JPH0987395A - ポリビニルアルコールフイルムおよびその製造方法 - Google Patents
ポリビニルアルコールフイルムおよびその製造方法Info
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- JPH0987395A JPH0987395A JP27347695A JP27347695A JPH0987395A JP H0987395 A JPH0987395 A JP H0987395A JP 27347695 A JP27347695 A JP 27347695A JP 27347695 A JP27347695 A JP 27347695A JP H0987395 A JPH0987395 A JP H0987395A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 酸素透過度が大きくしかも透視性が良好なポ
リビニルアルコールフイルムと該フイルムを経済性よく
製造する方法を提供すること。 【解決手段】 ポリビニルアルコールからなり、80℃
の熱水に対する不溶部分が30〜90質量%の範囲にあ
り、30℃、80%相対湿度条件下で測定した酸素透過
係数が4.2×10-1〜5cm3・cm/m2・h・at
mの範囲にあることを特徴とするポリビニルアルコール
フイルム。および、ポリビニルアルコールの5〜40質
量%水溶液を10〜80℃の温度に保ち、電子線を照射
してポリビニルアルコールを架橋させ、乾燥して、フイ
ルムを形成させるポリビニルアルコールフイルムの製造
方法。
リビニルアルコールフイルムと該フイルムを経済性よく
製造する方法を提供すること。 【解決手段】 ポリビニルアルコールからなり、80℃
の熱水に対する不溶部分が30〜90質量%の範囲にあ
り、30℃、80%相対湿度条件下で測定した酸素透過
係数が4.2×10-1〜5cm3・cm/m2・h・at
mの範囲にあることを特徴とするポリビニルアルコール
フイルム。および、ポリビニルアルコールの5〜40質
量%水溶液を10〜80℃の温度に保ち、電子線を照射
してポリビニルアルコールを架橋させ、乾燥して、フイ
ルムを形成させるポリビニルアルコールフイルムの製造
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素透過度が大き
いポリビニルアルコール(以下「PVA」と略記)フイ
ルムおよびその製造方法に関するもので、詳しくは、食
品用の生肉などを包装したときに、生肉の表面色を容易
に鮮明な赤色へと発色させることができ、しかも透視性
が良好な包装用フイルムおよびその製造方法に関する。
いポリビニルアルコール(以下「PVA」と略記)フイ
ルムおよびその製造方法に関するもので、詳しくは、食
品用の生肉などを包装したときに、生肉の表面色を容易
に鮮明な赤色へと発色させることができ、しかも透視性
が良好な包装用フイルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、食品用の生肉は、製肉業者、元売
り業者、小売り業者を経て消費者へと流通する。この
間、小売り業者までは、特に、腐敗・変質の防止や取扱
性などの観点から、生肉は、ブロック状の大きさに加工
し、酸素ガスバリヤー性に優れた収縮性フイルムで密着
性良く包装して、流通させるが、小売り業者から消費者
へ販売する段階では、消費者の利便性を考えて、生肉を
ブロック状の大きさから消費者のニーズに適した大きさ
に加工するとともに、見栄えをよくして購買意欲をそそ
るために、生肉の表面をそれまでのやや赤灰色がかった
肉色から、鮮明な赤色へと発色させて、陳列棚などに陳
列させる必要がある。このため、従来は、陳列にあたっ
ては、酸素透過性の良いポリエチレンフイルムやポリプ
ロピレンフイルムなどのポリオレフィンフイルムやポリ
塩化ビニルフイルムなどで生肉を包装して、店頭に陳列
している。
り業者、小売り業者を経て消費者へと流通する。この
間、小売り業者までは、特に、腐敗・変質の防止や取扱
性などの観点から、生肉は、ブロック状の大きさに加工
し、酸素ガスバリヤー性に優れた収縮性フイルムで密着
性良く包装して、流通させるが、小売り業者から消費者
へ販売する段階では、消費者の利便性を考えて、生肉を
ブロック状の大きさから消費者のニーズに適した大きさ
に加工するとともに、見栄えをよくして購買意欲をそそ
るために、生肉の表面をそれまでのやや赤灰色がかった
肉色から、鮮明な赤色へと発色させて、陳列棚などに陳
列させる必要がある。このため、従来は、陳列にあたっ
ては、酸素透過性の良いポリエチレンフイルムやポリプ
ロピレンフイルムなどのポリオレフィンフイルムやポリ
塩化ビニルフイルムなどで生肉を包装して、店頭に陳列
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリオ
レフィンフイルムやポリ塩化ビニルフイルムでは、酸素
透過度のコントロールが困難であるために、生肉の表面
色を充分に鮮明な赤色へと発色させることができずに陳
列させてしまったり、あるいは逆に、陳列中に腐敗や変
質に至ってしまうといったケースが多発し、小売り業で
の販売や商品管理などで大きな問題となっている。その
上、ポリオレフィンフイルムやポリ塩化ビニルフイルム
は、陳列中に生肉から気化する水分などによりフイルム
が曇り、せっかくの鮮明な赤色も白味がかってしまった
り、また、透視性にかけたりなどして、消費者の購買意
