JPH0988253A - 建築物被覆材および該建築物被覆材を使用した高耐候性露出防水工法 - Google Patents

建築物被覆材および該建築物被覆材を使用した高耐候性露出防水工法

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JPH0988253A
JPH0988253A JP26909995A JP26909995A JPH0988253A JP H0988253 A JPH0988253 A JP H0988253A JP 26909995 A JP26909995 A JP 26909995A JP 26909995 A JP26909995 A JP 26909995A JP H0988253 A JPH0988253 A JP H0988253A
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polyolefin
building
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JP26909995A
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Inventor
Tsuneo Tajima
常雄 田島
Takayoshi Imai
隆良 今井
Katsuyoshi Maari
勝義 真有
Yuji Nakazawa
裕二 中沢
Masahiro Kamei
雅弘 亀井
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Tajima Roofing Inc
Original Assignee
Tajima Roofing Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防水下地に対する接着性、シート同志のジョ
イント部の良好な水密性が得られる高耐候性建築物被覆
材および該建築物被覆材を使用した高耐候性露出防水工
法の提供。 【解決手段】 ポリオレフィン系合成ゴムおよび/また
はポリオレフィン系合成樹脂からなるシート状もしくは
板状の支持体(以下、防水支持体ともいう)の上面にポ
リオレフィン系合成樹脂フィルムが積層された積層体の
上面に、さらに接着剤を介してフッ素系合成樹脂フィル
ムが積層されている建築物被覆材において、該被覆材の
裏面にポリオレフィン系合成樹脂発泡体層、該ポリオレ
フィン系合成樹脂発泡体層の下面に感圧接着剤層、更に
該感圧接着剤層の外側に剥離層が積層されていることを
特徴とする建築物被覆材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は建築物の屋根、壁、天井などの面
に防水、防湿、化粧などの目的で、貼着されるシート状
もしくは板状の建築物被覆材および該建築物被覆材を使
用した建築物の露出防水工法に関する。
【0002】
【従来技術】建築物の屋根、壁、天井などの面にシート
状又は、板状の被覆材を貼着して外部からの水や湿気の
侵入を防いだり、躯体の劣化を保護したり、化粧仕上げ
として美観を高めたりすることが行われている。このよ
うな被覆材としては種々の原材料を単独もしくは組合せ
て、成型して使用しているが、かかる原材料が具備すべ
き最も重要な特性の一つは耐候性のよいことである。特
に屋根表面や外壁に使用される材料は、その耐候性の良
否が製品の良否を決定するといえる。そうしたことから
建物の表面に施工される被覆材は耐候性の良い有機質材
料や無機質材料を主原料として成型されていたり、耐候
性があまり良くない材料で構成されたものでも、その最
外面を耐候性の良い材料で被覆されたりしている。しか
しながら、現在市販されている被覆材はその寿命が長い
ものでも10年程度で殆どのものが数年しか寿命がない
のが現状である。この程度の寿命では建物に期待される
寿命に比べてあまりにも短かすぎ、建物が取りこわされ
るまでに何回もその外面の改修工事をしなければならな
いのが実情である。かかる現状から耐候性の一層すぐれ
た建築物被覆材の開発が強く望まれているが、未だかか
る要望を満たす材料は出現していない。耐候性の良好な
高分子材料は数多く知られているが、中でもフッ素系合
成樹脂は耐候性に特に優れた材料であり、またその表面
が非常に汚れにくいという特長を有しているため、フッ
素系合成樹脂を建築物被覆材に利用することが以前から
強く望まれていた。従来、フッ素系合成樹脂を用いた建
築物被覆材としては、アスベスト紙や、通常ラグフェル
