JP3445453B2 - 溶融炭酸塩型燃料電池 - Google Patents

溶融炭酸塩型燃料電池

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JP3445453B2
JP3445453B2 JP29525696A JP29525696A JP3445453B2 JP 3445453 B2 JP3445453 B2 JP 3445453B2 JP 29525696 A JP29525696 A JP 29525696A JP 29525696 A JP29525696 A JP 29525696A JP 3445453 B2 JP3445453 B2 JP 3445453B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融炭酸塩型燃料
電池および溶融炭酸塩型燃料電池電解質板用保持材の製
造方法に関し、特に導電性を有する一対の電極間に挟ま
れて配置される電解質板を改良した溶融炭酸塩型燃料電
池および前記電解質板に用いられる保持材の製造方法に
係わる。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池の基本構造を図1
に示す。アルカリ炭酸塩からなる電解質を保持した電解
質板3は、導電性を示す一対の電極であるアノード1お
よびカソード2間に挟持されている。この電解質板3を
高温下で溶融させた状態で、アノード1にハウジング4
aの供給口6を通じて燃料ガス(H2 、CO2 )を、カ
ソード2にハウジング4bの供給口8を通じて酸化剤ガ
ス(空気、CO2 )をそれぞれ供給する。このような燃
料ガスおよび酸化剤ガスの供給において、前記アノード
1では下記(1)式の反応が起り、前記カソード2では
下記(2)式の反応が起って燃料電池の運転がなされ
る。
【0003】 H2 +CO3 2- →H2 O+CO2 +2e- (1) 1/2O2 +CO2 +2e- →CO3 2- (2) 前記溶融炭酸塩型燃料電池に使用される電解質板は、基
本的には混合アルカリ炭酸塩からなる電解質と、高温運
転時に液体となる前記電解質の流出を防止するための保
持材および昇温時の割れ発生を防止するための補強材か
らなる多孔質体とにより構成されている。前記混合アル
カリ炭酸塩は、Li2 CO3 、K2 CO3 およびNa2
CO3 の3種のうちの2種または3種の混合塩の形で使
用される。前記保持材としては、粒径が0.05〜2.
0μmのγ−リチウムアルミネートからなる微粉末が使
用される。前記補強材としては、粒径10〜100μm
のリチウムアルミネートが使用される。
【0004】前記電解質板は、炭酸イオン(CO3 2-
の移動の媒体として機能するのみならず、前記アノード
及びカソード間の反応ガスの直接混合(ガスクロスオー
バー)を阻止するためのガス透過障壁層としても機能す
る。こうした機能を果たすには、電解質板中に電解質が
十分に保持されていることが必要である。電解質の流出
(電解質ロス)は、内部抵抗の増大を招くばかりか、ガ
スクロスオーバーの発生原因となる。
【0005】このような機能を有する電解質板は、従来
より前記保持材及び補強材から適切な微細構造を持つ多
孔質体を形成した後、この多孔質体に混合アルカリ炭酸
塩からなる電解質を含浸させるマトリクス法により製造
されている。
【0006】しかしながら、長時間の燃料電池の運転に
おいて前記保持材であるγ−リチウムアルミネートはα
−リチウムアルミネートに相変化し、それに伴う保持材
粒子の凝集や粒成長により多孔質体(マトリクス)の微
細構造が変化する。その結果、電解質板に粗い孔が生
じ、それに伴って電解質ロスが起るため、寿命が短くな
るという不都合があった。
【0007】このようなことから、特開昭63−294
668号公報には保持材として平均粒径0.1μmのα
−リチウムアルミネートを主成分とするリチウムアルミ
ネートを用いる方法が開示される。しかしながら、α−
リチウムアルミネートを主成分とする保持材を使用した
電解質板であっても、マトリクスの構造変化の原因とな
る保持材粒子の凝集や粒成長は依然として生じる。
【0008】上述した従来の溶融炭酸塩型燃料電池にお
いては、電解質板における多孔質体中の保持材粒子の凝
集や粒成長により多孔質体の微細構造が変化して、電解
質ロスが生じ、十分な寿命特性が得られないという問題
があった。
【0009】一方、特開平2−243511号公報には
比表面積20m2 /gのγ−リチウムアルミネートを溶
融中で反応させ、低比表面積のα−リチウムアルミネー
トを得る方法が開示されている。しかしながら、この方
法では高純度、高結晶性のα−リチウムアルミネートを
得るためには5000時間以上の反応を行う必要がある
ため、コストが高騰化し、現実的な方法ではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電解質板か
らの電解質の流出を低減して、電解質の流出に伴う内部
抵抗の増大、ガスクロスオーバーの発生を抑制し得る長
寿命の溶融炭酸塩型燃料電池を提供しようとするもので
ある。
【0011】また、本発明は電解質板の長時間の使用に
あっても粒成長の生じにくい溶融炭酸塩型燃料電解質板
用保持材を低コストで製造する方法を提供しようとする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる溶融炭酸
塩型燃料電池は、燃料極と、酸化剤極と、前記燃料極お
よび酸化剤極との間に挟持され、保持材および補強材を
含む多孔質体にアルカリ炭酸塩を含む電解質を含浸させ
た電解質板とを具備し、前記保持材は、比表面積20m
2 /g以上のα−リチウムアルミネートを主体とするリ
チウムアルミネートを溶融炭酸塩中で粒成長させ、炭酸
塩を除去することにより得られたα−リチウムアルミネ
ートを90重量%以上含有し、かつ粉末X線回折におけ
るα−LiAlO 2 の(104)ピークの半値幅が0.
