JP3692598B2 - 抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法及びその試薬、並びにクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬 - Google Patents

抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法及びその試薬、並びにクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法及びその試薬並びにクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬に関する。本発明は医薬品工業、特にクラミジア・ニューモニエ感染症の診断薬の製造において有効に利用される。
【0002】
【従来の技術】
クラミジア属の細菌は、クラミジア・トラコマチス、クラミジア・シッタシ、クラミジア・ニューモニエ等の種(Species)が知られている。クラミジア・トラコマチスは、トラコーマ、性病性リンパ肉芽腫、泌尿生殖器感染症、封入体結膜炎、新生児肺炎等を引き起こす原因菌であり、クラミジア・シッタシは、オウム病等の原因菌であり、またクラミジア・ニューモニエは、呼吸器感染症、異形肺炎等の原因菌である。
【0003】
クラミジア・ニューモニエの引き起こす呼吸器感染症の症状は、マイコプラズマ・ニューモニエやインフルエンザウイルスが原因で起こる感染症の症状と類似しているので、しばしば誤診されやすい。そのため、クラミジア・ニューモニエの簡便な診断方法の開発が望まれていた。
【0004】
感染症の診断は、通常、感染部位等における原因菌の存在の検出か、血清・その他の体液中における(原因菌に対する)抗体の存在の検出により確定的になされる。前者は抗原検査、後者は抗体検査と呼ばれ、いずれも臨床で重要な意義があり、クラミジア・ニューモニエの抗体検査としては、クラミジア・ニューモニエの基本小体を用いて抗体の存在を検出する方法が知られている。
【0005】
しかし、クラミジア・ニューモニエの基本小体は、クラミジア・ニューモニエ以外のクラミジア属細菌、すなわち、クラミジア・トラコマチス又はクラミジア・シッタシにも共通に存在する抗原を含むため、この基本小体を用いる方法ではクラミジア・ニューモニエに対する抗体だけでなく、他の種のクラミジアに対する抗体とも反応し、特異性に欠ける難点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1記載の発明は、クラミジア・ニューモニエに対する抗体を特異的に測定することができる抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法を提供するものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、感度の高い抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法を提供するものである。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、安定性に優れ、信頼性の高い抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法を提供するものである。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、固定化による抗原性の低下又は喪失が生じにくい抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法を提供するものである。
【0007】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、クラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断が可能な抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法を提供するものである。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、クラミジア・ニューモニエ感染の極めて正確な診断が可能な抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法を提供するものである。
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、クラミジア・ニューモニエ感染の極めて正確な診断が可能な抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法を提供するものである。
【0008】
請求項8記載の発明は、クラミジア・ニューモニエに対する抗体を特異的に測定することができる抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬を提供するものである。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明の効果に加え、感度の高い抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬を提供するものである。
請求項10記載の発明は、請求項8記載の発明の効果に加え、安定性に優れ、信頼性の高い抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬を提供するものである。
請求項11記載の発明は、請求項8記載の発明の効果に加え、固定化による抗原性の低下又は喪失が生じにくい抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬を提供するものである。
請求項12記載の発明は、請求項8記載の発明の効果に加え、クラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断が可能な抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬を提供するものである。
【0009】
請求項13記載の発明は、請求項8記載の発明の効果に加え、クラミジア・ニューモニエ感染の極めて正確な診断が可能な抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬を提供するものである。
請求項14記載の発明は、請求項8記載の発明の効果に加え、クラミジア・ニューモニエ感染の極めて正確な診断が可能な抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬を提供するものである。
請求項15記載の発明は、クラミジア・ニューモニエに対する抗体を特異的に測定することができるクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬を提供するものである。
【0010】
請求項16記載の発明は、請求項15記載の発明の効果に加え、感度の高いクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬を提供するものである。
請求項17記載の発明は、請求項15記載の発明の効果に加え、安定性に優れ、信頼性の高いクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬を提供するものである。請求項18記載の発明は、請求項15記載の発明の効果に加え、固定化による抗原性の低下又は喪失が生じにくいクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬を提供するものである。
【0011】
請求項19記載の発明は、請求項15記載の発明の効果に加え、クラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断が可能なクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬を提供するものである。
請求項20記載の発明は、請求項16記載の発明の効果に加え、クラミジア・ニューモニエ感染の極めて正確な診断が可能なクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬を提供するものである。
請求項21記載の発明は、請求項16記載の発明の効果に加え、クラミジア・ニューモニエ感染の極めて正確な診断が可能なクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、クラミジア・ニューモニエ特異的抗原ポリペプチドを純粋に、かつアミノ酸配列が解明された形で取得するため、先ず、クラミジア・ニューモニエを宿主細胞中に培養し、そのクラミジア・ニューモニエからゲノムDNAを抽出し、制限酵素で部分分解し、これをλgt11DNAに挿入してゲノムDNAライブラリーを作成し、これを大腸菌Y1090r−株に感染させ、クラミジア・ニューモニエ特異的モノクローナル抗体を用いてクラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチドを発現する感染大腸菌のコロニーをスクリーニングし、陽性の感染大腸菌からλファージを抽出し、この操作を繰り返してλファージを精製し、これを大腸菌Y1090r−株に感染させて増幅させた後そのDNAの塩基配列を分析し、これをポリペプチドに翻訳して、抗原ポリペプチドのアミノ酸配列を決定し、本発明を完成した。
【0013】
即ち、本発明は、下記(1)〜(21)に関するものである。
(1)配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる配列を含むポリペプチドAを抗原として用いることを特徴とする抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
(2)ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドからアミノ酸が欠落しているポリペプチドである、前記(1)記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
(3)ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドの中のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されているか又は配列番号1で示されるペプチドの中にアミノ酸が挿入されているポリペプチドである、前記(1)記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
【0014】
(4)ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸配列にアミノ酸若しくは他のペプチドが結合したポリペプチドである、前記(1)記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
(5)ポリペプチドAが配列番号1で示されるペプチドである、前記(1)記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
(6)ポリペプチドAが配列番号2で示されるペプチドである、前記(1)記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
(7)ポリペプチドAが配列番号3で示されるペプチドである、前記(1)記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
【0015】
(8)配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる配列を含むポリペプチドAを抗原として含有してなる抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
(9)ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドからアミノ酸が欠落しているポリペプチドである、前記(8)記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
(10)ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドの中のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されているか又は配列番号1で示されるペプチドの中にアミノ酸が挿入されているポリペプチドである、前記(8)記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
(11)ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸配列にアミノ酸若しくは他のペプチドが結合したポリペプチドである、前記(8)記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
【0016】
(12)ポリペプチドAが配列番号1で示されるペプチドである、前記(8)記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
(13)ポリペプチドAが配列番号2で示されるペプチドである、前記(8)記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
(14)ポリペプチドAが配列番号3で示されるペプチドである、前記(8)記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
【0017】
(15)配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる配列を含むポリペプチドAを有効成分とするクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
