JPH0990666A - 電子写真用写し絵転写材 - Google Patents

電子写真用写し絵転写材

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JPH0990666A
JPH0990666A JP24405495A JP24405495A JPH0990666A JP H0990666 A JPH0990666 A JP H0990666A JP 24405495 A JP24405495 A JP 24405495A JP 24405495 A JP24405495 A JP 24405495A JP H0990666 A JPH0990666 A JP H0990666A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性が向上し、放置カール量が減少し、し
かもフィルム層の離型性が安定化した電子写真用写し絵
転写材を提供する。 【解決手段】 紙を主体とする基材の表裏に高分子樹脂
膜を形成してなる電子写真用写し絵転写材において、表
面の高分子樹脂膜が接着層及び転写層の2層からなり、
裏面の高分子樹脂膜が裏打ち層の1層からなる電子写真
用写し絵転写材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置、静電
記録装置等のトナーを用いて画像形成を行う装置におい
て、得られたトナー像を他の最終転写材へ再転写を行う
ことが可能な電子写真用写し絵転写材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、写し絵という技術を用いて立体的
に画像を転写することは広く知られており、例えば紙等
の基材上にデキストリンに代表される水溶性の糊を塗工
し、この塗膜上にアクリルインクを用いて必要とされる
画像をスクリーン印刷等で形成し、この画像を有する紙
を水につけてデキストリンを溶かし、水に浮いたアクリ
ルインク画像を陶器等の立体物に水圧によって写し取る
水圧転写法が広く知られている。この方法に用いられる
転写紙を電子写真に直接応用した例として、武藤工業製
のテンプリンがある。この転写材は、ライスペーパー上
にデキストリンを成膜したものを転写材として作成し、
これを、電子写真装置にかけデキストリン表面にトナー
像を形成した後、トナー中の樹脂を軟化させることが可
能な有機溶剤にこの転写材を通過させ、トナー像に再転
写の対象となる転写媒体への接着力を付与した後に、こ
の転写材をトナー像が再転写媒体に正対するように密着
させた後、紙裏面より水を付与してデキストリン膜を溶
解してトナー像のみの転写を行うものである。
【0003】しかし、このような不透明な紙上に水溶性
塗膜を形成してなる転写材では、再転写の際の位置合せ
が困難なだけでなく、雰囲気中の水分の影響により画像
形成前に転写材表面が軟化してしまい、この軟化したデ
キストリンが電子写真装置内の感光ドラム等に付着する
というような問題を生じてしまう。更に、上記のように
空気中の水分に敏感なために水分量に対する伸び、縮み
が激しく、転写材の無用な放置カールを生じ、装置内に
おける通紙搬送性が著るしく悪くなってしまう。
【0004】上記2点の問題に対し、特開平4−361
086号公報において、デキストリンに替わり、酢酸ビ
ニルの鹸化物であるポリビニルアルコールを用いた再転
写材の提案がある。ここで提案されている転写材は紙上
にシリコーン樹脂を塗工したものの上にアクリル樹脂膜
を形成し、更にこの上に日華化学製カセゾール0−5に
シリコーン消泡剤を混ぜたものを塗工したものであっ
て、再転写自体は、電子写真装置にてこの塗膜上にトナ
ー像を形成した後に、このカセゾール膜を基材から剥ぎ
取り、再転写媒体にトナー像が正対するように重ね合わ
せる。
【0005】加熱及び加圧を施すことで前述トナー像中
の樹脂を軟化させて再転写媒体への接着力を得、冷却し
た後にカセゾール膜の裏面よりエチルアルコールの80
%水溶液を付与してカセゾール膜とトナー像の接着力を
低下させ再転写を終了するものである。
【0006】この方法によれば、基材よりトナー像を有
する薄フィルムを剥ぎ取るために略透明フィルムとなり
