JPH0997418A - 磁気ディスク用基板およびその製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用基板およびその製造方法

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JPH0997418A
JPH0997418A JP25336195A JP25336195A JPH0997418A JP H0997418 A JPH0997418 A JP H0997418A JP 25336195 A JP25336195 A JP 25336195A JP 25336195 A JP25336195 A JP 25336195A JP H0997418 A JPH0997418 A JP H0997418A
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substrate
magnetic disk
css
magnetic
texturing
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JP25336195A
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Yuzo Yamamoto
裕三 山本
Yuhei Tosaka
雄平 登坂
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッドの低浮上量化を実現でき、かつC
SS耐久性に優れている磁気ディスクを製造できる基板
を提供する。 【解決手段】 磁気ディスク用の基板表面に、エッチン
グ、研磨等の適当な方法により円環状凹部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク用の
非磁性基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハードディスクドライブに用いら
れる磁気ディスクにおいては、ディスク上の任意の位置
で磁気ヘッドが停止、起動するいわゆるコンタクト・ス
タート・ストップ(以下、CSSと表記する)方式が採
用されていたが、この方式では停止、起動時に磁気ヘッ
ドとディスクが摺動するため、ディスクに損傷が生じた
りデータが破壊されたりする等の問題が生じていた。そ
のため、今日では、磁気ディスク上に、磁気ヘッドがC
SSを行なう領域(以下、CSS領域と表記する)、デ
ータが磁気記録され磁気ヘッドが摺動動作を行なわない
データ領域とを形成してデータの破壊や磁気ディスクの
機械的損傷を防ぐ方式が主流となっている。
【0003】この方式では、磁気ヘッド浮上量をより少
なくして高密度記録を達成するためにデータ領域の表面
はできるだけ平滑にされる。一方、CSS領域は、磁気
ヘッドが着脱するという機能から、磁気ヘッドのより速
い離脱や、ヘッドの停泊時の液体成分(潤滑剤や水分
等)の凝集を防止することが必要であり、そのため一般
にCSS領域を適当な方法で粗面化して、その表面粗さ
をデータ領域の表面粗さよりも粗くすることが行なわれ
ている。このような粗面化は、一般にテクスチャーと呼
ばれる各種の方法により対象とする表面に突起を形成し
て行なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
にCSS領域の表面粗さを、より粗くすることにより、
CSS領域にはデータ領域よりも高い突起が多数形成さ
れる。そのような突起の存在は、今日要求される磁気ヘ
ッドの低浮上量化には大きな障害となる。すなわち、磁
気ヘッドがCSSゾーンで摺動し、浮上してデータゾー
ンに移動する際の磁気ディスク表面形状の差によって生
ずる磁気ヘッドの浮上姿勢の乱れが磁気ディスクと磁気
ヘッドの高速度での接触を引起し、その結果、磁気ヘッ
ドの損傷、磁気ディスクのクラッシュ、デジタルデータ
のバースト的な破壊等が生ずる。
【0005】CSSゾーンの突起を研磨等により低くす
る方法も考えられるが、この場合、突起上部の表面積が
大きくなってしまうので、磁気ヘッドとの接触面積も大