(16)ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドからアミノ酸が欠落しているポリペプチドである、前記(15)記載のクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
(17)ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドの中のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されているか又は配列番号1で示されるペプチドの中にアミノ酸が挿入されているポリペプチドである、前記(15)記載のクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
(18)ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸配列にアミノ酸若しくは他のペプチドが結合したポリペプチドである、前記(15)記載のクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
【0018】
(19)ポリペプチドAが配列番号1で示されるペプチドである、前記(15)記載のクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
(20)ポリペプチドAが配列番号2で示されるペプチドである、前記(15)記載のクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
(21)ポリペプチドAが配列番号3で示されるペプチドである、前記(15)記載のクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
【0019】
なお、本明細書において、塩基の数が1のデオキシヌクレオチドはモノデオキシヌクレオチドといい、塩基の数が2以上のデオキシヌクレオチドは、特に断らない限り、DNAと総称した。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
抗原又は有効成分として用いられるポリペプチド
本発明において抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドは、ペプチドが抗原性を有する最小の大きさの観点から、配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる配列を含むポリペプチド(以下 「ポリペプチドA」という)からなるものである。
ポリペプチドAのペプチド鎖中に含有されるクラミジア・ニューモニエ抗原ポリペプチド由来のアミノ酸配列が長いほうが高感度の抗原抗体反応を期待できることから、ポリペプチドAとしては、配列番号1で示されるペプチドの中の連続した20個以上のアミノ酸からなる配列を含むポリペプチドであることが好ましく、100個以上のアミノ酸からなる配列を含むポリペプチドであることがより好ましく、250個以上のアミノ酸からなる配列を含むポリペプチドであることがさらに好ましい。
【0021】
また、クラミジア・ニューモニエ抗原としての抗原性を保有する限り、ポリペプチドAは、配列番号1で示されるペプチドからアミノ酸(例えば1〜250個)が欠落しているものであってもよい。欠落するアミノ酸の個数が多すぎると、ポリペプチドAのクラミジア・ニューモニエ抗原としての抗原性が損なわれる傾向がある。
欠落するアミノ酸の個数が多い場合(例えば5個以上)、クラミジア・ニューモニエ抗原としての抗原性が低下しやすいので、この低下をできるだけ小さくするためには、配列番号1で示されるペプチドから欠落するアミノ酸は連続して (例えば5個以上)いるものであることが好ましい。
【0022】
また、クラミジア・ニューモニエ抗原としての抗原性を保有する限り、ポリペプチドAとしては、クラミジア・ニューモニエ抗原ポリペプチド由来のアミノ酸配列に加えてそれ以外のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを利用することもできるが、このポリペプチドは、クラミジア・ニューモニエ抗原としての抗原性に対して、クラミジア・ニューモニエ抗原以外の物質としての抗原性がないか又は低いことが必要とされる。
このようなポリペプチドの例としては、配列番号1で示されるペプチドの中のアミノ酸(例えば1〜100個)が他のアミノ酸で置換されているポリペプチド、配列番号1で示されるペプチドの中にアミノ酸(例えば1〜100個)が挿入されているポリペプチド、配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる配列に、直接又は介在アミノ酸配列を介して、アミノ酸若しくは他のペプチドが結合したポリペプチド等が挙げられる。
【0023】
置換又は挿入されるアミノ酸の個数が多い場合(例えば5個以上)、また、結合する他のペプチドに含まれるアミノ酸の個数が多すぎる場合(例えば1,000個を超える場合)、クラミジア・ニューモニエ抗原としての抗原性が低下しやすいので、この低下をできるだけ小さくするためには、配列番号1で示されるペプチドの中において置換又は挿入されるアミノ酸は連続して(例えば5個以上)いるものであることが好ましく、また、結合する他のペプチドは、1,000個未満のアミノ酸からなるものであることが好ましく、500個以下のアミノ酸からなるものであることがより好ましく、200個以下のアミノ酸からなるものであることがさらに好ましい。
【0024】
置換されるアミノ酸は類似の性質を有するものであることが好ましく、例えば、グリシンとアラニンの置換が挙げられる。
結合するアミノ酸若しくはペプチドとしては、例えば、ロイシン、ロイシン−メチオニン、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、β−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。
介在アミノ酸配列は特に限定されないが、例えば、ロイシン、ロイシン−メチオニンのアミノ酸配列等が挙げられる。
前記介在アミノ酸配列及び結合するアミノ酸若しくはペプチドは、配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる配列のアミノ基末端側とカルボキシル基末端側のいずれに結合してもよい。
【0025】
ポリペプチドAの具体例としては、例えば、配列番号1、配列番号2及び配列番号3で示されるペプチドが挙げられる。
配列番号1で示されるペプチドは、クラミジア・ニューモニエの53KDaの抗原ポリペプチド全体を含むポリペプチドであり、クラミジア・ニューモニエ抗原としての抗原性を保有する。
配列番号2で示されるペプチドは、クラミジア・ニューモニエの53KDaの抗原ポリペプチドの一部を含み、さらに、そのカルボキシル基末端側に他のペプチドが結合したポリペプチドであり、クラミジア・ニューモニエ抗原としての抗原性を保有する。
配列番号3で示されるペプチドは、クラミジア・ニューモニエの53KDaの抗原ポリペプチドの一部からなるポリペプチドであり、クラミジア・ニューモニエ抗原としての抗原性を保有する。
上記抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドの中では、クラミジア・ニューモニエの53KDaの抗原ポリペプチド全体を含むものである配列番号1で示されるペプチドが好ましい。
【0026】
抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドの製造法
本発明に係る、抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドを製造する方法としては、化学合成法や遺伝子組換え法が挙げられる。
化学合成法としては、例えば、マップ(Multiple Antigen Peptide、MAP)法があり、30個以下のアミノ酸配列からなるペプチドの合成に適しており、市販のペプチド合成機を使用して合成することができる。
遺伝子組換え法としては、例えば、前記抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAをベクターに挿入して組換えベクターを構築し、それを宿主に挿入して形質転換体を作製し、その形質転換体から目的のポリペプチドを精製する方法が挙げられる。
【0027】
前記抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAについては後述する。
ベクターとしては、例えば、プラスミドやファージ等が挙げられる。
宿主としては、例えば、大腸菌、枯草菌、酵母等が挙げられる。
以下、形質転換体の作製法と、その形質転換体を用いた目的のペプチドの精製法について詳しく説明する。
【0028】
抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAを含む組換えベクターの作製、及びそれを含む形質転換体の作製
スクリーニングで取得したλファージ自体(後述)も、前記抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAを含む組換えベクターであるが、クラミジア・ニューモニエ抗原ポリペプチドをコードするDNA(後述)を常法で既存のプラスミドベクターやファージベクター等に挿入して、新たに組換えベクターを作製することもできる。その際、必要に応じ、リンカーを使用する。挿入されたDNAを発現させる場合は、DNAの挿入箇所はプロモーター領域の下流であることが必要とされる。既存のプラスミドベクターとしては、例えば、pBR322、pUC18、pUC19、pBBK10MM等を使用することができる。pBR322、pUC18、pUC19は市販されており、また、pBBK10MMについては特開平4−117284号公報に詳細に記載されており、pBBK10MMを含む大腸菌は受託番号FERM BP−2394として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている。また、ファージベクターとしてはλgt11ファージ、λgt10ファージ等が利用できる。いずれも、用いた親ベクターに対応する組換えベクターが得られる。
前記組換えベクターとしては、例えば、後述するようにpCPN533αプラスミド、53−3Sλファージ等が挙げられる。
【0029】
得られた組換えベクターを宿主に入れ、形質転換体を作製する。大腸菌由来のプラスミドやλファージを使用する場合は宿主としては大腸菌を使用することができ、例えば、大腸菌HB101株を使用することができる。この宿主をコンピテントセルとなるように処理をする。大腸菌HB101株を処理して得たコンピテントセルは宝酒造(株)等から販売されている。上記連結の反応物を宿主に入れ、形質転換体を作製する方法の一般的手法は、「サムブロック他編集、モレキュラー・クローニング 第2版(コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー)(1989年)」(J.Samblook et al., Molecular Cloning 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)、以下、本文献を文献″モレキュラー・クローニング″という)に記載されている。
【0030】
得られた形質転換体を培養してコロニーを形成させ、各コロニーからプラスミドDNAを取得し、適切な制限酵素で切断し、アガロースゲル電気泳動で分析し、所望の組換えプラスミドをもつ形質転換体を選択する。このようにして作製されたプラスミドベクターとしては、例えば、pCPN533αプラスミドが挙げられる。
【0031】
このようにして作製された形質転換体をとしては、例えば、前述の組換えベクターpCPN533αが入った大腸菌HB101株が挙げられる。
形質転換体を培養する方法としては、例えば、その形質転換体が成長しうる培地でこの抗原ポリペプチドが形質転換体内に十分蓄積されるまで適温で培養器を振とうする方法を使用することができる。形質転換体として前述の組換えベクターpCPN533αが入った大腸菌HB101株を使用する場合は、アンピシリンを含むLB培地で37℃で一晩振とう培養し、その後、この培養液をアンピシリンを含むTB培地等に接種してさらに37℃で一晩振とう培養する方法を利用することができる。TB培地の調製方法は、文献″モレキュラー・クローニング″に記載されている。
【0032】
培養した形質転換体を破砕する方法としては、例えば、遠心分離で形質転換体を集め、これを緩衝液に懸濁して懸濁液を作製し、この懸濁液に物理的な衝撃を与える方法を採用することができる。緩衝液としては、例えば、TE緩衝液を使用することができる。上記懸濁液に物理的な衝撃を与える方法としては、例えば、上記懸濁液に超音波を照射する方法を使用することができる。
形質転換体が大腸菌の場合は、上記懸濁液に物理的な衝撃を与える代わりに、例えば、上記懸濁液にリゾチームを加え、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むTE緩衝液を加えて撹拌することよって形質転換体を溶解させる方法を採用することもできる。
形質転換体を破砕又は溶解した後、遠心分離して細胞残渣を除去し、上清を取得する。
【0033】
なお、目的のペプチドが、そのアミノ末端側にシグナルペプチドが結合した融合タンパク質となっている(すなわち、目的のペプチドを細胞外に分泌させることが可能である)場合は、培養液を遠心分離して上清を取得する方法を使用することができる。
ペプチドの精製法としては、例えば、ストレプトマイシン硫酸塩を添加する核酸の除去及び硫酸アンモニウムを添加する蛋白質の取得の各工程を使用することができる。
ストレプトマイシン硫酸塩を添加して核酸を除去する工程としては、例えば、上記のいずれかの上清にストレプトマイシン硫酸塩を添加し、しばらく撹拌し、遠心分離することによって、核酸を沈殿物として除去し、上清を取得する操作を使用することができる。
【0034】