位置合せが容易となる利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例に
おいては、使用されている塗膜材料が酢酸ビニルの部分
鹸化物を用いているためにテンプリンと同じく、空気中
の水分に対して敏感であり、耐水性が著しく劣るという
問題点、更には、塗膜の剥ぎ取り時における膜の溶解に
よって塗膜が残留する。また、シリコーンを離型膜に使
用しているために電子写真装置内で転写材搬送中に膜が
剥れるという問題点を生じることが分った。
【0008】従って、本発明の目的は、耐水性が向上
し、放置カール量が減少し、しかもフィルム層の離型性
が安定化した電子写真用写し絵転写材を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の本発明
は、紙を主体とする基材の表裏に高分子樹脂膜を形成し
てなる電子写真用写し絵転写材において、表面の高分子
樹脂膜が接着層及び転写層の2層からなり、裏面の高分
子樹脂膜が裏打ち層の1層からなることを特徴とする電
子写真用写し絵転写材である。
【0010】第2の本発明は、第1の本発明において、
高分子樹脂膜が接着層と転写層の界面で剥離可能である
場合である。
【0011】第3の本発明は、第1の本発明において、
接着層と転写層の接着力が1.5g/cm以上4g/c
m以下の場合である。
【0012】第4の本発明は、第1の本発明において、
接着層及び裏打ち層がアクリル、ポリエステル及びナイ
ロンから選ばれた樹脂を含有する場合である。
【0013】第5の本発明は、第1の本発明において、
転写層がポリビニルアルコールを含有する場合である。
【0014】第6の本発明は、第5の本発明において、
転写層が、ポリビニルアルコールに有機シリコーン樹脂
を含有してなる場合である。
【0015】第7の本発明は、第1の本発明において、
転写層がポリ酢酸ビニルを95%以上鹸化したポリビニ
ルアルコール及びポリ酢酸ビニルを90%以下鹸化した
ポリビニルアルコールを含有し、鹸化度が95%以上の
ポリビニルアルコールの含有率が固型分として25重量
%以上75重量%未満の場合である。転写層が従来のカ
セゾール0−5のように部分鹸化酢酸ビニル単体ではな
く、部分鹸化酢酸ビニルと95%以上鹸化された酢酸ビ
ニルを併用することで耐水性を向上させて、空気中の水
分に対して安定にしている。
【0016】第8の本発明は、第1の本発明において、
転写層の表面固有抵抗が、20℃、65%RH環境下で
108 〜1012Ω/□の場合である。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて以下に説明す
る。
【0018】図1は本発明の電子写真用写し絵転写材1
の層構成を示す概略断面図ある。11は転写材1の基材
であって中質あるいは上質の普通紙、あるいはこれらの
紙の片面または両面に目止め用の表層コートを施した
紙、いわゆるコート紙、アート紙等の塗工紙が用いられ
る。紙の場合、坪量は30g/m2 以上が好ましく、4
5g/m2 以上がより好ましい。30g/m2 未満の紙
では、塗工樹脂膜を厚くしても電子写真装置における搬
送性が確保されにくい。また、坪量は200g/m2
下が好ましく、150g/m2 以下がより好ましい。2
00g/m2 を越えると、原紙の剛性が高過ぎるため、
搬送性が不良になり易い。また、この原紙は、電子写真
装置における良好な画像転写性を維持するために、塩化
ナトリウム等の無機塩を0.2〜4重量%添加され、そ
の体積抵抗値が20℃、65%RH環境下、24時間放
置で108 〜1010Ω・cmに調整されていることが好
ましい。
【0019】12は接着層であって、後で塗工される転
写層14が電子写真装置内で容易に剥れることを防止す
るために設けられている。用いられる素材としては、水
性アクリルエマルジョン、水溶性アクリル、水溶性ポリ
エステル、6.6ナイロン、ポリアクリロニトリルある
いは有機溶剤に可溶なアクリル樹脂等が挙げられる。
【0020】また、転写層14と接着層12の相互の材
料選択はその接着力によっても影響され、少なくとも電
子写真装置における搬送力によって剥がれることがない
