JPH0987006A - 高耐用性MgO−Cれんが - Google Patents

高耐用性MgO−Cれんが

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JPH0987006A
JPH0987006A JP7253928A JP25392895A JPH0987006A JP H0987006 A JPH0987006 A JP H0987006A JP 7253928 A JP7253928 A JP 7253928A JP 25392895 A JP25392895 A JP 25392895A JP H0987006 A JPH0987006 A JP H0987006A
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mgo
brick
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particle size
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JP7253928A
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Etsuro Udagawa
悦郎 宇田川
Seiji Watanabe
誠治 渡辺
Masato Kumagai
正人 熊谷
Hajime Suzuki
一 鈴木
Shigeyuki Nabeshima
茂之 鍋島
Shigeo Tateno
重穂 舘野
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のMgO−Cれんがのスラグによる損耗形
態をみると、マトリックス部が先行して損耗している。
マトリックス部の強化を図り、MgO−Cれんがの耐食
性の向上を図る。 【解決手段】粒径1mm以下のMgOが、連続粒度を有
し、かつ、いずれの粒度もれんが全体に均一に分散して
いる組織を有するようにする。このような高耐用性Mg
O−Cれんがは、倍率75、150、300、600倍
で顕微鏡観察したそれぞれの観察視野内おける観察粒径
1mm以上のMgO粒子数がほぼ一定であり、より高倍
率の観察によって増加あるいは減少せず±25%の範囲
内である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐用性MgO−
Cれんがに関し、特に高FeOスラグによるMgO−C
れんがの損傷を防止するれんが組織についての改善に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融還元炉におけるMgO−Cれ
んがはタップ側の損傷が多く、スポーリングよりも溶損
による損傷と考えられる。タップ側れんがのミクロ観察
によれば、れんがの稼働面ではペリクレース単結晶はス
ラグ中に突出しており、マトリックスが先行損傷してい
ることが認められる。れんが近傍のスラグ内のメタル粒
の組成及びメタル周辺のスラグ組成の調査によれば、溶
融還元炉の損傷は炉特有のFeOを含むスラグによる侵
食と認められる。
【0003】従来このようなMgO−Cれんがの耐食性
等の特性改善については、MgOとCとの比率の改善、
又はMgOの粒度構成を粗粒(粒径1mmを越えるも
の)X、中粒(粒径1mm〜.125mm)Y、微粒
(粒径0.125mm未満)Zとし、X、Y、Zの比率
で示す改善であった。例えば、特開平7−17758号
公報に後者の技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のMgO−Cれん
がの侵食、特にスラグによる損耗形態をみると、マトリ
ックス部が先行して損耗している。本発明は、特に、F
eOを含むスラグによるMgO−Cれんがの耐食性の向
上を図ることを目的とし、マトリックスの強化を課題と
する。
【0005】本発明は上記課題を解決した高耐用性Mg
O−Cれんがを開発し、これを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、次の技術手段を講じたことを特徴とす
る高耐用性MgO−Cれんがである。本発明は、マトリ
ックスをを構成する粒径1mm以下のMgOが、連続粒
度を有し、かつ、いずれの粒度もれんが全体に均一に分
散している組織を有することを特徴とする高耐用性Mg
O−Cれんがである。本発明において、マトリックスと
は、粒径1mmを越える骨材部分を除く1mm以下の粒
径の部分と全カーボンを言う。MgO−Cれんがのマト
リックスを構成する粒径は1mm〜1μmである。ま
た、連続粒度とは、粒度分布が中断することなく連続し
ているものを言う。
