JPH0991005A - 軌道制御装置 - Google Patents

軌道制御装置

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Publication number
JPH0991005A
JPH0991005A JP24766595A JP24766595A JPH0991005A JP H0991005 A JPH0991005 A JP H0991005A JP 24766595 A JP24766595 A JP 24766595A JP 24766595 A JP24766595 A JP 24766595A JP H0991005 A JPH0991005 A JP H0991005A
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JP
Japan
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manipulated variable
operation amount
control device
time
condition
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Application number
JP24766595A
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English (en)
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Makoto Kashiwabara
真 柏原
Hiroyuki Ito
博幸 伊藤
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】モデル化誤差があっても、制御対象で発生する
振動を十分に抑制できるようにする。 【解決手段】制約条件に、制御対象に加えるべき操作量
を、時間の多項式で記述するという条件を含めた上で、
制御対象が、所定移動距離を所定時間で移動し停止位置
に位置決めされるための操作量を、数理計画法を用いて
求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、起動、移動、搬送
を繰り返す装置に関し、特に可動部分の振動を低減し、
装置の高速での移動、位置決めを可能とする軌道制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】起動、移動、停止のサイクルを繰り返す
搬送装置、例えば、XーYテーブル、トランスファフィ
ーダ、スタッカークレーン等においては、近年、大型
化、高速化が進められている。
【0003】このため、サーボ系、構造系両者の剛性が
相対的に低下してしまい移動中の振動、停止後の残留振
動が発生するとともに、位置決め精度が低下するといっ
た問題が招来している。
【0004】ここに、一般に、運動を伴う系の振動を低
減するためには、系の固有振動数および減衰を増大させ
ればよいことがわかっている。
【0005】そこで、サーボ系の剛性および構造系の剛
性を増加させたり、サーボ系、構造系両者の状態フィー
ドバックをとって減衰を付加させる等して、相対的に剛
性を増大させる手法が採られている。
【0006】しかし、これらの手法は、サーボ系の出力
増加に対して制約があることや発振問題が招来するなど
して実際には限界に達することが多い。そこで、以下の
ような手法が現実にはとられている。 1)カム駆動式の場合において、移動後半のジャーク値
を低減して残留振動を抑制する、トラペクロイド軌道に
沿うように制御するもの(jones,J.R.and
Reeve,J,E,Cams and Cam M
echanisms,IME,London,(197
8),1075)。
【0007】2)サーボ駆動式の場合において、モータ
の特性を考慮し、入力エネルギーを最小化することを条
件とする時変係数フィードバックの最適レギュレータ問
題として位置決め制御を行ったもの(山田,中川,「計
測自動制御論文集」,18ー1、(1982),8
4)。
【0008】3)モータの消費エネルギを最小化する条
件と残留振動に対する拘束条件から決定される多項式近
似解による運動軌道を柔軟アームに適用し、さらに駆動
点速度フィードバック制御を併用したもの(小野,「機
論」,51ー469、C(1985),2233)、
(山浦、小野,「機論」,54ー508,C(198
8),2997)。
【0009】4)線形計画法を用いた最短時間制御とし
て、サーボモータの操作量の振幅や、駆動電流の制約の
もとに、最短時間で位置決めが可能な最適軌道を求め、
フィードバック制御との併用により系の摩擦や不感帯の
影響を補正するもの(黄ほか2名,「信学技法」,NL
P85ー1,(1985),1)、(黄ほか3名,「信
学技法」,NLP86ー4,(1986),19)。
【0010】5)線形計画法を用いてモータの駆動力と
ステージの速度の制約のもとに、XーYステージの残留
振動を抑制し、さらにモデル化誤差の影響を学習制御に
より補正するもの(浜田ほか6名,「機構論」,No.
