JPH0987214A - 4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニルの製造方法 - Google Patents

4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニルの製造方法

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JPH0987214A JP24031595A JP24031595A JPH0987214A JP H0987214 A JPH0987214 A JP H0987214A JP 24031595 A JP24031595 A JP 24031595A JP 24031595 A JP24031595 A JP 24031595A JP H0987214 A JPH0987214 A JP H0987214A
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    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/26Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving an increase in the number of carbon atoms in the skeleton
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル
を簡便かつ収率良く得ること。 【解決手段】 水、ヘプタン等の有機溶媒及び相間移動
触媒の存在下、ホルムアルデヒド類、食塩等のアルカリ
金属若しくはアルカリ土類金属の塩化物を用いて、ビフ
ェニルをクロロメチル化して4,4’−ビス(クロロメ
チル)ビフェニルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶、機能性樹脂
等の合成中間体として、需要が増大している4,4’−
ビス(クロロメチル)ビフェニルの工業的製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】芳香族誘導体のモノクロロメチル化反応
については、古くから検討されている。例えば、井本・
垣内・黄編集「ホルムアルデヒド」朝倉書店(昭和40
年)には、ベンゼン、パラホルムアルデヒド、塩酸から
塩化ベンジルが得られることが示されている。塩素源と
しては、塩酸の代わりに塩化チオニルが使用できるこ
と、並びに乾燥食塩粉末を懸濁させ、硫酸で分解するこ
とで塩酸を発生できることが記されている。また、触媒
としては、金属塩化物が有効であること、特に、塩化亜
鉛、塩化スズが代表として挙げられている。
【0003】また、特公昭40−3774号公報には、
氷酢酸、乾燥パラホルムアルデヒド(水分5%以下)、
塩化亜鉛及び塩化水素ガスの組合せによる4,4’−ビ
ス(クロロメチル)ビフェニルの製造法が開示されてい
るが、塩化水素ガスの使用は装置上の制約が大きく、工
業的には不利である。
【0004】更に、特開平3−188029号公報に
は、不活性溶媒中、塩化亜鉛、塩化チオニル、パラホル
ムアルデヒドの組合せによる4,4’−ビス(クロロメ
チル)ビフェニルの製造法が開示されている。この方法
は、塩化水素ガスを使用しない点で改善されているが、
非水系での反応であり、有害なビスクロロメチルエーテ
ルが副生する危険がある。
【0005】相間移動触媒を用いた反応に関しては、Ma
urizio Selva, Francesco Trotta,Pietro Tundoの報告
「SYNTHESIS No. 11, p1003 (1991)」があるが、この報
告では基質がアルキルベンゼンに限定されており、また
ビスクロロメチル化への適用可能性にも言求されていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ビス(クロ
ロメチル)エーテルの生成を抑制できる水系で、安全か
つ高効率で4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル
を製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
水系で反応を円滑に行わせる条件を鋭意検討した結果、
不活性有機溶媒と水の二液相とし、相間移動触媒を用い
ればよいことを見出し、本発明に至った。すなわち、本
発明は、水、不活性有機溶媒及び相間移動触媒の存在
下、ホルムアルデヒド類、硫酸とアルカリ金属若しくは
アルカリ土類金属の塩化物を用いて、ビフェニルをクロ
ロメチル化することを特徴とする4,4’−ビス(クロ
ロメチル)ビフェニルの製造方法である。
【0008】不活性有機溶媒は、ビフェニルが可溶で反
応に不活性であって、水に対して非相溶性であれば種類
は限定されないが、アルカン、シクロアルカン類、例え
ばn−ヘプタン、シクロヘキサンを挙げることができ
る。そして、これは反応温度より高い沸点を有すること
が好ましい。不活性有機溶媒の使用量は、ビフェニルの
溶解度によりなるが、通常、ビフェニルに対して重量比
3〜15、好ましくは5〜10の範囲である。
【0009】水は、硫酸と混合したときの硫酸濃度が6
0〜85重量%となる量とすることが好ましい。硫酸濃
度がこの範囲より低濃度では反応が極端に遅くなり、こ
れより高濃度ではメチレンが架橋したビフェニル縮合
物、その他の副生成物の増大により収率が低下する。硫
酸の使用量は、ビフェニルに対し、モル比2〜30の範
囲であり、好ましくは5〜20の範囲である。
【0010】相間移動触媒は、公知のアンモニウム塩触
媒を使用することができるが、特に、含窒素複素環化合
物とハロゲン化アルキルの4級塩の組合せが好ましい。
複素環化合物としてはピリジン、キノリン、イソキノリ
ン、ピコリン等が挙げられる。ハロゲン化アルキルとし
ては、炭素数8〜18のものが好ましく、ハロゲン種は
塩素、臭素が好ましい。また、これらの混合物を相間移
動触媒としてもよい。相間移動触媒の使用量は、通常ビ
フェニルに対し、モル比0.01〜0.5、好ましくは