60°以下のリチウムアルミネートからなり、かつ前記
補強材は、リチウムアルミネート、アルミナおよび安定
化ジルコニアから選ばれる少なくとも1種からなること
を特徴とするものである。
【0013】このような本発明に係わる溶融炭酸塩型燃
料電池は、α−リチウムアルミネートを主体とし、かつ
粉末X線回折におけるα−LiAlO2 の(104)ピ
ークの半値幅が0.60°以下の保持材とリチウムアル
ミネート、アルミナおよび安定化ジルコニアから選ばれ
る少なくとも1種からなる補強材を含む多孔質体にアル
カリ炭酸塩を含む電解液を含浸させた電解質板を備えた
構成を有する。かかる溶融炭酸塩型燃料電池は、例えば
600℃〜700℃、CO2 10%〜30%の雰囲気の
運転において、溶融炭酸塩中の保持材はα−リチウムア
ルミネートを主体とし、かつ粉末X線回折におけるα−
LiAlO2 の(104)ピークの半値幅が特定の値を
有するため、長期間に亘って溶融炭酸塩中で相変態を起
こさず安定して存在させることができる。その結果、前
記電解質板中の保持材粒子の凝集、粒成長を抑えること
ができるため、多孔質板(マトリックス)の微細構造が
変化するのを防止できる。また、前記特定の材料からな
る補強材は保持材であるα−リチウムアルミネートとの
集合・凝集を生じ難く、運転中の電解質板の微細構造の
安定性を高めることができる。
【0014】したがって、前記電解質板からの電解質の
流出を低減して、電解質の流出に伴う内部抵抗の増大、
ガスクロスオーバーの発生を抑制できるため、長寿命の
溶融炭酸塩型燃料電池を得ることができる。
【0015】本発明に係わる溶融炭酸塩型燃料電池にお
いて、前記保持材はα−リチウムアルミネートを90重
量%以上含有されることが好ましい。本発明に係わる溶
融炭酸塩型燃料電池において、前記保持材は平均粒径
0.05〜2.0μmの粉末状であることが好ましい。
【0016】本発明に係わる溶融炭酸塩型燃料電池にお
いて、前記保持材は粉末X線回折におけるα−LiAl
2 の(104)ピークの半値幅が0.45°以下であ
ることが好ましい。
【0017】本発明に係わる溶融炭酸塩型燃料電池にお
いて、前記補強材はα−リチウムアルミネートの粒子か
らなることが好ましい。本発明に係わる別の溶融炭酸塩
型燃料電池は、燃料極と、酸化剤極と、前記燃料極およ
び酸化剤極との間に挟持され、保持材および補強材を含
む多孔質体にアルカリ炭酸塩を含む電解質を含浸させた
電解質板とを具備し、前記保持材は、比表面積20m 2
/g以上のα−リチウムアルミネートを主体とするリチ
ウムアルミネートを溶融炭酸塩中で粒成長させ、炭酸塩
を除去することにより得られたα−リチウムアルミネー
トを90重量%以上含有し、かつ粉末X線回折における
α−LiAlO 2 の(104)ピークの半値幅が0.6
0°以下のリチウムアルミネートからなり、かつ前記補
強材は、リチウムアルミネート、アルミナ、安定化ジル
コニアおよびリチウムジルコネートから選ばれる少なく
とも1種の繊維からなることを特徴とするものである。
【0018】このような本発明に係わる別の溶融炭酸塩
型燃料電池は、α−リチウムアルミネートを主体とし、
かつ粉末X線回折におけるα−LiAlO2 の(10
4)ピークの半値幅が0.60°以下の保持材とリチウ
ムアルミネート、アルミナ、ジルコニアおよびリチウム
ジルコネートから選ばれる少なくとも1種の繊維からな
る補強材を含む多孔質体にアルカリ炭酸塩を含む電解液
を含浸させた電解質板を備えた構成を有する。かかる溶
融炭酸塩型燃料電池は、例えば600℃〜700℃、C
2 10%〜30%の雰囲気の運転において、溶融炭酸
塩中の保持材はα−リチウムアルミネートを主体とし、
かつ粉末X線回折におけるα−LiAlO2 の(10
4)ピークの半値幅が特定の値を有するため、長期間に
亘って溶融炭酸塩中で相変態を起こさず安定して存在さ
せることができる。その結果、前記電解質板中の保持材
粒子の凝集、粒成長を抑えることができるため、多孔質
板(マトリックス)の微細構造が変化するのを防止でき
る。また、前記特定の材料の繊維からなる補強材は保持
材であるα−リチウムアルミネートとの集合・凝集を生
じ難く、運転中の電解質板の微細構造の安定性を高める
ことができる。
【0019】したがって、前記電解質板からの電解質の
流出を低減して、電解質の流出に伴う内部抵抗の増大、
ガスクロスオーバーの発生を抑制できるため、長寿命の
溶融炭酸塩型燃料電池を得ることができる。
【0020】本発明に係わる別の溶融炭酸塩型燃料電池
において、前記補強材は0.5〜5μmの平均径、50
μm以下の平均長さを有する短繊維であることが好まし
い。本発明に係わる別の溶融炭酸塩型燃料電池におい
て、前記短繊維状の補強材はβ−リチウムアルミネート
およびγ−リチウムアルミネートから選ばれる少なくと
も1種からなることが好ましい。
【0021】本発明に係わる別の溶融炭酸塩型燃料電池
において、前記補強材は1〜15μmの平均径、0.1
〜3mmの平均長さを有する長繊維であることが好まし
い。本発明に係わる別の溶融炭酸塩型燃料電池におい
て、前記長繊維状の補強材はアルミナ、リチウムアルミ
ネートおよびジルコニアから選ばれる少なくとも1種か
らなることが好ましい。
【0022】本発明に係わる溶融炭酸塩型燃料電池電解
質板用保持材の製造方法は、比表面積100m2 /g以
上の水酸化アルミニウム粉末と炭酸リチウムを含む炭酸
塩の混合物を熱処理してリチウムアルミネートを生成す
る工程と、生成したリチウムアルミネートを700〜8
00℃の溶融炭酸塩中で粒成長させた後炭酸塩を除去す
る工程とを具備することを特徴とするものである。
【0023】このような高比表面積の水酸化アルミニウ
ムを出発原料として、α−リチウムアルミネートを主体
とするリチウムアルミネートを生成せしめ、これを溶融
炭酸塩中で粒成長させることによって、結晶性および純
度が高く、単粒子化されたα−リチウムアルミネートを
含む保持材を短時間で得ることができる。得られた保持
材と前述した補強材とから多孔質体を形成し、この多孔
質体にアルカリ炭酸塩を含む電解質を含浸させた電解質
板を作製し、これを溶融炭酸塩型燃料電池に組み込むこ
とによって、前記電解質板中の保持材粒子の凝集、粒成
長を抑えることができるため、電解質ロスを低減でき
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる溶融炭酸塩
型燃料電池の一例を図2および図3を参照して詳細に説
明する。本発明の溶融炭酸塩型燃料電池は、アノード
(燃料極)11、カソード(空気極)12及びこれらア
ノード11、カソード12間に配置され、電解質を保持
した電解質板13を備えている。これらアノード11、
カソード12及び電解質板13を単位セルとし、複数の
単位セルがセパレータ14を挟んで積層されている。前
記電解質板13上面に配置された前記アノード11の対
向する一対の縁部は、前記電解質板の縁部から所望距離
