JPH0995738A - 方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法 - Google Patents
方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法Info
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- JPH0995738A JPH0995738A JP25801795A JP25801795A JPH0995738A JP H0995738 A JPH0995738 A JP H0995738A JP 25801795 A JP25801795 A JP 25801795A JP 25801795 A JP25801795 A JP 25801795A JP H0995738 A JPH0995738 A JP H0995738A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高速塗布においても、筋状模様と称されるよ
うな塗布ムラが発生しない焼鈍分離剤の方向性珪素鋼板
への塗布方法を提供する。 【解決手段】 冷間圧延され脱炭焼鈍された方向性珪素
鋼板の表裏面に、焼鈍分離剤をスラリー状として1次塗
布した後、ガス流体をスリットノズルより前記鋼板面に
垂直方向から噴射し、塗布目付量を調整する、或いは、
圧下力を調整された塗布ロールにより塗布の平均目付量
を制御した後、ガス流体をスリットノズルより前記鋼板
の裏面に垂直方向から噴射し、塗布の目付量を平滑化す
ることを特徴とする方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方
法。
うな塗布ムラが発生しない焼鈍分離剤の方向性珪素鋼板
への塗布方法を提供する。 【解決手段】 冷間圧延され脱炭焼鈍された方向性珪素
鋼板の表裏面に、焼鈍分離剤をスラリー状として1次塗
布した後、ガス流体をスリットノズルより前記鋼板面に
垂直方向から噴射し、塗布目付量を調整する、或いは、
圧下力を調整された塗布ロールにより塗布の平均目付量
を制御した後、ガス流体をスリットノズルより前記鋼板
の裏面に垂直方向から噴射し、塗布の目付量を平滑化す
ることを特徴とする方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、方向性珪素鋼板の
焼鈍分離剤塗布方法、特に、高速塗布方法に関する。
焼鈍分離剤塗布方法、特に、高速塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】方向性珪素鋼板は、磁気特性が優れてい
ることの他に、良好なフォルステライト被膜を有するこ
とが重要である。方向性珪素鋼板の製造では、方向性珪
素鋼板用スラブを例えば、1300〜1400℃に加熱
して、インヒビターを形成する成分Al,N,Mn,S
等を完全に固溶させ、熱延板あるいは最終冷延前の中間
板にインヒビターを微細に析出させる焼鈍を行い、1回
の冷間圧延後、または中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷
間圧延後、Cの除去、一次再結晶の形成、およびSiO
2 を含む酸化層の形成を目的とするいわゆる脱炭焼鈍を
施すのが一般的である。次いで、MgOを主成分とする
焼鈍分離剤を鋼板に塗布した後、二次再結晶、不純物の
除去、およびフォルステライト被膜形成を目的とする仕
上焼鈍が行われる。
ることの他に、良好なフォルステライト被膜を有するこ
とが重要である。方向性珪素鋼板の製造では、方向性珪
素鋼板用スラブを例えば、1300〜1400℃に加熱
して、インヒビターを形成する成分Al,N,Mn,S
等を完全に固溶させ、熱延板あるいは最終冷延前の中間
板にインヒビターを微細に析出させる焼鈍を行い、1回
の冷間圧延後、または中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷
間圧延後、Cの除去、一次再結晶の形成、およびSiO
2 を含む酸化層の形成を目的とするいわゆる脱炭焼鈍を
施すのが一般的である。次いで、MgOを主成分とする
焼鈍分離剤を鋼板に塗布した後、二次再結晶、不純物の
除去、およびフォルステライト被膜形成を目的とする仕
上焼鈍が行われる。
【0003】ところで、焼鈍分離剤は、これをスラリー
状とし、例えば特開昭61−96081号公報に示され
ているように、スプレーノズルで鋼板に噴射することに
より1次塗布し、次いで圧下力を調整された塗布ロール
により塗布の目付量をコントロールして塗布されてい