硫酸アンモニウムを添加して蛋白質を取得する工程としては、例えば、核酸を沈殿物として除去した後の上清に硫酸アンモニウムを添加し、撹拌し、遠心分離する操作を使用することができる。通常、沈殿を取得するが、目的のポリペプチドが上清に含まれていることもあり、サンプリングして、目的のポリペプチドの有無を確認しておくことが好ましい。
【0035】
続いて、目的とするポリペプチドを含む画分を取得する工程を行う。この工程としては、例えば、上記沈殿を少量の緩衝液に溶解したものか又は上記上清を液体クロマトグラフィーによって分画し、目的とするポリペプチドが含有されている画分を同定してその画分を取得する方法を使用することができる。目的とするポリペプチドが含有されている画分を同定する方法としては、例えば、クラミジア・ニューモニエ特異的モノクローナル抗体(後述)を用いるウェスタン・ブロット法が挙げられる。細胞残渣の除去、ストレプトマイシン硫酸塩を添加するDNAの除去、硫酸アンモニウムを添加する蛋白質の取得及びウェスタン・ブロット法の具体的方法は、文献″モレキュラー・クローニング″に記載されている。
【0036】
抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNA
本発明において、配列番号1で示されるペプチドをコードするDNAとは、配列番号1で示されるペプチドをトリプレット暗号表(それぞれのアミノ酸に対して、1〜6通りのヌクレオチド配列が割り当てられている)に従ってアミノ酸をヌクレオチド配列に読み替えたときのDNA群(この中には、配列番号4のDNAも含まれる)から選ばれるDNAのことである。
抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAとは、ポリペプチドAをコードするDNAであり、このDNAは、ポリペプチドAのアミノ酸配列をトリプレット暗号表に従ってアミノ酸をヌクレオチド配列に読み替えたときのDNA群から選ばれるDNAのことである。
ポリペプチドAとしては、前記抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドの項で説明したものが挙げられ、ポリペプチドAをコードするDNAも、それらのポリペプチドのアミノ酸配列に対応したヌクレオチド配列のものがある。
【0037】
同様に、本発明において、配列番号2で示されるペプチドをコードするDNAとは、配列番号2で示されるペプチドをトリプレット暗号表(それぞれのアミノ酸に対して、1〜6通りのヌクレオチド配列が割り当てられている)に従ってアミノ酸をヌクレオチド配列に読み替えたときのDNA群(この中には、配列番号5のDNAも含まれる)から選ばれるDNAのことである。
また、配列番号3で示されるペプチドをコードするDNAとは、配列番号3で示されるペプチドをトリプレット暗号表に従ってアミノ酸をヌクレオチド配列に読み替えたときのDNA群(この中には、配列番号6のDNAも含まれる)から選ばれるDNAのことである。
【0038】
ポリペプチドAをコードするDNAは、化学合成法か遺伝子組換え法で作製することができる。
化学合成法としては、例えば、ホスホアミダイド法が挙げられ、全長が100塩基以下の塩基配列からなるDNAの合成に適しており、市販のDNA合成機で化学合成することができる。
遺伝子組換え法としては、例えば、後述するようにクラミジア・ニューモニエの基本小体から、抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAをクローニングする方法や、既に取得したDNAを鋳型にし、そのDNAの任意の位置の塩基配列を元にして作製したプライマーを利用したPCR法等が挙げられる。遺伝子組換え法は100塩基以上の長いDNAの作製も可能である。
【0039】
次に、クラミジア・ニューモニエの基本小体から、抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAをクローニングする方法について詳しく説明する。
【0040】
クラミジア・ニューモニエの培養
培養したHL細胞等に予めクラミジア・ニューモニエを感染させておき、この細胞をSPG液(ショ糖75.0g、リン酸1カリウム0.52g、リン酸2カリウム1.22g及びグルタミン酸0.72gを水1リットルに溶解した水溶液、pH7.4〜7.6)に懸濁し、この動物細胞を破砕又は溶解し、遠心分離して上清(クラミジア・ニューモニエの浮遊液)を取得する。クラミジア・ニューモニエとしては、例えば、クラミジア・ニューモニエYK41株(金本ら:ミクロバイオロジカル・イムノロジー、37巻、495-498頁、1993年(Y.Kanamoto et al., Microbiol. Immunol., Vol.37, p.495-498, 1993))が使用できる。
培養したHL細胞等から細胞浮遊液を調製し、培養上清を除去した後に前記クラミジア・ニューモニエ浮遊液を添加して培養し、遠心分離し、細胞内でクラミジア・ニューモニエが増殖したクラミジア・ニューモニエ感染HL細胞を取得する。
【0041】
クラミジア・ニューモニエの基本小体の精製
クラミジア・ニューモニエ感染HL細胞を破砕し、遠心分離し、上清を回収する。ウログラフィン(シェーリング社製)を用いた連続密度勾配液にこの上清を添加して遠心分離する。予備実験で黄色味がかった白いバンドの中にクラミジア・ニューモニエの基本小体が含有されていることを電子顕微鏡で確認しているので、このバンドを回収する。
【0042】
クラミジア・ニューモニエのゲノムDNAの調製
クラミジア・ニューモニエの基本小体を、1mM エチレンジアミン四酢酸 (EDTA)を含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)(以下、TE緩衝液という。)に懸濁し、1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液及び1mg/mlプロテイナーゼK水溶液を加えて保温し、基本小体を溶解させる。0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)飽和フェノールを加えて撹拌し、遠心分離し、水層を回収する。さらにRNA分解酵素(RNase)処理をし、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール処理とエタノール沈殿処理をし、クラミジア・ニューモニエのゲノムDNAを取得する。
【0043】
ゲノムDNA発現ライブラリーの作製
ゲノムDNAを制限酵素AccI、HaeIII及びAluIで消化し、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール処理とエタノール沈殿処理をし、部分消化DNAを取得する。この部分消化DNAにリンカー、アデノシン−5′−三リン酸(adenosine 5′-triphosphate、以下、ATPと略す。)及びT4リガーゼを添加して、部分消化DNAにリンカーを付加させる。
これを、0.1M NaCl及び1mM EDTA含有10mMトリス−塩酸緩衝液を移動相とするクロマ・スピン6000(Chroma spin 6000)カラムにかけ、溶出液を分取し、1kbpから7kbpのDNA断片を含む分画を回収する。得られた分画にATP及びT4ポリヌクレオチドキナーゼを加えて反応させ、DNA断片の5′端をリン酸化する。反応液をフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール処理及びエタノール沈殿処理し、5′端がリン酸化されたDNA断片を取得する。
【0044】
このDNA断片に、予め制限酵素EcoRIで切断しておいたλgt11DNA、ATP及びT4リガーゼを加えて反応させ、市販のパッケージングキットを用い、得られた組換えλgt11DNAをパッケージングし、ゲノムDNA発現ライブラリーを作製する。
【0045】
抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAのクローニング
大腸菌Y1090r−株の培養液に上記ゲノムDNA発現ライブラリーを感染させ、寒天培地上で培養し、イソプロピルチオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)水溶液に浸漬したニトロセルロースフィルターを利用して、挿入DNAの発現により菌体内に産生されたタンパク質をニトロセルロースフィルターに付着させる。このフィルターを牛血清アルブミンを用いてブロッキング反応させ、洗浄し、次いでフィルターをクラミジア・ニューモニエ特異的モノクローナル抗体と反応させる。クラミジア・ニューモニエ特異的モノクローナル抗体としては、例えば、AY6E2E8やSCP53を使用することができる。AY6E2E8を産生するハイブリドーマは工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号FERM BP−5154として寄託されている。また、SCP53を産生するハイブリドーマについてはジャーナル・オブ・クリニカル・ミクロバイオロジー、132巻、583-588頁(1994)(J. Clin. Microbiol.,Vol.132, p.583-588, 1994)に記載されている。反応後、フィルターを洗浄し、パーオキシダーゼ等の酵素で標識された抗マウスIgG抗体を反応させる。反応後、フィルターを洗浄し、発色基質液を添加して反応させる。発色基質液としては、例えば、過酸化水素水溶液及び4−クロロ−1−ナフトールのメタノール溶液を含む液を利用することができる。反応後、フィルターを洗浄し、風乾させる。
【0046】
フィルターの発色スポットに対応する寒天培地上のプラークを同定し、プラークに含まれるλファージを取得する。プラークが全て上記モノクローナル抗体と反応するようになるまで前記操作を繰り返し、抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAをクローン化し、クラミジア・ニューモニエ特異的モノクローナル抗体反応性の前記ポリペプチドを発現するλファージを取得する。
【0047】
抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAの取得
取得したλファージを大腸菌Y1090r−株に感染させ、培養し、λファージを大量に生産する。市販のキットを用いてλファージからDNAを取得・精製する。このDNAにプライマー、タックポリメラーゼ(Taq Polymerase)及びデオキシヌクレオチド類を添加し、加熱、冷却、保温の工程を繰り返し、λgt11に挿入されたDNAを増幅させる。プライマーとしては、例えば、λgt11・フォワード・プライマー(λgt11 forward primer)及びλgt11・リバース・プライマー(λgt11 reverse primer)(いずれも宝酒造株式会社製、商品名)が挙げられ、タックポリメラーゼとしては、例えば、アンプリタック・DNA・ポリメラーゼ(AmpliTaq DNA Polymerase)(宝酒造株式会社製、商品名)がある。このDNA増幅方法の一般的手法はPCR法として知られており、詳細は文献″モレキュラー・クローニング″に記載されている。
【0048】
増幅されたDNAを取得し、塩基配列を決定・解析する。DNAの取得には市販のキットを使用することができ、例えばウイザード・PCR・プレップキット(Wizard PCR Prep kit)(プロメガ(Promega)社製、商品名)を使用することができる。また、塩基配列を決定はタックポリメラーゼを用いた蛍光標識ターミネータサイクルシークエンス法で行うことができ、この方法を用いるには、パーキン・エルマー・ジャパン社から販売されているキットを使用することができる。また、分析にあたっては市販の機械、例えば、373A型DNAシークエンサ(アプライドバイオシステムズ社)を利用することができる。
【0049】
塩基配列の決定後、得られたDNA塩基配列を遺伝子配列分析ソフトで解析し、編集、連結、アミノ酸翻訳領域の推定を行なう。遺伝子配列分析ソフトとしては、「DNASIS」(日立ソフトウェアエンジニアリング社)を用いることができる。
解析の結果、完全長の遺伝子が取得できていない場合は、既に取得されているDNAの前後のDNAをゲノムウォーキングによって取得する。ゲノムウォーキングを行うには、宝酒造(株)から販売されているキットを使用することができる。
一旦、抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAが取得されると、遺伝子組換え法や前述したPCR法を利用することによって、そのDNAを複製させることができるので、クラミジア・ニューモニエの基本小体から抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAを再度取得する操作は不要である。
【0050】
遺伝子組換え法を用いる方法は、例えば、次のようにして行うことができる。まず、取得された前記DNAを上述したように既存のプラスミドベクターやファージベクター等に挿入して組換えベクターを作製し、その組換えベクターを宿主に入れて形質転換体を作製し、その形質転換体を培養する。この培養により形質転換体内で組換えベクターが増幅されるので、その形質転換体から増幅された組換えベクターを取得し、制限酵素を用いて前記DNAを切り出す。形質転換体から増幅された組換えベクターを取得する操作は、例えば、次のようにして行うことができる。組換えベクターがプラスミドである場合、その形質転換体を破砕し、フェノール/クロロホルム処理とエタノール沈殿処理を行い、DNAを取得する。臭化エチジウム含有塩化セシウムを用い、取得したDNAを超遠心分離し、組換えベクターをプラスミドDNAとして取得する。一方、組換えベクターがファージである場合、その形質転換体を破砕し、ファージ粒子を取得し、ファージ粒子を溶解し、組換えベクターをファージDNAとして取得する。
【0051】
PCR法を利用する方法としては、例えば、増幅させようとするDNAの両末端の塩基配列を基にして化学合成法によりプライマーDNAを作製し、抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドをコードするDNAを鋳型DNAとしてPCRを行えばよい。
