JPH0999095A - プロテーゼ医療装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 血管あるいは中空器官のルーメンを保持する
埋め込み可能なプロテーゼ医療装置を提供する。 【解決手段】 本発明のプロテーゼ装置は、血管あるい
は中空器官のルーメンを保持する、半径方向には堅くと
軸方向には柔らかい管状フレーム１である。この装置
は、その展開状態においては、相互接続されたセル２の
複数の横方向の列でもって形成される。各セルはほぼＵ
字型の断面を有し、長軸と短軸とを有する細長い楕円あ
るいは矩形である。隣接する横方向のセルは、長軸方向
に互いに楕円あるいは矩形の長軸の半分だけシフトし、
短軸方向には互いに楕円あるいは矩形の小軸分だけシフ
トする。この装置の特徴は、楕円あるいは矩形の長軸
は、管状体の周辺方向に向いており、小軸はその軸方向
に平行でその結果フレームボディの軸方向に直交する面
において１つの横方向のＵ字型のワイヤ部分のブランチ
の１つは、互いに閉鎖したリンク形状４を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、埋め込み可能なプ
ロテーゼ医療装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】血管あるいは中空の器官の様々な病気に
より、そのルーメンの狭窄あるいは完全な閉塞が引き起
こされ、これによりその機能の損傷あるいは完全な喪失
につながる。この様々な種類の病気により、全く新たな
医療方法が必要となっている。

【０００３】血管あるいは中空器官のルーメンを維持す
る装置は、通常管状のフレームボディを有し、これが血
管あるいは中空の器官内に導入され、ルーメンを維持す
る場所に固定される。このような装置を設計する際の問
題は、２０年以上にも亘って古いものである。にもかか
わらず、以下に述べるような利点を有する信頼できる医
療装置は未だ生成されていない。

【０００４】血管あるいは中空器官のルーメンをある程
度の大きさに保持する装置は次に述べるような利点を有
していなければならない。 ａ 血管あるいは中空器官のルーメンを治し、保持する
機能を完全に満たすこと、 ｂ 信頼でき単純な分配制御システムを有すること、 ｃ ３から５０ｍｍの範囲の幅を有すること、 ｄ 器官の組織と生物学的に適合できるものであるこ
と、 ｅ 血管および中空器官の異なる解剖学的場所で用いる
ことができること、 ｆ 手術中あるいはその後最小の痛み（損傷）しか与え
ないこと、 ｇ 外部からの圧縮力に対し対抗できる程度充分な剛性
構造を有すること。

【０００５】器官の組織と適合できる装置を製造する試
みや、ソ連特許第１２３７２０１号に開示されている。
血管あるいは中空器官のルーメンを保持する公知の装置
は、管状ボディを有するワイヤフレームからなる。この
フレームは、円あるいは矩形の断面を有するワイヤ要素
により形成され、そして円筒形に螺旋状に巻かれてい
る。このフレームは、螺旋形にまかれた円筒状スプリン
グの形状を有し、血管あるいは中空器官内に配置される
ようそれを素子に固定する固定要素を具備している。こ
の固定要素はループの形態で形成され、その１つはワイ
ヤ要素の開始点で形成され、他端はその終端でもって形
成されている。上記の装置を血管あるいは中空器官内に
分配する装置は、Ｘ線反射性チューブと、より小径の別
のＸ線反射性チューブからなる導入管を有し、その表面
上にこの装置が固着要素でもって固定される。このフレ
ームワイヤの材料は、チタンニッケル系合金でこれは器
官の組織と生物学的に適合性がある。

【０００６】前掲のソ連特許の装置は、その使用に際し
ては信頼性がある。その直径が最大８ｍｍであるような
前掲の特許に開示された装置を血管あるいは中空器官内
で用いることは便利である。この直径８ｍｍという条件
は、８％により制限されたフレーム材料の最大歪（形状
記憶効果のいわゆる歪制限）と装置がその中に導入され
る血管内の穴を最小にする要件により決まるものであ
る。さらにこの装置は、ある制限された外部圧縮力にの
み耐えられるものである。

【０００７】直径が８ｍｍを超えるような血管あるいは
中空器官内で、フレーム材料の究極歪を超えることなく
公知の装置を使用することは、ワイヤフレーム要素の厚
さを減少させることになり、これによりフレームの剛性
が失われる。別の方法としては、貫通ホールの直径を増
加させることが必要であり、これは脈管とあるいは中空
器官壁に対し、耐え難い苦痛を引き起こすことになる。
血管あるいは中空器官のルーメンを保持する上記の構成
の装置は、その直径が８ｍｍ以下の血管あるいは中空器
官にのみ用いることができ、これではその適応範囲が極
めて限られたものになってしまう。

【０００８】上記の装置により血管あるいは中空器官の
ルーメンを治療し、保持する機能を実行するには、アテ
ローム性動脈硬化パッチの出現を防止し、閉塞を阻止す
るような最小リードのワイヤフレームコイル製の装置が
必要となる。しかし、コイル間が最小のリードとなるよ
うなフレームを形成することは、血管あるいは中空器官
内での剛性が失われることになる。その結果、外部から
の圧縮力が血管内におけるフレームの装置を変形させ、
即ちフレームの長さ方向の軸が血管の軸に対し、傾斜し
て配置されるかあるいはコイル間のリードが増加するこ
とになる。第１と第２の両方の場合とも、このフレーム
は機能しなくなり、血管あるいは中空器官のルーメンは
その内径が減少することになる。

【０００９】上述したようにこのフレームには、先端部
と後端部に固定要素が具備されている。この固定要素
は、フレームルーメンの部分的なオーバラップが発生す
るように、フレームの軸に対し直交する面に配置された
ループ形状で形成される。その結果、血流内に乱流が形
成され、アテローム性動脈硬化のような様々な合併症が
現れ易くなる。

