JPH09867A - 排ガスの処理方法 - Google Patents

排ガスの処理方法

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JPH09867A
JPH09867A JP7179576A JP17957695A JPH09867A JP H09867 A JPH09867 A JP H09867A JP 7179576 A JP7179576 A JP 7179576A JP 17957695 A JP17957695 A JP 17957695A JP H09867 A JPH09867 A JP H09867A
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Japan
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exhaust gas
chamber
liquid
cleaning liquid
partition plate
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Application number
JP7179576A
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English (en)
Inventor
Kazushige Kawamura
和茂 川村
Eiji Awai
英司 粟井
Masaru Takeda
大 武田
Mamoru Iwasaki
守 岩▲崎▼
Takashi Kimura
隆志 木村
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Separation Of Particles Using Liquids (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 排ガスに含まれている亜硫酸ガス及び粉塵を
高効率でかつ経済的に除去し得る方法を提供する。 【構成】 第1隔板2と第2隔板3とによって第1室5
と第2室6と第3室7とに区画された密閉槽の第2室に
排ガスを供給し、ガス分散管9を通して第1室の吸収液
中に吹込み、上部空間の排ガスを排ガス上昇筒10内を
上昇させる、第1室の排ガス中及び/又は排ガス上昇筒
の排ガス中に洗浄液をスプレーし、排ガスを洗浄液の液
滴と接触させ、排ガス上昇筒を通して第3室に上昇して
きた洗浄液の液滴を含む排ガスを排ガス流路変更部材2
6に衝突させてその排ガス流路を下降流となし、第2隔
板上に滞留している洗浄液に接触させ、第3室内の排ガ
スを排ガス出口11から排出させ、ミストエリミネータ
を通過させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排ガスの処理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】排ガスを3つの室に区画された密閉槽内
の第2室に導入し、この第2室から、多数のガス分散管
を介してその第2室の下方に位置する第1室内の吸収液
中に導入して脱硫処理した後、その脱硫処理済み排ガス
を、第1室から、第2室の上方に位置する第3室内に排
ガス上昇筒を介して上昇させる構造の排ガスの脱硫処理
装置は知られている。一方、空気中に放出させる排ガス
については、その中に含まれる汚染物質に対する規制が
ますます厳しくなってきており、例えば、排ガス中のS
2濃度及び粉塵濃度はそれぞれ20ppm以下及び1
0mg/Nm3以下に保持することが要求されている。
従って、このような排ガスに関する規制の強化に伴っ
て、排ガスの脱硫処理装置に対する性能の向上が強く要
望されるようになってきており、多くの研究がその性能
向上に向けられている。しかしながら、その性能向上
は、経済的な制約もあり、実際上ほぼ限界近くにきてお
り、非常に解決困難な課題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、排ガスに含
まれている亜硫酸ガス及び粉塵を高効率でかつ経済的に
除去し得る方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、排ガス中に含まれて
いる粉塵と亜硫酸ガスを除去する方法において、(i)
第1隔板とその上方に位置する第2隔板とによってその
内部が第1室と第1室の上方に隣接する第2室と第2室
の上方に隣接する第3室とに区画された密閉槽における
その第2室に排ガスを供給すること、(ii)第2室に供
給された排ガスを第1隔板に形成された透孔に垂設され
たガス分散管を通して第1室に収容されている吸収液中
に吹込むこと、(iii)第1室の上部空間に存在する排
ガスを第1室と第3室との間を連絡し、その上端が第2
隔板表面より上方に位置する排ガス上昇筒内を上昇させ
ること、(iv)第1室の上部空間に存在する排ガス中及
び/又は排ガス上昇筒を上昇する排ガス中に洗浄液をス
プレーし、排ガスを洗浄液の液滴と接触させること、
(v)排ガス上昇筒を通して第3室に上昇してきた洗浄
液の液滴を含む排ガスをその排ガス上昇筒の上方に配設
されているその先端が第2隔板表面と排ガス上昇筒の上
端との間に位置するガス案内壁を有する排ガス流路変更
部材に衝突させてその排ガス流路を下降流となし、第2
隔板上に滞留している洗浄液に接触させること、(v
i)第3室内の排ガスを第3室に配設された排ガス出口
から排出させること、(vii)第3室から排出された排
ガスをミストエリミネータを通過させること、を特徴と