よう接着強度として90°剥離で1.5g/cm以上で
あることが好ましく、後述する転写層14と離型層13
からなる再転写フィルム層を基材から剥ぎ取る際にフィ
ルムの破れを生じないように4g/cm以下が好まし
い。この条件を達成するためには、次に述べる転写層1
4に少量の有機シリコーンを含有させることが好まし
い。
【0021】次に、転写層14について述べると、この
層は、電子写真装置によってトナー像を受け取り、少な
くとも加熱によって再転写工程に入るまでの間トナー像
を保持し、かつ、再転写時には、十分なトナー剥離性能
を有することが求められている。また、従来技術に比べ
十分な耐水性を有することも要求されている。すなわ
ち、再転写時の溶剤浸透性を確保しつつ、耐水性が優れ
ていることが必要である。具体的には、ポリ酢酸ビニル
を95%以上鹸化したポリビニルアルコールに、ポリ酢
酸ビニルを90%以下鹸化したポリビニルアルコールを
混合して転写層を形成する。混合率は固型分比率とし
て、95%以上の高鹸化度ポリビニルアルコールの含有
率が10重量%以上であることが好ましく、より好まし
くは25重量%以上である。10重量%未満では、90
%以下の低鹸化度ポリビニルアルコールの特性である水
溶性特性が強く現れることとなり、高温環境下で表層の
溶け出しが発生し、電子写真装置内の部材を汚染する可
能性がある。更に、高鹸化度ポリビニルアルコールが7
5重量%以上では、膜自体を形成する直鎖高分子の配列
がセルロース膜のように規則性が高くなるため、空気中
の水分量の変化に対する膜の収縮が大きくなる可能性が
ある。すなわち、高鹸化度ポリビニルアルコールは固型
分比率として25重量%以上75重量%未満がより好ま
しい。また、この転写層14には必要に応じて電子写真
転写性の向上のためカチオン系あるいはノニオン系の帯
電防止剤を加えることも可能である。帯電防止剤量とし
ては、目標表面固有抵抗値として108 〜1012/□に
なるように調整すればよい。更に、通紙搬送性の確保の
ためシリカ粉末等の無機白色顔料を混合してもよい。ま
た、前述した剥ぎ取り物性を満足させるために、0.5
〜7重量%の有機シリコーンを混合することが好まし
い、0.5重量%未満では接着力が強く前述の破れを生
じ、7重量%を越えるとトナーの一次定着性が低下す
る。
【0022】各層の膜厚について、接着層12は膜の分
裂剥離が発生しないよう薄層であることが好ましく、2
μm以上10μm以下が好ましい。2μm未満ではムラ
を生じ易く、10μmを越えると層内剥離を生じ易い。
【0023】次に、裏打ち層13について述べると、こ
の層は、転写層14が放置された環境によって収縮し、
多少のカールを生じることをより低減するために設けら
れており、前述した接着層に用いた有機溶剤可溶性の樹
脂が用いられる。樹脂としては、熱硬化性、熱可塑性い
ずれの樹脂をも用いることが可能であって、例えばアク
リル樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル
系樹脂等を用いることができる。塗工膜厚としては1〜
20μmが好ましい。1μm未満では十分な剛度を持た
せられず、20μmを越えると剛度が付与され過ぎ、電
子写真装置内における搬送性が低下することとなる。よ
り安定な剛度を得る膜厚は2〜20μmである。
【0024】転写層14の膜厚は8μm以上が好まし
い。これより薄くなると基材からの剥離時にフィルムの
破れを生じる等の強度不足が発生し易い。また、50μ
m以下が好ましい。これより厚くなると剥離後のフィル
ムが硬くなり、再転写時において曲面追従性が低下し易
い。より好ましい膜厚としては10μm以上40μm以
下である。
【0025】次に、本発明の写し絵転写材に適応可能な
電子写真用トナーについて詳述する。基本的に、スチレ
ン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、エポキシ、ポリエステル等の樹脂を主体とするバイ
ンダー樹脂にカーボンブラックの他、イエロー、シア
ン、マゼンタ等の染顔料を含む電子写真用トナーが使用
可能である。その中でも特に、以下に示すカラートナー
