JPH09180616A - 静電継電器および静電継電器の製造方法 - Google Patents

静電継電器および静電継電器の製造方法

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JPH09180616A
JPH09180616A JP34356995A JP34356995A JPH09180616A JP H09180616 A JPH09180616 A JP H09180616A JP 34356995 A JP34356995 A JP 34356995A JP 34356995 A JP34356995 A JP 34356995A JP H09180616 A JPH09180616 A JP H09180616A
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fixed contact
contact block
movable
movable contact
movable piece
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Application number
JP34356995A
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English (en)
Inventor
Makoto Moriguchi
誠 森口
Akira Sasaki
昌 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
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Publication of JPH09180616A publication Critical patent/JPH09180616A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H59/00Electrostatic relays; Electro-adhesion relays
    • H01H59/0009Electrostatic relays; Electro-adhesion relays making use of micromechanics

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性が高く、動作特性にバラツキのない静
電継電器およびその製造方法を提供することにある。 【解決手段】 固定接点ブロック10と可動接点ブロッ
ク30との対向面のうち、固定接点ブロック10の周辺
縁部に、可動片32の動作空間を確保するためのスペー
サ部20を一体に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電引力を駆動源と
する静電継電器および静電継電器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静電引力を駆動源とする静電継電
器としては、例えば、特開平2−100224号公報に
記載の静電式リレーがある。すなわち、図25に示すよ
うに、上面中央部に設けた一対の駆動用電極層2a,2
bの両側に固定接点層3a,3bおよび4a,4bをそ
れぞれ形成したベース1に、2本の棒状スペーサ5,5
を介して半導体結晶基材6を積層一体化したものであ
る。この半導体結晶基材6は、その内部に可動片8を一
対のヒンジ部7,7を介して回動可能に支持したもので
あり、可動片8の下面の両側端部には可動接点9a,9
bが設けられている。
【0003】そして、駆動用電極層2aと可動片8との
間、または、駆動用電極層2bと可動片8との間に直流
電圧を交互に印加すると、駆動用電極層2aと可動片8
の前方部8aとの間、または、駆動用電極層2bと可動
片8の後方部8bとの間にそれぞれ静電引力が生じる。
このため、ヒンジ部7,7を支点に可動片8が回動し、
可動接点9aまたは9bが固定接点層3a,3bまたは
4a,4bに交互に接触し、電気回路を開閉する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
静電継電器では、スペーサ5,5を介して半導体結晶基
材6を積層一体化したものである。このため、部品点
数,組立工数が増加し、大量生産が困難であるととも
に、組立精度が低く、動作特性にバラツキが生じやすい
という問題点がある。
【0005】本発明は、前記問題点に鑑み、生産性が高
く、動作特性にバラツキが生じない静電継電器およびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる静電継電