遺伝子組換え法やPCR法を用いてDNAを複製させる方法の一般的手法は文献″モレキュラー・クローニング″に記載されている。
【0052】
抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法及び試薬並びにクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬
抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法としては、例えば、前記抗原又は有効成分として用いられるポリペプチドを担体に固定化し、検体を添加し、洗浄し、標識化された二次抗体を添加し、洗浄し、この標識を直接的又は間接的に測定する方法を利用することができる。
担体としては、例えば、粒子、糸、プレート(アッセイプレート等)などが利用でき、これらの材質としては、例えば、ラテックス、セルロース、プラスチック(ポリスチレン等)などが挙げられる。
上記ポリペプチドを担体に固定化するには、例えば、共有結合や物理吸着を利用することができる。
【0053】
検体としては、例えば、ヒトの血清等を使用することができる。なお、検体中の他の抗体等が担体に非特異的に結合するのを防止するために、検体の添加前に、牛血清アルブミン等で担体の表面をブロッキングしておくことが好ましい。
洗浄は、例えば、界面活性剤を含むリン酸緩衝液等を利用して行うことができる。
【0054】
標識化された二次抗体としては、例えば、標識化された抗ヒトモノクローナル抗体が挙げられる。標識としては種々のものが利用でき、例えば、酵素(アルカリフォスファターゼ(Alkaline phosphatase)、ルシフェラーゼ(Luciferase)、ペルオキシダーゼ(Peroxidase)、β−ガラクトシダーゼ(β-galactosidase)等)、蛍光物質(フルオレセイン(Fluorescine)等)を利用することができる。また、抗体と標識物の間に化学物質(ビオチン(Biotin)、アビジン(Avidin)、ストレプトアビジン(Streptoavidin)、ディゴキシゲニン(Digoxigenin)等)を介在させてもよい。
標識を直接的又は間接的に測定する方法としては、例えば、その標識が酵素である場合は、基質を添加し、酵素の触媒作用により発生する光や発色を測定するか吸光度の変化を測定する方法が利用できる。また、標識が蛍光物質である場合は、反応系に紫外線を照射し、発生する蛍光を測定する方法が利用できる。必要に応じ、増感剤を使用することが好ましい。
なお、本発明において、「測定」は定量的又は半定量的な測定だけでなく、定性的な測定(検出等)も意味する。
【0055】
上記ポリペプチドを抗原として含有してなる抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬としては、例えば、上記ポリペプチドを固定化した担体、上記標識化された二次抗体、基質等が必要量同封されたキット、これらの単品のバルクなどが挙げられる。
上記ポリペプチドを有効成分とするクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬としては、例えば、上記試薬をそのまま利用することができる。
【0056】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
以下の実施例において、使用したモノクローナル抗体は、SCP53及びAY6E2E8である。SCP53は、本発明者の一人の松本等がクラミジア・ニューモニエKKpn−1株を抗原として、マウスを免疫し、その脾臓細胞をミエローマ細胞と融合させて得られたハイブリドーマSCP53が分泌する抗体であり、また、AY6E2E8は、本発明者の一人の井筒等が、クラミジア・ニューモニエYK−41株の基本小体を抗原として、マウスを免疫し、その脾臓細胞をミエローマと細胞融合させて得られたハイブリドーマAY6E2E8が分泌する抗体AY6E2E8である。
表1に示されるように、モノクローナル抗体のSCP53及びAY6E2E8は C.ニューモニエに特異的である。
【0057】
【表1】
Figure 0003692598
【0058】
モノクローナル抗体の作製方法については後述する。
以下、クラミジア・ニューモニエの宿主細胞の培養から、クラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチドの遺伝子DNA配列とアミノ酸配列の決定まで、順を追って説明する。
【0059】
実施例1 クラミジア・ニューモニエ特異的53K抗原ポリペプチドをコードするDNAの作製
(A)宿主細胞(HL細胞)の培養
予め、プラスチック製培養フラスコ(75cm2)の底面いっぱいに増殖させたHL細胞をリン酸緩衝化生理食塩液(以下、PBSという。)マグネシウム不含(−)液5mlで洗浄し、0.1%(w/v)トリプシンを含むPBSを5ml加えて細胞表面全体に行き渡らせ、その液を捨てた後、37℃で10分間保温し、10%(v/v)牛胎児血清を含むダルベッコMEM培地5mlを加え、ピペッテイングによりHL細胞を剥離して、細胞浮遊液を調製した。この細胞浮遊液8mlと10%牛胎児血清含有ダルベッコMEM培地292mlとの混合液4mlずつを6ウェルプラスチック製培養容器の各ウェルに加え、5%(v/v)炭酸ガス雰囲気下で培養した。
【0060】
(B)クラミジア・ニューモニエYK41の培養
クラミジアとして、クラミジア・ニューモニエYK−41株(金本ら:Microbiol.Immunol.,Vol.37,P.495-498,1993)を用いた。
取得したHL細胞に予めクラミジア・ニューモニエYK−41株を感染させておき、この細胞をSPG液に懸濁し、ポリプロピレン製遠心チューブに入れ、これに1秒間隔で30回超音波を照射し、遠心チューブを1,500×gで3分間遠心分離し、上清を取得し、クラミジア・ニューモニエ浮遊液とした。
6ウェルプラスチック製培養容器(底面上)に増殖したHL細胞の培養上清をピペットで取り除き、これにクラミジア・ニューモニエ浮遊液を1ウェルあたり2ml加えて、2,000rpmで1時間遠心吸着を行った。遠心吸着後、クラミジア・ニューモニエ浮遊液を除き、1μg/mlシクロヘキシミド及び10%(v/v)牛胎児血清を含むダルベッコMEM培地をウェルあたり4ml加え、5%(v/v)炭酸ガス雰囲気下、36℃で3日間培養した。培養後、滅菌したシリコン片で細胞を剥離し、細胞を回収した。これを8,000rpmで30分間遠心分離して、沈殿をSPGに再懸濁し、−70℃で保存した。
【0061】
(C)クラミジア・ニューモニエYK41の基本小体の精製
−70℃に保存しておいたクラミジア・ニューモニエYK41感染凍結HL細胞浮遊液を融解し、テフロンホモジナイザーでホモジナイズした。2,500rpmで10分間遠心分離し、上清を回収した。沈殿は再びSPGに懸濁し、同様の操作を行い、上清を回収した。同様の操作を更に2回行い、得られた上清は集めて合わせた。
【0062】
別途、遠心管に50%(w/v)庶糖を含む0.03Mトリス−塩酸緩衝液 (pH7.4)、次いで、ウログラフィン76%(シェーリング社製)3容量と0.03Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)7容量との混合液を重層し、この上に先に回収した上清を注意深く重層し、8,000rpmで1時間遠心分離した。50%(w/v)庶糖を含む0.03Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)層及び沈殿を回収し、この回収液に同容量のSPG液を加え、10,000rpmで30分間遠心分離した。上清を捨て、沈殿をSPG液に懸濁した。遠心分離管に、ウログラフィン76%(シェーリング社製)と0.03Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)の35%から50%(総量に対する前者の容量比)までの連続密度勾配液を作製し、この上に懸濁液を重層し、8000rpmで1時間遠心分離した。クラミジア・ニューモニエYK41の基本小体に相当する黄色味を帯びた白濁したバンドを回収し、これをSPG液で2倍に希釈し、10000rpmで30分間遠心分離した。得られた沈殿をSPG液に懸濁し、タンパク質濃度を測定(バイオラッド社のタンパク測定キットを用い、牛血清アルブミンを標準とした)後、−70℃で保存した。
【0063】
(D)クラミジア・ニューモニエYK−41株のゲノムDNAの調製
上記精製クラミジア・ニューモニエYK−41株の基本小体の懸濁液300μl(タンパク質濃度:1.37mg/ml)を4℃、12,000rpmで5分間遠心分離した。沈殿に1mM EDTAを含む10mMトリス−塩酸緩衝液pH8.0(以下、TE緩衝液という)500μlを加えて懸濁した。同様の遠心分離を再度行い、沈殿を300μlのTE緩衝液に懸濁した。1%SDS水溶液30μl及び1mg/mlプロテイナーゼK水溶液30μlを加え、56℃で30分間インキュベートし、基本小体を溶解させた。0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)飽和フェノール350μlを加え、ボルテックスミキサーでよく混合後、4℃、12,000rpmで5分間遠心分離し、水層を回収した(DNAの抽出)。この抽出操作はもう一度繰り返した。10mg/mlのRNase溶液を2μl加え、37℃で2時間インキュベートし、RNAを分解した。0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)飽和フェノール、クロロホルム及びイソアミルアルコールの25:24:1(容量比)の混合液(以下、PCIという。)300μlを加え、ボルテックスミキサーでよく混合し、4℃、12,000rpmで5分間遠心分離し、水層を回収した。この操作を合計5回繰り返した。
【0064】
得られた液にその1/10容の10M酢酸アンモニウム水溶液及び2容のエタノールを加え、5分間放置し、DNAを析出させた後、4℃、12,000rpmで5分間遠心分離した。沈殿は70%エタノール水溶液600μlを加え、混合し、4℃、12,000rpmで5分間遠心分離する洗浄を2回繰り返した。遠沈管のふたを開けたまま15分間放置して沈殿を乾燥させ、これにTE200μlを加えて溶かし、−20℃に保存した。
【0065】
(E)ゲノムDNA発現ライブラリーの作製
ゲノムDNA溶液100μlに、制限酵素用M-buffer10μl、制限酵素混合液(AccI、HaeIII及び1/50希釈のAluI各0.4μlとTE20μlを混合)10μlを加え、37℃で20分間反応させた。なお、上記20分の反応時間は、DNAが1kbp〜7kbpの大きさの部分消化DNAに分解される時間で、予め少量のゲノムDNAを用いて試験した。上記反応液にPCIを100μl加え、ボルテックスミキサーでよく混ぜ、4℃、12,000rpmで5分間遠心分離し、水層を回収した。これに3M酢酸ナトリウム水溶液10μl及びエタノール220μlを加え、−80℃に15分間静置し、部分消化DNAを析出させた。4℃、12,000rpmで5分間遠心分離し、上清液を捨てたのち、沈殿に70%エタノール水溶液500μlを加えて混ぜ、再び、12,000rpmで5分間遠心分離した。上清液を捨て、沈殿を減圧下に乾燥した。
【0066】
得られた部分消化DNAを精製水20μlに溶かし、その19μlをとり、これに下記化1で示すリンカー(20pmole/μl)14μl、10mM ATP4 .5μl、50mM MgCl2、50mMジチオスレイトール及び500μg/ml牛血清アルブミン含有0.2Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.6、以下、10倍濃度ライゲーション用緩衝液という)4.5μl、精製水2μl及びT4リガーゼ1μlを加え、16℃で4時間反応させ、リンカーを付加させた。
【化1】
Figure 0003692598
【0067】
リンカーを付加させた部分消化DNAを、0.1M NaCl及び1mM EDTA含有10mMトリス−塩酸緩衝液を移動相とするChroma spin 6000カラムにかけた。溶出液2滴ずつを分取し、各分画の一部を0.8%アガロースゲル電気泳動で分析して、1kbpから7kbpのDNA断片を含む分画を回収した。得られた分画144μlに、精製水13μl、10mM ATP 20μl、0.1M MgCl2、50mMジチオスレイトール、1mMスペルミジン塩酸塩及び1mM EDTA含有0.5Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.6、以下、10倍濃度リン酸化反応用緩衝液という。)20μl、及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ3μlを加え、37℃で30分間反応させ、DNA断片の5′端をリン酸化した。PCI 200μlを加えてよく振り混ぜた後、4℃、12,000rpmで5分間遠心分離し、水層を回収した。20mg/mlグリコーゲン水溶液1μl、3M酢酸ナトリウム水溶液20μl及びエタノール400μlを加えてヌクレオチドを析出させた。4℃、12,000rpmで10分間遠心分離し、上清を捨て、沈殿に70%エタノール200μlを加え混ぜ、再び遠心分離し、上清を捨て、沈殿を風乾し、精製水1μlを加え溶かした。
【0068】
この液0.6μlに、予め制限酵素EcoRIで切断したλgt11 DNA(1μg/μl、ストラタジーン(Stratagene)社)1μl、10倍濃度ライゲーション用緩衝液0.5μl、10mM ATP0.5μl、T4リガーゼ0.4μl及び精製水2μlを加え、4℃で一晩反応させた。次いで、ギガパック(Gigapack)II Goldパッケージングキット(ストラタジーン社)を用い、得られた組換えλgt11DNAをパッケージングした。
【0069】
(F)クラミジア・ニューモニエ特異的モノクローナル抗体の作製
骨髄腫細胞株の培養及び継代
モノクローナル抗体の作製に用いた骨髄腫細胞株は、P3/NSI/1−Ag4−1(ATCC TIB−18)である。10%(v/v)牛胎児血清を含むRPMI1640培地で培養し、継代した。細胞融合に供する2週間前に、0.13mMの8−アザグアニン、0.5μg/mlのMC−210(マイコプラズマ除去剤、大日本製薬(株)製)及び10%(v/v)牛胎児血清を含むRPMI1640培地で1週間培養し、その後の1週間は通常の培地で培養した。
