JPH0990034A - 風速測定用ドップラー測定装置 - Google Patents

風速測定用ドップラー測定装置

Info

Publication number
JPH0990034A
JPH0990034A JP7267929A JP26792995A JPH0990034A JP H0990034 A JPH0990034 A JP H0990034A JP 7267929 A JP7267929 A JP 7267929A JP 26792995 A JP26792995 A JP 26792995A JP H0990034 A JPH0990034 A JP H0990034A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wave
transmitter
wind speed
receiver
doppler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7267929A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Kojima
泰史 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaijo Corp
Original Assignee
Kaijo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaijo Corp filed Critical Kaijo Corp
Priority to JP7267929A priority Critical patent/JPH0990034A/ja
Publication of JPH0990034A publication Critical patent/JPH0990034A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A90/00Technologies having an indirect contribution to adaptation to climate change
    • Y02A90/10Information and communication technologies [ICT] supporting adaptation to climate change, e.g. for weather forecasting or climate simulation

Landscapes

  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 〔課題〕周辺に騒音の被害を及ぼすことなくまた、高さ
方向や水平方向の風速の揺らぎを正確に測定できる風速
測定用ドップラー測定装置を提供する。 〔解決手段〕音波又は電波をほぼ真上に送信しその反射
波を受信する第1の送受波器(T1)と、この第1の送受波
器(T1)を見込む方向を異ならせて配置され、この第1の
送受波器(T1)から送信された音波又は電波の反射波を受
信する第2, 第3の送受波器(T2,T3) とを備えている。
好適には、3個の送受波器(T1,T2,T3)はいずれもフエー
ズドアレイ式のビーム走査型の送受波器であり、各送受
波器の上記送受波に関する役割が交番されることによ
り、各送受波器の真上の三次元風速が計測される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気汚染の防止な
どを目的として上空の風向や風速を測定するのに利用さ
れるドップラー測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スモッグなどの大気汚染の発生を予測し
たり防止したりするには、まず、上空の風速・風向など
のデータが必要になる。このようなデータを収集するこ
となどを目的として、ドップラー測定装置が開発されて
いる。このドップラー測定装置は、音波や電波を上空に
向けて放射し、水蒸気や汚染物質の含有率の差に起因す
る大気の組成の揺らぎや、温度差などに起因する大気の
密度の揺らぎなど大気の不均一な箇所で発生する微弱な
反射波を受信し、この受信した反射波に含まれる周波数
のドップラーシフト量からこの反射波を生じさせた不均
一箇所の移動速度、すなわちその箇所の風速・風向を検
出するように構成されている。
【0003】音波を利用する最新式のドップラー測定装
置(ソーダー)として、フエーズドアレイ式のビーム走
査型の送受波器を使用してものが知られている。このフ
エーズドアレイ式の送受波器では多数の電気音響変換素
子(トランスデューサ)が二次元的に配列され、これら
の中から特定の方向に配列されている一群のものが選択
される。そして、選択された一群の素子に対してその配