隔てて内側に位置し、かつ前記アノード11が存在しな
い前記電解質板13の両縁部と前記セパレータ14の間
にはエッジシール板15aが配置されている。前記電解
質板13下面に配置された前記カソード12の前記エッ
ジシール板15aと直交する一対の縁部は、前記電解質
板13の縁部から所望距離隔てて内側に位置し、かつ前
記カソード12が存在しない前記電解質板13の両縁部
と前記セパレータ14の間には、エッジシール板15b
が配置されている。前記アノード11、セパレータ14
及びエッジシール板15aで区画された空間(燃料ガス
流通空間)には、集電板としての導電性を有する孔あき
板16a、波板17aが前記アノード11側から順次積
層されている。前記カソード12、セパレータ14及び
エッジシール板15bで区画された空間(酸化剤ガス流
通空間)には、集電板としての導電性を有する孔あき板
16b、波板17bが前記カソード側から順次積層され
ている。このような複数の単位セルがセパレータ14を
挟んで積層されたスタック発電要素の4つの側面には、
枠状のフランジ18を有するマニホールド19がそれぞ
れ配置されている。また、前記スタック発電要素の4つ
の側面と前記マニホールド19のフランジ18の間には
それぞれ枠状のマニホールドシール板20が介在されて
いる。前記燃料ガス流通空間が表出する前記発電要素の
側面に対応するマニホールド(図示せず)には、燃料ガ
ス21を供給するための供給管22が取り付けられてい
る。この供給管22と反対側のマニホールド19には、
ガス排出管23が取り付けられている。また、前記酸化
剤ガス流通区間が表出する前記発電要素の側面に対応す
るマニホールド(図示せず)には、酸化剤ガス24を供
給するための供給管25が取り付けられている。この供
給管25と反対側のマニホールド19には、ガス排出管
26が取り付けられている。
【0025】前記アノード11、前記カソード12は、
たとえばニッケルまたはニッケルベースアロイの多孔質
焼結体から形成される。前記セパレータ14、前記エッ
ジシール15a,15b、前記孔あき板16a,16b
及び前記波板17a,17bは、たとえばステンレス鋼
から形成される。
【0026】前記燃料ガス21としては、たとえば水素
(H2 )と二酸化炭素(CO2 )との混合ガス等を使用
できる。前記電解質板13は、保持材(a)及び補強材
(b)からなる気孔質率40〜65%の多孔質体にアル
カリ炭酸塩を含む電解質(c)を溶融状態で含浸した構
成になっている。前記保持材(a)、補強材(b)およ
びアルカリ炭酸塩(c)を以下に詳述する。
【0027】保持材(a) この保持材は、α−リチウムアルミネートを主体とし、
かつ粉末X線回折におけるα−LiAlO2 の(10
4)ピークの半値幅が0.60°以下の材料からなる。
ここで、粉末X線回折はCuのKα1 線(波長1.54
056A)を用いて測定することを意味する。
【0028】前記α−リチウムアルミネートを主体とす
る保持材としては、α−リチウムアルミネートが90重
量%以上、より好ましくは95重量%以上含むことが望
ましい。前記保持材を構成するα−リチウムアルミネー
トの割合を90重量%未満にすると、溶融炭酸塩燃料電
池の運転条件、例えば600〜700℃、CO2 10〜
30%の雰囲気において残部であるγ−リチウムアルミ
ネートのα−リチウムアルミネートへの相変化に伴う粒
子の凝集、粒成長により多孔質体の微細構造が変化し
て、粗い孔が生じ易くなる。
【0029】前記保持材のα−LiAlO2 の(10
4)ピークの半値幅を0.60°以下に規定したのは、
次のような理由によるものである。前記半値幅が0.6
0°を越えた保持材を有する多孔質体にアルカリ炭酸塩
を含む電解質を含浸させた電解質板は、この電解質板を
組み込んだ燃料電池の運転中において溶融塩中に存在す
るα−リチウムアルミネート結晶が不安定となり溶解、
再析出を介した凝集や粒成長、あるいはγ−リチウムア
ルミネートへの相変化が生じ易くなる。その結果、前記
多孔質体の微細構造が変化し、電解質ロスが生じ易くな
る。より好ましいα−LiAlO2 の(104)ピーク
の半値幅は、0.45°以下である。
【0030】前記保持材は、0.05μm〜2.0μm
の平均粒径を有する粉末であることが好ましい。前記保
持材の平均粒径を0.05μm未満にすると、この保持
材を有する多孔質体を備える電解質板が燃料電池の運転
中に前記多孔質体中の保持材が凝集し、粒成長し易くな
る。一方、前記保持材の平均粒径が2.0μmを越える
とこの保持材を有する多孔質体における溶融炭酸塩の保
持特性が低下する恐れがある。より好ましい前記保持材
の平均粒径は、0.2μm〜0.6μm、さらに好まし
い前記保持材の平均粒径は0.3〜0.5μmである。
【0031】前述した保持材は、次のような方法により
製造される。 (1)比表面積20m2 /g以上のα−リチウムアルミ
ネート粉末を主体とするリチウムアルミネート粉末を7
00℃〜800℃溶融炭酸塩中で粒成長せしめた後、炭
酸塩を除去することにより保持材を製造する。
【0032】前記α−リチウムアルミネートを主体とす
るリチウムアルミネート粉末としては、α−リチウムア
ルミネートが80重量%以上、より好ましくは90重量
%以上含むことが望ましい。前記リチウムアルミネート
粉末を構成するα−リチウムアルミネートの割合を80
重量%未満にすると、α−リチウムアルミネート以外の
異相のリチウムアルミネート量が少ない保持材を得るこ
とが困難になる。
【0033】前記リチウムアルミネート粉末の比表面積
を20m2 /g未満にすると、溶融炭酸塩との接触面積
が小さくなって、粒成長を良好に行うことが困難にな
る。より好ましい前記リチウムアルミネート粉末の比表
面積は、30m2 /g以上である。前記リチウムアルミ
ネート粉末の比表面積が大き過ぎると、体積(嵩)が大
きくなり、製造効率が低下するため、上限を60m2
gにすることが望ましい。
【0034】前記炭酸塩としては、例えばLi/K系共
晶炭酸塩、Li/Na系共晶炭酸塩やLi/K/Na三
元系共晶炭酸塩、共晶塩組成からずれた混合炭酸塩など
を用いることができる。
【0035】前記α−リチウムアルミネート粉末と炭酸
塩との混合物中に占める前記炭酸塩の量は、5〜70重
量%にすることが好ましい。前記混合物中に占める前記
炭酸塩の量を5重量%未満にすると、粒成長を良好に行
うことが困難になる。一方、前記混合物中に占める前記
炭酸塩の量が70重量%を越えると、保持材の生産性が
低下する恐れがある。さらに好ましい前記混合物中に占
める前記炭酸塩の量は、10〜50重量%である。
【0036】前記粒成長工程での温度を規定したのは、
次のような理由によるものである。前記粒成長工程での
温度を700℃未満にすると、高比表面積のα−リチウ
ムアルミネート粉末の粒成長を迅速に行うことが困難に
なる。一方、前記粒成長工程での温度が800℃を越え
ると、α−リチウムアルミネートのγ化が生じ、粒成長
し過ぎる恐れがある。より好ましい前記粒成長工程での
