JPH0992116A - 静電継電器および静電継電器の製造方法 - Google Patents

静電継電器および静電継電器の製造方法

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JPH0992116A
JPH0992116A JP24427395A JP24427395A JPH0992116A JP H0992116 A JPH0992116 A JP H0992116A JP 24427395 A JP24427395 A JP 24427395A JP 24427395 A JP24427395 A JP 24427395A JP H0992116 A JPH0992116 A JP H0992116A
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JP
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movable
movable piece
pair
contact block
movable contact
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Application number
JP24427395A
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English (en)
Inventor
Makoto Moriguchi
誠 森口
Akira Sasaki
昌 佐々木
Yoichi Nakanishi
陽一 仲西
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H1/00Contacts
    • H01H1/50Means for increasing contact pressure, preventing vibration of contacts, holding contacts together after engagement, or biasing contacts to the open position
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H59/00Electrostatic relays; Electro-adhesion relays
    • H01H59/0009Electrostatic relays; Electro-adhesion relays making use of micromechanics

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  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Manufacture Of Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で節電タイプの静電継電器およびその製
造方法を提供することにある。 【解決手段】 固定接点ブロック10の上方で一対のヒ
ンジ部33,34を介して回動可能に支持された半導体
結晶基材からなる可動片32に設けた常閉可動接点36
が常開可動接点35よりも高い。そして、駆動用電極1
5および可動片32に電圧を印加していない場合は、常
閉可動接点36が常閉固定接点13,14cに接触して
いる。一方、前述の両者に電圧を印加して静電引力を生
じさせると、可動片32がヒンジ部33,34を支点に
回動し、常開可動接点35が常開固定接点12および共
通固定接点14に接触する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電引力を駆動源と
する静電継電器および静電継電器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静電引力を駆動源とする静電継電
器としては、例えば、特開平2−100224号公報に
記載の静電式リレーがある。すなわち、図16に示すよ
うに、上面中央部に設けた一対の駆動用電極層2a,2
bの両側に固定接点層3a,3bおよび4a,4bをそ