列方向に一定量ずつ位相のずれた信号が順次供給され
る。各素子から放射されたビームは、それぞれの位相が
揃う等位相面と直交する方向、すなわち、真上(天頂方
向)から任意の角度だけ傾いた方向に放射される。この
フエーズドアレイ式の送受波器を使用するドップラーソ
ーダーでは、通常、天頂方向と、天頂方向から傾いた水
平面内の直交二方向(各正負方向計四方向)にビームを
放射する5ビーム法が採用される。
【0004】図3に示すように、送受波器の位置を原点
Oとし、鉛直線Zと水平面XーYとから成る直交座標
(X,Y,Z)を想定する。高度Hにおける上下方向の
風速(風速のZ軸成分)Vz(H)を計測するために、
周波数foの音波が真上に放射される。この放射された
音波の一部は高さHの上空において散乱に近いような状
態で多くの方向に反射され、これらの反射波のうち真下
に向けて反射された音波が送受波器で受信される。
【0005】この受信された反射波の周波数foからの
シフト量δfzが検出され、この検出値から高度Hにお
ける風速のZ成分が次式に従って算定される。 Vz(H)=(c/2)(δfz/fo) ・・・(1) なお、cは音波の空気中の伝播速度である。また、反射
波は強弱の違いはあっても全ての高度で発生する。この
ため、着目する高度の反射波の選択は、その高度の位置
との間を音波が往復するのにかかる伝播所要時間を算定
し、送信からその伝播所要時間が経過した時点の受信波
を抽出する(その高度に対応する時間軸上の1点を切り
取る)ことによって行われる。
【0006】高度Hにおける風速のX成分Vx(H)を
計測するために、周波数foの音波がX軸方向にZ軸か
らαxだけ傾けて放射される。この放射された音波の一
部は高さHの上空において種々の方向に反射され、これ
らの反射波のうち原点Oに向けて伝播してきた音波が送
受波器で受信され、時間軸上で抽出される。この受信さ
れた反射波の周波数foからのシフト量δfxが検出さ
れ、この検出値から高度Hにおける風速のX成分が次式
に従って算定される。 Vx(H) =−(c/2 sinαx )(δfx/fo)+Vz(H)cotαx ・・・(2) 風速のY成分についてもX軸の場合と同様にして算定さ
れる。 Vy(H) =−(c/2 sinαy )(δfy/fo)+Vz(H)cotαy ・・・(3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記フエーズドアレイ
式のドップラーソーダーでは、風速の水平成分を計測す
るために音波を斜め上方に放射している。この結果、送
受波器の設置地点を中心とする周辺の広い範囲にわたっ
て空中で生じた反射波が地上に到達することになり、周
辺住民に騒音被害を及ぼすおそれがある。
【0008】上記騒音の問題を解決する上で、放射する
音波の周波数を人間の耳には聴き取れない超音波の周波
数域にまで高めるという対策も原理的には考えられる。
しかしながら、周波数の増加と共に音波の伝播損失が増
大するため、この対策は感度の確保という点で現実的で
はない。また、図3の例では、αxやαy を小さな値に
設定することによって、真上に放射する状態に近付ける
という対策も考えられる。しかしながら、(2) 式と(3)
式を参照すれば、αxやαy の減少と共に一定の風速に
ついのδfx/fo やδfy/fo が小さくなり、測定精度が低
下するという問題がある。電波を使用する場合も同様
に、電波あ斜め上方に送信することに伴って上空で反射
された不要な電波を周辺に拡散させることになる。
【0009】更に、上記従来のフエーズドアレイ式のド
ップラーソーダーでは、測定精度上の問題もある。すな
わち、図3の例では、風速のZ成分は原点の真上のもの
を計測しているが、風速のX成分やY成分については原
点からX方向にHtan αxだけ離れた地点や、Y方向に
Htan αyだけはなれた地点の真上の風速を測定してい
ることになる。従って、空中のある一点の三次元的な風
速を計測するのではなく、風速の各成分を一定高度の平
面内に分散した複数地点で測定していることになる。従
って、特に、風速の高度方向の変化や、水平面内の変化
を計測しようという場合、この従来方法に限界がある。
従って、本発明の目的は、周辺に及ぼす影響を最少限に
留めると共に、高い測定精度の測定が可能な風速測定用
ドップラー測定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の風速測定用ドッ
プラー測定装置は、ほぼ真上に音波又は電波を送信しそ
の反射波を受信する第1の送受波器と、上記第1の送受
波器を見込む方向がほぼ直交するように配置されると共
にこの第1の送受波器から送信された音波又は電波の反
射波を受信する第2,第3の送受波器とを備え、第1の
送受波器の上空の三次元風速が計測可能であるように構
