JPH0997620A - 溶融炭酸塩型燃料電池および溶融炭酸塩型燃料電池電解質板用保持材の製造方法 - Google Patents

溶融炭酸塩型燃料電池および溶融炭酸塩型燃料電池電解質板用保持材の製造方法

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JPH0997620A
JPH0997620A JP7255909A JP25590995A JPH0997620A JP H0997620 A JPH0997620 A JP H0997620A JP 7255909 A JP7255909 A JP 7255909A JP 25590995 A JP25590995 A JP 25590995A JP H0997620 A JPH0997620 A JP H0997620A
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lithium aluminate
fuel cell
molten carbonate
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Morohiro Tomimatsu
師浩 富松
Hideyuki Ozu
秀行 大図
Yoshihiro Akasaka
芳浩 赤坂
Kazuaki Nakagawa
和明 中川
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電解質板からの電解質の流出を低減して、長寿
命の溶融炭酸塩型燃料電池を提供しようとするものであ
る。 【解決手段】本発明は、保持材および補強材を含む多孔
質体に含浸させた電解質板を備えた溶融炭酸塩型燃料電
池において、保持材はα−リチウムアルミネートを主体
としてなり、かつ粉末X線回折におけるα−LiAlO
2 の(104)ピークの半値幅が0.60°以下であること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融炭酸塩型燃料
電池および溶融炭酸塩型燃料電池電解質板用保持材の製
造方法に関し、とくに導電性を有する一対の電極間に挟
まれて配置される電解質板を改良した溶融炭酸塩型燃料
電池および前記電解質板用保持材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池の基本構造を図1
に示す。導電性を示す一対の電極であるアノード1およ
びカソード2間にはアルカリ炭酸塩からなる電解質を保
持した電解質板3が挟み込まれている。この電解質板3
を高温下で溶融させ、アノード1にハウジング4aの供
給口6を通じて燃料ガス(H2 、CO2 )を、カソード
2にハウジング4bの供給口8を通じて酸化剤ガス(空
気、CO2 )を各々供給し、アノード1で下記(1)式
の反応を、カソード2で下記(2)式の反応を起こさせ
て運転するものである。
【0003】 H2 +CO3 2- →H2 O+CO2 +2e- (1) 1/2 O2 +CO2 + 2e- →CO3 2- (2) 上記溶融炭酸塩型燃料電池に使用される電解質板は、基
本的には混合アルカリ炭酸塩からなる電解質と、高温運
転時に液体となる前記電解質の流出を防止するための保
持材と、昇温時の割れ発生を防止するための補強材から
構成されている。混合アルカリ炭酸塩はLi2 CO3
2 CO3 およびNa2 CO3 の3種のうちの2種また
は3種の混合塩の形で使用される。保持材としては粒径
が0.05〜2.0 μmのγ−リチウムアルミネートからなる
微粉末が、補強材としては粒径10〜100 μmのリチウム
アルミネートが使用される。
【0004】前記電解質板は、炭酸イオン(CO3 2-
の移動を媒体とするだけでなく、アノード及びカソード
間の反応ガスの直接混合(ガスクロスオーバー)を阻止
するためのガス透過障壁層としても機能する。こうした
機能を果たすには、電解質板中に電解質が十分に保持さ
れていることが必要である。電解質の流出(電解質ロ
ス)は、内部抵抗の増大を招くばかりか、ガスクロスオ
ーバーの発生原因となる。
【0005】このような要請に基づき、現在、適切な微
細構造を持つ多孔質体を得る方法として、あらかじめ前
記保持材及び補強材で多孔質体を形成した後、該多孔質
体に混合アルカリ炭酸塩からなる電解質を含浸させるマ
トリクス法が広く用いられている。
【0006】しかしながら長時間の燃料電池の運転によ
って、保持材であるγ−リチウムアルミネートはα−リ
チウムアルミネートに相変化し、それに伴う保持材粒子
の凝集や粒成長によりマトリクスの微細構造が変化して
電解質板の粗孔化が生じ、それに伴い電解質ロスが生
じ、十分な寿命特性が得られないという不都合があっ
た。
