JP2002181362A - クリーンルーム - Google Patents

クリーンルーム

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JP2002181362A
JP2002181362A JP2001324266A JP2001324266A JP2002181362A JP 2002181362 A JP2002181362 A JP 2002181362A JP 2001324266 A JP2001324266 A JP 2001324266A JP 2001324266 A JP2001324266 A JP 2001324266A JP 2002181362 A JP2002181362 A JP 2002181362A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リン化合物やホウ素化合物が存在しないクリー
ンルームを提供する。 【解決手段】クリーンルームを構成する壁および床の少
なくとも表面材と、エアフィルターの濾材および濾材と
フレームとの間を密封するシール材とを、空気中に有機
リン化合物およびホウ素化合物を放出しない材料で形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体、食品、
医薬品、バイオテクノロジー関連の工場や研究所等で使
用されているクリーンルームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体、食品、医薬品、バイ
オテクノロジー関連の工場や研究所等で使用されている
クリーンルームにおいては、空気中の浮遊粒状物質を捕
集する乾式エアフィルターを空気導入経路に設置し、こ
れを通過した空気を室内に導入している。現在のクリー
ンルームで使用されているエアフィルターとしては、ガ
ラス繊維を濾材に使用したULPA(Ultra Lo
w Penetration Airの略)フィルター
やHEPA(High Efficiency Par
ticle Airの略)があり、これらのフィルター
は塵埃の除去という点では優れたフィルターであり、例
えばULPAフィルターでは0.1μmの微粒子をも除
去可能である。また、エアフィルターから無機物質が発
生しないように、ガラス繊維ではなくフッ素樹脂系や石
英系の繊維を濾材に使用した非ガラス系フィルターも開
発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近では、半導体の高
集積度化に伴い、クリーンルーム内の空気には塵埃だけ
でなくガス状有機物の拡散が問題とされるようになって
きた。すなわち、クリーンルーム内で半導体基板(シリ
コンウエハ)の表面に有機物が吸着し、素子特性が劣化
することが指摘されるようになった(例えば、藤井;
「ガス状汚染物とその除去対策の現状」空気清浄、Vo
l.32,No.3,P.43(1994)(社)日本
空気清浄協会発行)。
【0004】また、半導体製造工程において、シリコン
ウエハにP(リン)をドーピングしてn型半導体が、B
(ホウ素)をドーピングしてp型半導体が得られること
は良く知られているが、リン化合物やホウ素化合物がク
リーンルーム内の空気中に存在していると、不要なドー
ピングがなされる恐れがあるため、特にこれらの成分を
クリーンルーム内の空気から除去する必要がある。本発
明は、このような問題点を解決するためになされたもの
であり、リン化合物やホウ素化合物が存在しないクリー
ンルームを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、クリーンルー
ム内にリン化合物やホウ素化合物が存在する要因は、リ
ン化合物についてはエアフィルターの濾材とフレームと
の間を密封するシール材および壁や床の表面材に含まれ
る有機リン化合物(リン酸エステル)にあり、ホウ素化
合物についてはエアフィルターの濾材であるガラス繊維
に含まれる酸化ホウ素にあることを見出した。
【0006】以上の知見から、本発明は、壁および床の
少なくとも表面材と、エアフィルターの濾材および濾材
とフレームとの間を密封するシール材とを、空気中に有
機リン化合物およびホウ素化合物を放出しない材料で形