温度は730℃〜780℃である。
【0037】前記粒成長工程は、炭酸ガス含有雰囲気中
で行うことが好ましい。前記リチウムアルミネート粉末
の粒成長を炭酸ガス含有雰囲気中で行うことにより、粒
成長過程でのリチウムアルミネートのγ化を抑制するこ
とができる。前記雰囲気中の炭酸ガスの濃度は1%以
上、より好ましくは10%以上にすることが望ましい。
このような炭酸ガス含有雰囲気中での熱処理は、10〜
100時間行うことが好ましい。なお、前記リチウムア
ルミネート粉末の粒成長工程において雰囲気中の炭酸ガ
スの濃度を高くするほど、リチウムアルミネート粉末の
α−リチウムアルミネートを安定して粒成長させること
が可能になる。
【0038】前記粒成長工程後は、炭酸塩とリチウムア
ルミネートの混合物を室温まで炉冷し、溶媒で炭酸塩を
除去することにより行うことができる。この溶媒として
は、例えば水、酢酸を用いることができるが、炭酸塩を
溶解するものの、リチウムアルミネートは溶解しない酸
や有機酸水溶液も使用することができる。
【0039】以上説明したように高比表面積のα−リチ
ウムアルミネートを主体とするリチウムアルミネート粉
末を出発原料とし、これを溶融炭酸塩中で粒成長させる
ことによって、結晶性および純度が高く、単粒子化され
たα−リチウムアルミネートを含む保持材を短時間で製
造することができる。得られた保持材と前述した補強材
とから多孔質体を形成し、この多孔質体にアルカリ炭酸
塩を含む電解質を含浸させた電解質板を作製し、これを
溶融炭酸塩型燃料電池に組み込むことによって、前記電
解質板中の保持材粒子の凝集、粒成長を抑えることがで
きるため、電解質ロスを低減できる。
【0040】(2)比表面積100m2 /g以上の水酸
化アルミニウム粉末と炭酸リチウムを含む炭酸塩との混
合物を熱処理してリチウムアルミネートを生成する。つ
づいて、このリチウムアルミネートを溶融炭酸塩中で粒
成長させ、その後炭酸塩を除去することにより保持材を
製造する。
【0041】前記水酸化アルミニウム粉末の比表面積を
100m2 /g以上にすることによりリチウム化に要す
る時間を短くし、反応を均一にすることが可能になる。
前記水酸化アルミニウム粉末と前記炭酸塩の混合物の熱
処理は、1〜100%の炭酸ガスを含む雰囲気中、55
0℃〜700℃で10〜100時間行うことが望まし
い。このような1%以上の炭酸ガスを含む雰囲気で55
0℃〜700℃で熱処理することによって、γ相の少な
い高純度のα−リチウムアルミネート粉末を得ることが
できる。より好ましい熱処理温度は、580〜620℃
である。
【0042】前記炭酸リチウムを含む炭酸塩としては、
Li2 CO3 単独、あるいは炭酸リチウムとLi/K系
共晶炭酸塩、Li/Na系共晶炭酸塩やLi/K/Na
三元系共晶炭酸塩、また共晶塩組成からずれた混合炭酸
塩との混合物を用いることができる。
【0043】前記水酸化アルミニウム粉末と炭酸リチウ
ムとの混合モル比(水酸化アルミニウム:炭酸リチウ
ム)は、1:1〜1:3にすることが好ましい。得られ
たα−リチウムアルミネートを主体とするリチウムアル
ミネート粉末と炭酸塩との混合物中に占める前記炭酸塩
の量は、前記(1)の方法で説明したのと同様な理由に
より5〜70重量%にすることが好ましい。
【0044】前記粒成長工程での温度を700℃〜80
0℃に規定したのは、前記(1)の方法で説明したのと
同様な理由によるものである。前記粒成長工程は、前記
(1)の方法で説明したのと同様な理由により炭酸ガス
含有雰囲気中で行うことが好ましい。前記雰囲気中の炭
酸ガスの濃度は1%以上、より好ましくは10%以上に
することが望ましい。
【0045】前記粒成長工程後は、炭酸塩とリチウムア
ルミネートの混合物を室温まで炉冷し、前記(1)の方
法で説明したのと同様な溶媒で炭酸塩を除去することに
より行うことができる。
【0046】なお、前記保持材の製造において前記水酸
化アルミニウム粉末に代えてアルミナ粉末を用いた場合
でも同様な特性を有する保持材を製造することが可能で
ある。
【0047】補強材(b) この補強材は、セルの起動・停止時の熱サイクルにより
電解質板にクラックが発生するのを防止する機能を有す
る。このような補強材としては、リチウムアルミネー
ト、アルミナおよび安定化ジルコニアから選ばれる少な
くとも1種からなり、特に以下に列挙する特定の材料か
らなる粒子(b−1)、短繊維(b−2)、長繊維(b
−3)が好ましい。ただし、前記短繊維または長繊維の
補強材においては、リチウムジコネート単独、もしくは
このリチウムジコネートとリチウムアルミネート、アル
ミナおよびジルコニアから選ばれる少なくとも1種との
混合物からなることを許容する。
【0048】粒子状補強材(b−1) この補強材粒子は、α−リチウムアルミネート、γ−リ
チウムアルミネート、アルミナおよび安定化ジルコニア
から選ばれる少なくとも1種からなり、5〜50μmの
平均粒径を有する。このような補強材粒子は、前記保持
材であるα−リチウムアルミネートとの集合・凝集を生
じ難く、運転中の電解質板の微細構造の安定性を高める
ことができる。特に、α−リチウムアルミネート、アル
ミナおよび安定化ジルコニアから選ばれる少なくとも1
種からなる粒子は保持材であるα−リチウムアルミネー
トとの集合・凝集をより一層生じ難くいために好まし
い。
【0049】短繊維状補強材(b−2) 短繊維状補強材は、β−リチウムアルミネートおよびγ
−リチウムアルミネートから選ばれる少なくとも1種か
らなり、0.5〜5μmの平均径、50μm以下の平均
長さを有する。このような短繊維状補強材は、粒子状の
補強材に比べて保持材であるα−リチウムアルミネート
との曲率半径差が小さいため補強材による前記保持材の
吸収合体を生じ難く、運転中の電解質板の微細構造の安
定性を高めることができる。
【0050】すなわち、燃料電池の運転中において補強
材および保持材は電解液中への溶解・再析出を繰り返
す。補強材が保持材に対して曲率半径差が大きいと、燃
料電池の運転中に補強材と保持材の電解液に対する溶解
速度に差が生じる。つまり、保持材は電解液に補強材に
比べて先に溶解する。電解液中に固体状態で存在する補
強材の周辺に溶解された保持材および補強材は、前記固
体状態の補強材上に再析出するため、結果的には保持材
が溶解して補強材が粒成長する。したがって、前記保持
材が前記補強材に吸収合体されて、電解質板に微細な孔
が生じ、それに伴って電解質ロスが起る。
【0051】前述した平均径を有する短繊維状補強材
は、前記保持材との曲率半径差を小さくできるため、燃
料電池の運転中での保持材および補強材の電解液に対す
る溶解速度差を小さくできる。このため、溶解された保
持材および補強材の再析出過程において、保持材および
補強材はそれぞれ個々に再析出される。その結果、保持
材および補強材が相互の溶解・吸収合体を抑制できるた
め、運転中の電解質板の微細構造の安定性を高めること
ができる。