れぞれ形成したベース1に、2本の棒状スペーサ5,5
を介して半導体結晶基材6を積層一体化したものであ
る。この半導体結晶基材6は、その内部に可動片8を一
対のヒンジ部7,7を介して回動可能に支持したもので
あり、可動片8の下面の両側端部には可動接点9a,9
bが設けられている。
【0003】そして、駆動用電極層2aと可動片8との
間、または、駆動用電極層2bと可動片8との間に直流
電圧を交互に印加すると、駆動用電極層2aと可動片8
の前方部8aとの間、または、駆動用電極層2bと可動
片8の後方部8bとの間にそれぞれ静電引力が生じる。
このため、ヒンジ部7,7を支点に可動片8が回動し、
可動接点9aまたは9bが固定接点層3a,3bまたは
4a,4bに交互に接触し、電気回路を開閉する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
静電継電器では、直流電圧を印加していない場合、可動
接点9a,9bのいずれもが固定接点層3a,3bおよ
び4a,4bから開離している。このため、例えば、い
ずれか一方の接点を、常時、閉成する必要がある場合に
は、直流電圧を常に印加しつづけなければならず、消費
電力が多く、不経済であった。また、可動片8を回動さ
せるためには一対の駆動用電極層2a,2bが必要であ
り、広い床面積が必要であるので、床面積の小さい小型
の静電継電器が得られないという問題点がある。
【0005】本発明は、前記問題点に鑑み、小型で節電
タイプの静電継電器およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる静電継電
器は、前記目的を達成するため、絶縁性基板の上面両端
部に一対の常開固定接点および一対の常閉固定接点をそ
れぞれ設けるとともに、一対の前記常開固定接点近傍に
駆動用電極を設けた固定接点ブロックと、この固定接点
ブロックの上方で一対のヒンジ部を介して回動可能に支
持され、かつ、下面両端部に常開可動接点および常閉可
動接点をそれぞれ設けた半導体結晶基材からなる可動片
とからなり、前記常閉固定接点および常閉可動接点のう
ち、少なくともいずれか一方が前記常開固定接点および
常開可動接点よりも高く、前記駆動用電極および可動片
に電圧を印加していない場合に、前記常閉可動接点が常
閉固定接点に接触する一方、前記駆動用電極および可動
片に電圧を印加して両者間に静電引力を生じさせた場合
に、前記可動片が回動し、常開可動接点が常開固定接点
に接触する構成としてある。
【0007】一対の前記常開固定接点のいずれか一方
と、一対の前記常閉固定接点のいずれか一方とを電気接
続して共通固定接点としてもよい。
【0008】前記固定接点ブロックに設けた駆動用電極
の上端面のうち、ヒンジ部近傍の片側縁部が常開固定接
点近傍の片側縁部よりも高いテーパ面としてもよい。
【0009】前記可動片に設けた一対のヒンジ部は、前
記可動片の中心から偏心した位置に設けてもよい。
【0010】前記可動片の巾寸法のうち、ヒンジ部から
片側部分の巾寸法を、残る片側部分の巾寸法よりも小さ
くしてもよい。
【0011】前記可動片の表裏面のうち、少なくともい
ずれか一方の片面に複数本の乱流防止用溝を長さ方向に
設けてもよく、また、前記可動片に乱流防止用貫通孔を
設けてもよい。
【0012】絶縁性基板の上面両端部に一対の常開固定
接点および一対の常閉固定接点をそれぞれ設けるととも
に、一対の前記常開固定接点近傍に駆動用電極を設けた
固定接点ブロックと、半導体結晶基材のウェハにエッチ
ングで一対の平面略コ字形のスリットを形成し、可動片
およびこれを回動可能に支持する一対のヒンジ部をくり
貫くとともに、前記固定接点ブロックの上面の周辺縁部
に接合一体化した可動接点ブロックと、この可動接点ブ
ロックの上面の周辺縁部に接合一体化して密封するカバ
ーとで構成してもよい。
【0013】前記可動接点ブロックの床面積を固定接点
ブロックよりも大きくし、露出する可動接点ブロックの
上下面のいずれか一方に電気接続してもよく、また、前
記カバーの床面積を可動接点ブロックよりも大きくし、
露出するカバーの下面を介して前記可動接点ブロックに
電気接続してもよい。
【0014】前記カバーは、絶縁性基板からなり、か
つ、周辺縁部に前記可動接点ブロックの周辺縁部に電気
