JP3757437B2 - 活性炭触媒反応装置およびこれを用いた排煙脱硫装置並びに脱硫方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、排ガス等の被処理ガス中に含まれる亜硫酸ガス等を除去するための活性炭触媒反応装置およびこれを用いた排煙脱硫装置並びに脱硫方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ボイラー、各種加熱炉あるいは焼却炉等の排ガス中から亜硫酸ガス等の有害成分を除去するための排煙脱硫装置の一種として、上記排ガス中に含まれる亜硫酸ガス(SO2)を、石灰石(CaCO3)を溶解または懸濁した水溶液からなる吸収液と接触させて中和することにより、上記吸収液中に吸収・除去するものが広く知られている。この種の排煙脱硫装置によれば、上記排ガス中に含まれる亜硫酸ガスのうちの概ね90〜95%を除去することができる。
ところが、上記排ガスは全体としての排出量が極めて大きいために、5〜10%とは言え、その総量を考慮すると除去されずに大気に放出された上記亜硫酸ガスが大気中の亜硫酸ガス濃度に影響を与えることは否定し得ない。このため、近年においては、酸性雨対策等の環境保全からの強い要請により、大気に放出する上記亜硫酸ガスの総量を規制すべく、上記排ガスからより一層の亜硫酸ガスを除去し得る排煙脱硫装置の開発が望まれている。
【0003】
そこで、本発明者等は、かかる要請に基づき鋭意研究を重ねた結果、これまで専ら吸着剤として用いられていた活性炭のうち、所定の特性を有するものによれば、特に排ガス中の亜硫酸ガスの濃度が100ppm以下の条件下において、これが触媒として作用することによって上記亜硫酸ガスが酸素により酸化され、当該排ガス中の水分により希硫酸となって除去することができ、よって再生操作を要することなく長期間にわたって高い脱硫率が得られるという知見を得、この知見に基づいて、先に特願平6−60334号において提案した脱硫方法を開発するに至った。
図19は、このような脱硫方法を実施するための脱硫装置の一例を示すもので、図中符号1が、内部に上記活性炭層2が設けられた活性炭充填塔である。この活性炭充填塔1の上部には被処理ガスの供給管3が接続され、下部側壁には排出管4が接続されている。また、上記活性炭充填塔1の下部は、生成された希硫酸の収納部5とされており、その底部には希硫酸の排出管6が設けられている。また、上記活性炭層2の上方には、当該活性炭層2を洗浄するための洗浄液スプレー管7が配設されている。
【0004】
上記構成からなる脱硫装置を用いて、100ppm以下の低濃度の亜硫酸ガスを含む被処理ガスから当該亜硫酸ガスを脱硫するには、上記被処理ガスを供給管3から活性炭充填塔1内に導入し、活性炭層2を通過させるとともに、これと並行して洗浄液スプレー管7から洗浄液を上記活性炭層2の上面に向けて散布する。すると、被処理ガスは、活性炭層2において活性炭の触媒作用により、当該被処理ガス中に含まれる亜硫酸ガス(SO2)が活性炭表面において酸化されてSO3になり、さらにこのSO3が活性炭表面に吸着された被処理ガス中の水分によって、H2SO4になるとともに希釈されて希硫酸となり、下方の収納部5に流下して排出管6から塔外に排出される。他方、上記活性炭層2において亜硫酸ガスが除去された被処理ガスは、排出管4から排気されるとともに、上記被処理ガスに同伴して活性炭層2に捕集された固体微粒子は、洗浄液スプレー管7からの洗浄液とともに上記収納部5に流下し、希硫酸とともに排出される。
【0005】
したがって、このような脱硫方法によれば、活性炭を吸着剤としてではなく、触媒として用いているので、再生を目的とした加熱還元除去や水洗、乾燥等の処理を要することなく、このような低濃度の亜硫酸ガスを含む被処理ガスから長時間にわたって連続的に高い効率で当該亜硫酸ガスを除去することができるという利点がある。
このため、当該脱硫方法を、従来の排煙脱硫装置において吸収液によって脱硫され、亜硫酸ガス濃度が100ppm以下になった一次処理ガスの二次脱硫処理として用いれば、装置の極端な大型化や必要動力の大幅な増加を招くことなく、経済的に、かつ高い効率で排ガス中に含まれる亜硫酸ガスを除去することが可能となるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、当該脱硫方法を実施するために、図19に示したような、脱硫装置を使用しようすると、活性炭層2における一次処理ガスの通過断面積が小さいため、多量の一次処理ガスと活性炭とを充分に接触させるためには、いきおい活性炭層2の高さ寸法を大きくする必要があり、この結果当該活性炭層2における一次処理ガスの圧力損失が大きくなって、上記一次処理ガスを送気するための送気ファンの大型化を招き、よって装置全体の消費動力が増加してしまうという問題点があった。