きくなり、停止時から作動する際の摩擦係数も増大し消
費電力が大きくなり、またCSS領域の寿命が短くな
り、いわゆるCSS耐久性の低下をもたらす。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の点
に鑑み、さらに磁気ヘッドの浮上安定性を改良すべく鋭
意研究した結果、磁気ディスクを形成する基板のCSS
領域となる部分を一旦掘り下げることにより、テクスチ
ャー処理を施しても磁気ヘッドが起動・停泊時に突起に
衝突せずCSS耐久性が向上し、磁気ヘッドの超低浮上
量を実現できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち本発明は、CSS領域とデータ領
域とを有する磁気ディスク用の基板であって、前記CS
S領域となる部分が前記基板表面に形成された円環状凹
部であることを特徴とする磁気ディスク用基板を提供す
るものである。かかる磁気ディスク用基板は、基板表面
の一部を円環状に掘り下げて該基板表面に円環状凹部を
形成する工程を含む製造方法により製造することができ
る。
【0008】本発明の基板は、CSS領域とデータ領域
とを有する磁気ディスク用の基板として特に有用であ
る。本発明においてCSS領域とは、主として磁気記録
媒体の停止時に磁気ヘッドとの接触が生じる領域であ
り、データ領域とは磁気記録媒体の停止時・起動時に磁
気ヘッドとの接触が生じず、主として磁気記録を行なう
領域であるが、CSS領域は必要に応じて磁気記録を行
なう領域として使用することもできる。
【0009】本発明において用いられる基板は、通常の
磁気ディスク等に用いられる非磁性支持体であり、たと
えば、ガラス状カーボン材料等のカーボン、強化ガラ
ス、結晶化ガラス、アルミニウムおよびアルミニウム合
金、チタンおよびチタン合金、セラミックス、樹脂、あ
るいはこれらの複合材料からなる基板が用いられる。
【0010】これらのなかでも、ガラス状カーボン材料
製の基板は、耐熱性、軽量性等の点において特に優れた
ものであり、本発明において特に好ましく用いることが
できる。ここで、「ガラス状カーボン材料」とは、ガラ
ス状カーボン単体だけでなく、ガラス状カーボンを母材
とする複合材料を含むものとする。
【0011】また、本発明では、ガラス状カーボン材料
の集合体、ガラス状カーボン材料と合成樹脂および/ま
たは炭素質フィラーを含有する複合材料集合体を使用す
ることもできる。これらは、注型、圧縮、押出し等の広
く知られた各種成型法により成型し、これを乾燥、硬化
後、高温で炭素化された形態、または基体表面にスパッ
タリング法や蒸着法等で直接ガラス状カーボン材料を析
出させた析出体の形態をなすものであり、具体的には、
特開昭60−35333号に記載された材料を使用する
のが好ましい。
【0012】本発明のディスク用基板は、空孔の数がで
きるだけ少ないガラス状カーボン材料集合体、または、
ガラス状カーボン材料を含む複合材料集合体によって製
作されることが好ましいが、このような集合体を得るた
めには、注型法による場合はたとえばカーボン材料の前
駆体(熱硬化性樹脂を硬化剤あるいは熱で硬化させた状
態のもの)を得る段階において、硬化剤を均一に分散さ
せ、あるいは均一に加熱し、かつ硬化速度があまり速く
ならないように調整する。また圧縮あるいは押出し成型
法の場合は、たとえばカーボン材料あるいは上記複合材
料を熱硬化性樹脂で濡らして空隙を極力減少させて成型
することにより得られる。
【0013】さらに、ガラス質炭素に超高温HIP(熱
間静水圧加圧)処理等を施すことにより、気孔を殆ど消
失させて密度を高くし、その特性をグラファイトに近づ
けた高密度アモルファスカーボンを用いることもでき、
具体的には特開平1−230471号等に記載されたガ
ラス状カーボンを使用することができる。
【0014】一般に磁気ディスク用の基板の製造工程
は、例えばカーボン基板の場合、原料樹脂の混合、成
型、ラッピング、焼成、仕上げ研磨などの工程を適宜組
み合わせてなる。本発明の製造方法も成型後の基板表面
にCSS領域となる円環状凹部を形成する以外の工程は
公知の方法に準じて行なわれるが、円環状凹部の形成は