【0007】このような事から、特開昭63-294668 号公
報には保持材として平均粒径0.1 μmのα−リチウムア
ルミネートを主成分とするリチウムアルミネートを用い
る方法が開示されている。
【0008】しかしながら、このようなα−リチウムア
ルミネートを主成分とする保持材を使用した電解質板で
あっても、マトリクスの構造変化の原因となる保持材粒
子の凝集や粒成長は依然として生じている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の溶融炭酸塩型燃料電池においては電解質板における多
孔質体中の保持材粒子の凝集や粒成長により多孔質体の
微細構造が変化して、電解質ロスが生じ、十分な寿命特
性が得られないという問題があった。
【0010】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、電解質板からの電解質の流出を低減
して、電解質の流出にともなう内部抵抗の増大、ガスク
ロスオーバーの発生を抑制し得る長寿命の溶融炭酸塩型
燃料電池を提供しようとするものである。また、本発明
は電解質板の長時間の使用にあっても粒成長の生じにく
い溶融炭酸塩型燃料電池電解質板用保持材の製造方法を
提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、電解質板
のマトリクスの構造変化の原因について鋭意研究した結
果、保持材に用いられているα−リチウムアルミネート
の結晶構造が保持材粒子の凝集や粒成長に影響を及ぼす
ことを見出した。
【0012】本発明は上記の知見に基づいてなされたも
のであって、燃料極と、酸化剤極と、燃料極と酸化剤極
との間に挟持されアルカリ炭酸塩からなる電解質を保持
材及び補強材を含む多孔体に含浸させた電解質板を備え
た溶融炭酸塩型燃料電池において、保持材はα−リチウ
ムアルミネートを主体としてなり、保持材のX線回折に
おけるα−LiAlO2 の(104)ピークの半値幅が
0.60°以下であることを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電
池である。
【0013】また、本発明は比表面積20m2 /g以上の
α−リチウムアルミネート粉末を700 ℃〜800 ℃の溶融
炭酸塩中で粒成長せしめた後、炭酸塩を除去することを
特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池電解質板用保持材の製
造方法である。
【0014】また、本発明は比表面積100 m2 /g以上
のアルミナ粉末と炭酸リチウムを含む炭酸塩の混合物を
熱処理してリチウムアルミネートを生成せしめ、さらに
700℃〜800 ℃溶融炭酸塩中でリチウムアルミネートを
粒成長させ、その後炭酸塩を除去することを特徴とする
溶融炭酸塩型燃料電池電解質板用保持材の製造方法であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関わる溶融炭酸塩
型燃料電池の一例を図2、図3を参照して詳細に説明す
る。本発明の溶融炭酸塩燃料電池は、アノード(燃料
極)11、カソード(空気極)12及びこれらアノード
11、カソード12間に配置され、電解質を保持した電
解質板13を備えている。これらアノード11、カソー
ド12及び電解質板13を単位セルとし、複数の単位セ
ルがセパレータ14を挟んで積層されている。前記電解
質板13上面に配置された前記アノード11の対向する
一対の縁部は、前記電解質板の縁部から所望距離隔てて
内側に位置し、かつ前記アノード11が存在しない前記
電解質板13の両縁部と前記セパレータ14の間にはエ
ッジシール板15aが配置されている。前記電解質板1
3下面に配置された前記カソード12の前記エッジシー
ル板15aと直交する一対の縁部は、前記電解質板13
の縁部から所望距離隔てて内側に位置し、かつ前記カソ
ード12が存在しない前記電解質板13の両縁部と前記
セパレータ14の間には、エッジシール板15bが配置
されている。前記アノード11、セパレータ14及びエ
ッジシール板15aで区画された空間(燃料ガス流通空
間)には、集電板としての導電性を有する孔あき板16
a、波板17aが前記アノード11側から順次積層され
ている。前記カソード12、セパレータ14及びエッジ
シール板15bで区画された空間(酸化剤ガス流通空
間)には、集電板としての導電性を有する孔あき板16
b、波板17bが前記カソード側から順次積層されてい
る。このような複数の単位セルがセパレータ14を挟ん
で積層されたスタック発電要素の4つの側面には、枠状
のフランジ18を有するマニホールド19がそれぞれ配
置されている。また、前記スタック発電要素の4つの側
面と前記マニホールド19のフランジ18の間にはそれ