接続するための貫通孔を有するものであってもよい。
【0015】また、カバーと、半導体結晶基材のウェハ
からなり、かつ、一対のヒンジ部を介して回動可能に支
持された可動片を有する可動接点ブロックとを接合一体
化する静電継電器において、可動接点ブロックをカバー
に接合一体化した後、前記半導体結晶基材のウェハをエ
ッチングして一対の平面略コ字形のスリットを形成し、
可動片およびこれを回動可能に支持する一対のヒンジ部
をくり貫いて静電継電器を製造してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる実施の形態
を図1ないし図15の添付図面に従って説明する。本願
発明にかかる第1の実施の形態は、図1ないし図9に示
すように、大略、固定接点ブロック10と、スペーサ2
0と、可動接点ブロック30と、カバー40とで構成さ
れる静電継電器50である。
【0017】固定接点ブロック10は、ガラス等の絶縁
性基板11の上面隅部に、常開,常閉固定接点12,1
3をそれぞれ設けるとともに、この常開,常閉固定接点
12,13の近傍に端部14b,14cをそれぞれ配し
た平面略コ字形状の共通固定接点14を設けたものであ
る。そして、常開,常閉固定接点12,13および共通
固定接点14はスルーホール12a,13aおよび14
aを介して絶縁性基板11の裏面で電気接続可能となっ
ている。さらに、スルーホール12a,14aの近傍に
駆動用固定電極15が設けられている。この駆動用電極
15は、スルーホール15aに電気接続されているとと
ともに、図2に示すように、その上端面が均一な厚さの
エレクトレット15bで被覆されたテーパ面となってい
る。そして、絶縁性基板11の下面には導電層16が形
成され、各スルーホール12a,13a,14a,15
aを絶縁するためのスリット17が設けられている。な
お、絶縁性を高めるため、常開固定接点12と共通固定
接点14の端部14bとの間、または、常閉固定接点1
2と共通固定接点14の端部14cとの間に絶縁材を配
置しておいてもよい。
【0018】スペーサ20は、後述する可動接点ブロッ
ク30の可動片32を回動させるためのスペースを確保
するとともに、沿面距離を確保して絶縁特性を高めるた
めのものであり、ガラス,ポリマー樹脂等からなり、前
記固定接点ブロック10の上面縁部に載置できる平面略
長方形の枠体である。
【0019】可動接点ブロック30は、半導体単結晶基
材からなるウェハ31、例えば、平面長方形の板状P型
シリコン単結晶(面方位 100)のウェハにエッチン
グ処理を施して可動片32および一対のヒンジ部33,
34をくり貫き、このヒンジ部33,34を介して可動
片32を回動可能に支持したものであ。そして、この可
動片32は、その下面の両側端部に常開,常閉可動接点
35,36をそれぞれ設けてある一方、その上面に所定
のピッチで複数本の縦溝37が形成されている。この縦
溝37は可動片32が回動する際における空気抵抗を抑
制し、動作特性の向上を図るためのものである。ただ
し、前記常閉可動接点36は、常開可動接点35よりも
高い。
【0020】カバー40は、ガラス,ポリマー樹脂等の
絶縁材からなる平面長方形の板状体41からなり、その
隅部にスルーホール42が設けられている一方、その上
面には導電層43が形成されている。例えば、板状体4
1がパイレックス(商品名)であれば、前述のシリコン
単結晶からなるウェハ31と熱膨張率が等しく、陽極接
合しやすいので、好適である。なお、板状体41が導電
性基板であれば、スルーホール42,導電層43は不要
であるが、板状体41の下面のうち、少なくとも可動片
32と対向する部分に絶縁膜を形成しておくことが好ま
しい。ただし、板状体41の下面の露出面は必ずしも環
状である必要はなく、可動接点ブロック30に電気接続
できる面積を有していればよい。
【0021】次に、前述の静電継電器の製造方法につい
て説明する。この実施形態にかかる静電継電器50は、
カバー40に、可動接点ブロック30、スペーサ20お
よび固定接点ブロック10を順次積層一体化して製造さ
れるが、まず、図5および図6に示すように、可動接点
ブロック30の製造方法について説明する。
【0022】シリコン単結晶のウェハ31の下面全面に