仕上げ研磨の前に行なうことが望ましい。基板に円環状
凹部を形成する方法は限定されないが、固定砥粒ホイー
ルを用いた研削、電解エッチングなどにより行なうこと
ができる。具体的には、固定砥粒ホイールを用いた研削
は、砥粒を樹脂やガラス質、金属バインダーで固定した
固定砥粒砥石を使った延性モード研削により行うのが好
ましい。基板表面に研削する際に、研削に用いる砥石の
設定切り込み深さを0.05〜20μmとして砥石中に
ある個々の砥粒の切り込み深さをその基板の延性−脆性
遷移点以下に保ちつつ平面研削機を用いて研削を行う。
【0015】ここで、「延性モード加工」とは、脆性材
料においてもクラックの発生を伴わない塑性流動的な除
去加工、即ち脆性破壊(破砕)ではなく材料の無損傷を
特徴とする研削加工を意味する。かかる加工技術は、材
料への個々の砥粒の切り込み深さを常に延性−脆性遷移
点以下に保つことにより達成される。このことを達成す
る手段としては特に限定されるものではなく、通常公知
の方法を用いることができる。
【0016】したがって、本発明に用いられる研削装置
としては、上記の諸条件を満たすものであれば特に限定
されるものではない。具体的には、例えば、 (株) 日進
機械製作所製超精密平面研削装置(HPG−2A)、
(株) 不二越製ロータリー平面研削盤(HSG−10
A、RGS−20N)、芝技研製加工機SG−T等が挙
げられる。
【0017】また、研削に用いられる固定砥粒(ホイー
ル)は特に限定されるものではなく、通常用いられるス
トレートホイール、カップホイール等公知のものが用い
られるが、基板材料、中間研削の程度、加工しろ(砥石
の設定切り込み深さ)により砥粒の種類、および形、粒
度、ボンド剤、ホイール形状が違ってくるため一概には
言えない。例えば上記研削装置(HPG−2A)を用
い、基板がカーボン基板、中間研削の程度がRa100
nm、加工しろ20μm/片面の場合、砥粒には工業用
ダイヤモンド砥粒を用い(砥粒の平均粒径は1〜5μ
m、より好ましくは1〜2.5μm)、ボンド剤はメタ
ル等が用いられる。ELID(電解インプロセスドレッ
シング)法を用いる場合には、ボンド剤は、Fe(鋳鉄
など)、Cu、Ni等の単体もしくはこれらの一種以上
を含む合金を用いることが好ましい。また、この場合の
他の条件、例えば砥石周速度、送り速度、ワークテーブ
ル回転数等、については特に限定されるものではなく、
通常用いられる公知の程度でよい。
【0018】さらに、研削をELIDを用いて延性モー
ド加工で行うことにより、より高精度で高能率な研削を
行うことができる。具体的には、例えば研削装置におい
て、固定砥粒をメタルボンドホイール(ストレートホイ
ールの外周上に砥粒をメタルバインダーで固定させたも
の)とし、電極をホイール外周の一部を覆うように設置
し、電解質を含んだ水溶液クーラントをホイール外周表
面/被加工基板間に供給し、ホイール側にプラスの電場
を印加し、基板とホイールの双方を回転させながら研削
することによりELID型延性加工が達成できる。電解
により金属バインダーが溶け出し、研削しながら同時に
目だてが行われるので、目詰まりすることがなく、常に
ホイールの切れ味が維持される。
【0019】また、電解エッチングは、基板の凹部とな
る部分以外にホトレジスト等で電気絶縁性のマスキング
を施し、アルカリ又は酸等の電解質溶液中で基板を陽極
とし電解することにより達成される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の磁気ディスク用基板の製
造方法について、カーボン基板の場合を例に説明する。
まず、原料となる熱硬化性樹脂、各種添加剤、溶剤など
を混合し、これを所望の型に注入し、加熱下で硬化させ
る。次いでこれをドーナツ状に加工した後、更に昇温し
つつ加熱し、真空中で加熱焼成した後、冷却する。つい
で、チャンファーリング(面取り加工)を施す。そして
前記したような適当な方法により基板に円環状凹部を形
成し、その後仕上げ研磨を行って製品とする。基板がそ
の他の材質、例えばアルミニウムおよびアルミニウム合
金などの金属やガラスなどからなる場合でも、ドーナツ