このため、上記圧力損失を抑えるために、活性炭層2を厚さ寸法が小さく、かつ通過断面積が大きい薄板状に形成することも考えられるが、上記脱硫装置として広い面積を必要とすることになり、よって装置が極めて大型化してしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、活性炭層を用いた前記脱硫方法が有する利点を生かし、かつ上述したような脱硫装置が有する課題を有効に解決すべくなされたもので、装置の大型化や動力消費の増大を招くことなく、被処理ガスから高い効率で亜硫酸ガスを除去することができる活性炭触媒を用いた反応装置およびこれを組み込んだ排煙脱硫装置並びに脱硫方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る活性炭触媒反応装置は、100volppm以下の亜硫酸ガスと、酸素および水分とを含む被処理ガスから上記亜硫酸ガスを除去する活性炭触媒反応装置であって、接触硫酸化速度Rが5μmol/g/hr 以上である活性炭が充填され、それぞれの長手方向の側壁を被処理ガスの流れ方向に沿わせて当該流れ方向と交差する方向に複数配設され、かつ上記側壁と交差する厚さ方向に被処理ガスが通過するように設けられた活性炭触媒層と、この活性炭触媒層で上記活性炭を触媒とする亜硫酸ガスと酸素との接触酸化反応により生成した希硫酸を連続的に排出する希硫酸回収手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0009】
ここで、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の活性炭が、ヤシ殻活性炭、木材からの活性炭、コールタール系ピッチからの活性炭、石油ピッチからの活性炭、石炭からの活性炭および活性コークスから選択される一種または複数種からなり、かつ接触硫酸化速度Rが5μmol/g/hr 以上であることを特徴とするものである。なお、上記活性炭の特性を規定する接触硫酸化速度Rとは、活性炭単位質量当たりの希硫酸の生成速度をいうものである。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、活性炭触媒層として、各々の厚さ寸法が0.2〜2mで、かつ通過する被処理ガスの空塔速度が0.1〜2.0m/sである断面積を有するものを、上記被処理ガスの流れ方向と交差する方向に互に並行に配設したことを特徴とするものであり、さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の活性炭が、最大外形寸法が0.1〜20mmであることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4のいずれかに記載の各活性炭触媒層として板状のものを用い、隣接する活性炭触媒層の流れ方向の先端側端部間および基端側端部間に、交互に当該端部間を閉塞する仕切板を設けたことを特徴とするものである。この際に、請求項6に記載の発明は、上記請求項5に記載の活性炭触媒層が、被処理ガスの流れ方向に沿って上記側壁を上下方向に向けて配設されており、かつ上記希硫酸回収手段が、活性炭触媒層の下端部同士を連結する仕切板に形成されて希硫酸を集液する樋状部と、この樋状部で集液された上記希硫酸を排出する流下管とを備えてなることを特徴とするものであり、他方請求項7に記載の発明は、上記請求項5に記載の活性炭触媒層が、上記流れ方向に沿って側壁を水平方向に向けて配設されており、かつ上記希硫酸回収手段が、上記活性炭触媒層の下面側下方に設けられて希硫酸を集液する受皿と、この受皿で集液された上記希硫酸を排出する流下管とを備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
さらに、請求項8に記載の発明は、上記請求項5に記載の各活性炭触媒層として円筒状のものを用い、その側壁を上記流れ方向に沿わせて配設するとともに、上記流れ方向の基端側を開口させ、かつ先端面を閉塞したことを特徴とするものである。
そして、請求項9に記載の発明は、上記請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、上記活性炭触媒層を洗浄する洗浄手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
次いで、請求項10に記載の本発明に係る排煙脱硫装置は、排ガスを吸収部において吸収液と接触させて亜硫酸ガスを除去するとともに、当該排ガス中の亜硫酸ガスを吸収した上記吸収液を吸収液槽に貯留する湿式の排煙脱硫装置において、上記排ガス流路の上記吸収部の下流側に請求項1ないし9のいずれかに記載の活性炭触媒反応装置を設け、かつ上記活性炭触媒反応装置の希硫酸回収手段を、上記吸収液槽に導いたことを特徴とするものである。
上記請求項10に記載の発明において、請求項11に記載の発明は、上記活性炭触媒反応装置が、上記吸収部と吸収液槽とが設けられた吸収塔の排ガス出口側配管に接続されていることを特徴とするものであり、他方請求項12に記載の発明は、上記活性炭触媒反応装置が、上記吸収部と吸収液槽とが設けられた吸収塔内に配設されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項13に記載の発明は、隔壁となる下部デッキおよび上部デッキにより、下部デッキの下方に位置する吸収液槽と、上下部デッキ間にあって排ガスダクトが接続された入口プレナムと、上部デッキ上方にあって排ガスダクトと連通する出口プレナムとに画成され、下部デッキに穿設された複数の開口部に、下端開口部が上記吸収液槽内の吸収液面より下方に位置し、かつ下端外周壁に排ガスの噴出孔が形成されたスパージャーパイプが垂設されるとともに、下部デッキと上部デッキとの間に、上記吸収液槽の吸収液面上の空間を出口プレナム側に連通させるガスライザーが配設された反応槽を有する排煙脱硫装置において、上記出口プレナム内に上記請求項1ないし9のいずれかに記載の活性炭触媒反応装置を設け、かつ上記希硫酸回収手段を上記吸収液槽に導いたことを特徴とするものである。
