JPH0459984B2 - - Google Patents
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- JPH0459984B2 JPH0459984B2 JP61045718A JP4571886A JPH0459984B2 JP H0459984 B2 JPH0459984 B2 JP H0459984B2 JP 61045718 A JP61045718 A JP 61045718A JP 4571886 A JP4571886 A JP 4571886A JP H0459984 B2 JPH0459984 B2 JP H0459984B2
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Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、ホーロー用鋼板の製造方法に関し、
さらに詳細には、酸性減量が少なく、優れたホー
ロー密着性、耐ツマトビ性および成形性を備え、
さらに、特に耐ピンホール性に優れた、連続鋳造
によるホーロー用冷延鋼板の製造に関する。 (従来の技術) 近年、鋼板に表面釉薬(ガラス状エナメル)を
焼付けてガラス質の塗膜を形成したホーロー鋼板
は、家庭用品に止まらず、建築用品や各種工業用
品に至るまで幅広い用途を占めるようになつてき
た。 このようなホーロー鋼板の製造には、素材鋼板
に密着性の良好な下塗りを施してから美麗な外観
を呈する上塗りを行う“2回掛け法”の採用が普
通に行われていたが、最近、密着性を高めるため
に素材鋼板の前処理(酸洗)を十分に行い、これ
に密着性と美麗さとを兼ね備えた釉薬を直接焼付
ける、工程短縮を狙つた“1回掛け法”の普及が
目立つている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来“2回掛け法”用に用いて
いた鋼板をそのまま“1回掛け法”用に適用して
も、素材鋼板とホーロー層の密着不良をきたし、
十分なホーロー成品が得られないことが多い。 また、一般に、“1回掛け法”に適した鋼板と
しては、鋼塊法によるリムド鋼が使用されている
が、鋼板メーカー側から見ると、鋼塊法は、歩留
り、熱エネルギ面での損失が大きいという問題を
含んでいる。また、ホーローメーカー側から見る
と、この従来のリムド鋼は、鋼板の幅、長手方向
の耐ツマトビ性および密着性の不均一や、大型介
在物によるフクレ等のトラブルを生じるリスクが
大きいという問題点がある。 そこで、本発明者らは、特願昭60−19869号に
おいて、鋼板の成分組成を特定のものに選ぶこと
により、連続鋳造法によつても、少ない酸洗減量
の前処理(酸洗)下において十分なホーロー密着
性と耐ツマトビ性を発揮し、また脱炭焼鈍を施す
ことなく良好な成形性を示すホーロー用鋼板の製
造が可能となることを開示した。 ところが、上記提案による特定の成分組成から
成る鋼板を使用する場合にも、施釉条件によつて
は、ホーロー層形成後、ピンホールと称する微小
泡による欠陥の生じることのあることが判明し
た。この原因について調査したところ、CCパウ
ダ中のCが鋼中にピツクアツプされ、これが、ホ
ーロー焼成時にホーロー中のOと結合し、ピンホ
ールを発生させることが確認された。また、スラ
ブ表面には、鋳込み条件によつて、ブローホール
疵と称するスラブ表面疵の生じることが確認され
た。これについても、CCパウダ中のCが溶鋼中
のOと結合し、ブローホールとなるものである。 そこで、本発明の目的は、酸洗減量が少なく、
密着性、耐ツマトビ性および成形性を備え、さら
に、耐ピンホール性および耐ブローホール性に優
れたホーロー用鋼板の製造方法を提供することに
なる。 (問題点を解決するための手段) 上記問題点を解決するために、本発明は、溶鋼
脱ガス処理等の製鋼脱炭によつて得られた低炭素
鋼を使用し、その成分であるC,Cu,P,S等
を特定範囲に調整することにより、良好なホーロ
ー特性(耐ツマトビ性、耐フクレ性、密着性)お
よび良好な成形性を確保するとともに、CCパウ
ダ中のC含有量を1.5wt%以下とし、連続鋳造の
引抜き速度Vを0.8m/分以上でかつ1.33(C−
0.9)+0.8m/分以上とすることにより、スラブ中
へのCのピツクアツプを抑とし、スラブのブロー
ホール疵とホーロー層のピンホール疵とを防止し