は、本発明の写し絵転写材の効果をより引き出すことが
可能なものである。
【0026】このカラー電子写真装置用のトナー粉は、
熱を印加した際の溶融性及び混色性が良いことが必要
で、軟化点が低く、かつ、溶融時間の短いシャープメル
ト性のトナーが好ましい。
【0027】シャープメルトなトナーを使用することに
より、複写物の色再現範囲を広め、原稿の多色カラー像
に忠実なカラーコピーを良好に得ることができる。
【0028】このようなシャープメルトなトナーは、例
えばポリエステル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂の
ようなバインダー樹脂、着色剤(染料、昇華性染料)、
荷電制御剤等を溶融混練、粉砕、分級してトナーを製造
する。必要とあれば、トナーに各種外添剤を添加する外
添工程を付加してもよい。
【0029】カラートナーは定着性及びシャープメルト
性を考慮すると、バインダー樹脂としてポリエステル樹
脂を使用したものが好ましい。シャープメルト性ポリエ
ステル樹脂はジオール化合物とジカルボン酸とから合成
される分子の主鎖にエステル結合を有する高分子化合物
である。特に、次式
【0030】
【化1】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,
yは各々1以上の正の整数であり、かつx+yの平均値
は2〜10である。)で代表されるビスフェノール誘導
体もしくはその置換体をジオール成分とし、2価以上の
カルボン酸またはその酸無水物またはその低級アルキル
エステルとからなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)とを少なくと
も共縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性
を有するのでより好ましい。
【0031】シャープメルト性ポリエステル樹脂の軟化
点は60〜120℃が好ましい。このシャープメルト性
のポリエステル樹脂をバインダー樹脂として含有するト
ナーの軟化点特性を図2に示す。
【0032】フローテスターCFT−500形(島津製
作所製)を使用し、ダイ(ノズル)の直径0.5mm、
厚み1.0mmとして50kgの押出荷重を加え初期設
定温度80℃で、予熱時間300秒の後、5℃/分の速
度で等速昇温した時描かれるトナーのプランジャー降下
量−温度曲線(以後軟化S字曲線という)を求める。試
料となるトナーは1〜3g精秤した微粉末を用い、プラ
ンジャー断面積は10cm2 とする。軟化S字曲線は図
2のようなカーブとなる。等速昇温するに従い、トナー
は徐々に加熱され流出が開始される(プランジャー降下
A→B)。更に昇温すると溶融状態となったトナーは大
きく流出し(B→C→D)プランジャー降下が停止し終
了する(D→E)。
【0033】S字曲線の高さHは全流出量を示し、H/
2のC点に対応する温度T0 はそのトナーの軟化点を示
す。
【0034】このようなシャープメルト性のトナーまた
は樹脂とは、溶融粘度が105 を示す時の温度をT1
5×104 cpを示す時の温度をT2 としたとき、 T1 =90〜150℃|ΔT|=|T1 −T2 |=5〜
30℃ の条件を満たす樹脂のことをいう。
【0035】これらの温度−溶融粘度特性を有するシャ
ープメルト性のトナーまたは樹脂は加熱されることによ
り極めてシャープに粘度低下を起こすことが特徴であ
る。このような粘度低下が最上部トナー層と最下部トナ
ー層との適度な混合を生じせしめ、更にトナー層自体の
透明性を急激に増加させ、良好な減色混合を起こすもの
である。
【0036】次に、本発明の具体例について記す。具体
例中、部は重量部を示す。
【0037】[実施例1]坪量80g/m2 の上質紙の
両面を、デンプンと炭酸カルシウムからなる塗工液にて
目止め処理したいわゆるコート紙を原紙として用い、以
下の処方にて転写材Aを得た。
【0038】 <接着層及び裏打ち層> アクリル樹脂(カバーコートレジンLO−316、互応化学製) 100部 トルエン 100部 からなる塗工液をスクリーンコーターにて接着層が6g
/m2 (厚み6μm)、裏打ち層が4g/m2 (厚み4
μm)になるように形成した。