た。また、塗布目付量の調整のために、塗布ロールのロ
ール溝を変えることも行われていた。
状とし、例えば特開昭61−96081号公報に示され
ているように、スプレーノズルで鋼板に噴射することに
より1次塗布し、次いで圧下力を調整された塗布ロール
により塗布の目付量をコントロールして塗布されてい
た。また、塗布目付量の調整のために、塗布ロールのロ
ール溝を変えることも行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術で
は、ロール表面が使用経時によって劣化し、焼鈍分離剤
のMgOが例えば塗布ロール表面に局部的に固着し、そ
の箇所に接する鋼板面だけが他の面に比し薄く焼鈍分離
剤が塗布される、いわゆる筋状模様等の塗布ムラが発生
する。これらの板幅方向の塗布ムラは、後工程である最
終仕上焼鈍において形成されるフォルステライト被膜の
バラツキの原因となり、商品価値を損なうばかりでな
く、方向性珪素鋼板の磁気特性のバラツキの原因とな
る。
は、ロール表面が使用経時によって劣化し、焼鈍分離剤
のMgOが例えば塗布ロール表面に局部的に固着し、そ
の箇所に接する鋼板面だけが他の面に比し薄く焼鈍分離
剤が塗布される、いわゆる筋状模様等の塗布ムラが発生
する。これらの板幅方向の塗布ムラは、後工程である最
終仕上焼鈍において形成されるフォルステライト被膜の
バラツキの原因となり、商品価値を損なうばかりでな
く、方向性珪素鋼板の磁気特性のバラツキの原因とな
る。
【0005】また、近年、塗布の高速化が試みられてい
るが、高速化により上記の筋状模様等の塗布ムラの発生
が加速されるため、これによる塗布ロール交換の頻度の
増加を余儀なくされるとともに、フォルステライト被膜
のバラツキも大きくなりやすくなる問題がある。このよ
うに、焼鈍分離剤の塗布ムラの問題は、塗布の高速化を
図るうえで大きな障害となっている。
るが、高速化により上記の筋状模様等の塗布ムラの発生
が加速されるため、これによる塗布ロール交換の頻度の
増加を余儀なくされるとともに、フォルステライト被膜
のバラツキも大きくなりやすくなる問題がある。このよ
うに、焼鈍分離剤の塗布ムラの問題は、塗布の高速化を
図るうえで大きな障害となっている。
【0006】本発明は、上記課題に鑑み、方向性電磁鋼
板にMgOを主成分とする焼鈍分離剤をスラリー状とし
て塗布するにあたり、高速塗布においても、筋状模様と
称されるような塗布ムラが発生しない焼鈍分離剤の塗布
方法を提供することを目的とする。
板にMgOを主成分とする焼鈍分離剤をスラリー状とし
て塗布するにあたり、高速塗布においても、筋状模様と
称されるような塗布ムラが発生しない焼鈍分離剤の塗布
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による方向性珪素
鋼板の焼鈍分離剤の塗布方法の要旨は、 (1)冷間圧延され脱炭焼鈍された方向性珪素鋼板の表
裏面に、焼鈍分離剤をスラリー状として1次塗布した
後、ガス流体をスリットノズルより前記鋼板面に垂直方
向から噴射し、塗布目付量を調整することを特徴とする
方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。 (2)冷間圧延され脱炭焼鈍された方向性珪素鋼板の表
裏面に、焼鈍分離剤をスラリー状として1次塗布し、次
いで圧下力を調整された塗布ロールにより塗布の平均目
付量を制御した後、ガス流体をスリットノズルより前記
鋼板面に垂直方向から噴射して、塗布の目付量を平滑化
することを特徴とする方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布
方法。 (3)1次塗布を、スプレー法、もしくは、塗布ロール
による転写法により行うことを特徴とする(1)又は
(2)記載の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。 (4)ガス流体をスリットノズルより鋼板の片面へ噴射
することを特徴とする(2)又は(3)に記載の方向性
珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。 (5)ガス流体をスリットノズルより鋼板の裏面へ噴射
することを特徴とする(2)〜(4)のいずれか1項に
記載の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。 (6)裏面の目付量を3g/m2 (水分除去後の固形分
換算)以上とすることを特徴とする(1)〜(5)のい
ずれか1項に記載の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方