欲を失わせたりする場合があり、解決が急がれている。
ところで、PVAから得られるフイルムは、絶乾および
低湿度条件では酸素透過度が小さく、優れた酸素バリヤ
ー性を示すが、高湿度条件下ではこの優れた酸素バリヤ
ー性が大きく低下してしまう(酸素バリヤー性の湿度依
存性が大きい)欠点がある。
レフィンフイルムやポリ塩化ビニルフイルムでは、酸素
透過度のコントロールが困難であるために、生肉の表面
色を充分に鮮明な赤色へと発色させることができずに陳
列させてしまったり、あるいは逆に、陳列中に腐敗や変
質に至ってしまうといったケースが多発し、小売り業で
の販売や商品管理などで大きな問題となっている。その
上、ポリオレフィンフイルムやポリ塩化ビニルフイルム
は、陳列中に生肉から気化する水分などによりフイルム
が曇り、せっかくの鮮明な赤色も白味がかってしまった
り、また、透視性にかけたりなどして、消費者の購買意
欲を失わせたりする場合があり、解決が急がれている。
ところで、PVAから得られるフイルムは、絶乾および
低湿度条件では酸素透過度が小さく、優れた酸素バリヤ
ー性を示すが、高湿度条件下ではこの優れた酸素バリヤ
ー性が大きく低下してしまう(酸素バリヤー性の湿度依
存性が大きい)欠点がある。
【0004】本発明者らは、PVAフイルムのこの欠点
を改善するために、PVAフイルムに耐水性を付与する
考え方で鋭意研究を続けていたところ、思いもかけぬこ
とに、PVA水溶液を特定条件下で電子線照射すると、
得られるフイルムが、PVAからなるものであるにもか
かわらず、これまでの低酸素透過度とは逆の、従来予想
だに出来なかった高酸素透過度をもつことを発見するに
至った。そして、このようなフイルムであれば、上記目
的の包装フイルムとして用いると、生肉の鮮明な赤色へ
の調整や透視性に関する問題点などが解決できることを
見いだし、本発明に到達した。
を改善するために、PVAフイルムに耐水性を付与する
考え方で鋭意研究を続けていたところ、思いもかけぬこ
とに、PVA水溶液を特定条件下で電子線照射すると、
得られるフイルムが、PVAからなるものであるにもか
かわらず、これまでの低酸素透過度とは逆の、従来予想
だに出来なかった高酸素透過度をもつことを発見するに
至った。そして、このようなフイルムであれば、上記目
的の包装フイルムとして用いると、生肉の鮮明な赤色へ
の調整や透視性に関する問題点などが解決できることを
見いだし、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、PVAからなり、80℃の熱水に対する不溶部分が
30〜90質量%の範囲にあり、30℃、80%相対湿
度(以下「80%RH」と略記)条件下で測定した酸素
透過係数が4.2×10-1〜5cm3・cm/m2・h・
atmの範囲にあることを特徴とするPVAフイルムが
提供される。また、別の発明によれば、PVAの5〜4
0質量%水溶液を10〜80℃の温度に保ち、電子線を
照射してPVAを架橋させ、乾燥して、フイルムを形成
させるPVAフイルムの製造方法が提供される。
ば、PVAからなり、80℃の熱水に対する不溶部分が
30〜90質量%の範囲にあり、30℃、80%相対湿
度(以下「80%RH」と略記)条件下で測定した酸素
透過係数が4.2×10-1〜5cm3・cm/m2・h・
atmの範囲にあることを特徴とするPVAフイルムが
提供される。また、別の発明によれば、PVAの5〜4
0質量%水溶液を10〜80℃の温度に保ち、電子線を
照射してPVAを架橋させ、乾燥して、フイルムを形成
させるPVAフイルムの製造方法が提供される。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。 〔PVAフイルム〕本発明のフイルムを得るために使用
するPVAは、従来より公知のものを使用することがで
き、何等制限されるものではないが、中でも、ケン化度
が80%以上、好ましくは90%以上で、平均重合度が
300〜2500の範囲、好ましくは300〜1500
の範囲のものが、本発明を実施する上で好都合である。
ケン化度が80%未満では、PVAフイルムの酸素透過
度のコントロールが難しくなる。また、平均重合度が3
00未満では、PVAフイルムの機械的特性などが不良
となる。逆に、平均重合度が2500を越えると、PV
Aを水に溶解して水溶液とする際に手間取ったり、たと
え得られたとしても、水溶液を高分子フイルムなどの支
持体上へ塗布する場合の均一性に欠けるなどの難点があ
る。ケン化度が90%以上で、平均重合度が300〜2
500の範囲のPVAは、製造性や機械的特性などのフ
イルム性能から好ましく、さらに、ケン化度が90%以
上で、平均重合度が300〜1500の範囲のものは、
取扱性、加工性、機械的および化学的特性などのフイル
ム性能などからも優れたものとなる。
するPVAは、従来より公知のものを使用することがで
き、何等制限されるものではないが、中でも、ケン化度
が80%以上、好ましくは90%以上で、平均重合度が
300〜2500の範囲、好ましくは300〜1500
の範囲のものが、本発明を実施する上で好都合である。
ケン化度が80%未満では、PVAフイルムの酸素透過
度のコントロールが難しくなる。また、平均重合度が3
00未満では、PVAフイルムの機械的特性などが不良
となる。逆に、平均重合度が2500を越えると、PV
Aを水に溶解して水溶液とする際に手間取ったり、たと
え得られたとしても、水溶液を高分子フイルムなどの支
持体上へ塗布する場合の均一性に欠けるなどの難点があ