【0052】長繊維状補強材(b−3) 長繊維状補強材は、アルミナ、リチウムアルミネートお
よびジルコニアから選ばれる少なくとも1種からなり、
1〜15μmの平均径、0.1〜3mmの平均長さを有
する。このような長繊維状補強材は、粒子状の補強材に
比べて電池の起動時に前記電解質板に密着した前記アノ
ードと前記エッジシール板との熱膨張率の差に伴って前
記電解質板に割れが発生するのを効果的に防ぐ効果を有
する。
【0053】さらに、前記(b−1)〜(b−3)の補
強材を組み合わせて用いることにより、経時的安定性に
優れ、起動時の初期割れや熱サイクル時のクラック発生
が効果的に防止された電解質板を得ることができる。
【0054】電解質(c) この電解質としては、例えば炭酸リチウム(Li2 CO
3 )、炭酸カリウム(K2 CO3 )、炭酸ナトリウム
(Na2 CO3 )の混合物、あるいはLi2 CO3 とK
2 CO3 の混合物、Li2 CO3 とNa2 CO3 の混合
物、Li2 CO3とK2 CO3 とNa2 CO3 の混合物
などを挙げることができる。前記電解質は、前記アルカ
リ炭酸塩あるいは混合アルカリ炭酸塩にさらにアルカリ
土類金属炭酸塩を添加した組成を有することを許容す
る。
【0055】上述した電解質板は、例えば次のような方
法により製造される。 (1)まず、保持粒子、補強粒子及び有機バインダを有
機溶媒の存在下で混合する。ここに用いる有機バインダ
としては、たとえばポリビニルブチラール、フタル酸ジ
ブチル、アクリル樹脂などを挙げることができる。前記
有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、メチル
エチルケトンなどを挙げることができる。続いて、前記
混合物を通常のシート成形法(例えばドクターブレード
法、カレンダロール法、スリップキャスト法、冷間押し
だし法など)によりグリーンシートを成形した後脱脂す
ることにより所定の気孔率を有する多孔質体を作成す
る。一方、混合アルカリ炭酸塩からなる電解質を前記多
孔質と同様の方法によりシール成形してシート状物を作
成する。次いで、前記多孔質体上に前記シート状物を重
ね、該シート状物を溶融して多孔質体に含浸させること
により電解質板を製造する。
【0056】(2)前記(1)の方法により作成した電
解質板をあらかじめ混合アルカリ炭酸塩からなる電解質
を含浸させたアノードと無含浸のカソードの間に配置
し、前述の図1に示す単位セルとし、複数の単位セルを
セパレータを挟んで積層してスタック発電要素とした後
この発電要素の4つの側面にマニホールドを取り付けて
燃料電池を組み立てる。この後、作動温度まで昇温さ
せ、前記電解質板の気孔部分に前記アノード中の溶融し
た混合アルカリ炭酸塩を拡散、充填して電解質板を製造
する。
【0057】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明
する。 (実施例1)市販の比表面積40m2 /gでα−リチウ
ムアルミネート量が98重量%のリチウムアルミネート
粉末と共晶炭酸塩(Li2 CO3 /K2 CO3 −62/
38mol%)を1:1の重量比で混合した。この混合
物を炭酸ガス雰囲気で750℃で50時間熱処理した。
熱処理後の混合物を室温まで冷却し、水で炭酸塩を除去
して粉末(保持材)を得た。
【0058】得られた粉末は、粉末X線回折からα−リ
チウムアルミネート量が95重量%であることが確認さ
れた。この粉末の平均粒径を画像解析により求めたとこ
ろ、約0.4μmであった。また、前記粉末のα−Li
AlO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅
を測定したところ、0.36°であった。
【0059】なお、処理前のα−リチウムアルミネート
の粉末X線回折図を図4に、得られた粉末から分離され
たα−リチウムアルミネートの粉末X線回折図を図5
に、それぞれ示す。これら図4および図5から明らかな
ように得られた粉末のα−リチウムアルミネートは、処
理前のα−リチウムアルミネートに比べてα−LiAl
2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅が著
しく狭くなることがわかる。
【0060】(実施例2)比表面積23m2 /gのα−
リチウムアルミネート粉末と実施例1と同様の共晶炭酸
塩とを1:1の重量比でアセトン中で混合した。アセト
ンを除去した後、この混合物を炭酸ガス雰囲気中、75
0℃で50時間熱処理した。熱処理後の混合物を室温ま
で冷却し、水で炭酸塩を除去して粉末(保持材)を得
た。
【0061】得られた粉末は、粉末X線回折から100
%のα−リチウムアルミネートからなることが確認され
た。この粉末の平均粒径を画像解析により求めたとこ
ろ、約0.6μmであった。また、前記粉末のα−Li
AlO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅
を測定したところ、0.48°であった。
【0062】(実施例3)比表面積33m2 /gのα−
リチウムアルミネート粉末と実施例1と同様の共晶炭酸
塩を1:1の重量比でアセトン中で混合した。アセトン
を除去した後、この混合物を炭酸ガス雰囲気、750℃
で50時間熱処理した。熱処理後の混合物を室温まで冷
却した後、水で炭酸塩を除去して粉末(保持材)を得
た。
【0063】得られた粉末は、粉末X線回折から100
%のα−リチウムアルミネートからなることが確認され
た。この粉末の平均粒径を画像解析により求めたとこ
ろ、約0.4μmであった。また、前記粉末のα−Li
AlO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅
を測定したところ、0.39°であった。
【0064】(実施例4)比表面積40m2 /gのα−
リチウムアルミネート粉末と実施例1と同様の共晶炭酸
塩を1:1の重量比でアセトン中で混合した。アセトン
を除去した後、この混合物を炭酸ガス雰囲気で750℃
で50時間熱処理した。熱処理後の混合物を室温まで冷
却した後、水で炭酸塩を除去して粉末(保持材)を得
た。
【0065】得られた粉末は、粉末X線回折から100
%のα−リチウムアルミネートからなることが確認され
た。この粉末の平均粒径を画像解析により求めたとこ
ろ、約0.4μmであった。また、前記粉末のα−Li
AlO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅
を測定したところ、0.36°であった。
【0066】(比較例1)市販の比表面積17m2 /g
のα−リチウムアルミネート粉末と実施例1と同様の共
晶炭酸塩を1:1の重量比でアセトン中で混合した。ア
セトンを除去した後、この混合物を炭酸ガス雰囲気で7
50℃で50時間熱処理した。熱処理後の混合物を室温
まで冷却した後、水で炭酸塩を除去して粉末(保持材)
を得た。