する排ガスの処理方法が提供される。
【0005】本発明においては、上部空間に存在する排
ガス中及び/又は第1室の排ガスを第3室に導入させる
ために配設された排ガス上昇筒を上昇する排ガスに対し
て、洗浄液、好ましくは排ガス温度より低い温度の洗浄
液を接触させてその排ガス中の粉塵を除去することを特
徴とする。第1室において吸収液と接触した後の第1室
の上部空間に存在する排ガスの相対湿度は100%もし
くは100%に近いものである。従って、このような相
対湿度がほぼ100%の排ガスを冷却するときには、排
ガス中の水蒸気は凝縮して液滴となる。そして、この水
蒸気の凝縮に際して、排ガス中に粉塵が存在するときに
は、排ガス中の水蒸気は、この粉塵を核として凝縮し、
粉塵を含む液滴となるが、この場合の粉塵を含む液滴
は、粉塵よりも大きな粒径を持つ粗大粒子であり、排ガ
ス中から非常に分離しやすく、排ガス中から容易に分離
除去することができる。従って、排ガス中の粉塵の除去
率を向上させるためには、排ガス上昇筒内を上昇する排
ガス中及び/又は第1室の上部空間に存在する排ガス中
にスプレーさせる洗浄液は、排ガス温度よりも低い温度
であることが好ましい。
【0006】洗浄液による排ガスの冷却は、第1室の上
部空間に存在する排ガス中及び/又は排ガス上昇筒を上
昇する排ガスに対して冷却された洗浄液をスプレーさせ
ることにより行うことができる。排ガス上昇筒を上昇す
る排ガスと冷却された洗浄液とを接触させる場所及びそ
の場所の数は任意であり、例えば、排ガス上昇筒の下端
部、中間部及び/又は上端部において排ガスと冷却され
た洗浄液とを接触させることができる。また必要に応
じ、さらに、第3室の下部、中間部及び/又は上部にお
いて排ガスと冷却された洗浄液とを接触させることがで
き、さらに、排ガス上昇筒と第3室の両方において排ガ
スと冷却された洗浄液とを接触させることができる。
【0007】排ガスと接触させる冷却された洗浄液の温
度は、排ガス温度より低い温度であればよく、好ましく
は排ガス温度よりも少なくとも1℃低い温度、より好ま
しくは3〜30℃低い温度である。
【0008】排ガスの冷却により生成する粉塵を含む洗
浄液の液滴は排ガスからの分離性の良好なもので、第3
室から排出された排ガスをミストエリミネータを通過さ
せることによって排ガスから容易に分離除去することが
でき、これによって、排ガス中の粉塵を高除去率で除去
することができる。
【0009】また、排ガス中に含まれる粉塵を含む洗浄
液の液滴は、その排ガスを固体表面に衝突させたり、そ
の排ガス中に洗浄液をスプレーさせたり、あるいはその
排ガスを洗浄液の流下液幕と接触させることによって
も、排ガスから効率よく分離除去させることができる。
排ガスを固体表面に衝突させると、その排ガス中の粉塵
を含む液滴はその固体表面に付着し、液膜を形成して固
体表面上を流下する。また、排ガス中に液体をスプレー
させると、その排ガス中の粉塵を含む液滴は、そのスプ
レーにより形成された液滴と合体し、粒径のより大きな
粗大粒子となり、その重力により落下する。さらに、排
ガスを流下液幕と接触させると、排ガス中の粉塵を含む
液滴は、その流下液幕に捕捉される。さらにまた、排ガ
ス中に含まれる粉塵を含む液滴は、ミストエリミネータ
の下流側に湿式電気集塵機、サイクロン等の集塵装置を
設置することにより、高効率で捕集することができる。
【0010】次に、本発明を図面を参照して説明する。
図1は、排ガスの脱硫処理装置系の1つの例についての
模式図を示す。この図において、1は排ガス脱硫装置、
1’は密閉槽、2は第1隔板、3は第2隔板、4は天
板、5は第1室、6は第2室、7は第3室、8は排ガス
導入ダクト、9は排ガス分散管、10は排ガス上昇筒、
11は排ガス導出ダクト、12はミストエリミネータ、
13は液抜出し管、14は洗浄液槽、15はポンプ、1
6は液供給管、17は液スプレーノズル、18は吸収剤
供給管、19は液補給管、21は酸素含有ガス供給管、
22は酸素含有ガス噴出ノズル、23は排液管、24は
撹拌機、25は液導管、26は排ガス流路変更部材、3
1は冷却除塵塔、32は排ガス導入ダクト、33は液抜
出し管、34はポンプ、35は液供給管、36は液スプ
レーノズル、L1は吸収液、L2は洗浄液、L3は冷却液
を各示す。
【0011】図1に示す排ガス処理装置1は、大型の密
閉槽1’から構成され、その槽の内部は、第1隔板2及
びその上方に位置する第2隔板3によって第1室5と第
1室の上方に隣接する第2室6と第2室の上方に隣接す
る第3室7とに区画されている。第3室の上部空間は天
板4によって密閉されている。第1隔板2は水平又はや
や傾斜したものであることができる。第2隔板3は水平
又は傾斜したものであることができ、その傾斜角は特に
制約されない。第1室5の内部には、吸収液L1が収容
され、その上部空間には液スプレーノズル29が配設さ
れている。また、第1室には、撹拌機24と、吸収液L
1中に酸素を供給する必要がある場合に用いられる酸素
含有ガス噴出ノズル22が配設されている。第2室6の
周壁には排ガス入口が配設され、この入口には排ガス導
入ダクト8が連結されている。第2室の空間には特別の
装置の配設は特に必要とはされないが、吸収液をスプレ
ーするためのスプレーノズル(図示されず)を配設する
こともできる。第3室7内には、排ガス上昇筒10の上
方に排ガス流路変更部材26が配設され、第3室上部に
は、液スプレーノーズル17が配設されている。第3室
7の上方に配設された天板4には、排ガス出口が配設さ
れ、この出口には排ガス導出ダクト11が連結され、こ