状に成型された後、適当な時期に円環状凹部を形成する
工程を導入すればよい。
【0021】本発明の磁気ディスク用基板の一例を図1
に示した。図1(a)は本発明の磁気ディスクの平面略
示図、(b)はそのA−A線断面略示図である。この基
板には円形の凹部2がディスクの内周に形成されてい
る。また図2はその円環状凹部の拡大略示図である。基
板1はCSS領域となる部分が掘り下げられており、凹
部2が形成されている。
【0022】また、図3に本発明の基板の他の例を示
す。図3の基板は環状のCSS領域を有する磁気ディス
ク用のものであり、環状の凹部2が基板の内周に形成さ
れている。
【0023】磁気ディスクを製造する際には、図2
(b)に示すように凹部2にテクスチャー処理が施され
る。すわなち、凹部2に、パウダービームテクスチャ
ー、スパッタテクスチャー、テープテクスチャー等の適
当なテクスチャー処理を施すことにより、図2(b)に
示すように、基板表面の粗面化された部分の中心線平均
高さ(Rp)は平滑な部分のRpとほぼ同じかそれ以下
となり、CSS時の磁気ヘッドの浮上特性が向上する。
【0024】なお、テクスチャー処理の基板のCSS領
域のRpは10〜500Åが好ましく、さらに好ましく
は100〜300Åである。また、基板のデータ領域に
も適当のテクスチャー方法を施すことができるが、鏡面
加工された状態が好ましく、Rpは10〜50Å程度と
することが好ましい。また、テクスチャー後の基板のC
SS領域のRaは10〜30Å、データ領域のRaは1
〜10Åが好ましい。
【0025】テクスチャー後のCSS領域の中心線平均
高さ(Rp)をデータ領域の中心線平均高さと同じかも
しくは低くい方がよい。その高低差は200Å以下が好
ましく、更に好ましくは100Å以下であるとヘッドの
浮上安定性が良くなるので好ましい。
【0026】また、磁気ディスクの磁性層、保護層、潤
滑層等は常法により適宜形成される。
【0027】磁性層としては、たとえば、PVD手段に
より形成された金属薄膜型の磁性層を挙げることができ
る。該金属薄膜型の磁性層を形成する材料としては、た
とえばCoCr、CoNi、CoCrX、CoNiX、
CoWX、CoSm、CoSmX(ここで、Xは、T
a、Pt、Au、Ti、V、Cr、Ni、W、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Li、Si、B、
Ca、As、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、A
g、SbおよびHf等からなる群より選ばれる1種また
は2種以上を示す)等で表されるCoを主成分とするC
o系の磁性合金等を好ましく挙げることができ、使用に
際しては、単独または2種以上の混合物として用いるこ
とができる。上記磁性層の膜厚は、20〜50nmであ
るのが好ましい。
【0028】金属薄膜型の磁性層を有する記録媒体で
は、磁性層を保護する観点から、磁性層上に保護層を設
けることが一般的に行われている。この保護層は、耐磨
耗性の観点から硬度の高いものが選ばれる。たとえば、
Al,Si,Ti,Cr,Zr,Nb,Mo,Ta,W
等の金属の酸化物、窒化物、炭化物、あるいはカーボン
やボロンナイトライド等が挙げられる。この他にも、た
とえば特開平5−217154号公報、特開平5−21
7156号公報、特開平5−225555号公報、特開
平5−225557号公報、特開平5−282661号
公報、特開平6−25840号公報、特願平4−268
952号明細書、特願平5−1720号明細書、特願平
5−217156号明細書、特願平5−40142号明
細書に開示されているものを用いることが出来る。なか
でも好ましいものは炭素、炭化ケイ素、炭化タングステ
ン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、ある
いはこれらの材料の複合されたものである。特に好まし
いものはカーボン、特にダイヤモンドライクカーボンで
ある。この保護層は、厚さが5〜25nmが好ましい。
保護層は、スパッタ等のPVD手段により形成できる。