【００１０】上記のフレームを分配する装置は、問題の
領域にフレームを導入するプロセスにおいては、プロセ
スの際には充分な信頼性があるが、このような装置の助
けを借りてフレームを配置した後、固定ループの１つが
解放される。このフレームは、この瞬間までは小さく畳
まれた状態であるが、解放されその固定点においてコイ
ルの方向に対向する方向にコイルが戻されることになり
初期の形状をとることになる。コイルが巻き戻されるプ
ロセスにおいては、これは制御不可能であり管状あるい
は中空器官の壁に対する損傷が発生し、これは手術の結
果に対し好ましくない影響を及ぼす。さらにフレーム
は、血管内の任意の場所を占有し、これは外科医により
制御不可能である。

【００１１】上述したフレームは、螺旋状に巻かれた円
筒状のスプリングの形状をしている。フレーム軸に直交
しコイル表面を貫通する面で、フレームの断面を検査す
ると、その面内に配置されたフレームコイルは破損部を
有し、半径方向に掛かる力の元ではフレームの剛性を減
少させてしまう。

【００１２】血管あるいは中空器官のルーメンを保持す
る他の装置は、（Ann Radiol, 1988, 31, n.2, 100-10
3）の文献で公知であり、展開した状態では鋸の歯のラ
インとなるようなワイヤ要素によって形成された管状の
ワイヤフレームである。フレームの剛性の変化を許容す
るために、フレームはカプロン糸でもって上部に固定さ
れている。

【００１３】ワイヤ要素のブランチは、管状フレームの
縦方向軸に沿って配置され、これにより血管あるいは中
空器官の治療場所にフレームを配置し、設置する際にフ
レームの直線方向の寸法が一定となる。脈管あるいは中
空器官壁内にフレームを固定するためには、フック形状
の固定要素が準備される。

【００１４】ここに開示した構成においては、その究極
弾性歪が１０％となるような材料が使用される。この分
配システムは、ピストンとロッドからなるプッシャーを
収納するＸ線コントラスト（Ｘ線で浮かび上がる）チュ
ーブからなる。分配するためにこの装置は、Ｘ線コント
ラストチューブ内に配置され、外科医がピストンに力を
加えることによりロッドが装置と相互作用する。

【００１５】上述の装置は、静脈の治療部分のルーメン
を保持するような様々なアプリケーションを有し、特に
アテローゼ性の動脈硬化プロセスが発生しない。動脈中
でこの装置を使用することは難しい。その理由は、ワイ
ヤ要素間の長い距離は、アテローゼ性動脈硬化パッチを
出現させ、その結果この装置を有効に利用できないから
である。

【００１６】後者の公知の装置は、その直径が１５−３
０ｍｍの静脈の治療部分のルーメンを保持するために用
いられる。この場合大きな直径のワイヤを用いて必要な
剛性をこの構造物に付加することができる。この装置が
３−１５ｍｍの直径を有するより小さな血管あるいは中
空器官内で用いられる場合には、そのワイヤの直径を減
少させる必要がある。しかし、この直径を減少させる
と、ルーメンを保持する有効な手段を提供できない。

【００１７】管状フレームボディ内の周辺方向のワイヤ
ブランチの構成により、ある種の構造体は安定化し、軸
方向に高い剛性を有し、それにより血管の形状の完全な
適合が得られず、血管あるいは中空器官の壁を損傷する
ことがある。

【００１８】上記の装置をカーブしたパスに沿って治療
領域に分配する必要がある場合には、フレームワイヤ要
素の弾性変形が組成変形に変わり、その結果素子の形状
の回復不可能な変化となってしまう。かくして所定のフ
レームを治療場所に分配することは、直線状のパスに沿
ってのみ可能であり、これはフレームが用られる解剖領
域の場所の数を極めて制限してしまう。

【００１９】最初に述べた種類の装置は、ＥＰ−Ａ−２
２１５７０で公知である。この装置においては、各セル
の長軸は管状ボディの軸方向に配置され、短軸はその周
辺方向に配置される。セルを形成するワイヤ部分は、剛
性をもって相互接続される。

【００２０】上記装置の分配装置は、膨張可能なバルー
ンを有するＸ線コントラストチューブからなり、その外
側にはワイヤフレームが配置されている。このワイヤフ
レームをＸ線コントラストチューブ上に押しつけるため
に、その外部表面上にフレームを包囲するチューブが具
備される。このフレームを血管あるいは中空器官の治療
領域に配布するために、外部チューブが取り除かれバル
ーンが膨張し、その結果装置が脈管壁と相互作用すると
フレームは拡張し最終形態をとる。その後Ｘ線コントラ
ストチューブが血管から取り除かれフレームが治療領域
に配置される。

【００２１】その治療領域への分配と配置は、充分に信
頼性があり便利である。しかし、その交差部で、ワイヤ
要素を半田あるいは溶接あるいは溶解により剛性のジョ
イント部を使用することは、次の理由で信頼性がよくな
い。 ａ 半田付け領域による電気化学的プロセスの手順が、
結合部に損傷を引き起こし、フレームの剛性を失わせ、
その結果その機能を失わせる、 ｂ いわゆる溶接領域がもろい材料で形成されることに
より、この結合部の信頼性を失わせるからである。

【００２２】上記の装置は、３−８ｍｍの範囲内の血管
あるいは中空器官のルーメンを保持するのに用いること
ができる。上記の構造においては、その究極の弾性歪
は、１０％の材料が用いられる。この装置を湾曲したパ
スに沿って治療領域に分配する必要がある場合には、最
大弾性歪を超える危険性があり、その結果フレーム材料
の組成変形が引き起こされることになる。その結果ある
フレームの分配は、ほぼ直線上のパスに沿ってのみ可能
であり、これによりその使用が様々な手術場所での使用
の可能性が減少する。公知の装置は、軸方向に沿って大
きな剛性を有し、これにより装置が血管あるいは中空器
官をサポートし、外部の付加を変える際にその形状が変
化する場合に、装置の端部周辺の領域内の血管あるいは
中空器官の壁に損傷を与える。さらに半径方向の剛性が
制限されそれにより骨により囲まれてはいない血管ある
いは中空器官のみをサポートできる。