ぞれ枠状のマニホールドシール板20が介在されてい
る。前記燃料ガス流通空間が表出する前記発電要素の側
面に対応するマニホールド(図示せず)には、燃料ガス
21を供給するための供給管22が取り付けられてい
る。この供給管22と反対側のマニホールド19には、
ガス排出管23が取り付けられている。また、前記酸化
剤ガス流通区間が表出する前記発電要素の側面に対応す
るマニホールド(図示せず)には、酸化剤ガス24を供
給するための供給管25が取り付けられている。この供
給管25と反対側のマニホールド19には、ガス排出管
26が取り付けられている。
【0016】アノード11、カソード12は、たとえば
ニッケルまたはニッケルベースアロイの多孔質焼結体か
ら形成される。セパレータ14、エッジシール15a、
15b、孔あき板16a、16b及び波板17a、17
bは、たとえばステンレス鋼から形成される。
【0017】前記燃料ガス21としては、たとえば水素
(H2 )と二酸化炭素(CO2 )との混合ガスなどを使
用できる。前記電解質板13は、保持材及び補強材から
なる気孔率40〜65%の多孔質体にアルカリ炭酸塩を溶融
状態で含浸した構成になっている。
【0018】前記電解質であるアルカリ炭酸塩として
は、たとえば炭酸リチウム(Li2 CO3 )、炭酸カリ
ウム(K2 CO3 )、炭酸ナトリウム(Na2 CO3
の混合物、あるいはLi2 CO3 とK2 CO3 の混合
物、Li2 CO3 とNa2 CO3の混合物、Li2 CO3
とK2 CO3 とNa2 CO3 の混合物などを挙げるこ
とができる。また、さらにこれらのアルカリ炭酸塩ある
いは混合アルカリ炭酸塩にアルカリ土類金属炭酸塩を添
加してもよい。
【0019】前記電解質板13を構成する補強材は、材
料としては、リチウムアルミネート、アルミナ、リチウ
ムジルコネートの少なくとも一種からなる平均粒径10〜
100μmの粒子や、平均径1 〜10μm 、平均長さ0.1 〜3
mm の繊維など従来補強材として用いられているものが
使用できる。補強粒子を混合する理由は、セルの昇温時
におけるクラック発生を防止することができるからであ
る。
【0020】前記電解質板13を構成する保持材とは、
平均粒径0.05μm 〜2.0 μmの粉末であるが、本発明に
あってはα−リチウムアルミネートを主体とする粉末を
用いる。これは溶融炭酸塩型燃料電池の運転条件である
600 ℃〜700 ℃、CO2 10%〜30%の雰囲気において、
溶融炭酸塩中のリチウムアルミネートはα相が安定であ
るためである。なお、電解質板を構成する保持材の少な
くとも90wt% 以上はα−リチウムアルミネートであるこ
とが必要とされ、95wt% 以上の結晶形がα−リチウムア
ルミネートであることがより好ましい。残部はほぼγ−
リチウムアルミネートとなるが、γ型等の異結晶形が多
くなると、それが相変化に伴う粒子の凝集・粒成長の中
心となり、多孔質体の微細構造の変化が加速されるから
である。また、本発明に係る保持材は、粉末X線回折に
おけるα−LiAlO2 の(104)ピークの半値幅が
0.60°以下の粉末を用いる。α−LiAlO2 の(10
4)ピークの半値幅が0.45°以下であるものがより好ま
しい。α−LiAlO2 の(104)ピークの半値幅が
0.60°を越えると燃料電池運転中に溶融塩中に存在する
α−リチウムアルミネート結晶が不安定となり溶解、再
析出を介した凝集や粒成長、あるいはγ−リチウムアル
ミネートへの相変化が生じやすく、その結果、多孔質体
の微細構造が変化してしまい、電解質ロスが生じやすく
なる。なお、本発明における粉末X線回折はCuのKα
1線(波長1.54056 オングストローム)により測定した
ものである。
【0021】前記保持材としては、平均粒径が0.2 μm
以上0.6 μm以下の粉末が用いられることが好ましい。
平均粒径が0.2 μm以上0.6 μm以下の粉末は、0.2 μ
m以下の電解質保持材に比べ凝集・粒成長しにくく、溶
融炭酸塩中での構造安定性が大きく改善される。また、
平均粒径を0.6 μm以下のものをいると、溶融炭酸塩の
保持特性が良好となる。さらに、前記多孔質体に使用さ
れる保持材粒子の平均粒径は0.3 μm以上0.5 μm以下
であることがより望ましい。
【0022】本発明に係る電解質板用保持材を得るに
は、以下の第1、および第2の方法が挙げられる。第1
の方法は、比表面積20m2 /g以上のα−リチウムアル
ミネート粉末を主体とするリチウムアルミネート粉末を
700 ℃〜800 ℃溶融炭酸塩中で粒成長せしめた後、炭酸
塩を除去することにより作製する方法である。
【0023】このとき原料のリチウムアルミネート粉末
の比表面積は30m2 /g以上であることが好ましい。ま
た、α−リチウムアルミネートの含有量が少なくとも90