る。ケン化度が90%以上で、平均重合度が300〜2
500の範囲のPVAは、製造性や機械的特性などのフ
イルム性能から好ましく、さらに、ケン化度が90%以
上で、平均重合度が300〜1500の範囲のものは、
取扱性、加工性、機械的および化学的特性などのフイル
ム性能などからも優れたものとなる。
【0007】本発明のフイルムは、80℃の熱水に対す
る不溶部分が30〜90質量%の範囲、好ましくは35
〜90質量%の範囲にあり、該不溶部分の密度が1.2
6〜1.29g/cm3の範囲、好ましくは1.26〜
1.285g/cm3の範囲にある。本発明のフイルム
の不溶部分は、PVA水溶液を特定条件下で電子線照射
することに基づくものであり、これが30質量%未満で
は、フイルムとしたときの耐水性が充分ではない。一
方、不溶部分が90質量%を越えると、機械的強度や引
張特性などのフイルム性能が低下する恐れがある。不溶
部分が35〜90質量%の範囲では、実用上、製造性、
フイルム性能などから好ましいものとなる。
る不溶部分が30〜90質量%の範囲、好ましくは35
〜90質量%の範囲にあり、該不溶部分の密度が1.2
6〜1.29g/cm3の範囲、好ましくは1.26〜
1.285g/cm3の範囲にある。本発明のフイルム
の不溶部分は、PVA水溶液を特定条件下で電子線照射
することに基づくものであり、これが30質量%未満で
は、フイルムとしたときの耐水性が充分ではない。一
方、不溶部分が90質量%を越えると、機械的強度や引
張特性などのフイルム性能が低下する恐れがある。不溶
部分が35〜90質量%の範囲では、実用上、製造性、
フイルム性能などから好ましいものとなる。
【0008】また、不溶部分の密度が1.26g/cm
3未満では、機械的強度などのフイルム性能の点で問題
があり、一方、1.29g/cm3を越えると酸素透過
度が小さくなり、目的とする酸素透過度の大きいフイル
ムが得られない。不溶部分の密度が1.26〜1.28
5g/cm3の範囲のものは、酸素透過度が大きく、実
用上、製造上、フイルム性能などから好ましいものであ
る。従来の方法により得られるPVAフイルム(例えば
PVA水溶液を支持体に塗布し、次いで、水を乾燥させ
て得られるフイルム)で、電子線照射をしないフイルム
は、密度が、ほぼ、1.295g/cm3であり、水や
熱水(例えば、80℃)に溶解する。これに対し、本発
明のフイルムは、80℃の熱水に対する不溶部分の密度
が、従来の方法により得られるPVAフイルムで、電子
線照射をしないフイルムのそれよりもはるかに小さい特
徴を有する。
3未満では、機械的強度などのフイルム性能の点で問題
があり、一方、1.29g/cm3を越えると酸素透過
度が小さくなり、目的とする酸素透過度の大きいフイル
ムが得られない。不溶部分の密度が1.26〜1.28
5g/cm3の範囲のものは、酸素透過度が大きく、実
用上、製造上、フイルム性能などから好ましいものであ
る。従来の方法により得られるPVAフイルム(例えば
PVA水溶液を支持体に塗布し、次いで、水を乾燥させ
て得られるフイルム)で、電子線照射をしないフイルム
は、密度が、ほぼ、1.295g/cm3であり、水や
熱水(例えば、80℃)に溶解する。これに対し、本発
明のフイルムは、80℃の熱水に対する不溶部分の密度
が、従来の方法により得られるPVAフイルムで、電子
線照射をしないフイルムのそれよりもはるかに小さい特
徴を有する。
【0009】フイルムの不溶部分(質量%)は、80℃
の熱水にフイルムを2時間浸漬させた後に、不溶解部分
を乾燥し、その質量を測定し、下記式により求めること
が出来る。 不溶部分=(不溶解部分の質量/浸漬前のフイルムの質
量)×100 また、フイルムの不溶部分の密度は、80℃の熱水にフ
イルムを2時間浸漬させた後に、不溶解部分を乾燥し、
これを四塩化炭素/トルエン混合溶媒を用いた密度勾配
管法により(測定温度、30℃)測定することができ
る。
の熱水にフイルムを2時間浸漬させた後に、不溶解部分
を乾燥し、その質量を測定し、下記式により求めること
が出来る。 不溶部分=(不溶解部分の質量/浸漬前のフイルムの質
量)×100 また、フイルムの不溶部分の密度は、80℃の熱水にフ
イルムを2時間浸漬させた後に、不溶解部分を乾燥し、
これを四塩化炭素/トルエン混合溶媒を用いた密度勾配
管法により(測定温度、30℃)測定することができ
る。
【0010】本発明のフイルムは、PVAから得られる
フイルムであるにもかかわらず、酸素透過度が大きいこ
との特徴をもち、この酸素透過度は、従来のPVAフイ
ルムのそれから予測できるものではない。すなわち、本
発明のフイルムは、30℃、80%RHで測定した酸素
透過係数が4.2×10-1〜5cm3・cm/m2・h・
atmの範囲、好ましくは8.3×10-1〜4.2cm
3・cm/m2・h・atmの範囲、特に好ましくは1.
25〜3.8cm3・cm/m2・h・atmの範囲であ
る。これに対し従来の方法により得られるPVAフイル
ムは、上記測定条件下で、酸素透過係数が4.6×10
-2cm3・cm/m2・h・atm程度である。
フイルムであるにもかかわらず、酸素透過度が大きいこ
との特徴をもち、この酸素透過度は、従来のPVAフイ
ルムのそれから予測できるものではない。すなわち、本
発明のフイルムは、30℃、80%RHで測定した酸素
透過係数が4.2×10-1〜5cm3・cm/m2・h・
atmの範囲、好ましくは8.3×10-1〜4.2cm
3・cm/m2・h・atmの範囲、特に好ましくは1.