【0039】 <転写層> 低鹸化度ポリビニルアルコール(鹸化度88%、カセゾール05、 日華化学製)、固形分14% 50部 高鹸化度ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA110)、 固形分14% 50部 水 5部 帯電防止剤(カチオンAB、日本油脂製) 2.5部 シリコーン消泡剤(KM73、信越化学製) 4部 からなる塗工液を調製し、接着層上に厚み16μmにな
るように塗膜をスクリーンコーターにて形成した。
【0040】得られた転写材の転写層と接着層との接着
力は2g/cmであった。また、転写層の表面抵抗は1
11Ω/□であった。
【0041】上記転写材をキヤノン製CLC700(キ
ヤノン製カラー複写機)にてカラー画像の複写を行った
ところ、塗膜の剥れもなくかつ良好なカラー画像が得ら
れた。更に、この紙を23℃、5%という低湿環境下に
5分程度放置したところ、転写層を上にして転写材の端
部の持ち上がりが5mm程度発生した。この状態で上記
のカラー複写機にて複写を行ったところ、通紙性能に何
ら問題はなかった。
【0042】また、得られた転写材からトナー像を有す
る転写層を剥ぎ取り、用意されているコートボール紙に
トナー像が正対するように密着させ110℃に加熱、加
圧後、80%エチルアルコール水溶液を転写層裏面から
付与したところ、このPVAフィルムは溶けることなく
膨潤し、トナー像を自己分離して写し絵が完了した。
【0043】[比較例1]裏打ち層を省略する以外は実
施例1と同様の方法で転写材Bを得た。
【0044】この転写材Bを23℃、5%の環境に5分
放置したところ、転写層を上にして転写材の端部の持ち
上がりが20mm以上発生した。この状態で実施例1と
同様にCLC700にて通紙試験を行ったところ、カー
ル量が大き過ぎるため、本体内における転写ドラムへの
静電吸着ができずに紙詰まりが生じてしまった。
【0045】[実施例2]坪量104g/m2 の上質紙
の両面を、スチレンブタジエンラバー、デンプンとカオ
リン、炭酸カルシウムからなる塗工液にて目止め処理し
たいわゆるコート紙(坪量127g/m2 )を原紙とし
て用い、以下の処方にて転写材Cを得た。
【0046】 <接着層及び裏打ち層> アクリル樹脂(カバーコートレジンLO−316、互応化学製) 100部 トルエン 100部 からなる塗工液をスクリーンコーターにて接着層が4g
/m2 (厚み4μm)、裏打ち層が2g/m2 (厚み2
μm)になるように形成した。
【0047】 <転写層> 低鹸化度ポリビニルアルコール(鹸化度88%、カセゾール05、 日華化学製)、固形分14% 75部 高鹸化度ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA110)、 固形分14% 25部 水 5部 帯電防止剤(カチオンAB、日本油脂製) 2.5部 シリコーン消泡剤(KM73、信越化学製) 4部 からなる塗液を調製し、接着層上に厚み16μmになる
ように塗膜をスクリーンコーターにて形成した。
【0048】得られた転写材の転写層と接着層との接着
力は3g/cmであった。また、転写層の表面抵抗は1
11Ω/□であった。
【0049】上記の転写材をキヤノン製CLC700
(キヤノン製カラー複写機)にてカラー画像の複写を行
ったところ、塗膜の剥れもなくかつ良好なカラー画像が
得られた。更に、この紙を23℃、5%という低湿環境
下に5分程度放置したところ、転写層を上にして転写材
の端部の持ち上がりが3mm程度発生した。この状態で
上記のカラー複写機にて複写を行ったところ、通紙性能
に何ら問題はなかった。
【0050】また、得られた転写材からトナー像を有す
る転写層を剥ぎ取り、用意されているコートボール紙に
トナー像が正対するように密着させ110℃に加熱、加
圧後、80%エチルアルコール水溶液を転写層裏面から
付与したところ、このPVAフィルムは溶けることなく
膨潤し、トナー像を自己分離して写し絵が完了した。た
だし、多量のエチルアルコール水溶液が付与された部分
においては若干の転写層フィルムの溶けが生じた。
【0051】[比較例2]裏面裏打ち層を省略し、転写