【００２３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、血管
あるいは中空器官のルーメンを保持する装置で、半径方
向には大きな剛性と軸方向には小さな剛性を有する管状
フレームを提供し、それにより外形が外部付加により変
化した際にも血管あるいは中空器官の内部を開いたまま
にするような装置を提供することである。

【００２４】

【課題を解決するための手段】本発明のプロテーゼ装置
は、フレキシブルな管状ボディの形態のワイヤフレーム
から形成されその展開状態においては、相互接続された
セルの複数の横方向の列でもって形成される。各セルは
ほぼＵ字型の断面を有し、長軸と短軸とを有する細長い
楕円あるいは矩形を形成する。隣接する横方向のセル
は、長軸方向に互いに楕円あるいは矩形の長軸の半分だ
けシフトし、短軸方向には互いに楕円あるいは矩形の小
軸だけシフトする。この装置の特徴は、楕円あるいは矩
形の長軸は、管状体の周辺方向に向いており、小軸はそ
の軸方向に平行でその結果フレームボディの軸方向に直
交する面において１つの横方向のＵ字型のワイヤ部分の
ブランチの１つは、互いに閉鎖したリンク形状を形成す
る。

【００２５】楕円あるいは矩形の長軸が周辺方向に向く
ようにセルを構成配置することにより、装置は軸方向に
対し大きなフレキシビリティを有し、これにより装置
が、曲げが極めて部分的である場合でさえも血管あるい
は中空器官と同時に曲げ易くなる。その理由は、Ｕ字型
の長いブランチは軸方向に容易に変形するからである。
さらにこの装置は、局部的な半径方向の圧縮に対して
は、極めて剛性があるがその理由は、各横方向の並びの
セルのＵ字型のブランチは、その面に対して高い剛性を
有する周辺リングを形成するからである。装置の軸方向
のフレキシビリティは、血管の局部的変形がセルの圧力
により影響される列内で吸収されるので軸方向に長くな
るようなことはない。これにより装置は、血管あるいは
中空器官の周囲支持壁に対し固定され、その結果損傷が
回避される。外部からの圧縮力が働く元では、このリン
グ形状にはほぼ均一に負荷が加わる。この装置の軸方向
の剛性はある程度は、フレームワイヤの断面積を変化さ
せることにより必要に応じて調整できる。フレーム内の
セルの数を変化させることにより、フレームの最適の軸
方向剛性が選択でき、その結果血管あるいは中空器官の
壁は、最小の損傷となる。

【００２６】この実施例においては、１つの列内の隣接
するセルは、Ｕ字型のワイヤ部分の軸方向に延びた部分
で、フレキシブルな方法で相互接続されている。このフ
レキシブルな相互接続により、最初に負荷が取られたセ
ルの形状の大きな変形は、ワイヤそのものの大きな変形
を伴うことなく行われ、その理由はワイヤの部分は互い
にリジッドに固定されていないからである。

【００２７】この装置が導入される際には、管状フレー
ムの一端が互いに引かれ、フレームの直径は、フレーム
が挿入をカテーテル内に導入されるようになるまで小さ
くなる。このフレームを長くする間、セルの変形の主要
部分はワイヤ部分の長さ方向のブランチで発生する。そ
してＵ字型ワイヤ部分の軸方向に延びた部分は、わずか
に変形するだけでその結果全体のＵ字型のワイヤ部分に
均一に負荷が掛かる。したがって、管状フレームの直径
は、ワイヤ材料の弾性歪の制限を超えることなく挿入中
極端に小さくなる。これにより本発明の装置を様々なサ
イズで使用でき、このワイヤが例えステンレス製であっ
ても患者の小さな穴から挿入することができるようにな
る。

【００２８】フレキシブルな相互接続は、互いの周囲に
軸方向に延びる部分を巻回することにより達成でき、さ
らに好ましくはその結果１つのワイヤ部分が関連するワ
イヤ部分の上に１回転だけ巻回される。Ｕ字型ワイヤ部
分の変形の間、このワイヤリングは離れて移動しおよび
／または開口してワイヤの中の歪を減少させる。この巻
回されたワイヤ部分は、一種のヒンジ結合で機能し、セ
ル内の２つのＵ字型ワイヤ部分はフレームに半径方向の
負荷が掛かった場合には互いにスイベル運動をする。こ
の巻回されたフレキシブルな相互接続は、さらに利点即
ちカテーテル内にフレームを挿入する前にフレームの軸
方向長さに対する別の手段として、管状フレームは２つ
のフレーム端部を反対方向に曲げることによりその縦軸
方向の周囲に捻ることができる。これにより巻回された
相互接続は、解放されフレームはその挿入が許される程
度の直径まで減少する。サポートされる部位の先端に配
置した後、フレームがカテーテルから押し出されると、
フレームは巻き戻されてフレームの軸方向の収縮なくし
て最初の直径に戻り、このことは非常に単純で血管ある
いは中空器官内に装置を正確に配置することができるよ
うになる。

【００２９】さらにまた本発明においては、その製造が
単純化されるために好ましいものであるがこの本発明の
装置は、各Ｕ字型のワイヤ部分は、２つの別個のワイヤ
から形成され、それらはセルの列を貫通して螺旋状に走
り、そして２つのワイヤが巻回され軸方向に延びた部分
で互いに一回転され、その軸方向に延びた部分で出会い
Ｕ字型の底部の足を形成する。

