JPH0996987A - 定着ローラー及びその製造方法 - Google Patents

定着ローラー及びその製造方法

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JPH0996987A
JPH0996987A JP7277198A JP27719895A JPH0996987A JP H0996987 A JPH0996987 A JP H0996987A JP 7277198 A JP7277198 A JP 7277198A JP 27719895 A JP27719895 A JP 27719895A JP H0996987 A JPH0996987 A JP H0996987A
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JP
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elastic layer
rubber
fixing roller
layer
release layer
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JP7277198A
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English (en)
Inventor
Hideki Kashiwabara
秀樹 柏原
Katsuya Yamada
克弥 山田
Yoshitoshi Adachi
俊寿 足立
Toshihiko Takiguchi
敏彦 滝口
Akira Nishimura
昭 西村
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 芯金上に弾性層と離型層の少なくとも2層が
この順に形成された定着ローラであって、これら両層間
の層間接着力が顕著に改善され、耐久性に優れた定着ロ
ーラーを提供する。 【解決手段】 芯金1上に、ゴムからなる弾性層2と、
シリコーンゴム、フッ素樹脂またはフッ素ゴムからなる
離型層3の少なくとも2層がこの順に積層されてなる定
着ローラーにおいて、弾性層がゴム中に平均粒子径20
〜100μmの塊状粒子を分散させたゴム組成物から形
成され、かつ、弾性層表面に塊状粒子の除去による孔が
形成されることによって、弾性層と離型層との界面に微
小な凹凸が形成されていることを特徴とする定着ローラ
ー。ゴム中に平均粒子径20〜100μmの塊状粒子を
分散させたゴム組成物から弾性層を形成し、弾性層表面
の塊状粒子を除去して孔を形成した後、その上に離型層
を形成することを特徴とする定着ローラーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、複写機、
レーザービームプリンター、ファクシミリ等の特に高速
でモノクロ画像が出力できる機種、部分カラーあるいは
フルカラー画像が出力できる機種等の定着部に用いるロ
ーラー、即ち弾性を持つ定着ローラー及びその製造方法
に関するものである。ただし、本発明の定着ローラー
は、これと同様な特性、即ち、弾性や非汚染性等を活用
する圧着ローラーや搬送ローラー等類似の製品への利用
を除外するものではない。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機やレーザービームプリン
ター、ファクシミリ等の画像形成装置において、転写紙
上の未定着トナー像を定着させる方法として、一般に、
加熱ローラーを用いる方法が用いられている。この定着
方法は、未定着のトナー画像を形成した転写紙を2つの
圧接したローラー間に通し、かつ、ローラーの一方また
は双方を内部から加熱することにより、トナー像を転写
紙上に定着させる方式である。2つのローラーの内、未
定着トナー像に接触する方のローラーを定着ローラーと
呼び、通常、その内部に加熱源が配置されている。
【0003】定着ローラーとしては、金属製の芯金上
に、弾性層を設けたもの、あるいは弾性層の上に更に離
型層を設けたものなどが汎用されている。具体的には、
シリコーンゴムの弾性と非汚染性または非粘着性を利用
し、芯金上にシリコーンゴムを単層に成形したものや、
特性の異なるシリコーンゴム組成物に弾性と離型性の機
能を分担させて、弾性層と離型層の複数の層に成形した
ものが、特にフルカラー用の定着ローラーによく用いら
れている。高速でモノクロ画像を出力する目的には、シ
リコーンゴムを弾性層とし、その上にフッ素樹脂を積層
したタイプの定着ローラーが主として用いられてきた。
【0004】従来技術における最大の課題は、定着ロー
ラーの耐久性が未だ不十分なことであり、これにより複
写機等の定着ローラーの交換頻度が高く、装置メンテナ
ンス費用が高くなることが問題であった。定着ローラー
の耐久性不足の一因として、芯金上に形成するシリコー