成したことを特徴とするクリーンルームを提供する。ま
た、本発明は、前記材料が、パージアンドトラップ法に
よるガス状有機リン化合物の発生量が材料1g当たり1
0μg以下であり、且つ超純水に28日間浸漬して溶出
させたホウ素化合物が材料1g当たり20μg以下であ
ることを特徴とするクリーンルームを提供する。
【0007】前記パージアンドトラップ法とは、所定量
の材料に対して所定温度(全ての有機成分が揮発可能な
温度)で不活性ガスを通過させて当該試料に含まれるガ
ス状有機物成分を全て揮発させ、これを捕集し、この捕
集成分からガス状有機物の発生量を定量する方法であ
る。このように、クリーンルームの構成部材が有機リン
化合物およびホウ素化合物を含む材料で形成されている
場合であっても、当該構成部材からのパージアンドトラ
ップ法によるガス状有機リン化合物の発生量を1g当た
り10μg以下とし、超純水に28日間浸漬して溶出さ
せたホウ素化合物を材料1g当たり20μg以下とする
ことによって、当該クリーンルームを通常状態(温度2
3℃、湿度30〜40%、エアフィルター通過空気流速
0.3〜0.4m/s)で稼働させた場合に、クリーン
ルーム内の空気中に有機リン化合物およびホウ素化合物
を存在させないようにすることができる。
【0008】また、本発明は、前記シール材はポリウレ
タン樹脂系シール材であって、その主成分を構成するジ
イソシアネートとしてジフェニルメタンジイソシアネー
トを含み、その液状化剤としてリン酸エステルを含む場
合に、当該リン酸エステルを分子量が300以上のもの
としたことを特徴とするクリーンルームを提供する。従
来のクリーンルームでは、ジフェニルメタンジイソシア
ネートを含むポリウレタン樹脂系シール材の液状化剤
(純度の高いジフェニルメタンジイソシアネートを常温
で液体状態とするための添加剤)として、および壁や床
の表面材である塩化ビニル樹脂製シートの可塑剤や難燃
剤として、リン酸エステルが使用されている。このう
ち、可塑剤は、リン酸エステルに代えて分子量400以
上のカルボン酸等を使用することができ、難燃剤は、リ
ン酸エステルに代えて水酸化アルミニウムや三酸化アン
チモン等が使用できるが、前記液状化剤としてはリン酸
エステルの代替品はない。
【0009】そして、使用するリン酸エステルが分子量
300未満の、リン酸トリエチル(分子量182)、リ
ン酸トリブチル(分子量266)、リン酸トリス(β−
クロロエチル)(分子量285)であると、前記通常の
クリーンルームでは、エアフィルターを通過する空気に
同伴されてこれらのガス状物がクリーンルーム内の空気
中に存在するが、分子量300以上のものを使用する
と、これらのガス状物はクリーンルーム内の空気中に存
在しない。
【0010】したがって、前記液状化剤としては分子量
300以上のリン酸エステルを用い、可塑剤および難燃
剤としては、前述の代替品を用いるか分子量300以上
のリン酸エステルを用いることによって、クリーンルー
ム内の空気中にリン酸エステルを存在させないようにす
ることができる。また、本発明は、前記液状化剤として
使用するリン酸エステルは、下記の(h)に示す物質の
うち少なくともいずれか一つであることを特徴とするク
リーンルームを提供する。(h)リン酸トリ−2−エチ
ルヘキシル(分子量435)、リン酸トリブトキシエチ
ル(分子量398)、リン酸トリオレイル(分子量84
9)、リン酸トリフェニル(分子量326)、リン酸ト
リクレゾール(分子量368)、リン酸トリキシレニル
(分子量410)、リン酸クレジルジフェニル(分子量
340)、リン酸キシレニルジフェニル(分子量35
4)、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニル(分子量
362)、芳香族縮合リン酸エステル(分子量400以
上)、亜リン酸トリストリデシル(分子量629)、お
よび、亜リン酸トリフェニル(分子量310)。
【0011】このようにクリーンルーム内の空気中にガ
ス状有機リン化合物やホウ素化合物を存在させないよう
にすることができるため、前記クリーンルームは半導体
製造用として特に好適なものとなる。なお、可塑剤とし
て使用可能な分子量400以上のカルボン酸等の具体例