【００３０】本発明の装置は、形状記憶合金製のワイヤ
を有し、この形状記憶合金は、熱により活性化される形
状記憶特性を有し、好ましくはニッケルチタン合金であ
る。さらにまたこの形状記憶合金は、超弾性特性を示す
ものでもある。このような形状記憶合金は、非常に変形
可能でワイヤ内の剛性の喪失あるいは永久変形を導入す
ることなく所定の形状に戻る。この形状記憶合金製のワ
イヤフレームは、５０ｍｍのような負荷が掛からない状
態の直径に関係なく、挿入の間数ｍｍの直径にまで減少
させることができる。その結果このフレームは、１個の
小さな直径のカテーテルを介して患者の体内に導入でき
る。この超弾性合金は、挿入の間熱制御を回避できる点
で好ましい。そしてこの合金が変形されると、導入され
たマルテンサイト歪を示す。

【００３１】フレームの軸方向剛性および半径方向剛性
の変形例の可能性により半径方向剛性は、その標準のサ
イズ例えば３ｍｍの直径から５０ｍｍの直径に至るまで
の標準のサイズの範囲内で血管あるいは中空器官のルー
メンを保持する機能を満足し、そして血管あるいは中空
器官の様々な場所に適応できさらには曲がりくねったパ
ス通路に沿って導入することもできる。さらに本発明の
装置は、血栓の保持にも用いることができる。

【００３２】本発明のプロテーゼ装置は、時計方向ある
いは反時計方向のいずれかに巻回したフレキシブルな相
互接続装置として記載した。しかしまた同一方向に巻回
されたフレキシブルな相互接続を有するステントも、分
配カテーテルあるいはチューブの一端から取りだしたと
きには、ねじれ，螺旋状，ネジの動きあるいはコイルの
巻き戻しのような動きを示す。このコイルの巻き戻し動
作は、前述した通りであり、血管上に形成されたプラー
クあるいは他の材料が患者に発生する好ましくない傷の
生成と共に移動するという点では好ましいものではな
い。例えばこの傷は、塞栓症の形成となりその結果患者
を死に至らしめることもある。このような好ましくない
動きを除去あるいは最小にするために、ステントのフレ
キシブルに相互接続されたワイヤセグメントは、選択的
にステントに有効にカウンタバランスをさせるために反
対方向に巻回される。

【００３３】本発明の一実施例においては、各列内のセ
ルのフレキシブルに相互接続されたワイヤセグメント
は、全て同一方向に巻回され、隣接する列のセルのワイ
ヤセグメントは、全て反対方向に巻回される。これによ
り隣接する一対の列に沿って、フレキシブルに相互接続
されたワイヤセグメントにより形成されるモーメントを
バランスさせる。さらにまたこのようにしたワイヤセグ
メントの巻回は、最小の壁厚でもって均一の形状の血管
の壁を形成する。

【００３４】本発明の他の実施例においては、各セル内
のフレキシブルに相互接続されたワイヤセグメントは、
反対方向に巻回されセル内に形成されたモーメントのバ
ランスを取っている。その結果、各セル内の相互接続さ
れたワイヤセグメントと、ステントの列とは平衡してい
る。ステントの一端における隣接するループとステント
の他端における固定された隣接するワイヤとは、互いに
反対方向に巻回され、ステントを均衡させている。

【００３５】

【発明の実施の形態】図２において、本発明のプロテー
ゼ装置２０の円筒状表面が示されており、これは多数の
相互接続されたセル２から形成されている。この相互接
続セル２はブランチ３ａ，３ｂにより相互接続された２
つのＵ字状ワイヤ部分３から形成されて、楕円形状をし
てその長軸は、本体の円周方向に沿って延びその短軸
は、軸方向に平行である。後続の列のセル２は、その前
の列のセル２に関して周辺方向に長軸の半分だけずれて
いる。Ｕ字状ワイヤ部分３の各ブランチ３ａあるいは３
ｂは、最初の列と最後の列を除いて隣接する列の２つの
セル２に属する。長軸に直交する面で、１つの列のＵ字
状ワイヤ部分３の長いブランチを貫通する面のフレーム
１の断面においては、これらのブランチは閉鎖リング形
状４を形成し、この閉鎖リング形状４は、フレームに対
し半径方向に大きな剛性を提供し、セルはそれが半径方
向の負荷が掛かったときに軸方向に対し、わずかな変形
しか起こさないようになっている。このＵ字状ワイヤ部
分３は、図３に示すような円柱状の断面をしている。

【００３６】このワイヤは、チタンニッケル合金製で熱
あるいは応力のいずれかで活性化される形状記憶特性を
有する。このワイヤがこのような合金で作られており、
ワイヤの永久変形を起こさずに大きく変形可能な場合に
はワイヤフレーム１のセル２はＵ字型ワイヤ部分のポッ
プの部分でリジッドな結合部によって相互接続すること
ができる。別の方法としては、このＵ字型の部分は、小
さなリンク例えば糸によりフレキシブルに相互接続して
もよい。

【００３７】ここに示した装置は、大動脈のような血管
Ａ内に導入される。分配装置５は、プッシャー７とロッ
ド８を有する中空Ｘ線コントラストチューブ６から訂正
されている。このプッシャー７は、２つのストップ１０
を有する内部スペース９を有する。このプッシャー７
は、縦軸に沿って配置されたフォルダ１１と結合された
円筒状で半径方向に延びたピンの形状をしている。スト
ップ１０の両極端の点の間の距離は、プッシャー７の内
径に対応する。このフォルダ１１は、軸方向に移動でき
るように配置される。

【００３８】ワイヤフレーム１はフォルダ１１のストッ
プ１０に挿入された突起１２により固定される。ワイヤ
フレーム１に固定されたフォルダ１１は、ロッド８に固
定されている。このロッド８は、ワイヤフレーム１がそ
の長軸に沿って分配装置５内に導入されるのと同時に中
空Ｘ線コントラストチューブ６内に導入される。中空Ｘ
線コントラストチューブ６内に導入されるとワイヤフレ
ーム１を形成するＵ字状ワイヤ部分３は、直線に近似し
た形状となり、そのワイヤフレーム１の直径は数ｍｍに
減少する。中空Ｘ線コントラストチューブ６の先端はそ
の後開口部を介して血管Ａの治療領域に導入される。別
の方法としてワイヤフレーム１は、フォルダ１１をスト
ップ１０に固定された端部に対抗するワイヤフレーム１
の端部に対し、回転させることにより中空Ｘ線コントラ
ストチューブ６内に導入でき、その結果ワイヤフレーム
１は、小さな直径に減少して中空Ｘ線コントラストチュ
ーブ６内に導入される。