25〜3.8cm3・cm/m2・h・atmの範囲であ
る。これに対し従来の方法により得られるPVAフイル
ムは、上記測定条件下で、酸素透過係数が4.6×10
-2cm3・cm/m2・h・atm程度である。
【0011】酸素透過係数が4.2×10-1cm3・c
m/m2・h・atm未満のフイルムでは、生肉を包装
し、その生肉の表面色を、灰赤味がかった肉色から、鮮
明な赤色とするには長期間を必要とし、生肉を販売する
上で大きな難点となる。一方、酸素透過係数が5cm3
・cm/m2・h・atm超過のフイルムでは、生肉が
単期間で腐敗したり変質したりし、商品を管理・販売す
る上で問題となる。酸素透過係数は8.3×10-1〜
4.2cm3・cm/m2・h・atmの範囲が実用上や
取扱上好都合であり、1.25〜3.8cm3・cm/
m2・h・atmの範囲の酸素透過係数は、実用上や製
造上などからも好適である。なお、上記4.2×10-1
〜5cm3・cm/m2・h・atmの範囲の酸素透過係
数は、厚さ20μmでの酸素透過度に換算すると500
0〜60000cm3/m2・day・atmの範囲とな
る。
m/m2・h・atm未満のフイルムでは、生肉を包装
し、その生肉の表面色を、灰赤味がかった肉色から、鮮
明な赤色とするには長期間を必要とし、生肉を販売する
上で大きな難点となる。一方、酸素透過係数が5cm3
・cm/m2・h・atm超過のフイルムでは、生肉が
単期間で腐敗したり変質したりし、商品を管理・販売す
る上で問題となる。酸素透過係数は8.3×10-1〜
4.2cm3・cm/m2・h・atmの範囲が実用上や
取扱上好都合であり、1.25〜3.8cm3・cm/
m2・h・atmの範囲の酸素透過係数は、実用上や製
造上などからも好適である。なお、上記4.2×10-1
〜5cm3・cm/m2・h・atmの範囲の酸素透過係
数は、厚さ20μmでの酸素透過度に換算すると500
0〜60000cm3/m2・day・atmの範囲とな
る。
【0012】本発明のフイルムは、厚みとして、1〜1
000μmの範囲、好ましくは1〜500μmの範囲で
ある。厚みが1μm未満では、フイルムとしたときの機
械的強度や取扱性などの点で問題があり、また、100
0μmを越える厚みでは、製造性や経済性などの難点が
ある。フイルムとしたときの性能、製造性や経済性など
から厚みは1〜500μmの範囲が好適である。
000μmの範囲、好ましくは1〜500μmの範囲で
ある。厚みが1μm未満では、フイルムとしたときの機
械的強度や取扱性などの点で問題があり、また、100
0μmを越える厚みでは、製造性や経済性などの難点が
ある。フイルムとしたときの性能、製造性や経済性など
から厚みは1〜500μmの範囲が好適である。
【0013】〔PVAフイルムの製造方法〕本発明のフ
イルムは、PVAの5〜40質量%水溶液、好ましくは
5〜35質量%水溶液を、10〜80℃の温度、好まし
くは20〜80℃の温度に保ち、電子線を照射してPV
Aを架橋させ、乾燥して、フイルムを形成させることに
より製造することができる。本発明のフイルムを製造す
る好適な方法を例示すると、前記濃度のPVA水溶液を
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリア
ミドなどの高分子フイルム支持体上に、前記温度範囲内
で塗布し、塗布されたPVA水溶液の前記温度範囲内で
電子線を照射してPVAを架橋させ、次いで乾燥により
水分を除去し、PVAフイルムを形成させる。その後、
高分子フイルム支持体からPVAフイルムを剥離させ本
発明のPVAフイルムを得るもの、あるいは高分子フイ
ルム支持体からPVAフイルムを剥離させることなく支
持体である高分子フイルムにPVAフイルムが積層され
た構造体として得るものなどである。
イルムは、PVAの5〜40質量%水溶液、好ましくは
5〜35質量%水溶液を、10〜80℃の温度、好まし
くは20〜80℃の温度に保ち、電子線を照射してPV
Aを架橋させ、乾燥して、フイルムを形成させることに
より製造することができる。本発明のフイルムを製造す
る好適な方法を例示すると、前記濃度のPVA水溶液を
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリア
ミドなどの高分子フイルム支持体上に、前記温度範囲内
で塗布し、塗布されたPVA水溶液の前記温度範囲内で
電子線を照射してPVAを架橋させ、次いで乾燥により
水分を除去し、PVAフイルムを形成させる。その後、
高分子フイルム支持体からPVAフイルムを剥離させ本
発明のPVAフイルムを得るもの、あるいは高分子フイ
ルム支持体からPVAフイルムを剥離させることなく支
持体である高分子フイルムにPVAフイルムが積層され
た構造体として得るものなどである。
【0014】PVAが5質量%未満の水溶液では、厚手
のフイルムを製造することが困難であり、また、PVA
が40質量%を越えると、支持体への厚みの均一性良い
塗布が難しくなる。製造性や実用上からはPVAの水溶
液濃度は、5〜35質量%の範囲が好適である。一方、
電子線を照射する時のPVA水溶液の温度が10℃未満
では、PVAが水により膨潤されにくく、酸素透過度が
大きいフイルムとすることが難しい。また、PVA水溶
液の温度が80℃を越えと水分の気化激しく、電子線照
射が難しく、製造する上での問題がある。20〜80℃
の範囲のPVA水溶液は、酸素透過度やフイルム性能、
製造上などから好都合である。
のフイルムを製造することが困難であり、また、PVA
が40質量%を越えると、支持体への厚みの均一性良い
塗布が難しくなる。製造性や実用上からはPVAの水溶
液濃度は、5〜35質量%の範囲が好適である。一方、
電子線を照射する時のPVA水溶液の温度が10℃未満
では、PVAが水により膨潤されにくく、酸素透過度が
大きいフイルムとすることが難しい。また、PVA水溶
液の温度が80℃を越えと水分の気化激しく、電子線照
射が難しく、製造する上での問題がある。20〜80℃