wt%以上のリチウムアルミネート粉末を用いる。α−リ
チウムアルミネートの含有量が少ないと異相混入量の少
ない保持材を得ることが困難となる。より望ましくは95
wt% 以上のα−リチウムアルミネートを含むリチウムア
ルミネート粉末を用いる。また、炭酸塩としてはLi/
K系共晶炭酸塩、Li/Na系共晶炭酸塩やLi/K/
Na三元系共晶炭酸塩、共晶塩組成からずれた混合炭酸
塩などを用いることができる。α−リチウムアルミネー
ト粉末と炭酸塩との混合比は、α−リチウムアルミネー
ト粉末と炭酸塩の合計量のうち炭酸塩の含有量が5wt%以
上70wt%以下であることが好ましい。
【0024】粒成長工程においては、炭酸塩と混合した
リチウムアルミネート粉末を、少なくとも700 ℃〜800
℃で行う。また、粒成長工程は炭酸ガスを含む雰囲気で
10時間以上100 時間以下熱処理することにより行われる
ことが好ましい。
【0025】熱処理温度を700 ℃以上としたのは、短時
間で均一に高比表面積のα−リチウムアルミネート粉末
を粒成長させる事ができるからである。熱処理温度を80
0 ℃以下としたのは、それより高温になると雰囲気を炭
酸ガス濃度を100 %にしてもα−リチウムアルミネート
のγ化が生じ、粒成長し過ぎる恐れがあるからである。
さらに、熱処理温度は730 ℃〜780 ℃であることが好ま
しい。
【0026】炭酸ガス含有雰囲気中で熱処理が行われる
ことによって、粒成長の際のγ化を抑制できる。炭酸ガ
スの濃度は1%以上100 %以下であることが望ましく、
10%以上100 %以下であることがより望ましい。炭酸ガ
スの濃度が高いほどα相が安定になる。
【0027】最終的には、炭酸塩を除去する工程を行
う。これは熱処理した炭酸塩とα−リチウムアルミネー
ト混合物を室温まで炉冷した後、溶媒で炭酸塩を除去す
ることにより行うことができる。溶媒は酢酸、や水でも
可能であり、また、炭酸塩は溶解するがリチウムアルミ
ネートは溶解しない酸や有機酸水溶液も使用できる。
【0028】このように高比表面積のα−リチウムアル
ミネート粉末を出発原料としてそれを溶融炭酸塩中で粒
成長させることによって、結晶性および純度が高く、単
粒子化されたα−リチウムアルミネートを短時間で得る
ことができる。この方法で得られた保持材を溶融炭酸塩
型燃料電池の電解質板に使用することにより、保持材粒
子の凝集、粒成長が抑えられ、電解質ロスが低減でき
る。
【0029】尚、特開平2-243511号公報には、α−リチ
ウムアルミネートの製造方法として比表面積 20m2 /g
のγ−リチウムアルミネートを溶融中で反応させ、低比
表面積のα−リチウムアルミネートを得る方法が開示さ
れている。しかしながら、この方法では高純度、高結晶
性のα−リチウムアルミネートを得るには5000時間以上
かかることになり、現実的な方法ではない。
【0030】また、本発明に係る電解質板用保持材は以
下に示す第2の方法でも得ることができる。すなわち、
比表面積100 m2 /g以上のアルミナ粉末と炭酸リチウ
ムの混合物を熱処理してリチウムアルミネートを生成せ
しめ、さらに溶融炭酸塩中でリチウムアルミネートを粒
成長させ、その後炭酸塩を除去する方法である。
【0031】アルミナ粉末の比表面積を100 m2 /g以
上としたのは、リチウム化に要する時間を短くし、反応
を均一にするためである。アルミナ粉末と炭酸リチウム
の混合物を熱処理してリチウムアルミネートを得るに
は、1%以上100 %以下の炭酸ガスを含む雰囲気で約58
0 ℃〜620 ℃で10時間以上100 時間以下熱処理すること
により行われることが望ましい。1%以上の炭酸ガスを
含む雰囲気で約580 ℃〜620 ℃で熱処理することによっ
て、γ相の少ない高純度のα−リチウムアルミネート粉
末を得ることができる。炭酸リチウムを含む炭酸塩とし
ては、LiCO3単独、あるいは炭酸リチウムと、Li
/K系共晶炭酸塩、Li/Na系共晶炭酸塩やLi/K
/Na三元系共晶炭酸塩、または共晶塩組成からずれた
混合炭酸塩、の混合物を用いることができる。アルミナ
粉末と炭酸リチウムとの混合モル比(アルミナ:炭酸リ
チウム)は1:1 〜1:3 であることが好ましい。
【0032】さらに、この様にして得られたα−リチウ
ムアルミネート粉末に対し、第1の同様の方法で700 ℃
〜800 ℃で10時間以上100 時間以下の熱処理を施し、最
終的に第1の同様の方法で炭酸塩の除去工程を行う。
【0033】このように高比表面積のアルミナを出発原
料として、リチウムアルミネートを生成せしめ、それを
溶融炭酸塩中で粒成長させることによって、第1の方法
と同様結晶性および純度が高く、単粒子化されたα−リ
チウムアルミネートを短時間で得ることができる。この
方法で得られた保持材を溶融炭酸塩型燃料電池の電解質