ようとするものである。 すなわち、本発明は、C≦0.006wt%、0.2≦
Mn≦0.5wt%、0.005≦P≦0.025wt%、0.005≦S
≦0.025wt%、0.020≦Cu≦0.040wt%、1.0≦Cu
(%)/P(%)≦4.0、0.5≦P(%)/S(%)≦
3.0、200≦O≦500ppm、N≦40ppm、Al≦
0.005wt%の成分を含む溶鋼を連続鋳造するに際
し、C≦1.5wt%を有するCCパウダを使用すると
ともに、引抜き速度を、0.8m/分以上で、かつ
下記条件式 V≦1.33×(C−0.9)+0.8 ここで、V:連続鋳造時の引抜き速度(m/
分) C:CCパウダ中のC含有量(wt%) を満足する範囲内に設定することを特徴とするも
のである。 本発明において、鋼中の各成分を上記の如く限
定した理由について述べる。 (a) C C%は本発明では基本的に低いほど望ましい
が、その含有量が0.006wt%を超えると、鋳造が
困難になるとともに、時効による成形不良が生じ
る。 (b) Mn Mn成分には、熱間圧延時の鋼の赤熱脆化によ
る表面疵を防止する作用があるが、その含有量が
0.2wt%未満ではその効果が十分でなく、赤熱脆
性による表面疵が生じ、一方、0.5wt%を超える
と周容硬化により成形性が不良となる。 (c) P P成分には、ホーロー掛け処理前の酸洗減量値
を大きくする作用があるが、その含有量が
0.005wt%未満では酸洗減量が少なすぎてホーロ
ーの密着不良を引き起し、一方、0.025wt%を超
えると、酸洗過多となつて均一微細凹凸酸洗面が
得られないことからやはりホーローの密着不良を
招く上、硬質化による鋼板の成形性不良が生じる
恐れがある。 (d) S S成分には、鋼板酸洗時における均一微細凹凸
を有する酸洗表面を確保する作用があるが、その
含有量が0.005%未満では結晶粒内での均一な酸
減が起こらなくなり、他方、0.025wt%を越えて
含有させると、非金属介在物過多による酸洗時の
“フクレ”やプレス成形性不良を招くようになる。 (e) Cu Cu成分には、鋼板酸洗時において、Pとの相
互作用によつて微細凹凸を酸洗後の鋼板面に生じ
させる作用があるが、その含有量が0.020wt%未
満では酸減が異常に多くなるとともに結晶粒内で
の均一な酸減が起こらなくなり、他方、0.040wt
%を越えて含有させると酸減過少となつてホーロ
ーの密着不良を招く。 (f) O O成分には、鋼中非金属介在物を形成し、鋼中
水素に起因する“ツマトビ”発生を抑制する作用
があるが、その含有量が200ppm未満では鋼中介
在物が少なくなることによつて“ツマトビ”が発
生しやすくなり、他方500ppmを超えて含有させ
ると介在物過多による酸洗時の“フクレ”やプレ
ス成形不良をきたす。 (g) N Nは鋼中へ不可避的に混入する不純物元素であ
るが、その含有量が0.0040%を超えると“時効
性”に起因する成形不良が顕著になる。 (h) Al Alも同様に鋼中へ不可避的に混入する不純物
元素であるが、その含有量が0.005wt%を超える
ようになると、結果的に鋼中Oを減じ、非金属介
在物量が減じるので、ホーロー後“ツマトビ”が
発生し易くなる。 (i) Cu/P 「Cu(%)/P(%)」の値が1.0未満であると酸
減が以上に多くなるとともに結晶粒内での均一な
微細凹凸面を実現する酸減が起こらなくなり、一
方、その値が4.0を超えた場合には酸減過少とな
つて、いずれにしてもホーローの密着不良を引き
起す。 (j) P/S 「P(%)/S(%)」の値が0.5未満であると酸
減が少なくて適当な表面状況が得られず、一方、
その値が3.0を越えた場合には酸減過多によつて
均一微細凹凸表面を得ることができず、いずれに
してもホーローの密着不良を引き起す。 RHまたはDH脱ガスにより上記のように成分
調整された溶鋼は、本発明によれば、連続鋳造に
付される。これにより、全長全幅において均一と
なり、インゴツトのリムコア境界に生じる不均一
な密着性、ツマトビ、フクレを防止することがで
きる。 連続鋳造に使用されるCCパウダ中のC含有量
は、1.5wt%以下、好ましくは1wt%以下、最も
好ましくは0.9wt%以下とされる。これは、CCパ
ウダ中のC含有量が1.5wt%を超えると、パウダ
中のCが溶鋼中のOと反応してCOガスを発生し、