トと呼ばれている天然有機繊維を原料として抄造した特
殊な紙(ルーフィング原紙)にアスファルトを含浸させ
た、いわゆるアスファルトフェルト類或は合成ゴムラテ
ックスをバインダとして抄造したアスベスト紙などを支
持体とし、その片面に特殊な接着剤を用いてフッ素系合
成樹脂フィルムを接着させたものが知られている。しか
しこれらの被覆材は支持体となっているアスファルトフ
ェルト類やアスベスト紙の機械的強度や防水性が乏しい
ため、建築物被覆材として充分な性能が得られず現在で
は殆ど使用されていない。また、合成ゴムまたは合成樹
脂からなるシート状もしくは板体の支持体の上面にフッ
素系合成樹脂フィルムを加硫或いは接着剤によって積層
された建築物被覆材も本発明者等がすでに提案している
(実公昭61−6127号公報)。しかしながら、加硫
によりベースの支持体とフッ素系合成樹脂フィルムを接
着するためには加硫装置が必要であり、通常のシート成
型設備では実施できず、新らたに加硫装置を新設しなけ
ばならない。このような新しい設備投資は新製品の上市
のリスクを一層大きいものにするため新製品の上市をさ
またげる最大の問題点である。加えて加硫による接着は
生産スピードをあげることができず、生産性が低いとい
う問題点もあった。また、ゴム系の支持体とフッ素系樹
脂フィルムを直接接着剤を用いて接着する方法による場
合は、ゴム系の支持体とフッ素系樹脂との親和性が極め
て乏しく両者を接着できる耐候性のよい接着剤がなく、
またその接着力も充分満足のゆくものではなかった。一
方、これらフッ素系合成樹脂フィルムを使用した高耐候
性露出防水工法において、これまでの一連の工法では下
地に対する接着性、ラップ部の水密性に問題があった。
下地に対してはシート自身が積層体であるために、なじ
みがわるく、下地の凹凸に対しその周辺が浮くといった
問題があった。また、水密性に対してもなじみのわるさ
が影響して、良好なラップ部の水蜜性が得られなかっ
た。
【0003】
【目的】本発明の目的は、下地に対する接着性、シート
同志のジョイント部の良好な水密性が得られる高耐候性
建築物被覆材および該建築物被覆材を使用した高耐候性
露出防水工法を提供する点にある。
【0004】
【構成】本発明は、ポリオレフィン系合成ゴムおよび/
またはポリオレフィン系合成樹脂からなるシート状もし
くは板状の支持体(以下、防水支持体ともいう)の上面
にポリオレフィン系合成樹脂フィルムが積層された積層
体の上面に、さらに接着剤を介してフッ素系合成樹脂フ
ィルムが積層されている建築物被覆材において、該被覆
材の裏面にポリオレフィン系合成樹脂発泡体層、該ポリ
オレフィン系合成樹脂発泡体層の下面に感圧接着剤層、
更に該感圧接着剤層の外側に剥離層が積層されているこ
とを特徴とする建築物被覆材に関する。特に本発明の建
築物被覆材は、前記のように防水支持体の裏面に発泡体
層を設けているので、下地表面にある細かな凹凸になじ
み、下地に対する接着性、あるいはシート同志のラップ
部の水密性を高めさらには表面をより平滑にする効果を
生ずる。また、前記建築物被覆材において、防水支持体
とポリオレフィン系合成樹脂フィルムの層間および/ま
たは防水支持体とポリオレフィン系発泡体との層間に合
成繊維またはガラス繊維のネットまたはポリオレフィン
系合成樹脂フィルムのワリフ(以下、網状シートともい
う)を積層させたものが寸法安定性、機械的強度の増大
等の観点から好ましい。さらには、フッ素系合成樹脂フ
ィルムは熱に対する収縮が大きいので、製造工程中の温
度条件、あるいは用途に応じて、ポリエステル系合成樹
脂フィルムにて補強するのが好ましい。前記網状シート
補強材として、最終製品の寸法安定性や機械的強度の増
大をはかる目的で用いられ、例えば合成繊維、ガラス繊
維、天然繊維などの各種繊維材料による網状シート或は
高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム
等のワリフを用いることができる。これらの各種繊維お
よび繊維束の太さあるいは繊維の密度、即ち経、緯のイ
ンチ当りの本数などには特に限定はないが、フッ素系合
成樹脂フィルム/ポリオレフィン系合成樹脂フィルム/
網状シート/防水シート/ポリオレフィン系発泡体、ま
たはフッ素系合成樹脂フィルム/ポリオレフィン系合成
樹脂フィルム/網状シート/防水シート/網状シート/
ポリオレフィン系合成樹脂発泡体と接着一体化するため
には、網状シートのすき間を通してポリオレフィン系合
成樹脂フィルムおよび/またはポリオレフィン系合成樹
脂発泡体と防水シートと接触することが必要で、そのた