870ー3,(1987),157)。
【0011】6)運動軌道の速度、加速度の制約の他に
さらに運動軌道のジャーク値を制約に含めて数理計画法
を適用し、運動を伴う構造物の残留振動を抑制する軌道
を求めるもの(株式会社 小松製作所 辻ほか2名、特
願平4年211581号)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記1)、
2)のように最適軌道を求め、この軌道に沿うように指
令を与えて制振を行うものは、各種制約条件が厳しくな
るにつれて最適軌道は複雑で滑らかさに欠ける軌道とな
り、最適軌道を求める上でのモデル化誤差、機械系のガ
タや摩擦、サーボ系の非線形性などの影響を受けやすく
なる。さらには、系の特性が時間とともに変化するもの
に対しては十分な効果が得られないという傾向がある。
【0013】また、上記3)、4)の手法は、制御系
を、実構造物における軌道が、数理計画法などにより求
めた最適制振軌道に沿うようにするために用いているた
め、モデル化誤差等がない場合には柔軟構造物が動く軌
道は上記求められた最適なものとなり、所望の制振効果
を達成できる。しかし、モデル化誤差等がある場合に
は、動かそうとする求めた軌道は最適なものではなくな
り、所望の制振効果を達成できなくなる。
【0014】また、上記5)の手法は、学習に時間を要
するとともに、制振のために、さらにフィードバック制
御系を付加しなければならなく、高コストが招来するこ
とになっている。
【0015】また、上記6)の手法は、上記1)〜5)
の実状に鑑みてなされたものであり、運動軌道のジャー
ク値を制約に加え、得られる軌道に滑らかさを付加する
ことで、制御対象である機械系、サーボ系のモデル化が
適切に行われていない場合であったとしても残留振動の
抑制効果を達成することができることを特徴としてい
る。
【0016】しかしながら、その軌道の滑らかさにもや
はり限界があり、モデル化誤差が、ある程度以上になる
と所望の制振効果を達成できなくなる。
【0017】本発明は、このような実状に鑑みてなされ
たものであり、従来よりも滑らかな最適軌道を求めるこ
とができ、これに応じた指令を操作量として付与するだ
けで、制御対象の機械系、サーボ系のモデル化が適切に
行われていない場合であったとしても、十分な制振効果
を達成することができるロバスト性の高い軌道制御装置
を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段および発明の効果】そこ
で、この発明では、制動されるべき被移動体および操作
量に応じて前記被移動体を移動させて停止位置に位置決
めさせる駆動部とから成る制御対象と、該制御対象に加
えるべき操作量を演算する演算部とを備え、前記演算部
は、制御対象の動特性、この動特性に対応する状態量、
および制御対象に加える操作量により記述された状態方
程式を、制御対象の許容最大速度、許容最大加速度、移
動距離および位置決め停止時の残留振動などのいくつか
のパラメータを制約条件として数理計画法を用いて解く
ことにより操作量を求め、求められた操作量を制御対象
に加えることにより制御対象の運動中の振動および停止
位置決め時の残留振動を抑制する軌道制御装置におい
て、前記制約条件に、前記操作量を、時間の多項式で記
述するという条件をさらに含めて、前記制御対象が、所
定移動距離を所定時間で移動し停止位置に位置決めされ
るための操作量を、数理計画法を用いて求めるようにし
ている。
【0019】かかる構成によれば、操作量を、時間の多
項式で記述するという制約条件を考慮したことにより、
得られる軌道は、非常に滑らかな曲線となる。この結
果、機械系やサーボ系のモデル化が適切に行われていな
い場合であっても、発生する振動を効果的に抑制するこ
とが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る振動制御装置の実施の形態について説明する。
【0021】図1は、実施例の装置構成をブロック図で
示しており、この装置はワークが搬送される際に発生す
る振動を抑制するものである。
【0022】同図に示すように、鋼板1bの先端には、
付加マス1aが配設されており、これら付加マス1aと
鋼板1bからなる柔軟構造物1は、1次振動モードが支
配的となっている。さらに、鋼板1bの他方の端は、テ
ーブル2に固定されている。テーブル2は、ボールねじ
3に噛み合っており、ボールねじ3はサーボモータ4の
軸に連結されている。
【0023】したがって、サーボモータ4の軸が回転す
ることによりテーブル2は、x方向に移動される。な
お、テーブル2は図示せぬスライド上に支えられてお
り、テーブル2はスライド上において起動、移動、停止