層のPVAを全て低鹸化度品にする以外は実施例2と同
様の方法で転写材Dを得た。
【0052】この転写材Bを23℃、5%の環境に5分
放置したところ、転写層を上にして転写材の端部の持ち
上がりが15mm以上発生した。この状態で実施例1と
同様にCLC700にて通紙試験を行ったところ、カー
ル量が大き過ぎるため、複写機内における転写ドラムへ
の静電吸着ができずに紙詰まりが生じてしまった。
【0053】また、30℃、80%の環境にこの紙を放
置したところ、約1週間で表層PVAの軟化が始まっ
た。
【0054】[実施例3]裏打ち材料にエポキシレジン
を用い、裏打ち層の厚みを15μmとする以外は実施例
1と同様にして転写材Eを得た。
【0055】実施例1と同様にカラー複写機にて複写を
行ったところ、良好な通紙特性と画像性が得られた。た
だし、紙搬送において裏打ち層が厚いため紙の腰が強
く、機内にて紙送りのガイドに当り跳ねを生じるぎりぎ
りであった。
【0056】[比較例3]裏打ち層の膜厚を25μmと
する以外は実施例1と同様にして転写材Fを得た。
【0057】この場合、紙の腰が強過ぎるため、紙搬送
において曲線部がある場合に跳ねを生じて転写材上のト
ナーの飛び散りを生じてしまう。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の写し絵転写
材の基材である紙の両面に樹脂塗工を施し、この片面を
接着層としてこの上に転写層を形成する電子写真用写し
絵転写材によれば、低湿環境中における放置カールをよ
り低減することができるため、より安定した通紙特性を
有する電子写真用写し絵転写材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写し絵転写材の概略縦断面図である。
【図2】本発明の転写材に用いられるトナーの溶融特性
図である。
【符号の説明】
11 基材 12 接着層 13 裏打ち層 14 転写層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙を主体とする基材の表裏に高分子樹脂
    膜を形成してなる電子写真用写し絵転写材において、表
    面の高分子樹脂膜が接着層及び転写層の2層からなり、
    裏面の高分子樹脂膜が裏打ち層の1層からなることを特
    徴とする電子写真用写し絵転写材。
  2. 【請求項2】 高分子樹脂膜が接着層と転写層の界面で
    剥離可能である請求項1記載の電子写真用写し絵転写
    材。
  3. 【請求項3】 接着層と転写層の接着力が1.5g/c
    m以上4g/cm以下である請求項1記載の電子写真用
    写し絵転写材。
  4. 【請求項4】 接着層及び裏打ち層がアクリル、ポリエ
    ステル及びナイロンから選ばれた樹脂を含有する請求項
    1記載の電子写真用写し絵転写材。
  5. 【請求項5】 転写層がポリビニルアルコールを含有す
    る請求項1記載の電子写真用写し絵転写材。
  6. 【請求項6】 転写層が、ポリビニルアルコールに有機
    シリコーンを含有してなる請求項5記載の電子写真用写
    し絵転写材。
  7. 【請求項7】 転写層がポリ酢酸ビニルを95%以上鹸
    化したポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルを90
    %以下鹸化したポリビニルアルコールを含有し、鹸化度
    が95%以上のポリビニルアルコールの含有率が固型分
    として25重量%以上75重量%未満である請求項1記
    載の電子写真用写し絵転写材。
  8. 【請求項8】 転写層の表面固有抵抗が、20℃、65
    %RH環境下で10 8 〜1012Ω/□である請求項1記
    載の電子写真用写し絵転写材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1069580C (zh) * 1996-07-05 2001-08-15 东洋钢钣株式会社 复合树脂膜及复合树脂覆盖金属板

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