JPH0995581A - 建築部材、その製造方法、およびクリーンルーム - Google Patents

建築部材、その製造方法、およびクリーンルーム

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JPH0995581A
JPH0995581A JP8174642A JP17464296A JPH0995581A JP H0995581 A JPH0995581 A JP H0995581A JP 8174642 A JP8174642 A JP 8174642A JP 17464296 A JP17464296 A JP 17464296A JP H0995581 A JPH0995581 A JP H0995581A
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正幸 今福
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クリーンルーム内にガス状有機物を存在させな
いポリ塩化ビニル製壁表面材および床表面材を提供す
る。 【解決手段】壁表面材や床表面材となる塩ビシートやビ
ニルクロスを形成する際に、ポリ塩化ビニル樹脂に添加
する添加剤としてガス状有機物が発生しないものを用い
る。具体的には、可塑剤として分子量400以上のカル
ボン酸エステル等を、酸化防止剤として分子量300以
上のフェノール系化合物を、帯電防止剤として分子量3
50以上のアルキルアミンエチレンオキサイド付加体
を、それぞれ主成分として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体、食品、医
薬品、バイオテクノロジー関連の工場や研究所等のクリ
ーンルームに使用されるポリ塩化ビニル製の建築部材、
その製造方法、およびこれを用いたクリーンルームに関
するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来より、半導体、食
品、医薬品、バイオテクノロジー関連の工場や研究所等
で使用されているクリーンルームにおいては、空気中の
浮遊粒状物質を捕集する乾式エアフィルターを空気導入
経路に設置し、これを通過した空気を室内に導入してい
るが、最近では、半導体の高集積度化に伴い、クリーン
ルーム内の空気には塵埃だけでなくガス状有機物の拡散
が問題とされるようになってきた。
【0003】すなわち、クリーンルーム内で半導体基板
(シリコンウエハ)の表面に有機物が吸着し、素子特性
が劣化することが指摘されるようになった(例えば、藤
井;「ガス状汚染物とその除去対策の現状」空気清浄、
Vol.32,No.3,P.43(1994)、
(社)日本空気清浄協会発行)。
【0004】また、床の表面を覆う床表面材や壁の表面
を覆う壁表面材としては、施工性および耐久性の点から
塩化ビニル製品(塩ビシートやビニルクロス)を使用す
ることが好ましいが、本発明者等の研究の結果、従来の
塩化ビニル製品からは、カルボン酸エステル類、有機リ
ン酸エステル類、フェノール類などのガス状有機物が発
生するため、クリーンルーム内にガス状有機物を存在さ
せないためにはこのような従来の塩化ビニル製品を使用
することはできない。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、塩化ビニル製建築材料(床の
表面を覆う塩ビシートや壁の表面を覆うビニルクロス
等)において、クリーンルーム内にガス状有機物を存在
させないようにすることができるもの、およびその製造
方法、これを用いたクリーンルームを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、従来の塩化ビ
ニル製品から発生するガス状有機物は比較的低分子量の
ものであり、これらは添加剤として含有する可塑剤、酸
化防止剤、および帯電防止剤に起因することが分かっ
た。
【0007】このような知見から、請求項1に係る発明
は、ポリ塩化ビニル樹脂と、ガス状有機物を発生しない
添加剤とからなる材料で形成された建築部材を提供す
る。前記建築部材の具体例としては、床の表面を覆う床
表面材(塩ビシート)、壁の表面を覆う壁表面材(ビニ
ルクロス)、壁の床との境界部分付近を覆う幅木、およ
び天井と壁との境界部分を覆う周り縁などが挙げられ
る。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1記載の建
築部材において、前記添加剤のうちの可塑剤の主成分
が、分子量400以上のカルボン酸エステル、ポリエス
テル、エポキシ系化合物のうちの少なくともいずれか一
つであることを特徴とするものである。
【0009】請求項3に係る発明は、請求項2記載の建
築部材において、前記可塑剤の主成分は、フタル酸イソ
ノニル(分子量418)、フタル酸オクチルデシル(分
子量419)、フタル酸ジイソデシル(分子量44
7)、フタル酸ラウリル(分子量501)、フタル酸ミ
リスチリル(分子量530)、アゼライン酸ジ−2−エ
チルヘキシル(分子量413)、セバチン酸ジ−2−エ
チルヘキシル(分子量427)、トリメリット酸トリス