めの網状シートのすき間が少なくとも0.1mm以上、
好ましくは0.5mm以上は必要である。このようにす
ることにより、防水シート成型時の熱で相互に熱融着さ
れ、強固な一体成型物ができる。補強材の挿入位置とし
ては、特にポリオレフィン系合成樹脂フィルム層と支持
体層との層間および/または支持体層とポリオレフィン
系合成樹脂発泡体との層間であることが好ましい。この
位置に網状シートを挿入するから、ポリオレフィン系合
成樹脂フィルム或はポリオレフィン系合成樹脂発泡層へ
支持体層が成型時の熱により熱融着され、網状シートは
支持体と完全に一体化し、寸法安定性に貢献するもので
ある。これにより寸法安定性に欠けるゴム系支持体を使
用する場合には顕著な改善効果を上げることができた。
【0005】製造工程的見地から言えば、フッ素系合成
樹脂フィルム/接着剤層/ポリオレフィン系合成樹脂フ
ィルムあるいは、フッ素系合成樹脂フィルム/接着剤層
/ポリエステル系合成樹脂フィルム/接着剤層/ポリオ
レフィン系合成樹脂フィルムそして、支持体層の外面に
積層するポリオレフィン系合成樹脂発泡体/感圧接着剤
/剥離紙等の積層中間体を別工程で製造しておき、この
積層体をポリオレフィン系合成ゴムおよび/またはポリ
オレフィン系樹脂からなるシート状または板状の支持体
製造時に積層するのが好ましい。前記網状シートを挿入
するときは、積層中間体/網状シート/防水支持体/発
泡体積層中間体、あるいは積層中間体/網状シート/防
水支持体/網状シート/発泡体積層中間体となるよう
に、防水支持体を成型するときに順次重ねて積層するの
が好ましい。この工程による積層は、加硫接着や接着剤
による接着より生産スピードが著しく向上し、本発明の
層構成が可能となったのは大きなメリットである。この
ような製造法的見地からいっても、フッ素系合成樹脂フ
ィルム/接着剤/ポリオレフィン系合成樹脂フィルム/
ポリオレフィン系ゴムおよび/または合成樹脂製支持体
/ポリオレフィン系合成樹脂発泡体層/感圧接着剤/剥
離紙という積層構造を採用することは極めて有意義であ
る。
【0006】本発明において使用されるフッ素系合成樹
脂としては、フィルムもしくはシート状で利用できる任
意のフッ素系合成樹脂を使用することができる。そのよ
うなフッ素系合成樹脂としては、例えば、フッ化ビニル
樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合
体、四フッ化エチレン−エチレン共重合体などが好まし
く、特にフッ化ビニル樹脂フィルムが機械的強度が高
く、本発明において使用するのに、最も好ましい。これ
らのフッ素系合成樹脂フィルムは極端に接着性に乏しい
ので、使用に先立って、少なくとも片面、即ち下層の支
持体との接着面を活性化したものが好ましい。フッ素系
合成樹脂フィルムの表面を活性化する方法は例えば、米
国特許第3369959号明細書に記載されているよう
に、既に知られている。そのような方法としては、例え
ばガス状の三フッ化ホウ素10〜90%を含む混合ガス
中にフィルムを20〜75℃の温度で3〜30秒通過さ
せ、洗浄後乾燥したり、フィルムを濃硫酸、発煙硫酸又
は三酸化硫黄に2秒〜1分間程度浸漬又は接触させ洗浄
後乾燥したり、火炎処理したり、気体放電処理したりす
る方法などが知られている。このようにして、活性化さ
れたフッ素系合成樹脂フィルムは例えばデュポン社製か
ら「テドラー」として市販されている。フッ素系合成樹
脂フィルム自身は耐候性に非常に優れるが、紫外線透過
性であるので、その裏面に積層される支持体の紫外線劣
化を抑制するためにフッ素系合成樹脂は顔料を配合して
不透明にしたものが好ましい。フィルム(又はシート)
の厚さについては特に限定はなく、支持体の材質や最終
製品の使用個所により設定されるが、少なくとも5μ以
上好ましくは20〜50μ程度は必要である。
【0007】本発明において使用されるポリオレフィン
系合成樹脂フィルムはポリオレフィン系合成ゴムおよび
/またはポリオレフィン系合成樹脂をシート状もしくは
板状に成形時、あらかじめポリオレフィン系合成樹脂フ
ィルムを積層したフッ素系合成樹脂フィルムを接触さ
せ、圧着しポリオレフィン系フィルムの熱溶融によって
積層一体化するためのものである。このような材料とし
ては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、不飽和カルボン酸またはその誘導体をコモノマーと
して含有する変性ポリオレフィン系樹脂などが好適に使
用することができる。フィルムの厚みは特に限定はない