【００３９】分配装置５が血管あるいは中空器官内の位
地に配置されると、外科医はロッド８を介してワイヤフ
レーム１に対し作業しながらフレームから中空Ｘ線コン
トラストチューブ６を引き抜き、その結果装置のＵ字状
ワイヤ部分３は元の管状形状を取り戻す。

【００４０】このワイヤが熱で活性化される形状記憶合
金の場合には、血液の温度でもってワイヤを加熱し、素
子は最初の形状を採る。このワイヤが超弾性の場合に
は、中空Ｘ線コントラストチューブ６からの保持力が取
り除かれた場合に予めセットされた形状に戻る。

【００４１】閉鎖リング形状４を装置の軸に直交する面
に形成すると、最初のフレームの形状に戻る。この閉鎖
リング形状４は血管Ａの壁と相互作用をし、ルーメンを
一定の形状に保持してワイヤフレーム１の最大半径方向
剛性と最適軸方向剛性に起因してその形状を取り戻す。
本発明の装置の上記の構造上の特徴により、最小の開口
径でもって治療領域にこの装置を配置することができ
る。

【００４２】図６の実施例は、上記の実施例と類似の形
状のセル２を有するが、このセル２は別の方法で相互接
続されている。各Ｕ字型のワイヤ部分は、２つの異なる
ワイヤにより形成され、このワイヤは螺旋形状であるい
はセルとワイヤの列を介して螺旋状に走り、そしてワイ
ヤはそれらが底部部分即ちＵ字型の足部分を形成する軸
方向に延びたワイヤ部分で互いの間で一回転巻回され、
フレームの端部においてはワイヤのこれらの関連対は、
互いにワイヤを捻ることにより点ＢとＣで結合される。
このようにして結合されたループは、曲げられて隣接す
る外側セルを形成して、血管壁を傷つけないようにして
いる。このようにしてセルの間に形成された相互接続
は、極めてフレキシビリティがあり、ワイヤは互いに独
立しているのとは無関係に変形可能である。

【００４３】この装置が血管Ａ内に上記の方法と同様な
方法で導入される。

【００４４】血管のルーメンに対し、血管のルーメンの
直径を一定に保持し、その形状を保持あるいは回復させ
る本発明の装置は、ワイヤ間の移動可能な接合部のため
に持続性が向上する。

【００４５】上記の装置の生物学的適合性の解析と、肯
定的な予測の元でベンチテストを行うことが可能とな
る。この装置の機械的特性は、人間の動脈系の特別なモ
デルにおいて研究され、脈管系の様々な領域にそれを挿
入する手術の技術的予測が行われた。

【００４６】行ったベンチテストによれば、本発明の装
置は良好な品質を示し、動物をもとにした実験の研究発
表も可能となった。

【００４７】この実験は、１０匹の犬に対し行われ、そ
の内の３匹が痛みを伴う実験が行われ、残り７匹はその
動きが観測された。本発明の装置の注入が胸部大動脈，
腹部大動脈，腎臓，腰椎と大腿部の大動脈に挿入され
た。Ｘ線解析の間、本発明の装置は、最初に挿入された
場所から動かずに、またその形状は最初の形状を維持
し、血管の血栓症と狭窄の兆候は見いだされなかった。

【００４８】図７において、プロテーゼ装置２０は挿入
可能で自己拡張ステントであり、フレキシブルな管状シ
ース１３とフレキシブルな相互接続部１４を有する相互
接続セル２の複数の列２５とを有するワイヤフレーム１
を含む。このステントは、列を形成する４個のフレキシ
ブルに相互接続されたセルと、ステントの周辺に延びた
拡大図でもって示されている。各セルは、第１と第２の
ほぼＵ字形状のワイヤ部分３を有する。各Ｕ字状ワイヤ
部分３は、第１と第２のフレキシブルに相互接続された
ワイヤセグメント１５と１６とを有し、それらはワイヤ
フレームに沿ってかつ相互接続されたセルの列を介して
階段を上るように螺旋状に走っている。フレキシブルに
相互接続されたワイヤセグメントは、フレームの軸方向
拡張部分１７で互いにその周囲に巻回され、各セルのフ
レキシブルな相互接続とＵ字型のワイヤ部分とを形成す
る。ステントが中空Ｘ線コントラストチューブ６から血
管あるいは中空器官のルーメン内に解放された時に、プ
ロテーゼ装置即ちステントのコイルの巻き戻し問題に、
特に対処するために、フレキシブルな相互接続部１４即
ちセルの各Ｕ字型ワイヤ部分の第１と第２のフレキシブ
ルに相互接続されたワイヤセグメント１５，１６は、互
いに反対方向即ち反時計方向１８，時計方向１９の方向
に巻回される。ある列の各セルの互いに反対方向に巻回
されたフレキシブルな相互接続は、各セル内のフレキシ
ブルな相互接続に起因する捻りモーメントのみならず、
相互接続されたセルの列内で形成された捻りモーメント
も平衡させる。

【００４９】分配用チューブから解放された際に、ステ
ントの捻り運動あるいは巻き戻し運動を最小にするため
に、対２４内の第１と第２のワイヤセグメントは、ワイ
ヤフレームに沿って螺旋状に、かつ相互接続されたセル
を貫通して階段状に走る。この階段状の螺旋形状を図６
に示す。しかし、図７に戻って第１のワイヤセグメント
１５は反時計螺旋方向２２の方向に走り、一方第２のワ
イヤセグメント１６はその反対方向、即ち時計螺旋方向
２３の方向に走る。ここに示したように第１と第２のワ
イヤセグメント１５と１６は、対２４としてグループ分
けされる。その結果、反時計方向に螺旋状に走るワイヤ
セグメントの数は、時計方向に螺旋状に走るワイヤセグ
メントの数と同数であり、これにより互いにバランスが
採れる。さらにステントのバランスを採るために、ワイ
ヤセグメントの対は、図６のステント２０内に示す偶数
である。