【0015】
そして、請求項14に記載の発明は、上記請求項10〜13のいずれかに記載の活性炭触媒層を洗浄する洗浄手段を設け、この洗浄手段における洗浄液が、上記吸収液槽内の吸収液石膏スラリーを脱水して得られた母液を、上記吸収塔へ戻すための吸収液戻りラインから供給されていることを特徴とするものである。
【0016】
次に、請求項15に記載の本発明に係る脱硫方法は、100volppm以下の亜硫酸ガスと、酸素および水分とを含む被処理ガスを、接触硫酸化速度Rが5μmol/g/hr 以上である活性炭が充填され、それぞれの長手方向の側壁を上記被処理ガスの流れ方向に沿わせて当該流れ方向と交差する方向に複数配設された活性炭触媒層の上記側壁と交差する厚さ方向に、接触脱硫率Yが少なくとも80%となるように通過させることにより、上記活性炭触媒層において亜硫酸ガスと酸素とを接触酸化させて三酸化イオウに変換させるとともに、この三酸化イオウを水分と反応させて希硫酸を生成させ、得られた上記希硫酸を上記活性炭触媒層から連続的に分離することを特徴とするものである。
【0017】
ここで、請求項16に記載の発明は、上記請求項15に記載の活性炭として、ヤシ殻活性炭、木材からの活性炭、コールタール系ピッチからの活性炭、石油ピッチからの活性炭、石炭からの活性炭および活性コークスから選択される一種または複数種からなり、かつ接触硫酸化速度Rが5μmol/g/hr 以上であるものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項17に記載の発明は、請求項15または16に記載の被処理ガスを、上記活性炭触媒層に接触脱硫率Yが少なくとも80%となるように通過させることを特徴とするものである。
【0018】
さらに、請求項18に記載の発明は、被処理ガスに吸収液を接触させて得られた100volppm以下の亜硫酸ガスと、酸素および水分とを含む一次処理排ガスを、上記請求項15ないし17のいずれかに記載の脱硫方法によって二次脱硫処理するとともに、これと並行して上記二次脱硫処理において生成した希硫酸を、上記一次処理において上記被処理ガス中の亜硫酸ガスを吸収した吸収液を貯留する吸収液槽に導入することを特徴とするものである。
ここで、請求項19に記載の発明は、上記請求項18に記載の吸収液が、石灰石の水性スラリー液であり、上記吸収液槽において、上記吸収液と亜硫酸ガスとの反応によって得られた中和物を酸化して石膏を生成させることを特徴とするものである。
【0019】
また、上記請求項18または19に記載の発明において、請求項20に記載の発明は、上記活性炭触媒層を、水で洗浄するとともに、洗浄後の排液を上記吸収液槽に導入することを特徴とするものであり、請求項21に記載の発明は、上記活性炭触媒層を、上記吸収液槽内の吸収液石膏スラリーを脱水して得られた母液もしくは上記母液と水との混合液で洗浄するとともに、洗浄後の排液を上記吸収液槽に導入することを特徴とするものである。
【0020】
【作用】
請求項1に記載の活性炭触媒反応装置およびこれを用いた請求項14に記載の脱硫方法によれば、100volppm以下の亜硫酸ガスと、酸素および水分とを含む被処理ガスを、複数の活性炭触媒層の厚さ方向に通過させることにより、活性炭の触媒作用により、上記活性炭触媒層において亜硫酸ガスが酸素により接触酸化されて三酸化イオウに変換し、さらにこの三酸化イオウが水分と反応して希硫酸が生成する。そして得られた希硫酸は、上記希硫酸回収手段によって活性炭触媒層から連続的に分離されてゆく。
ここで、上記被処理ガスにおける亜硫酸ガス濃度を100volppm以下としたのは、例えば1,000ppm程度の高濃度の亜硫酸ガスを含む被処理ガスを上記活性炭触媒層に通過させると、上記活性炭触媒層が吸着剤として作用し、この結果図20に示すように、流通開始時においては100%の脱硫率を示すものの、開始直後に破過して経時的に当該脱硫率が極端に低下してしまうのに対し、上記亜硫酸ガス濃度を100ppm以下の低濃度とすると、図21に示すように、上記活性炭の触媒としての機能が発揮されて、脱硫率が100%から若干低下した後も、1,000時間以上という長期間にわたって所定の高い脱硫率を保持することができるからである。
【0021】
本明細書において上記接触脱硫率Yとは、図20および図21において上記活性炭の触媒作用によって達成される脱硫率Yをいうものであり、前述した課題に対応する所望の脱硫効果を得るための当該接触脱硫率Yを得るための活性炭量等を設定すればよい。このような接触脱硫率Yは、図22に示すように、被処理ガス中の亜硫酸ガス濃度に依存するものであり、当該亜硫酸濃度が低下するにしたがって大幅に増加する。このため、本発明においては、上記亜硫酸ガスの濃度として100volppm以下と規定したのである。