器は、前記目的を達成するため、絶縁性基板の上面に固
定接点および駆動用電極を設けた固定接点ブロックと、
この固定接点ブロックに対向するように配した半導体結
晶基材のウェハに、前記駆動用電極に接離可能に対向す
る可動片を設けた可動接点ブロックとからなり、前記駆
動用電極および可動片間に電圧を印加して生じる静電引
力で前記可動片を板厚方向に回動し、この可動片の下面
先端縁部に設けた可動接点を前記固定接点ブロックの固
定接点に接離する静電継電器において、前記固定接点ブ
ロックおよび可動接点ブロックの対向面のうち、少なく
ともいずれか一方の周辺縁部に、前記可動片の動作空間
を確保するためのスペーサ部を一体に形成した構成とし
てある。
【0007】そして、固定接点ブロックと、半導体結晶
基材のウェハからなり、かつ、板厚方向に回動可能な片
持支持の可動片を備えた可動接点ブロックとを対向する
ように配置する静電継電器において、前記固定接点ブロ
ックおよび前記可動接点ブロックの周辺縁部を相互に接
合一体化した後、前記可動接点ブロックに平面略コ字形
のスリットをエッチングで形成し、前記可動片をくり貫
いてもよい。
【0008】また、接合一体化した前記固定接点ブロッ
クおよび前記可動接点ブロックの周辺縁部のうち、少な
くともいずれか一方の周辺縁部に、固定接点の延在部お
よび駆動用電極の延在部を露出させる接続用切り欠き部
を設けておいてもよい。
【0009】さらに、固定接点ブロックに可動接点ブロ
ックを接合一体化した後、可動接点ブロックの周辺縁部
に、固定接点の延在部および駆動用電極の延在部を露出
させる接続用切り欠き部を設けてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる実施の形態
を図1ないし図24の添付図面に従って説明する。本願
発明にかかる第1の実施の形態は、図1ないし図14に
示すように、大略、固定接点ブロック10と、可動接点
ブロック30と、カバー40とで構成される静電継電器
50である。
【0011】固定接点ブロック10は、ガラス等の絶縁
性基板11の上面周辺縁部に環状のスペーサ部20を一
体成形する一方、その隣り合う上面隅部に常開,常閉固
定接点12,13をそれぞれ設けるとともに、この常
開,常閉固定接点12,13の近傍に端部14b,14
cをそれぞれ配した平面略コ字形状の共通固定接点14
を設けたものである。そして、常開,常閉固定接点1
2,13および共通固定接点14はスルーホール12
a,13aおよび14aを介して絶縁性基板11の裏面
で電気接続可能となっている。さらに、スルーホール1
2a,14aの近傍に駆動用固定電極15が設けられて
いる。この駆動用電極15は、スルーホール15aに電
気接続されているととともに、図2に示すように、その
上端面が均一な厚さのエレクトレット15bで被覆され
たテーパ面となっている。そして、絶縁性基板11の下
面には導電層16が形成されているとともに、各スルー
ホール12a,13a,14a,15aを絶縁するため
のスリット17が設けられている。
【0012】なお、スペーサ部20は、後述する可動接
点ブロック30の可動片32を回動させるためのスペー
スを確保するとともに、沿面距離を確保して絶縁特性を
高めるためのものである。また、絶縁性を高めるため、
常開固定接点12と共通固定接点14の端部14bとの
間、または、常閉固定接点12と共通固定接点14の端
部14cとの間に絶縁材,仕切壁を配置しておいてもよ
い。
【0013】可動接点ブロック30は、半導体単結晶基
材からなるウェハ、例えば、平面長方形の板状P型シリ
コン単結晶(面方位 100)のウェハ31にエッチン
グ処理を施して可動片32および一対のヒンジ部33,
34をくり貫き、このヒンジ部33,34を介して可動
片32を回動可能に支持したものであ。そして、この可
動片32は、その下面の両側先端部に常開,常閉可動接
点35,36をそれぞれ設けてある一方、その上面に所
定のピッチで複数本の縦溝37が形成されている。この
縦溝37は可動片32が回動する際における空気抵抗を
抑制し、動作特性の向上を図るためのものである。ただ
し、図2に示すように、前記常閉可動接点36は、常開
可動接点35よりも高い。
【0014】カバー40は、ガラス,ポリマー樹脂等の
絶縁材からなる平面長方形の板状体41からなり、その
隅部にスルーホール42が設けられているとともに、そ
の上面には導電層43が形成されている。例えば、板状
体41がパイレックス(商品名)であれば、前述のシリ
コン単結晶からなるウェハ31と熱膨張率が等しく、陽
極接合しやすいので、好適である。なお、板状体41が
導電性基板であれば、スルーホール42,導電層43は