板に使用することにより、保持材粒子の凝集、粒成長が
抑えられ、電解質ロスが低減できる。
【0034】上述した電解質板は、たとえば次のような
方法により製造される。 (1)まず、保持粒子、補強粒子及び有機バインダを有
機溶媒の混合下で混合する。ここに用いる有機バインダ
としては、たとえばポリビニルブチラール、フタル酸ジ
ブチル、アクリル樹脂などを挙げることができる。前記
有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、メチル
エチルケトンなどを挙げることができる。続いて、前記
混合物を通常のシート成形法(例えばドクターブレード
法、カレンダーロール法、スリップキャスト法、冷間押
しだし法など)によりグリーンシートを成形した後脱脂
することにより所定の気孔率を有する多孔質体を作成す
る。一方、混合アルカリ炭酸塩からなる電解質を前記多
孔質と同様の方法によりシート成形してシート状物を作
成する。次いで、前記多孔質体上に前記シート状物を重
ね、該シート状物を溶融して多孔質体に含浸させること
により電解質板を製造する。
【0035】(2)前記(1)の方法により作成した電
解質板をあらかじめ混合アルカリ炭酸塩からなる電解質
を含浸させたアノードと無含浸のカソードの間に配置
し、前述の図1に示す単位セルとし、複数の単位セルを
セパレータを挟んで積層してスタック発電要素とした後
この発電要素の4つの側面にマニホールドを取り付けて
燃料電池を組み立てる。この後、作動温度まで昇温さ
せ、前記電解質板の気孔部分に前記アノード中の溶融し
た混合アルカリ炭酸塩を拡散、充填して電解質板を製造
する。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 (実施例1)保持材を以下の方法で製造した。
【0037】市販の比表面積40m2 /gの98wt% %α−
リチウムアルミネート粉末(残部不純物)と共晶炭酸塩
(Li2 CO3 /K2 CO3 =62/38mol% )を1:1の
重量比で混合する。この混合物を炭酸ガス雰囲気で750
℃で50時間熱処理する。これを室温まで炉冷した後、酢
酸で炭酸塩を除去する。得られた粉末は95wt% α−リチ
ウムアルミネートであることは、粉末X線回折から明ら
かであった。平均粒径を画像解析により求めたところ約
0.4 μmであった。また、α−LiAlO2 の(10
4)面の粉末X線回折ピークの半値幅を測定したとこ
ろ、0.36°であった。
【0038】(実施例2)比表面積23m2 /gで純度10
0 wt%のα−リチウムアルミネート粉末と実施例1と同
様の共晶炭酸塩を1:1の重量比でアセトン中で混合し
た。アセトンを除去した後、この混合物を炭酸ガス雰囲
気で750 ℃で50時間熱処理した。これを室温まで炉冷し
た後、酢酸で炭酸塩を除去した。得られた粉末は100wt%
α−リチウムアルミネートであった。平均粒径を画像解
析により求めたところ約0.6 μmであった。また、α−
LiAlO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半
値幅を測定したところ、0.48°であった。
【0039】(実施例3)比表面積33m2 /gで純度10
0 wt%のα−リチウムアルミネート粉末と実施例1と同
様の共晶炭酸塩を1:1の重量比でアセトン中で混合し
た。得られた粉末は100wt%α−リチウムアルミネートで
あった。アセトンを除去した後、この混合物を炭酸ガス
雰囲気で750 ℃で50時間熱処理した。これを室温まで炉
冷した後、酢酸で炭酸塩を除去した。得られた粉末は10
0wt%α−リチウムアルミネートであった。平均粒径を画
像解析により求めたところ約0.4 μmであった。また、
α−LiAlO2 の(104)面の粉末X線回折ピーク
の半値幅を測定したところ、0.39°であった。
【0040】(実施例4)比表面積40m2 /gで純度10
0wt%のα−リチウムアルミネート粉末と実施例1と同様
の共晶炭酸塩を1:1の重量比でアセトン中で混合し
た。アセトンを除去した後、この混合物を炭酸ガス雰囲
気で750 ℃で50時間熱処理した。これを室温まで炉冷し
た後、酢酸で炭酸塩を除去した。得られた粉末は100wt%
α−リチウムアルミネートであった。平均粒径を画像解
析により求めたところ約0.4 μmであった。また、α−
LiAlO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半
値幅を測定したところ、0.36°であった。
【0041】(比較例1)保持材を以下の方法で製造し
た。比表面積17m2 /gで純度100wt%のα−リチウムア
ルミネート粉末と実施例1と同様の共晶炭酸塩を1:1
の重量比でアセトン中で混合した。アセトンを除去した