が10μ〜100μが好ましい。これらのポリオレフィ
ン系合成樹脂フィルムはあらかじめフッ素系合成樹脂フ
ィルムと積層される。積層に際しドライラミネート法の
場合は、ぬれをよくするためにコロナ放電処理を行うこ
とが好ましい。積層法としては、一般に行われている例
えば押出しラミネート法、或いはドライラミネート法に
より行うことができるが、押出ラミネート法によるアン
カーコート剤としてはポリエステル系ウレタン或はポリ
エーテル系ウレタンなどが好適に使用でき、ドライラミ
ネート法における接着剤もポリエステル系ウレタン或い
はポリエーテル系ウレタンが好適である。
【0008】本発明の建築物被覆材は、フッ素系合成樹
脂フィルムとポリオレフィン系合成樹脂フィルムの間に
フッ素系合成樹脂フィルムの熱収縮を防止するために耐
熱性のよいフィルムを補強材として挿入したものが用途
によって好ましい。例えば屋根材として使用する場合工
法によって80℃程度になる場合もあり、この温度にな
るとフッ素系合成樹脂の中でも、特にフッ化ビニル樹脂
フィルムは大きな収縮があり、その収縮をおさえるため
には網状シートより補強フィルムを挿入した方が効果的
である。補強フィルムとしてはポリエステルフィルム、
ナイロンフィルム、エチレン−PVA共重合フィルムな
どがあるが、耐吸湿性、コスト面からポリエステルフィ
ルムが好ましい。フィルムの厚みはシートの柔軟性、コ
ストから7〜100μ好ましくは7〜50μである。こ
れらのフィルムの積層方法或いは接着剤はフッ素系合成
樹脂フィルムとポリオレフィン系フィルムとの積層の場
合と同様である。
【0009】本発明において、支持体を構成するポリオ
レフィン系合成ゴム及び/またはポリオレフィン系合成
樹脂は表面材となるフッ素系合成樹脂フィルムを補強
し、かつ被覆材としての機能を長年月にわたって維持す
るために用いるもので、透水、透湿性が低く、耐熱性、
耐紫外線性、耐オゾン性、耐水性、耐薬品性などの物
理、化学的耐久性に富み、また建物の躯体の動きや、下
地材の動きなど機械的劣化要因に充分耐え得るものでな
ければならない。このような材料としては、EPM、E
PDM、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエ
チレン等のようなゴム系材料や、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのような
合成樹脂材料であって、耐候性に富む高分子材料を好適
に使用することができる。これらの高分子材料は単独又
は2種以上の任意の混合物で用いることができる。支持
体は、また単層であってもよく二層以上の被覆としても
よい。複数層の場合には各層の材質は同一であっても異
なってもよい。これらの高分子材料は一般的な方法に従
って必要に応じて、軟化剤、充填剤、補強剤、老化防止
剤などの添加剤を均一分散するように混練し、シート状
に成形すると同時に前記積層中間体のポリオレフィン系
合成樹脂フィルム側に接触させて圧着し、ポリオレフィ
ン系合成樹脂フィルムを高分子材料側の熱により熱溶融
して接着一体化さらに高分子材料の一方の側に積層中間
体の発泡体層の発泡体面を接触させ、圧着し、同様に熱
により熱溶融して接着一体化するものである。この支持
体の厚さについては特に限定はないが、最終製品の使用
目的からみて、少なくとも0.3mm以上、5mm以下
であることが好ましく、特に好ましい厚さは0.5〜3
mm程度である。
【0010】本発明に使用するポリオレフィン系合成樹
脂発泡体としてはポリエチレン系で熱により気泡がつぶ
れないように架橋することが好ましい。発泡は化学発泡
でも機械的発泡でもよく、独立気泡であることが好まし
い。発泡倍率は10〜40倍発泡、好ましくは15〜3
0倍である。厚みは0.5〜3.0mm、好ましくは
0.7〜2.0mmである。本発明に従って建築物被覆
材の支持体の裏面に形成したポリオレフィン系合成樹脂
発泡体の下面には感圧接着剤層を設け、その外側には任
意に剥離除去し得る剥離シートを設ける。感圧接着剤層
は本発明による建築物被覆材を施工対象面に貼着させる
に当り、その作業を簡便になし得ることを目的としたも
のであり、このような感圧接着剤としてはゴムアスファ
ルト系、合成ゴム系、プラスチック系などが用いられ
る。これらは用途によって使い分けられ、例えば感圧接
着剤によるよごれをきらったり、クリープ特性を必要と
する場合はアクリル系の使用が好ましい。塗工量におい
ても限定はないが、発泡体の厚み、感圧接着剤の種類に
よって決められる。剥離シートは工場における製造時、