【0067】得られた粉末は、粉末X線回折からα相の
リチウムアルミネートの含有量が3重量%であることが
確認された。 (比較例2)比表面積20m2 /gでα−リチウムアル
ミネート含有量が15重量%のγ−リチウムアルミネー
ト粉末と実施例1と同様の共晶炭酸塩を1:1の重量比
でアセトン中で混合した。アセトンを除去した後、この
混合物を炭酸ガス雰囲気で750℃で50時間熱処理し
た。熱処理後の混合物を室温まで冷却した後、水で炭酸
塩を除去して粉末(保持材)を得た。
【0068】得られた粉末は、粉末X線回折からα−リ
チウムアルミネート含有量が20重量%であることが確
認された。 (比較例3)比表面積20m2 /gのγ−リチウムアル
ミネート粉末と実施例1と同様の共晶炭酸塩を1:1の
重量比でアセトン中で混合した。アセトンを除去した
後、この混合物を炭酸ガス雰囲気で750℃で50時間
熱処理した。熱処理後の混合物を室温まで冷却した後、
水で炭酸塩を除去して粉末(保持材)を得た。
【0069】得られた粉末は、粉末X線回折からα相リ
チウムアルミネートの含有量が0でγ相のみからなるこ
とが確認された。実施例1〜実施例4、比較例1〜比較
例3により得られた保持材と、平均粒径15μmのγ−
LiAlO2 粒子からなる補強材とを、70:30の体
積比でアルミナポットに入れ、トルエン、ポリビニルブ
チラール、フタル酸ジブチルと共に20時間湿式混合
し、7種のスラリーをそれぞれ調製した。つづいて、こ
れらのスラリーをそれぞれキャリアシート上に展開し、
厚さ0.5mmのマトリックスグリーンシートとした。
ひきつづき、前記各マトリックスグリーンシートを大気
中で脱脂して多孔質体をそれぞれ作製した。
【0070】また、電解質としての混合アルカリ炭酸塩
(Li2 CO3 :62mol%、K2 CO3 :38mo
l%)を前記多孔質体と同様な方法によりシート状物を
作製した。このシート状物を、前記各多孔質体上にそれ
ぞれ重ね、550℃まで昇温して前記シート状物を溶融
状態とすることによりその混合アルカリ炭酸塩を前記各
多孔質体にそれぞれ含浸して厚さ0.5mmの7種の電
解質板を作製した。
【0071】得られた各電解質板と、それぞれニッケル
ベースアロイからなるアノード、カソードと、それぞれ
ステンレス鋼からなるセパレータ、エッジシール板、孔
開き板、波板とを用いて前述した図2および図3に示す
溶融炭酸塩型燃料電池を組み立てた。
【0072】各燃料電池を5気圧で加圧下において、ア
ノードに燃料ガスとしての80体積%のH2 と20体積
%のCO2 の混合ガスを水蒸気分圧1気圧で加湿して供
給し、カソードに酸化剤ガスとしての70%体積%の空
気と30体積%のCO2 の混合ガスを供給し、700℃
で150mA・cm2 の負荷条件で2000時間の発電
試験を行った。このような発電試験における各燃料電池
の作動電位降下を測定した。その結果を下記表1に示
す。なお、下記表1中には実施例1〜実施例4、比較例
1〜比較例3の保持材のα−LiAlO2 の(104)
面の粉末X線回折ピークの半値幅を併記する。
【0073】
【表1】
【0074】前記表1から明らかなようにα−LiAl
2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅が
0.60°以下のα−リチウムアルミネートを主体(9
5〜100重量%)の保持材(実施例1〜4)を用いた
燃料電池は、2000時間加圧運転後の作動電圧降下が
130mV以下と極めて低く、良好な電池性能を維持で
きることがわかる。特に、半値幅が0.45°以下の保
持材(実施例1、3、4)を用いた燃料電池は、作動電
位降下が93mV以下で、より優れた電池性能を有する
ことがわかる。
【0075】これに対し、α−リチウムアルミネートの
含有量が少ない保持材(比較例1〜3)を用いた燃料電
池は2000時間加圧運転後の作動電位降下が253〜
392mVと極めて高いことがわかる。
【0076】(実施例5〜12、比較例4〜6)40m
2 /gのα−リチウムアルミネート粉末と実施例1と同
様の共晶炭酸塩を1:1の重量比でアセトン中で混合し
た。アセトンを除去した後、この混合物を下記表2に示
す雰囲気、温度、時間でそれぞれ熱処理した。熱処理後
の各混合物をそれぞれ室温まで冷却した後、水で炭酸塩
を除去して11種の粉末(保持材)を得た。
【0077】得られた各粉末のα−リチウムアルミネー
トの含有量、α−LiAlO2 の(104)面の粉末X
線回折ピークの半値幅、平均粒径をそれぞれ測定した。
なお、α−LiAlO2 の(104)ピークの半値幅
は、α相を主体とする粉末のみを対象にして求めた。こ
れらの結果を下記表2に併記する。
【0078】また、得られた実施例5〜12、比較例4
〜6の保持材を用いて実施例1と同様に電解質板を作製
し、これら電解質板を用いて前述した図2および図3に
示す溶融炭酸塩型燃料電池を組み立てた。これら燃料電
池について、実施例1と同様に700℃で150mA/
cm2 の負荷条件で2000時間の発電試験を行った。
このような発電試験における各燃料電池の作動電位降下
を測定した。その結果を下記表2に併記する。なお、比
較例5、6の保持材を使用した燃料電池は150mA/
cm2 の負荷電流を取り出すことができなかった。この
ために下記表2には作動電位降下の値を示さなかった。
【0079】
【表2】
【0080】前記表2から明らかなようにα−リチウム
アルミネート原料粉末の粒成長工程の熱処理を700〜
800℃の温度で行うことにより得られた実施例5〜1
2の粉末(保持材)においては、α−LiAlO2
(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅が0.60
°以下のα−リチウムアルミネート粉末が得られた。特
に、炭酸ガス濃度10%以上、730〜780℃の雰囲
気で熱処理した実施例6、7、11、12のうち、熱処
理を時間を50時間と十分に行ったものに関しては半値
幅が0.45°以下で純度100%α−リチウムアルミ
ネートからなる理想的な粉末が得られた。
【0081】これに対し、700℃より低い温度で熱処
理した比較例4では、半値幅が大きく結晶性が悪かっ
た。また、熱処理温度が800℃より高い温度で処理す
ることにより得られた比較例5、6の粉末は、それぞれ
α相含有率が低かった。
【0082】また、表2から明らかなようにα−LiA
lO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅が
0.60°以下のα−リチウムアルミネートからなる保
持材(実施例5〜12)を用いた燃料電池は、2000
時間加圧運転後の作動電位降下が130mV以下と極め
て低く、良好な電池性能を維持できることがわかる。
【0083】これに対し、α−LiAlO2 の(10
4)面の粉末X線回折ピークの半値幅が0.60°を越
えた保持材(比較例4)を用いた燃料電池は、2000
時間加圧運転後の作動電位降下が272mVと極めて高