スパッタリング等で導電層61を設け(図5(a))、
さらに、表裏面の全面に、例えば、SiO2の第1,第
2絶縁膜層62,63を形成する(図5(b))。そし
て、第1,第2絶縁膜層62,63の不要部分を第1回
目のパターンニングで除去する(図5(c))。この結
果、第1回目のパターンニング後の第1絶縁膜層62は
前記可動片32と同一平面形状を有する一方、第1回目
のパターンニング後の第2絶縁膜層63は、環状の周辺
縁部およびヒンジ部33,34となる部分に重なり合う
部分だけが残存している。
【0023】次に、ウェハ31の表裏面にSiNからな
る第3,第4絶縁膜層64,65を形成した後(図5
(d))、第3,第4絶縁膜層64,65の不要な部分
を第2回目のパターンニングで除去する。この結果、第
2回目のパターンニング後のウェハ31の上面には環状
溝部66が形成される一方、第2回目のパターンニング
後のウェハ31の下面には、ヒンジ部33,34となる
部分に重なり合う第4絶縁膜層65の部分だけを残し、
底面に導電層61が露出する環状溝部67が形成される
(図5(e))。
【0024】そして、可動片32を形成する第3絶縁膜
層64のうち、その両端縁部に導電材からなる常開可動
接点35(図5(f))および常閉可動接点36をそれ
ぞれ形成する。このとき、常閉可動接点36は常開可動
接点35よりも高さ寸法の大きい導電材で形成してあ
る。
【0025】さらに、ウェハ31の下面に形成した環状
溝部67のうち、ヒンジ部33,34となる部分と重な
り合う第2絶縁膜層63の部分だけを残してエッチング
し、シリコンウェハ31が露出する不連続な一対の深溝
68を環状溝67の底面に形成する(図6(a))。つ
いで、ヒンジ部33,34となる部分と重なり合う第2
絶縁膜層63の部分を除去する(図6(b))。このと
き、ヒンジ部33,34となる部分と重なり合う導電層
61の部分と、シリコンウェハ31が露出する不連続な
深溝68との間に段差が形成されている。
【0026】ついで、ウェハ31の下面に設けた環状溝
部67を一様にエッチングしてさらに深くする(図6
(c))。このとき、ヒンジ部33,34となる部分に
重なり合う部分と、不連続な略コ字形の深溝68との間
には段差が残存している。
【0027】第4絶縁膜層65をすべて除去し(図6
(d))、環状溝部67およびこれに囲まれた可動片3
2となる部分を同時にエッチングして可動片32および
ヒンジ部33,34を形成した後(図6(e))、第2
絶縁膜層63の残部を除去し、導電層61を露出させる
(図6(f))。このとき、ヒンジ部33,34となる
部分と、不連続な略コ字形の深溝68との間には段差が
残存している。
【0028】そして、図7に示すように、カバー43の
片面に前述の可動接点ブロック30を陽極接合で接合一
体化した後(図7(a))、ウェハ31の上面に形成さ
れた環状溝部66だけをエッチング処理することによ
り、ヒンジ部33,34を残しつつ、平面略コ字形の一
対のスリット38,38(図1)を形成することによ
り、ウェハ31から可動片32およびヒンジ部33,3
4をくり貫き、前記ヒンジ部33,34を介して可動片
32を回動可能に支持した後(図7(b))、第3絶縁
膜層64を除去する(図7(c))。
【0029】一方、固定接点ブロック10は、図8に示
すように、パイレックスガラスからなる絶縁性基板11
にドリル加工およびサンドブラスト処理で貫通孔を形成
した後、その貫通孔の内周面に導電材を蒸着してスルー
ホール12a,13a,14aおよび15aを形成し
(図8(a))、ついで、その上面に常開,常閉固定接
点12,13、共通固定接点14および駆動用電極台1
5bをスクリーン印刷等でそれぞれ形成し(図8
(b))、さらに、前記駆動用電極台15bの上端面だ
けにスクリーン印刷等を再度施してテーパ面15cを形
成し(図8(c))、そのテーパ面15cに均一な厚さ
を有するエレクトレット15dを装着することにより、
駆動用電極15を備えた固定接点ブロック30が完成す
る(図8(d))。
【0030】なお、前記貫通孔には導電材を充填してお
いてもよい。また、駆動用電極15の上端面をテーパ面
とするには断面三角形または台形のエレクトレット(図
示せず)を、絶縁性基板11にスクリーン印刷等で形成
した電極台15bに載置して形成してもよい。この方法
