr 100 105 110 Lys Ile Ala Met Gln Thr Ser Ile Glu Glu Ala Ser Lys Ser Met Glu 115 120 125 Ser Thr Leu Glu Ser Leu Gln Ser Leu Ser Ala Ala Gln Met Lys Glu 130 135 140 Val Glu Ala Val Val Val Ala Ala Leu Ser Gly Lys Ser Ser Gly Ser 145 150 155 160 Ala Lys Leu Glu Thr Pro Glu Leu Pro Lys Pro Gly Val Thr Pro Arg 165 170 175 Ser Glu Val Ile Glu Ile Gly Leu Ala Leu Ala Lys Ala Ile Gln Thr 180 185 190 Leu Gly Glu Ala Thr Lys Ser Ala Leu Ser Asn Tyr Ala Ser Thr Gln 195 200 205 Ala Gln Ala Asp Gln Thr Asn Lys Leu Gly Leu Glu Lys Gln Ala Ile 210 215 220 Lys Ile Asp Lys Glu Arg Glu Glu Tyr Gln Glu Met Lys Ala Ala Glu 225 230 235 240 Gln Lys Ser Lys Asp Leu Glu Gly Thr Met Asp Thr Val Asn Thr Val 245 250 255 Met Ile Ala 259
AAAAAAA TTCTGGACAA TATAGAATGC 60 CTCACAGAAG ACGTTGCCGA ATTTAAAGAT TTGCTTTATA CGGCACACAG AATTACTTCG 120 AGCGAAGAAG AATCTGATAA CGAAATACAG CCTGGCGCCA TCCTAAAAGG TACCGTAGTT 180 GATATTAATA AAGACTTTGT CGTAGTTGAT GTTGGTCTGA AGTCTGAGGG AGTGATCCCT 240 ATGTCAGAGT TCATAGACTC TTCAGAAGGT TTAGTGCTTG GAGCTGAAGT AGAAGTCTAT 300 CTCGACCAAG CCGAAGACGA AGAGGGCAAA GTTGTCCTTT CTAGAGAAAA AGCCACACGA 360 CAACGTCAAT GGGAATACAT CTTAGCTCAT TGTGAAGAAG GTTCTATTGT TAAAGGTCAA 420 ATTACACGTA AAGTCAAAGG CGGCCTTATT GTAGATATTG GAATGGAAGC CTTCCTACCT 480 GGATCACAAA TTGACAACAA GAAAATCAAA AATTTAGATG ATTATGTCGG AAAAGTTTGT 540 GAATTCAAAA TTTTAAAAAT TAACGTTGAA CGTCGCAATA TTGTTGTCTC AAGAAGAGAA 600 CTCTTAGAAG CTGAGAGAAT CTCTAAGAAA GCCGAACTTA TTGAACAAAT TTCTATCGGA 660 GAATACCGCA AAGGAGTTGT TAAAAACATT ACTGACTTTG GTGTATTCTT AGATCTCGAT 720 GGTATTGACG GTCTTCTCCA CATTACCGAT ATGACCTGGA AGCGCATACG ACATCCTTCC 780 GAAATGGTCG AATTGAATCA AGAGTTGGAA GTAATTATTT TAAGCGTAGA TAAAGAAAAA 840 GGACGAGTTG CTCTAGGTCT CAAACAAAAA GAGCATAATC CTTGGGAAGA TATTGAGAAG 900 AAATACCCTC CTGGAAAACG AGTTCTTGGT AAAATTGTGA AGCTTCTCCC CTACGGAGCT 960 TTCATTGAAA TTGAAGAGGG CATTGAAGGT CTAATTCACA TTTCTGAAAT GTCTTGGGTG 1020 AAAAATATTG TAGATCCTAG TGAAGTCGTA AATAAAGGCG ATGAAGTTGA AGCCATTGTT 1080 CTATCTATTC AGAAGGACGA AGGAAAAATT TCTCTAGGAT TAAAGCAAAC AGAACGTAAT 1140 CCTTGGGACA ATATCGAAGA AAAATATCCT ATAGGTCTCC ATGTCAATGC TGAAATCAAG 1200 AACTTAACCA ATTACGGTGC TTTCGTTGAA TTAGAACCAG GAATTGAGGG TCTGATTCAT 1260 ATTTCTGACA TGAGTTGGAT TAAAAAAGTC TCTCACCCTT CAGAACTATT CAAAAAAGGA 1320 AATTCTGTAG AGGCTGTTAT TTTATCAGTA GACAAAGAAA GTAAAAAAAT TACTTTAGGA 1380 GTTAAGCAAT TAAGTTCTAA TCCTTGGAAT GAAATTGAAG CTATGTTCCC TGCTGGCACA 1440 GTAATTTCAG GAGTTGTGAC TAAAATCACT GCATTTGGAG CCTTTGTTGA GCTACAAAAC 1500 GGGATTGAAG GATTGATTCA CGTTTCAGAA CTTTCTGACA AGCCCTTTGC AAAAATTGAA 1560 GATATTATCT CCATTGGAGA AAATGTTTCT GCAAAAGTAA TTAAGCTAGA TCCAGATCAT 1620 AAAAAAGTTT CTCTTTCTGT AAAAGAATAC TTAGCTGACA ATGCTTATGA TCAAGACTCT 1680 AGGACTGAAT TAGATTTCAA GGATTCTCAA GG 1712
20
8
0
Claims (15)
- 【請求項1】 配列番号1のポリペプチドの中の連続し
た少なくとも5個のアミノ酸配列を含むポリペプチドA
からなる、クラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチ
ド。 - 【請求項2】 ポリペプチドAが、配列番号1のポリペ
プチドからアミノ酸が欠落しているポリペプチドであ
る、請求項1記載の抗原ポリペプチド。 - 【請求項3】 ポリペプチドAが、配列番号1のポリペ
プチドの中のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されている
か又は配列番号1のポリペプチドの中にアミノ酸が挿入
されているポリペプチドである、請求項1記載の抗原ポ
リペプチド。 - 【請求項4】 ポリペプチドAが、配列番号1のポリペ
プチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸配列に
アミノ酸若しくはペプチドが結合したポリペプチドであ
る、請求項1記載の抗原ポリペプチド。 - 【請求項5】 ポリペプチドAが配列番号1のアミノ酸
配列からなるポリペプチドである、請求項1記載の抗原
ポリペプチド。 - 【請求項6】 ポリペプチドAが配列番号2のアミノ酸
配列からなるポリペプチドである、請求項1記載の抗原
ポリペプチド。 - 【請求項7】 ポリペプチドAが配列番号5のアミノ酸
配列からなるポリペプチドである、請求項1記載の抗原
ポリペプチド。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の抗原ポ
リペプチドをコードするDNA若しくはそれに相補的な
DNA。 - 【請求項9】 塩基配列が配列番号3の塩基配列であ
る、請求項8記載のDNA。 - 【請求項10】 塩基配列が配列番号4の塩基配列であ
る、請求項8記載のDNA。 - 【請求項11】 塩基配列が配列番号7の塩基配列であ
る、請求項8記載のDNA。 - 【請求項12】 請求項8〜11のいずれかに記載のD
NAを含む組換えベクター。 - 【請求項13】 組換えベクターが配列番号10の塩基
配列を有するpCPN533αプラスミドである、請求
項12記載の組換えベクター。 - 【請求項14】 請求項12又は請求項13記載の組換
えベクターを含む形質転換体。 - 【請求項15】 請求項1〜7のいずれかに記載の抗原
ポリペプチドを抗原として用いることを特徴とする、抗
クラミジア・ニューモニエ抗体の製造方法。
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