いことがわかる。
【0084】(実施例13)まず、100m2 /gの高
純度アルミナ粉末と共晶炭酸塩(Li2 CO3 /K2
3 =62:38mol%)と炭酸リチウムをアセトン
中で2:5:3の重量比(モル比では2:5:4)で湿
式混合した。つづいて、アセトンを除去し、この混合物
を炭酸ガス雰囲気で600℃で50時間熱処理した後、
更に700℃で50時間熱処理した。熱処理後の混合物
を室温まで冷却した後、水で炭酸塩を除去して粉末(保
持材)を得た。
【0085】(実施例14)まず、100m2 /gの高
純度アルミナ粉末と実施例13と同様の共晶炭酸塩と炭
酸リチウムをアセトン中で2:5:3の重量比で湿式混
合した。つづいて、アセトンを除去し、この混合物を炭
酸ガス雰囲気で600℃で50時間熱処理した後、更に
750℃で50時間熱処理した。熱処理後の混合物を室
温まで冷却した後、水で炭酸塩を除去して粉末(保持
材)を得た。
【0086】(実施例15)まず、100m2 /gの高
純度アルミナ粉末と実施例13と同様の共晶炭酸塩と炭
酸リチウムをアセトン中で2:5:3の重量比で湿式混
合する。つづいて、アセトンを除去し、この混合物を炭
酸ガス雰囲気で600℃で50時間熱処理した後、更に
800℃で50時間熱処理した。熱処理後の混合物を室
温まで冷却した後、水で炭酸塩を除去して粉末(保持
材)を得た。
【0087】(比較例7)まず、80m2 /gの高純度
アルミナ粉末と実施例13と同様の共晶炭酸塩と炭酸リ
チウムをアセトン中で2:5:3の重量比で湿式混合す
る。つづいて、アセトンを除去し、この混合物を炭酸ガ
ス雰囲気で600℃で50時間熱処理した後、更に70
0℃で50時間熱処理した。熱処理後の混合物を室温ま
で冷却した後、水で炭酸塩を除去して粉末(保持材)を
得た。
【0088】(比較例8)まず、100m2 /gの高純
度アルミナ粉末と実施例13と同様の共晶炭酸塩と炭酸
リチウムをアセトン中で2:5:3の重量比で湿式混合
した。つづいて、アセトンを除去し、この混合物を炭酸
ガス雰囲気で600℃で50時間熱処理した後、更に8
50℃で50時間熱処理した。熱処理後の混合物を室温
まで冷却した後、水で炭酸塩を除去して粉末(保持材)
を得た。
【0089】(比較例9、10)まず、100m2 /g
の高純度アルミナ粉末と実施例13と同様の共晶炭酸塩
と炭酸リチウムをアセトン中で2:5:3の重量比で湿
式混合した。つづいて、アセトンを除去し、この混合物
を炭酸ガス雰囲気で下記表3に示す温度で50時間熱処
理した。熱処理後の各混合物を室温まで冷却した後、水
で炭酸塩を除去して2種の粉末(保持材)を得た。
【0090】実施例13〜15、および比較例7〜10
で得られた粉末のα−リチウムアルミネートの含有量、
α−LiAlO2 の(104)面の粉末X線回折ピーク
の半値幅、平均粒径をそれぞれ測定した。その結果を下
記表3に併記する。なお、α−LiAlO2 の(10
4)ピークの半値幅は、α相を主体とする粉末のみ対象
にして求めた。
【0091】また、得られた実施例13〜15、比較例
7〜10の保持材を用いて実施例1と同様に電解質板を
作製し、これら電解質板を用いて前述した図2および図
3に示す溶融炭酸塩型燃料電池を組み立てた。これら燃
料電池について、実施例1と同様に700℃で150m
A/cm2 の負荷条件で2000時間の発電試験を行っ
た。このような発電試験における各燃料電池の作動電位
降下を測定した。その結果を下記表3に併記する。
【0092】
【表3】
【0093】前記表3から明らかなように比表面積10
0m2 /g以上のアルミナ原料粉末を、600℃と70
0〜800℃の二段階で熱処理した実施例13〜15に
おいては、加圧運転試験で良好な性能を示したα−Li
AlO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅
が0.60°以下のα−リチウムアルミネート粉末が得
られた。
【0094】これに対し、比表面積が100m2 /g未
満のアルミナ原料粉末を用いることにより得られる比較
例7の粉末は、半値幅が大きく結晶性が劣っていた。ま
た、800℃を越える温度で熱処理して得られた比較例
8の粉末は、α相含有率が低下する。さらに、一段階の
みの熱処理により得られた比較例9、10の粉末は半値
幅が大きくて結晶性が劣っていた。
【0095】また、表3から明らかなようにα−LiA
lO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅が
0.60°以下のα−リチウムアルミネートからなる保
持材(実施例13〜15)を用いた燃料電池は、200
0時間加圧運転後の作動電位降下が130mV以下と極
めて低く、良好な電池性能を維持できることがわかる。
これに対し、α−リチウムアルミネートの含有量が少
ないあるいはα−LiAlO2 の(104)面の粉末X
線回折ピークの半値幅が0.60°を越えた保持材(比
較例7〜10)を用いた燃料電池は、2000時間加圧
運転後の作動電位降下が253mV以上と極めて高いこ
とがわかる。
【0096】(実施例16)まず、100m2 /gの高
純度水酸化アルミニウム粉末と共晶炭酸塩(Li2CO3
/K2 CO3 =62:38mol%)と炭酸リチウム
をアセトン中で2:5:3の重量比(モル比では2:
5:4)で湿式混合した。つづいて、アセトンを除去
し、この混合物を炭酸ガス雰囲気で600℃で50時間
熱処理した後、更に700℃で50時間熱処理した。熱
処理後の混合物を室温まで冷却した後、水で炭酸塩を除
去して粉末(保持材)を得た。
【0097】得られた粉末は、粉末X線回折から100
%のα−リチウムアルミネートからなることが確認され
た。この粉末の平均粒径を画像解析により求めたとこ
ろ、約0.3μmであった。また、前記粉末のα−Li
AlO2 の(104)面の粉末X線回折ピークの半値幅
を測定したところ、0.41°であった。
【0098】得られた粉末(保持材)を用いて実施例1
と同様な手順で電解質板を作製した。この電解質板と、
それぞれニッケルベースアロイからなるアノード、カソ
ードと、それぞれステンレス鋼からなるセパレータ、エ
ッジシール板、孔開き板、波板とを用いて前述した図2
および図3に示す溶融炭酸塩型燃料電池を組み立てた。
この燃料電池について、実施例1と同様な加圧、および
燃料ガス、酸化剤ガスの供給を行い、700℃で150
mA・cm2 の負荷条件で2000時間の発電試験を行
った。このような発電試験における燃料電池の作動電位
降下を測定した。その結果、作動電位降下は65mVで
あり、良好なな電池性能が維持された。
【0099】(実施例17〜24)前記実施例4で得ら
れた粉末(保持材)と、下記表4に示す材料および形状
の補強材とを、70:30の体積比でアルミナポットに
入れ、トルエン、ポリビニルブチラール、フタル酸ジブ
チルと共に20時間湿式混合し、8種のスラリーをそれ
ぞれ調製した。つづいて、これらのスラリーをそれぞれ