【0007】このような高耐用性MgO−Cれんがは、
倍率75、150、300、600倍で顕微鏡観察した
それぞれの観察視野内おける観察粒径1mm以上のMg
O粒子の数が、観察倍率の上昇とともに変化せず、ほぼ
一定数である場合好適である。ここで観察粒径とは、顕
微鏡の観察視野内における粒径の大きさを言い、実際の
粒径のことではない。例えば倍率75の観察視野内にお
ける粒径1mmの粒子は、実際の大きさが75分の1m
m、すなわち約0.013mmの粒径の粒子である。な
お、この顕微鏡観察に際して、顕微鏡の視野の大部分を
占める大きな粒子がある部分を避けて観察するものとす
る。
【0008】また上記高耐用性MgO−Cれんがにおい
て、粒径1mm以下のMgO粒子とC粒子の体積比率が
1.5〜3でC配合量が5〜25重量%とすると好適で
ある。ここで体積比率とは、全Cと粒径1mm以下のM
gOとの体積の比率を言い、粒度配合より求めた計算値
であり、管理可能なパラメータである。また、MgOの
粒子形状がほぼ球状であり、れんが中に均一に分散して
いるならば、観察される粒子数による組織の評価は、粒
度配合で決まるMgOとCの体積比率による組織評価に
置き換えられるものと考えたからである。
【0009】さらに、本発明のれんがは、れんが断面の
MgO粒子の占める面積が40〜70%で、C配合量が
5〜25重量%とすればよく、粒径1mm〜50μmの
MgO粒子のアスペクト比が1.2以下で、C配合量を
5〜25重量%とすると一層好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】MgO−Cれんがの耐食性を向上
するには、マトリックスの強化が必要であり、それには
粒度配合の最適化が有効であると考えられることから、
改良試作を行い耐食性向上の検討を行った。表1に従来
品と改良試作品#1〜#5との対比表を掲げた。図2
に、これら従来品及び試作品#1〜#5について、Fe
Oを含まないスラグ(曲線11)、FeO:15重量%
を含むスラグ(曲線12)、及びFeO:30重量%を
含むスラグ(曲線13)に対する侵食量を示した。侵食
試験用のスラグ組成は表2に示す通りである。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】試作品#1〜#5は、従来品より侵食量が
小さく、C量が13〜16%付近に最適値がある。これ
らの侵食部のスラグとれんがとの界面写真を観察する
と、試作品#5では稼働面にMgO粒の突き出しが多く
見られる。一方、#4(C=16%)の稼働面は平坦
で、骨材によって表面が覆われている。これは、もとも
とのMgO粒も多くなっている他に、添加されている金
属Alの影響によるスピネル生成あるいは、MgOの生
成などがあるものと考えられる。この結果から、MgO
−Cれんがの耐用性は、マトリックスの侵食量に依存す
るものであるとの知見を得た。
【0014】そこでこのマトリックスの構造と耐用性と
の関係を調査した。その結果、マトリックスを構成する
粒径1mm以下のMgOの分散組織が重要であることを
知見し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明の
高耐用性MgO−Cれんがは、マトリックスをなす粒径
1mm以下のMgOが、連続粒度を有し、かつ、いずれ
の粒度もれんが全体に均一に分散している組織を有する
ことを特徴とする。
【0015】本発明では、顕微鏡により、れんがの任意
の同じ位置を倍率を変えて観察し、視野内におけるMg
O粒子の観察個数と耐食性との関係をマトリックス構成
の評価手法とした。この評価手法の特徴は、粒子の分散
性を定量化することができることである。たとえば、図
3にMgO粒子4の分散性が良いと考えられる模式図を
示す。図3(a)は、ある倍率のMgO−Cれんかの顕
微鏡の視野1の模式図である。ついで、顕微鏡の倍率を
上げて図3(a)中のB部を顕微鏡の視野2とした時の
模式図を図3(b)に示した。ついで、図3(b)の視
野中のC部を倍率を上げて観察した視野3の模式図を図
3(c)に示す。これらの倍率の異なる顕微鏡の視野
1、2、3中に存在するMgO粒子4の観察粒度1mm
以上のMgOの粒子の数はほとんど一定である時、マト
リックスを構成する粒径1mm以下のMgOが、連続粒
度を有し、かつ、いずれの粒度もれんが全体に均一に分
散している組織となっている。このようなマトリックス
の性質、すなわち、倍率が変わっても粒子の分散構成が
酷似しているかあるいは相似形に近い、いわゆる「自己
相似性」があるマトリックス構成が高耐食性を有すると
考えられる。
【0016】本発明では、同一位置を顕微鏡で倍率7
5、150、300、600倍で観察し、各視野内の1