の排ガス導出ダクトリにはミストエリミネータ12が連
結されている。排ガス出口は第3室の周壁に配設するこ
とができる。密閉槽1’の外部には、第3室7の床面を
構成する第2隔板3上に滞留する洗浄液L2を液スプレ
ーノズル28、29、17に循環させるための循環ライ
ンが配設されている。この循環ラインは、液抜出し管1
3、洗浄液槽14、循環ポンプ15及び液供給管16及
び27からなる。洗浄液槽14には、補給用の液を供給
するための補給用液供給管19が連結されている。この
洗浄液槽14は、必要に応じ冷却用の熱交換器を配設す
ることができる。
【0012】第1隔板2には、第1室5と第2室6との
間を連絡する透孔が多数配設され、各透孔にはその先端
が第1室の吸収液L1中に延びる排ガス分散管9が垂設
されている。また、第1隔板2及び第2隔板3には、排
ガス上昇筒10を配設するための開口が配設され、これ
らの開口には、第1室5の上部空間に存在する排ガスを
第3室7に導入させるための排ガス上昇筒10が連結さ
れている。この場合、排ガス上昇筒10の上端は第2隔
板の表面より上方に突出し、第2隔板上の液体が第2隔
板上に一定量滞留するようになっている。排ガス上昇筒
の横断面形状は、円形や正方形、長方形等の各種の形状
であることができる。排ガス上昇筒10内には、洗浄液
をスプレーするためのスプレーノズル28が配設されて
いる。排ガス分散管9としては、下端部の周壁面にガス
噴出孔を有するものや、下端がノズル構造に形成された
もの等の各種のものを用いることができる。図2に下端
部の周壁面にガス噴出孔を有する排ガス分散管の斜視図
を示す。図2において、9は排ガス分散管を示し、37
はその下端部周壁面に形成されたガス噴出孔を示す。
【0013】排ガス流路変更部材26は、その先端が第
2隔板3の表面と排ガス上昇筒10の上端との間に位置
するガス案内壁を有する下端開口した中空構造体からな
るものである。このような中空構造の排ガス流路変更部
材においては、排ガス上昇筒を上昇してきた排ガスは、
その中空構造体の下端開口からその内部に入り、その下
面に衝突するとともに、その流路をガス案内壁により案
内される下降流となり、第3室の床面を形成する第2隔
板の上面に滞留する洗浄液と接触する。この場合の下降
流となった排ガスと第2隔板上に滞留する洗浄液との接
触には、排ガスが液中に導入され、気泡となって液中を
上昇することにより行われる接触や、下降流となった排
ガスが液表面に衝突することにより行われる接触が包含
される。
【0014】本発明で用いられる排ガス流路変更部材に
おいて、その排ガス衝突面は平面や曲面であることがで
き、また、ガス案内壁面も平面や曲面であることがで
き、その先端部にはガス噴出用の孔や切欠きを形成する
ことができる。さらに、ガス案内壁はガス衝突面の周囲
に連続又は不連続状に形成させることができる。図3〜
図11にその構造例とともに、その配置状態図を示す。
【0015】図3に示したものは、下端開口した中空球
状体構造のものであり、その中空球状体の中央部Aが排
ガス衝突部を形成し、その中央部Aより下方に延びる曲
面部Bがガス案内壁を形成する。また図2において、3
は第2隔板、10は排ガス上昇筒、Cはその上端、L2
は滞留液を示す。図3に示した排ガス流路変更部材にお
いては、ガス案内壁の先端は、滞留液L2の液面と同一
レベル又はそれよりやや下方あるいはやや上方に位置さ
せることができる。
【0016】図4に示したものは、下端開口した箱状体
のものであり、その上板Aが排ガス衝突部を形成し、そ
の上板の周縁から下方に延びる側壁Bがガス案内壁を形
成する。また、図3において、3は第2隔板、10は排
ガス上昇筒、Cはその上端、L2は滞留液を示す。図4
に示した排ガス流路変更部材においては、ガス案内壁の
先端は滞留液L2の液面と同一レベル又はそれよりやや
下方あるいはやや上方に位置させることができる。
【0017】図5に示したものは、下端開口した中空構
造体のものであり、その中央部Aが排ガス衝突部を形成
し、その中央部より下方に延びる曲面部Bがガス案内壁
を形成する。この中空構造体は、上方に突出した4つの
曲面を有するもので、その斜視図を図5(b)に示す。
また、図5において、3は第2隔板、10は排ガス上昇
筒、Cはその上端、L2は滞留液を示す。図5に示した
排ガス流路変更部材においては、ガス案内壁の先端は滞
留液L2の液面と同一レベル又はそれよりやや下方ある
いはやや上方に位置させることができる。
【0018】図6に示したものは、下端開口した中空球
状体のものであり、その中央部Aが排ガス衝突部を形成
し、その中央部から下方に延びる曲面部Bがガス案内壁
を形成する。この中空球状体は、そのガス案内壁の先端
が内側方向に向けて曲成されており、このため、中空球
状体内に導入された排ガスは渦流を形成し、滞留液をそ
の中空球状内部に巻上げる作用を示す。なお、滞留液の
巻上げ作用は、前記図3〜図5に示したものにおいて
も、そのガス案内壁の先端部を同様に内側に向けて曲成
することにより得ることができる。また、図6におい
て、3は第2隔板、10は排ガス上昇筒、Cはその上
端、L2は滞留液を示す。図6に示した排ガス流路変更
部材においては、ガス案内壁の先端は滞留液L2の液面
と同一レベル又はそれよりやや下方あるいはやや上方に
位置させることができる。
【0019】図7に示したものは、下端開口し、中央部
が曲面に形成された中空構造体のものであり、その中央
部Aが排ガス衝突部を形成し、その中央部から下方に延
びる曲面部Bがガス案内壁を形成する。この中空構造体
は、そのガス案内壁の先端部が外側に向けて曲成されて