によれば、平坦面を有する駆動用電極台15bを形成す
るだけでよいので、スクリーン印刷等の作業工程を省略
できるという利点がある。また、前述の実施形態では、
駆動用電極15にエレクトレットを設ける場合について
説明したが、エレクトレットは常に設ける必要はなく、
必要に応じて設ければよい。
【0031】ついで、前述の接合一体化した可動接点ブ
ロック30にスペーサ20および固定接点ブロック10
を順次接合一体化する。そして、必要に応じ、前記スル
ーホール12a〜15aに電気接続するため、例えば、
静電継電器の表裏面にスパッタリングで導電層43,1
6をそれぞれ形成した後、アニール処理を施し、ダイシ
ングでスリット17を形成して各スルーホール12a〜
15aを絶縁することにより(図4)、静電継電器50
が完成する。
【0032】なお、静電継電器50の表裏面には、スパ
ッタリングでなく、蒸着で導電材を設けてもよく、この
場合には、全面に蒸着する必要はなく、スルーホール周
辺だけを蒸着してもよい。また、静電継電器50の固定
接点ブロック10等を接合一体化する作業は、真空中、
または、例えば、ネオン,アルゴン等の不活性ガス中で
行うことにより、静電継電器50内を真空にし、また
は、不活性ガスを封入してもよい。前者によれば、空気
抵抗が無くなり、応答性が向上するとともに、アウトガ
スの生成による接触信頼性の低下を防止できる一方、後
者によれば、接点放電等による生成物の発生を抑制し、
接触信頼性の低下を防止できという利点がある。さら
に、前記可動片32の可動接点35,36は高さの異な
る別体の導電部材を設けて構成する場合について説明し
たが、必ずしもこれに限らず、スパッタリング,蒸着等
で高さの異なる接点台を形成し、この接点台の上端面に
同一厚さの導電材を設けることにより、高さの異なる可
動接点35,36を形成してもよい。
【0033】次に、組み立てられた静電継電器50の実
装方法としては、例えば、図9に示すように、シリコン
基板70の上面に位置決めしたリードフレーム71の固
定接点端子72,73、共通接点端子74および駆動用
電極端子75に静電継電器50のスルーホール12a〜
15aを、例えば、フリップチップ方式でそれぞれ電気
接続する一方、可動接点ブロック30に電気接続したカ
バー40のスルーホール42を電極端子76にワイヤボ
ンディングで電気接続した後、樹脂モールドで密封する
方法がある。なお、77はダミー端子である。
【0034】また、前述の実施形態ではシリコン基板7
0に静電継電器50を実装して樹脂モールドする場合に
ついて説明したが、必ずしもこれに限らず、例えば、セ
ラミックモールドしてもよい。
【0035】さらに、図10に示すように、可動接点ブ
ロック30に電気接続したカバー40のスルーホール
(図示せず)が金属キャンベース80に電気接続され、
これがワイヤボンディングで電極端子81に電気接続し
てもよい。ただし、スルーホール12a〜15aが、ワ
イヤボンディングで固定接点端子82,83,共通固定
接点端子84および駆動用電極端子85にそれぞれ電気
接続されている。86はダミー端子である。なお、キャ
ップ87が金属製である場合には、抵抗溶接あるいはハ
ンダ接合でもよく、樹脂製である場合には、接着剤接合
でもよい。また、キャップ87で密封する場合には、接
点保護のため、内部を真空にしておくか、あるいは、窒
素ガス等の不活性ガスを充填しておいてもよい。
【0036】次に、本実施形態の動作について説明す
る。まず、駆動用電極15および可動片32に電圧が印
加されていない場合には、ヒンジ部33,34の捩りモ
ーメントにより、高さ寸法が大きい常閉可動接点36が
常閉固定接点13および共通固定接点14の端部14c
に接触して電気回路を閉成している。
【0037】そして、駆動用電極15および可動片32
にスルーホール15a,42を介して直流電圧を印加す
ると、駆動用電極15および可動片32との間に静電引
力が生じ、可動片32がヒンジ部33,34を支点に回
動し、常閉可動接点36が固常閉固定接点13および共
通固定接点14の端部14cから開離した後、常開可動
接点35が常開固定接点12および共通固定接点14の
端部14bに接触する。
【0038】ついで、前述の直流電圧の印加を断つと、