成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態によれば、各
送受波器はフェーズドアレイ式のビーム走査型の送受波
器であり、これら各送受波器の送受波に関する役割が交
番されることにより、3箇所の地点の上空の三次元的な
風速が計測される。
【0012】
【実施例】図1は、本発明の風速測定用ドップラーソー
ダーを構成する音波の送受波器とコントローラの配列の
一例を示す概念図であり、(A)は平面図、(B)は立
面図である。水平面をXーY面とし鉛直線をZ軸とする
直交三次元座標(X,Y,Z)を想定し、その原点に第
1の送受波器T1を配置する。この第1の送受波器T1
から距離Rだけ離れたX軸上に第2の送受波器T2が配
置される。更に、第1の送受波器T1から距離Rだけ離
れたY軸上に第3の送受波器T3が配置される。各送受
波器T1〜T3は、ケーブルC1〜C3を介してコント
ローラCNTに接続されている。
【0013】3個の送受波器T1〜T3は、全てフエー
ズドアレイ式のビーム走査型の送受波器から構成されて
いる。まず、第1の送受波器T1上の高度Haの位置の
三次元風速の測定が行われる。この測定に際し、第2の
送受波器T2については、図1(B)の立面図に示すよ
うに、受信ビームが第1の送受波器T1の真上の高度H
aの位置を向くように、その角度が天頂方向からθaだ
け傾いた−X軸の方向に設定される。 θa=tan ー1(R/Ha) ・・・(4) 同様に、第3の送受波器T3についても、まず、受信ビ
ームが第1の送受波器T1の真上の高度Haの位置を向
くように、その角度が天頂方向からθaだけ傾いた−Y
軸の方向に向くように設定される。
【0014】上記第2,第3の送受波器T2,T3の受
信ビーム角度の設定が終了すると、第1の送受波器T1
からその真上に向けて周波数foの信号が送信される。
送受波器T1の真上の高度Haで生じた反射波のうち送
受波器T2に向けて伝播する成分がこの送受波器T2で
受信され、受信信号はケーブルC2を経てコントローラ
CNTに転送される。同様に、送受波器T1の真上の高
度Haで生じた反射波のうち送受波器T3に向けて伝播
する成分が送受波器T3で受信され、受信信号はケーブ
ルC3を経てコントローラCNTに転送される。
【0015】コントローラCNTでは、送受波器T1か
ら放射され高度Haで反射されて送受波器T2,T3に
入射する音波の伝播所要時間τaが予め算定されてい
る。このτaは、音波の伝播経路長をその伝播速度cで
除算することにより、次のように与えられる。 τa=〔Ha+(Ha2 +R2 1/2 〕/c ・・・(5) コントローラCNTでは、送受波器T1から音波が放射
されてから伝播所要時間τa経過後の送受波器T2,T
3の受信信号が抽出され、これらの信号の周波数のシフ
ト量δfxa,δfyaが検出される。
【0016】第1の送受波器T1では、その真上の高度
Haで生じた反射波のうち真下に伝播してきたものが受
信され、ケーブルC1を介してコントローラCNTに転
送される。コントローラCNTは、送受波器T1から音
波が放射されてから伝播所要時間2Ha/c経過後の送
受波器T1の受信信号が抽出され、この信号の周波数の
シフト量δfzaが検出される。コントローラCNTで
は、上述のようにして検出された周波数のシフト量δfx
a ,δfya ,δfza と周波数fo とが式(1),(2),(3) に
代入され、高度Haにおける三次元風速がVxa,Vya,
Vzaが算定される。
【0017】このようにして高度Haについての三次元
風速の測定が終了すると、次は、高度Hbについての三
次元風速の測定が開始される。この測定は、(4)式と
(5)式中の高度Haを次の測定対象の高度Hbで置き
換えながら上記高度Haについて行った測定を反復する
ことによって行われる。このようにして高度Hbについ
ての三次元風速の測定が終了すると、次は、高度Hcに
ついての三次元風速の測定が開始される。この測定は、
(4)式と(5)式中の高度Haを次の測定対象の高度
Hcで置き換えながら上記高度Haについて行った測定
を反復することによって行われる。
【0018】上述のようにして、第1の送受波器T1の
上空の高度Ha,Hb,Hcのそれぞれにおける三次元
風速の測定が終了すると、続いて、第2の送受波器T2
の上空の高度Ha,Hb,Hcのそれぞれにおける三次
元風速の測定が開始される。この測定を行うために、第
1の送受波器T1の動作モードと、第2の送受波器T2
の動作モードとの置換が行われる。
【0019】すなわち、第2の送受波器T2はその真上
に順次音波を放射してゆきながら、Ha,Hb,Hcの
各高度の空中から真下に伝播してきた反射波を順次受信
してゆく。また、第1の送受波器T1は、第2の送受波