法。 (7)スリットノズルの先端の角度を15°以上45°
以下とすることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか
1項に記載の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。
鋼板の焼鈍分離剤の塗布方法の要旨は、 (1)冷間圧延され脱炭焼鈍された方向性珪素鋼板の表
裏面に、焼鈍分離剤をスラリー状として1次塗布した
後、ガス流体をスリットノズルより前記鋼板面に垂直方
向から噴射し、塗布目付量を調整することを特徴とする
方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。 (2)冷間圧延され脱炭焼鈍された方向性珪素鋼板の表
裏面に、焼鈍分離剤をスラリー状として1次塗布し、次
いで圧下力を調整された塗布ロールにより塗布の平均目
付量を制御した後、ガス流体をスリットノズルより前記
鋼板面に垂直方向から噴射して、塗布の目付量を平滑化
することを特徴とする方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布
方法。 (3)1次塗布を、スプレー法、もしくは、塗布ロール
による転写法により行うことを特徴とする(1)又は
(2)記載の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。 (4)ガス流体をスリットノズルより鋼板の片面へ噴射
することを特徴とする(2)又は(3)に記載の方向性
珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。 (5)ガス流体をスリットノズルより鋼板の裏面へ噴射
することを特徴とする(2)〜(4)のいずれか1項に
記載の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。 (6)裏面の目付量を3g/m2 (水分除去後の固形分
換算)以上とすることを特徴とする(1)〜(5)のい
ずれか1項に記載の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方
法。 (7)スリットノズルの先端の角度を15°以上45°
以下とすることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか
1項に記載の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題を有利に解決
するものであって、焼鈍分離剤をスラリー状として1次
塗布した鋼板に、スリットノズルよりガス流体を噴射
し、その際のガス流体の流れの挙動に着目し、高速塗布
においても、筋状模様等と称されるような塗布ムラが生
ぜず、使用経時による塗布不良が発生しない焼鈍分離剤
の塗布を可能としたものである。
するものであって、焼鈍分離剤をスラリー状として1次
塗布した鋼板に、スリットノズルよりガス流体を噴射
し、その際のガス流体の流れの挙動に着目し、高速塗布
においても、筋状模様等と称されるような塗布ムラが生
ぜず、使用経時による塗布不良が発生しない焼鈍分離剤
の塗布を可能としたものである。
【0009】以下に、本発明について、詳細に説明す
る。方向性珪素鋼板の製造では、スラブを熱延しコイル
として巻き取り、酸洗・焼鈍後、1回の冷間圧延後、ま
たは中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧延後、脱炭、
一次再結晶の形成およびSiO2 を含む酸化層の形成を
目的とするいわゆる脱炭焼鈍を施す。次いで、MgOを
主成分とする焼鈍分離剤をスラリー状として鋼板の表裏
面に塗布する。
る。方向性珪素鋼板の製造では、スラブを熱延しコイル
として巻き取り、酸洗・焼鈍後、1回の冷間圧延後、ま
たは中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧延後、脱炭、
一次再結晶の形成およびSiO2 を含む酸化層の形成を
目的とするいわゆる脱炭焼鈍を施す。次いで、MgOを
主成分とする焼鈍分離剤をスラリー状として鋼板の表裏
面に塗布する。
【0010】本発明者らは、焼鈍分離剤をスラリー状と
して1次塗布した鋼板に、スリットノズルよりガス流体
を噴射し、その際のガス流体の流れの挙動に着目し、詳
細に調査したところ、スリットノズルの先端形状及び配
置がガス流体による焼鈍分離剤の飛散及びノズルへの付
着に強く影響し、この両項目が高速安定塗布の重要な要
因であることを見出した。