おり、このため、中央構造体の下端開口から排ガスが吹
出す際の圧力損失が小さいという利点がある。また、図
7において、3は第2隔板、10は排ガス上昇筒、Cは
その上端、L2は滞留液を示す。図7に示した排ガス流
路変更部材においては、ガス案内壁の先端は滞留液L2
の液面と同一レベル又はそれよりやや下方あるいはやや
上方に位置させることができる。
【0020】図8に示したものは、下端開口した中空球
状体構造のものであり、その中央部Aが排ガス衝突部を
形成し、その中央部から下方に延びる曲面部Bがガス案
内壁を形成する。この中空球状体においては、そのガス
案内壁の先端部に円形状の多数のガス噴出孔Pを有し、
排ガスはこのガス噴出孔より滞留液L2中に噴出する。
また、図8において、3は第2隔板、10は排ガス上昇
筒、Cはその上端、L2は滞留液を示す。図8に示した
排ガス流路変更部材においては、ガス案内壁の先端及び
ガス噴出孔Pは滞留液L2中に位置する。
【0021】図9に示したものは、図8に示したものと
同様に、下端開口した中空球状体構造のものであり、そ
の中央部Aが排ガス衝突部を形成し、その中央部から下
方に延びる曲面部Bがガス案内壁を形成する。この中空
球状体においては、そのガス案内壁の先端に多数の切欠
部Qを有し、排ガスはこの切欠部Qより滞留液L2中に
噴出する。また、図9において、3は第2隔板、10は
排ガス上昇筒、Cはその上端、L2は滞留液を示す。図
9に示した排ガス流路変更部材においては、ガス案内壁
の先端及びその切欠部Qは滞留液L2中に位置する。
【0022】図10に示したものは、横断面が長方形状
の排ガス上昇筒に対して配設された下端開口した箱状体
のものであり、その上板Aが排ガス衝突部を形成し、そ
の上板の周縁から下方に延びる側壁B1及びB2がガス案
内壁を形成する。この箱状体において、その表面積の小
さい方の側壁B2は必要に応じて省略することができ
る。また、図10において、3は第2隔板、10は排ガ
ス上昇筒、Cはその上端、L2は滞留液を示す。図10
に示した排ガス流路変更部材においては、ガス案内壁の
先端は滞留液L2の液面と同一レベル又はそれよりやや
下方あるいはやや上方に位置させることができる。ま
た、図10に示す排ガス流路変更部材において、その側
壁B1及びB2の先端部分には、図8及び図9に示すよう
に、ガス噴出用の孔や切欠きを形成することができる。
この場合には、その側壁B1及びB2の先端及びそのガス
噴出用の孔や切欠部は滞留液L2中に位置させる。
【0023】なお、前記した各排ガス流路変更部材は、
図示されてはいないが、排ガス上昇筒に付設した支持部
材等により固定化されている。
【0024】排ガス流路変更部材26は、排ガス上昇筒
10を上昇する排ガスをその下面で受け、そのガス案内
壁により下降流に変更させ、第2隔板上の滞留液L2
接触させる作用を有するものである。この排ガス流路変
更部材26の作用により、排ガス中に含まれる粉塵を含
む液滴や亜硫酸ガスは、流路変更した排ガスと滞留液L
2との接触により、滞留液中に捕捉除去される。
【0025】本発明で用いる排ガス流路変更部材26に
対しては、その中央部に、液体を排ガス流路変更部材の
下方に液幕状又は噴霧状で分散させる液分散機構を配設
することができる。図11に、液体を液幕状に分散させ
る液体分散機構を排ガス流路変更部材の下面近傍に配設
した例を示す。この液分散機構は、排ガス流路変更部材
の中央部下方に開口する液体導入管38と、その液体導
入管の開口部を包囲する短筒39と、その短筒の先端開
口に配設した液分散板40から構成される。液分散板4
0としては、液体を放射状に分散させる構造のものであ
ればよく、例えば、図12及び図13に示す構造のもの
等であることができる。
【0026】排ガス処理装置1に対しては、必要に応
じ、その上流側に、冷却除塵塔31を配設することがで
きる。この冷却除塵塔31は、密閉筒体31’と、その
天板に連結された排ガス導入ダクト32と、密閉筒体の
下部に形成された排ガス導出口と、密閉筒体の底部に収
容する冷却液L3を密閉筒体の上部に循環させる冷却液
循環ラインと、冷却液L3をスプレーさせるスプレーノ
ズル36から構成される。また、冷却液循環ラインは、
冷却液抜出し管33と循環ポンプ34と冷却液供給管3
5から構成される。
【0027】図1に示した装置系を用いて排ガスを処理
するには、排ガスを排ガス導入ダクト32を介して冷却
除塵塔31内に導入する。冷却除塵塔31では、冷却液
3が冷却液抜出し管33、循環ポンプ34及び冷却液
供給管35を通してスプレーノズル36からスプレーさ
れており、冷却除塵塔31内に導入された排ガスは、こ
のスプレーされた冷却液と接触し、排ガスの除塵ととも
に、排ガスの冷却増湿が行われる。冷却液としては、水
や、アルカリ性水溶液、吸収液等が用いられる。
【0028】冷却除塵塔31で処理された排ガスは、そ
の冷却除塵塔31の下部に連結された排ガス脱硫装置1
の密閉槽1’に連絡する排ガス導入ダクト8を介して、
第2室6内に導入し、ここから排ガス分散管9を介して
第1室5内の吸収液L1中に吹込まれる。吸収液L1中に
吹込まれた排ガスは気泡となって上昇し、その排ガス分
散管のガス噴出孔より上方には気泡と吸収液との混合相
からなるフロス層が形成される。排ガスが吸収液中を気
泡として上昇する間に排ガス中に含まれている亜硫酸ガ
スや粉塵等の汚染物質は吸収液に捕捉され、排ガス中か
ら除去される。
【0029】このようにして浄化された排ガスは、フロ
ス層から上部空間に放散され、この空間においてスプレ
ーノズル29によりスプレーされる洗浄液の液滴と接触