ンゴム層やフッ素樹脂層の層間接着力の小さいことが挙
げられる。例えば、従来のフルカラー画像用の定着ロー
ラーでは、HTV型(高温硬化型)シリコーンゴムを弾
性層とし、その上にフッ素ゴムやRTV型(室温硬化
型)シリコーンゴムなどからなる離型層を順に積層した
構造となっているが、各層間は、接着処理の難しい材料
同士の異種材料間接着になっているため、接着力を上げ
ることが難しく、数十g/cmの剥離強度しか得られな
かった。このため、これまでのフルカラー複写機用の定
着ローラーでは、A4用紙で2万枚程度コピーするか、
あるいはOHP用紙をコピーすることなどにより、層間
剥離が発生していた。
【0005】また、従来の高速モノクロ画像用定着ロー
ラーでは、シリコーンゴムを弾性層とし、その上にフッ
素樹脂を積層した構造となっているが、この場合も、接
着処理の難しい材料同士の異種材料間接着になっている
ため、接着力を上げることが難しく、せいぜい数十g/
cmの剥離強度しか得られなかった。これに関し、特公
平7−19104号公報及び特公平7−78659号公
報には、弾性層のシリコーンゴム中に0.5〜15μm
の大きさの無機フィラーを分散混入させ、弾性層の研磨
時に表面の無機フィラーを脱落させて孔を形成した上
に、離型層を積層することにより接着力の改善を図るこ
とが提案されており、これによって、百数十g/cmの
剥離強度を得ている。しかし、このような小さな粒径の
無機フィラーを用いたのでは、弾性層と離型層との間の
接着力の向上に必要な大きさの凹凸が形成されないた
め、層間の剥離強度は低く、両層を物理的に接着させる
ために十分なものとはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芯金
上に弾性層と離型層の少なくとも2層がこの順に形成さ
れた定着ローラであって、これら両層間の層間接着力が
顕著に改善され、耐久性に優れた定着ローラーとその製
造方法を提供することにある。本発明者らは、前記従来
技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、ゴム
中に平均粒子径20〜100μmの塊状粒子を分散させ
たゴム組成物から弾性層を形成し、弾性層表面の塊状粒
子を除去して孔を形成した後、その上に離型層を形成す
ることにより、アンカー効果が顕著に向上し、層間の接
着力がより強力となって、耐久性に優れた定着ローラー
の得られることを見出した。
【0007】弾性層表面の塊状粒子の除去は、研磨処理
により行うことができるが、塊状粒子として水溶性粒子
や昇華性の界面活性剤を用いると、水に溶かしたり、あ
るいは加熱して昇華させることにより、効果的に孔を形
成することができる。このようにして、多数の孔を形成
した弾性層の上に離型層を形成すると、両者の界面には
微小な凹凸構造が形成され、層間接着力が増大する。本
発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、芯金上
に、ゴムからなる弾性層と、シリコーンゴム、フッ素樹
脂またはフッ素ゴムからなる離型層の少なくとも2層が
この順に積層されてなる定着ローラーにおいて、弾性層
がゴム中に平均粒子径20〜100μmの塊状粒子を分
散させたゴム組成物から形成され、かつ、弾性層表面に
塊状粒子の除去による孔が形成されることによって、弾
性層と離型層との界面に微小な凹凸が形成されているこ
とを特徴とする定着ローラーが提供される。
【0009】また、本発明によれば、芯金上に、ゴムか
らなる弾性層と、シリコーンゴム、フッ素樹脂またはフ
ッ素ゴムからなる離型層の少なくとも2層がこの順に積
層する定着ローラーの製造方法において、ゴム中に平均
粒子径20〜100μmの塊状粒子を分散させたゴム組
成物から弾性層を形成し、弾性層表面の塊状粒子を除去
して孔を形成した後、その上に離型層を形成することを
特徴とする定着ローラーの製造方法が提供される。
【0010】本願第1発明の好ましい実施態様は、以下
のとおりである。 1.弾性層と離型層との界面に、JIS B−0601
に規定される最大高さ(Rmax)15〜80μmの微
小な凹凸が形成されている前記定着ローラー。 2.塊状粒子の平均粒子径が20〜50μmである前記
定着ローラー。 3.ゴム中に塊状粒子が10〜40体積%の割合で含有
されている前記定着ローラー。 4.塊状粒子が、無機フィラー、水溶性粒子、及び昇華
性の界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種
である前記定着ローラー。 5.無機フィラーが、窒化ホウ素、シリカ、及びアルミ
ナからなる群より選ばれる少なくとも1種である第4項
記載の定着ローラー。 6.水溶性粒子が、塩化ナトリウム及び炭酸カルシウム
からなる群より選ばれる少なくとも1種である第4項記
載の定着ローラー。
【0011】7.昇華性の界面活性剤が、100℃以上