して1次塗布した鋼板に、スリットノズルよりガス流体
を噴射し、その際のガス流体の流れの挙動に着目し、詳
細に調査したところ、スリットノズルの先端形状及び配
置がガス流体による焼鈍分離剤の飛散及びノズルへの付
着に強く影響し、この両項目が高速安定塗布の重要な要
因であることを見出した。
【0011】図1に、本発明の方向性珪素鋼板の焼鈍分
離剤塗布方法の一例を示す。スプレー1で鋼板2の表裏
面に焼鈍分離剤をスラリー状として1次塗布した(スプ
レー法)後、ヘッダー3を有したスリットノズル4より
ガス例えば空気、N2 等を鋼板2の面に対して垂直に噴
射することにより焼鈍分離剤の塗布目付量を制御する。
尚、1次塗布は、塗布ロールによる転写法でも行うこと
ができる。
離剤塗布方法の一例を示す。スプレー1で鋼板2の表裏
面に焼鈍分離剤をスラリー状として1次塗布した(スプ
レー法)後、ヘッダー3を有したスリットノズル4より
ガス例えば空気、N2 等を鋼板2の面に対して垂直に噴
射することにより焼鈍分離剤の塗布目付量を制御する。
尚、1次塗布は、塗布ロールによる転写法でも行うこと
ができる。
【0012】スリットノズル4の鋼板2の面に対する角
度は、垂直とする。尚、鋼板2の面の垂直方向から5°
以下でも許容される。5°超では、噴射するガスが焼鈍
分離剤を飛散(スプラッシュ)させ、飛散物がスリット
ノズル4に付着し、時間経過とともにスリットノズル4
を閉塞させることになる。
度は、垂直とする。尚、鋼板2の面の垂直方向から5°
以下でも許容される。5°超では、噴射するガスが焼鈍
分離剤を飛散(スプラッシュ)させ、飛散物がスリット
ノズル4に付着し、時間経過とともにスリットノズル4
を閉塞させることになる。
【0013】スリットノズル4の先端の角度θは、15
°未満では、ヘッダー3及びスリットノズル4内の圧力
均一化に必要な空間が確保できず、スリットノズル4の
先での圧力ムラを生じるので15°以上とする。一方、
45°超では、焼鈍分離剤の飛散物(スプラッシュ)が
スリットノズル4に付着しやすく、時間経過とともにス
リットノズル4を閉塞させることになるので45°以下
とする。
°未満では、ヘッダー3及びスリットノズル4内の圧力
均一化に必要な空間が確保できず、スリットノズル4の
先での圧力ムラを生じるので15°以上とする。一方、
45°超では、焼鈍分離剤の飛散物(スプラッシュ)が
スリットノズル4に付着しやすく、時間経過とともにス
リットノズル4を閉塞させることになるので45°以下
とする。
【0014】尚、スリットノズル4からガス流体を噴射
する際の吐出口のスリット幅は狭いほうが望ましく、ま
た、鋼板2とスリットノズル4の吐出口との距離は短い
ほうが望ましい。例えば、スリットノズル4の吐出口の
スリット幅は1.0mm以内、鋼板2とスリットノズル4
の吐出口との距離は30mm以内、また、ヘッダー3内の
圧力はスラリー状の焼鈍分離剤の粘性、通板速度にもよ
るが0.05〜0.20kg/cm2 が好ましい形態であ
る。
する際の吐出口のスリット幅は狭いほうが望ましく、ま
た、鋼板2とスリットノズル4の吐出口との距離は短い
ほうが望ましい。例えば、スリットノズル4の吐出口の
スリット幅は1.0mm以内、鋼板2とスリットノズル4
の吐出口との距離は30mm以内、また、ヘッダー3内の
圧力はスラリー状の焼鈍分離剤の粘性、通板速度にもよ
るが0.05〜0.20kg/cm2 が好ましい形態であ
る。
【0015】図2に、本発明の方向性珪素鋼板の焼鈍分
離剤塗布方法の別の一例を示す。スプレー1で鋼板2の
表面に焼鈍分離剤をスラリー状として1次塗布した後、
次いで、塗布ロール5のロール間を通し(鋼板の裏面に
は塗布ロール5の転写による焼鈍分離剤の1次塗布を兼
ね)、平均塗布目付量を制御した後、ヘッダー3を有し
たスリットノズル4よりガス例えば空気,N2 等を鋼板
2の面に対して垂直に噴射することにより焼鈍分離剤の
塗布目付量を平滑化する。尚、鋼板2の表面への焼鈍分
離剤の1次塗布は、塗布ロール5による転写法でも行う
ことができるし、また、鋼板2の裏面への焼鈍分離剤の
1次塗布は、スプレー法でも行うことができる。スリッ
トノズル4の鋼板2の面に対する角度及びスリットノズ
ル4の先端の角度θは、図1と同様とする。
離剤塗布方法の別の一例を示す。スプレー1で鋼板2の
表面に焼鈍分離剤をスラリー状として1次塗布した後、
次いで、塗布ロール5のロール間を通し(鋼板の裏面に
は塗布ロール5の転写による焼鈍分離剤の1次塗布を兼
ね)、平均塗布目付量を制御した後、ヘッダー3を有し
たスリットノズル4よりガス例えば空気,N2 等を鋼板
2の面に対して垂直に噴射することにより焼鈍分離剤の