の範囲のPVA水溶液は、酸素透過度やフイルム性能、
製造上などから好都合である。
【0015】電子線の照射条件としては、酸素透過度、
不溶部分、密度などのフイルム性状、製造性や経済性な
どの観点から適宜選択すればよいが、概ね、照射による
吸収線量は10〜1000キログレイ(以下「KGy」
と略記)の範囲、好ましくは30〜500KGyの範囲
である。照射による吸収線量が10KGy未満では、架
橋が生じない恐れがあり、80℃の熱水に対する不溶部
分が目的とする範囲に入らなくなる。逆に、1000K
Gyを越える吸収線量では、フイルムが分解したり、変
色したりする恐れがある。目的とする不溶部分、密度、
酸素透過度などの点から吸収線量は、30〜500KG
yが好適である。一方、加速電圧は、被照射物であるフ
イルムの厚みに応じて適宜設定することが出来、100
〜1000キロボルトの範囲が製造性や経済性の点で好
都合である。
不溶部分、密度などのフイルム性状、製造性や経済性な
どの観点から適宜選択すればよいが、概ね、照射による
吸収線量は10〜1000キログレイ(以下「KGy」
と略記)の範囲、好ましくは30〜500KGyの範囲
である。照射による吸収線量が10KGy未満では、架
橋が生じない恐れがあり、80℃の熱水に対する不溶部
分が目的とする範囲に入らなくなる。逆に、1000K
Gyを越える吸収線量では、フイルムが分解したり、変
色したりする恐れがある。目的とする不溶部分、密度、
酸素透過度などの点から吸収線量は、30〜500KG
yが好適である。一方、加速電圧は、被照射物であるフ
イルムの厚みに応じて適宜設定することが出来、100
〜1000キロボルトの範囲が製造性や経済性の点で好
都合である。
【0016】電子線照射されたPVA水溶液は、熱風吹
き付け、赤外線照射、減圧下での乾燥など公知の乾燥方
法により乾燥され、PVA水溶液から水分が除去され
て、本発明のフイルムが形成される。本発明により製造
されるフイルムは、前記したように高分子フイルム支持
体から剥離させて用いることことができるし、あるいは
支持体からフイルムを剥離させることなく、積層された
構造体のフイルムとして用いることができる。使用用途
や形態などにより適宜選択すればよい。さらに、支持体
から剥離させた本発明のフイルムや本発明のフイルムが
支持体に積層された構造体のフイルムを、織物あるいは
布、金網などに積層させたりすることができる。
き付け、赤外線照射、減圧下での乾燥など公知の乾燥方
法により乾燥され、PVA水溶液から水分が除去され
て、本発明のフイルムが形成される。本発明により製造
されるフイルムは、前記したように高分子フイルム支持
体から剥離させて用いることことができるし、あるいは
支持体からフイルムを剥離させることなく、積層された
構造体のフイルムとして用いることができる。使用用途
や形態などにより適宜選択すればよい。さらに、支持体
から剥離させた本発明のフイルムや本発明のフイルムが
支持体に積層された構造体のフイルムを、織物あるいは
布、金網などに積層させたりすることができる。
【0017】また、本発明のフイルムや本発明のフイル
ムが支持体に積層された構造体のフイルムに、ポリオレ
フィン、ポリエステル、ポリアミドなどの公知の熱可塑
性樹脂からなるフイルムを従来法によりラミネートし、
多層積層フイルムとすることもできる。なお、ポリエス
テルフイルムやポリアミドフイルムを用いて、本発明の
フイルムと多層積層化するものにあっては、ポリエステ
ルフイルムやポリアミドフイルムとしては、フイルム中
に微細な孔を数多く形成させた、いわゆる微孔性フイル
ムを用いたものの方が、本発明のフイルムの特徴を充分
に発揮させることができる。ラミネートを行うに当たっ
ては、必要ならば、従来公知の接着剤を使用してもよ
い。好ましい多層積層フイルムを、層構成で示すなら
ば、以下のものを例示することができる。
ムが支持体に積層された構造体のフイルムに、ポリオレ
フィン、ポリエステル、ポリアミドなどの公知の熱可塑
性樹脂からなるフイルムを従来法によりラミネートし、
多層積層フイルムとすることもできる。なお、ポリエス
テルフイルムやポリアミドフイルムを用いて、本発明の
フイルムと多層積層化するものにあっては、ポリエステ
ルフイルムやポリアミドフイルムとしては、フイルム中
に微細な孔を数多く形成させた、いわゆる微孔性フイル
ムを用いたものの方が、本発明のフイルムの特徴を充分
に発揮させることができる。ラミネートを行うに当たっ
ては、必要ならば、従来公知の接着剤を使用してもよ
い。好ましい多層積層フイルムを、層構成で示すなら
ば、以下のものを例示することができる。
【0018】ポリオレフィンフイルム層/接着剤/本
発明のフイルム層、 微孔を有するポリエステルフイルム層/接着剤/本発
明のフイルム層、 微孔を有するポリアミドフイルム層/接着剤/本発明
のフイルム層、 ポリオレフィンフイルム層/接着剤/微孔を有するポ
リアミドフイルム層/接着剤/本発明のフイルム層、 ポリオレフィンフイルム層/接着剤/微孔を有するポ
リエステルフイルム層/接着剤/本発明のフイルム層、 ポリオレフィンフイルム層/接着剤/本発明のフイル
ム層/接着剤/微孔を有するポリアミドフイルム層。
発明のフイルム層、 微孔を有するポリエステルフイルム層/接着剤/本発
明のフイルム層、 微孔を有するポリアミドフイルム層/接着剤/本発明
のフイルム層、 ポリオレフィンフイルム層/接着剤/微孔を有するポ
リアミドフイルム層/接着剤/本発明のフイルム層、 ポリオレフィンフイルム層/接着剤/微孔を有するポ
リエステルフイルム層/接着剤/本発明のフイルム層、 ポリオレフィンフイルム層/接着剤/本発明のフイル
ム層/接着剤/微孔を有するポリアミドフイルム層。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、PVAの水溶液を電子
線照射することで、80℃の熱水不溶部分が大きく、し
かも酸素透過度が大きい、フイルムを製造することが可