【0070】
マウスの免疫
タンパク質の濃度が270μg/mlの上記基本小体の懸濁液200μlを、12000rpmで10分間遠心分離し、沈殿に200μlのPBSを加え、再懸濁した。これに200μlのフロイントコンプリートアジュバントを加え、エマルジョンとし、その150μlをマウスの背中の皮下に注射した(この日を0日目とする)。14日目、34日目及び49日目に、タンパク質の濃度が270μg/mlの精製基本小体の懸濁液100μlをマウスの腹腔内に注射した。更に、69日目にタンパク質の濃度が800μg/mlの精製基本小体の懸濁液50μl、92日目に同懸濁液100μlをマウスの腹腔内に注射し、95日目に脾臓を取りだし、細胞融合に供した。
【0071】
細胞融合
免疫したマウスの脾臓から得られた脾細胞108個に対して骨髄腫細胞107個を丸底ガラスチューブにとり、よく混合し、1400rpmで5分間遠心分離し、上清を除去した後、細胞を更によく混合した。予め37℃に保温しておいた30%(w/v)ポリエチレングリコールを含むRPMI1640培地0.4mlを加え、30秒間放置した。700rpmで6分間遠心分離した後、RPMI1640培地10mlを加え、ポリエチレングリコールがよく混ざるようにガラスチューブをゆっくり回転させ、1400rpmで5分間遠心分離し、上清を完全に除去し、沈殿に5mlのHAT培地を加え、5分間放置した。更に10〜20mlのHAT培地を加え、30分間放置した後、骨髄腫細胞濃度が3.3×105/mlとなるようにHAT培地を加えて細胞を懸濁させ、パスツールピペットを用い96ウェルプラスチック製培養容器のウェルに2滴ずつ分注した。5%(v/v)炭酸ガス雰囲気下、36℃で培養し、1日後、7日後及び14日後にウェルにHAT培地を1〜2滴加えた。
【0072】
抗体生産細胞のスクリーニング
精製したクラミジアニューモニエYK41の基本小体を1%(w/v)SDSで可溶化し、0.02%アジ化ソーダ含有0.05M重炭酸ソーダ緩衝液(pH9.6)に対して透析したのち、タンパク質濃度が1μg/mlとなるように希釈した液を、塩化ビニル製96ウェルEIA用プレートのウェルに50μlとり、4℃で一晩放置し、抗原を吸着させた。上澄みを除去し、ウェルに0.02%(w/v)ツィーン20を含むPBS150μlを加え、3分間放置し、その後除去・洗浄した。洗浄操作を更に1回行なった後、ウェルに1%(v/v)牛血清アルブミンを含むPBS100μlを加え、4℃で一晩放置し、ブロッキングを行なった。牛血清アルブミンを含むPBSを除いた後、0.02%(w/v)ツィーン20を含むPBSで同様に2回洗浄後、ウェルに融合細胞の培養上清を50μl加え、室温で2時間放置した。0.02%(w/v)ツィーン20を含むPBSで同様に3回洗浄後、ウェルに25ng/mlのペルオキシダーゼ標識化ヤギ抗マウスIgG抗体を50μl加え、室温で2時間放置した。0.02%(w/v)ツィーン20を含むPBSで同様に3回洗浄後、ウェルにABTS溶液(KPL社製)を50μl加え、室温で15分〜1時間放置して発色反応させた後、96ウエルEIAプレート用光度計で405nmの吸光度を測定した。
【0073】
この結果、陽性のウエルが見出され、その培養上清中には基本小体と反応する抗体が含まれていることが分かった。このウェル中の細胞をそれぞれパスツールピペットで回収し、24ウェルプラスチック製培養容器に移し、HAT培地1〜2mlを加え、同様に培養した。
【0074】
限界希釈法によるクローニング
24ウェルプラスチック製培養容器で増殖させた融合細胞の細胞濃度を測定し、細胞数が20個/mlとなるようそれぞれをHT培地で希釈した。別にHT培地に懸濁した4〜6週齢のマウス胸腺細胞を96ウェルプラスチック製培養容器に2×105個/ウェルとり、これに上記の融合細胞(細胞濃度が20個/ml)を50μl/ウェルずつ加え、5%(v/v)炭酸ガス雰囲気下、36℃で培養し、その1日後、7日後及び14日後にHT培地を1〜2滴/ウェル加えた。細胞の増殖が見られたウェルの培養上清を50μl回収し、上記と同様の方法で抗体の生産を確認した。
ウェル中に単一の細胞コロニーしか存在せず、基本小体と反応する抗体を生産するもので、かつ増殖が早い細胞をウェルから回収し、引き続き24ウェルプラスチック製培養容器で増殖させた。更に、同様のクローニング操作を繰り返し、最終的にハイブリドーマAY6E2E8を得た。
【0075】
モノクローナル抗体の生産
ハイブリドーマAY6E2E8を、10%(v/v)牛胎児血清含有RPMI1640培地20mlを入れた75cm2プラスチック製細胞培養用フラスコで増殖させ、3〜4日ごとにその培養液から16〜18mlを抜き取り、代わりに新鮮な10%(v/v)牛胎児血清含有RPMI1640培地を総量で20mlとなるように補い、継代培養を続けた。抜き取って回収した細胞培養液は、1200rpmで5分間遠心分離し、上清(モノクローナル抗体含有培養上清)を回収した。
また、予め2週間前にプリスタン0.5mlを腹腔内に注射しておいたBalb/cマウスのその腹腔内に、1×106個/mlとなるようPBSで懸濁したハイブリドーマ株を1ml注射した。3週間後、balb/cマウスの腹水を回収し、1200rpmで5分間遠心分離し、上清(モノクローナル抗体含有腹水)を回収した。
【0076】
モノクローナル抗体の精製
ハイブリドーマAY6E2E8が生産するモノクローナル抗体は以下のようにして精製した。ハイブリドーマAY6E2E8をマウス腹腔内に注射して得られたモノクローナル抗体含有腹水1容に3容のPBSを加えて混合し、3000rpmで10分間遠心分離し、その上清をポアサイズ0.22μmのフィルタで濾過後、これをクロマトップスーパープロテインAカラム(径4.6mm×100mm、日本ガイシ(株)製)を用いるHPLCで精製した。カラムは予め、PBSで平衡化しておいた。
0.22μmフィルタで濾過後のサンプル1mlをカラムに注入後、PBSを1ml/minで3分間流し、次いで、5ml/minで4分間流してカラムを洗浄した後、精製水1LにNaCl 8.77g、クエン酸(一水和物)16.7g及びNa2HPO4・12H2O 14.72gを溶かした液を2ml/minで5分間流してモノクローナル抗体を溶出した。モノクローナル抗体の溶出画分を集め、TTBS溶液で希釈した。
【0077】
クラミジア・ニューモニエの基本小体を溶解し、基本小体に含有されているペプチドを取得した。このペプチドと上記モノクローナル抗体を用いてウェスタンブロットを行い、取得したモノクローナル抗体の特異性を確認した。
その結果、取得したモノクローナル抗体はクラミジア・ニューモニエ53KDa抗原ポリペプチドを認識することがわかった。
ハイブリドーマ AY6E2E8と同様にして、ハイブリドーマSCP53を取得した。上記の方法と同様にしてハイブリドーマSCP53が産生するモノクローナル抗体の特異性を調べた結果、このモノクローナル抗体は、クラミジア・ニューモニエの53KDa抗原ポリペプチドを認識することがわかった。
また、ハイブリドーマ AY6E2E8及びハイブリドーマSCP53が産生するモノクローナル抗体のサブクラスを調べた結果、これらの抗体のサブクラスは、それぞれ、IgG2及びIgG1bであった。
【0078】
(G)抗原ポリペプチドをコードするDNAのクローニング
大腸菌Y1090r−株の一白金耳を10mM MgSO43ml、0.2%マルトース及び50μg/mlアンピシリン含有のLB(水1L中にNaCl 5g、ポリペプトン10g及び酵母エキス5gを含む)培地に接種し、37℃で一晩振とう培養した後、これを2,000rpmで10分間遠心分離した。沈殿(大腸菌)に10mM MgSO4水溶液9mlを加えて混ぜ、この大腸菌懸濁液の0.35mlを採り、これにλgt11(DNAライブラリー)懸濁液を0.1μl加え、37℃で20分間インキューベートし、大腸菌にλgt11を感染させた。予め47℃に保温した液状LB寒天培地2.5mlに、上記λgt11感染大腸菌を加え、これを直ちにLB寒天培地上に撒いた。上層寒天培地が固化した後、42℃で3〜4時間培養し、プラークが観察された時点で10mM IPTG水溶液に浸漬したニトロセルロースフィルター(φ82mm)を上層寒天培地に乗せ、37℃で12時間培養した。黒インクをつけた注射針で非対称に3ヵ所突き刺してフィルターに目印をつけた後、フィルターを寒天培地からとり出し、150mM NaCl及び0 .1%ツィーン20含有20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)(以下、TTBS緩衝液という)で3回洗浄した。寒天培地は冷蔵庫中に保存した。
【0079】
フィルターを150mM NaCl含有20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)(以下、TBS緩衝液という)の0.1%牛血清アルブミン含有液に浸し、37℃で1時間振とうし、ブロッキング反応を行った。次いで、フィルターをTTBS緩衝液で2回洗浄したのち、5μg/mlのクラミジア・ニューモニエ特異的モノクローナル抗体(SCP53又はAY6E2E8)のTTBS溶液に浸し、37℃、1時間振とうした。フィルターをTTBS緩衝液で3回洗浄した後、パーオキシダーゼ標識の(50ng/ml)抗マウスIgG抗体溶液(TTBS緩衝液)中、37℃で1時間振とうした。フィルターをTTBS緩衝液で3回、及びTBS緩衝液で3回洗浄した後、発色基質液(TBS緩衝液100mlに30%過酸化水素水溶液60μlと0.3% 4−クロロ−1−ナフトールのメタノール溶液20mlを加えて調製)に浸漬し、室温で約30分間放置した。十分発色した時点でフィルターをとり出し、精製水で洗浄し、風乾した。
【0080】
フィルターの発色スポットに対応する寒天培地上のプラークを捜して同定し、この部分の寒天をパスツールピペットでつき刺し、プラークを回収した。回収したプラークはクロロホルム1滴を加えた0.1M NaCl、8mM硫酸マグネシウム及び0.01%ゼラチン含有50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5) (以下、SM緩衝液という)中に採り、4℃で一晩放置しプラーク中のλファージを抽出した。プラークが全て上記モノクローナル抗体と反応するようになるまで、前記操作を繰り返し、抗原ポリペプチドをコードするDNAをクローン化した。
このようにして、クラミジア・ニューモニエ特異的モノクローナル抗体反応性のクラミジア・ニューモニエ特異的抗原ポリペプチドを発現するλファージが得られ、これを53−3Sλファージと命名した。
【0081】
(H)53−3Sλファージの培養とDNA精製
前記(G)で述べた方法と同様にしてプラークを形成させ、一つのプラークを回収し、100μlのSM緩衝液に入れ、4℃で一晩放置しλファージを抽出した。LB培養液で一晩培養した大腸菌Y1090r−株250μlに、λファージ液5μlを加え、37℃で20分間放置し、大腸菌にλファージを感染させた。予め37℃に温めておいた10mM硫酸マグネシウムを含むLB培地50mlに接種し、λファージによる大腸菌の溶菌が起こるまで37℃で5時間振とう培養した。250μlのクロロホルムを加え、3,000rpmで10分間遠心分離し大腸菌細胞残渣を除き、λファージ懸濁液を得た。λファージDNAは、Wizardλ preps キット(プロメガ社、商品名)を用いて精製した。
【0082】
(I)クラミジア・ニューモニエ抗原ポリペプチドをコードするDNAの増幅
600μl用のマイクロチューブに、精製水61.5μl、10倍濃度 反応用緩衝液(500mM KCl、15mM MgCl2、0.01%ゼラチンを含むトリス−塩酸緩衝液pH8.3)10μl、20mM dNTP 1μl、53−3SλファージDNA溶液0.1μl、20nM λgt11 forward primer(宝酒造(株)製、商品名)1μl、20nM λgt11 reverse primer(宝酒造(株)製、商品名)1μl、AmpliTaq DNA Polymerase(宝酒造(株)製、商品名)0.5μlを入れ、ミネラルオイルを2滴重層した。94℃ 30秒、55℃ 30秒、73℃ 2分のサイクルのインキュベーションを30回繰返し、DNAを増幅した。反応後、1.2%低温融解アガロースゲル電気泳動を行い、増幅されたDNAを切り出して Wizard PCR Prep キット(プロメガ社製、商品名)で精製した。
【0083】
(J)DNA塩基配列分析
DNA塩基配列分析は、PCRで増幅したDNAを鋳型として、Taq DNA ポリメラーゼを用いた蛍光標識ターミネータサイクルシークエンス法でシークエンス反応を行い、373A型DNAシークエンサ(アプライドバイオシステムズ社製、商品名)で分析を行った。得られたDNA塩基配列を遺伝子配列分析ソフト 「DNASIS」(日立ソフトウェアエンジニアリング(株)製、商品名)を用いて、編集、連結、アミノ酸翻訳領域の推定を行ない、配列番号7の配列を得た。配列番号7の配列の解析結果から、53KDa抗原ポリペプチドについて、そのN末端からC末端に向けて約60%のアミノ酸配列が解明されたことが分かった。
【0084】
上記クラミジア・ニューモニエ抗原ポリペプチドをコードするDNAは、クラミジア・ニューモニエに特異的で、かつ、53KDa抗原ポリペプチドを認識するモノクローナル抗体を利用してクローニングされたので、このDNAは、明らかに53KDa抗原ポリペプチドをコードしている。
配列番号7の塩基配列及びアミノ酸配列の相同性検索をGenBankデータベースで行なった結果、高い相同性を示す既知の配列は無かった。
【0085】
実施例2 クラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチドの一部を含むポリペプチドをコードするDNAを含む組換えベクターの作製、及びそれを含む形質転換体の作製
前述したように、取得したDNAが53KDa抗原ポリペプチドをコードしていることが明らかであるが、念のため、下記のようにして、取得したDNAを発現させ、上記抗体と反応するか否か調べた。