その結果、スラブ表面にブローホール疵を発生
し、表面の皮剥ぎによる手入れが必要となるから
であり、また極端なケースでは、ブレークアウト
による溶鋼もれをきたす。 連続鋳造時における引抜き速度は、0.8m/分
以上とされる。これは、引抜き速度が0.8m/分
未満であると、パウダ中のCと溶鋼との接触時間
が長くなり、上記と同様にブローホールを生じる
こととなるからである。 パウダ中のC含有量とブローホール疵によるス
ラブ手入面積率、およびホーロー成品のピンホー
ル数との関係を、引抜き速度をパラメータとし
て、第1図(a)および(b)にそれぞれ示す。 第1図bから明らかなように、パウダ中のC含
有量が0.9wt%以下の場合には、引抜き速度が
0.8m/分以上の全ての場合において、ホーロー
成品のピンホール数は実用可能な範囲内に抑えら
れる。一方、引抜き速度が1.6m/分の場合には、
CCパウダ中のC含有量が1.5wt%以下の全ての場
合に対して、実用可能となる。そこで、第1図b
から、下記の条件式が導き出される。 V−0.8≧0.8/1.5−0.9(C−0.9) V≧1.33(C−0.9)+0.8 ……(1) ここでVは連続鋳造時の引抜き速度(m/分) CはCCパウダ中のC含有量(wt%) したがつて、連続鋳造時の引抜き速度V(m/
分)は、0.8m/分以上でかつ条件式(1)を満足す
るものでなければならない。 連続鋳造により得られたスラブの熱延は、通常
の冷延母材製造法と同様の方法で行なわれる。巻
取り温度は400〜750℃であることが好ましい。
400℃未満の場合には、平坦不良となり、750℃を
超える場合にはスケールの剥離が困難となるから
である。冷延については特に限定はなく、通常の
冷間圧延法が用いられる。 このようにして得られた鋼材は、さらに焼鈍処
理に付され、製鋼段階で残留した微量Cをオープ
ンコイル焼鈍でさらに脱炭し、結晶粒の成長を促
しまた、脱N処理により、時効性をなくし、成形
性を向上させることも可能である。また連続焼鈍
でもよく、タイトコイル焼鈍でもよい。 各焼鈍条件はつぎの通りである。 タイトコイル焼鈍(BAF) タイトコイルを、均熱温度600〜750℃で均熱
後、徐冷。 オープンコイル焼鈍(OCA) ルーズコイルを、均熱温度600〜750℃で均熱
後、徐冷。 連続焼鈍(CAL) タイトコイルを連続的に帯板に展開し、均熱温
度670〜900℃で均熱後、冷却し、引きつづき350
〜500℃で過時効処理を実施。 (作用) 上記したように、本発明においては、C,Cu,
P,S等の成分を特定範囲に調整したので、良好
なホーロー特性(耐ツマトビ性、耐フクレ性およ
び密着性)および良好な成形性を得ることができ
る。また、CCパウダ中のC含有量を特定値以下
とするとともに、引抜き速度を特定条件以上とし
たので、スラブ中へのCのピツクアツプを抑制す
ることができ、それによつて、スラブのブローホ
ール疵とホーローのピンホール疵とを防止するこ
とができる。 (実施例) まず、第1表に示される化学成分組成の鋼A〜
HをRH法によつて成分調整した後、第1表に示
す条件の連続鋳造により鋼片となし、これに、第
1表に示す条件の処理を施してホーロー用鋼板を
製造した。 このようにして得られた各鋼板の機械的性質お
よびブローホールによる手入率を調査するととも
に、これに次の条件の“1回掛け法”によるホー
ロー仕上げを行い、“ツマトビ”および“フクレ”
発生状況、PEI密着性、およびピンホール発生数
を調査した。 ホーロー仕上げ条件 〔前処理条件〕 (1) 脱脂 (2) 水洗 (3) 酸洗 1370H2SO4 (4) 水洗 (5) Niフラツシユ 13g/lNiSO4、7H2O 70℃ (6) 水洗 (7) 中和 (8) 乾燥 〔ホーロー施釉条件〕 (1) フリツト組成:チタン乳白フリツト
#1553B (商品名(日本フエロー社)) (2) 施釉:スプレー7.6g/200cm2 乾燥 焼成 830℃ 以上の如く実施した調査結果を第1表に併せて
示す。第1表に示される結果から、本発明例で
は、優れたホーロー特性が得られるとともに、ス
ラブのブローホールによる手入率およびホーロー
成品のピンホールを大幅に減小されていることが
明らかである。
さらに詳細には、酸性減量が少なく、優れたホー
ロー密着性、耐ツマトビ性および成形性を備え、
さらに、特に耐ピンホール性に優れた、連続鋳造