不要であるが、板状体41の下面のうち、少なくとも可
動片32と対向する部分に絶縁膜を形成しておくことが
好ましい。ただし、板状体41の下面の露出面は必ずし
も環状である必要はなく、可動接点ブロック30に電気
接続できる面積を有していればよい。
【0015】次に、前述の静電継電器の製造方法につい
て説明する。この実施形態にかかる静電継電器50は、
カバー40に、可動接点ブロック30および固定接点ブ
ロック10を順次積層一体化して製造されるが、まず、
図5および図6に示すように、固定接点ブロック10の
製造方法について説明する。
【0016】固定接点ブロック10は、図5に示すよう
に、パイレックスガラスからなる絶縁性基板11にドリ
ル加工およびサンドブラスト処理等で孔を形成した後、
その孔の内周面に導電材を蒸着してスルーホール12
a,13a,14a(図示せず)および15aを形成す
る(図5(a))。そして、前記絶縁性基板11の上面
周辺縁部に沿って金属やテフロン等からなる環状のマス
キング層21を形成した後(図5(b))、このマスキ
ング層21を除いた上面にRIE(リアクティブイオン
エッチング)を施して凹所22を設け、スペーサ部20
を形成する(図5(c))。ついで、図6(a)に示す
ように、前記マスキング層21を除去した後、前記凹所
22の底面に常開,常閉固定接点12,13、共通固定
接点14および駆動用電極台15bをスクリーン印刷等
でそれぞれ形成し(図6(b))、さらに、前記駆動用
電極台15bの上端面だけにスクリーン印刷等を再度施
してテーパ面15cを形成し(図6(c))、そのテー
パ面15cに均一な厚さを有するエレクトレット15d
を装着することにより、駆動用電極15を備えた固定接
点ブロック30が完成する(図6(d))。
【0017】なお、前記孔には導電材を充填しておいて
もよい。また、駆動用電極15の上端面をテーパ面とす
るには断面三角形または台形のエレクトレット(図示せ
ず)を、絶縁性基板11にスクリーン印刷等で形成した
電極台15bに載置して形成してもよい。この方法によ
れば、平坦面を有する駆動用電極台15bを形成するだ
けでよいので、スクリーン印刷等の作業工程を省略でき
るという利点がある。また、前述の実施形態では、駆動
用電極15にエレクトレットを設ける場合について説明
したが、エレクトレットは常に設ける必要はなく、必要
に応じて設けてもよい。
【0018】次に、図7ないし図9に示すように、可動
接点ブロック30の製造方法について説明する。なお、
図9(a)〜(d)は、可動接点ブロック30の製造工
程における中間品の概略を示す斜視図である。シリコン
単結晶のウェハ31の下面全面にスパッタリング等で導
電層61を設け(図7(a))、さらに、表裏面の全面
に、例えば、SiO2の第1,第2絶縁膜層62,63
を形成する(図7(b))。そして、第1,第2絶縁膜
層62,63の不要部分を第1回目のパターンニングで
除去する(図7(c))。この結果、第1回目のパター
ンニング後の第1絶縁膜層62は前記可動片32と同一
平面形状を有する一方、第1回目のパターンニング後の
第2絶縁膜層63は、環状の周辺縁部およびヒンジ部3
3,34となる部分に重なり合う部分だけが残存してい
る。
【0019】次に、ウェハ31の表裏面にSiNからな
る第3,第4絶縁膜層64,65を形成した後(図7
(d))、第3,第4絶縁膜層64,65の不要な部分
を第2回目のパターンニングで除去する。この結果、第
2回目のパターンニング後のウェハ31の上面には環状
溝部66が形成される一方、第2回目のパターンニング
後のウェハ31の下面には、ヒンジ部33,34となる
部分に重なり合う第2絶縁膜層63の部分だけを残し、
底面に導電層61が露出する環状溝部67が形成される
(図7(e))。
【0020】そして、可動片32を形成する第3絶縁膜
層64のうち、その両端縁部に導電材からなる常開可動
接点35(図7(f))および常閉可動接点36をそれ
ぞれ形成する。このとき、常閉可動接点36は常開可動
接点35よりも高さ寸法の大きい導電材で形成してあ
る。
【0021】さらに、図8(a)に示すように、ウェハ
31の下面に形成した環状溝部67のうち、ヒンジ部3
3,34となる部分と重なり合う第2絶縁膜層63の部
分だけを残してエッチングし、シリコンウェハ31が露
出する一対の深溝68を環状溝67の底面に形成する。
ついで、ヒンジ部33,34となる部分と重なり合う第
2絶縁膜層63の部分を除去する(図8(b))。この
とき、ヒンジ部33,34となる部分と重なり合う導電
層61の部分と、シリコンウェハ31が露出する不連続
な深溝68との間に段差が形成されている。
【0022】ついで、ウェハ31の下面に設けた環状溝