0.05〜0.35の範囲である。
【0011】ホルムアルデヒド類は、ホルムアルデヒド
又はホルムアルデヒドを反応系で発生するものであり、
ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ジ
メチルホルマール等を挙げることができるが、パラホル
ムアルデヒドが好ましい。ホルムアルデヒド類の使用量
は、ホルムアルデヒドとして通常、ビフェニルに対し、
モル比1.5〜10、好ましくは2.5〜8の範囲であ
る。
【0012】アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の
塩化物としては、食塩、塩化カリウム、塩化カルシウム
等が挙げられるが、好ましくは食塩である。この塩化物
の使用量は、食塩等のアルカリ金属の塩化物の場合、ビ
フェニルに対し、モル比1.5〜10、好ましくは2〜
5の範囲である。アルカリ土類金属の塩化物の場合は、
モル比はその1/2と計算される。
【0013】反応温度は、40〜120℃、好ましくは
60〜90℃である。反応時間は、通常1〜10時間で
あり、ビフェニルの転化率から決定される。また、反応
圧力は、常圧であっても加圧であってもよいが、常圧が
簡便である。また、液相中の水溶液相と有機溶媒相との
比は1:9〜9:1の範囲とすることがよい。
【0014】本反応は液相が2相となるだけでなく、
固、液、気相からなる不均一系となることが多いため、
反応中は攪拌することが必要である。濃硫酸を後から系
に滴下すると、脱水反応が起こり、メチレンで架橋した
ビフェニルの縮合物が多く生成する他、触媒のアンモニ
ウム塩が酸化されるるため、好ましくない。反応方法
は、特に限定されないが、全原料を一括で仕込んでから
加熱攪拌する方法が有利であろう。
【0015】反応終了後は、反応液を冷却後、濾過し
て、粗製品を得、これを例えば、水洗後、イソプロパノ
ール等で再結晶すれば精製された4,4’−ビス(クロ
ロメチル)ビフェニルを得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】反応液を攪拌すると、有機溶媒は
小滴に分散し、ビフェニルがこの滴中に溶解、分散す
る。水相で食塩と硫酸が反応して塩化水素ガスが生じ、
水相に溶解する。反応基質であるビフェニルと塩酸が異
なる相に分布するため、両相を相間移動触媒が移動し、
効率的に反応すると考えられる。
【0017】
【実施例】
実施例1〜4 ビフェニル2g(13mモル)、相間移動触媒(ビフェ
ニルに対し、0.2倍モル量)、有機溶媒14g、パラ
ホルムアルデヒド2.7g、食塩2.5g、硫酸35
g、硫酸濃度が80%となるに必要な水を攪拌器とコン
デンサを付けた300ml丸フラスコに仕込む。丸フラ
スコを油浴に漬け、80℃に加熱し、所定時間反応させ
る。反応終了後、反応液を室温に冷却する。
【0018】その後、反応液を取り出し、トルエン抽出
を行い、抽出液をガスクロマトグラフで分析し、ビフェ
ニル転化率と4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニ
ルの収率を求める。その他の条件と結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】比較例1〜4 条件を表2に示すとおりに変更した他は、実施例と同様
にして反応を行った。結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】なお、精製された結晶を得るためには、反
応液が高粘度の場合は適量のメタノールを加え、全体を
濾過する。濾過残のケーキを水洗し、硫酸、無機塩を除
去したのち、メタノールで再結晶すると純度約99%の
4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニルの結晶が得
られる。
【0023】実施例5 ビフェニル2g(13mモル)、相間移動触媒としてC
PC(ビフェニルに対し、0.2倍モル量)、n−ヘプ
タン5g、パラホルムアルデヒド0.9g、食塩1.9
g、80%硫酸12.5gを攪拌器とコンデンサを付け
た300ml丸フラスコに仕込み、80℃で、4間反応
させた。ビフェニル転化率は99.7%であり、4,
4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル収率は46%で
あった。
【0024】実施例6 ビフェニル60g(390mモル)、CPC(ビフェニ
ルに対し、0.2倍モル量)、n−ヘプタン140g、
パラホルムアルデヒド28g、食塩57g、80%硫酸
376gを攪拌器とコンデンサを付けた1リットル丸フ
ラスコに仕込み、80℃で、4間反応させた。ビフェニ
ル転化率は99.7%であり、4,4’−ビス(クロロ
メチル)ビフェニル収率は46%であった。また、室温
に冷却した反応液にメタノ−ルを加え、60℃で充分に
攪拌したのち、熱時濾過し、その濾液を冷却すると99
%の4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニルの結晶
が得られた。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、4,4’−ビス(クロ
ロメチル)ビフェニルを簡便かつ収率よく得ることがで
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、不活性有機溶媒及び相間移動触媒の
    存在下、ホルムアルデヒド類、硫酸とアルカリ金属若し
    くはアルカリ土類金属の塩化物を用いて、ビフェニルを
    クロロメチル化することを特徴とする4,4’−ビス
    (クロロメチル)ビフェニルの製造方法。
  2. 【請求項2】 相間移動触媒が4級アンモニウム塩であ
    る請求項1記載の4,4’−ビス(クロロメチル)ビフ
    ェニルの製造方法。
  3. 【請求項3】 不活性有機溶媒がアルカン又はシクロア
    ルカンである請求項1記載の4,4’−ビス(クロロメ
    チル)ビフェニルの製造方法。
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