可動片32はヒンジ部33,34の捩りモーメントで反
転し、常閉可動接点36が常閉固定接点13および共通
固定接点14の端部14cに再び接触する。
【0039】本実施形態では、駆動用電極15の上面が
テーパ面となっており、前述の静電引力が対向面間の距
離に比例することから、駆動用電極15が単なる平坦面
を有する場合よりも、大きな静電引力が得られるという
利点がある。
【0040】本実施形態にかかる静電継電器50は、表
裏面にスルーホールを設ける場合を示したが、これに限
らず、例えば、図11に示すように、可動接点ブロック
30の床面積を固定接点ブロックよりも大きくし、露出
する可動接点ブロック30の片面側に取り出し電極39
を設けることにより、シリコン基板70に位置決めした
リードフレーム71の端子72〜76のすべてにワイヤ
ボンディングで電気接続してもよい。
【0041】また、前述の実施形態では、厚肉のシリコ
ンウェハ31から可動片32およびヒンジ部33,34
をくり貫いて回動スペースを確保していたが、必ずしも
これに限らず、例えば、図12に示す第2の実施形態の
ように、薄肉のシリコンウェハ31から可動片32およ
びヒンジ部33,34をくり貫くとともに、可動片32
の回動スペースを別体のスペーサ21を接合一体化して
確保してもよい。この実施形態によれば、厚肉のシリコ
ンウェハから可動片32をくり貫く必要がなく、エッチ
ング作業が簡単になるので、生産性が向上するという利
点がある。
【0042】そして、前述の実施形態では、可動片32
の巾寸法が一様な場合について説明したが、必ずしもこ
れに限らず、図13に示す第3の実施形態のように、可
動片32の常閉可動接点36側の巾寸法を狭くして細首
部32aを形成することにより、可動片32のバネ定数
を異ならしめることにより、可動接点35,36の接点
圧を調整するようにしてもよい。
【0043】さらに、接点圧を調整する方法としては、
例えば、図14に示すように、可動片32を回動可能に
支持するヒンジ部33,34の位置を中心から偏心させ
ることにより、ヒンジ部33,34の曲げモーメントの
差を利用してもよい。
【0044】ついで、前述の実施形態では、可動片32
の空気抵抗を抑制し、動作特性を向上させるべく、可動
片32の上面に所定ピッチで複数本の縦溝37を設ける
場合について説明したが、必ずしもこれに限らず、可動
片32の下面あるいは上下面に縦溝を設けてよく、また
は、図15に示すように、可動片32に貫通孔32bを
設けることにより、空気抵抗を抑制するとともに、可動
片32を軽量化してもよい。
【0045】前述の静電継電器50によれば、ヒンジ部
33,34は断面略方形であるが、必ずしもこれに限ら
ず、断面略方形のヒンジ部33,34の角部を面取りし
ておいてもよい。面取りすることにより、応力集中を防
止でき、疲労破壊が生じにくくなって寿命が伸びるとい
う利点がある。
【0046】前述の静電継電器50によれば、常閉可動
接点36を、常閉固定接点13および共通固定接点14
の端部14cよりも高く形成することにより、常時閉成
の接点構造を構成したが、必ずしもこれに限らず、常閉
可動接点を低くし、常閉固定接点を高くしてもよい。
【0047】前述の実施形態では、静電継電器50を個
々に製造する場合について説明したが、必ずしもこれに
限らず、例えば、1枚のガラス基板上に複数個の固定接
点ブロックを形成する一方、1枚のシリコン基板に複数
個の可動接点ブロックを形成する。ついで、カバーとな
るガラス板に、前記シリコン基板、スペーサとなる複数
個の貫通孔を設けたガラス基板およびを前記ガラス基板
を順次接合一体化することにより、複数個の静電継電器
50を同時に形成してもよい。このような製造方法によ
り、生産性が著しく向上するとともに、高密度化が可能
になるという利点がある。そして、静電継電器を個々に
切り出してもよく、あるいは、複数個ずつ切り出して使
用してもよい。特に、静電継電器を複数個ずつ切り出し
た場合には、各駆動用電極を電気的接続することによ
り、所望の電気回路を同時に開閉できる静電継電器を形
成できるという利点がある。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかる請求項1の静電継電器によれば、電圧を印加し