部67を一様にエッチングしてさらに深くする(図8
(c))。このとき、ヒンジ部33,34となる部分に
重なり合う部分と、不連続な略コ字形の深溝68との間
には段差が残存している。
【0023】第4絶縁膜層65をすべて除去し(図8
(d))、環状溝部67およびこれに囲まれた可動片3
2となる部分を同時にエッチングして可動片32および
ヒンジ部33,34を形成した後(図8(e))、第2
絶縁膜層63の残部を除去し、導電層61を露出させる
(図8(f))。このとき、ヒンジ部33,34となる
部分と、不連続な略コ字形の深溝68との間には段差が
残存している。
【0024】そして、図10および図11に示すよう
に、カバー40の片面に前述のウェハ31を陽極接合で
接合一体化した後(図10(a)および図11)、ウェ
ハ31の上面に形成された環状溝部66だけをエッチン
グ処理することにより、ヒンジ部33,34を残しつ
つ、一対の平面略コ字形のスリット38,38(図1)
を形成することにより、ウェハ31から可動片32およ
びヒンジ部33,34をくり貫き、前記ヒンジ部33,
34を介して可動片32を回動可能に支持した後(図1
0(b))、第3絶縁膜層64を除去する(図10
(c))。
【0025】ついで、前述の接合一体化した可動接点ブ
ロック30に固定接点ブロック10のスペーサ部20を
接合一体化する。そして、必要に応じ、前記スルーホー
ル12a〜15aに電気接続するため、例えば、静電継
電器の表裏面にスパッタリングで導電層43,16をそ
れぞれ形成した後、アニール処理を施し、ダイシングで
スリット17を形成して各スルーホール12a〜15a
を絶縁することにより(図4)、静電継電器50が完成
する。
【0026】なお、静電継電器50の表裏面には、スパ
ッタリングでなく、蒸着で導電材を設けてもよく、この
場合には、全面に蒸着する必要はなく、スルーホール周
辺だけを蒸着してもよい。また、静電継電器50の固定
接点ブロック10等を接合一体化する作業は、真空中、
または、例えば、ネオン,アルゴン等の不活性ガス中で
行うことにより、静電継電器50内を真空にし、また
は、不活性ガスを封入してもよい。前者によれば、空気
抵抗が無くなり、応答性が向上するとともに、アウトガ
スの生成による接触信頼性の低下を防止できる一方、後
者によれば、接点放電等による生成物の発生を抑制し、
接触信頼性の低下を防止できるという利点がある。さら
に、前記可動片32の可動接点35,36は高さの異な
る別体の導電部材を設けて構成する場合について説明し
たが、必ずしもこれに限らず、スパッタリング,蒸着等
で高さの異なる接点台を形成し、この接点台の上端面に
同一厚さの導電材を設けることにより、高さの異なる可
動接点35,36を形成してもよい。
【0027】次に、組み立てられた静電継電器50の実
装方法としては、例えば、図12に示すように、シリコ
ン基板70の上面に位置決めしたリードフレーム71の
固定接点端子72,73、共通接点端子74および駆動
用電極端子75に静電継電器50のスルーホール12a
〜15aを、例えば、フリップチップ方式でそれぞれ電
気接続する一方、可動接点ブロック30に電気接続した
カバー40のスルーホール42を電極端子76にワイヤ
ボンディングで電気接続した後、樹脂モールドで密封す
る方法がある。なお、77はダミー端子である。
【0028】また、前述の実施形態ではシリコン基板7
0に静電継電器50を実装して樹脂モールドする場合に
ついて説明したが、必ずしもこれに限らず、例えば、セ
ラミックモールドしてもよい。
【0029】さらに、図13に示すように、可動接点ブ
ロック30に電気接続したカバー40のスルーホール
(図示せず)が金属キャンベース80に電気接続され、
これがワイヤボンディングで電極端子81に電気接続さ
れていてもよい。ただし、スルーホール12a〜15a
が、ワイヤボンディングで固定接点端子82,83,共
通固定接点端子84および駆動用電極端子85にそれぞ
れ電気接続されている。86はダミー端子である。な
お、キャップ87が金属製である場合には、抵抗溶接あ
るいはハンダ接合でもよく、樹脂製である場合には、接
着剤接合でもよい。また、キャップ87で密封する場合
には、接点保護のため、内部を真空にしておくか、ある
いは、窒素ガス等の不活性ガスを充填しておいてもよ
い。
【0030】次に、本実施形態の動作について説明す
る。まず、駆動用電極15および可動片32に電圧が印
加されていない場合には、ヒンジ部33,34の捩りモ
ーメントにより、高さ寸法が大きい常閉可動接点36が
常閉固定接点13および共通固定接点14の端部14c
に接触して電気回路を閉成している。
【0031】そして、駆動用電極15および可動片32