した後、排ガス上昇筒10を通って第3室7に導入され
る。排ガス上昇筒10を上昇する排ガスには、その排ガ
ス上昇筒内に配設されたスプレーノズル28を介して洗
浄液が液滴状に噴霧され、排ガスはこの洗浄液の液滴と
接触して排ガス中の汚染物が排ガスから分離される。こ
の場合、洗浄液としては、冷却されたものを用いること
により、排ガス中からの粉塵除去率は向上する。第3室
内には、その床面を形成する第2隔板3の上面に滞留す
る洗浄液L2を抜出すための液抜出し管13、洗浄液槽
14、ポンプ15、液供給管16を通って循環される洗
浄液がスプレーノズル17からスプレーされている。第
3室に導入された排ガスはこの洗浄液の液滴(平均径:
200〜4000μm)と接触し、排ガス中に残存する
粉塵を含む液滴や亜硫酸ガスがその液滴に捕捉され、排
ガス中から除去される。また、第3室内には、排ガス上
昇管10の上方に、排ガス流路変更部材26が配設され
ており、排ガス上昇筒10を上昇してきた排ガスはこの
排ガス流路変更部材と衝突し、排ガス中に含まれる粉塵
を含む液滴及び粉塵を含まない液滴はその流路変更部材
の下面に付着し、排ガス中から分離され、そのガス案内
壁面に沿って流下する。一方、流路変更部材と衝突した
後の排ガスは、そのガス案内壁に案内されて下降流とな
り、第3室の床面を形成する第2隔板3上の滞留液と接
触し、排ガス中に含まれる粉塵を含む液滴及び亜硫酸ガ
ス等の汚染物質がこの滞留液に捕捉除去される。
【0030】第3室内の排ガスは第3室の上方に配設さ
れた天板4の開口部に連結された排ガス導出ダクト11
を通って槽外へ抜出され、ミストエリミネータ12に導
入され、ここでそのガス中に含まれていた粉塵を含む液
滴や粉塵を含まない液滴等が除去された後、大気へ放出
される。ミストエリミネータ12の下流側に集塵装置を
配設することにより、粉塵を含む液滴を高率で捕集する
ことができる。スプレーノズル17から液滴状でスプレ
ーされた洗浄液は第2隔板3の上面に落下滞留し、ここ
から液抜出し管13を通って洗浄液槽14へ返送され
る。
【0031】洗浄液槽14は、第3室の床面を形成する
第2隔板3の上面に滞留する液L2を一時的に貯留させ
る貯槽としての作用とともに、補給用の洗浄液の受槽と
しての作用を示す。補給用の洗浄液は、洗浄液槽14に
対し、導管19を通して供給される。この洗浄液槽14
に冷却用の熱交換器を配設することにより、冷却された
洗浄液を得ることができる。
【0032】スプレーノズル17に循環される洗浄液の
一部は、これを循環ライン、例えば、液抜出し管13
や、図1に示すように液供給管16から抜出し、系外へ
排出させることができるが、好ましくは図1に示すよう
に、導管25を通って吸収液L1中に導入させる。この
ような操作により、スプレーノズル17に循環される洗
浄液の成分組成を常に所定の範囲に保持し、液中の粉塵
濃度を常に低く抑えることができる。
【0033】第3室7内には、必要に応じ、その第2隔
板3とスプレーノズル17との間に、充填層を配設する
ことができる。この場合の装置の模式図を図14に示
す。図14において、30は充填層を示し、55は吸収
液の静止液面を示し、Aは排ガス分散管9のガス噴出孔
37より上方に形成された気液混合物からなるフロス層
を示す。図14に示した符号において、図1に示したも
のと同じ符号は同じ意味を示す。第3室7内に充填層3
0を配設するときには、排ガス上昇管10を通って第1
室5から第3室7に上昇してきた排ガスは、スプレーノ
ズル17からスプレーされた洗浄液が流下する充填層3
0を通過し、次いでスプレーノズル17からスプレーさ
れている洗浄液の液滴と接触した後、排ガス導出ダクト
11から排出される。そして、排ガスが充填層を通過す
る際には、排ガスは充填層内の充填材表面を流下する洗
浄液と効率よく接触し、排ガス中に含まれている粉塵を
含む液滴及び亜硫酸ガスが効率よく除去されることか
ら、充填層を配設しない場合に比べて、より高い脱硫率
と除塵率が得られる。なお、充填層を配設した場合に
は、洗浄液は、スプレーノズルの他に、液分散板や液分
散筒等を用いて充填層に供給することができる。
【0034】充填層30に用いる充填材としては、従来
公知の各種のもの、例えば、ラシッヒリング、テラレッ
ト、ポールリング、サドル、レッシングリング、木格子
等を挙げることができる。充填層30の厚さは特に制約
されず、適宜決められるが、通常は0.5〜5mであ
る。充填層は、多孔板上に充填して形成されることがで
きるし、内面に金網を積層した多孔板上に充填して形成
させることもできる。
【0035】本発明で用いる吸収液は、亜硫酸ガスに反
応性を示す各種のものが用いられる。このようなものと
しては、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金
属化合物等のアルカリ性物質を含む溶液やスラリーが用
いられ、特に水酸化カルシウムスラリーや、炭酸カルシ
ウムスラリーが用いられる。また、吸収液として炭酸カ
ルシウムスラリーや水酸化カルシウムスラリーを用いる
場合、これらのカルシウム化合物は亜硫酸ガスと反応し
て亜硫酸カルシウムを形成するが、この場合、吸収液中
に空気や酸素を導入することにより、硫酸カルシウム
(石コウ)を得ることができる。
【0036】洗浄液としては、液体であればどのような
ものでも用いることができる。このような洗浄液は、亜
硫酸ガスに対して反応性を示すアルカリ性の液体が好ま
しく用いられるが、また、水、海水等の入手容易な任意
の液体を用いることもできる。特に水の使用は、その液
滴が処理した排ガス中に残存しても粉塵とならないので