としては、フタル酸ジイソノニル(分子量418)、フ
タル酸オクチルデシル(分子量419)、フタル酸ジイ
ソデシル(分子量447)、フタル酸ジラウリル(分子
量501)、フタル酸ジミリスチリル(別名:フタル酸
ジトリデシル,分子量530)、アゼライン酸ジ−2−
エチルヘキシル(分子量413)、セバチン酸ジ−2−
エチルヘキシル(分子量427)、トリメリット酸トリ
ス−2−エチルヘキシル(分子量547)、トリメリッ
ト酸トリオクチル(分子量547)、トリメリット酸ト
リノニル(分子量570)、トリメリット酸トリデシル
(分子量612)、アジピン酸またはアゼライン酸また
はセバチン酸またはフタル酸とグリコールまたはグリセ
リンとの重縮合により得られるポリエステル(分子量2
000〜8000)、エポキシ脂肪酸エステル(分子量
400〜500)、およびエポキシ化大豆油(分子量約
1000)が挙げられる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のクリーンルームで使用す
るエアフィルターは、クリーンルーム内にリン化合物と
ホウ素化合物を存在させないために、壁および床の少な
くとも表面材と、エアフィルターの濾材およびシール材
(濾材とフレームとの間を密封するシール材)とを、空
気中に有機リン化合物およびホウ素化合物を放出しない
材料で形成する。具体的には、前記材料として、パージ
アンドトラップ法によるガス状有機リン化合物の発生量
が材料1g当たり10μg以下であり、且つ超純水に2
8日間浸漬して溶出させたホウ素化合物が材料1g当た
り20μg以下であるものを用いる。
【0013】なお、本発明の実施形態の詳細について
は、以下に具体的な実施例を挙げて説明する。 (実施例1)No. 1〜5,7〜12では、濾材としてガ
ラス繊維またはフッ素繊維を使用し、処理剤に含まれる
非シリコーン系撥水剤、可塑剤、酸化防止剤、シール材
の主成分、シール材に含まれる可塑剤および酸化防止剤
が下記の表1〜3に示す構成となるエアフィルターを作
製した。No. 6は市販のULPAフィルターをそのまま
使用し、各構成材料の成分を下記の分析方法で分析して
調べた。
【0014】なお、各表中の略記号は以下の物質を示
す。 K1:セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル S1:ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート K2:フタル酸ジイソデシル S2:2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−
t−ブチルフェノール) K3:トリメリット酸トリス−2−エチルヘキシル S3:1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン K4:アジピン酸−1,3−ブチレングリコール S4:2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール K5:フタル酸ジオクチル S5:2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール K6:フタル酸ジブチル K7:アジピン酸ジブチル 〔濾材の繊維〕No. 1〜5では、市販のULPAフィル
ター用のガラス繊維(紡糸時にシリコーンオイルが塗布
されているもの)を、清浄な空気気流下で120℃で6
時間加熱することによってケイ素数10以下のシロキサ
ンを除去したものを用いた。このガラス繊維400mg
を下記のP&T−GC/MS法で分析したところ、この
ガラス繊維に含まれるケイ素数10以下のシロキサンは
当該分析法での検出限界値以下であった。
【0015】No. 6〜9では、市販のULPAフィルタ
ー用のガラス繊維(紡糸時にシリコーンオイルが塗布さ
れているもの)をそのまま使用した。No. 10では、信
越化学工業(株)製のシリコーンオイルKF99を真空
蒸留装置に入れ、真空度5mHgで200℃に保持して
低沸点成分を除去することにより、このシリコーンオイ
ルに含まれるケイ素数10以下のシロキサンを十分に除
去し、下記のP&T−GC/MS法での分析で検出限界
値以下とした。この分析の際には、真空蒸留後のシリコ