にスルーホール15a,42を介して直流電圧を印加す
ると、駆動用電極15および可動片32との間に静電引
力が生じ、可動片32がヒンジ部33,34を支点に回
動し、常閉可動接点36が常閉固定接点13および共通
固定接点14の端部14cから開離した後、常開可動接
点35が常開固定接点12および共通固定接点14の端
部14bに接触する。
【0032】ついで、前述の直流電圧の印加を断つと、
可動片32はヒンジ部33,34の捩りモーメントで反
転し、常閉可動接点36が常閉固定接点13および共通
固定接点14の端部14cに再び接触する。
【0033】本実施形態では、駆動用電極15の上面が
テーパ面となっており、前述の静電引力が対向面間の距
離に比例することから、駆動用電極15が単なる平坦面
を有する場合よりも、大きな静電引力が得られるという
利点がある。
【0034】本実施形態にかかる静電継電器50は、表
裏面にスルーホールを設ける場合を示したが、これに限
らず、例えば、図14に示すように、可動接点ブロック
30の床面積を固定接点ブロックよりも大きくし、露出
する可動接点ブロック30の片面側に取り出し電極39
を設けることにより、シリコン基板70に位置決めした
リードフレーム71の端子72〜76のすべてにワイヤ
ボンディングで電気接続してもよい。
【0035】ついで、前述の実施形態では、可動片32
の空気抵抗を抑制し、動作特性を向上させるべく、可動
片32の上面に所定ピッチで複数本の縦溝37を設ける
場合について説明したが、必ずしもこれに限らず、可動
片32の下面あるいは上下面に縦溝を設けてもよい。
【0036】前述の静電継電器50によれば、ヒンジ部
33,34は断面略方形であるが、必ずしもこれに限ら
ず、断面略方形のヒンジ部33,34の角部を面取りし
ておいてもよい。面取りすることにより、応力集中を防
止でき、疲労破壊が生じにくくなって寿命が伸びるとい
う利点がある。
【0037】前述の静電継電器50によれば、常閉可動
接点36を、常閉固定接点13および共通固定接点14
の端部14cよりも高く形成することにより、常時閉成
の接点構造を構成したが、必ずしもこれに限らず、常閉
可動接点を低くし、常閉固定接点を高くしてもよい。
【0038】本願発明にかかる第2の実施形態は、図1
5ないし図20に示すように、前述の第1の実施形態が
一対のヒンジ部の捩りモーメントを利用する場合であっ
たのに対し、片持ち構造とした場合の静電継電器50に
関する。すなわち、第2の実施形態は、大略、固定接点
ブロック110と、可動接点ブロック120と、カバー
(図示せず)とで構成されている。
【0039】固定接点ブロック110は、ガラス等の絶
縁性基板111の上面に、一対の固定接点112,11
3と、駆動用電極115とが設けられ、それぞれにスル
ーホール111a,112a,115aが導通してい
る。
【0040】可動接点ブロック120は、半導体単結晶
基材からなるウェハ121にエッチング処理で平面略コ
字形状のスリット122を形成することにより、ヒンジ
部123を介して回動可能な可動片124をくり貫いた
ものであり、この可動片124の下面先端縁部には絶縁
層125を介して可動接点126が形成されている。
【0041】次に、この可動接点ブロック120の製造
方法について説明する。可動接点ブロック120は、図
17および図18に示すように、シリコン単結晶のウェ
ハ121の上面全面にスパッタリング等で導電層(ドー
プ層)131を設け、さらに、表裏面全面に、例えば、
SiO2の第1,第2絶縁層132,133をパターンニ
ングで形成する。このパターンニングでウェハ121の
表裏面のうち、その環状周辺縁部に第1,第2絶縁層1
32,133が存在することになる。そして、ウェハ1
21の裏面にSiNからなる第3絶縁層134を形成し
た後、第1回目のエッチングで第2,第3絶縁層13
3,134の不要な部分を除去することにより、ウェハ
121の下面に相互に連通する平面略コ字形状の深溝1
35と直線形状の浅溝136とが形成され、深溝135
からウェハ121が露出する(図17(a))。さら
に、第2回目のエッチングで深溝135および浅溝13
6がより深くなり(図17(b),(c))、第3回目
のエッチングで第3絶縁層134が除去される(図17
(d))。ついで、第4回目のエッチングでウェハ12
1の下面中央部がエッチングされるとともに、深溝13
5および浅溝136がより一層深くなり、深溝135は
導電層131の一部に食い込むが、浅溝136は導電層
131に達していない(図17(e))。ついで、可動
片124となる部分の下面先端縁部にスパッタリングお
よび蒸着で絶縁層125を形成した後、その上面に金等
を積層して可動接点126を形成する(図17
(f))。