の運動を行う。
【0024】軌道信号演算部8では、後述するようにし
て、サーボモータ4を駆動するための操作量uが演算さ
れ、これをドライバ入力指令信号作成部9に出力する。
ここで、操作量uは、テーブル2の位置指令信号とな
る。
【0025】パルスカウンタ11は、サーボドライバ6
より出力されるエンコーダ5(サーボモータ4に付設さ
れている)のパルス数をカウントするものであり、カウ
ント値をドライバ入力指令信号作成部9に出力する。
【0026】ドライバ入力指令信号作成部9では、カウ
ントしたエンコーダパルス数に所要の工学単位変換係数
が掛け合わされ、これにより、テーブル2の実際の位置
が演算される。
【0027】そして、このようにして演算されたテーブ
ル2の実際の位置と、テーブル2の位置指令である駆動
信号uとの偏差がとられ、その値に所要の工学単位変換
係数が掛け合わされ、この結果得られた値がサーボモー
タ速度指令信号としてD/Aコンバータ10を介してサ
ーボドライバ6に出力される。
【0028】この結果、サーボモータ4は、加えられた
サーボモータ速度指令信号に応じて制御され、それに伴
いテーブル2が移動されることになる。
【0029】以上のように制御対象が構成されている。
【0030】上記軌道信号演算部8で行われる演算内容
について以下、図2に示す制御対象の等価モデルを参照
しつつ説明する。
【0031】図2に示すように、柔軟構造物1は、質量
m1、ばね定数k1、減衰係数c1の1自由度の質量ーば
ねー粘性減衰系と等価であり、また、テーブル2とテー
ブル2を駆動するサーボ系であるサーボモータ4、サー
ボドライバ6、コントロールユニット7は、質量m2、
ばね定数k2、減衰係数c2の2次遅れ要素としての質量
ーばねー粘性減衰系と等価である。
【0032】したがって、図1に示す装置は、これらの
系の結合として表すことができる。図2においてfは、
操作量uに応じてテーブル2に作用する力であり、これ
は質量m2のマスに作用する力で表される。
【0033】いま、x1、x1・、x1・・は、それぞれ
柔軟構造物1の変位、速度、加速度を表すものとし、x
2、x2・、x2・・は、それぞれテーブル2の変位、速
度、加速度を表すものとする。
【0034】そこで、図2の等価モデルにつき運動方程
式を立てると以下のようになる。
【0035】 ただし、aは定数である。
【0036】ここで、状態量(状態変数)X(t)を、 とすると、上記(1)、(2)、(3)式は、操作量u
(t)によって記述された次式の状態方程式として表す
ことができる。
【0037】 ただし、 である。
【0038】ここで、操作量u(t)を、時間に関する
L次の多項式であるとすると、次式のように記述でき
る。ただし、W0〜WLは、各項の重み定数である。
【0039】 そして、(7)式を(5)式に代入すれば、(5)式の
状態方程式は、あらためてWに関する式として、つぎの
ように表すことができる。
【0040】 ただし、 である。
【0041】いま、上記(8)式の状態方程式を連続時
間系から、サンプリング時間をΔtとする離散時間系に
変換すると、時刻(k+1)Δtにおける状態は、 となり、その解として次式が得られる。
【0042】 ここで、 であり、Iは、単位行列である。
【0043】つぎに、制約条件を規定する出力方程式を
求める。制約の対象を、柔軟構造物1のテーブル2に対
する相対変位x1ーx2、およびテーブル2の速度x2・
および加速度x2・・とし、これらを表す状態量(状態
変数)Y(k)を導入し、これを上記(7)、(12)
式を用いて表せば、 となる。ただし、 である。
【0044】そこで、駆動系の移動中の制約条件を「最
大許容値R」とすると、状態量Y(k)に関して、 ーR≦Y(k)≦R (17) となる。ただし、制約条件の最大許容値が正側と負側で
異なる場合には、RとR´を異なる値として、ーR´≦
Y(k)≦Rとしてもよい。
【0045】この(17)式に上記(15)式を代入す
ると、操作量u(k)の重み定数ベクトルWに関して次
式を得る。
【0046】 なお、テーブル2の移動中におけるkの値は、1からN
までの範囲である。
【0047】ここで、テーブル2の移動開始時の状態量
Xの初期条件は、 であるとする。また、テーブル2が距離dを時間Teを
もって移動し停止位置に位置決めされたとき(Te=N
×Δt)に残留振動が零となる終端条件をつぎのように
定める。
【0048】 そして、これら(19)、(20)式と上記(12)式
とからテーブル2の停止時における操作量u(k)の各
項の重み定数ベクトルWの制約条件として次式を得る。
【0049】 こうして、(18)式に示される移動中の制約条件およ
び(21)式に示される停止位置決め時の制約条件に基