キャリアシート上に展開し、厚さ0.5mmのマトリッ
クスグリーンシートとした。ひきつづき、前記各マトリ
ックスグリーンシートを大気中で脱脂して多孔質体をそ
れぞれ作製した。
【0100】また、電解質としての混合アルカリ炭酸塩
(Li2 CO3 :62mol%、K2 CO3 :38mo
l%)を前記多孔質体と同様な方法によりシート状物を
作製した。このシート状物を、前記各多孔質体上にそれ
ぞれ重ね、550℃まで昇温して前記シート状物を溶融
状態とすることによりその混合アルカリ炭酸塩を前記各
多孔質体にそれぞれ含浸して厚さ0.5mmの8種の電
解質板を作製した。
【0101】得られた各電解質板を用いて実施例1と同
様に図2および図3に示す溶融炭酸塩型燃料電池を組み
立てた。これら燃料電池について、実施例1と同様に7
00℃で150mA/cm2 の負荷条件で2000時間
の発電試験を行った。このような発電試験における各燃
料電池の作動電位降下を測定した。その結果を下記表4
に併記する。なお、下記表4中には実施例1〜実施例
4、比較例1〜比較例3の保持材と平均粒径15μmの
γ−LiAlO2 粉末からなる補強材とを用いて電解質
板を作製し、これら電解質板を用いて実施例1と同様に
組み立てた図2および図3に示す溶融炭酸塩型燃料電池
の作動電位降下を併記する。
【0102】
【表4】
【0103】前記表4から明らかなように実施例17〜
24の燃料電池は、保持材として実施例17〜24と同
様なものを用い、補強材としてγ−LiAlO2 粒子を
用いる実施例4の燃料電池に比べて作動電圧降下をさら
に低く抑えることができることがわかる。特に、補強材
としてα−リチウムアルミネートの粒子と長繊維の複合
材を用いる実施例24の燃料電池は作動電圧降下をより
一層低く抑えることができることがわかる。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば電
解質板の微構造の変化を抑えて、電解質ロスに伴う電解
質板の抵抗増大を抑制でき、加圧条件下でも長時間運転
可能な溶融炭酸塩型燃料電池を提供することができる。
また、本発明によれば、前記燃料電池に最適な電解質用
保持材を低コストでかつ安定に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融炭酸塩型燃料電池の基本構造を示す概略
図。
【図2】本発明に係わる溶融炭酸塩型燃料電池の一般的
に構成を示す斜視図。
【図3】図2の燃料電池の要部拡大斜視図。
【図4】実施例1における処理前のα−リチウムアルミ
ネートの粉末X線回折図。
【図5】実施例1により得られた粉末から分離されたα
−リチウムアルミネートの粉末X線回折図。
【符号の説明】
11…アノード、 12…カソード、 13…電解質板、 14…セパレータ、 19…マニホ―ルド、 21…燃料ガス、 24…酸化剤ガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 和明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平8−55628(JP,A) 特開 平2−243511(JP,A) 特開 平6−267568(JP,A) 特開 平7−220749(JP,A) 特開 平8−250137(JP,A) 特開 平6−150948(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料極と、酸化剤極と、前記燃料極およ
    び酸化剤極との間に挟持され、保持材および補強材を含
    む多孔質体にアルカリ炭酸塩を含む電解質を含浸させた
    電解質板とを具備し、 前記保持材は、比表面積20m 2 /g以上のα−リチウ
    ムアルミネートを主体とするリチウムアルミネートを溶
    融炭酸塩中で粒成長させ、炭酸塩を除去することにより
    得られたα−リチウムアルミネートを90重量%以上含
    有し、かつ粉末X線回折におけるα−LiAlO 2
    (104)ピークの半値幅が0.60°以下のリチウム
    アルミネートからなり、かつ前記補強材は、リチウムア
    ルミネート、アルミナおよび安定化ジルコニアから選ば
    れる少なくとも1種からなることを特徴とする溶融炭酸
    塩型燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記保持材は、0.05〜2.0μmの
    平均粒径を有する粉末であることを特徴とする請求項1
    記載の溶融炭酸塩型燃料電池。
  3. 【請求項3】 前記保持材は、粉末X線回折におけるα
    −LiAlO2の(104)ピークの半値幅が0.45
    °以下であることを特徴とする請求項1記載の溶融炭酸
    塩型燃料電池。
  4. 【請求項4】 前記保持材は、α−リチウムアルミネー
    トからなることを特徴とする請求項1記載の溶融炭酸塩
    型燃料電池。
  5. 【請求項5】 燃料極と、酸化剤極と、前記燃料極およ
    び酸化剤極との間に挟持され、保持材および補強材を含
    む多孔質体にアルカリ炭酸塩を含む電解質を含浸させた
    電解質板とを具備し、 前記保持材は、比表面積20m 2 /g以上のα−リチウ
    ムアルミネートを主体とするリチウムアルミネートを溶
    融炭酸塩中で粒成長させ、炭酸塩を除去することにより
    得られたα−リチウムアルミネートを90重量%以上含
    有し、かつ粉末X線回折におけるα−LiAlO 2
    (104)ピークの半値幅が0.60°以下のリチウム
    アルミネートからなり、かつ前記補強材は、リチウムア
    ルミネート、アルミナ、安定化ジルコニアおよびリチウ
    ムジルコネートから選ばれる少なくとも1種の繊維から
    なることを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池。
  6. 【請求項6】 前記補強材は、0.5〜5μmの平均
    径、50μm以下の平均長さを有する短繊維であること
    を特徴とする請求項5記載の溶融炭酸塩型燃料電池。
  7. 【請求項7】 前記補強材は、β−リチウムアルミネー
    トおよびγ−リチウムアルミネートから選ばれる少なく
    とも1種からなることを特徴とする請求項記載の溶融
    炭酸塩型燃料電池。
  8. 【請求項8】 前記補強材は、1〜15μmの平均径、
    0.1〜3mmの平均長さを有する長繊維であることを
    特徴とする請求項5記載の溶融炭酸塩型燃料電池。
  9. 【請求項9】 前記補強材は、アルミナ、リチウムアル
    ミネートおよびジルコニアから選ばれる少なくとも1種
    からなることを特徴とする請求項記載の溶融炭酸塩型
    燃料電池。
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