能となる。本発明により得られるフイルムは、食品用の
生肉などを包装したときに、生肉の表面色を容易に鮮明
な赤色へと発色させることができ、しかも透視性が良好
であり、目的に応じて、種々の形態で使用することが可
能となる。
線照射することで、80℃の熱水不溶部分が大きく、し
かも酸素透過度が大きい、フイルムを製造することが可
能となる。本発明により得られるフイルムは、食品用の
生肉などを包装したときに、生肉の表面色を容易に鮮明
な赤色へと発色させることができ、しかも透視性が良好
であり、目的に応じて、種々の形態で使用することが可
能となる。
【0020】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例の
みに限定されるものではない。
明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例の
みに限定されるものではない。
【0021】[実施例1〜5、比較例1〜5]PVAと
して、クラレ社製ポバール105(ケン化度、98.5
モル%;平均重合度、500)を使用し、表1に示すよ
うにPVAの濃度および水溶液の温度を変え、各水溶液
を調整した。次いで、コーターを用いて、各水溶液を厚
み12μmの延伸ポリエチレンテレフタレート(以下
「PET」と略記)フイルム上に塗布し、日新ハイボル
テージ社製電子線照射装置 EPSー500ー65ーS
Sを用いて、塗布された水溶液の温度を表1に示した温
度に保ちながら、以下の条件でPVA水溶液を電子線照
射した。 加速電圧 300キロボルト 吸収線量 300KGy 照射雰囲気 空気
して、クラレ社製ポバール105(ケン化度、98.5
モル%;平均重合度、500)を使用し、表1に示すよ
うにPVAの濃度および水溶液の温度を変え、各水溶液
を調整した。次いで、コーターを用いて、各水溶液を厚
み12μmの延伸ポリエチレンテレフタレート(以下
「PET」と略記)フイルム上に塗布し、日新ハイボル
テージ社製電子線照射装置 EPSー500ー65ーS
Sを用いて、塗布された水溶液の温度を表1に示した温
度に保ちながら、以下の条件でPVA水溶液を電子線照
射した。 加速電圧 300キロボルト 吸収線量 300KGy 照射雰囲気 空気
【0022】次いで、ドライヤーを用いて、水を蒸発、
乾燥させて、延伸PETフイルム上に本発明の各フイル
ムを形成させた。その後、本発明のフイルムを、延伸P
ETフイルムから剥し、厚さ4μmの本発明の各フイル
ムを得た。このフイルムについて、フイルムの性状(8
0℃の熱水に対する不溶部分、該不溶部分の密度、酸素
透過係数および透視性)を測定した。結果を表1に示し
た。
乾燥させて、延伸PETフイルム上に本発明の各フイル
ムを形成させた。その後、本発明のフイルムを、延伸P
ETフイルムから剥し、厚さ4μmの本発明の各フイル
ムを得た。このフイルムについて、フイルムの性状(8
0℃の熱水に対する不溶部分、該不溶部分の密度、酸素
透過係数および透視性)を測定した。結果を表1に示し
た。
【0023】また、比較例として、PVA濃度が10質
量%で、30℃の温度の水溶液を延伸PETフイルムに
塗布し、水を蒸発、乾燥させて形成させたフイルムを延
伸PETフイルムから剥したもの(比較例1)、PVA
濃度が10質量%で、30℃の温度の水溶液を延伸PE
Tフイルムに塗布し、水を蒸発、乾燥させて形成させた
フイルムに、30℃で、電子線照射を行い、延伸PET
フイルムから剥したもの(比較例2)の各フイルムにつ
いて、フイルムの性状(80℃の熱水に対する不溶部
分、密度、酸素透過係数および透視性)を測定した。
なお、密度は、フイルムが熱水に可溶であるため、熱水
に浸漬しないフイルムのそれを測定した。比較例のフイ
ルムは、いずれも厚みが、4μmであった。測定結果を
表1に示した。
量%で、30℃の温度の水溶液を延伸PETフイルムに
塗布し、水を蒸発、乾燥させて形成させたフイルムを延
伸PETフイルムから剥したもの(比較例1)、PVA
濃度が10質量%で、30℃の温度の水溶液を延伸PE
Tフイルムに塗布し、水を蒸発、乾燥させて形成させた
フイルムに、30℃で、電子線照射を行い、延伸PET
フイルムから剥したもの(比較例2)の各フイルムにつ
いて、フイルムの性状(80℃の熱水に対する不溶部
分、密度、酸素透過係数および透視性)を測定した。
なお、密度は、フイルムが熱水に可溶であるため、熱水
に浸漬しないフイルムのそれを測定した。比較例のフイ
ルムは、いずれも厚みが、4μmであった。測定結果を
表1に示した。
【0024】一方、PVA濃度が50質量%で、30℃
の温度の水溶液を延伸PETフイルムに塗布しようと試
みたが、水溶液の粘度が高くなり、均一な厚みの塗布が
できないために、その後の電子線照射を行わなかった
(比較例3)。さらに、PVA濃度が10質量%で、5
℃の温度の水溶液を延伸PETフイルムに塗布しようと
試みたが、比較例3と同様に水溶液の粘度が高くなり、
均一な厚みの塗布膜が得られないために、その後の電子
線照射を行わなかった(比較例4)。また、PVA濃度
が10質量%で、85℃の水溶液を調整し、延伸PET
フイルムに塗布し、85℃で、電子線照射を行おうとし
たが、水分の気化が著しいため、装置の保守の点で問題
があることがわかり、照射を中止した(比較例5)。
の温度の水溶液を延伸PETフイルムに塗布しようと試
みたが、水溶液の粘度が高くなり、均一な厚みの塗布が
できないために、その後の電子線照射を行わなかった
(比較例3)。さらに、PVA濃度が10質量%で、5
℃の温度の水溶液を延伸PETフイルムに塗布しようと
試みたが、比較例3と同様に水溶液の粘度が高くなり、
均一な厚みの塗布膜が得られないために、その後の電子
線照射を行わなかった(比較例4)。また、PVA濃度
が10質量%で、85℃の水溶液を調整し、延伸PET
フイルムに塗布し、85℃で、電子線照射を行おうとし
たが、水分の気化が著しいため、装置の保守の点で問題
があることがわかり、照射を中止した(比較例5)。