づく線形不等式が得られたならば、これら不等式の解と
して操作量u(k)の各項の重み定数ベクトルWを求め
ることができる。そして、求められた重み定数ベクトル
Wを上記(7)式に代入することにより操作量uを求め
ることができる。
【0050】そこで、まず、移動時間を固定、つまりN
を固定にして残留振動レベルが最小となる操作量uを求
める処理手順について図3に示すフローチャートを参照
して説明する。
【0051】まず、最初に(7)式に示す操作量u
(k)の時間に関する多項式次数Lを適切な低次の値に
設定する(ステップ101)。つぎに、終端条件X
(N)を上記(20)式に示す値に初期設定する(ステ
ップ102)。
【0052】そして、上記(18)式に示す移動中の制
約条件(ステップ103)、上記(21)式に示す停止
位置決め時の制約条件(ステップ104)を満足する解
Wが存在するか否かを線形計画法、例えばシンプレック
ス法により探索する(ステップ105)。
【0053】この結果、解Wが存在する場合(ステップ
106の判断Yes)には、上記(7)式により操作量
u(k)が算出される(ステップ110)。こうして求
められた操作量u(k)は、上記(18)、(21)式
を満足するものであり、残留振動レベルが最小となる軌
道指令信号としてドライバ入力指令信号作成部9に出力
される(ステップ111)。
【0054】一方、ステップ106において、上記(1
8)、(21)式を共に満足する解Wが存在しないと判
断されたならば、つぎに、終端条件X(N)を緩和して
再設定する。これは、現在のx1、x1・をそれぞれ微小
量ずつ増分することによって行われる(ステップ10
7)。
【0055】そして、ステップ107において再設定さ
れた終端条件X(N)の値が、その最大許容値を越えて
いない場合(ステップ108の判断NO)には、再度、
ステップ103以降の処理が実行される。また、ステッ
プ108において、ステップ107で再設定された終端
条件X(N)の値が、その最大許容値を越えた場合(ス
テップ108の判断YES)には、操作量u(k)の多
項式次数Lを+1増分した(ステップ109)後、再び
終端条件X(N)を上記(20)式に示す値に設定して
(ステップ102)、再度、ステップ103以降の処理
が実行される。このようにしてステップ102〜109
の処理が繰り返し実行され、やがて(18)、(21)
式を満足する操作量u(k)の各項の重み定数ベクトル
Wが得られたならば、ステップ110において操作量u
(k)が求められる。
【0056】こうして、求められた操作量u(k)は、
(18)、(21)式を満足するものであり、残留振動
レベルが最小となる軌道指令信号としてドライバ入力指
令信号作成部9に出力される(ステップ111)。
【0057】そして、ドライバ入力指令信号作成部9で
は、残留振動レベルを最小にすべく上述のごとく得られ
た操作量uと、パルスカウンタ11より与えられたエン
コーダパルス数とを用いて前述した所要の演算を行いサ
ーボモータ速度指令信号を算出し、当該信号をD/Aコ
ンバータ10を介してサーボドライバ6に出力する。サ
ーボモータ4は、サーボドライバ6に加えられたサーボ
モータ速度指令信号に応じて制御され、テーブル2は所
定距離dだけ移動し停止する。
【0058】この結果、移動中は柔軟構造物1、テーブ
ル2等が制約条件Rを満たしつつ、振動レベル等が所定
範囲内に収まって移動するとともに所定距離dだけ移動
して停止位置に位置決めされた時には、残留振動レベル
が最小のものとなる。
【0059】以上の処理は、移動時間を固定として、残
留振動レベルを最小にする操作量を求めるものである
が、つぎに、残留振動レベルを固定とする条件で、移動
時間を最短にする操作量uを求める処理手順について図
4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0060】まず、最初に、上記(7)式に示す操作量
u(k)の時間に関する多項式次数Lを適切な低次の値
に設定するとともに、終端条件X(N)、つまり残留振
動レベルを適切な値に固定する(ステップ201)。そ
して、Nを1に初期設定する(ステップ202)。
【0061】そして、上記(18)式に示す移動中の制
約条件(ステップ203)、上記(21)式に示す停止
位置決め時の制約条件(ステップ204)を満足する解
Wが存在するか否かを線形計画法、例えばシンプレック
ス法により探索する(ステップ205)。この結果、解
Wが存在する場合(ステップ206の判断Yes)に
は、(7)式により操作量u(k)が算出される(ステ
ップ210)。求められた操作量u(k)は、(1
8)、(21)式を満足するものであり、N=1、つま