器T2の真上のHa,Hb,Hcの各高度の空中を向く
ように順次受信ビームの角度を変更してゆきながらH
a,Hb,Hc各高度の空中で生じた反射波を受信して
ゆく。第3の送受波器T3に関しては、基本的な動作は
上記の場合と同一であるが、受信ビームの方向が第1の
送受波器T1ではなく第2の送受波器T2の真上の高度
Ha,Hb,Hcの空中を向くように変更される。
【0020】この場合、送受波器T3からみた送受波器
T2までの距離はRではなく21/2Rに変更されるの
で、(4)式,(5)式中のRを21/2 Rに変更しなが
ら角度θa〜θcと、伝播所要時間τa〜τcが算定さ
れる。送受波器T2を通して検出された反射波の周波数
のシフト量から三次元風速のZ成分が検出される。ま
た、送受波器T1を通して検出された周波数のシフト量
から三次元風速のX成分とZ成分の合成量Vxzが検出
される。
【0021】更に、送受波器T3を通して検出された周
波数のシフト量から三次元風速のY成分とX成分とZ成
分との合成量Vxyz が検出される。第2の送受波器T2
を通して検出された三次元風速のZ成分Vz が第1の送
受波器T1を通して検出された合成量Vxzに代入され、
三次元風速のX成分Vxが算定される。このZ成分Vz
とX成分Vxが第3の送受波器T3を通して検出された
合成量Vxyz に代入され三次元風速のY成分Vy が算定
される。
【0022】上述のようにして、第2の送受波器T2の
上空の高度Ha,Hb,Hcのそれぞれにおける三次元
風速の測定が終了すると、続いて、第3の送受波器T3
の上空の高度Ha,Hb,Hcのそれぞれにおける三次
元風速の測定が開始される。この測定を行うために、第
2の送受波器T2の動作モードと、第3の送受波器T3
の動作モードとの置換が行われる。
【0023】すなわち、第3の送受波器T3はその真上
に順次音波を放射してゆきながら、Ha,Hb,Hcの
各高度の空中から真下に伝播してきた反射波を順次受信
してゆく。また、第2の送受波器T2は、第3の送受波
器T3の真上のHa,Hb,Hcの各高度の空中を向く
ように順次受信ビームの角度を変更してゆきながらH
a,Hb,Hc各高度の空中で生じた反射波を受信して
ゆく。第1の送受波器T1に関しては、基本的な動作は
上記第2の送受波器T2の真上の各高度についての風速
の測定の場合と同一であるが、受信ビームの方向が第2
の送受波器T2ではなく第3の送受波器T3の真上の高
度Ha,Hb,Hcの空中を向くように変更される。
【0024】送受波器T3,T1,T2のそれぞれを通
して検出された反射波の周波数のシフト量から三次元風
速のZ成分、Y成分とZ成分の合成量Vyz、Y成分とX
成分とZ成分との合成量Vxyz が検出される。第3の送
受波器T3を通して検出された三次元風速のZ成分Vz
が第1の送受波器T1を通して検出された合成量Vxzに
代入され、三次元風速のX成分Vxが算定される。この
Z成分VzとX成分Vxが第2の送受波器T2を通して
検出された合成量Vxyz に代入され三次元風速のY成分
Vy が算定される。
【0025】上述したような順序で、送受波器T1、T
2、T3のそれぞれの上空の高度Ha,Hb,Hcのそ
れぞれにおける三次元風速の測定が終了する。すなわ
ち、水平面上に離間して設置かれた各送受波器の上空の
高度方向への三次元風速の分布と、各高度における二次
元平面内の分布とが計測される。送受波器T1〜T3の
それぞれから放射される音波は全て真上に向けられるの
で、これらが斜め上空に放射される場合に比べて地上へ
の反射波の到達範囲は大幅に狭められ、騒音被害が発生
し難くなる。
【0026】図2は、図1のコントローラCNTの構成
の一例を、送受波器T1〜T3との関連と共に示すブロ
ック図である。コントローラCNTは、共通制御部10
と、各送受波器T1〜T3に対応してそれぞれと共通制
御部10との間に設置される送受信部20,30,40
とを備えている。
【0027】共通制御部10は、CPU11、メモリ1
2、ディジタル入出力部13、アナログ入出力部14、
A/D変換部15、キー入力部16、表示部17、デー
タ格納部18及び外部出力部19を備えている。送受信
部20は、制御部21、電力増幅器22、送受切替・ビ
ーム合成部23、前置増幅器24、周波数変換器25、
帯域通過濾波器26、TVG増幅器27及び信号検出部
28を備えている。
【0028】三次元風速の測定の開始に先立って、この
ドップラーソーダーの操作者は、送受波器T1〜T3の
配置に関するデータと、測定対象の高度の指定を、共通
制御部10内のキー入力部16を介してCPU11に入
力する。CPU11は、この配置のデータと高度の指定
とを受け取ると、送受波器T1〜T3のそれぞれについ
て、受信ビームの水平面内の方向と(4)式に基づく天
頂方向からの角度(傾斜角度)θとを算定し、更に