によるホーロー用冷延鋼板の製造に関する。 (従来の技術) 近年、鋼板に表面釉薬(ガラス状エナメル)を
焼付けてガラス質の塗膜を形成したホーロー鋼板
は、家庭用品に止まらず、建築用品や各種工業用
品に至るまで幅広い用途を占めるようになつてき
た。 このようなホーロー鋼板の製造には、素材鋼板
に密着性の良好な下塗りを施してから美麗な外観
を呈する上塗りを行う“2回掛け法”の採用が普
通に行われていたが、最近、密着性を高めるため
に素材鋼板の前処理(酸洗)を十分に行い、これ
に密着性と美麗さとを兼ね備えた釉薬を直接焼付
ける、工程短縮を狙つた“1回掛け法”の普及が
目立つている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来“2回掛け法”用に用いて
いた鋼板をそのまま“1回掛け法”用に適用して
も、素材鋼板とホーロー層の密着不良をきたし、
十分なホーロー成品が得られないことが多い。 また、一般に、“1回掛け法”に適した鋼板と
しては、鋼塊法によるリムド鋼が使用されている
が、鋼板メーカー側から見ると、鋼塊法は、歩留
り、熱エネルギ面での損失が大きいという問題を
含んでいる。また、ホーローメーカー側から見る
と、この従来のリムド鋼は、鋼板の幅、長手方向
の耐ツマトビ性および密着性の不均一や、大型介
在物によるフクレ等のトラブルを生じるリスクが
大きいという問題点がある。 そこで、本発明者らは、特願昭60−19869号に
おいて、鋼板の成分組成を特定のものに選ぶこと
により、連続鋳造法によつても、少ない酸洗減量
の前処理(酸洗)下において十分なホーロー密着
性と耐ツマトビ性を発揮し、また脱炭焼鈍を施す
ことなく良好な成形性を示すホーロー用鋼板の製
造が可能となることを開示した。 ところが、上記提案による特定の成分組成から
成る鋼板を使用する場合にも、施釉条件によつて
は、ホーロー層形成後、ピンホールと称する微小
泡による欠陥の生じることのあることが判明し
た。この原因について調査したところ、CCパウ
ダ中のCが鋼中にピツクアツプされ、これが、ホ
ーロー焼成時にホーロー中のOと結合し、ピンホ
ールを発生させることが確認された。また、スラ
ブ表面には、鋳込み条件によつて、ブローホール
疵と称するスラブ表面疵の生じることが確認され
た。これについても、CCパウダ中のCが溶鋼中
のOと結合し、ブローホールとなるものである。 そこで、本発明の目的は、酸洗減量が少なく、
密着性、耐ツマトビ性および成形性を備え、さら
に、耐ピンホール性および耐ブローホール性に優
れたホーロー用鋼板の製造方法を提供することに
なる。 (問題点を解決するための手段) 上記問題点を解決するために、本発明は、溶鋼
脱ガス処理等の製鋼脱炭によつて得られた低炭素
鋼を使用し、その成分であるC,Cu,P,S等
を特定範囲に調整することにより、良好なホーロ
ー特性(耐ツマトビ性、耐フクレ性、密着性)お
よび良好な成形性を確保するとともに、CCパウ
ダ中のC含有量を1.5wt%以下とし、連続鋳造の
引抜き速度Vを0.8m/分以上でかつ1.33(C−
0.9)+0.8m/分以上とすることにより、スラブ中
へのCのピツクアツプを抑とし、スラブのブロー
ホール疵とホーロー層のピンホール疵とを防止し
ようとするものである。 すなわち、本発明は、C≦0.006wt%、0.2≦
Mn≦0.5wt%、0.005≦P≦0.025wt%、0.005≦S
≦0.025wt%、0.020≦Cu≦0.040wt%、1.0≦Cu
(%)/P(%)≦4.0、0.5≦P(%)/S(%)≦
3.0、200≦O≦500ppm、N≦40ppm、Al≦
0.005wt%の成分を含む溶鋼を連続鋳造するに際
し、C≦1.5wt%を有するCCパウダを使用すると
ともに、引抜き速度を、0.8m/分以上で、かつ
下記条件式 V≦1.33×(C−0.9)+0.8 ここで、V:連続鋳造時の引抜き速度(m/
分) C:CCパウダ中のC含有量(wt%) を満足する範囲内に設定することを特徴とするも
のである。 本発明において、鋼中の各成分を上記の如く限
定した理由について述べる。 (a) C C%は本発明では基本的に低いほど望ましい
が、その含有量が0.006wt%を超えると、鋳造が
困難になるとともに、時効による成形不良が生じ
る。 (b) Mn Mn成分には、熱間圧延時の鋼の赤熱脆化によ
る表面疵を防止する作用があるが、その含有量が