【００５０】本発明のプロテーゼ装置、特にステント２
０は一端３２に偶数個のループ２８を有する。第１と第
２のワイヤセグメント１５，１６の対２４は、各ループ
から延びる。例えば、その中点のワイヤの別個のピース
は、円筒状のペグの周囲で折り曲げられてループ２８と
第１のワイヤセグメント１５，１６の対２４とを形成す
る。このワイヤセグメントは、半回転でかつ円筒状マン
ドレルの周囲に階段状にそして螺旋方向に巻回されてス
テントを形成する。この実施例においては、ステント２
０は４個のループを含み、そのうち２つの対向するルー
プは反時計方向１８の方向に、そして隣接する対向する
ループは時計方向１９の方向に巻回される。これはその
周囲に沿ってバランスを採るようにステントを維持する
ために行われる。ステントの対向端３３においては、第
１と第２ワイヤセグメント３４と３５の対３６は、共に
巻回されて半田／溶接ビーズ３８でもって互いに固定さ
れる。４巻回あるいは５巻回がステントの対向端３３で
行われ、その結果ワイヤセグメントのフレキシブルな相
互接続が、セルの最後の列の近傍で維持される。さらに
ワイヤセグメントの４巻回あるいは５巻回は、半田／溶
接ビーズ３８が形成された際にワイヤ材料の超弾性特性
あるいは形状記憶特性の劣化に起因するフレキシブルな
相互接続に対するバッファとして機能する。固定された
第１，第２ワイヤセグメント３４，３５の隣接する対
は、反時計方向１８，時計方向１９の方向に巻回され
る。

【００５１】前述したように、第１と第２のフレキシブ
ルに相互接続されたワイヤセグメントは、各Ｕ字型のセ
ルの側面方向に延びる部分で反対方向に巻回される。図
７のステント２０で示したように、ステントの側面方向
に延びるカラムを形成する。全てのフレキシブルな相互
接続は、各第２列毎に１巻回だけ巻かれる。

【００５２】図８は本発明の他の実施例を示す。この実
施例においては、プロテーゼ装置あるいはステント２０
は、フレキシブルな管状シース１３と相互接続セル２の
列２５とを有するワイヤフレーム１を有する。各セルは
第１と第２のＵ字状ワイヤ部分３を有し、各Ｕ字状ワイ
ヤ部分３は第１と第２のフレキシブルに相互接続された
ワイヤセグメント１５，１６とを有する。各フレキシブ
ルに相互接続されたワイヤセグメントは、階段状にワイ
ヤフレームに沿って螺旋状に、かつセルの相互接続され
た列を通して走る。このフレキシブルに相互接続された
ワイヤセグメントと各Ｕ字型のワイヤ部分とは、フレー
ムの軸方向に延びた軸方向拡張部分１７で互いに１回転
だけ巻回される。このＵ字型のワイヤセクションは、反
時計方向１８の方向に巻回され、一方他のワイヤセクシ
ョンは、反時計方向１８とは反対の時計方向１９の方向
に巻回される。図７のステント２０のセルとは異なり、
相互接続されたセルの例えば列２６内のＵ字型ワイヤセ
クションは、反時計方向１８に巻回される。この周囲方
向で各軸方向に列２６の平衡を採るために隣接する列２
７内の全てのＵ字型ワイヤセクションは、時計方向１９
に巻回される。

【００５３】ステントの半径方向の強度を最大にするた
めに、Ｕ字状ワイヤ部分３の長いブランチはステントの
長軸に直交する面に含まれる閉鎖リング形状４に形成す
る。このステントのワイヤは好ましくはニッケルチタン
合金製で、形状記憶特性あるいは超弾性特性を有するも
のとする。好ましくはニッケルチタン合金の転移温度
は、人間の通常の体温以下に選択し、これにより合金が
超電導特性を示すオーステナイト状態にあるようにす
る。通常円筒状のマンドレル周囲にステントが形成され
た後、ニッケルチタン合金製のステントの完全に展開し
た管状形状は、その転移温度より充分高い温度で公知の
方法で加熱される。ステントは、一旦加熱されると挿入
チューブあるいはカテーテル内に挿入されるよう延びき
り細長くなった後、その完全に展開した管状形状に戻ろ
うとする。しかし完全に展開した管状形状においては、
各Ｕ字型ワイヤセクションのブランチは、ステントの長
軸に直交する面内にあり、これによりステントに対し最
大の半径方向の強度を与える。各フレキシブルな相互接
続部１４は、ワイヤフレームの軸方向拡張部分１７に配
置され、ステントの直径が拡大したときあるいは縮小し
たときにフレキシブルなヒンジとして機能する。このフ
レキシブルなヒンジは、互いの上に１回転だけ、第１と
第２のワイヤセグメントを巻回することにより形成され
る。

【００５４】図７のステント２０は、一端３２に複数の
ループ２８を有し、各々のループ２８から第１と第２の
フレキシブルに相互接続されたワイヤセグメント１５と
１６の対２４が延びる。各ループはワイヤセグメント１
５，１６を一巻回３７の半分だけ巻回することにより形
成される。これによりセグメントのフレキシブルな相互
接続とステントの長さに沿って軸方向に延びるフレキシ
ブルな相互接続とを維持し、平衡を採ることができる。
この実施例において、ステントの５個のループは、反時
計方向１８の方向に巻回され、例えば隣接するループ２
９，３０は、ステントの周辺方向に反時計方向１８と時
計方向１９に巻回される。このような交互のループ巻回
方向は、ループあるいはフレキシブルなワイヤセグメン
トの対が偶数の場合には、特に好ましいものである。