後、この混合物を炭酸ガス雰囲気で750 ℃で50時間熱処
理した。これを室温まで炉冷した後、酢酸で炭酸塩を除
去した。得られた粉末はα相のリチウムアルミネートの
含有量が3%であった。
【0042】(比較例2)比表面積20m2 /gで15wt%
のα−リチウムアルミネート粉末を含むγ−リチウムア
ルミネート粉末と実施例1と同様の共晶炭酸塩を1:1
の重量比でアセトン中で混合した。アセトンを除去した
後、この混合物を炭酸ガス雰囲気で750 ℃で50時間熱処
理した。これを室温まで炉冷した後、酢酸で炭酸塩を除
去した。得られた粉末はα相のリチウムアルミネートの
含有量が0wt%であった。
【0043】(比較例3)比表面積20m2 /gで100 wt
%γ−リチウムアルミネート粉末と実施例1と同様の共
晶炭酸塩を1:1の重量比でアセトン中で混合した。ア
セトンを除去した後、この混合物を炭酸ガス雰囲気で75
0 ℃で50時間熱処理した。これを室温まで炉冷した後、
酢酸で炭酸塩を除去した。得られた粉末はα−リチウム
アルミネートの含有量が20wt% であった。実施例1〜実
施例4、比較例1〜比較例3の保持材のα−LiAlO
2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅を下記
表1に示す。
【0044】この様にして得られた実施例1〜実施例
4、比較例1〜比較例3の保持材と、平均粒径15μmの
Li2 ZrO3 粉末からなる補強材を、 70:30の体積比
でアルミナポットに入れ、トルエン、ポリビニルブチラ
ール、フタル酸ジブチルと共に20時間湿式混合し、スラ
リーを調製した。ひきつづき、このスラリーをキャリア
シート上に展開し、0.5 mm程度のマトリックスグリー
ンシートとした。そして、このマトリックスグリーンシ
ートを大気中で脱脂してマトリックス多孔質体を作製し
た。
【0045】また、電解質としての混合アルカリ炭酸塩
(Li2 CO3 :62mol%、K2 CO3 :38mol%)を前記
マトリックス多孔質体と同様な方法によりシート状に
し、前記マトリックス多孔質体上に前記シート状物を重
ね550 ℃まで昇温して該シート状物を溶融状態とするこ
とによりその混合アルカリ炭酸塩を多孔質体に含浸して
厚さ0.5 mmの電解質板を作製した。
【0046】実施例1〜4および比較例1〜2の各電解
質板と、それぞれニッケルベースアロイからなるアノー
ド、カソードと、それぞれステンレス鋼からなるセパレ
ータ、エッジシール板、孔開き板、波板を用いて前述し
た図2および図3に示す溶融炭酸塩型燃料電池を組み立
てた。
【0047】各燃料電池を5気圧で加圧運転を行い、ア
ノードに燃料ガスとしてのH2 80体積%とCO2 20体積
%の混合ガスを水蒸気分圧1気圧で加湿したものを供給
し、カソードに酸化剤ガスとしての空気70体積%とCO
2 30体積%の混合ガスをそれぞれ供給し、700 ℃で150
mA/cm2 の負荷条件で2000時間の発電試験を行った。
その際の作動電位降下の結果を下記表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1から明らかなようにα−LiAlO2
の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅が0.60°
以下のα−リチウムアルミネート保持材を用いた実施例
1〜4は2000時間加圧運転後の作動電位降下が130 mV
以下であり、α−リチウムアルミネートの含有量が少な
い保持材を用いた比較例1〜3に比べ良好な性能を維持
することが確認された。特に、半値幅が0.45°以下のと
きには作動電位降下が60mV以下であり、特に優れてい
る。
【0050】(実施例5〜8、比較例4〜6)40m2
gの純度100wt%のα−リチウムアルミネート粉末と実施
例1と同様の共晶炭酸塩を1:1 の重量比でアセトン中で
混合した。アセトンを除去した後、この混合物を100%C
2 雰囲気で表2に示す温度で50時間熱処理した。これ
を室温まで炉冷した後、酢酸で炭酸塩を除去した。得ら
れた粉末のα−リチウムアルミネートの含有量、α−L
iAlO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値
幅、平均粒径を表2に併記する。
【0051】(実施例9〜11)まず、40m2 /gの純
度100 %のα−リチウムアルミネート粉末と実施例1と
同様の共晶炭酸塩を1:1の重量比でアセトン中で混合
した。アセトンを除去した後、この混合物を表3に示す
CO2 濃度(残部Air)の雰囲気で750 ℃で50時間熱
処理した。これを室温まで炉冷した後、酢酸で炭酸塩を
除去した。
【0052】(実施例12、比較例7)まず、40m2