ない場合であっても、常閉可動接点が常閉固定接点に、
常時、接触して電気回路を閉成しているので、消費電力
が少ない節電型の静電継電器が得られる。また、接点を
切り替える場合には、一つの駆動用電極および可動片に
電圧を印加し、これによって生じた静電引力で可動片を
回動させるだけでよい。このため、従来例のように一対
の駆動用電極を設ける必要がなく、大きな床面積を必要
としないので、小型の静電継電器が得られる。請求項2
によれば、前述の請求項1に記載の静電継電器と同等の
作用効果を有する静電継電器が得られるだけでなく、異
なるタイプの電気回路を開閉できる静電継電器が得られ
る。請求項3によれば、上端面が平坦な駆動用電極より
も対向面間の距離を短くでき、静電引力が距離に反比例
することから、低電圧で駆動できる静電継電器が得られ
る。請求項4によれば、ヒンジ部の位置を選択して可動
片のバランスを保つことができる一方、ヒンジ部の位置
決めを比較的高い寸法精度で行うことができるので、高
い精度で接点圧を調整できる。請求項5によれば、ヒン
ジ部の巾寸法を選択して可動片のバランスを保つことが
できる一方、ヒンジ部の巾寸法を比較的高い寸法精度で
製造できることから、高い精度で接点圧を調整できる。
請求項6および7によれば、可動片に乱流防止用溝また
は乱流防止用貫通孔を設けてあるので、空気抵抗を抑制
し、応答特性を高めることができ、動作特性の向上を図
ることができる。請求項8によれば、可動片等の接点機
構を構成する部品が密封されることになり、密封型静電
継電器が得られる。請求項9および10によれば、取り
出し電極の位置を片面側に集めることができるので、実
装作業が容易になる。請求項11によれば、カバーの露
出する片面を介して電気接続できるので、電気接続作業
が容易になる。請求項12によれば、カバーに可動接点
ブロックを接合一体化した後、可動片および一対のヒン
ジ部をくり貫くので、ヒンジ部が組立途中で破損するこ
とがなく、歩留まりが良いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる静電継電器の第1の実施形態
を示す分解斜視図である。
【図2】 前述の第1の実施形態を示す縦断面図であ
る。
【図3】 第1の実施形態を示す横断面図である。
【図4】 第1の実施形態を下方側から見た場合を示す
斜視図である。
【図5】 可動片の製造方法を示す断面図である。
【図6】 可動片の製造方法を示す断面図である。
【図7】 組立方法を説明するための断面図である。
【図8】 ベースの製造方法を示す断面図である。
【図9】 リードフレームを介して電気的接続する方法
を示す分解斜視図である。
【図10】 他の電気的接続方法を示す分解斜視図であ
る。
【図11】 別の電気的接続方法を示す分解斜視図であ
る。
【図12】 本発明にかかる静電継電器の第2の実施形
態を示す断面図である。
【図13】 第3の実施形態を示す分解斜視図である。
【図14】 可動ブロックの変形例を示す斜視図であ
る。
【図15】 可動ブロックの別の変形例を示す斜視図で
ある。
【図16】 従来例にかかる静電継電器の分解斜視図で
ある。
【符号の説明】
10…固定接点ブロック、11…絶縁性基板、12…常
開固定接点、13…常閉固定接点、14…共通固定接
点、15…駆動用電極、12a,13a,14a,15
a…スルーホール、16…導電層、17…スリット、2
0,21…スペーサ、30…可動接点ブロック、31…
ウエハ、32…可動片、32a…細首部、33,34…
ヒンジ部、35…常開可動接点、36…常閉可動接点、
37…縦溝、38…スリット、40…カバー、41…板
状体、42…スルーホール、43…導電層。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板の上面両端部に一対の常開固
    定接点および一対の常閉固定接点をそれぞれ設けるとと
    もに、一対の前記常開固定接点近傍に駆動用電極を設け
    た固定接点ブロックと、この固定接点ブロックの上方で
    一対のヒンジ部を介して回動可能に支持され、かつ、下
    面両端部に常開可動接点および常閉可動接点をそれぞれ
    設けた半導体結晶基材からなる可動片とからなり、前記