mm以上のMgO粒子の数の変動が±25%の範囲内と
した。顕微鏡の倍率を75倍以上としたのは、マトリッ
クスを観察するために、粒径1mmを越える粒子を除外
するためであり、600倍までとしたのは、1μm未満
の粒子は観察困難であり、また耐食性改善に有効な領域
から外れると考えたからである。75倍から600倍ま
でを75、150、300、600のように、倍率が2
倍ごとになるように定義したのは、視野の中で現出する
1mm以上の粒子と視野外に外れる1mm以上の粒子の
バランスから適切であり、マトリックスの観察に便利で
あるからである。
【0017】視野内の1mm以上の観察粒子の数の変動
がほぼ一定で±25%の範囲内に収まるとしたのは、−
25%を越えて減少する場合はマトリックス中にMgO
が不足となり、過剰なCが脱炭によって侵食されるため
である。+25%を越えて増加する場合は、マトリック
ス中にMgOが過剰となり、過剰なMgOが溶解するこ
とによる侵食が顕著となるためである。
【0018】さらに好適には±10%の範囲内に収まる
ことである。その理由はマトリックス中においてMgO
が過不足なく存在するためである。また、粒径1mm以
下のMgO粒子とC粒子の体積比率を1.5〜3とす
る。この体積比率が1.5未満では、マトリックスにM
gOが不足し、3を越えると過剰となる。
【0019】C配合量を5〜25重量%とする。C配合
量を5%未満とすると体積比率を3以下とすることが困
難であり、25重量%を越えると体積比率を1.5以上
とすることが困難となるためである。さらに、好適には
C配合量を10〜20重量%とする、その理由は体積比
率が1.5〜3とするための粒度配合が容易となること
による。
【0020】次に、本発明では、れんが断面のMgO粒
子の占める面積が40〜70%となるようにする。れん
が断面のMgO粒子の占める面積が40%未満では、C
が過剰なマトリックスとなり、脱炭による侵食の増加、
スラグコーティング性の低下が起こる。MgO粒子の占
める面積が70%を越えると、MgOが過剰なマトリッ
クスとなりMgOの溶解による侵食が顕著となる。
【0021】次に、本発明のMgO−Cれんがにおける
粒径1mm〜50μmのMgO粒子のアスペクト比につ
いて、好適な範囲を説明する。アスペクト比は1.2以
下とする。その理由は、1.2を越えると粒子形状が球
状とはいえず、均一な分散が困難なためである。試作品
#1〜#5について、同一位置を顕微鏡で倍率75、1
50、300、600倍で観察し、各視野内のMgO粒
子(写真から確認できる1mm以上)の数をカウントし
た。視野倍率とMgO粒子カウント数の関係を図1に示
す。粗大粒子の間を埋めているマトリックスだけを観察
している倍率75倍以上の視野について、その観察結果
によれば、 (1)試作品#3、#4は各倍率におけるMgO粒子の
数の変動が±25%以内にあるため、自己相似性がよい (2)試作品#1、#2、#5及び従来品では変動が+
25%より大きいため自己相似性が崩れる。 ということが観察された。
【0022】これらの結果と図2の溶損結果から、自己
相似性のよいものが耐食性もよく、逆に自己相似性が崩
れている領域では耐食性が悪いことが知見された。これ
は、低C品では微細なMgO粒子が過剰になるために、
MgO−Cれんがの耐用性を支配する因子として、Mg
O損耗が支配的となり、一方、高C品では、C過剰にな
りCの酸化損耗が支配的因子になるからであると考えら
れる。これらのマトリックスにおける溶損量とC量の関
係を模式的に考えてみると図4のようになる。すなわ
ち、あるC量、例えばC0 よりC量が多い領域では曲線
21で示すように脱炭が先行して起こり、これによりM
gOの溶解が促進される。C0 よりC量が少ない領域で
は曲線22で示すようにMgOの溶解が先行して起こり
これにより脱炭が促進される。従って、高耐食性を得る
にはMgO:Cには最適比率があり、ある比率を境に、
高C側では脱炭先行でMgO溶損が起こり、また、高M
gO側ではMgO溶損が先行し脱炭が起こると推定され
る。その結果MgO−Cれんがの損耗は、C量に対して
曲線23に示すような傾向となる。
【0023】以上のことから、耐スラグ溶損性向上に対
しては、自己相似性の良いマトリックスを構成させるこ
と、すなわち、粒度配合の最適化によるマトリックスの
組織の強化が効果的である。以上のように本発明では、
マトリックスにおけるMgO粒子の分散性を定量化する
手段として自己相似性で整理した。しかし、これは測定
および評価は可能であるが、目標値に適合したれんがを
製造することに困難を要する。このことから、粒子の1
mm以下のマトリックスにおけるMgO粒子とCの関係