gの純度100 %のα−リチウムアルミネート粉末と実施
例1と同様の共晶炭酸塩を1:1の重量比でアセトン中
で混合した。アセトンを除去した後、この混合物を100
%CO2 雰囲気で750 ℃で表2に示す時間熱処理した。
これを室温まで炉冷した後、酢酸で炭酸塩を除去した。
【0053】実施例5〜12、および比較例4〜7で得
られた粉末のα−リチウムアルミネートの含有量、α−
LiAlO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半
値幅、平均粒径を表2に併記する。尚、α−LiAlO
2 の(104)ピークの半値幅は、α相を主体とする粉
末のみ求めた。
【0054】
【表2】
【0055】α−リチウムアルミネート原料粉末の粒成
長工程の熱処理を700 〜800 ℃、炭酸ガス濃度1%以上
の雰囲気で10時間以上おこなった実施例5〜12におい
ては、α−LiAlO2 の(104)面の粉末X線回折
ピークの半値幅が0.60°以下のα−リチウムアルミネー
ト粉末が得られた。特に炭酸ガス濃度10%以上、730〜7
80 ℃の雰囲気で熱処理した実施例7、9、10、14
においては理想的な半値幅が0.45°以下の純度100 %の
α−リチウムアルミネート粉末が得られた。
【0056】これに対し、700 ℃より低い温度で熱処理
した比較例4や、熱処理時間の短い比較例7では、半値
幅が大きく結晶性が悪かった。また、熱処理温度が800
℃より高い比較例5、6、製造粉末のα相含有率が低か
った。
【0057】得られた実施例5〜12、比較例4〜7の
保持材を用い実施例1と同様に電解質板さらには該電解
質板を用いた溶融炭酸塩型燃料電池を組み立てた。該燃
料電池について実施例1と同様に700 ℃で150 mA/cm
2 の負荷条件で2000時間の発電試験を行った。その際の
作動電位降下の結果を表2に併記する。
【0058】尚、比較例5、6の保持材を使用した燃料
電池は150 mA/cm2 の負荷電流を取り出すことができ
なかった。表2から明らかなようにα−LiAlO2
(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅が0.60°以
下のα−リチウムアルミネート保持材を用いた実施例5
〜12は2000時間加圧運転後の作動電位降下が130 mV
以下であり、α−リチウムアルミネートの含有量が少な
いあるいはα−LiAlO2 の(104)面の粉末X線
回折ピークの半値幅が0.60を越えた保持材を用いた比較
例4、7に比べ良好な性能を維持することが確認され
た。
【0059】(実施例13)まず、100 m2 /gの高純
度アルミナ粉末と共炭酸塩(Li2 CO3 /K2 CO3
=62/38 mol%)と炭酸リチウムをアセトン中で2:5:3 の
重量比(モル比では2:5:4 )で湿式混合する。次にアセ
トンを除去し、この混合物を炭酸ガス雰囲気で600 ℃で
50時間熱処理した後、更に700 ℃で50時間熱処理した。
これを室温まで炉冷した後、酢酸で炭酸塩を除去した。
【0060】(実施例14)まず、100 m2 /gの高純
度アルミナ粉末と実施例13と同様の共晶炭酸塩と炭酸リ
チウムをアセトン中で2:5:3 の重量比で湿式混合する。
次にアセトンを除去し、この混合物を炭酸ガス雰囲気で
600 ℃で50時間熱処理した後、更に750 ℃で50時間熱処
理した。これを室温まで炉冷した後、酢酸で炭酸塩を除
去した。
【0061】(実施例15)まず、100 m2 /gの高純
度アルミナ粉末と実施例13と同様の共晶炭酸塩と炭酸リ
チウムをアセトン中で2:5:3 の重量比で湿式混合する。
次にアセトンを除去し、この混合物を炭酸ガス雰囲気で
600 ℃で50時間熱処理した後、更に800 ℃で50時間熱処
理した。これを室温まで炉冷した後、酢酸で炭酸塩を除
去した。
【0062】(比較例8)まず、80m2 /gの高純度ア
ルミナ粉末と実施例13と同様の共晶炭酸塩と炭酸リチウ
ムをアセトン中で2:5:3 の重量比で湿式混合する。次に
アセトンを除去し、この混合物を炭酸ガス雰囲気で600
℃で50時間熱処理した後、更に700 ℃で50時間熱処理し
た。これを室温まで炉冷した後、酢酸で炭酸塩を除去し
た。
【0063】(比較例9)まず、100 m2 /gの高純度
アルミナ粉末と実施例13と同様の共晶炭酸塩と炭酸リチ
ウムをアセトン中で2:5:3 の重量比で湿式混合する。次
にアセトンを除去し、この混合物を炭酸ガス雰囲気で60
0 ℃で50時間熱処理した後、更に850 ℃で50時間熱処理
した。これを室温まで炉冷した後、酢酸で炭酸塩を除去
した。
【0064】(比較例10〜11)まず、100 m2 /g
の高純度アルミナ粉末と実施例13と同様の共晶炭酸塩と
炭酸リチウムをアセトン中で2:5:3 の重量比で湿式混合