【００５５】ステントの他の対向端３３では、第１と第
２ワイヤセグメント３４と３５は互いに例えば公知の半
田／溶接ビーズ３８により固着される。この実施例にお
いては、固定されたワイヤセグメントは、全て反時計方
向１８で巻回される。偶数の対が互いに反対の反時計方
向と時計方向に巻回されてステントのバランスを採って
いる。

【００５６】ある列のＵ字型ワイヤセクションのフレキ
シブルに相互接続されたワイヤセグメントは、全て同一
方向に巻回され、ここで隣接する列のＵ字型ワイヤセグ
メントは、反対方向に巻回される。これにより隣接する
列の対の軸方向に沿ってフレキシブルに相互接続された
ワイヤセグメントのバランスが提供できる。このワイヤ
セグメントは、各列においては、平衡が採れていない
が、長さ方向に沿ってステントの壁の厚さは、薄く均一
でありかくしてこの形状が好ましいことになる。

【００５７】本発明の変形例としては、ステントのフレ
キシブルな相互接続は、時計方向あるいは反時計方向の
いずれかでどのような数でも実行できる。最低限、１つ
のフレキシブル相互接続がある方向に巻回され、残りの
相互接続が反対方向に巻回される必要がある。反対方向
のフレキシブルな相互接続の数は、外科医が受け入れ可
能なステントの捻り量によってのみ制限される。しか
し、この捻り量は血管の壁を傷つけるリスクを減少する
ために、最小限にしなければならない。この捻り（twis
ting, corkscrewing, spiraling, uncoilingこれらを総
称して捻りと称する）は、血管を損傷する可能性がある
からである。

【００５８】ワイヤチューブの軸方向に沿ってワイヤセ
グメントが移動する様々な方法がある。第１のワイヤセ
グメント１５は、セグメントの１つの部分の下方に行
き、他側は、上方に行き第２のワイヤセグメント１６を
形成し、かくしてこのセグメントは軸方向拡張部分１７
でそれらの間の相互接続される隣接するセルを形成す
る。

【００５９】上記の螺旋形成もまた可能である。しか
し、この場合セグメントの動きは軸方向である。

【００６０】管状ステントは、１本のワイヤ対からのワ
イヤセグメントあるいは複数のワイヤセグメントからも
形成できる。

【００６１】ステントが１本のワイヤから形成される場
合には、複数のセルの各々の１つの側は一列に形成さ
れ、各セルの端部で内側に延びる。その後セルは下側に
延びて複数の各セルの他側を前記列に形成し、再び各セ
ルの一端で内側に延びる。この内側に延びた部分は、互
いにフレキシブルにインターロックしてセルの端部同志
をフレキシブルに相互接続する。

【００６２】その後１本のワイヤがセルの第１列と第２
列に延び、第１列と同様にこれらのセルを形成する。１
列からのステントに沿ってワイヤが終端列に螺旋状の動
きを形成するが他の実施例からではこれは困難である。

【００６３】この１本のワイヤから形成される実施例
は、他の実施例と同様な方法あるいは同様な特性を有す
るよう形成することもできる。

【００６４】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、血管
あるいは中空器官のルーメンを保持し、半径方向には大
きな剛性と軸方向には小さな剛性を有する管状フレーム
を提供し、それにより外形が外部付加により変化した際
にも血管あるいは中空器官の内部を開いたままにするよ
うな埋め込み可能なプロテーゼ装置を提供する。本発明
のプロテーゼ装置は、フレキシブルな管状ボディの形態
のワイヤフレームから形成されその展開状態において
は、相互接続されたセルの複数の横方向の列でもって形
成される。各セルはほぼＵ字型の断面を有し、長軸と短
軸とを有する細長い楕円あるいは矩形を形成する。この
装置の特徴は、楕円あるいは矩形の長軸は、管状体の周
辺方向に向いており、小軸はその軸方向に平行でその結
果フレームボディの軸方向に直交する面において１つの
横方向のＵ字型のワイヤ部分のブランチの１つは、互い
に閉鎖したリンク形状を形成する。

【図面の簡単な説明】

【図１】血管あるいは中空器官のルーメンを保持するた
めの本発明の装置を表す斜視図

【図２】フレーム表面の拡大展開図

【図３】図１の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿った断面図

【図４】本発明のフレームを有する本発明の分配装置の
軸方向断面図

【図５】本発明のフレームを有する本発明の分配装置の
軸方向斜視図

【図６】本発明の第２の実施例によるフレーム表面の部
分の拡大展開図

【図７】本発明の第３の実施例によるフレームの斜視図

【図８】本発明の第４の実施例によるフレームの斜視図

【符号の説明】

１ ワイヤフレーム ２ 相互接続セル ３ Ｕ字状ワイヤ部分 ３ａ，３ｂ ブランチ ４ 閉鎖リング形状 ５ 分配装置 ６ 中空Ｘ線コントラストチューブ ７ プッシャー ８ ロッド ９ 内部スペース １０ ストップ １１ フォルダ １２ 突起 １３ フレキシブルな管状シース １４ フレキシブルな相互接続部 １５ 第１のフレキシブルに相互接続されたワイヤセグ
メント １６ 第２のフレキシブルに相互接続されたワイヤセグ
メント １７ 軸方向拡張部分 １８ 反時計方向 １９ 時計方向 ２０ プロテーゼ装置，ステント ２２ 反時計螺旋方向 ２３ 時計螺旋方向 ２４，３６ 対 ２５，２６，２７ 列 ２８，２９，３０ ループ ３１，３７ 一巻回 ３２ 一端 ３３ 対向端 ３４ 第１ワイヤセグメント ３５ 第２ワイヤセグメント ３８ 半田／溶接ビーズ Ａ 血管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アレクサンダー ピー．コルショク ロシア 140070 モスクワ モスコフスカ ジャ オブラスト ルベレズキジュ ライ オン（トミリノ） ポテチナ ユーエル 15 ケーエフ 30 (72)発明者 アノドレヤ エー．カドニコフ ロシア 143980 モスクワ モスコフスカ ジャ オブラスト ゼレシュドロシニジュ ノヴァヤ ユーエル 37 ケーエフ 49 (72)発明者 パレ ハンセン デンマーク ロスキルデ 4000 ロスキル デバンゲ 37 エスティ ティエフ (72)発明者 ベス アン カーツ アメリカ合衆国 47403 インディアナ ブルーミントン オークリーフドライブ 3752