0.2wt%未満ではその効果が十分でなく、赤熱脆
性による表面疵が生じ、一方、0.5wt%を超える
と周容硬化により成形性が不良となる。 (c) P P成分には、ホーロー掛け処理前の酸洗減量値
を大きくする作用があるが、その含有量が
0.005wt%未満では酸洗減量が少なすぎてホーロ
ーの密着不良を引き起し、一方、0.025wt%を超
えると、酸洗過多となつて均一微細凹凸酸洗面が
得られないことからやはりホーローの密着不良を
招く上、硬質化による鋼板の成形性不良が生じる
恐れがある。 (d) S S成分には、鋼板酸洗時における均一微細凹凸
を有する酸洗表面を確保する作用があるが、その
含有量が0.005%未満では結晶粒内での均一な酸
減が起こらなくなり、他方、0.025wt%を越えて
含有させると、非金属介在物過多による酸洗時の
“フクレ”やプレス成形性不良を招くようになる。 (e) Cu Cu成分には、鋼板酸洗時において、Pとの相
互作用によつて微細凹凸を酸洗後の鋼板面に生じ
させる作用があるが、その含有量が0.020wt%未
満では酸減が異常に多くなるとともに結晶粒内で
の均一な酸減が起こらなくなり、他方、0.040wt
%を越えて含有させると酸減過少となつてホーロ
ーの密着不良を招く。 (f) O O成分には、鋼中非金属介在物を形成し、鋼中
水素に起因する“ツマトビ”発生を抑制する作用
があるが、その含有量が200ppm未満では鋼中介
在物が少なくなることによつて“ツマトビ”が発
生しやすくなり、他方500ppmを超えて含有させ
ると介在物過多による酸洗時の“フクレ”やプレ
ス成形不良をきたす。 (g) N Nは鋼中へ不可避的に混入する不純物元素であ
るが、その含有量が0.0040%を超えると“時効
性”に起因する成形不良が顕著になる。 (h) Al Alも同様に鋼中へ不可避的に混入する不純物
元素であるが、その含有量が0.005wt%を超える
ようになると、結果的に鋼中Oを減じ、非金属介
在物量が減じるので、ホーロー後“ツマトビ”が
発生し易くなる。 (i) Cu/P 「Cu(%)/P(%)」の値が1.0未満であると酸
減が以上に多くなるとともに結晶粒内での均一な
微細凹凸面を実現する酸減が起こらなくなり、一
方、その値が4.0を超えた場合には酸減過少とな
つて、いずれにしてもホーローの密着不良を引き
起す。 (j) P/S 「P(%)/S(%)」の値が0.5未満であると酸
減が少なくて適当な表面状況が得られず、一方、
その値が3.0を越えた場合には酸減過多によつて
均一微細凹凸表面を得ることができず、いずれに
してもホーローの密着不良を引き起す。 RHまたはDH脱ガスにより上記のように成分
調整された溶鋼は、本発明によれば、連続鋳造に
付される。これにより、全長全幅において均一と
なり、インゴツトのリムコア境界に生じる不均一
な密着性、ツマトビ、フクレを防止することがで
きる。 連続鋳造に使用されるCCパウダ中のC含有量
は、1.5wt%以下、好ましくは1wt%以下、最も
好ましくは0.9wt%以下とされる。これは、CCパ
ウダ中のC含有量が1.5wt%を超えると、パウダ
中のCが溶鋼中のOと反応してCOガスを発生し、
その結果、スラブ表面にブローホール疵を発生
し、表面の皮剥ぎによる手入れが必要となるから
であり、また極端なケースでは、ブレークアウト
による溶鋼もれをきたす。 連続鋳造時における引抜き速度は、0.8m/分
以上とされる。これは、引抜き速度が0.8m/分
未満であると、パウダ中のCと溶鋼との接触時間
が長くなり、上記と同様にブローホールを生じる
こととなるからである。 パウダ中のC含有量とブローホール疵によるス
ラブ手入面積率、およびホーロー成品のピンホー
ル数との関係を、引抜き速度をパラメータとし
て、第1図(a)および(b)にそれぞれ示す。 第1図bから明らかなように、パウダ中のC含
有量が0.9wt%以下の場合には、引抜き速度が
0.8m/分以上の全ての場合において、ホーロー
成品のピンホール数は実用可能な範囲内に抑えら
れる。一方、引抜き速度が1.6m/分の場合には、
CCパウダ中のC含有量が1.5wt%以下の全ての場
合に対して、実用可能となる。そこで、第1図b
から、下記の条件式が導き出される。 V−0.8≧0.8/1.5−0.9(C−0.9) V≧1.33(C−0.9)+0.8 ……(1) ここでVは連続鋳造時の引抜き速度(m/分) CはCCパウダ中のC含有量(wt%) したがつて、連続鋳造時の引抜き速度V(m/