−2−エチルヘキシル(分子量547)、トリメリット
酸トリオクチル(分子量547)、トリメリット酸トリ
ノニル(分子量570)、トリメリット酸トリデシル
(分子量612)、アジピン酸またはアゼライン酸また
はセバチン酸またはフタル酸とグリコールまたはグリセ
リンとの重縮合により得られるポリエステル(分子量2
000〜8000)、エポキシ脂肪酸エステル(分子量
400〜500)、およびエポキシ化油(分子量約10
00)のうちの少なくともいずれか一つであることを特
徴とするものである。
【0010】ここで、前記可塑剤の主成分が分子量40
0未満の、フタル酸ジブチル(分子量278)やフタル
酸ジオクチル(分子量391)やアジピン酸ジ−2−エ
チルヘキシル(分子量371)であると、温度23℃湿
度30〜40%に管理され、エアフィルターを通過する
空気の流速が0.3〜0.4m/s程度である通常のク
リーンルームでは、これらのガス状物がクリーンルーム
内の空気中に存在するが、分子量400以上の例えば請
求項3で挙げられているものを使用すると、これらのガ
ス状物はクリーンルーム内の空気中に存在しない。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項1〜3に記
載の建築部材において、前記添加剤のうちの酸化防止剤
の主成分が分子量300以上のフェノール系化合物であ
ることを特徴とするものである。
【0012】また、請求項5に係る発明は、請求項4記
載の建築部材において、前記酸化防止剤の主成分は、ス
テアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート(分子量520.9)、
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)(分子量340.5)、2,2’−メ
チレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)(分子量368.54)、4,4’−チオビス−
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)(分子量3
58.5)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)(分子量382.
6)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(分子量54
4.8)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン(分子量775.2)、テトラキス〔メチ
レン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(分子量11
77.7)、ビス−〔3,3’−ビス−(4’−ヒドロ
キシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシド〕
グリコールエステル(分子量1177.7)、およびト
コフェノール(分子量794.4)のうちの少なくとも
いずれか一つであることを特徴とするものである。
【0013】ここで、前記酸化防止剤の主成分が分子量
300未満の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
(分子量220.4)であると、前述の通常のクリーン
ルームでは、これらのガス状物がクリーンルーム内の空
気中に存在するようになるが、分子量300以上の例え
ば請求項5で挙げられているものを使用すると、これら
のガス状物はクリーンルーム内の空気中に存在しない。
【0014】請求項6に係る発明は、請求項1〜5に記
載の建築部材において、前記添加剤のうちの帯電防止剤
の主成分は、アルキルアミンエチレンオキサイド付加体
およびアルキルアミドエチレンオキサイド付加体の少な
くともいずれか一つであって、且つ分子量が350以上
のものであることを特徴とするものである。
【0015】なお、アルキルアミンエチレンオキサイド
付加体およびアルキルアミドエチレンオキサイド付加体
としては分子量が350以上のものが市販されているの
でそれを使用すればよい。また、アルキルアミンエチレ
ンオキサイド付加体を合成する場合には、アルキルアミ
ンが通常、分子量分布を有する天然物から製造されるた
め、エチレンオキサイド付加体としたときに分子量が3
50以上となるように予め低分子量成分を除去する必要
があり、その場合には真空加熱蒸留法で除去することが
好ましい。その際の条件としては、例えば150℃で5
mmHg程度まで減圧すればよい。
【0016】ここで、前記帯電防止剤の主成分が分子量
350未満のN,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチ
ル)ラウリルアミド(分子量273)であると、前述の
通常のクリーンルームでは、これらのガス状物がクリー
ンルーム内の空気中に存在するようになるが、分子量3
50以上のアルキルアミンエチレンオキサイド付加体お
よびアルキルアミドエチレンオキサイド付加体の少なく