り移動時間Teが最小となる軌道指令信号としてドライ
バ入力指令信号作成部9に出力される(ステップ21
1)。
【0062】一方、ステップ206において、(1
8)、(21)式を共に満足する解Wが存在しないと判
断されたならば、つぎに、Nを+1増分することにより
最短時間の条件を緩和する(ステップ207)。そし
て、ステップ207において再設定されたNの値が、そ
の最大許容値を越えていない場合(ステップ208の判
断NO)には、再度、ステップ203以降の処理が実行
される。
【0063】また、ステップ208において、ステップ
207で再設定されたNの値が、その最大許容値を越え
た場合(ステップ208の判断Yes)には、操作量u
(k)の多項式次数Lを+1増分した(ステップ20
9)後、再度、Nを1に初期設定した上で(ステップ2
02)、再度、ステップ203以降の処理が実行され
る。
【0064】このようにして、ステップ202〜209
の処理が繰り返し実行され、やがて(18)、(21)
式を満足する操作量u(k)の重み定数ベクトルWが得
られたならば、ステップ210において操作量u(k)
が求められる。こうして求められた操作量u(k)は、
(18)、(21)式を満足するものであり、移動時間
Teが最短となる軌道指令信号としてドライバ入力指令
信号作成部9に出力される(ステップ211)。
【0065】そして、ドライバ入力指令信号作成部9で
は、移動時間Teを最小にすべく上述のごとく得られた
操作量uと、パルスカウンタ11より与えられたエンコ
ーダパルス数を用いて前述した所要の演算を行い、サー
ボモータ速度指令信号を算出し、その信号をD/Aコン
バータ10を介してサーボドライバ6に出力する。
【0066】サーボモータ4は、サーボドライバ6に加
えられたサーボモータ速度指令信号に応じて制御され、
テーブル2は所定距離dを最短時間で移動し停止する。
【0067】この結果、移動中は柔軟構造物1、テーブ
ル2等が制約条件Rを満たしつつ、振動レベル等が所定
範囲内に収まって移動するとともに、所定距離dだけ移
動して停止位置に位置決めされた時には、残留振動レベ
ルが所定のレベル内に収まることとなる。
【0068】図5、図6、図7は、実施例の効果を説明
するグラフである。
【0069】図5は、テーブル2が、加えられる操作量
に対し応答遅れが無く追従する場合のシミュレーション
結果、すなわちサーボ剛性が非常に高いとした場合のシ
ミュレーション結果である。
【0070】図5の上段は、テーブル2の位置指令信号
である操作量uを1階微分として速度として示したもの
であり、図5の下段は、柔軟構造物1のテーブル2に対
する相対変位を示している。
【0071】同図(a)は、上記(7)式のごとく操作
量uに、時間の多項式という制約を付加した実施例の場
合を示しており、同図(b)は、上記多項式制約を付加
しない従来の線形計画法で得られる軌道(以下、LP軌
道と呼ぶ)による場合を示している。
【0072】図5から明かなように、実施例の場合に
は、多項式制約を付加しないLP軌道に比べて、非常に
滑らかな軌道となっており、また停止後の残留振動が完
全に抑制されていることはもとより、移動中の振動振幅
も小さく抑えられていることが分かる。
【0073】図6は、柔軟構造物1の固有振動数が変化
した場合のシミュレーション結果であり、柔軟構造物1
のテーブル2に対する相対変位を示している。 同図
(a)は、操作量に上記多項式制約を付加した実施例に
よる場合を示しており、同図(b)は、上記多項式制約
を付加しないLP軌道による場合を示している。
【0074】同図から明かなように、実施例の場合に
は、多項式制約を付加しないLP軌道に比べて、残留振
動が抑制されており、ロバスト性に優れていることが分
かる。実施例による場合には、軌道が滑らかであること
により、移動中の振動振幅を小さくする効果があり、そ
のため構造物の固有振動数が変化した場合であっても、
その効果を維持することができる。
【0075】図7は、図5で前述したサーボ剛性が非常
に高いとして得られた軌道指令信号を、サーボ剛性の低
い駆動系に対し加えた場合のシミュレーション結果であ
る。図7の上段は、テーブル2の位置指令信号である操
作量uを1階微分して速度として示したもの(細線)
と、テーブル2の速度(太線)とを重ね書きして示した
ものであり、図7の下段は、柔軟構造物1のテーブル2
に対する相対変位を示している。
【0076】同図(a)は、操作量に上記多項式制約を
付加した実施例による場合を示しており、同図(b)
は、上記多項式制約を付加しないLP軌道による場合を
示している。
【0077】同図から明かなように実施例の場合には、
多項式制約を付加しないLP軌道に比べて、テーブル2