【0022】
ちなみに、この接触脱硫率Yは、活性炭触媒層に対する被処理ガスの供給速度や、被処理ガスの供給量に対する活性炭触媒層の容量により適宜制御することが可能であり、請求項17に記載の発明のように、上記被処理ガスを活性炭触媒層に上記接触脱硫率Yが少なくとも80%となるように通過させることが好ましい。
【0023】
また、上記活性炭としては、請求項2または請求項16に記載の発明のように、ヤシ殻活性炭、木材からの活性炭、コールタール系ピッチからの活性炭、石油ピッチからの活性炭、石炭からの活性炭および活性コークスから選択される一種または複数種からなるものが使用可能であり、上述したように上記活性炭の特性を規定する接触硫酸化速度Rとは、活性炭単位質量当たりの希硫酸の生成速度をいうものであって、上記活性炭の種類によって異なる活性炭固有の特性値であるが、個々の活性炭に付き脱硫実験を行なうことによって求めることができるものである。請求項1または15に記載の本発明のように、被処理ガスを活性炭触媒層の活性炭と接触させて脱硫する場合には、上記接触硫酸化速度Rが大きい活性炭を選定することが重要であり、通常5μmol/g/hr 以上、好ましくは10μmol/g/hr 、さらに好ましくは20μmol/g/hr 以上の値の活性炭を使用することが望ましい。
【0024】
またこの際に、上記活性炭触媒反応装置および脱硫方法にあっては、上記被処理ガスを、その長手方向の側壁を流れ方向に沿わせて複数配設された活性炭触媒層の上記側壁と交差する厚さ方向に通過させているので、狭いスペース内において大きな通過断面積を確保することができ、よって装置の大型化を招来すること無く被処理ガスと活性炭との接触作用を増大させることができるとともに、上記厚さ寸法を小さく設定することにより、当該活性炭触媒層を通過する際の被処理ガスの圧力損失を大幅に低減化させることが可能となる。
【0025】
このような観点から、上記活性炭触媒層としては、請求項3に記載の発明のように、各々の厚さ寸法が0.2〜2mで、かつ通過する被処理ガスの空塔速度が0.1〜2.0m/sである断面積を有するものを用いることが好ましい。ちなみに、上記厚さ寸法が0.2mに満たないと、通過時の圧力損失は極めて低いものの、偏流による充分な活性炭との接触、延いては当該活性炭の触媒作用による亜硫酸ガスと酸素との反応および水分による希硫酸化が行なわれないためであり、他方上記寸法が2mを超えた場合や、通過する被処理ガスの空塔速度が2.0m/sを超えた場合には、上記圧力損失が大きくなって送気ファン等の動力の増大を招いて好ましくないからである。
【0026】
さらに、上記活性炭触媒層を構成する活性炭としては、請求項4に記載の発明のように、最大外形寸法が0.1〜20mmであるものを用いることが好適である。上記活性炭の最大外径寸法が0.1mmに満たないと、活性炭触媒層で生成した希硫酸が当該活性炭触媒層から外に流出し難くなるとともに、通過する被処理ガスの圧力損失が増加して好ましくないからであり、他方上記寸法が20mmを超えると、活性炭触媒層内における被処理ガスとの接触面積が小さくなって反応効率が低下する虞があるからである。
【0027】
このような触媒層としては、請求項5に記載の発明のように板状のものを用いることができ、この場合には、隣接する活性炭触媒層の流れ方向の先端側端部間および基端側端部間に、交互に当該端部間を閉塞する仕切板を設ければ、被処理ガスは、隣接する活性炭触媒層の開口している基端側端部の間から上記活性炭触媒層の側壁間に流入するとともに、先端部を閉塞する仕切板によって流れが阻止され、この結果全ての被処理ガスが各活性炭触媒層をその厚さ方向に通過して上述した活性炭との接触作用が行なわれる。
この際に、請求項6に記載の発明のように、上記活性炭触媒層を上下方向に向けて配設した場合には、活性炭触媒層で生成されて流下する希硫酸は、活性炭触媒層の下端部同士を連結する仕切板の樋状部で集液されて、流下管から排出される。また、請求項7に記載の発明のように、活性炭触媒層を水平方向に配設した場合には、活性炭触媒層で生成されて流下する希硫酸は、各活性炭触媒層の下面側下方に設けられた受皿に集液されて、同様に流下管から排出される。
【0028】
また、上記活性炭触媒層としては、請求項8に記載の発明のように、円筒状のものを用いてもよく、この場合には、被処理ガスの流れ方向の基端側を開口させて先端面を閉塞すれば、上記被処理ガスは、上記開口から内周部に流入し、閉塞された先端によって流れが阻止されて、全ての被処理ガスが各活性炭触媒層をその厚さ方向に通過し、上述した活性炭との接触作用が行なわれる。
なお、請求項9に記載の発明によれば、上記活性炭触媒層における亜硫酸ガスの除去と並行して、上記被処理ガスに同伴して活性炭触媒層に捕集された固体微粒子も、洗浄液とともに流下して希硫酸とともに排出される。
【0029】