塗布目付量を平滑化する。尚、鋼板2の表面への焼鈍分
離剤の1次塗布は、塗布ロール5による転写法でも行う
ことができるし、また、鋼板2の裏面への焼鈍分離剤の
1次塗布は、スプレー法でも行うことができる。スリッ
トノズル4の鋼板2の面に対する角度及びスリットノズ
ル4の先端の角度θは、図1と同様とする。
【0016】また、スリットノズル4からガス流体を噴
射する際の吐出口のスリット幅は狭いほうが望ましく、
鋼板2とスリットノズル4の吐出口との距離は短いほう
が望ましい点も図1と同様である。例えば、スリットノ
ズル4の吐出口のスリット幅は1.0mm以内、鋼板2と
スリットノズル4の吐出口との距離は30mm以内、ま
た、ヘッダー3内の圧力はスラリー状の焼鈍分離剤の粘
性、通板速度にもよるが0.01〜0.05kg/cm2 が
好ましい形態である。
射する際の吐出口のスリット幅は狭いほうが望ましく、
鋼板2とスリットノズル4の吐出口との距離は短いほう
が望ましい点も図1と同様である。例えば、スリットノ
ズル4の吐出口のスリット幅は1.0mm以内、鋼板2と
スリットノズル4の吐出口との距離は30mm以内、ま
た、ヘッダー3内の圧力はスラリー状の焼鈍分離剤の粘
性、通板速度にもよるが0.01〜0.05kg/cm2 が
好ましい形態である。
【0017】更に、本発明者らは、解明を進めたとこ
ろ、塗布目付量が少ないほど筋状模様等の塗布ムラが発
生しやすいこと、表面に比べ裏面のほうが塗布ムラが発
生しやすいこと等を見出した。図3に、これらの新しい
知見に基づく本発明の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布
方法の更に別の一例を示す。
ろ、塗布目付量が少ないほど筋状模様等の塗布ムラが発
生しやすいこと、表面に比べ裏面のほうが塗布ムラが発
生しやすいこと等を見出した。図3に、これらの新しい
知見に基づく本発明の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布
方法の更に別の一例を示す。
【0018】ヘッダー3を有したスリットノズル4より
ガス例えば空気、N2 等を鋼板の裏面に対してのみ噴射
することを除けば図2の例と同じである。表面の塗布目
付量は、裏面より大きくし、ガスの噴射がなくても塗布
ムラのない良好な塗布を得ることが可能となる。一方、
裏面の塗布目付量は、被膜形成に必要な最低量3g/m
2 以上(水分除去後の固形分換算)とする。こうして、
ガスの噴射を鋼板の裏面にのみ行うことにより簡易な設
備でも高速塗布を可能とした。
ガス例えば空気、N2 等を鋼板の裏面に対してのみ噴射
することを除けば図2の例と同じである。表面の塗布目
付量は、裏面より大きくし、ガスの噴射がなくても塗布
ムラのない良好な塗布を得ることが可能となる。一方、
裏面の塗布目付量は、被膜形成に必要な最低量3g/m
2 以上(水分除去後の固形分換算)とする。こうして、
ガスの噴射を鋼板の裏面にのみ行うことにより簡易な設
備でも高速塗布を可能とした。
【0019】このように、鋼板の面にスリットノズルよ
りほぼ垂直にガス流体を噴射することにより焼鈍分離剤
の塗布目付量を直接制御する、或いは、塗布ロールによ
り平均目付量を制御した後で目付量を平滑化する。いず
れの方法においても、鋼板の面の全板幅方向にわたって
塗布ムラを生じることなく均一に塗布される。その結
果、仕上焼鈍で形成されるフォルステライト被膜は良好
なものとなり磁気特性も優れる。また、MgO等の焼鈍
分離剤では、MgOの水和反応MgO+H2 O→Mg
(OH2 )が温度が高い程進行しやすい為に、噴射ガス
は、冷却装置を通した低温のガスが好ましい。その後、
乾燥炉にて方向性珪素鋼板を例えば200℃程度に昇温
し、鋼板上のスラリー状の焼鈍分離剤から付着水分を除
去する。
りほぼ垂直にガス流体を噴射することにより焼鈍分離剤
の塗布目付量を直接制御する、或いは、塗布ロールによ
り平均目付量を制御した後で目付量を平滑化する。いず
れの方法においても、鋼板の面の全板幅方向にわたって
塗布ムラを生じることなく均一に塗布される。その結
果、仕上焼鈍で形成されるフォルステライト被膜は良好
なものとなり磁気特性も優れる。また、MgO等の焼鈍
分離剤では、MgOの水和反応MgO+H2 O→Mg
(OH2 )が温度が高い程進行しやすい為に、噴射ガス
は、冷却装置を通した低温のガスが好ましい。その後、
乾燥炉にて方向性珪素鋼板を例えば200℃程度に昇温
し、鋼板上のスラリー状の焼鈍分離剤から付着水分を除
去する。
【0020】次に、該鋼板をコイル状とし仕上げ焼鈍炉
で公知の方法で長時間の高温焼鈍を施す。該焼鈍過程で