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 患者の血管あるいは中空ルーメンを保持
   するプロテーゼ医療装置において、 管状形状を有し複数のフレキシブルに相互接続されたワ
   イヤセルから形成されたワイヤフレームを有し、 前記複数の相互接続は、フレームの軸方向に延びる第１
   方向に巻回されたワイヤセグメントを有し、 前記ワイヤは、前記セルの長軸方向に沿って延びる他の
   セグメントを有することを特徴とするプロテーゼ医療装
   置。
2. 【請求項２】 前記他のセグメントは、ある列内のセル
   の１つの側面に沿って延び、そしてそのセルの他の側面
   にその後沿って延び、 前記列は、１本のワイヤにより形成されることを特徴と
   する請求項１の装置。
3. 【請求項３】 前記第１のセグメントと他のセグメント
   は互いに反対方向に巻回されることを特徴とする請求項
   １の装置。
4. 【請求項４】 血管あるいは中空ルーメンを保持するプ
   ロテーゼ装置において、 管状形状を有し、複数のフレキシブルに相互接続された
   セルを有するワイヤフレームと、 前記フレキシブルの各相互接続は、前記ワイヤフレーム
   の軸方向に互いに巻回される第１のワイヤセグメントと
   第２のワイヤセグメントを有し、 前記第１と第２のワイヤセグメントは、ワイヤフレーム
   に沿って軸方向に走り相互接続セルを形成し、 フレキシブルな相互接続の少なくとも１つの第１と第２
   のワイヤセグメントの少なくとも１つは第１方向に巻回
   され、他のフレキシブルな相互接続の第１と第２のワイ
   ヤセグメントの少なくとも一方は、前記第１方向と反対
   方向の第２方向に巻回されることを特徴とするプロテー
   ゼ医療装置。
5. 【請求項５】 患者の血管あるいは中空ルーメンを保持
   するプロテーゼ医療装置において、 管状形状と相互接続されたセルの列とを有するワイヤフ
   レームと、 ワイヤフレームを有し、セルの少なくとも１つは、第１
   と第２のＵ字状のワイヤセクションを有し、 前記Ｕ字型のワイヤセクションは、第１と第２のフレキ
   シブルに相互接続されたワイヤセグメントを有し、 それらの各々は、ワイヤフレームに沿って螺旋状に走
   り、相互接続されたセルの列を形成し、 Ｕ字形状のワイヤセクションの前記第１と第２のフレキ
   シブルに相互接続されたワイヤセグメントは、フレーム
   の軸方向に互いに巻回され、 Ｕ字形状のワイヤセクションの前記第１と第２のフレキ
   シブルに相互接続されたワイヤセグメントは、第１方向
   に巻回され、他のＵ字状のワイヤセクションの前記第１
   と第２のフレキシブルに相互接続されたワイヤセグメン
   トは、第１方向とは反対の第２方向に巻回されることを
   特徴とするプロテーゼ医療装置。
6. 【請求項６】 第１方向にフレキシブルに相互接続され
   た巻回は、第２方向に巻回されたフレキシブルな相互接
   続と１／２巻回あるいは１巻回だけ等しいことを特徴と
   する請求項４または５の装置。
7. 【請求項７】 前記第１と第２のワイヤセグメントは、
   螺旋状に延びてセルを形成することを特徴とする請求項
   １，４，５のいずれかの装置。
8. 【請求項８】 前記第１と第２のワイヤセグメントの１
   つは、第１の螺旋方向に延び、 前記他のワイヤセグメントは前記第１の螺旋方向とは反
   対の第２の螺旋方向に延びることを特徴とする請求項４
   または５の装置。
9. 【請求項９】 前記第１と第２のワイヤセグメントは、
   偶数の対を含むことを特徴とする請求項４または５の装
   置。
10. 【請求項１０】 前記第１と第２のワイヤセグメント
    は、超弾性材料製あるいは形状記憶材料製あるいはニッ
    ケルチタン合金製であることを特徴とする請求項４また
    は５の装置。
11. 【請求項１１】 前記ワイヤフレームは、その一端に複
    数のループを有し、その各ループから一対の第１と第２
    のフレキシブルに相互接続されたワイヤセグメントを延
    ばすことを特徴とする請求項５の装置。
12. 【請求項１２】 前記各ループから延びた第１と第２の
    フレキシブルに相互接続されたワイヤセグメントは、全
    て同一方向に巻回され、隣接するループは反対方向に巻
    回されることを特徴とする請求項１１の装置。
13. 【請求項１３】 前記ワイヤフレームは、互いに固定さ
    れた第１と第２のフレキシブルに相互接続されたワイヤ
    セグメントを有し、 あるいはワイヤフレームの他端に互いに固定された、第
    １と第２のフレキシブルに相互接続されたワイヤセグメ
    ントはある方向に巻回され、あるいは互いに固定された
    フレキシブルに相互接続されたワイヤセグメントの隣接
    する一方は、ワイヤフレームの他端において反対方向に
    巻回されることを特徴とする請求項４，５，１０のいず
    れかの装置。
14. 【請求項１４】 ワイヤフレームの軸方向に直交する面
    上において、Ｕ字型ワイヤセクションのブランチは、閉
    鎖リング形状を形成することを特徴とする請求項５ある
    いはいずれかの装置。