次いで、請求項10に記載の排煙脱硫装置およびこれを用いた請求項18に記載の脱硫方法によれば、従来の湿式の排煙脱硫装置によって吸収液により亜硫酸ガスが100volppm以下まで除去された一次処理排ガスを、上記請求項1〜8のいずれかに記載の活性炭触媒反応装置に送ることにより、さらに当該排ガス中の亜硫酸ガスが除去される。この際に、上記一次処理において排ガスに吸収液中の水分が加えられるため、上記活性炭触媒反応装置において希硫酸が生成し易くなり、しかもその流下が円滑に行なわれる。以上の結果、装置の大型化や動力消費の増大を招くことなく、多量の排ガスから極めて高い効率で亜硫酸ガスを除去することが可能となる。
【0030】
なお、上記活性炭触媒反応装置は、請求項11に記載の発明のように吸収塔とは別体にして設けてもよく、あるいは請求項12に記載の発明のように上記吸収塔内に配設してもよい。特に、上記吸収塔内に設けた場合には、装置全体のより一層のコンパクト化を図ることが可能となる。ここで、上記活性炭触媒反応装置を吸収塔内に配設した場合に、上記吸収塔の形状としては、丸型および角型共に適用が可能であるが、角型のものを用いることが好ましい。
【0031】
一方、上記活性炭触媒反応装置において生成した希硫酸は、上記排煙脱硫装置の吸収液を貯留する吸収液槽に排出される。ここで、上記排煙脱硫装置が、例えば吸収液として水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)を用いたものである場合や、NaOH、Na2CO3を用いた場合には、上記希硫酸(H2SO4)を加えることにより無害な硫酸マグネシウム(MgSO4)等として固定されるために、いずれも海等へ放流処分することが可能となる。
また、請求項19に記載の発明のように、上記吸収液が石灰石(CaCO3)の水性スラリー液である場合には、上記希硫酸を吸収液槽に導入することにより、当該吸収液槽内における吸収液と亜硫酸ガスとの中和物を酸化して石膏を生成させる反応が促進される。
【0032】
さらに、請求項13に記載の発明によれば、排ガスを入口プレナムに送気すると、当該排ガスは、各スパージャーパイプの下端から噴出し、吸収液と激しく混合して液相連続のジェットバブリング層を形成し、このジェットバブリング層において高効率な気液接触が行われ、排ガス中に含まれるSO2が酸化されるとともに、吸収液中の石灰石によって中和されるといった、
SO2+CaCO3+1/2O2+2H2O → CaSO4・2H2O↓+CO2↑
で示される反応が一挙に行われて、上記SO2が吸収・除去される。
そして、このようにして、極めて低い亜硫酸ガス濃度とされた一次処理排ガスは、ガスライザーを介して出口プレナムに集められ、上記活性炭触媒反応装置においてさらに残存した亜硫酸ガスが除去される。この際に、一次処理排ガスは、上記ジェットバブリング層における気液接触により、ほぼ水分飽和状態となって活性炭触媒反応装置に送られるため、上述した希硫酸の生成・流下がより一層円滑に行なわれる。
【0033】
また、請求項14、20または21に記載の発明によれば、活性炭触媒層を洗浄しているので、被処理ガスに同伴して活性炭触媒層に捕集された固体微粒子も洗浄液とともに排出される。
特に、洗浄液として、上記吸収液槽内の吸収液石膏スラリーを脱水して得られた母液を用いれば、装置全体の水バランスを損うこと無く上記活性炭触媒層の洗浄を行なうことができて好適である。
【0034】
【実施例1】
図1および図2は、本発明の活性炭触媒反応装置を組み込んだ排煙脱硫装置の第1実施例を示すもので、この排煙脱硫装置においては、ボイラー(図示せず)の排ガスダクト11の下流側に向けて、ガスヒータ12と、排ガス内に含まれる塵埃分を捕集するとともに排ガスの増湿冷却を行なう除塵塔13と、この排煙脱硫装置の主要部を構成する吸収塔14とが順次配設されている。
上記吸収塔14には、除塵塔13から導入された排ガスに、内部の酸化槽(吸収液槽)15に貯留されている石灰石の水性スラリー液からなる吸収液を散布して接触させるための、ポンプ16および吸収液散布ライン17と、上記酸化槽15で吸収液と亜硫酸ガスとの中和物を酸化するための空気を導入する酸化用ブロワ15aおよび酸化槽15の吸収液を攪拌する攪拌機(図示せず)とが設けられている。そして、この吸収塔14内の吸収液散布ライン17が位置する吸収部31の上方に、活性炭触媒反応装置18が配設されている。
【0035】
この活性炭触媒反応装置18は、図2に示すように、側壁を上下方向に向けて、水平方向に互に並行に配設された複数の活性炭触媒層19…によって構成されたものである。ここで、各活性炭触媒層19は、耐食性を有する金属棒からなる枠体内に袋状の網を入れ、この網内に活性炭を充填したものであり、その厚さ寸法が0.2〜2mで、かつ通過する被処理ガスの空塔速度が0.1〜2.0m/sである断面積を有するように形成されている。
上記活性炭触媒層19を構成する活性炭としては、ヤシ殻活性炭、木材からの活性炭、コールタール系ピッチからの活性炭、石油ピッチからの活性炭、石炭からの活性炭等の各種の活性炭の他、活性コークス等が使用可能であるが、特に前述した接触硫酸化速度Rが5μmol/g/hr 以上、好ましくは10μmol/g/hr 、さらに好ましくは20μmol/g/hr 以上の値のものが使用される。ちなみに、このような活性炭としては、例えば東洋カルゴン社製の活性炭(商品名:F30/470)、ツルミコール社製の活性炭(商品名:4GV)、クラレケミカル社製の活性炭(商品名:4GS)等が挙げられる。