プラスミドpBBK10MMを制限酵素BamHIとXhoIで切断し、1.2%低温融解アガロースゲル電気泳動を行い、約4.6KbpのDNA断片を切り出して精製した。このDNA断片100ngに、配列番号8及び配列番号9の合成DNA各1ngを添加し、DNAライゲーションキット(宝酒造(株)製、商品名)を用いてこれらのDNAを連結した。この反応物を大腸菌HB101株コンピテントセル(宝酒造(株)製、商品名)に入れ、形質転換体を作製し、プラスミドを取得し、これをpADA431と名付けた。このプラスミドを制限酵素MunIで切断した後、アルカリホスファターゼ処理し5′リン酸基を除去した。
【0086】
一方、53−3SλファージDNAを制限酵素EcoRIで切断し、このDNA断片50ngに、上記の制限酵素MunIで切断したpADA431プラスミドDNA100ngを添加し、同様に連結し、形質転換体を作製し、53−3SλファージDNAの制限酵素EcoRI断片が組み込まれたプラスミドを取得し、これをpCPN533αと名付けた。このプラスミドは、配列番号10の塩基配列を有する約5.7kbpのDNAであり、53K抗原ポリペプチドの一部を含むポリペプチドを宿主大腸菌で発現させることができるものである。この53K抗原ポリペプチドの一部を含むポリペプチドをコードするDNAの塩基配列は配列番号5のようになっており、この塩基配列から推定されるアミノ酸配列はを配列番号2のようになっていた。プラスミドpCPN533αをもつ大腸菌を同様に培養し、電気泳動、ニトロセルロース膜への転写、モノクローナル抗体での検出を同様に行った結果、上記ポリペプチドに相当する発色したバンドが観察され、プラスミドpCPN533αをもつ大腸菌が、クラミジア・ニューモニエに特異的に反応するモノクローナル抗体と反応することができる53K抗原ポリペプチドを発現していることが示された。
【0087】
実施例3 クラミジア・ニューモニエの53KDa抗原ポリペプチド全体をコードするDNAの取得
配列番号7の塩基配列を元に、配列番号11及び12の塩基配列を有するDNAを、DNA合成機を用いて合成した。
実施例1で得たクラミジア・ニューモニエYK41株のゲノムDNAの水溶液10μl(DNA含有量:約1μg)に、10倍濃縮Kバッファ5μl、精製水35μl及び制限酵素HindIII(19U/μl)5μlを添加し、37℃で3時間保温した。
得られた反応液をフェノールで抽出し、エタノールを添加し、遠心分離して沈殿を取得した。この沈殿に、PCR in vitro Cloning Kit(宝酒造(株)製、商品名)中のHindIIIカセットDNA(20ng/μl)5μl、ライゲーション溶液15μlを添加し、16℃で30分間保温した。
取得した反応液をフェノールで抽出し、エタノールを添加し、遠心分離して沈殿を取得し、これを10μlの精製水に溶解した。
【0088】
得られた溶液1μlに、精製水78.5μl、10倍濃縮PCR用バッファ10μl、2.5mMdNTP8μl及びTaqポリメラーゼ0.5μl(5U/μl)を添加し、さらに、プライマーDNAとして、配列番号11の塩基配列を有するDNA(20pmol/μl)1μl及び配列番号13の塩基配列を有するDNA(20pmol/μl)(上記キットにおいて、プライマーC1として同封されていたもの)1μlを添加して、これらを0.6mlのマイクロチューブに入れ、ミネラルオイル2滴を重層し、94℃30秒、55℃2分、72℃3分の温度サイクルを30回繰り返した。以上の工程をPCR工程という。
PCR工程後の反応液1μlに、プライマーDNAとして、配列番号12の塩基配列を有するDNA(20pmol/μl)1μl及び配列番号14の塩基配列を有するDNA(20pmol/μl)(上記キットにおいて、プライマーC2として同封されていたもの)1μlを用い、再度PCR工程を行った。
【0089】
2番目のPCR工程後の反応液を1.2%低融点アガロースゲル電気泳動させ、約1.4kbpの大きさのDNAが含有されているアガロースゲルを切り出した。DNAの精製には Wizard PCR Prep キット(プロメガ社製、商品名)を用いた。即ち、切り出したアガロースゲルにキットに同封されている緩衝液を添加し、加熱してアガロースゲルを溶解し、キットに同封されている精製用樹脂を添加してDNAを樹脂に吸着させ、遠心分離して精製用樹脂を沈殿として取得した。沈殿をプロパノールで洗浄し、再度遠心分離して沈殿を取得した。沈殿に精製水を添加し、精製用樹脂からDNAを溶出して、遠心分離し、上清(DNA水溶液)を得た。以上の工程をDNA精製工程という。
【0090】
取得したDNA水溶液を用い、含まれるDNAを鋳型とするTaq DNA ポリメラーゼを用いた蛍光標識ターミネータサイクルシークエンス法でシークエンス反応を行い、373A型DNAシークエンサ(アプライドバイオシステムズ社製、商品名)でそのDNAの塩基配列を分析した。得られたDNA塩基配列を遺伝子配列分析ソフト「DNASIS」(日立ソフトウェアエンジニアリング(株)製、商品名)を用いて、編集、連結、アミノ酸翻訳領域の推定を行なった。以上の工程を塩基配列解析工程という。
取得したDNAの塩基配列を解析した結果、このDNAは実施例1で取得したクラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチドをコードするDNAの中の3′末端側の約50bpの塩基配列を有していた。さらに、その塩基配列の下流には、終始コドンを含有する約0.7kbのコード領域が存在していることがわかった。
【0091】
配列番号7の塩基配列を元に、クラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチドのをコードするDNAの上流部分に相当するプライマーとして、配列番号15の塩基配列を有するDNAを、また、上記の約0.7kbのコード領域を含む塩基配列を元に、クラミジア・ニューモニエの抗原ポリペプチドのをコードするDNAの下流部分に相当するプライマーとして、配列番号16の塩基配列を有するDNAを、それぞれ、DNA合成機を用いて合成した。
実施例1で得たクラミジア・ニューモニエYK41株のゲノムDNAの水溶液1μlを用い、プライマーDNAとして配列番号15の塩基配列を有するDNA(20pmol/μl)1μl及び配列番号16の塩基配列を有するDNA(20pmol/μl)1μlを用いてPCR工程を行った。
【0092】
3番目のPCR工程後の反応液を用い、上記DNA精製工程を行い、約1.5kbpのDNAを取得した。
取得したDNA水溶液を用い、上記塩基配列解析工程を行った。
取得したDNAの塩基配列を解析した結果、このDNAは配列番号4の塩基配列を有しており、配列番号1のアミノ酸配列をコードしていることがわかった。
またプラスミドpCPN533αと前述のλgt11のDNAライブラリーを用いてゲノムウォーキングを行い、クラミジア・ニューモニエの53KDa抗原ポリペプチド全体をコードするDNAを取得した。
【0093】
実施例4 クラミジア・ニューモニエの53KDa抗原ポリペプチド全体をコードするDNAを含む組換えベクターの作製、及びそれを含む形質転換体の作製
クラミジア・ニューモニエの53KDa抗原ポリペプチド全体をコードするDNAを含む組換えベクター及びそれを含む形質転換体は、以下のようにして作製することができる。
クラミジア・ニューモニエの53KDa抗原ポリペプチド全体をコードするDNAとベクターを用い、実施例2と同様にしてクラミジア・ニューモニエの53KDa抗原ポリペプチド全体をコードするDNAを含む組換えベクターとそれを含む形質転換体を作製する。
【0094】
実施例5 抗原ポリペプチドを抗原として用いる抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定
抗原ポリペプチドを抗原として用いる抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定は、以下のようにして行うことができる。
抗原ポリペプチドとして、配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチドを用い、これをPBSに溶解し、マイクロタイタープレートのウェル(くぼみ)に注ぎ、4℃で一晩以上放置し、これにより抗原ポリペプチドをマイクロタイタープレートの固定(物理吸着)させる。続いて、牛血清アルブミンを含むPBSを加え、4℃で一晩以上放置し、ブロッキングを行なう。牛血清アルブミンを含むPBSを除いた後、0.02%(w/v)ツィーン20を含むPBSで同様に2回洗浄後、ウェルに患者の血清を加え、室温で2時間放置する。0.02%(w/v)ツィーン20を含むPBSで同様に3回洗浄後、ウェルにパーオキシダーゼ標識化マウス抗ヒトIgG抗体を加え、室温で2時間放置する。0.02% (w/v)ツィーン20を含むPBSで同様に3回洗浄後、ウェルにABTS溶液(KPL社製)を加え、室温で15分〜1時間放置して発色反応させ、96ウエルEIAプレート用光度計で405nmの吸光度を測定する。
【0095】
【発明の効果】
請求項1記載の測定法は、クラミジア・ニューモニエの抗体検査やクラミジア・ニューモニエ感染の診断に好適である。
請求項2記載の測定法は、請求項1記載の測定法の効果を奏し、さらに、抗原ポリペプチドのアミノ酸配列の長さが短いため、担体等に固定化できる抗原ポリペプチドの数を多くすることができ、高感度である。
請求項3記載の測定法は、請求項1記載の測定法の効果を奏し、さらに、抗原ポリペプチドがタンパク質分解酵素による分解を受けにくい構造を作ることができるので安定性に優れており、測定結果の信頼性が高い。
請求項4記載の測定法は、請求項1記載の測定法の効果を奏し、さらに、抗原として用いられるポリペプチドを、アミノ酸若しくはペプチドを利用して担体等に固定化できるので、固定化による抗原性の低下又は喪失が生じにくく、クラミジア・ニューモニエ感染を診断する上で優れている。
【0096】
請求項5記載の測定法は、請求項1記載の測定法の効果を奏し、さらに、抗原として用いられるポリペプチドがクラミジア・ニューモニエに特異的な抗原ポリペプチド全体を有するので、抗体検査やクラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断に極めて適切である。
請求項6記載の測定法は、請求項1記載の測定法の効果を奏し、さらに、抗原として用いられるポリペプチドがクラミジア・ニューモニエに特異的な抗原部分を有するので、抗体検査やクラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断に極めて適切である。
請求項7記載の測定法は、請求項1記載の測定法の効果を奏し、さらに、抗原として用いられるポリペプチドがクラミジア・ニューモニエに特異的な抗原部分を有するので、抗体検査やクラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断に極めて適切である。
【0097】
請求項8記載の測定用試薬は、クラミジア・ニューモニエの抗体検査やクラミジア・ニューモニエ感染の診断に好適である。
請求項9記載の測定用試薬は、請求項8記載の測定用試薬の効果を奏し、さらに、抗原ポリペプチドのアミノ酸配列の長さが短いため、担体等に固定化できる抗原ポリペプチドの数を多くすることができ、高感度である。
請求項10記載の測定用試薬は、請求項8記載の測定用試薬の効果を奏し、さらに、抗原ポリペプチドがタンパク質分解酵素による分解を受けにくい構造を作ることができるので安定性に優れており、測定結果の信頼性が高い。
請求項11記載の測定用試薬は、請求項8記載の測定用試薬の効果を奏し、さらに、抗原として用いられるポリペプチドを、アミノ酸若しくはペプチドを利用して担体等に固定化できるので、固定化による抗原性の低下又は喪失が生じにくく、クラミジア・ニューモニエ感染を診断する上で優れている。
【0098】
請求項12記載の測定用試薬は、請求項8記載の測定用試薬の効果を奏し、さらに、抗原として用いられるポリペプチドがクラミジア・ニューモニエに特異的な抗原ポリペプチド全体を有するので、抗体検査やクラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断に極めて適切である。
請求項13記載の測定用試薬は、請求項8記載の測定用試薬の効果を奏し、さらに、抗原として用いられるポリペプチドがクラミジア・ニューモニエに特異的な抗原部分を有するので、抗体検査やクラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断に極めて適切である。
請求項14記載の測定用試薬は、請求項8記載の測定用試薬の効果を奏し、さらに、抗原として用いられるポリペプチドがクラミジア・ニューモニエに特異的な抗原部分を有するので、抗体検査やクラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断に極めて適切である。
【0099】
請求項15記載の診断薬は、クラミジア・ニューモニエ感染の診断に好適である。
請求項16記載の診断薬は、請求項15記載の診断薬の効果を奏し、さらに、抗原ポリペプチドのアミノ酸配列の長さが短いため、担体等に固定化できる抗原ポリペプチドの数を多くすることができ、高感度である。
請求項17記載の診断薬は、請求項15記載の診断薬の効果を奏し、さらに、抗原ポリペプチドがタンパク質分解酵素による分解を受けにくい構造を作ることができるので安定性に優れており、診断結果の信頼性が高い。
請求項18記載の診断薬は、請求項15記載の診断薬の効果を奏し、さらに、抗原として用いられるポリペプチドを、アミノ酸若しくはペプチドを利用して担体等に固定化できるので、固定化による抗原性の低下又は喪失が生じにくく、クラミジア・ニューモニエ感染を診断する上で優れている。
【0100】
請求項19記載の診断薬は、請求項15記載の診断薬の効果を奏し、さらに、抗原として用いられるポリペプチドがクラミジア・ニューモニエに特異的な抗原ポリペプチド全体を有するので、抗体検査やクラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断に極めて適切である。