の昇華点を有する化合物である第4項記載の定着ローラ
ー。 8.弾性層が、シリコーンゴム、フッ素ゴム、及びシリ
コーンゴム−エチレンプロピレンゴム共重合体からなる
群より選ばれる少なくとも1種である前記定着ローラ
ー。 9.シリコーンゴムが、フロロシリコーンゴム及びメチ
ルフェニルシリコーンゴムからなる群より選ばれる少な
くとも1種である第8項記載の定着ローラー。 10.離型層が、フロロシリコーンゴム及びメチルフェ
ニルシリコーンゴムからなる群より選ばれる少なくとも
1種である前記定着ローラー。 11.離型層がRTV型のシリコーンである前記定着ロ
ーラー。 12.離型層がフッ素樹脂である前記定着ローラー。
【0012】本願第2発明の好ましい実施態様は、以下
のとおりである。 1.塊状粒子が、無機フィラー、水溶性粒子、及び昇華
性の界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種
である前記定着ローラーの製造方法。 2.ゴム中に平均粒子径20〜100μmの塊状粒子を
分散させたゴム組成物から弾性層を形成した後、研磨処
理することにより弾性層表面の塊状粒子を除去して孔を
形成する前記定着ローラーの製造方法。 3.弾性層表面の研磨処理後に、水溶性粒子を水に溶か
すか、あるいは昇華性の界面活性剤を昇華させて、これ
らの粒子を除去する前記定着ローラーの製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】内層の弾性層には、通常、シリコ
ーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム−エチレンプロ
ピレンゴム共重合体などのゴム、あるいはこれらの2種
以上の混合物を用いる。弾性層のゴムとしては、耐熱性
の点から、特に、シリコーンゴムまたはフッ素ゴム、あ
るいはシリコーンゴムとフッ素ゴムとの混合物が好まし
い。弾性層を形成するシリコーンゴムとしては、通常、
ミラブルタイプのHTV型(高温硬化型)シリコーンゴ
ムが使用される。このようなシリコーンゴムとしては、
ジメチルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、メチ
ルフェニルシリコーンゴムなどが挙げられる。耐油性の
点からは、シリコーンゴムの中でもフロロシリコーンゴ
ムまたはメチルフェニルシリコーンゴムを単独で用いる
か、あるいは併用することが好ましい。
【0014】弾性層の厚みは、用途や設置する機械装置
の構造、目標とする弾性、用いる材料の高度等を勘案し
て適宜設置されるが、一般的には100μm〜3mmの
範囲に設定されることが多い。勿論これより厚い膜厚に
成形した後に研磨等により必要な膜厚に加工してもよ
い。弾性層は、金属製の芯金上にプライマーを介して積
層してもよく、芯金をブラスト、電気化学的エッチン
グ、化学的エッチングのいずれか、もしくはそれらを組
み合わせた方法により粗面化して、さらに必要に応じて
プライマーを介して積層してもよい。
【0015】外層の離型層は、シリコーンゴム、フッ素
樹脂またはフッ素ゴムを用いて形成するが、トナー離型
製の観点からシリコーンゴムまたはフッ素樹脂を用いる
ことが好ましい。離型層のシリコーンゴムとしては、H
TV(高温硬化型)、LTV(低温硬化型)、RTV
(室温硬化型)のいずれを用いてもよいが、平滑な表面
が得られ、良好な定着画像が得られる点で、特にRTV
型シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムの化学構
造としては、ジメチルシリコーン、フロロシリコーン、
メチルフェニルシリコーンなどがあり、いずれを用いて
もよいが、特に耐油性と高耐久性を付与するため、フロ
ロシリコーンまたはメチルフェニルシリコーンを単独で
用いるか、あるいは両者を併用することが好ましい。
【0016】離型層のフッ素樹脂としては、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(P
FA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロ
エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフル
オロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)等任意のものが選択でき、それらを
2種以上の混合物として用いてもよい。これらの材料形
態としては、ディスパージョン、粉体等のいずれでもよ
く、また、チューブ状等に成形されていてもよい。耐熱
性や離型性(非汚染性、非粘着性)の観点から、PTF
E、PFA、FEPのいずれか、あるいはその2種以上
の混合物がより好ましく用いられる。
【0017】離型層の厚みも、用途や設置する機械装置
の構造、目標とする弾性、用いる材料の硬度、弾性層の