二次再結晶を生じ、また、脱炭工程で生成したSiO2
を含む酸化層とMgOを主成分とする焼鈍分離剤とが反
応してフォルステライト被膜が形成され、また不純物が
除去される。
で公知の方法で長時間の高温焼鈍を施す。該焼鈍過程で
二次再結晶を生じ、また、脱炭工程で生成したSiO2
を含む酸化層とMgOを主成分とする焼鈍分離剤とが反
応してフォルステライト被膜が形成され、また不純物が
除去される。
【0021】尚、本発明は、組成及び製造方法に限定さ
れることなく、方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤の塗布に有
効である。また、方向性珪素鋼板における焼鈍分離剤の
塗布以外のスラリー状の塗布剤或いは塗料等の塗布或い
は塗装についても、本発明は有効である。
れることなく、方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤の塗布に有
効である。また、方向性珪素鋼板における焼鈍分離剤の
塗布以外のスラリー状の塗布剤或いは塗料等の塗布或い
は塗装についても、本発明は有効である。
【0022】
【実施例】次に実施例について述べる。Si:3.1重
量%,酸可溶性Al:0.028重量%,N:0.00
9重量%,Mn:0.08重量%,S:0.027重量
%,C:0.07重量%,残部Fe及び不可避不純物か
らなるスラブを2.5mm厚に熱間圧延し、1120℃で
2分間の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延し最終板厚を
0.3mmとした。次に、820℃で3分間露点65℃、
H2 :75%からなる雰囲気下で連続脱炭焼鈍をした
後、この方向性珪素鋼板に、ライン速度150mpm で、
表1に示す塗布条件で焼鈍分離剤を塗布した。尚、スリ
ットノズルの吐出口のスリット幅は0.5mm、スリット
ノズルと鋼板との距離は20mmで、ガスの噴射角度は鋼
板の面に対して垂直とした。
量%,酸可溶性Al:0.028重量%,N:0.00
9重量%,Mn:0.08重量%,S:0.027重量
%,C:0.07重量%,残部Fe及び不可避不純物か
らなるスラブを2.5mm厚に熱間圧延し、1120℃で
2分間の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延し最終板厚を
0.3mmとした。次に、820℃で3分間露点65℃、
H2 :75%からなる雰囲気下で連続脱炭焼鈍をした
後、この方向性珪素鋼板に、ライン速度150mpm で、
表1に示す塗布条件で焼鈍分離剤を塗布した。尚、スリ
ットノズルの吐出口のスリット幅は0.5mm、スリット
ノズルと鋼板との距離は20mmで、ガスの噴射角度は鋼
板の面に対して垂直とした。
【0023】次に、焼鈍分離剤を塗布した該鋼板を乾燥
炉にて鋼板温度を200℃になるまで昇熱し、付着水分
を除去し、ついで、仕上げ焼鈍炉に挿入し、1100℃
で40時間焼鈍した。
炉にて鋼板温度を200℃になるまで昇熱し、付着水分
を除去し、ついで、仕上げ焼鈍炉に挿入し、1100℃
で40時間焼鈍した。
【0024】表1から分かるように従来法(条件F)で
は、筋状模様を発生し、これに起因するとみられる被膜
の一部剥離が認められた。また、比較材(条件D,E)
では、焼鈍分離剤の飛散によるノズル閉塞を生じたり、
或いはまた、被膜不良を生じた。本発明による方法(条
件A〜C)では、いずれも、塗布ムラは無く、且つ被膜
も良好であった。
は、筋状模様を発生し、これに起因するとみられる被膜
の一部剥離が認められた。また、比較材(条件D,E)
では、焼鈍分離剤の飛散によるノズル閉塞を生じたり、
或いはまた、被膜不良を生じた。本発明による方法(条
件A〜C)では、いずれも、塗布ムラは無く、且つ被膜
も良好であった。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】このように、本発明のガス噴射による塗
布量の制御および平滑化により、高速塗布ムラの無い、
安定塗装が可能となった。その結果、被膜,磁性のバラ
ツキも小さくなり、品質の優れた方向性珪素鋼板を高効
率で生産可能である。
布量の制御および平滑化により、高速塗布ムラの無い、
安定塗装が可能となった。その結果、被膜,磁性のバラ
ツキも小さくなり、品質の優れた方向性珪素鋼板を高効
率で生産可能である。
【図1】本発明の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法
の一例を示す略断面図である。
の一例を示す略断面図である。
【図2】本発明の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法