(5)式に基づき受信対象の反射波の伝播所要時間τを
算定する。これらの算定値は、ディジタル入出力部13
と信号線とを介して送受信部20,30,40のうちの
対応のものの制御部21に転送される。各送受信部の制
御部21は、上記CPU11から受けた算定値に基づ
き、音波の送受信のたびに、送受切替・ビーム合成部2
3に指令を発して、新たな受信ビームの角度を設定させ
る。
【0029】音波の放射側に設定された送受信部では、
共通制御部10内のCPU11から送信指令を受けた制
御部21から周波数foのバースト状の送信信号が出力
される。この送信信号は、電力増幅器22で増幅され
て、送信側に切替え済みの送受切替・ビーム合成部23
とケーブルC1とを経て送受波器T1に送信され、ここ
から真上に放射される。上空で反射されて真下に伝播
し、送受波器T1に受信された信号は、ケーブルC1と
受信側に切替え済みの送受切替・ビーム合成部23と前
置増幅器24とを経て周波数変換器25の一方の入力端
子に供給される。
【0030】周波数変換器25の他方の入力端子には、
制御部21から出力される一定周波数の基準信号が供給
されている。この周波数変換器25は、送信信号の周波
数を変更した場合にはこれに合わせて基準信号の周波数
を変更することによりドップラーシフト量を含む周波数
変換された信号の周波数を一定値に保つためと、基準信
号に所望の位相差を与えることによって受信信号に対し
てフエーズドアレイの構成を実現するために設置されて
いる。
【0031】この周波数変換された信号は、帯域通過濾
波器26を経て時間と共に利得が増大されるTVG( T
ime Variable Gain)増幅器27に供給される。信号検出
回路28は、信号の送信から反射波の伝播所要時間τ経
過後にTVG増幅器27から出力される周波数変換され
た信号を抽出してこれを共通制御部10内のアナログ入
出力部14に転送する。全く同様にして、送受信部30
と送受信部40において受信反射波から抽出された所定
の時点(高度)の周波数変換された信号も信号線を介し
て共通制御部10内のアナログ入出力部14に転送され
る。
【0032】送受信部20、30、40のそれぞれから
共通制御部10に転送された受信信号は、A/D変換器
15でディジタル受信信号に変換され、CPU11に転
送される。CPU11は、各送受信部から受け取ったデ
ィジタル受信信号に高速フーリエ変換(FFT)などの
処理を施すことにより、高精度でドップラーシフト量を
検出する。更に、CPU11は、検出したドップラーシ
フト量を(1)式〜(3)式に代入するとにより、各送
受波器の真上の各高度における三次元風速を算定する。
この算定済みの三次元風速は、液晶表示パネルなどで構
成される表示部17に表示されたり、データ格納部18
に格納されたり、外部出力部19を介して外部装置に転
送される。
【0033】以上、三次元風速のX成分やY成分の分離
を容易にするために、第1の送受波器T1と、第2,第
3の送受波器T2、T3のそれぞれとを結ぶ2本の線分
のなす角度が直角になるように3個の送受波器を配置す
る構成を説明した。しかしながら、設置する土地の形状
や地形などの制限などから、そのような配置ができない
場合には、3個の送受波器を一直線上に配置する場合を
除き、他の適宜な配置を採用できる。
【0034】また、地形などの関係から3個の送受信器
を水平面内に設置できない場合があり、このような場
合、各送受信器をそれぞれに適宜な段差を持たせて配置
することができる。
【0035】更に、3個の送受波器を設置する構成を例
示したが、更に1個の送受波器を追加して矩形の四隅に
4個の送受波器を配置する構成としてもよい。この場
合、各送受波器の上空で生じた反射波を、対角線上の1
個を除く最隣接の2個の送受波器に受信させることによ
り、各成分の分離のための処理の簡易化を図ることもで
きる。
【0036】また、各送受波器の真上の各高度について
風速を計測する構成を説明した。しかしながら、1個の
送受波器の真上の風速のみを測定する場合には、その送
受波器を真上にだけビームを放射する非走査型のもので
構成することができる。
【0037】また、風速を測定する場合について本発明
を説明した。しかしながら、測定精度の向上を目的とし
て水などの液体中の流速の測定に本発明を応用すること
もできる。
【0038】また、既知の周波数の音波を上空に送信し
てその反射波を受信し、ドップラーシフト量から風速を
測定するドップラーソーダーを例にとって本発明を説明
した。しかしながら、既知の周波数の電波を上空に送信
してその反射波を受信し、ドップラーシフト量から風速
を測定するドップラーレーダーについても本発明を適用
できることは明らかである。
【0039】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の風