硬度、摩耗耐久性等を勘案して適宜設定されるが、一般
的には5〜300μmに設定される。本願では、内層の
弾性層と外層の離型層との界面にアンカー効果を発揮す
るような15〜80μmの大きさの孔(凹凸)を均一に
形成することを特徴としている。このような孔を形成す
るため、平均粒子径が20〜100μm、好ましくは2
0〜50μmの大きさの塊状粒子をゴムに練り込んだゴ
ム組成物を用いて弾性層を形成する。そして、この塊状
粒子を研磨時に弾性層の表面から除去することにより、
弾性層表面がえぐり取られたようになり、蛸壷状の孔が
形成される。鱗片状粒子の場合、このような蛸壷状の孔
は形成されない。研磨時に除去する塊状粒子としては、
無機フィラーが好ましいが、中でも窒化ホウ素粒子は、
摺動性を持っているので研磨時に脱落しやすく、孔が形
成されやすい。塊状粒子の平均粒子径は、島津製作所製
のUV光散乱型の粒度分布測定器SALD−1100を
用い、面積基準分布のモード平均値で求めた。
【0018】塊状粒子として水溶性粒子を用いると、研
磨後に、弾性層表面からこれを溶かし出すことにより、
より複雑な蛸壷状の微細な凹凸が形成される。水溶性粒
子としては、塩化ナトリウムや炭酸カルシウムが好まし
く、含水によって凝集した水溶性粒子については、粉砕
し、乾燥してから弾性層のゴムに練り込むことが好まし
い。塊状粒子として昇華性の界面活性剤を用いると、弾
性層を加熱して粒子を昇華させることにより孔を形成す
ることができる。この場合、弾性層のプレス成形時には
昇華するが、金型内では発泡しないよう、昇華温度が1
00〜200℃の範囲内の界面活性剤であることが好ま
しい。
【0019】さらに、ここに示した無機フィラー、水溶
性粒子、昇華性の界面活性剤は、それぞれ単独で練り込
んでもよい。しかしこれらの2種以上の混合物を用いる
ことにより、さらに複雑な凹凸が弾性層表面に形成さ
れ、離型層との物理的接着力が向上することが期待でき
る。弾性層に練り込む塊状粒子の量は、10〜40体積
%の範囲が望ましい。10体積%より少ないと内層表面
に形成される孔の数が少なく、アンカー効果が十分に発
揮されない。また、40体積%より多いと、弾性層のゴ
ムの強度が大幅に低下し、耐久性が低下する。このよう
にして孔を形成した内層の弾性層の上に、外層である離
型層を被覆すると、外層が内層表面の凹凸に食い込み、
強い層間接着力が得られる。
【0020】
【実施例】以下この発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0021】[実施例1〜18、比較例1〜12]定着
ローラーとして、外径56mmのアルミニウム製の芯金
上に厚さ2mmの内層ゴム(弾性層)を被覆し、その上
に厚さ200μmの外層ゴムまたは外層樹脂(離型層)
を被覆した構造のものを作製した。まず、芯金上にプラ
イマー(信越化学社製プライマーX−93−805)を
刷毛塗りし、80℃で30分間乾燥させた。弾性層ゴム
として、表1〜2に示した各生ゴムに充填粒子を練り込
み、さらにパーオキサイド加硫剤(信越化学製のC−8
A)を0.5重量部練り込んだ。この弾性層ゴムを約4
mmの厚さにシーティングしたものを芯金上に巻き付
け、金型にてプレス成形して3mm厚さで被覆した。プ
レス温度は160℃、プレス時間は60分間である。続
いて、被覆した弾性層の表面を回転砥石で均一に研磨
し、厚さを2mmとした。
【0022】表1〜2で水溶性粒子を弾性層ゴムに配合
したものについては、研磨後に60℃の水に6時間浸漬
し、その後100℃で30分間乾燥させた。このように
して弾性層の表面に、表1〜2に示した大きさの孔を形
成した。この上に外層である離型層として、表1〜2に
示した配合のゴムまたはフッ素樹脂を被覆した。被覆厚
さは200μmとした。シリコーンゴムの場合、液状の
RTV型シリコーンゴムに、弾性層を形成したローラー
を浸漬してからゆっくり引き上げて塗布し、120℃で
1時間、180℃で1時間熱処理した。フッ素樹脂は、
水分散液であるダイキン工業社製のEK4300CRを
スプレーで塗布し、100℃で30分間、380℃で1
5分間熱処理した。
【0023】こうして完成させた定着ローラーの内層と
外層の接着力を測定した。具体的には、図1に示すよう
に、外層ゴム(離型層)の一部を剥離して引張試験機に
取り付け、50mm/分の速度で剥離して、180°の
剥離強度(接着力)を測定した。その結果、表1〜2に
示すように、弾性層に孔が形成されたサンプルでは、接
着力が大幅に向上している。さらに、定着ローラーを図
2に示す回転耐久試験機にかけ、外層が内層から剥離す
るまでの時間を測定したところ、各実施例では、耐久時
間が大幅に延長されている。なお、回転耐久試験では、
ローラーの表面温度を180℃とし、ウエブを介してロ
ーラーに塗布するシリコーンオイルは、信越化学社製の