を体積比率で整理し、耐食性との関係を評価した。図2
で示したC%と溶損量の関係をCとMgOの体積比率と
溶損量の関係にしたものを図5に示した。図中曲線25
は30%FeO含有スラグ、曲線26は15%FeO含
有スラグに対するものを示し、●で示した点27は従来
品の30%FeO含有スラグに対する侵食量を示すもの
である。
【0024】耐食性のよかった試作品#3、#4では、
MgO/Cの体積比率が2.5:1近傍である。この結
果を利用して、マトリックスのMgO粒度の構成を改良
試作した。基本は、C重量%を下げたもの及びMgOを
細粒化したものである。これらの試作品#6、#7、#
8を表3に示した。
【0025】
【表3】
【0026】試作品#6、#7、#8のスラグ侵食試験
(前記表のFeO=30%スラグ)の結果を図6に示し
た。図6には前述の試作品#1〜#5の結果(図2の曲
線13)を図中に合わせて示した。図6中に示すよう
に、従来品の侵食量を100とした溶損指数で評価する
と以下のようなことがいえる。 (a)従来品と同じ構成で、C量を20%から13%に
下げただけのもの(試作品#7)では耐食性が約20%
向上する。 (b)また、C20%で、MgOの細粒化を施したもの
(試作品#6)では耐食性が約25%向上する。 (c)さらに、MgOの細粒化とC量減少の組合せによ
って(試作品#8)、約40%の耐食性の向上が見込ま
れる。
【0027】これらの現象は、試作品と同じ傾向である
ことから、MgO−Cれんがの耐食性を向上するには、
C配合量およびMgO粒子径の最適範囲が存在すること
が確認された。一方、試作品#6(C20%,MgO細
粒化)についてFeO=30%及びFeO=50%スラ
グでの耐食性試験結果について、MgOとCの体積比率
(MgO:Cの見掛けの密度比1.65:1で補正計
算、れんが内気孔率は無視)と侵食量の関係を図7に示
した。図7中に、図5の内容も重ねて表示した。図7中
曲線28は30%FeOスラグ、曲線29は50%Fe
Oスラグに対するものを示している。試作品#6のMg
O/Cの体積比率は2.5近傍(目標)になる。30%
FeOスラグ、50%FeOスラグの両スラグ共試作品
#6の侵食量は低減しており、MgO−Cれんがのマト
リックスのMgO/Cの体積比率が2.5近傍に最適値
があることを示唆している。
【0028】上述のように、スラグ侵食試験の結果、M
gO粒の細粒化等でマトリックス部のMgO/Cの体積
比率を2.5に近づけることが耐食性を向上させる手段
の一つであることが明らかになった。図5にあるよう
に、試作品#6においてもMgOとの体積比率は1.
8:1.0程度であり、2.5:1の構成になるにはさ
らに細粒化が必要であり、また、その変更域も残されて
いる。MgO粒1mm以下をマトリックスと考え、さら
に2.5:1の構成に近づけた改良試作品#9、#1
0、#11、#12の実験を試みた。特徴を表4に示
す。
【0029】
【表4】
【0030】表4に示した試作品#9、#10、#1
1、#12のFeO:30%スラグによる侵食試験結果
を、MgO/Cの体積比率と侵食量の関係として図8に
示した。また、図9に図7の曲線25及びFeO:50
%スラグによる侵食量曲線31を併せて示した。図9か
ら明らかに、MgO/Cの体積比率が2.5に近づくに
従い侵食量が小さくなる傾向にある。マトリックスのM
gO/Cの最適値がこの近傍であることが分かる。な
お、試作品#9、#10、#11、#12の顕微鏡倍率
75、150、300、600倍における顕微鏡視野内
の1mm以上のMgO粒子の数を図10に示した。
【0031】試作品#9、#10、#11、#12のス
ラグ侵食試験の結果、C量には最適値があると思われ
る。今回の試作品#9、#10、#11、#12は、1
3%Cまでであったが、試作品#1〜#5と同様の傾向
になった。しかし、C量が低くなると耐熱スポーリング
が問題になるため、C量の低減については更に検討を進
める必要がある。たとえば、C=20重量%、16重量
%、10重量%品を溶融還元炉の絞り部に張り分け試用
したが、C=10重量%、16重量%のものは、目視観
察によれば、途中からスポーリング損傷が発生した。M
gO/C体積比率に対する亀裂発生に至る熱負荷回数と
の関係を図11に示した。このことからも、溶融還元炉
の絞り部でのC量低減材適用は十分検討の上に実施する
必要がある。なお、この時の試作品#4(C=16重量
%)と従来品の改修品についての断面を観察すると、極
く表面なのでスポーリング損傷は見られないが、マトリ
ックスが先行溶損することに変わりはない。ただし、1
6重量%Cの方が表面にMgO粒が多く、従来品に比較
して若干平滑に溶損している。MgO粒の微細化によっ
てマトリックスの強化に期待できるものと考えられる。