速測定用ドップラーレーダーは、複数の送受波器のそれ
ぞれから放射される音波は全て真上に向けられるので、
これらが斜め上空に放射される場合に比べて地上への反
射波の到達範囲は大幅に狭められ、騒音被害が発生し難
くなるという効果が奏される。
【0040】また、複数の送受波器を使用することによ
りそれぞれの上空の任意の高度の三次元風速を実際に測
定する構成であるから、ある高さにおける風速の水平方
向への揺らぎを正確に測定できるという効果が奏され
る。特に、送受波器としてフエーズド・アレイ式の走査
型のものを用いることにより、極めて短時間で観測高度
を変更することができる。この結果、時々刻々変化する
三次元風速の高度方向と水平方向の揺らぎを極めて高い
精度と確度のもとで測定できる。
【0041】更に、従来のドップラーレーダーでは、斜
め上方に向かう反射前の経路とこれと全く逆方向に斜め
下方に向かう反射後の経路とから成る。これに対して、
本発明のドップラーレーダーでは、受信される反射波の
伝播経路が真上に向かう反射前の経路と斜め下方に向か
う反射後の経路とから成り、一定の高度に対して真上に
向かう伝播経路が斜め上方に向かう伝播経路よりも短く
なるぶん、伝播経路が短縮される。このため、本発明の
ドップラーレーダーでは従来のものに比べて、音波や電
波の減衰が少なく、感度と精度の向上が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風速測定用ドップラーソーダーを構成
する送受波器とコントローラの配列の一例を示す概念図
であり、(A)は平面図、(B)は立面図である。
【図2】図1の風速測定用ドップラーソーダーを構成す
るコントローラCNTの構成の一例を、送受波器T1〜
T3との関連と共に示すブロック図である。
【図3】従来のフエーズド・アレイ式の走査型ドップラ
ーソーダーの動作原理と問題点とを説明するための概念
図である。
【符号の説明】
T1,T2,T3 送受波器 CNT コントローラ C1,C2,C3 ケーブル 10 共通制御部 11 CPU 16 キー入力部 20,30,40 送受信部 21 制御部 22 電力増幅部 23 送受切替・ビーム合成

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気中に音波又は電波を送信し、その反射
    波を受信して周波数のドップラーシフト量から三次元の
    風速を測定する風速測定用ドップラー測定装置におい
    て、 音波又は電波をほぼ真上に送信しその反射波を受信する
    第1の送受波器と、 前記第1の送受波器を見込む方向を異ならせて配置さ
    れ、この第1の送受波器から送信された音波又は電波の
    反射波を受信する第2,第3の送受波器とを備えたこと
    を特徴とする風速測定用ドップラー測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記各送受波器はフェーズドアレイ式のビーム走査型の
    送受波器であり、これら各送受波器の前記送受波に関す
    る役割が交番されることを特徴とする風速測定用ドップ
    ラー測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 前記第1の送受波器を見込む方向をほぼ90o だけ異な
    らせたことを特徴とする風速測定用ドップラー測定装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3において、 前記三つの送受波器に対して更に一つ又は複数の送受波
    器が追加されたことを特徴とする風速測定用ドップラー
    測定装置。
  5. 【請求項5】気体又は液体中に音波若しくは電波を送信
    し、その反射波を受信して周波数のドップラーシフト量
    から気体又は液体の三次元の流速を測定する流速測定用
    ドップラー測定装置においてほぼ真上又は真下に音波若
    しくは電波を送信しその反射波を受信する第1の送受波
    器と、 この第1の送受波器を見込む方向を異ならせて配置され
    ると共に、この第1の送受波器から送信された音波又は
    電波の反射波を受信する第2,第3の送受波器とを備え
    たことを特徴とする流速測定用ドップラー測定装置。
JP7267929A 1995-09-21 1995-09-21 風速測定用ドップラー測定装置 Pending JPH0990034A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7267929A JPH0990034A (ja) 1995-09-21 1995-09-21 風速測定用ドップラー測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7267929A JPH0990034A (ja) 1995-09-21 1995-09-21 風速測定用ドップラー測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0990034A true JPH0990034A (ja) 1997-04-04