【0036】
また、上記活性炭の形状は、円柱状、円筒状、顆粒状、球状、ハニカム状等の各種の形状のものを用いることができ、最大外形寸法、すなわち顆粒状や球状のものにあっては、その直径が0.1〜20mm、好ましくは1〜10mmであり、円柱状や円筒状のものにあっては、その長さ寸法が0.1〜20mm、好ましくは1〜10mmのものが用いられる。
そして、隣接する上記活性炭触媒層19の上端部間には、一組みおきにこれら上端部間を閉塞する上部仕切板20が設けられ、さらに上部仕切板20が設けられていない下端部間には、樋状部21aが形成された下部仕切板21が設けられている。これら上下部仕切板20、21は、FRPや耐食性を有する金属板等からなるものであり、上記樋状部21aは、一端部が下方に位置するように傾斜して形成されるとともに、この傾斜端部に、集液された希硫酸を上記酸化槽15内に導くため流下管22が接続されている。そして、上記樋状部21aおよび流下管22により、希硫酸回収手段が構成されている。
【0037】
また、上記吸収塔14には、酸化槽15で生成された吸収液石膏スラリーをポンプ23によって抜き出し、石膏分離機24で脱水して母液タンク25に貯留された母液を、ポンプ26を介して再び吸収塔14へ戻すための吸収液戻りライン27が設けられており、この吸収液戻りライン27の先端部に、上記活性炭触媒層19を洗浄するためのスプレーノズルを有する洗浄装置(洗浄手段)32が設けられている。
なお、図中符号28は、石灰石の水性スラリー液タンク29からポンプ30を介して吸収塔14内に吸収液を供給あるいは補給するための吸収液供給ラインであり、符号33は、吸収塔14の被処理ガス出口側に設けられたミストエリミネータである。
【0038】
次に、以上の構成からなる排煙脱硫装置を用いた本発明に係る脱硫方法の一実施例について説明する。
ボイラの排ガスを、排ガスダクト11から除塵塔13を介して吸収塔14内に送気し、吸収塔14内の吸収部31において吸収液散布ライン17から散布される吸収液と接触させる。すると、排ガスは、上記吸収液によって亜硫酸ガスが中和されて、その90〜95%が吸収・除去された100volppm以下の亜硫酸ガス濃度の一次処理排ガスとなって上方の活性炭触媒反応装置18へと流れるとともに、亜硫酸ガスを中和した中和物質は酸化槽15内で酸化されることにより吸収液石膏スラリーが生成される。
次いで、上記活性炭触媒反応装置18へ流れた一次処理排ガスは、図2に矢印で示すように、隣接する活性炭触媒層19の開口している下端部の間から上記活性炭触媒層19の側壁間に流入する。ところが、上記側壁間の上端部は、上部仕切板20によって閉塞されているために側壁間を通過することができず、この結果全ての一次処理排ガスは、各活性炭触媒層19をその厚さ方向に通過して活性炭と接触する。この結果、上記活性炭の触媒作用により、活性炭触媒層19において残存していた亜硫酸ガスが酸素により接触酸化されて三酸化イオウに変換し、さらにこの三酸化イオウが当該活性炭表面に吸着された一次処理排ガス中の水分と反応して希硫酸が生成する。そして得られた希硫酸は、連続的に流下して下部仕切板21の樋状部21aに集液され、この樋状部21aの傾斜に沿って流れて流下管22から酸化槽15内に導入される。
【0039】
また、上記一次処理排ガスの供給と並行して、洗浄装置32により吸収液戻りライン27から供給される吸収液によって、活性炭触媒層19を間欠的に、あるいは連続して洗浄することにより、一次処理排ガスに同伴して活性炭触媒層19に捕集された固体微粒子を洗浄・排出する。
なお、上述した排煙脱硫装置を用いて排ガスを脱硫処理するに際しては、予め活性炭触媒層19に対する一次処理排ガスの供給速度や、一次処理排ガスの供給量に対する活性炭触媒層19の容量を、上記活性炭触媒反応装置における接触脱硫率Yが少なくとも80%以上となるように適宜選択しておくことが好ましい。また、上記一次処理排ガス中の酸素濃度は、0.1vol%以上、好ましくは1vol%以上、さらに好ましくは2vol%以上であり、水蒸気濃度は、相対濃度で5〜100%、好ましくは40〜100%、さらに好ましくは70〜100%である。
【0040】
このような排煙脱硫装置およびこれを用いた脱硫方法によれば、湿式の石灰石−石膏法排煙脱硫装置によって吸収液により亜硫酸ガスが100volppm以下まで除去された一次処理排ガスを、上記活性炭触媒反応装置18に送ることにより、さらに残存した排ガス中の亜硫酸ガスの80%以上を除去することができるため、装置の大型化や動力消費の増大を招くことなく、多量の排ガスから極めて高い効率で亜硫酸ガスを除去することができる。
加えて、上記一次処理において排ガスに吸収液中の水分が加えられるため、上記活性炭触媒反応装置18において希硫酸が生成し易くなり、しかも各活性炭触媒層19の下部仕切板21に傾斜する樋状部21aを形成しているので、活性炭触媒層19で生成した上記希硫酸を、円滑に酸化槽15内に流下させてその分離および排出を達成することができる。
【0041】