ーンオイルを石英ファイバーに数mg付着させたものを
試料とした。そして、このケイ素数10以下のシロキサ
ンを含まないシリコーンオイルを紡糸時の強化材として
塗布して得られたガラス繊維を、濾材の繊維として用い
た。
【0016】No. 11,12では、フッ素繊維(ポリテ
トラフルオロエチレン:PTFE)を濾材の繊維とし
た。この繊維にはシリコーンオイルが塗布されていな
い。 <P&T(パージ&トラップ)−GC/MS法>所定量
の試料を試験管に充填し、内部にヘリウムガスを流しな
がら当該試験管を150℃で30分間加熱し、揮発成分
を−80℃に冷却されたトラップ管で捕集し、当該トラ
ップ管内の成分をヘリウム気流下で300℃まで急速加
熱してガス状としたものを、GC/MS装置に導入す
る。
【0017】GC装置はヒューレットパッカード社製の
HP−5890Aであり、MS装置は同社のHP−59
70Bである。GC装置のカラムは同社のHP−ウルト
ラ2(OV−5系)であり、内径0.2mm、長さ25
mm、膜厚0.33μmである。GC装置の測定時の温
度条件は以下の通りである。 初期温度40℃→速度10℃/分で昇温→最終温度30
0℃(15分間保持) また、GC装置のキャリアーガスはヘリウムであり、注
入方式はスプリット法、スプリット比は1/200とす
る。MS装置のイオン化法は電子衝撃法であり、検出範
囲はm/zで25〜1000とする。
【0018】定量分析は、各成分のピーク毎に同定され
た有機物の検量線を作製して行うか、多数のピークが出
る場合には、n−デカンを標準物質としてその検量線を
基準に全成分をn−デカン換算の濃度として表示する。
これにより、試料中の揮発性有機物の含有量と種類とが
測定される。 〔処理剤〕No. 1〜5,7〜12では、各サンプル毎に
各表に示す非シリコーン系撥水剤、可塑剤、および酸化
防止剤を各比率(撥水剤を100重量部とした時の値を
重量部で各表の[ ] 内に表示)で配合し、これをアセト
ンとトルエンとの1:1混合溶剤に溶かし、さらに所定
量のアクリル樹脂系のバインダーを加えた溶液を、所定
の大きさのシート状のウェブに広げて重ねたガラス繊維
にしみ込ませた後に、これを乾燥させて布状の濾材を作
製した。なお、フィルター1台分の濾材に使用した非シ
リコーン系撥水剤は約1gであった。 〔シール材〕各サンプル毎に各表に示すシール材の主成
分(主剤および硬化剤)と可塑剤(No. 1,2,6〜
8,10,11ではこれに加えて酸化防止剤と滑剤)と
を各比率(主成分を100重量部とした時の値を重量部
で各表の[ ] 内に表示)で配合してシール材を作製し、
このシール材を使用して、アルミフレーム(600mm
×600mm×100mm、市販品の1/2の大きさ)
内に上記濾材を入れて密封することにより、エアフィル
ターを作製した。
【0019】なお、ポリウレタン系シール材を使用した
No. 1,2については、硬化剤(ポリオール)の活性水
素の当量が、主剤(メチレンジフェニルジイソシアネー
トを主成分とするジイソシアネート)のイソシアネート
基の当量より多くなるような配合比で両者を混合した。
また、No. 4については、アミン系の硬化剤を用いた
が、硬化後にフレームにリボンヒーターを巻いて約13
0℃で4時間加熱することにより、揮発性有機物(主
に、硬化後に残存しているアミン)の除去処理を行っ
た。
【0020】また、各シール材については、硬化後3日
経った後に一部(数10mg)を切り取ったものを用い
て、前述のP&T−GC/MS法で分析することによ
り、有機物発生量を測定した。その結果も、各表に併せ
て示す。なお、No. 4については前述の有機物除去処理
を行った後のシール材についてこの測定を行った。 〔エアフィルターの性能試験:塵埃の除去効率の測定〕
作製されたエアフィルターに対して、一方の側から全面
にフタル酸ジオクチル(DOP)の粒子を風速5.3c
m/secで当て、当てた側の濾材面付近の空気中に含
まれるDOPの粒子数(入側粒子数)と、反対側の濾材
面付近の空気中に含まれるDOPの粒子数(出側粒子
数)とをそれぞれパーティクルカウンターで計測し、入
側粒子数が107 個/ft3 の時に出側粒子数が100
個/ft3以下であれば(すなわち、除去効率が99.