貯蔵時、運搬時などにおける上記感圧接着剤層のベタ付
きを防ぐ作用をし、現場施工時に剥離して、本発明の建
築物被覆材を建築物の屋根、壁、天井など感圧接着剤層
により常温において、貼着させることができる。このよ
うな剥離シートとしては従来公知の任意の剥離シート、
例えば50〜120g/m2クラフト紙の片面に7〜3
0μの厚さのポリエチレンなどの合成樹脂フィルムをラ
ミネートし、このフィルム層の表面に剥離剤としてシリ
コーン樹脂などを塗布したものを使用することができ
る。巻物にする場合はクラフト紙をクレープにすること
もある。更に10〜100μ程度の厚さの合成樹脂フィ
ルムの表面にシリコーン樹脂などの剥離剤を塗布したも
のも使用することができる。前記各本発明の建築物の被
覆物である防水シ−トを使用して建築物の露出防水工法
を行うに際しては、前記防水シ−トを所定のラップ幅、
例えば5cm〜10cm程度の幅を持って防水処理を必
要とする建築物の下地面の全体に貼着し、さらにシート
同志のラップ部にマスキングテープを用いて被覆するこ
とで、より一層の水密性が確保される。前記マスキング
テープとしては、フッ素系合成樹脂フィルムがフッ化ビ
ニル樹脂でその下面に感圧接着剤層を、その外面に剥離
体を積層して構成される積層体をテープ状にカットした
マスキングテープが使用される。マスキングテープの巾
は30〜100mmである。マスキングテープに使用さ
れる感圧接着剤としてはゴムアスファルト系、合成ゴム
系、プラスチックス系などが用いられるがこゝではアク
リル系がクリープ特性の点から好ましい。さらにより一
層の水密性を確保したい場合には、該マスキングテープ
の感圧接着剤の下層中央部に帯状にシーリング材、例え
ばブチルゴムシーリング材を予め積層したものを使用す
ることにより目的が達成される。該マスキングテープの
中央部に設ける帯状シーリング材としては、ゴムアスフ
ァルト系、合成ゴム系などが用いられる。より一層の水
密性を確保するためには厚みが大変重要であり、0.1
〜2mm、好ましくは0.3〜1.0mmである。あま
り厚くなるとロール状に巻けなかったり、一方、施工後
の美観、即ち、その部分が凸状になり、外観上好ましく
ない。
【0011】
【実施例】以下に本発明の建築物被覆材及びその防水工
法の具体例を示す。
【0012】実施例1 図1を参照しながら、本実施例を説明する。ドライラミ
ネート法により38μのフッ化ビニル樹脂フィルム(デ
ュポン社製テドラー)1にポリエステル系ウレタン樹脂
接着剤2を5.08/m2(固型分)になるようコーテ
ィングし、100℃で2分間溶剤を揮散させた。この接
着剤面に50μの低密度ポリエチレンフィルム3を50
℃のニップロール間で積層した。なお、ポリエチレンの
接着面はコロナ放電処理、軟化点は86℃のものを用い
た。この積層物のポリエチレンの面に支持体4として、
下記配合物をバンバリーミキサーにて、約5分間混練
し、カレンダーロールにて1mm厚に成形したシートを
冷めないうちに接触圧着しポリエチレンを溶融し接着一
体化した。支持体4の表面温度は145℃であった。 塩素化ポリエチレン 85重量部 ポリエチレン 15重量部 炭酸カルシウム 100重量部 DOP 20重量部 エピコート828 5重量部 カーボンブラック 30重量部 ステアリン酸 0.5重量部 つぎに支持体4の下面にあらかじめ、1mm厚、化学発
泡、発泡倍率15倍、電子線架橋の低密度ポリエチレン
5の表面にコロナ放電処理を行い、この面にアクリル系
の感圧接着剤6を更にその下面に剥離シート7を積層し
ておいた積層体を接触させ圧着し接着一体化した。支持
体4の表面温度は135℃であった。この積層された建
築物被覆材をプライマー処理した建築物の下地部に剥離
紙を剥がしながらラップ部をとって貼着し、ラップ部に
マスキングテープを貼着した。該マスキングテープは、
38μのフッ化ビニル樹脂フィルム(デュポン社製テド
ラー)にアクリル系粘着剤を40g/m2(固型分)に
なるように塗布し、100℃にて2分間乾燥した。粘着
剤の外面に剥離紙をつけ50mm巾のテープにカットし
た。
【0013】実施例2 図2を参照しながら、本実施例を説明する。ドライラミ
ネート法により38μのフッ化ビニル樹脂フィルム(デ
ュポン社製テドラー)1にポリエステル系ウレタン樹脂
接着剤2を5.08/m2(固型分)になるようコーテ
ィングし、100℃で2分間溶剤を揮散させた。この接
着剤面に50μの低密度ポリエチレンフィルム3を70
℃のニップロール間で積層した。なお、ポリエチレンの
接着面はコロナ放電処理、軟化点は86℃のものを用い