さらに、活性炭触媒層19の洗浄液として、酸化槽15内の吸収液石膏スラリーを脱水して得られた母液を用いているので、装置全体の水バランスを損うこと無く上記活性炭触媒層19の洗浄を行なうことができる。この際に、上記洗浄の頻度としては、連続であっても間欠的であってもよく、間欠的に行う場合には、上記活性炭触媒層19における差圧の上昇や脱硫性能の低下を検出して洗浄する方法が採用可能である。
また、活性炭触媒反応装置18を吸収塔14内に一体的に配設しているので、配管系統も含めて装置全体の大型化および複雑化等を招く虞もない。
【0042】
図3および図4は、本発明に係る排煙脱硫装置を上記第1実施例と同様の湿式の石灰石−石膏法排煙脱硫装置に適用した変形例を示すもので、これらの排煙脱硫装置においても、第1実施例と同様にして吸収部31と酸化槽(吸収液槽)15とが設けられた吸収塔14内の、排ガス流路の上記吸収部31の下流側に、上記活性炭触媒反応装置18が配設され、かつ上記活性炭触媒反応装置18で生成した希硫酸を流下管22を介して上記酸化槽15に導くようになっている。
このような排煙脱硫装置によっても、上記第1実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
【実施例2】
図5は、本発明の排煙脱硫装置をジェットバブリング式の反応槽を有する排煙脱硫装置に適用した第2実施例を示すもので、図中符号35がこの排煙脱硫装置の反応槽(吸収塔)である。なお、上記反応槽35以外の構成については、図1に示したものと同様であるために同一符号を用いてその説明を省略する。
この反応槽35内は、隔壁となる下部デッキ36および上部デッキ37により、下部デッキ36の下方に位置して石灰石の水性スラリーからなる吸収液を貯留する吸収液槽38と、上下部デッキ36、37間にあって排ガスダクト11の入口側が接続された入口プレナム39と、上部デッキ37上方にあって排ガスダクト11の出口側と連通する出口プレナム40とに画成され、下部デッキ36に穿設された多数の開口部に、下端開口部が上記吸収液槽38内の吸収液面より下方に位置し、かつ下端外周壁に排ガスの噴出孔が形成されたスパージャーパイプ41が垂設されるとともに、下部デッキ36と上部デッキ37との間に、上記吸収液槽38の吸収液面上の空間を出口プレナム40側に連通させるガスライザー42が配設されたもので、上部デッキ37上方の上記出口プレナム40内に、上述した活性炭触媒反応装置18が設けられている。
そして、上記活性炭触媒反応装置18の希硫酸の流下管22は、吸収液槽38に導入されており、さらに活性炭触媒層19の上方には、第1実施例と同様にして、当該活性炭触媒層19を洗浄するための吸収液戻りライン27から枝配管された洗浄装置(図示を略す)が設けられている。なお、図中符号43は、図1においては図示を略した攪拌機を示すものである。
【0044】
以上の構成からなる排煙脱硫装置においては、酸化用ブロワ15aで石灰石の水性スラリー液からなる吸収液中に酸素を供給し、かつ攪拌機43で吸収液槽38内を攪拌しつつ排ガスダクト11から排ガスを反応槽35の入口プレナム39に送気すると、当該排ガスは、各スパージャーパイプ41の下端から噴出し、吸収液と激しく混合して液相連続のジェットバブリング層(吸収部)を形成する。そして、このジェットバブリング層において高効率な気液接触が行われ、排ガス中に含まれる亜硫酸ガス(SO2)が酸化されるとともに、吸収液中の石灰石によって中和される反応が行われて、上記亜硫酸ガスが吸収・除去され、亜硫酸ガス濃度が100volppm以下の一次処理排ガスとなる。
そして、このようにして、極めて低い亜硫酸ガス濃度とされた一次処理排ガスは、ガスライザー42を介して出口プレナム40に集められ、前述した第1実施例と同様にして、上記活性炭触媒反応装置18においてさらに残存した亜硫酸ガスが除去される。また、活性炭触媒層19において生成された希硫酸は、流下管22から吸収液槽38内に導入される。
【0045】
したがって、この排煙脱硫装置およびこれを用いた脱硫方法によっても、第1実施例のものと同様の作用効果を得ることができるうえ、さらに一次処理排ガスは、上記ジェットバブリング層における高効率な気液接触により、より多くの亜硫酸ガスが吸収・除去されて低濃度の一次処理ガスになるとともに、上記気液接触により、ほぼ水分飽和状態となって活性炭触媒反応装置18に送られるため、活性炭触媒反応装置18において、より高い接触脱硫効率Yで残存した亜硫酸ガスを除去することができるうえ、さらに前述した希硫酸の生成・流下をより一層円滑に行うことができるといった利点がある。この結果、ジェットバブリング層による高効率の脱硫作用と相俟って、より高い亜硫酸ガスの除去効果を得ることが可能となる。
【0046】
【実施例3】
図6〜図8は、本発明の活性炭触媒反応装置およびこれを用いた排煙脱硫装置の第3実施例を示すもので、図1〜図5に示したものと同一構成部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