【0025】〈物性測定法〉 (1)80℃の熱水に対する不溶部分 延伸PETフイルムから剥したフイルム約0.5gを、
80℃の熱水に2時間浸漬させ、不溶解部分を採集し、
乾燥してその質量を測定。下記式により不溶部分(%)
を求めた。 不溶部分(%)=(不溶解部分の質量/浸漬前のフイル
ムの質量)×100 (2)不溶部分の密度 延伸PETフイルムから剥したフイルム約0.5gを、
80℃の熱水に2時間浸漬させ、不溶解部分を採集し、
乾燥したものを、四塩化炭素/トルエン混合溶媒を用い
た密度勾配管法により(測定温度、30℃)測定した。
なお、比較例1および2のフイルムは、上記熱水に可溶
であるため、密度は、熱水に浸漬しないフイルムのそれ
を測定した。
80℃の熱水に2時間浸漬させ、不溶解部分を採集し、
乾燥してその質量を測定。下記式により不溶部分(%)
を求めた。 不溶部分(%)=(不溶解部分の質量/浸漬前のフイル
ムの質量)×100 (2)不溶部分の密度 延伸PETフイルムから剥したフイルム約0.5gを、
80℃の熱水に2時間浸漬させ、不溶解部分を採集し、
乾燥したものを、四塩化炭素/トルエン混合溶媒を用い
た密度勾配管法により(測定温度、30℃)測定した。
なお、比較例1および2のフイルムは、上記熱水に可溶
であるため、密度は、熱水に浸漬しないフイルムのそれ
を測定した。
【0026】(3)酸素透過係数 Modern Control社製の酸素透過度測定装
置 OXーTRAN2/20を用いて、延伸PETフイ
ルムから剥したフイルムの酸素透過度を測定し、酸素透
過係数を求めた。なお、測定は、30℃、80%RHで
行った。 (4)透視性 日本電色工業社製 Σ80 Color Measur
ing Systemを用いて、延伸PETフイルムか
ら剥したフイルムのヘイズ(曇価;%)を測定した。曇
価が1%以下のものを◎、曇価が1%を越えるものを×
と判定した。
置 OXーTRAN2/20を用いて、延伸PETフイ
ルムから剥したフイルムの酸素透過度を測定し、酸素透
過係数を求めた。なお、測定は、30℃、80%RHで
行った。 (4)透視性 日本電色工業社製 Σ80 Color Measur
ing Systemを用いて、延伸PETフイルムか
ら剥したフイルムのヘイズ(曇価;%)を測定した。曇
価が1%以下のものを◎、曇価が1%を越えるものを×
と判定した。
【0027】
【表1】 ────────────────────────────────── 比較例1 比較例2 実施例1 実施例2 実施例3 ────────────────────────────────── PVA濃度 10 10 10 20 30 (質量%) 水溶液温度 30 30 30 30 30 (℃) 照射の有無 無し 有り 有り 有り 有り 照射方法 − フイルム 水溶液 水溶液 水溶液 照射温度 − 30 30 30 30 (℃) ────────────────────────────────── フイルム性状 不溶部分 0 0 80 70 65 (質量%) 密度 1.2952 1.2954 1.2774 1.2796 1.2809 (g/cm3) 酸素透過係数 4.6×10-2 4.6×10-2 2.5 2.1 1.8 (cm3・cm/m2・h・atm) 透視性(曇価) ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ──────────────────────────────────
【0028】
【表2】 ────────────────────────────────── 比較例3 比較例4 実施例4 実施例5 比較例5 ────────────────────────────────── PVA濃度 50 10 10 10 10 (質量%) 水溶液温度 30 5 50 70 85 (℃) 照射の有無 無し 無し 有り 有り 無し 照射方法 − − 水溶液 水溶液 − 照射温度 − − 50 70 − (℃) ────────────────────────────────── フイルム性状 不溶部分 * * 85 88 * (質量%) 密度 (g/cm3) * * 1.2762 1.2755 * 酸素透過係数 * * 3.0 3.2 * (cm3・cm/m2・h・atm) 透視性(曇価) * * ◎ ◎ * ────────────────────────────────── *:フイルムが作成できなかったため、物性の評価を行わなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明のフイルムは、PVAからなるフ
イルムであるにもかかわらず、酸素透過度が大きい特徴
がある。これは、従来のPVAフイルムの特徴(酸素透
過度が小さい)から予想されないものである。さらに、
本発明のフイルムは、透視性が良好であることから、食
肉用の生肉の包装用フイルムとして用いたときに、生肉
の表面色を容易に鮮明な赤色へと発色させることがで
き、消費者の購買意欲をそそることができる。また、本
発明は、上記フイルムを経済性良く製造することができ
る。
イルムであるにもかかわらず、酸素透過度が大きい特徴
がある。これは、従来のPVAフイルムの特徴(酸素透
過度が小さい)から予想されないものである。さらに、
本発明のフイルムは、透視性が良好であることから、食
肉用の生肉の包装用フイルムとして用いたときに、生肉
の表面色を容易に鮮明な赤色へと発色させることがで
き、消費者の購買意欲をそそることができる。また、本
発明は、上記フイルムを経済性良く製造することができ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコールからなり、80℃
の熱水に対する不溶部分が30〜90質量%の範囲にあ
り、30℃、80%相対湿度条件下で測定した酸素透過
係数が4.2×10-1〜5cm3・cm/m2・h・at
mの範囲にあることを特徴とするポリビニルアルコール
フイルム。 - 【請求項2】 前記80℃の熱水に対する不溶部分が、