ジメチルシリコーンオイルKF96Hとした。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】(脚注) *HTVジメチルシリコーン:信越化学社製KE931
U *HTVフロロシリコーン:信越化学社製FE241U *HTVメチルフェニリシリコーン:信越化学社製KE
7016U *RTVジメチルシリコーン:信越化学社製KE193
5 *RTVフロロシリコーン:信越化学社製FE61 *昇華性界面活性剤:住友3M社製フロラードFC−1
43 <回転耐久時間> ◎:1000時間以上でも離型層が剥離しない。 ○:500時間以上、1000時間未満で離型層が剥離
する。 ×:500時間未満で離型層が剥離する。 <脆さ> ○:内層の弾性層が脆い。 ×:内層の弾性層が脆くない。
【0027】
【発明の効果】本発明により、弾性層と離型層との層間
接着力が著しく高められた結果、例えば、電子写真複写
機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の特に
高速でモノクロ画像が出力できる機種、あるいは部分カ
ラーまたはフルカラー画像が出力できる機種等の定着部
に用いるローラー、即ち弾性を持つ定着ローラーの耐久
性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】層間接着力の測定方法を示す図である。
【図2】回転耐久試験機の模式図である。
【符号の説明】
1:芯金 2:弾性層 3:離型層 4:離型層の剥離部分 5:クランプ 6:ウエブ 7:定着ローラー 8:加圧ローラー 9:ハロゲンランプヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝口 敏彦 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 西村 昭 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯金上に、ゴムからなる弾性層と、シリ
    コーンゴム、フッ素樹脂またはフッ素ゴムからなる離型
    層の少なくとも2層がこの順に積層されてなる定着ロー
    ラーにおいて、弾性層がゴム中に平均粒子径20〜10
    0μmの塊状粒子を分散させたゴム組成物から形成さ
    れ、かつ、弾性層表面に塊状粒子の除去による孔が形成
    されることによって、弾性層と離型層との界面に微小な
    凹凸が形成されていることを特徴とする定着ローラー。
  2. 【請求項2】 弾性層と離型層との界面に、JIS B
    −0601に規定される最大高さ(Rmax)15〜8
    0μmの微小な凹凸が形成されている請求項1記載の定
    着ローラー。
  3. 【請求項3】 塊状粒子の平均粒子径が20〜50μm
    である請求項1記載の定着ローラー。
  4. 【請求項4】 ゴム中に塊状粒子が10〜40体積%の
    割合で含有されている請求項1記載の定着ローラー。
  5. 【請求項5】 弾性層が、フロロシリコーンゴム及びメ
    チルフェニルシリコーンゴムからなる群より選ばれる少
    なくとも1種である請求項1ないし4のいずれか1項に
    記載の定着ローラー。
  6. 【請求項6】 離型層が、フロロシリコーンゴム及びメ
    チルフェニルシリコーンゴムからなる群より選ばれる少
    なくとも1種である請求項1ないし4のいずれか1項に
    記載の定着ローラー。
  7. 【請求項7】 芯金上に、ゴムからなる弾性層と、シリ
    コーンゴム、フッ素樹脂またはフッ素ゴムからなる離型
    層の少なくとも2層がこの順に積層する定着ローラーの
    製造方法において、ゴム中に平均粒子径20〜100μ
    mの塊状粒子を分散させたゴム組成物から弾性層を形成
    し、弾性層表面の塊状粒子を除去して孔を形成した後、
    その上に離型層を形成することを特徴とする定着ローラ
    ーの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009172806A (ja) * 2008-01-22 2009-08-06 Fujikura Rubber Ltd 積層体、積層体の製造方法及びシール部材
JP2010152303A (ja) * 2008-11-21 2010-07-08 Ricoh Co Ltd 定着部材、並びにこれを備えた定着装置及び画像形成装置

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JP2009172806A (ja) * 2008-01-22 2009-08-06 Fujikura Rubber Ltd 積層体、積層体の製造方法及びシール部材
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