【0042】次に、図18および図19に示すように、
固定接点ブロック110の上面に可動接点ブロック12
0を積み重ねて陽極接合した後、導電層131をエッチ
ングすることにより、深溝135を貫通させて平面略コ
字形状のスリット122を形成し、可動片124をくり
貫くとともに、ヒンジ部123を形成することにより、
可動片124の可動接点126が固定接点ブロック11
0の固定接点112,113に接離可能に対向する。
【0043】次に、本実施形態の動作について説明す
る。まず、駆動用電極115および可動片124に電圧
が印加されていない場合には、ヒンジ部123のバネ力
により、可動接点126が固定接点112,113から
開離している。そして、駆動用電極115および可動片
124に直流電圧を印加すると、駆動用電極115およ
び可動片124との間に静電引力が生じ、可動片124
がヒンジ部123を支点に回動し、可動接点126が固
定接点112,113に接触する。ついで、前述の直流
電圧の印加を断つと、可動片124はヒンジ部123の
バネ力で復帰し、可動接点126が固定接点112,1
13から開離する。
【0044】前述の第2実施形態ではスルーホールを介
して電気的接続を図るものであったが、必ずしもこれに
限らず、例えば、図21および図22に示すように、固
定接点ブロック110における固定接点112,113
および駆動用電極115の接続用延在部112b,11
3b,115bをそれぞれ絶縁性基板111の上面縁部
まで延在する一方、可動接点ブロック120の外周縁部
に側方に連通する接続用切り欠き部をエッチングで形成
することにより、ドーム状態の貫通孔127を形成する
ようにしてもよい(第3実施形態)。
【0045】また、図23および図24に示すように、
第3実施形態にかかる可動接点ブロック110の上面に
エッチングを施し、固定接点112,113および駆動
電極115の延在部112b,113b,115bを上
方から目視できる切欠部128を形成してもよい(第4
実施形態)。この実施形態によれば、電気接続するため
のリード線を上方から位置決めできるので、組立作業を
一方向から行うことができ、自動組立がより一層容易に
なるという利点がある。さらに、前述の接続用切り欠き
部は第1の実施形態に適用してもよいことは勿論であ
る。
【0046】前述の実施形態では、静電継電器を個々に
製造する場合について説明したが、必ずしもこれに限ら
ず、例えば、1枚のガラス基板上に複数個の固定接点ブ
ロックを形成する一方、1枚のシリコン基板に複数個の
可動接点ブロックを形成する。ついで、カバーとなるガ
ラス板に、前記シリコン基板および前記ガラス基板を順
次接合一体化することにより、複数個の静電継電器50
を同時に形成してもよい。このような製造方法により、
生産性が著しく向上するとともに、高密度化が可能にな
るという利点がある。そして、静電継電器50を個々に
切り出してもよく、あるいは、複数個ずつ切り出して使
用してもよい。特に、静電継電器を複数個ずつ切り出し
た場合には、各駆動用電極を電気的接続することによ
り、所望の電気回路を同時に開閉できる静電継電器を形
成できるという利点がある。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかる請求項1の静電継電器によれば、別体のスペー
サを接合一体化する必要がないので、部品点数,組立工
数が減少し、生産性が向上するとともに、組立精度が向
上して動作特性にバラツキのない静電継電器が得られ
る。請求項2によれば、固定接点ブロックに可動接点ブ
ロックを接合一体化した後、可動片をくり貫くので、不
安定な可動片を破損することがなく、歩留まりの良い静
電継電器を製造できる。請求項3によれば、固定接点ブ
ロックの周辺縁部に設けた切り欠き部から露出する固定
接点および駆動用電極の延在部に外部から確実に電気接
続できるので、電気接続が容易な静電継電器が得られ
る。請求項4によれば、固定接点ブロックに可動接点ブ
ロックを接合一体化した後、可動接点ブロックの周辺縁
部に接続用切り欠き部を設けるので、可動接点ブロック
の周辺縁部を破損することなく、任意の位置に所望の形
状を有する切り欠き部を形成できる。このため、例え
ば、前記延在部を上方から目視できるような切り欠き部
を設けることにより、一方向から組立作業を行うことが
できるので、自動組立がより一層容易になるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる静電継電器の第1の実施形態
を示す分解斜視図である。
【図2】 前述の第1の実施形態を示す縦断面図であ
る。
【図3】 第1の実施形態を示す横断面図である。
【図4】 第1の実施形態を下方側から見た場合を示す