の別の一例を示す略断面図である。
の別の一例を示す略断面図である。
【図3】本発明の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法
の更に別の一例を示す略断面図である。
の更に別の一例を示す略断面図である。
1 スプレー 2 鋼板 3 ヘッダー 4 スリットノズル 5 塗布ロール θ スリットノズルの先端の角度
Claims (7)
- 【請求項1】 冷間圧延され脱炭焼鈍された方向性珪素
鋼板の表裏面に、焼鈍分離剤をスラリー状として1次塗
布した後、ガス流体をスリットノズルより前記鋼板面に
垂直方向から噴射し、塗布目付量を調整することを特徴
とする方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。 - 【請求項2】 冷間圧延され脱炭焼鈍された方向性珪素
鋼板の表裏面に、焼鈍分離剤をスラリー状として1次塗
布し、次いで圧下力を調整された塗布ロールにより塗布
の平均目付量を制御した後、ガス流体をスリットノズル
より前記鋼板面に垂直方向から噴射して、塗布の目付量
を平滑化することを特徴とする方向性珪素鋼板の焼鈍分
離剤塗布方法。 - 【請求項3】 1次塗布を、スプレー法、もしくは、塗
布ロールによる転写法により行うことを特徴とする請求
項1又は2記載の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方
法。 - 【請求項4】 ガス流体をスリットノズルより鋼板の片
面へ噴射することを特徴とする請求項2又は3に記載の
方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。 - 【請求項5】 ガス流体をスリットノズルより鋼板の裏
面へ噴射することを特徴とする請求項2〜4のいずれか
1項に記載の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法。 - 【請求項6】 裏面の目付量を3g/m2 (水分除去後
の固形分換算)以上とすることを特徴とする請求項1〜
5のいずれか1項に記載の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤
塗布方法。 - 【請求項7】 スリットノズルの先端の角度を15°以
上45°以下とすることを特徴とする請求項1〜6のい
ずれか1項に記載の方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25801795A JPH0995738A (ja) | 1995-10-04 | 1995-10-04 | 方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25801795A JPH0995738A (ja) | 1995-10-04 | 1995-10-04 | 方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0995738A true JPH0995738A (ja) | 1997-04-08 |
Family
ID=17314378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25801795A Withdrawn JPH0995738A (ja) | 1995-10-04 | 1995-10-04 | 方向性珪素鋼板の焼鈍分離剤塗布方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0995738A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101245691B1 (ko) * | 2005-12-09 | 2013-03-25 | 주식회사 포스코 | 전기강판 코팅설비의 용액공급장치 |
-
1995
- 1995-10-04 JP JP25801795A patent/JPH0995738A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101245691B1 (ko) * | 2005-12-09 | 2013-03-25 | 주식회사 포스코 | 전기강판 코팅설비의 용액공급장치 |
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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