ともいずれか一つを使用すると、これらのガス状物はク
リーンルーム内の空気中に存在しない。
【0017】なお、本発明者等は、有機物は分子量が大
きくなるほど揮発性は低下し吸着性が大きくなるが、分
子量が所定以上となるとシリコンウエハへの吸着量は小
さくなって収束すること、および前記所定値は分子構造
によって異なることを見出し、前記可塑剤の400以上
および酸化防止剤の300以上および帯電防止剤の35
0以上の限定は、それぞれ対象となる多数の物質につい
て実験を行った結果に基づいて設定した。
【0018】また、具体的には、可塑剤の主成分がエポ
キシ化大豆油であり、酸化防止剤の主成分が2,2’−
メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)であり、帯電防止剤の主成分がステアリルアミド
エチレンオキサイド付加体であるものが好ましい。
【0019】請求項7の発明は、ポリ塩化ビニル樹脂と
添加剤とからなる材料で形成される建築部材の製造方法
において、前記添加剤のうちの可塑剤の主成分として、
分子量400以上のカルボン酸エステル、ポリエステ
ル、エポキシ系化合物のうちの少なくともいずれか一つ
を選んで使用することを特徴とする建築部材の製造方法
を提供する。
【0020】請求項8の発明は、ポリ塩化ビニル樹脂と
添加剤とからなる材料で形成される建築部材の製造方法
において、前記添加剤のうちの酸化防止剤の主成分とし
て、分子量300以上のフェノール系化合物を選んで使
用することを特徴とする建築部材の製造方法を提供す
る。
【0021】請求項9の発明は、ポリ塩化ビニル樹脂と
添加剤とからなる材料で形成される建築部材の製造方法
において、前記添加剤のうちの帯電防止剤の主成分とし
て、アルキルアミンエチレンオキサイド付加体およびア
ルキルアミドエチレンオキサイド付加体の少なくともい
ずれか一つであって、且つ分子量が350以上のものを
選んで使用することを特徴とする建築部材の製造方法を
提供する。
【0022】請求項10の発明は、請求項1〜6のいず
れか一つに記載の建築部材を、床の表面を覆う床表面
材、壁の表面を覆う壁表面材、壁の床との境界部分付近
を覆う幅木、天井と壁との境界部分を覆う周り縁、およ
び仕切り用シートのうちの少なくともいずれかとして備
えていることを特徴とするクリーンルームを提供するも
のである。
【0023】前記仕切り用シートとは、クリーンルーム
内の空間を簡易的に仕切るためのシートであり、例えば
クリーンルームの天井から吊り下げることでクリーンル
ーム内に取り付けられる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の建築部材としては、床の
表面を覆う床表面材(塩ビシート)、壁の表面を覆う壁
表面材(ビニルクロス)、壁の床との境界部分付近を覆
う幅木、天井と壁との境界部分を覆う周り縁、および仕
切り用シートなどがあり、これらは従来と同様に、ポリ
塩化ビニル樹脂に添加剤を加熱混練し、カレンダー加工
や押し出し成形することにより製造されるが、使用する
可塑剤、酸化防止剤、および帯電防止剤としてガス状有
機物が発生しないものを選択する。
【0025】なお、本発明の実施形態の詳細については
以下の実施例の項で説明する。
【0026】
【実施例】
〔塩ビ製品の作製〕三井東圧化学(株)製のポリ塩化ビ
ニル樹脂を用い、下記の表1に示す添加剤(滑剤、可塑
剤、酸化防止剤)を使用して、塩ビ敷シートA(厚さ
2.0mm)、塩ビ貼り付けシートB,D(厚さ2.0
mm)、塩ビクロスC,E(厚さ0.28m)、仕切り
用シートF(厚さ0.2mm)を作製した。また、各製
品の帯電性を、下記の方法により帯電圧と半減期とで評
価した。その結果も下記の表1に併せて示す。
【0027】<帯電性の評価>各塩ビ製品から40mm
×35mmの試験片を切り出し、これをロータリースタ
チックテスターRST−201(京大化研式)の回転ド
ラムにセットし、相手材である綿ブロード(寸法25m
m×120mm、張力400g)と回転摩擦させなが
ら、時間の経過とともに発生する帯電量を電圧検出プロ
ーブで測定する。回転数400rpmで5分間測定した
後、相手材を切り離し、放電状態を10分間測定する。
測定室の温度は22±1℃、相対湿度は60±3%であ
る。通常の帯電しやすい材料では、時間とともに帯電量
が増加し、5分後に回転を止めると放電して電圧は次第
に減衰する。この回転を止める時点までの最大電圧を帯
電圧(単位:V)とし、最大帯電圧から1/2に減衰す
るまでの時間を半減期(単位:秒)とする。これらの値
が小さいほど帯電しにくい、すなわち帯電防止剤の性能
が高いことになる。
【0028】
【表1】
【0029】なお、各表中の略記号は以下の物質を示
す。 K2:フタル酸ジイソデシル K4:アジピン酸−1,3−ブチレングリコール K5:フタル酸ジオクチル K6:トリメリット酸トリス−2−エチルヘキシル S4:2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール S6:ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート S7:テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−