999%以上であれば)合格とする。この「COLD
DOP法」と称される方法で測定された各エアフィルタ
ーについての塵埃の除去効率を各表に示す。 〔ガスケット〕このようにして得られた各エアフィルタ
ーを、ファンフィルターユニットのフレームに、それぞ
れ各表に示すガスケットを介装して取り付けた。また、
このガスケットについても一部を切り取ったものを用い
て、前述のP&T−GC/MS法で分析することによ
り、有機物発生量を測定した。その結果も各表に併せて
示す。
【0021】使用したガスケットは以下のものである。
なお、G1は、主成分の主剤および硬化剤と、可塑剤、
酸化防止剤、および滑剤とを混合して注型成形を行った
ものである。また、G2〜G4は、主成分であるゴム材
と可塑剤、酸化防止剤、および滑剤とを加熱混練し、押
し出し成形機にかけて押し出し成形したものである。ま
た、G5,G6は、市販品をそのまま使用した。 <G1(ウレタンゴム系)> 主成分:日本ポリウレタン工業(株)製 2液型ポリウ
レタン 主剤:ピュアMDI(商品名)、硬化剤:ポリオール 可塑剤:セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル 酸化防止剤:ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート 滑剤:マイクロクリスタリンワックス(炭素数34〜約
50) <G2(塩化ビニルゴム系)> 主成分:日本ゼオン(株)製 塩化ビニルゴム 可塑剤:塩素化パラフィン 酸化防止剤:2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル
−6−t−ブチルフェノール) 滑剤:マイクロクリスタリンワックス(炭素数34〜約
50) <G3(ブチルゴム系)> 主成分:アサヒ産業(株)製 ブチルゴム 可塑剤:アジピン酸−1,3−ブチレングリコール 酸化防止剤:1,1,3−トリス−(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン 滑剤:マイクロクリスタリンワックス(炭素数34〜約
50) <G4(クロロプレンゴム系)> 主成分:東ソー(株)製 ネオプレンゴム 可塑剤:アジピン酸−1,3−ブチレングリコール 酸化防止剤:1,1,3−トリス−(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン 滑剤:マイクロクリスタリンワックス(炭素数34〜約
50) <G5(ウレタンゴム系)> 日本ポリウレタン工業(株)製 液状MDI使用のガス
ケット <G6(ウレタンゴム系)> 日本ポリウレタン工業(株)製 液状MDI使用のガス
ケット 〔クリーンルーム〕また、前記各ファンフィルターユニ
ットを用い、焼付け塗装されたパーテイションを乾式シ
ールして壁材とし、床材としてはフリーアクセスフロア
の表面材をステンレスシートとしたクリーンルームを構
築した。前記壁材および床材は、前述のP&T−GC/
MS法による分析で有機物発生量が共に0.1μg/g
以下であった。このようなクリーンルームを稼働させ、
3日後にその内部に6”のシリコンウエハーを置いて6
時間放置し、このウエハーに吸着した有機物の量と種類
を下記のSWA装置を用いて分析した。その結果も各表
に併せて示す。
【0022】<SWA装置による分析>SWA装置と
は、ジーエルサイエンス(株)製のシリコンウエハーア
ナライザー(商品名)であり、下記のトラップ装置、T
CT(Thermal Desorption Col
d Trap Injector)装置、GC/MS装
置で構成されている。トラップ装置は、ウエハーの表面
に吸着している物質を脱着し、脱着された成分を捕集す
るものであり、TCT装置は、このトラップ装置で捕集
された成分をヘリウム気流中で300℃に加熱した後
に、液体窒素で−130℃に冷却されたキャピラリー管
に導入して冷却捕集するものであり、このTCT装置で
捕集された成分をヘリウム気流中で300℃に急速加熱
したものがGC/MS装置に導入されるようになってい
る。
【0023】ここで使用したGC/MS装置は、GC装
置がHP−5890Aであり、MS装置がHP−597
1Aである。GC装置のカラムはHP−5(長さ25m
m、内径0.2mm、膜厚0.33μm)を使用し、G
C装置の測定時の温度条件は以下の通りである。 初期温度80℃(10分間保持)→速度7℃/分で昇温
→最終温度300℃(10分間保持) これ以外の点については、前記P&T−GC/MS法と
同様であり、これにより、ウエハー表面に吸着している
有機物の含有量と種類とが測定される。なお、この方法
によるとウエハー一枚当たり数ng(10-9g)のオー
ダーまで分析が可能である。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】これらの結果から分かるように、No. 1〜
5およびNo. 10,11については、クリーンルーム内