    常閉固定接点および常閉可動接点のうち、少なくともい
    ずれか一方が前記常開固定接点および常開可動接点より
    も高く、前記駆動用電極および可動片に電圧を印加して
    いない場合に、前記常閉可動接点が常閉固定接点に接触
    する一方、前記駆動用電極および可動片に電圧を印加し
    て両者間に静電引力を生じさせた場合に、前記可動片が
    回動し、常開可動接点が常開固定接点に接触することを
    特徴とする静電継電器。
  2. 【請求項2】 一対の前記常開固定接点のいずれか一方
    と、一対の前記常閉固定接点のいずれか一方とを電気接
    続して共通固定接点としたことを特徴とする請求項1に
    記載の静電継電器。
  3. 【請求項3】 前記固定接点ブロックに設けた駆動用電
    極の上端面のうち、ヒンジ部近傍の片側縁部が常開固定
    接点近傍の片側縁部よりも高いテーパ面としたことを特
    徴とする請求項1または2に記載の静電継電器。
  4. 【請求項4】 前記可動片に設けた一対のヒンジ部を、
    前記可動片の中心から偏心した位置に設けたことを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の静電継
    電器。
  5. 【請求項5】 前記可動片の巾寸法のうち、ヒンジ部か
    ら片側部分の巾寸法を、残る片側部分の巾寸法よりも小
    さくしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    1項に記載の静電継電器。
  6. 【請求項6】 前記可動片の表裏面のうち、少なくとも
    いずれか一方の片面に複数本の乱流防止用溝を長さ方向
    に設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    1項に記載の静電継電器。
  7. 【請求項7】 前記可動片に乱流防止用貫通孔を設けた
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記
    載の静電継電器。
  8. 【請求項8】 絶縁性基板の上面両端部に一対の常開固
    定接点および一対の常閉固定接点をそれぞれ設けるとと
    もに、一対の前記常開固定接点近傍に駆動用電極を設け
    た固定接点ブロックと、半導体結晶基材のウェハにエッ
    チングで一対の平面略コ字形のスリットを形成し、可動
    片およびこれを回動可能に支持する一対のヒンジ部をく
    り貫くとともに、前記固定接点ブロックの上面の周辺縁
    部に接合一体化した可動接点ブロックと、この可動接点
    ブロックの上面の周辺縁部に接合一体化して密封するカ
    バーとからなることを特徴とする請求項1ないし7のい
    ずれか1項に記載の静電継電器。
  9. 【請求項9】 前記可動接点ブロックの床面積を固定接
    点ブロックよりも大きくし、露出する可動接点ブロック
    の上下面のいずれか一方に電気接続することを特徴とす
    る請求項8に記載の静電継電器。
  10. 【請求項10】 前記カバーの床面積を可動接点ブロッ
    クよりも大きくし、露出するカバーの下面を介して前記
    可動接点ブロックに電気接続することを特徴とする請求
    項8に記載の静電継電器。
  11. 【請求項11】 前記カバーが、絶縁性基板からなり、
    かつ、周辺縁部に前記可動接点ブロックの周辺縁部に電
    気接続するための貫通孔を設けたことを特徴とする請求
    項8に記載の静電継電器。
  12. 【請求項12】 カバーと、半導体結晶基材のウェハか
    らなり、かつ、一対のヒンジ部を介して回動可能に支持
    された可動片を有する可動接点ブロックとを接合一体化
    する静電継電器において、 可動接点ブロックをカバーに接合一体化した後、前記半
    導体結晶基材のウェハをエッチングして一対の平面略コ
    字形のスリットを形成し、可動片およびこれを回動可能
    に支持する一対のヒンジ部をくり貫くことを特徴とする
    静電継電器の製造方法。
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