t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン S8:2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール) T1:ステアリルアミドエチレンオキサイド付加体 T2:N,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)ラウ
リルアミド 〔クリーンルームの構成材料〕 (No. 1〜No. 8)床表面材として前記塩ビ敷シートA
を用い、これをアルミニウムアクセスフロアの上に敷く
か、塩ビ貼り付けシートB,Dまたはステンレス表面材
をアルミニウムアクセスフロアの上に接着剤で貼り付け
るかにより床を形成した。また、壁表面材としては、前
記塩ビクロスC,E、または東リ(株)製の塩ビクロス
を壁面に貼りつけるか、パーティション表面に焼付け塗
装したもの(下記のP&T−GC/MS法による分析で
有機物発生量が0.1μg/g以下であるもの)を使用
した。
【0030】エアフィルターとしては下記のものを用い
た。また、このエアフィルターを下記のガスケットを介
装してファンフィルターユニットのフレームに取り付け
てファンフィルターユニットを作製し、これを天井の開
口部に取り付けた。
【0031】すなわち、使用した床表面材および壁表面
材が異なる以外は全て同じクリーンルームを各No. 毎に
用意した。各No. 毎の床表面材および壁表面材の組み合
わせを下記の表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】<P&T(パージ&トラップ)−GC/M
S法>所定量の試料を試験管に充填し、内部にヘリウム
ガスを流しながら当該試験管を150℃で30分間加熱
し、揮発成分を−80℃に冷却されたトラップ管で捕集
し、当該トラップ管内の成分をヘリウム気流下で300
℃まで急速加熱してガス状としたものを、GC/MS装
置に導入する。
【0034】GC装置はヒューレットパッカード社製の
HP−5890Aであり、MS装置は同社のHP−59
70Bである。GC装置のカラムは同社のHP−ウルト
ラ2(OV−5系)であり、内径0.2mm、長さ25
mm、膜厚0.33μmである。GC装置の測定時の温
度条件は以下の通りである。
【0035】初期温度40℃→速度10℃/分で昇温→
最終温度280℃(15分間放置)また、GC装置のキ
ャリアーガスはヘリウムであり、注入方式はスプリット
法、スプリット比は1/200とする。MS装置のイオ
ン化法は電子衝撃法であり、検出範囲はm/zで25〜
1000とする。
【0036】定量分析は、各成分のピーク毎に同定され
た有機物の検量線を作製して行うか、多数のピークが出
る場合には、n−デカンを標準物質としてその検量線を
基準に全成分をn−デカン換算の濃度して表示する。こ
れにより、試料中の揮発性有機物の含有量と種類とが測
定される。
【0037】<エアフィルター> 濾材の繊維:市販のULPAフィルター用のガラス繊維
(紡糸時にシリコーンオイルが塗布されているもの)を
清浄な空気気流下で120℃で6時間加熱することによ
ってケイ素数10以下のシロキサンを除去したものを用
いた。
【0038】濾材の形成:前記ガラス繊維を所定の大き
さのシート状のウエブに広げて重ね、下記の組成の処理
剤をアセトンとトルエンとの1:1混合溶剤に溶かし、
さらに所定量のアクリル樹脂系バインダーを加えた溶液
を、前記ウエブにしみ込ませた後に乾燥させることによ
り、布状の濾材を形成した。
【0039】 処理剤の組成: 撥水剤 合成パラフィン(C20〜C28) 100 重量部 可塑剤 エポキシ化大豆油(Mw=1000) 7 重量部 酸化防止剤 S1(Mw=520.9) 2 重量部 濾材とフィルターフレームとを密封するシール材の組成: 主成分 ポリウレタン樹脂 100 重量部 主剤 メチレンジフェニルジイソシアネート 硬化剤 ポリオール系 可塑剤 K1(Mw=427 ) 5 重量部 酸化防止剤 S2(Mw=368.54) 3 重量部 滑剤 合成パラフィン(C20〜C28) 6 重量部 ※このシール材からの有機物発生量 4.5μg/g (前記乾式シール材と同じ分析方法) フィルターフレーム:アルミフレーム(600mm×6
00mm×100mm) なお、このエアフィルターの濾材は、前述のP&T−G
C/MS法による分析で有機物発生量が1μg/g以下
であった。
【0040】 <ガスケット> 主成分:日本ポリウレタン工業(株)製 2液型ポリウレタン 主剤:ピュアMDI(商品名)、硬化剤:ポリオール 可塑剤:セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル 酸化防止剤:ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ フェニル)プロピオネート 滑剤:マイクロクリスタリンワックス(炭素数34〜約50) なお、このガスケットは、前述のP&T−GC/MS法