た。この積層物のポリエチレンの面に、ガラス繊維束の
太さ600デニール、密度経10本/25mm、緯10
本/25mmの網状シート8にエチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂エマルジョンにて表面処理をしたものを、そし
て支持体4として、下記配合物をバンバリーミキサーに
て、約5分間混練し、カレンダーロールにて1mm厚に
成形したシートを圧着しポリエチレンを溶融し接着一体
化した。支持体4の表面温度は145℃であった。 塩素化ポリエチレン 85重量部 ポリエチレン 15重量部 炭酸カルシウム 100重量部 DOP 20重量部 エピコート828 5重量部 カーボンブラック 30重量部 ステアリン酸 0.5重量部 支持体4の下面には実施例1と同様にしてあらかじめ積
層しておいた発泡体〔1.5mm厚〕/感圧接着剤〔5
0g/m2(固型分)〕/剥離シートを熱圧着し、積層
一体化した。支持体4の表面温度は135℃であった。
この積層された建築物被覆材をクロロプレン系プライマ
ーにて処理した建築物の防水下地部に剥離紙を剥がしな
がらラップ部をとって貼着し、ラップ部にマスキングテ
ープを貼着した。該マスキングテープは実施例1で使用
したテープの粘着剤中央部に20mm巾、厚み0.5m
mの帯状のブチルゴム系のシーリング材を積層し、外面
に剥離紙を積層したものである。
【0014】実施例3 図3を参照しながら、本実施例を説明する。ドライラミ
ネート法により38μのフッ化ビニル樹脂フィルム1、
12μのポリエステルフィルム9、70μポリエチレン
フィルム3を順にポリエステル系ウレタン樹脂接着剤2
にて積層した。なお、ポリエステルフィルム9は両面
に、ポリエチレンフィルム3は接着剤と接触する面にの
みコロナ放電処理を行った。接着剤の量は各層ごと4.
5g/m2(固型分)、乾燥条件は温度100℃、時間
2分間とした。積層後40℃にて72時間養生を行っ
た。この積層物のポリエチレンの面にあらかじめエチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンにて処理した網
状シート8を、更に支持体4として下記配合物をバンバ
リーミキサーにて約5分間混練し、カレンダーロールに
て1.2mm厚に成形したシートを圧着し、シートの熱
でポリエチレンを溶融し、接着一体化した。支持体4の
表面温度は145℃であった。なお網状シート8は、ガ
ラス繊維束の太さ600デニール、密度経10本/25
mm、緯10本/25mmを使用した。 EPDM 85重量部 ポリエチレン 15重量部 炭酸カルシウム 75重量部 カーボンブラック 25重量部 プロセスオイル 50重量部 老化防止剤 3重量部 ステアリン酸 0.5重量部 支持体の下面には、実施例1と同様にしてあらかじめ積
層しておいた発泡体〔0.7mm厚〕/感圧接着剤〔6
0g/m2(固型分)〕/剥離シートを熱圧着し、積層
一体化した。支持体4の表面温度は140℃であった。
【0015】この積層された建築物被覆材を用いて、実
施例2と同様の施工を行った。なお、前記実施例1、2
および3において、支持体4と発泡体層5の間に網状シ
ートを挿入しても支持体4の熱によって、網状シートの
目の間で支持体と発泡体の熱融着が行われ積層一体化し
た。以上に詳述したように、本発明によると、それ自身
耐水性、耐透湿性に富み長期間にわたる紫外線、温度変
化、風雨等の物理化学的劣化要因や機械的劣化要因に耐
え、そして下地に対する接着性、シート同志のラップの
水密性を一段と向上した。
【0016】
【効果】本発明の層構成を採用することにより、(1)
下地に対する接着性、シート同志のラップ部の水密性が
一段と向上した、(2)下地表面にある細かな凹凸にな
じみ、表面をより平滑にする効果がある、などの効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の建築物被覆材の積層構造を示
す断面図である。
【図2】本発明実施例2の建築物被覆材の積層構造を示
す断面図である。
【図3】本発明実施例3の建築物被覆材の積層構造を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 フッ素系合成樹脂フィルム 2 接着剤層 3 ポリオレフィン系合成樹脂フィルム 4 ポリオレフィン系合成ゴムシートおよび/またはポ