する。次にアセトンを除去し、この混合物を炭酸ガス雰
囲気で表4に示す温度で50時間熱処理した。これを室温
まで炉冷した後、酢酸で炭酸塩を除去した。
【0065】実施例13〜15、および比較例8 〜11で得ら
れた粉末のα−リチウムアルミネートの含有量、α−L
iAlO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値
幅、平均粒径を表2に併記する。製造粉末の分析結果を
表3に示す。尚、α−LiAlO2 の(104)ピーク
の半値幅は、α相を主体とする粉末のみ求めた。
【0066】比表面積100 m2 /g以上のアルミナ原料
粉末を、600 ℃と700 〜800 ℃の二段階で熱処理した実
施例13〜15においては、加圧運転試験で良好な性能を示
したα−LiAlO2 の(104)面の粉末X線回折ピ
ークの半値幅が0.60°以下のα−リチウムアルミネート
粉末が得られた。
【0067】これに対し、アルミナ原料粉末の比表面積
が100 m2 /gより小さい比較例8は半値幅が大きくて
結晶性が悪く、熱処理温度の高い比較例9では製造粉末
のα相含有率が低かった。さらに、一段階しか熱処理し
なかった比較例10、11は、製造粉末の半値幅が大きくて
結晶性が悪かった。
【0068】得られた実施例13〜15、比較例8 〜11の保
持材を用い実施例1と同様に電解質板さらには該電解質
板を用いた溶融炭酸塩型燃料電池を組み立てた。該燃料
電池について実施例1と同様に700 ℃で150mA/cm2 の負
荷条件で2000時間の発電試験を行った。その際の作動電
位降下の結果を表3に併記する。
【0069】
【表3】
【0070】表3から明らかなようにα−LiAlO2
の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅が0.60°
以下のα−リチウムアルミネート保持材を用いた実施例
13〜15は2000時間加圧運転後の作動電位降下が130 mV
以下であり、α−リチウムアルミネートの含有量が少な
いあるいはα−LiAlO2 の(104)面の粉末X線
回折ピークの半値幅が0.60°を越えた保持材を用いた比
較例8〜11に比べ良好な性能を維持することが確認さ
れた。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば電
解質板の微構造の変化を抑えて、電解質ロスに伴う電解
質板の抵抗増大を抑制でき、加圧条件下でも長時間運転
可能な溶融炭酸塩型燃料電池を提供することができる。
また、本発明によれば、上記燃料電池に最適な電解質保
持材を安定に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融炭酸塩型燃料電池の基本構成を示す概略図
【図2】本発明の溶融炭酸塩型燃料電池の一般的な構成
を示す斜視図
【図3】本発明の溶融炭酸塩型燃料電池の部分拡大図
【符号の説明】
11…アノード、12…カソード、13…電解質板、1
4…セパレータ、19…マニホールド、21…燃料ガ
ス、24…酸化剤ガス、22、25…供給管、23、2
6…ガス排出管
フロントページの続き (72)発明者 中川 和明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料極と、酸化剤極と、前記燃料極および
    酸化剤極との間に挟持されアルカリ炭酸塩からなる電解
    質を保持材および補強材を含む多孔質体に含浸させた電
    解質板を備えた溶融炭酸塩型燃料電池において、保持材
    はα−リチウムアルミネートを主体としてなり、かつ粉
    末X線回折におけるα−LiAlO2 の(104)ピー
    クの半値幅が0.60°以下であることを特徴とする溶融炭
    酸塩型燃料電池。
  2. 【請求項2】比表面積20m2 /g以上のα−リチウムア
    ルミネート粉末を主体とするリチウムアルミネート粉末
    を700 ℃〜800 ℃の溶融炭酸塩中で粒成長せしめた後、
    炭酸塩を除去することを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電
    池電解質板用保持材の製造方法。
  3. 【請求項3】比表面積100 m2 /g以上のアルミナ粉末
    と炭酸リチウムを含む炭酸塩の混合物を熱処理してリチ
    ウムアルミネートを生成せしめ、さらに700 〜800 ℃の
    溶融炭酸塩中でリチウムアルミネートを粒成長させ、そ
    の後炭酸塩を除去することを特徴とする溶融炭酸塩型燃
    料電池電解質板用保持材の製造方法。
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