【0029】また、走行性を向上させるために、磁性層
上或いは保護層上には、たとえば厚さが5〜100Å、
好ましくは10〜50Å程度の潤滑剤層を設けてもよ
い。潤滑剤としては、極性基を持つ潤滑剤と極性基を持
たない潤滑剤とを単独で用いてもよいが併用することが
好ましい。たとえば、極性基を持つ潤滑剤溶液を塗布し
た後、末端に極性基を持たない潤滑剤溶液を塗布した
り、極性基を持つ潤滑剤と極性基を持たない潤滑剤との
混合溶液を塗布し、主として保護層側に近い下層側に極
性基を持つ潤滑剤を、上層側に極性基を持たない潤滑剤
を存在させるようにしても良い。用いられる極性基を持
つ潤滑剤は、分子量が2000〜4000のパーフロロ
ポリエーテル系のものであり、末端に芳香族環を持つも
のが好ましい。即ち、−(CF2CF2O)n−(CF2O)m
−の骨格を有し、末端に芳香族環を持ち、分子量が20
00〜4000であるものが好ましい。具体例として
は、フォンブリンAM2001(モンテカチーニ社製)
やデムナムSP(ダイキン工業社製)等が挙げられる。
極性基を持たない潤滑剤は、分子量が2000〜100
00のパーフロロポリエーテル系のものが好ましい。す
なわち、CF3−(CF2CF2O)n−(CF2O)m−CF3
で表され、分子量が2000〜10000のものが好ま
しい。具体例としては、フォブリンZ03(モンテカチ
ーニ社製)等が挙げられる。塗布方法は限定されず、通
常用いられるディップコート法やスピンコート法が挙げ
られる。
【0030】また、潤滑剤層は、気相重合により形成す
ることもできる。具体的には、フッ化炭素系化合物の気
相重合によって潤滑剤を合成し、これを垂直方向に立て
た、あるいは水平方向に寝かせた被析出物体の表面に析
出させることによって潤滑剤層が形成される。つまり、
気相で重合したフッ素系化合物(潤滑剤組成物)は拡散
により表面に到達して付着し、フッ素系化合物中に残存
しているラジカル等で表面と反応し、固定される。これ
によって潤滑剤層が形成される。そして、この重合反応
は気相中で進行するので、ディスク表面の不均一性に左
右されず、又、表面凝縮を促進させる為にディスクを冷
却する必要がなく、生産性にも優れている。気相重合
は、たとえば、プラズマ重合やCVD(特に、光CV
D)によって行われる。光CVDで行う場合、レーザ光
を被析出物体表面には直接照射せず、原料ガス中にのみ
照射して行うのがよい。
【0031】最終的に得られた磁気ディスクは、テクス
チャーの形状が反映されるので、CSS領域のRpはデ
ータ領域のRpと同じかそれ以下となる。具体的には、
最終的に得られた磁気ディスクは、CSS領域のRaが
10〜50Åであるのが好ましく、特に好ましくは15
〜30Åである。またCSS領域のRpは10〜500
Åであるのが好ましく、特に好ましくは100〜300
Åである。一方、最終的に得られた本発明の磁気ディス
クは、データ領域のRaが1〜10Å、Rpが10〜5
0Åであるのが好ましい。
【0032】
【発明の効果】本発明の磁気ディスク用基板によれば、
磁気ヘッドの姿勢乱れの少ない極めて信頼性の高い磁気
ディスク得ることができる。
【0033】
【実施例】以下実施例にて本発明を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】実施例1 (1) 電解エッチングによる環状凹部の形成 常法により得られたガラス状カーボン基板(サイズ:
2.5インチ、25ミル、比重1.5)に、電解エッチ
ングにより段差加工を施した。即ち、基板のデータ領域
となる部分にPVA−重クロム酸アンモニウム系ホトレ
ジストによりマスキングを施し、10%NaOH水溶液
中で陽極酸化(50mA/cm2 の陽極電圧)を行い、
マスキングされていないCSSとなる部分に幅(図4
(a)中のb)2.8mm、深さ(図4(a)中のa)
25nmの環状凹部2を設けた。これにより図3に示す
ような基板を得た。 (2) パウダービームによるテクスチャー工程 次いで、この円環状凹部2に対して微小粒子(平均粒径
1.0μmのアルミナ)を噴射してパウダービームテク
スチャーを行なった。テクスチャー後のCSS領域およ