Family

ID=17451578

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7267929A Pending JPH0990034A (ja) 1995-09-21 1995-09-21 風速測定用ドップラー測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0990034A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000009857A (ja) * 1998-06-26 2000-01-14 Mitsubishi Electric Corp 気象レーダ装置
JP2001174554A (ja) * 1999-12-21 2001-06-29 Mitsubishi Electric Corp 風観測システム
US6456227B2 (en) 2000-07-14 2002-09-24 Kabushiki Kaisha Toshiba Weather radar
JP2016080488A (ja) * 2014-10-16 2016-05-16 国立大学法人東京工業大学 流速ベクトル分布計測装置、方法およびプログラム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000009857A (ja) * 1998-06-26 2000-01-14 Mitsubishi Electric Corp 気象レーダ装置
JP2001174554A (ja) * 1999-12-21 2001-06-29 Mitsubishi Electric Corp 風観測システム
US6456227B2 (en) 2000-07-14 2002-09-24 Kabushiki Kaisha Toshiba Weather radar
JP2016080488A (ja) * 2014-10-16 2016-05-16 国立大学法人東京工業大学 流速ベクトル分布計測装置、方法およびプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4286462A (en) Acoustic detection of wind speed and direction at various altitudes
US3967233A (en) Sonar system for classifying submerged objects
JPH063453B2 (ja) 風向・風速・気温の高度分布の測定方法及びその装置
JP2005500553A (ja) 低大気圧における空気の特徴の計測
JPH0221258B2 (ja)
US4351188A (en) Method and apparatus for remote measurement of wind direction and speed in the atmosphere
US5509304A (en) Phased array acoustic antenna system
JPS61185259A (ja) 超音波エコーグラフイによる物体の検差装置
JPH0990034A (ja) 風速測定用ドップラー測定装置
JPH10197549A (ja) フエーズドアレイ型ドップラー風速計による風速測定方法
JP5698942B2 (ja) フェーズドアレイ型ドップラーソーダーシステム
JPH07167951A (ja) レーダ装置
JP3180958B2 (ja) 超音波診断装置
JP2779563B2 (ja) ドップラー音波レーダの送受信装置
JPS5836752B2 (ja) 音波探査方法
JPH08201501A (ja) 電波源位置標定装置
JP3732890B2 (ja) フエーズドアレイ型ドップラー風速計
JP2787144B2 (ja) 水中位置計測装置
JPS6128301B2 (ja)
JP3508631B2 (ja) ドップラ観測装置
JP3282777B2 (ja) フエイズドアレイ・ドップラーソーダー
RU1178209C (ru) Способ радиоакустического зондировани атмосферы
JPH07253469A (ja) 魚の周波数特性測定装置
JPS597260A (ja) 超音波探傷方法および装置
JPH0440649Y2 (ja)