【0032】そこで、従来より耐スポーリング性では問
題なかったとされている20重量%Cで試作検討した。
この20重量%Cの場合でも、マトリックスの強化のた
めには、マトリックスにおけるMgOとCとの最適比率
がある。マトリックスを粒径1mm以下の部分と考え
て、そのMgO/Cの体積比率と耐食性をとると、Mg
O/Cが大きくなると耐食性が上がる。従来品及び改良
試作品の断面写真から、同じ視野のMgO粒子数は、従
来品に比べ試作品の方が徐々に多くなっている。このこ
とは、MgOとMgOの隙間がそれぞれ小さくなってき
ていることを意味し、同じC量でもある程度のMgO量
までには耐スラグ性が向上するものと考えられる。ま
た、倍率75倍の写真から画像解析によってMgO粒子
のみの面積を測定した。MgO粒面積率と侵食量の関係
は図12に示すようになっている。図12ではMgOは
45〜55%において特に優れている。
【0033】
【発明の効果】本発明の高耐用性MgO−Cれんがは以
上のように構成されているので、FeOを含むスラグに
対してマトリックスの耐食性が向上し、れんがの寿命が
延長し、溶融還元炉の長期操業に寄与するところが大で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】MgO−Cれんがの顕微鏡観察の倍率と観察視
野内のMgO粒子との関係を示すグラフである。
【図2】試作品の黒鉛含有量と侵食量との関係を示すグ
ラフである。
【図3】MgO−Cれんがの顕微鏡観察の観察視野の模
式図である。
【図4】MgO−CれんがのC量と損耗量との関係を示
す模式的グラフである。
【図5】試作品のMgO/C体積比率と侵食量との関係
を示すグラフである。
【図6】MgO−CれんがのC量と溶損指数との関係を
示すグラフである。
【図7】試作品のMgO/C体積比率と侵食量との関係
を示すグラフである。
【図8】試作品のMgO/C体積比率と侵食量との関係
を示すグラフである。
【図9】試作品のMgO/C体積比率と侵食量との関係
を示すグラフである。
【図10】MgO−Cれんがの顕微鏡観察の倍率と観察
視野内のMgO粒子との関係を示すグラフである。
【図11】試作品のMgO/C体積比率と亀裂発生に至
る熱負荷回数との関係を示すグラフである。
【図12】MgO粒面積率と侵食量との関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1、2、3 視野 4 MgO粒子 11〜13、21〜26、28、29、31、32 曲
線 27 従来品
フロントページの続き (72)発明者 熊谷 正人 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 鈴木 一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 鍋島 茂之 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 舘野 重穂 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックスをなす粒径1mm以下のM
    gOが、連続粒度を有し、かつ、いずれの粒度もれんが
    全体に均一に分散している組織を有することを特徴とす
    る高耐用性MgO−Cれんが。
  2. 【請求項2】 倍率75、150、300、600倍で
    顕微鏡観察したそれぞれの観察視野内おける観察粒径1
    mm以上MgO粒子の数の変動が±25%の範囲内にあ
    ることを特徴とする請求項1記載の高耐用性MgO−C
    れんが。
  3. 【請求項3】 粒径1mm以下のMgO粒子とC粒子の
    体積比率が1.5〜3、C配合量が5〜25重量%であ
    ることを特徴とする請求項1記載の高耐用性MgO−C
    れんが。
  4. 【請求項4】 れんが断面のMgO粒子の占める面積が
    40〜70%で、C配合量が5〜25重量%であること
    を特徴とする請求項1記載の高耐用性MgO−Cれん
    が。
  5. 【請求項5】 粒径1mm〜50μmのMgO粒子のア
    スペクト比が1.2以下で、C配合量が5〜25重量%
    であることを特徴とする請求項1記載の高耐用性MgO
    −Cれんが。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2009028416A1 (ja) * 2007-08-27 2010-12-02 新日本製鐵株式会社 鉄浴式溶融還元炉

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