好ましい。また、洗浄液としては、例えば、Ca(O
H)2やCaCO3、Mg(OH)2等のカルシウム化合
物やマグネシウム化合物の水溶液;NaOH、KOH等
のアルカリ金属水酸化物の水溶液;NaHCO3、Na2
CO3、KHCO3、K2CO3等のアルカリ金属炭酸塩の
水溶液;排ガスと吸収液との反応により生成した石こう
を含むスラリーから石こう等の固形物を分離した後の母
液等を用いることもできる。アルカリ性水溶液は、排ガ
ス中の亜硫酸ガスを中和し、亜硫酸ガスによる装置腐食
を防止するのでその使用は好ましいものである。
【0037】洗浄液としては、特に、アルカリ金属水酸
化物を含む水溶液の使用が好ましい。このようなアルカ
リ性の強いアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いるとき
には、アルカリ金属水酸化物は、排ガス中に含まれてい
るCO2を吸収して炭酸塩として冷却液中に溶解し、p
H緩衝作用を発現し、亜硫酸ガスの吸収に適した高いp
H条件で排ガスと接触することから、排ガス中の亜硫酸
ガスを効率よく、しかも排ガス中の亜硫酸ガスを極めて
低濃度になるまで吸収除去することができ、その上、そ
の使用量が少なくてすむという利点が得られる。また、
アルカリ金属の炭酸塩や水酸化物等の水溶液を用いる場
合には、カルシウム化合物を含むスラリー液を用いる場
合に見られたような配管内面へのスケール発生の問題を
回避することができるという利点もある。
【0038】図1に示した排ガス処理装置系は、種々変
更させることができ、その例を図15に示す。図15に
おいて、図1に示したものと同じ符号は同じ意味を有す
る。この図15に示した排ガス処理装置系は、洗浄液槽
14のほかに、シックナー47と洗浄液調製槽52を備
えている。この装置系においては、第2隔板3上の滞留
液は、導管13を通って洗浄液槽14に導入され、ここ
で、冷却媒体が流通されている伝熱管41により所定の
温度に冷却される。また、この洗浄液槽14において
は、空気がその配管44を通ってスプレーノズル45か
ら液内に噴出されている。この液中への空気の吹込みに
よって、液中に含まれている亜硫酸イオンは硫酸イオン
に酸化され、洗浄液の亜硫酸ガス吸収能が向上し、脱硫
率の向上を得ることができる。
【0039】洗浄液槽14内の冷却液の一部は、ポンプ
15及び液供給管27を通って抜出され、スプレーノズ
ル28に供給される。また、洗浄液槽14内の冷却液の
他の一部は、導管46を通ってシックナー47に導入さ
れ、ここで液中に含まれている粉塵やカルシウム化合物
等の固体物質が沈降分離される。沈降分離された固体物
質は、スラリー状態で、ポンプ49及び導管48を通っ
て第1室5の吸収液中へ導入されるが、このものは系外
へ排出することもできる。なお、シックナー47に代え
て、遠心分離や濾過等の固液分離手段を用いることもで
きる。また、凝集剤を用いて、固形物の分離を完全にか
つ簡易に行なうこともできる。
【0040】洗浄液調製槽52に対しては、前記シック
ナー47で固体物質の分離された後の残液、補給水及び
アルカリ性物質がそれぞれ導管51、53及び54を通
って供給され、ここで所定濃度のアルカリ性水溶液(洗
浄液)が調製される。補給水としては、固体物質濃度が
1000mg/リットル以下、好ましくは500mg/
リットル以下の任意の水又は水溶液が用いられ、このよ
うなものとしては、工業用水、海水、工場排水、吸収液
を固液分離した後の母液等が挙げられる。また、アルカ
リ性物質としては、水に対する溶解度の高い、例えば、
NaOH、Na2CO3、NaHCO3、Ca(OH)2
Mg(OH)2等が挙げられる。アルカリ性物質は、固
液状、スラリー状又は溶液状でアルカリ性水溶液調製槽
50に供給される。
【0041】洗浄液調製槽52において調製された洗浄
液は、洗浄液槽14内の冷却液よりも高い温度を有する
もので、その温度は冷却液の温度よりも、5〜20℃程
度高い温度であるのが好ましい。この洗浄液は、ポンプ
55及び導管16を通って第3室7の上部に配設された
スプレーノズル17から第3室内にスプレーされる。第
3室内に存在する粗大液滴を含む冷却された排ガスは、
それより温度の高いスプレーノズル17からスプレーさ
れた洗浄液の液滴と接触する。この場合の接触は冷却さ
れた排ガスとそれより温度の高い液滴との接触であるた
め、排ガスはその接触により容積膨張を生じ、液滴と激
しく接触し、排ガスと液滴との接触効率は向上する。そ
の結果、排ガス中に含まれている粗大液滴は、このスプ
レーノズル17によって形成された液滴と合体し、さら
に大きな液滴となって隔板3上に落下するとともに、排
ガス中に含まれている亜硫酸ガスや粉塵もこのスプレー
ノズル17によって形成された液滴に捕捉され、隔板3
上に落下する。また、前記のようにして、冷却された洗
浄液よりも温度の高い洗浄液をスプレーするときには、
その洗浄液は温度が高いために表面張力が小さく、冷却
された洗浄液をスプレーする場合よりも小さな動力でス
プレーし得るという利点もある。
【0042】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0043】実施例1 図1に示した排ガス処理装置(但し、スプレーノズル2
9を省略)1を用いて、SO2:700volppm、
粉塵:150mg/Nm3、O2:5vol%を含む排煙
をあらかじめ冷却除塵塔で処理した後、脱硫処理した。
この場合の脱硫装置1の装置条件を示すと次の通りであ