に存在するガス状有機物を少なくすることができ、当該
クリーンルーム内に置かれたシリコンウエハーに吸着す
る有機物の量を、従来のULPAフィルター(No. 6)
や低分子量の可塑剤および酸化防止剤等を使用したフィ
ルター(No. 7〜9,12)の場合の1/10以下にす
ることができる。また、塵埃の除去効率も99.999
%以上となり、エアフィルターとしての性能を損なわな
いものであった。 (実施例2)床材、壁材、エアフィルター(プレフィル
ター:外気取り込み口用、メインフィルター:クリーン
エア吹出口用)の濾材、エアフィルターの濾材とフレー
ムとを固定するシール材として、下記の各材料を表4お
よび5に示す組合せで用い、それぞれクリーンルームを
構築した。各クリーンルームの大きさ(内寸)は600
0×7200×3700mmとした。 〔床材〕 塩ビ敷シート(厚さ2.0mm)は、ポリ塩化ビニル
樹脂に可塑剤としてエポキシ化大豆油、酸化防止剤とし
てステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート、難燃剤として水酸
化アルミニウム、帯電防止剤としてステアリルアミドエ
チレンオキサイド付加体を添加して作製した。塩ビ敷シ
ート(厚さ2.0mm)は、市販品(東リ(株)製帯
電防止フロアリウム)である。
【0028】アルミニウム製フリーアクセスフロアに、
前記いずれかの塩ビシートまたは市販のステンレス製シ
ートを貼り付けることにより、クリーンルームの床を形
成した。 〔壁材〕 塩ビクロス(厚さ0.28mm)は、ポリ塩化ビニル
樹脂に、可塑剤としてアジピン酸−1,3−ブチレング
リコール、酸化防止剤として2,2’−メチレン−ビス
−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、難燃剤
として三酸化アンチモン、帯電防止剤してステアリルア
ミドエチレンオキサイド付加体を添加して作製した。塩
ビクロス(厚さ1.0mm)は、市販品((株)サン
ゲツ製SG1533)である。
【0029】クリーンルームの壁は、前記いずれかの塩
ビクロスを壁面に貼り付けるか、コマニー(株)製のク
リーンルーム用パーティション(鉄板製のパーティショ
ン表面に焼付け塗装が施されたもの)の設置により構成
した。 〔エアフィルター〕プレフィルター(P・F)およびメ
インフィルター(ULPAフィルター:U・F)用の濾
材として、化学組成の異なる三種類のガラス繊維製濾材
〜、ポリエステル繊維製濾材、フッ素繊維(PTF
E繊維)製濾材を用意した。
【0030】濾材をフレームに固定するシール材とし
て、ポリウレタン樹脂系シール材とエポキシ樹脂系
シール材を用意した。ポリウレタン樹脂系シール材
は、主剤としてピュアMDI(日本ポリウレタン工業
(株)製の高純度メチレンジイソシアネート=ジフェニ
ルメタンジイソシアネート)を含む二液型のシール材で
あり、ピュアMDIの液状化剤としてシール材はリン
酸トリオレイルをシール材はリン酸トリブチルをそれ
ぞれ0.3重量%配合し、それ以外はシール材で同
様の組成とした。
【0031】フレームはアルミニウム製で、内寸が60
0×1200×100mmであるものを用いた。ULP
Aフィルターは、シール材が十分硬化した後に、ガスケ
ットを使用しないでクリーンルーム天井の開口部に取り
付け、プレフィルターは、シール材が十分硬化した後
に、天井に向かうダクトの外気取り入れ口に取り付け
た。 〔各構成材料の分析方法〕使用した床材および壁材の各
表面材、エアフィルターの濾材およびシール材を(シー
ル材については硬化後3日経った後に)所定量だけ切り
取り、実施例1に示したP&T−GC/MS法により有
機物の定性分析および有機リン化合物の定量分析を行う
とともに、下記の方法でホウ素含有量を分析した。前記
方法による有機リン化合物の定量分析の検出限界値は
1.0μg/gである。
【0032】<ホウ素含有量の分析法>切り取った試料
を所定量の超純水(比抵抗18.6MΩ以上)中に28
日間浸漬し、この超純水をICP/MS装置(ヒューレ
ットパッカード社のHP−4500型)に導入し、この
超純水中に溶出している無機物を分析し、濃度既知のホ
ウ酸水溶液で作成した検量線を用いてホウ素含有量を定
量した。この方法による定量分析の検出限界値は0.1
μg/gである。 〔クリーンルームの評価〕各クリーンルームでは、プレ
フィルターを通過した外気(フレッシュエア)とクリー
ンルーム内からのリターン空気とが混合されて天井裏の
チャンバに送られ、天井のULPAフィルターを通過し
てクリーンルーム内に供給されるようになっており、リ
ターン空気とフレッシュエアとの混合比を10:1とし
た。そして、各クリーンルームを、ULPAフィルター
からの出口での空気の流速を0.40m/sとし、温度
23℃相対湿度40%とし、無人で内部に何も置かない
状態で2週間連続稼働させ、その後に各クリーンルーム
内の空気を取り出して、この空気に含まれる有機物およ
び無機物の分析を行った。