請求項20記載の診断薬は、請求項15記載の診断薬の効果を奏し、さらに、抗原として用いられるポリペプチドがクラミジア・ニューモニエに特異的な抗原部分を有するので、抗体検査やクラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断に極めて適切である。
請求項21記載の診断薬は、請求項15記載の診断薬の効果を奏し、さらに、抗原として用いられるポリペプチドがクラミジア・ニューモニエに特異的な抗原部分を有するので、抗体検査やクラミジア・ニューモニエ感染の正確な診断に極めて適切である。
【0101】
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:488
配列の型:アミノ酸
配列の種類:ペプチド
Figure 0003692598
Figure 0003692598
Figure 0003692598
【0102】
配列番号:2
配列の長さ:271
配列の型:アミノ酸
配列の種類:ペプチド
Figure 0003692598
Figure 0003692598
【0103】
配列番号:3
配列の長さ:259
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
Figure 0003692598
Figure 0003692598
【0104】
配列番号:4
配列の長さ:1464
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
配列の種類:他の核酸 合成DNA
Figure 0003692598
Figure 0003692598
Figure 0003692598
Figure 0003692598
【0105】
配列番号:5
配列の長さ:813
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
配列の種類:他の核酸 合成DNA
Figure 0003692598
Figure 0003692598
【0106】
配列番号:6
配列の長さ:777
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
配列
ATGTCTATTT CATCTTCTTC AGGACCTGAC AATCAAAAAA ATATCATGTC TCAAGTTCTG 60
ACATCGACAC CCCAGGGCGT GCCCCAACAA GATAAGCTGT CTGGCAACGA AACGAAGCAA 120
ATACAGCAAA CACGTCAGGG TAAAAACACT GAGATGGAAA GCGATGCCAC TATTGCTGGT 180
GCTTCTGGAA AAGACAAAAC TTCCTCGACT ACAAAAACAG AAACAGCTCC ACAACAGGGA 240
GTTGCTGCTG GGAAAGAATC CTCAGAAAGT CAAAAGGCAG GTGCTGATAC TGGAGTATCA 300
GGAGCGGCTG CTACTACAGC ATCAAATACT GCAACAAAAA TTGCTATGCA GACCTCTATT 360
GAAGAGGCGA GCAAAAGTAT GGAGTCTACC TTAGAGTCAC TTCAAAGCCT CAGTGCCGCG 420
CAAATGAAAG AAGTCGAAGC GGTTGTTGTT GCTGCCCTCT CAGGGAAAAG TTCGGGTTCC 480
GCAAAATTGG AAACACCTGA GCTCCCCAAG CCCGGGGTGA CACCAAGATC AGAGGTTATC 540
GAAATCGGAC TCGCGCTTGC TAAAGCAATT CAGACATTGG GAGAAGCCAC AAAATCTGCC 600
TTATCTAACT ATGCAAGTAC ACAAGCACAA GCAGACCAAA CAAATAAACT AGGTCTAGAA 660
AAGCAAGCGA TAAAAATCGA TAAAGAACGA GAAGAATACC AAGAGATGAA GGCTGCCGAA 720
CAGAAGTCTA AAGATCTCGA AGGAACAATG GATACTGTCA ATACTGTGAT GATCGCG 777
【0107】
配列番号:7
配列の長さ:1048
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
起源
生物名:C. ニューモニエ
株名:YK-41
直接の起源
クローン:53-3S
配列の特徴
特徴を表す記号:CDS
存在位置:236..1012
特徴を決定した方法:P
Figure 0003692598
Figure 0003692598
【0108】
配列番号:8
配列の長さ:35
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
GATCCAATTG CCATGGGGGC CCTTAATTAA TTAAC 35
【0109】
配列番号:9
配列の長さ:35
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
TCGAGTTAAT TAATTAAGGG CCCCCATGGC AATTG 35
【0110】
配列番号:10
配列の長さ:5702
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
配列の種類:他の核酸 プラスミド
配列
ATCGATGTTA ACAGATCTAA GCTTAACTAA CTAACTCCGG AAAAGGAGGA ACTTCCATGA 60
TCAGTCTGAT TGCGGCGTTA GCGGTAGATC GCGTTATCGG CATGGAAAAC GCCATGCCGT 120
GGAACCTGCC TGCCGATCTC GCCTGGTTTA AACGCAACAC CTTAAATAAA CCCGTGATTA 180
TGGGCCGCCA TACCTGGGAA TCAATCGGTC GTCCGTTGCC AGGACGCAAA AATATTATCC 240
TCAGCAGTCA ACCGGGTACG GACGATCGCG TAACGTGGGT GAAGTCGGTG GATGAAGCCA 300
TCGCGGCGTG TGGTGACGTA CCAGAAATCA TGGTGATTGG CGGCGGTCGC GTTTATGAAC 360
AGTTCTTGCC AAAAGCGCAA AAACTGTATC TGACGCATAT CGACGCAGAA GTGGAAGGCG 420
ACACCCATTT CCCGGATTAC GAGCCGGATG ACTGGGAATC GGTATTCAGC GAATTCCACG 480
ATGCTGATGC GCAGAACTCT CACAGCTATG AGTTCGAAAT TCTGGAGCGG CGGATCCAAT 540
TCGAACCCCT TCGCGGCTCT TTCTGGAACT CTAGAATCTT TACATCTCGA AGAGTTAACT 600
CAAGGATTAT TCCCTTCTGC CCAAGAAGAT GCCAACTTCG CAAAGGAGTT ATCTTCAGTA 660
GTACACGGAT TAAAAAACCT AACCACTGTA GTTAATAAAC AAATGGTTAA AGGCGCTGAG 720
TAAAGCCCTT TGCAGAATCA AACCCCTTAG GATACAAACA TGTCTATTTC ATCTTCTTCA 780
GGACCTGACA ATCAAAAAAA TATCATGTCT CAAGTTCTGA CATCGACACC CCAGGGCGTG 840
CCCCAACAAG ATAAGCTGTC TGGCAACGAA ACGAAGCAAA TACAGCAAAC ACGTCAGGGT 900
AAAAACACTG AGATGGAAAG CGATGCCACT ATTGCTGGTG CTTCTGGAAA AGACAAAACT 960
TCCTCGACTA CAAAAACAGA AACAGCTCCA CAACAGGGAG TTGCTGCTGG GAAAGAATCC 1020
TCAGAAAGTC AAAAGGCAGG TGCTGATACT GGAGTATCAG GAGCGGCTGC TACTACAGCA 1080
TCAAATACTG CAACAAAAAT TGCTATGCAG ACCTCTATTG AAGAGGCGAG CAAAAGTATG 1140
GAGTCTACCT TAGAGTCACT TCAAAGCCTC AGTGCCGCGC AAATGAAAGA AGTCGAAGCG 1200
GTTGTTGTTG CTGCCCTCTC AGGGAAAAGT TCGGGTTCCG CAAAATTGGA AACACCTGAG 1260
CTCCCCAAGC CCGGGGTGAC ACCAAGATCA GAGGTTATCG AAATCGGACT CGCGCTTGCT 1320
AAAGCAATTC AGACATTGGG AGAAGCCACA AAATCTGCCT TATCTAACTA TGCAAGTACA 1380
CAAGCACAAG CAGACCAAAC AAATAAACTA GGTCTAGAAA AGCAAGCGAT AAAAATCGAT 1440
AAAGAACGAG AAGAATACCA AGAGATGAAG GCTGCCGAAC AGAAGTCTAA AGATCTCGAA 1500
GGAACAATGG ATACTGTCAA TACTGTGATG ATCGCGAAGG GGTTCGAATT GCCATGGGGG 1560
CCCTTAATTA ATTAACTCGA GAGATCCAGA TCTAATCGAT GATCCTCTAC GCCGGACGCA 1620
TCGTGGCCGG CATCACCGGC GCCACAGGTG CGGTTGCTGG CGCCTATATC GCCGACATCA 1680
CCGATGGGGA AGATCGGGCT CGCCACTTCG GGCTCATGAG CGCTTGTTTC GGCGTGGGTA 1740
TGGTGGCAGG CCCGTGGCCG GGGGACTGTT GGGCGCCATC TCCTTGCATG CACCATTCCT 1800
TGCGGCGGCG GTGCTCAACG GCCTCAACCT ACTACTGGGC TGCTTCCTAA TGCAGGAGTC 1860
GCATAAGGGA GAGCGTCGAC CGATGCCCTT GAGAGCCTTC AACCCAGTCA GCTCCTTCCG 1920
GTGGGCGCGG GGCATGACTA TCGTCGCCGC ACTTATGACT GTCTTCTTTA TCATGCAACT 1980
CGTAGGACAG GTGCCGGCAG CGCTCTGGGT CATTTTCGGC GAGGACCGCT TTCGCTGGAG 2040
CGCGACGATG ATCGGCCTGT CGCTTGCGGT ATTCGGAATC TTGCACGCCC TCGCTCAAGC 2100
CTTCGTCACT GGTCCCGCCA CCAAACGTTT CGGCGAGAAG CAGGCCATTA TCGCCGGCAT 2160
GGCGGCCGAC GCGCTGGGCT ACGTCTTGCT GGCGTTCGCG ACGCGAGGCT GGATGGCCTT 2220
CCCCATTATG ATTCTTCTCG CTTCCGGCGG CATCGGGATG CCCGCGTTGC AGGCCATGCT 2280
GTCCAGGCAG GTAGATGACG ACCATCAGGG ACAGCTTCAA GGATCGCTCG CGGCTCTTAC 2340
CAGCCTAACT TCGATCACTG GACCGCTGAT CGTCACGGCG ATTTATGCCG CCTCGGCGAG 2400
CACATGGAAC GGGTTGGCAT GGATTGTAGG CGCCGCCCTA TACCTTGTCT GCCTCCCCGC 2460
GTTGCGTCGC GGTGCATGGA GCCGGGCCAC CTCGACCTGA ATGGAAGCCG GCGGCACCTC 2520
GCTAACGGAT TCACCACTCC AAGAATTGGA GCCAATCAAT TCTTGCGGAG AACTGTGAAT 2580
GCGCAAACCA ACCCTTGGCA GAACATATCC ATCGCGTCCG CCATCTCCAG CAGCCGCACG 2640
CGGCGCATCT CGGGCAGCGT TGGGTCCTGG CCACGGGTGC GCATGATCGT GCTCCTGTCG 2700
TTGAGGACCC GGCTAGGCTG GCGGGGTTGC CTTACTGGTT AGCAGAATGA ATCACCGATA 2760
CGCGAGCGAA CGTGAAGCGA CTGCTGCTGC AAAACGTCTG CGACCTGAGC AACAACATGA 2820
ATGGTCTTCG GTTTCCGTGT TTCGTAAAGT CTGGAAACGC GGAAGTCAGC GCCCTGCACC 2880
ATTATGTTCC GGATCTGCAT CGCAGGATGC TGCTGGCTAC CCTGTGGAAC ACCTACATCT 2940
GTATTAACGA AGCGCTGGCA TTGACCCTGA GTGATTTTTC TCTGGTCCCG CCGCATCCAT 3000
ACCGCCAGTT GTTTACCCTC ACAACGTTCC AGTAACCGGG CATGTTCATC ATCAGTAACC 3060
CGTATCGTGA GCATCCTCTC TCGTTTCATC GGTATCATTA CCCCCATGAA CAGAAATTC 3120
CCCCTTACAC GGAGGCATCA AGTGACCAAA CAGGAAAAAA CCGCCCTTAA CATGGCCCG 3180
CTTTATCAGA AGCCAGACAT TAACGCTTCT GGAGAAACTC AACGAGCTGG ACGCGGATG 3240
AACAGGCAGA CATCTGTGAA TCGCTTCACG ACCACGCTGA TGAGCTTTAC CGCAGCTGC 3300