びデータ領域のRa、Rpを表1に示す。Ra、Rpは
触針式粗さ計(TENCOR社製、型式P2)により、
下記の条件で測定した。 触針径:0.6μm(針曲率半径) 触針押し付け圧力:7mg 測定長:250μm×8ヶ所 トレース速度:2.5μm/秒 カットオフ:1.25μm(ローパスフィルタ) (3) 成膜工程 テクスチャー処理を終えた後、基板上に、スパッタによ
りTi膜(50nm)、Cr膜(40nm)、CoCr
PtB膜(30nm)、C膜(15nm)を順次成膜
し、更に潤滑剤〔フォンブリンAM2001(アオジモ
ント社製)〕を2nmの膜厚になるように塗布した。ス
パッタ条件は以下の通りである。 ・真空中Arガス圧5mTorr ・基板温度240℃ ・基板バイアス電圧−100V (4) 特性評価 得られた磁気ディスクについて、CSSテストおよびグ
ライドハイトテスト(GHT)を以下の方法により行な
った。その結果も表1に示す。 *CSSテスト;ヤマハ社製の薄膜ヘッドを用い、ヘッ
ド荷重3.5g、ヘッド浮上量2.8μインチ、450
0rpmで5秒間稼働、5秒間停止のサイクルを繰り返
して行い、その際の静摩擦係数(μs)が0.6になる
までの回数を調べた。なお、CSSテストはディスクを
円とみなした場合の中心から12mmの位置で行なっ
た。 *GHT;PROQUIP社製テスターを用い、50%
スライダヘッドを用いて行った。サンプル基板を10枚
用い、0.025μmの浮上高さの通過率により、以下
ように評価した。 S:通過率が90%以上 A:通過率が50%以上〜90%未満 B:通過率が30%以上〜50%未満 C:通過率が30%未満。
【0035】実施例2 実施例1において、環状凹部の形成を下記条件による固
定砥粒研削により行い、テクスチャー処理を下記条件に
よるスパッタテクスチャーにより行なった。その他の工
程は実施例1と同様として磁気ディスクを製造し、実施
例1と同様の特性評価を行なった。 (i) 固定砥粒研削(ストレートホイール)による凹部形
成 (株) 日進機械製作所製、超精密横型平面研削装置(H
PG−2A)を用い、#8000のダイヤモンドストレ
ートホイール(新東ブレータ (株) 製、鉄ボンド砥石、
SD8000N100FX3、3mm幅)を用い、基板
を回転させ、かつホイールも回転させながら基板表面に
対し垂直に接触させて内周部の3mm幅につき、深さ3
00Åの加工を行った。加工深さは前記と同じ粗さ計に
より測定した。
【0036】(ii)スパッタテクスチャー 基板をスパッタ装置内にセットした後、チャンバー内を
排気し、3×10-7の真空度とし、次いでArガスを導
入して5mTorrとした。この後、基板をヒーターに
より200℃まで加熱して、基板にバイアス電圧−10
0Vを印加して下記の層をこの順で形成した。 ・Ti層(50nm) ・AlSi(Al:Si=90:10原子比)層(30n
m)(テクスチャー層) ・C層(20nm)。
【0037】実施例3 実施例1において、環状凹部の形成を下記条件による固
定砥粒研削により行い、テクスチャー処理を下記条件に
よるテープテクスチャーにより行なった。その他の工程
は実施例1と同様として磁気ディスクを製造し、実施例
1と同様の特性評価を行なった。 (i) 固定砥粒研削(カップホイール)による凹部形成 (株) 不二越製、ロータリー平面研削盤HSG−10A
を用い、#4000ダイヤモンドカップホイール(新東
ブレータ (株) 製、SD4000N100FX3、ホイ
ール幅2mm)を用いる、ストレートホイールと同様に
ホイールを基板平面に対し垂直に接触させて内周部の3
mm幅につき、深さ300Åの加工を行った。加工深さ
は前記と同じ粗さ計により測定した。
【0038】(ii)テープテクスチャー 下記条件にてテープテクスチャーを行なった。 <テープテクスチャー条件> ・テープ:日本ミクロコーティング社製 #4000〜
#8000 ・テープ送り速度:300〜500mm/分 ・圧子荷重:2〜3kg/cm2 ・基板回転速度:40〜100rpm ・テープ揺動:200〜500往復/分、揺動巾1mm ・圧子硬度:ショア硬度60度、凸部形状を有するシリ
コンゴムを使用 ・加工時間:20秒。