【0033】有機物の分析は、先ず、テナックス管(ク
ロムパック社の商品名)にクリーンルーム内の空気を4
0リットル導入することにより、当該空気中に含まれる
有機成分を吸着させる。次に、このテナックス管をTC
T装置(実施例1参照)に装着し、TCT装置によりテ
ナックス管に吸着した有機成分を取り出し、これを加熱
してGC/MS装置に導入することにより行った。この
方法による定量分析の検出限界値は10ng/m3である。
【0034】無機物の分析は、クリーンルーム内の空気
を、毎分10リットルの流量で24時間、超純水(比抵
抗18.6MΩ以上)200ミリリットルが入ったイン
ピンジャーに導入して、超純水中に当該空気中に含まれ
る無機成分を溶出させ、この超純水をICP/MS装置
(ヒューレットパッカード社のHP−4500型)に導
入することにより行った。この方法による定量分析の検
出限界値は20ng/m3 である。
【0035】上記各分析結果についても表4および5に
併せて示す。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】これらの結果から分かるように、本発明の
実施形態に相当するNo. 21〜24のクリーンルームで
は、クリーンルーム内空気の有機リン化合物およびホウ
素化合物の分析値が検出限界値以下となっており、クリ
ーンルーム内の空気中に有機リン化合物およびホウ素化
合物が存在しないため、これらのクリーンルームは、半
導体製造用のクリーンルームとして特に好適なものとな
る。これに対して本発明の比較例に相当するNo. 25〜
28のクリーンルームでは、クリーンルーム内空気中に
有機リン化合物およびホウ素化合物のいずれかが存在す
るため、半導体製造用のクリーンルームとしては不要な
ドーピングがなされる恐れがあるため好ましくない。
【0039】なお、この実施例2では、ULPAフィル
ターをガスケットを使用しないでクリーンルーム天井の
開口部に取り付けているが、ウレタンゴム系のガスケッ
トを使用する場合には、濾材をフレームに固定するシー
ル材と同様にジフェニルメタンイソシアネートの液状化
材として分子量300以上のリン酸エステルを用いるこ
とが好ましい。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明のクリーンルーム
ではガス状有機物の発生量が少ないため、半導体製造産
業などでこのようなクリーンルームを使用すれば、シリ
コンウエハーへの有機物吸着量が低減されて歩留りが向
上する。また、本発明のクリーンルームのうち有機リン
化合物およびホウ素化合物が存在しないようにしたもの
は、シリコンウエハに不要なドーピングがなされる恐れ
がないため、半導体製造用のクリーンルームとして特に
好適なものとなる。
フロントページの続き Fターム(参考) 3L058 BE02 BF07 BG03 BG05 4D058 JA01 KA27 SA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁および床の少なくとも表面材と、エア
    フィルターの濾材および濾材とフレームとの間を密封す
    るシール材とを、空気中に有機リン化合物およびホウ素
    化合物を放出しない材料で形成したことを特徴とするク
    リーンルーム。
  2. 【請求項2】 前記材料は、パージアンドトラップ法に
    よるガス状有機リン化合物の発生量が材料1g当たり1
    0μg以下であり、且つ超純水に28日間浸漬して溶出
    させたホウ素化合物が材料1g当たり20μg以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載のクリーンルーム。
  3. 【請求項3】 前記シール材はポリウレタン樹脂系シー
    ル材であって、その主成分を構成するジイソシアネート
    としてジフェニルメタンジイソシアネートを含み、その
    液状化剤としてリン酸エステルを含む場合に、当該リン
    酸エステルを分子量が300以上のものとしたことを特
    徴とする請求項1または2に記載のクリーンルーム。
  4. 【請求項4】 前記液状化剤として使用するリン酸エス
    テルは、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリ
    ブトキシエチル、リン酸トリオレイル、リン酸トリフェ
    ニル、リン酸トリクレゾール、リン酸トリキシレニル、
    リン酸クレジルジフェニル、リン酸キシレニルジフェニ
    ル、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニル、芳香族縮
    合リン酸エステル、亜リン酸トリストリデシル、および
    亜リン酸トリフェニルのうち少なくともいずれか一つで
    あることを特徴とする請求項3記載のクリーンルーム。
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