CTCGCGCGTT TCGGTGATGA CGGTGAAAAC CTCTGACACA TGCAGCTCCC GGAGACGGT 3360
CACAGCTTGT CTGTAAGCGG ATGCCGGGAG CAGACAAGCC CGTCAGGGCG CGTCAGCGG 3420
GTGTTGGCGG GTGTCGGGGC GCAGCCATGA CCCAGTCACG TAGCGATAGC GGAGTGTAT 3480
ACTGGCTTAA CTATGCGGCA TCAGAGCAGA TTGTACTGAG AGTGCACCAT ATGCGGTGT 3540
GAAATACCGC ACAGATGCGT AAGGAGAAAA TACCGCATCA GGCGCTCTTC CGCTTCCTC 3600
GCTCACTGAC TCGCTGCGCT CGGTCGTTCG GCTGCGGCGA GCGGTATCAG CTCACTCAA 3660
AGGCGGTAAT ACGGTTATCC ACAGAATCAG GGGATAACGC AGGAAAGAAC ATGTGAGCA 3720
AAAGGCCAGC AAAAGGCCAG GAACCGTAAA AAGGCCGCGT TGCTGGCGTT TTTCCATAG 3780
GCTCCGCCCC CCTGACGAGC ATCACAAAAA TCGACGCTCA AGTCAGAGGT GGCGAAACC 3840
CGACAGGACT ATAAAGATAC CAGGCGTTTC CCCCTGGAAG CTCCCTCGTG CGCTCTCCT 3900
GTTCCGACCC TGCCGCTTAC CGGATACCTG TCCGCCTTTC TCCCTTCGGG AAGCGTGGC 3960
GCTTTCTCAA TGCTCACGCT GTAGGTATCT CAGTTCGGTG TAGGTCGTTC GCTCCAAGC 4020
TGGGCTGTGT GCACGAACCC CCCGTTCAGC CCGACCGCTG CGCCTTATCC GGTAACTAT 4080
CGTCTTGAGT CCAACCCGGT AAGACACGAC TTATCGCCAC TGGCAGCAGC CACTGGTAA 4140
CAGGATTAGC AGAGCGAGGT ATGTAGGCGG TGCTACAGAG TTCTTGAAGT GGTGGCCTA 4200
ACTACGGCTA CACTAGAAGG ACAGTATTTG GTATCTGCGC TCTGCTGAAG CCAGTTACC 4260
TTCGGAAAAA GAGTTGGTAG CTCTTGATCC GGCAAACAAA CCACCGCTGG TAGCGGTGG 4320
TTTTTTTGTT TGCAAGCAGC AGATTACGCG CAGAAAAAAA GGATCTCAAG AAGATCCTT 4380
TGATCTTTTC TACGGGGTCT GACGCTCAGT GGAACGAAAA CTCACGTTAA GGGATTTTG 4440
GTCATGAGAT TATCAAAAAG GATCTTCACC TAGATCCTTT TAAATTAAAA ATGAAGTTT 4500
TAAATCAATC TAAAGTATAT ATGAGTAAAC TTGGTCTGAC AGTTACCAAT GCTTAATCA 4560
GTGAGGCACC TATCTCAGCG ATCTGTCTAT TTCGTTCATC CATAGTTGCC TGACTCCCC 4620
GTCGTGTAGA TAACTACGAT ACGGGAGGGC TTACCATCTG GCCCCAGTGC TGCAATGAT 4680
ACCGCGAGAC CCACGCTCAC CGGCTCCAGA TTTATCAGCA ATAAACCAGC CAGCCGGAA 4740
GGGCCGAGCG CAGAAGTGGT CCTGCAACTT TATCCGCCTC CATCCAGTCT ATTAATTGT 4800
TGCCGGGAAG CTAGAGTAAG TAGTTCGCCA GTTAATAGTT TGCGCAACGT TGTTGCCAT 4860
TGCTGCAGGC ATCGTGGTGT CACGCTCGTC GTTTGGTATG GCTTCATTCA GCTCCGGTT 4920
CCCAACGATC AAGGCGAGTT ACATGATCCC CCATGTTGTG CAAAAAAGCG GTTAGCTCC 4980
TTCGGTCCTC CGATCGTTGT CAGAAGTAAG TTGGCCGCAG TGTTATCACT CATGGTTAT 5040
GGCAGCACTG CATAATTCTC TTACTGTCAT GCCATCCGTA AGATGCTTTT CTGTGACTG 5100
GTGAGTACTC AACCAAGTCA TTCTGAGAAT AGTGTATGCG GCGACCGAGT TGCTCTTGC 5160
CCGGCGTCAA CACGGGATAA TACCGCGCCA CATAGCAGAA CTTTAAAAGT GCTCATCAT 5220
TGGAAAACGT TCTTCGGGGC GAAAACTCTC AAGGATCTTA CCGCTGTTGA GATCCAGTT 5280
CGATGTAACC CACTCGTGCA CCCAACTGAT CTTCAGCATC TTTTACTTTC ACCAGCGTT 5340
TCTGGGTGAG CAAAAACAGG AAGGCAAAAT GCCGCAAAAA AGGGAATAAG GGCGACACG 5400
GAAATGTTGA ATACTCATAC TCTTCCTTTT TCAATATTAT TGAAGCATTT ATCAGGGTT 5460
ATTGTCTCAT GAGCGGATAC ATATTTGAAT GTATTTAGAA AAATAAACAA ATAGGGGTT 5520
CCGCGCACAT TTCCCCGAAA AGTGCCACCT GACGTCTAAG AAACCATTAT TATCATGAC 5580
ATTAACCTAT AAAAATAGGC GTATCACGAG GCCCTTTCGT CTTCAAGAAT TAATTGTTA 5640
TCCGCTCACA ATTAATTCTT GACAATTAGT TAACTATTTG TTATAATGTA TTCATAAGC 5700
TT 5702
【0111】
配列番号:11
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
GCTGCCGAAC AGAAGTCTAA 20
【0112】
配列番号:12
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
CTCGAAGGAA CAATGGATAC 20
【0113】
配列番号:13
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
GTACATATTG TCGTTAGAAC GCG 23
【0114】
配列番号:14
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
TAATACGACT CACTATAGGG AGA 23
【0115】
配列番号:15
配列の長さ:28
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
GCGGATCCTG ATGTCTATTT CATCTTCT 28
【0116】
配列番号:16
配列の長さ:30
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
ATCTCGAGTT TTATGCTGCT GCGCCAGCGA 30

Claims (21)

  1. 配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる配列を含み、化学合成法または遺伝子組換え法で作製したポリペプチドAを抗原として用いることを特徴とする抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
  2. ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドからアミノ酸が欠落しているポリペプチドである、請求項1記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
  3. ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドの中のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されているか又は配列番号1で示されるペプチドの中にアミノ酸が挿入されているポリペプチドである、請求項1記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
  4. ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸配列にアミノ酸若しくは他のペプチドが結合したポリペプチドである、請求項1記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
  5. ポリペプチドAが配列番号1で示されるペプチドである、請求項1記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
  6. ポリペプチドAが配列番号2で示されるペプチドである、請求項1記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
  7. ポリペプチドAが配列番号3で示されるペプチドである、請求項1記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定法。
  8. 配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる配列を含み、化学合成法または遺伝子組換え法で作製したポリペプチドAを抗原として含有してなる抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
  9. ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドからアミノ酸が欠落しているポリペプチドである、請求項8記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
  10. ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドの中のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されているか又は配列番号1で示されるペプチドの中にアミノ酸が挿入されているポリペプチドである、請求項8記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
  11. ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸配列にアミノ酸若しくは他のペプチドが結合したポリペプチドである、請求項8記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
  12. ポリペプチドAが配列番号1で示されるペプチドである、請求項8記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
  13. ポリペプチドAが配列番号2で示されるペプチドである、請求項8記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
  14. ポリペプチドAが配列番号3で示されるペプチドである、請求項8記載の抗クラミジア・ニューモニエ抗体の測定用試薬。
  15. 配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなる配列を含み、化学合成法または遺伝子組換え法で作製したポリペプチドAを有効成分とするクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
  16. ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドからアミノ酸が欠落しているポリペプチドである、請求項15記載のクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
  17. ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドの中のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されているか又は配列番号1で示されるペプチドの中にアミノ酸が挿入されているポリペプチドである、請求項15記載のクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
  18. ポリペプチドAが、配列番号1で示されるペプチドの中の連続した少なくとも5個のアミノ酸配列にアミノ酸若しくは他のペプチドが結合したポリペプチドである、請求項15記載のクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
  19. ポリペプチドAが配列番号1で示されるペプチドである、請求項15記載のクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
  20. ポリペプチドAが配列番号2で示されるペプチドである、請求項15記載のクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
  21. ポリペプチドAが配列番号3で示されるペプチドである、請求項15記載のクラミジア・ニューモニエ感染の診断薬。
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