の速度追従誤差が少なく、かつ残留振動抑制効果が停止
後も持続されており、ロバスト性に優れていることがわ
かる。
【0078】以上説明したように本発明によれば、制御
対象の機械系、サーボ系のモデル化が正確に行われてい
ない場合であったとしても、発生する振動を効果的に抑
制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る軌道制御装置の実施例装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示す装置の等価モデルを2自由
度系で示す図である。
【図3】図3は、図1に示す軌道信号演算部で行われ
る、残留振動レベルを最小にする処理の手順を示すフロ
ーチャートである。
【図4】図4は、図1に示す軌道信号演算部で行われ
る、移動時間を最短にする処理の手順を示すフローチャ
ートである。
【図5】図5(a)、図5(b)は、実施例の効果を説
明するために、従来の制御のシミュレーション結果と実
施例のシミュレーション結果とを比較して示すグラフで
ある。
【図6】図6(a)、図6(b)は、実施例の効果を説
明するために、従来の制御のシミュレーション結果と実
施例のシミュレーション結果とを比較して示すグラフで
ある。
【図7】図7(a)、図7(b)は、実施例の効果を説
明するために、従来の制御のシミュレーション結果と実
施例のシミュレーション結果とを比較して示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 柔軟構造物 2 テーブル 4 サーボモータ 7 コントロールユニット 8 軌道信号演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05D 3/12 306 G05D 19/02 D 19/02 G05B 19/407 K

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動されるべき被移動体および操作
    量に応じて前記被移動体を移動させて停止位置に位置決
    めさせる駆動部とから成る制御対象と、該制御対象に加
    えるべき操作量を演算する演算部とを備え、前記演算部
    は、制御対象の動特性、この動特性に対応する状態量、
    および制御対象に加える操作量により記述された状態方
    程式を、制御対象の許容最大速度、許容最大加速度、移
    動距離および位置決め停止時の残留振動などのいくつか
    のパラメータを制約条件として数理計画法を用いて解く
    ことにより操作量を求め、求められた操作量を制御対象
    に加えることにより制御対象の運動中の振動および停止
    位置決め時の残留振動を抑制する軌道制御装置におい
    て、 前記制約条件に、前記操作量を、時間の多項式で記述す
    るという条件をさらに含めて、前記制御対象が、所定移
    動距離を所定時間で移動し停止位置に位置決めされるた
    めの操作量を、数理計画法を用いて求めるようにした軌
    道制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制約条件に、移動中の制御対象
    の振動レベルの許容値を含めるようにした請求項1記載
    の軌道制御装置。
  3. 【請求項3】 前記所定移動距離の移動に要する移
    動時間を固定するという条件で、停止位置決め時の残留
    振動のレベルが最小となるように、操作量を求めるよう
    にした請求項1記載の軌道制御装置。
  4. 【請求項4】 数理計画法を用いて操作量が解とし
    て得られない場合には、停止位置決め時の残留振動のレ
    ベルを微小量増加させて条件を緩和した上で、再度、数
    理計画法を用いて操作量を求めるようにした請求項3記
    載の軌道制御装置。
  5. 【請求項5】 停止位置決め時の残留振動のレベル
    を固定するという条件で、前記所定移動距離の移動に要
    する移動時間が最短となるように、操作量を求めるよう
    にした請求項1記載の軌道制御装置。
  6. 【請求項6】 数理計画法を用いて操作量が解とし
    て得られない場合には、前記所定移動距離の移動に要す
    る移動時間を微小量増加させて条件を緩和した上で、再
    度、数理計画法を用いて操作量を求めるようにした請求
    項5記載の軌道制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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