る。 (1)密閉槽1の直径:1.2m (2)第1室5の高さ:4m (3)第2室6の高さ:2m (4)第3室7の高さ:2.5m (5)排ガス分散管9の直径:4インチ及び本数:8本 (6)排ガス上昇管10の直径:350mm及び本数:
1本 (7)排ガス流路変更板の構造:図3に示した構造のも
の (8)第1室5における吸収液の静止液面の高さ:2m また、排ガス分散管9としては、図2に示す構造のもの
を用い、その下端部周壁面に設けたガス噴出孔37の位
置は、吸収液面下220mmの位置に設定した。
【0044】図1に示す構造の密閉槽1’の第1室5内
に、あらかじめ、吸収液として、石こう濃度:20重量
%の水スラリー液を高さ2mになるように収容させた。
次に、あらかじめ冷却除塵塔で処理した排ガス(S
2:680volppm、粉塵:40mg/Nm3を、
この装置の排ガス導入ダクト8から3500Nm3/h
の供給量で第2室6内に供給した。この場合、吸収液の
静止液面下1500mmの位置に配設した酸素含有ガス
噴出ノズル22から空気を1.5Nm3/hで噴出させ
るとともに、撹拌機24を回転させて吸収液の撹拌を行
った。また、第1室5内の吸収液L1に対しては、排液
管23を通して石こう濃度の高い吸収液を抜出し、石こ
うを分離した液に炭酸カルシウムを添加混合して、pH
が4.5を維持するように吸収液導入管18より供給し
た。この場合の吸収液の温度は46℃であった。
【0045】さらに、密閉槽1’の外部に設置した洗浄
液槽14内の温度43〜46℃の0.02mol/Lの
NaOH水溶液をポンプ15により抜出し、排ガス上昇
筒10内のスプレーノズル28に3.5m3/h及び第
3室7内に2段に配設したスプレーノズル17(第2隔
板上1.5mの高さ)から7m3/hでそれぞれスプレ
ーさせた。第2隔板上の滞留液は、第3室下部に設けら
れた液排出ノズルより洗浄液槽14に返送した。スプレ
ーする洗浄液のpHは排ガスの処理と共に速やかに低下
するため、20wt%NaOH水溶液を洗浄液槽14に
供給し、スプレー用洗浄液のpHを7.5に維持させる
と共に、洗浄液の増加分は密閉槽1’の第1室5内に供
給した。
【0046】前記のようにして排ガスを処理した結果、
ミストエリミネータ12を通過した排ガス中の粉塵濃度
は2.7mg/Nm3及びSO2濃度は8ppmであり、
98.9%の高脱硫率と98.2%の高除塵率を得るこ
とができた。また、消費動力は、排ガス流路変更部材を
用いない場合に比較して、同一の除塵率を得るための動
力基準で、18%削除することができた。
【0047】次に、洗浄液として、吸収液温度より低い
39℃のものを用いた以外は同様にして排ガスの処理を
行なったところ、その脱硫率は99.1%及び除塵率は
99.1%であった。
【0048】実施例2 図15に示した排ガス処理装置1を用いて、SO2:7
00volppm、粉塵:150mg/Nm3、O2:5
vol%を含む排煙をあらかじめ冷却除塵塔で処理した
後、脱硫処理した。排ガス分散管9としては、図2に示
す構造のものを用い、その下端部周壁面に設けたガス噴
出孔37の位置は、吸収液面下220mmの位置に設定
した。
【0049】図15に示す構造の密閉槽1’の第1室5
内に、あらかじめ、吸収液として、石こう濃度:20重
量%の水スラリー液を高さ2mになるように収容させ
た。次に、あらかじめ冷却除塵塔で処理した排ガス(S
2:680volppm、粉塵:40mg/Nm3を、
この装置の排ガス導入ダクト8から3500Nm3/h
の供給量で第2室6内に供給した。この場合、吸収液の
静止液面下1500mmの位置に配設した酸素含有ガス
噴出ノズル22から空気を1.5Nm3/hで噴出させ
るとともに、撹拌機24を回転させて吸収液の撹拌を行
った。また、第1室5内の吸収液L1に対しては、排液
管23を通して石こう濃度の高い吸収液を抜出し、石こ
うを分離した液に炭酸カルシウムを添加混合して、pH
が4.5を維持するように吸収液導入管18より供給し
た。この場合の吸収液の温度は46℃であった。
【0050】さらに、密閉槽1’の外部に設置した洗浄
液槽14(伝熱管により冷却するとともに空気を液中に
噴出させた)にあらかじめ充填しておいた洗浄液として
の温度30℃の0.02mol/LのNaOH水溶液を
ポンプ15により抜出し、排ガス上昇筒10内のスプレ
ーノズル28に7m3/hでスプレーし、一方、洗浄液
調製槽50内の温度30℃の洗浄液を第3室7内に2段
に配設したスプレーノズル17(第2隔板上1.5mの
高さ)から9m3/hでそれぞれスプレーさせた。第2
隔板上の滞留液は、第3室下部に設けられた液排出ノズ
ルより洗浄液槽14に返送した。
【0051】前記のようにして排ガスを処理した結果、
ミストエリミネータ12を通過した排ガス中の粉塵濃度
は0.6mg/Nm3及びSO2濃度は2ppmであり、
99.7%の高脱硫率と99.6%の高除塵率を得るこ
とができた。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、従来法では達成困難な
高除塵率及び高脱硫率を格別の処理コストの増加を必要
とせずに、低消費動力で容易に得ることができ、その産
業的意義は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】排ガス処理装置系の1例についての模式図を示
す。
【図2】排ガス分散管の斜視図を示す。
【図3】排ガス流路変更部材の1例についての構造説明
図とその配置状態図。
【図4】排ガス流路変更部材の1つの例についての構造
説明図とその配置状態図を示す。
【図5】排ガス流路変更部材の他の例についての構造説
明図とその配置状態図を示す。
【図6】排ガス流路変更部材のさらに他の例についての