斜視図である。
【図5】 固定接点ブロックの製造方法を示す断面図で
ある。
【図6】 固定接点ブロックの製造方法を示す断面図で
ある。
【図7】 可動片の製造方法を示す断面図である。
【図8】 可動片の製造方法を示す断面図である。
【図9】 可動接点ブロックの製造方法を示す斜視図で
ある。
【図10】 組立方法を説明するための断面図である。
【図11】 組立方法を説明するための斜視図である。
【図12】 リードフレームを介して電気接続する方法
を示す分解斜視図である。
【図13】 他の電気的接続方法を示す分解斜視図であ
る。
【図14】 別の電気的接続方法を示す分解斜視図であ
る。
【図15】 本発明にかかる静電継電器の第2の実施形
態を示す分解斜視図である。
【図16】 第2の実施形態を示す斜視図および断面図
である。
【図17】 可動接点ブロックの製造方法を示す縦断面
図である。
【図18】 固定接点ブロックおよび可動接点ブロック
の接合方法を示す縦断面図である。
【図19】 可動接点ブロックの製造方法を示す横断面
図である。
【図20】 固定接点ブロックおよび可動接点ブロック
の接合方法を示す横断面図である。
【図21】 本発明にかかる静電継電器の第3の実施形
態を示す分解斜視図である。
【図22】 第3の実施形態を示す斜視図および断面図
である。
【図23】 本発明にかかる静電継電器の第4の実施形
態を示す分解斜視図である。
【図24】 第4の実施形態を示す斜視図および断面図
である。
【図25】 従来例にかかる静電継電器の分解斜視図で
ある。
【符号の説明】
10…固定接点ブロック、11…絶縁性基板、12…常
開固定接点、13…常閉固定接点、14…共通固定接
点、15…駆動用電極、12a,13a,14a,15
a…スルーホール、16…導電層、17…スリット、2
0…スペーサ部、30…可動接点ブロック、31…ウエ
ハ、32…可動片、33,34…ヒンジ部、35…常開
可動接点、36…常閉可動接点、37…縦溝、38…ス
リット、40…カバー、41…板状体、42…スルーホ
ール、43…導電層、110…固定接点ブロック、11
1…絶縁性基板、112,113…固定接点、115…
駆動用電極、112a,113a,115a…スルーホ
ール、112b,113b,115b…接続用延在部、
131…導電層、120…可動接点ブロック、121…
ウエハ、122…スリット、123…ヒンジ部、124
…可動片、126…可動接点。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板の上面に固定接点および駆動
    用電極を設けた固定接点ブロックと、この固定接点ブロ
    ックに対向するように配した半導体結晶基材のウェハ
    に、前記駆動用電極に接離可能に対向する可動片を設け
    た可動接点ブロックとからなり、前記駆動用電極および
    可動片間に電圧を印加して生じる静電引力で前記可動片
    を板厚方向に回動し、この可動片の下面先端縁部に設け
    た可動接点を前記固定接点ブロックの固定接点に接離す
    る静電継電器において、 前記固定接点ブロックおよび可動接点ブロックの対向面
    のうち、少なくともいずれか一方の周辺縁部に、前記可
    動片の動作空間を確保するためのスペーサ部を一体に形
    成したことを特徴とする静電継電器。
  2. 【請求項2】 固定接点ブロックと、半導体結晶基材の
    ウェハからなり、かつ、板厚方向に回動可能な片持支持
    の可動片を備えた可動接点ブロックとを対向するように
    配置する静電継電器において、 前記固定接点ブロックおよび前記可動接点ブロックの周
    辺縁部を相互に接合一体化した後、前記可動接点ブロッ
    クに平面略コ字形のスリットをエッチングで形成し、前
    記可動片をくり貫いたことを特徴とする静電継電器の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 接合一体化した前記固定接点ブロックお
    よび前記可動接点ブロックの周辺縁部のうち、少なくと
    もいずれか一方の周辺縁部に、固定接点の延在部および
    駆動用電極の延在部を露出させる接続用切り欠き部を設
    けたことを特徴とする請求項1に記載の静電継電器。
  4. 【請求項4】 固定接点ブロックに可動接点ブロックを
    接合一体化した後、可動接点ブロックの周辺縁部に、固
    定接点の延在部および駆動用電極の延在部を露出させる
    接続用切り欠き部を設けたことを特徴とする静電継電器
    の製造方法。
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