分)は、0.8m/分以上でかつ条件式(1)を満足す
るものでなければならない。 連続鋳造により得られたスラブの熱延は、通常
の冷延母材製造法と同様の方法で行なわれる。巻
取り温度は400〜750℃であることが好ましい。
400℃未満の場合には、平坦不良となり、750℃を
超える場合にはスケールの剥離が困難となるから
である。冷延については特に限定はなく、通常の
冷間圧延法が用いられる。 このようにして得られた鋼材は、さらに焼鈍処
理に付され、製鋼段階で残留した微量Cをオープ
ンコイル焼鈍でさらに脱炭し、結晶粒の成長を促
しまた、脱N処理により、時効性をなくし、成形
性を向上させることも可能である。また連続焼鈍
でもよく、タイトコイル焼鈍でもよい。 各焼鈍条件はつぎの通りである。 タイトコイル焼鈍(BAF) タイトコイルを、均熱温度600〜750℃で均熱
後、徐冷。 オープンコイル焼鈍(OCA) ルーズコイルを、均熱温度600〜750℃で均熱
後、徐冷。 連続焼鈍(CAL) タイトコイルを連続的に帯板に展開し、均熱温
度670〜900℃で均熱後、冷却し、引きつづき350
〜500℃で過時効処理を実施。 (作用) 上記したように、本発明においては、C,Cu,
P,S等の成分を特定範囲に調整したので、良好
なホーロー特性(耐ツマトビ性、耐フクレ性およ
び密着性)および良好な成形性を得ることができ
る。また、CCパウダ中のC含有量を特定値以下
とするとともに、引抜き速度を特定条件以上とし
たので、スラブ中へのCのピツクアツプを抑制す
ることができ、それによつて、スラブのブローホ
ール疵とホーローのピンホール疵とを防止するこ
とができる。 (実施例) まず、第1表に示される化学成分組成の鋼A〜
HをRH法によつて成分調整した後、第1表に示
す条件の連続鋳造により鋼片となし、これに、第
1表に示す条件の処理を施してホーロー用鋼板を
製造した。 このようにして得られた各鋼板の機械的性質お
よびブローホールによる手入率を調査するととも
に、これに次の条件の“1回掛け法”によるホー
ロー仕上げを行い、“ツマトビ”および“フクレ”
発生状況、PEI密着性、およびピンホール発生数
を調査した。 ホーロー仕上げ条件 〔前処理条件〕 (1) 脱脂 (2) 水洗 (3) 酸洗 1370H2SO4 (4) 水洗 (5) Niフラツシユ 13g/lNiSO4、7H2O 70℃ (6) 水洗 (7) 中和 (8) 乾燥 〔ホーロー施釉条件〕 (1) フリツト組成:チタン乳白フリツト
#1553B (商品名(日本フエロー社)) (2) 施釉:スプレー7.6g/200cm2 乾燥 焼成 830℃ 以上の如く実施した調査結果を第1表に併せて
示す。第1表に示される結果から、本発明例で
は、優れたホーロー特性が得られるとともに、ス
ラブのブローホールによる手入率およびホーロー
成品のピンホールを大幅に減小されていることが
明らかである。
【表】
【表】
(発明の効果)
上記したように、本発明によれば、1回掛けに
よつても十分良好なホーロー特性を与えることが
できるとともに、特にスラブのブローホール発生
およびホーローのピンホール発生を顕著に減小さ
せることのできるホーロー用鋼板が提供される。
よつても十分良好なホーロー特性を与えることが
できるとともに、特にスラブのブローホール発生
およびホーローのピンホール発生を顕著に減小さ
せることのできるホーロー用鋼板が提供される。
第1図aはCCパウダ中のC含有量とブローホ
ール疵によるスラブ手入面積率との関係を、連続
鋳造時の引抜き速度をパラメータとして示すグラ
フ、第1図bは、同様に、CCパウダ中のC含有
量とホーロー成品のピンホール数との関係を、引
抜き速度をパラメータとして示すグラフである。
ール疵によるスラブ手入面積率との関係を、連続
鋳造時の引抜き速度をパラメータとして示すグラ
フ、第1図bは、同様に、CCパウダ中のC含有
量とホーロー成品のピンホール数との関係を、引
抜き速度をパラメータとして示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C≦0.006wt%、0.2≦Mn≦0.5wt%、0.005≦
P≦0.025wt%、0.005≦S≦0.025wt%、0.020≦
Cu≦0.040wt%、1.0≦Cu(%)/P(%)≦4.0、