【0039】実施例4 実施例1において、磁気ディスク用基板として強化ガラ
ス基板(2.5インチ、25ミル)を用いた以外は実施
例1と同様として磁気ディスクを製造し、実施例1と同
様の特性評価を行なった。 比較例1 実施例1において、基板に円環状凹部を形成せずに基板
全体にテープテクスチャー(条件は実施例3と同じ)を
施してディスク基板を作製し、実施例2と同様に磁気デ
ィスクを作製し、磁気ディスクのCSS領域およびデー
タ領域のRa、Rp、GHT、CSSを評価した。その
結果を表1に示す。
【0040】比較例2 比較例1で作製した基板のCSS領域の突起を、下記条
件の研磨により削り、突起高さを揃えたディスク基板を
作製し、実施例1と同様に基板のCSS領域およびデー
タ領域のRa、Rp、GHT、CSSを評価した。その
結果を表1に示す。 <研磨条件> ・テープ:日本ミクロコーティング社製 #6000〜
#10000 ・テープ送り速度:300〜500mm/分 ・圧子荷重:2〜3kg/cm2 ・基板回転速度:40〜100rpm ・テープ揺動速度:200〜500往復/分 ・圧子硬度:ショア硬度60度 ・加工時間:15秒〜150秒
【0041】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ディスク用基板の一例を示す略示
図である。
【図2】本発明の磁気ディスク基板の凹部の拡大略示図
である。
【図3】本発明の磁気ディスク用基板の他の例を示す略
示図である。
【図4】図3の磁気ディスク基板の凹部の拡大略示図で
ある。
【符号の説明】
1:基板 2:円環状凹部 3:テクスチャー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CSS領域とデータ領域とを有する磁気
    ディスク用の基板であって、前記CSS領域となる部分
    が前記基板表面に形成された円環状凹部であることを特
    徴とする磁気ディスク用基板。
  2. 【請求項2】 前記基板がカーボンからなる請求項1記
    載の磁気ディスク用基板。
  3. 【請求項3】 磁気ディスク用の基板の表面の一部を円
    環状に掘り下げて該基板表面に円環状凹部を形成する工
    程を含むことを特徴とする磁気ディスク用基板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記円環状凹部の形成を固定砥粒ホイー
    ルを用いた研磨により行なう請求項3記載の磁気ディス
    ク用基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記円環状凹部の形成を電解エッチング
    により行なう請求項3記載の磁気ディスク用基板の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記円環状凹部の形成を仕上げ研磨前に
    行う請求項3〜5の何れか1項記載の磁気ディスク用基
    板の製造方法。
JP25336195A 1995-09-29 1995-09-29 磁気ディスク用基板およびその製造方法 Pending JPH0997418A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7273563B2 (en) 2004-02-10 2007-09-25 Tdk Corporation Method for manufacturing a magnetic recording medium
CN100440326C (zh) * 2004-03-31 2008-12-03 Hoya株式会社 磁盘用玻璃基板以及磁盘

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US7273563B2 (en) 2004-02-10 2007-09-25 Tdk Corporation Method for manufacturing a magnetic recording medium
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