リオレフィン系合成樹脂シート 5 ポリオレフィン系樹脂発泡体層 6 感圧接着剤 7 剥離シート 8 網状シート 9 ポリエステルフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中沢 裕二 東京都足立区小台1丁目3番1号 田島ル ーフィング株式会社内 (72)発明者 亀井 雅弘 東京都足立区小台1丁目3番1号 田島ル ーフィング株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系合成ゴムおよび/また
    はポリオレフィン系合成樹脂からなるシート状もしくは
    板状の支持体(以下、防水支持体ともいう)の上面にポ
    リオレフィン系合成樹脂フィルムが積層された積層体の
    上面に、さらに接着剤を介してフッ素系合成樹脂フィル
    ムが積層されている建築物被覆材において、該被覆材の
    裏面にポリオレフィン系合成樹脂発泡体層、該ポリオレ
    フィン系合成樹脂発泡体層の下面に感圧接着剤層、更に
    該感圧接着剤層の外側に剥離層が積層されていることを
    特徴とする建築物被覆材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建築物被覆材において、
    フッ素系合成樹脂フィルムとポリオレフィン系合成樹脂
    フィルムの層間にポリエステル系合成樹脂フィルムを積
    層したものである建築物被覆材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の建築物被覆材に
    おいて、該被覆材が、防水シート支持体とポリオレフィ
    ン系合成樹脂フィルム層間または防水シート支持体とポ
    リオレフィン系発泡体との層間に合成繊維またはガラス
    繊維のネットまたはポリオレフィン系合成樹脂のワリフ
    (以下、網状シートともいう)を単独で積層したもので
    ある建築物被覆材。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の建築物被覆
    材において、フッ素系合成樹脂がフッ化ビニル樹脂であ
    る建築物被覆材。
  5. 【請求項5】 請求項1の建築物被覆材、請求項2の建
    築物被覆材、請求項3の建築物被覆材および請求項4の
    建築物被覆材よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
    ものを防水兼仕上げ層として利用する露出防水工法にお
    いて、建築物の下地部(必要に応じてプライマー処理し
    たもの)に、前記建築物被覆材の剥離層を剥がしながら
    貼着することを特徴とする建築物の露出防水工法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の建築物の露出防水工法に
    おいて、剥離紙を剥がしながら、下地部に建築物被覆材
    をラップ部をとりながら貼着し、前記ラップ部に、フッ
    素系合成樹脂フィルムがフッ化ビニル樹脂であり、この
    下面に感圧接着剤層をその外面に剥離紙を積層して構成
    される積層体をテープ状にカットしたマスキングテープ
    を用いて被覆することを特徴とする建築物の露出防水工
    法。
  7. 【請求項7】 マスキングテープの感圧接着剤の下層中
    央部に帯状にシーリング材を予め積層して剥離紙を積層
    したマスキングテープを用いることを特徴とする請求項
    6記載の建築物の露出防水工法。
JP26909995A 1995-09-22 1995-09-22 建築物被覆材および該建築物被覆材を使用した高耐候性露出防水工法 Pending JPH0988253A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002363475A (ja) * 2001-06-07 2002-12-18 Takenaka Komuten Co Ltd 接着用プライマー組成物ならびに該組成物を使用した防水シートの接着方法および同シートの破損部補修方法
JP2006118311A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Suzuko Seisakusho:Kk 防水シート
JP2006169716A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Suzuko Seisakusho:Kk 防水シート

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