構造説明図とその配置状態図を示す。
【図7】排ガス流路変更部材のさらに他の例についての
構造説明図とその配置状態図を示す。
【図8】排ガス流路変更部材のさらに他の例についての
構造説明図とその配置状態図とその配置状態図を示す。
【図9】排ガス流路変更部材のさらに他の例についての
構造説明図とその配置状態図を示す。
【図10】排ガス流路変更部材のさらに他の例について
の構造説明図とその配置状態図を示す。
【図11】液分散機構を配設した排ガス流路変更部材の
説明図を示す。
【図12】液分散板の1つの例についての斜視図を示
す。
【図13】液分散板の他の例についての斜視図を示す。
【図14】排ガス処理装置系の他の例についての模式図
を示す。
【図15】排ガス処理装置系のさらに他の例についての
模式図を示す。
【符号の説明】
1 脱硫装置 1’ 密閉槽 2 第1隔板 3 第2隔板 4 天板 5 第1室 6 第2室 7 第3室 8 排ガス導入ダクト 9 排ガス分散管 10 排ガス上昇筒 11 排ガス導出ダクト 12 ミストエリミネータ 13 液抜出し管 14 洗浄液槽 15 ポンプ 16 液供給管 17 液スプレーノズル 18 吸収剤導入管 19 洗浄液補給管 26 排ガス流路変更部材 30 充填層 39 ガス噴出孔 40 液分散板 41 伝熱管 45 空気スプレーノズル 47 シックナー 52 洗浄液調製槽 L1 吸収液 L2 洗浄液 L3 冷却液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/34 ZAB (72)発明者 武田 大 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 岩▲崎▼ 守 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 木村 隆志 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガス中に含まれている粉塵と亜硫酸ガ
    スを除去する方法において、 (i)第1隔板とその上方に位置する第2隔板とによっ
    てその内部が第1室と第1室の上方に隣接する第2室と
    第2室の上方に隣接する第3室とに区画された密閉槽に
    おけるその第2室に排ガスを供給すること、 (ii)第2室に供給された排ガスを第1隔板に形成され
    た透孔に垂設された排ガス分散管を通して第1室に収容
    されている吸収液中に吹込むこと、 (iii)第1室の上部空間に存在する排ガスを第1室と
    第3室との間を連絡し、その上端が第2隔板表面より上
    方に位置する排ガス上昇筒内を上昇させること、 (iv)第1室の上部空間に存在する排ガス中及び/又は
    排ガス上昇筒を上昇する排ガス中に洗浄液をスプレー
    し、排ガスを洗浄液の液滴と接触させること、 (v)排ガス上昇筒を通して第3室に上昇してきた洗浄
    液の液滴を含む排ガスをその排ガス上昇筒の上方に配設
    されているその先端が第2隔板表面と排ガス上昇筒の上
    端との間に位置するガス案内壁を有する排ガス流路変更
    部材に衝突させてその排ガス流路を下降流となし、第2
    隔板上に滞留している洗浄液に接触させること、 (vi)第3室内の排ガスを第3室に配設された排ガス
    出口から排出させること、 (vii)第3室から排出された排ガスをミストエリミネ
    ータを通過させること、を特徴とする排ガスの処理方
    法。
  2. 【請求項2】 第3室内に導入された排ガスを、第3室
    内上部に配設されたスプレーノズルによりスプレーされ
    た洗浄液の液滴と接触させる請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 排ガス流路変更部材の下面近傍に液分散
    機構を配設し、その液分散機構から洗浄液を分散させる
    とともに、排ガス上昇筒を上昇してくる排ガスをこの分
    散化された洗浄液と接触させる請求項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】 洗浄液中の固形分濃度が1000mg/
    リットル以下である請求項1〜3のいずれかの方法。
  5. 【請求項5】 洗浄液がアルカリ性水溶液である請求項
    1〜4のいずれかの方法。
  6. 【請求項6】 第3室の床面を形成する第2隔板上の滞
    留液を洗浄液槽に導入し、ここで貯留した後、再び排ガ
    ス用洗浄液として使用する請求項1〜5のいずれかの方
    法。
  7. 【請求項7】 洗浄液槽内の洗浄液の一部を固液分離装
    置に導入し、ここで固液分離するとともに、固体物質を
    分離した後の残液にアルカリ性水溶液を混合して洗浄液
    を調製し、この洗浄液を第3室内上部に配設したスプレ
    ーノズルからスプレーさせる請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 洗浄液が吸収液よりも低い温度を有する
    請求項1〜7のいずれかの方法。
  9. 【請求項9】 第1室の上部空間に存在する排ガス中及
    び/又は排ガス上昇筒を上昇する排ガス中に吸収液より
    低い温度の洗浄液をスプレーし、第3室内に導入された
    排ガス中にその冷却された洗浄液より高い温度の洗浄液
    をスプレーさせる請求項1の方法。
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