による分析で有機物発生量が15μg/gであった。
【0041】このような各クリーンルームを稼働させ、
7日以上たった後にその内部に直径が6インチのシリコ
ンウエハーを置いて6時間放置し、このウエハーに吸着
した有機物の量と種類を下記のSWA装置を用いて分析
した。その結果も前記表2に併せて示す。
【0042】<SWA装置による分析>SWA装置と
は、ジーエルサイエンス(株)製のシリコンウエハーア
ナライザー(商品名)であり、下記のトラップ装置、T
CT(Thermal Desorption Col
d Trap Injector)装置、GC/MS装
置で構成されている。トラップ装置は、ウエハーの表面
に吸着している物質を脱着し、脱着された成分を捕集す
るものであり、TCT装置は、このトラップ装置で捕集
された成分をヘリウム気流中で300℃に加熱した後
に、液体窒素で−130℃に冷却されたキャピラリー管
に導入して冷却捕集するものであり、このTCT装置で
捕集された成分をヘリウム気流中で300℃に急速加熱
したものがGC/MS装置に導入されるようになってい
る。
【0043】GC装置はヒューレットパッカード社製の
HP−5972Aであり、MS装置は同社のHP−76
94Bである。GC装置のカラムは同社のHP−5(架
橋5%フェニルメチルシリコーン)であり、内径0.2
mm、長さ25mm、膜厚0.33μmである。GC装
置の測定時の温度条件は以下の通りである。
【0044】初期温度40℃→速度10℃/分で昇温→
最終温度300℃(15分間放置)その他の条件は、前
記P&T−GC/MS法と同様であり、これにより、ウ
エハー表面に吸着している有機物の含有量と種類とが測
定される。なお、この方法によるとウエハー一枚当たり
数ng(10-9g)のオーダーまで分析が可能である。 (No. 9〜No. 10)床表面材としてステンレス表面材
を用い、これをアルミニウムアクセスフロアの上に接着
剤で貼り付けて床を形成した。また、パーティション表
面に焼付け塗装したもの(下記のP&T−GC/MS法
による分析で有機物発生量が0.1μg/g以下である
もの)を、壁材として使用した。また、クリーンルーム
の天井から、幅1800mm×高さ2700mm×厚さ
0.2mmの前記仕切り用シートFまたは市販の(積水
化学(株)製)塩ビ製仕切り用シート(厚さ0.2m
m)を4枚吊り下げ、このクリーンルーム内に6インチ
のシリコンウエハーを置いた以外は、前述のNo. 1〜8
と同様にしてウエハーに吸着した有機物の量と種類を分
析した。その結果を、下記の表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】これらの結果から分かるように、本発明の
建築部材の実施形態に相当するA〜C,Fの塩ビ製品に
よれば、クリーンルーム内に存在するガス状有機物を少
なくすることができ、当該クリーンルーム内に置かれた
シリコンウエハーに吸着する有機物の量を、従来の低分
子量の可塑剤、酸化防止剤、および帯電防止剤を使用し
た塩ビ製品(D,E,市販の塩ビクロス,市販の仕切り
用シート)の場合より著しく減少させることができた。
また、従来より分子量の大きな帯電防止剤を用いても、
帯電防止性能の低下は見られなかった。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜6の建
築部材によれば、クリーンルームにおけるガス状有機物
の発生量を低減できる。
【0048】また、請求項7〜9の方法によれば、ガス
状有機物の発生量の少ない建築部材を製造することがで
きる。また、請求項10のクリーンルームは、従来の塩
ビ製建築部材を使用した場合よりガス状有機物の発生量
が少ないため、半導体製造産業などでこのようなクリー
ンルームを使用すれば、シリコンウエハーへの有機物吸
着量が低減されて歩留りが向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F24F 7/06 F24F 7/06 C // E04H 5/02 E04H 5/02 B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニル樹脂と、ガス状有機物を
    発生しない添加剤とからなる材料で形成された建築部
    材。
  2. 【請求項2】 前記添加剤のうちの可塑剤の主成分が、
    分子量400以上のカルボン酸エステル、ポリエステ
    ル、エポキシ系化合物のうちの少なくともいずれか一つ
    であることを特徴とする請求項1記載の建築部材。
  3. 【請求項3】 前記可塑剤の主成分は、フタル酸イソノ
    ニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシ
    ル、フタル酸ラウリル、フタル酸ミリスチリル、アゼラ
    イン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバチン酸ジ−2−エ
    チルヘキシル、トリメリット酸トリス−2−エチルヘキ
    シル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸ト
    リノニル、トリメリット酸トリデシル、アジピン酸また
    はアゼライン酸またはセバチン酸またはフタル酸とグリ
    コールまたはグリセリンとの重縮合により得られるポリ
    エステル、エポキシ脂肪酸エステル、およびエポキシ化
    油のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴と
    する請求項2記載の建築部材。
  4. 【請求項4】 前記添加剤のうちの酸化防止剤の主成分
    が分子量300以上のフェノール系化合物であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の建築部
    材。
  5. 【請求項5】 前記酸化防止剤の主成分は、ステアリル
    −β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
    ニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−
    (4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’
    −メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェ
    ノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t
    −ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−
    (3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,
    3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−
    ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−
    2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
    ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン
    −3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキ
    シフェニル)プロピオネート〕メタン、ビス−〔3,
    3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフ
    ェニル)ブチリックアシド〕グリコールエステル、およ
    びトコフェノールのうちの少なくともいずれか一つであ
    ることを特徴とする請求項4記載の建築部材。
  6. 【請求項6】 前記添加剤のうちの帯電防止剤の主成分
    は、アルキルアミンエチレンオキサイド付加体およびア
    ルキルアミドエチレンオキサイド付加体の少なくともい
    ずれか一つであって、且つ分子量が350以上のもので
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記
    載の建築部材。
  7. 【請求項7】 ポリ塩化ビニル樹脂と添加剤とからなる
    材料で形成される建築部材の製造方法において、 前記添加剤のうちの可塑剤の主成分として、分子量40
    0以上のカルボン酸エステル、ポリエステル、エポキシ
    系化合物のうちの少なくともいずれか一つを選んで使用
    することを特徴とする建築部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリ塩化ビニル樹脂と添加剤とからなる
    材料で形成される建築部材の製造方法において、 前記添加剤のうちの酸化防止剤の主成分として、分子量
    300以上のフェノール系化合物を選んで使用すること
    を特徴とする建築部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 ポリ塩化ビニル樹脂と添加剤とからなる
    材料で形成される建築部材の製造方法において、 前記添加剤のうちの帯電防止剤の主成分として、アルキ
    ルアミンエチレンオキサイド付加体およびアルキルアミ
    ドエチレンオキサイド付加体の少なくともいずれか一つ
    であって、且つ分子量が350以上のものを選んで使用
    することを特徴とする建築部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれか一つに記載の
    建築部材を、床の表面を覆う床表面材、壁の表面を覆う
    壁表面材、壁の床との境界部分付近を覆う幅木、天井と
    壁との境界部分を覆う周り縁、および仕切り用シートの
    うちの少なくともいずれかとして備えていることを特徴
    とするクリーンルーム。
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