1.26〜1.29g/cm3の範囲の密度であること
を特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコールフイ
ルム。 - 【請求項3】 ポリビニルアルコールの5〜40質量%
水溶液を10〜80℃の温度に保ち、電子線を照射して
ポリビニルアルコールを架橋させ、乾燥して、フイルム
を形成させるポリビニルアルコールフイルムの製造方
法。 - 【請求項4】 前記フイルムが、80℃の熱水に対する
不溶部分が30〜90質量%の範囲にあり、30℃、8
0%相対湿度条件下で測定した酸素透過係数が4.2×
10-1〜5cm3・cm/m2・h・atmの範囲にある
ことを特徴とする請求項3記載のポリビニルアルコール
フイルムの製造方法。 - 【請求項5】 前記80℃の熱水に対する不溶部分が、
1.26〜1.29g/cm3の範囲の密度であること
を特徴とする請求項4記載のポリビニルアルコールフイ
ルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27347695A JPH0987395A (ja) | 1995-09-27 | 1995-09-27 | ポリビニルアルコールフイルムおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27347695A JPH0987395A (ja) | 1995-09-27 | 1995-09-27 | ポリビニルアルコールフイルムおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0987395A true JPH0987395A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17528451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27347695A Pending JPH0987395A (ja) | 1995-09-27 | 1995-09-27 | ポリビニルアルコールフイルムおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0987395A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999002424A1 (en) * | 1997-07-07 | 1999-01-21 | Loctite (R & D) Limited | A container for anaerobic products |
JP2005200635A (ja) * | 2003-12-01 | 2005-07-28 | Cryovac Inc | フィルムの気体透過率の増加方法 |
WO2008038774A1 (fr) | 2006-09-28 | 2008-04-03 | Fujifilm Corporation | Instrument pour une utilisation biochimique ayant une surface empêchant une adsorption non spécifique |
JP2011173944A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Sumitomo Chemical Co Ltd | ポリビニルアルコール/水混合液の製造方法 |
WO2017092146A1 (zh) * | 2015-12-01 | 2017-06-08 | 知识产权全资有限公司 | 用于包装液体产品的交联聚乙烯醇膜及其制备方法 |
CN109593221A (zh) * | 2018-10-24 | 2019-04-09 | 北京印刷学院 | 聚乙烯醇薄膜、聚乙烯醇薄膜的后处理方法及制备方法 |
-
1995
- 1995-09-27 JP JP27347695A patent/JPH0987395A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999002424A1 (en) * | 1997-07-07 | 1999-01-21 | Loctite (R & D) Limited | A container for anaerobic products |
US6502697B1 (en) | 1997-07-07 | 2003-01-07 | Loctite (R&D) Limited | Container for anaerobic products |
JP2005200635A (ja) * | 2003-12-01 | 2005-07-28 | Cryovac Inc | フィルムの気体透過率の増加方法 |
WO2008038774A1 (fr) | 2006-09-28 | 2008-04-03 | Fujifilm Corporation | Instrument pour une utilisation biochimique ayant une surface empêchant une adsorption non spécifique |
JP2011173944A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Sumitomo Chemical Co Ltd | ポリビニルアルコール/水混合液の製造方法 |
WO2017092146A1 (zh) * | 2015-12-01 | 2017-06-08 | 知识产权全资有限公司 | 用于包装液体产品的交联聚乙烯醇膜及其制备方法 |
CN109593221A (zh) * | 2018-10-24 | 2019-04-09 | 北京印刷学院 | 聚乙烯醇薄膜、聚乙烯醇薄膜的后处理方法及制备方法 |
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