0.5≦P(%)/S(%)≦3.0、200≦O≦500ppm、
N≦40ppm、Al≦0.005wt%の成分を含む溶鋼を
連続鋳造するに際し、C≦1.5wt%を有するCCパ
ウダを使用するとともに、引抜き速度を、
0.8m/分以上で、かつ下記条件式 V≧1.33×(C−0.9)+0.8 ここで、V:連続鋳造時の引抜き速度(m/
分) C:CCパウダ中のC含有量(wt%) を満足する範囲内に設定することを特徴とするホ
ーロー用鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4571886A JPS62203646A (ja) | 1986-03-03 | 1986-03-03 | ホ−ロ−用鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4571886A JPS62203646A (ja) | 1986-03-03 | 1986-03-03 | ホ−ロ−用鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62203646A JPS62203646A (ja) | 1987-09-08 |
JPH0459984B2 true JPH0459984B2 (ja) | 1992-09-24 |
Family
ID=12727128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4571886A Granted JPS62203646A (ja) | 1986-03-03 | 1986-03-03 | ホ−ロ−用鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62203646A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62270727A (ja) * | 1986-05-16 | 1987-11-25 | Nippon Steel Corp | 連続鋳造によるほうろう用鋼板の製造法 |
JPH01148439A (ja) * | 1987-12-02 | 1989-06-09 | Kawasaki Steel Corp | 高酸素鋼の表面品質改善方法 |
JPH01275736A (ja) * | 1988-04-28 | 1989-11-06 | Nippon Steel Corp | 加工性に優れた連続鋳造製ほうろう用鋼板およびその製造法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56144853A (en) * | 1980-04-15 | 1981-11-11 | Nippon Steel Corp | Preventing method for pickup of carbon in continuous casting |
JPS5925008A (ja) * | 1982-08-03 | 1984-02-08 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の弁作動切換装置 |
-
1986
- 1986-03-03 JP JP4571886A patent/JPS62203646A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56144853A (en) * | 1980-04-15 | 1981-11-11 | Nippon Steel Corp | Preventing method for pickup of carbon in continuous casting |
JPS5925008A (ja) * | 1982-08-03 | 1984-02-08 | Nissan Motor Co Ltd | 内燃機関の弁作動切換装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62203646A (ja) | 1987-09-08 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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