図6において、この排煙脱硫装置においては、図5に示した反応槽35の出口プレナム40に、活性炭触媒反応装置18に代えて活性炭触媒反応装置45が配設されている。この活性炭触媒反応装置45は、図7および図8に示すように、希硫酸受液部となる支持床46上に、複数本の円筒状の活性炭触媒層47…が立設されたもので、上記活性炭触媒層47内には、第1実施例と同様の活性炭が充填されている。各活性炭触媒層47は、内径と外径との差である厚さ寸法が0.2〜2mで、かつ通過する被処理ガスの空塔速度が0.1〜2.0m/sである断面積を有するように形成されている。
【0047】
そして、上記支持床46には、各活性炭触媒層47の内周部に連通する円形の開口部48が穿設されており、他方、各活性炭触媒層47の上端部には、これを閉塞する閉止板49が固定されている。また、支持床46の所定箇所には、当該支持床46上に集液された希硫酸を吸収液槽38内に導入するための流下管50が垂設されている。以上の支持床46および流下管50により、希硫酸回収手段が構成されている。
【0048】
上記構成からなる排煙脱硫装置においては、吸収液槽38内のジェットバブリング層における気液接触によって亜硫酸ガスが吸収・除去され、亜硫酸ガス濃度が100volppm以下とされた一次処理排ガスは、ガスライザー42を介して出口プレナム40に集められ、支持床46の開口部48から活性炭触媒層47の内周部に流入する。そして、上記活性炭触媒層47の上端部は閉止板49によって閉塞されているため、上記一次処理ガスは、その全てが活性炭触媒層47をその径方向(厚さ方向)に通過し、前述した第2実施例と同様にして、活性炭の触媒作用によりさらに残存した亜硫酸ガスが除去される。また、活性炭触媒層47において生成された希硫酸は、支持床46上に集液されて流下管50から吸収液槽38内に導入される。さらに、これと並行して、洗浄装置32により吸収液戻りライン27から供給される吸収液によって、活性炭触媒層47を間欠的に、あるいは連続して洗浄することにより、一次処理排ガスに同伴して活性炭触媒層47に捕集された固体微粒子が洗浄・排出される。
このように、第3実施例の排煙脱硫装置およびこれを用いた脱硫方法によっても、第2実施例に示したものと同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
【実施例4】
図9および図10は、本発明の活性炭触媒反応装置および排煙脱硫装置の第4実施例を示すもので、同様にして図1〜図8に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
この例の排煙脱硫装置においては、図6に示した反応槽35の出口プレナム40に、活性炭触媒反応装置45に代えて活性炭触媒反応装置55が配設されている。この活性炭触媒反応装置55は、図10に示すように、支持床56に複数本の円筒状の活性炭触媒層57…が下方に垂設されたもので、上記活性炭触媒層57内には、第3実施例と同様の活性炭が充填されている。また各活性炭触媒層57は、内径と外径との差である厚さ寸法が0.2〜2mで、かつ通過する被処理ガスの空塔速度が0.1〜2.0m/sである断面積を有するように形成されている。
【0050】
そして、上記支持床56には、各活性炭触媒層57の内周部に連通する円形の開口部58が穿設されている。また、上記活性炭触媒反応装置45の上方には、ミストセパレータ59が設けられ、出口プレナム40と連通する排ガスダクト11の下流側には、デミスタ60が介装されている。そして、上記支持床56には、ミストセパレータ59で除去された希硫酸を吸収液槽38内に導入する希硫酸の降下管61が設けられ、他方デミスタ60には、ここで捕集された希硫酸ミストを同様に吸収液槽38に戻すための降下管62が配管されている。なお、ミストセパレータ59とデミスタ60とのどちらか一方のみを設けても同様の効果が得られる。
【0051】
上記構成からなる排煙脱硫装置においては、吸収液槽38内において亜硫酸ガスが吸収・除去され、亜硫酸ガス濃度が100volppm以下とされた一次処理排ガスは、ガスライザー42を介して出口プレナム40に集められ、活性炭触媒層57をその外周から径方向(厚さ方向)に通過して、内周部から支持床56の開口部58を介して上方に流れる。この際に、活性炭触媒層57の活性炭の触媒作用によりさらに残存した亜硫酸ガスが除去される。また、活性炭触媒層57において生成された希硫酸は、そのまま下方に流下して上部デッキ37上に集液され、図示されない降下管を介して吸収液槽38に導入される。
そして、上記活性炭触媒反応装置55において脱硫された処理排ガスは、さらにミストセパレータ59およびデミスタ60において同伴した一次処理に用いた吸収液ミストおよび希硫酸ミストが除去されるとともに、捕集された希硫酸は、降下管61、62から吸収液槽38に導入される。したがって、第4実施例の排煙脱硫装置およびこれを用いた脱硫方法によっても、上述した各実施例に示したものと同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
【実施例5】
図11および図12は、本発明の活性炭触媒反応装置およびこれを用いた排煙脱硫装置に第5実施例を示すものである。
図11および図12に示すように、この例の排煙脱硫装置においては、反応槽35の出口プレナム40に接続された排ガスダクト11の下流側に、ミストエリミネータ63が介装され、さらにこの下流側に別体の活性炭触媒反応装置65が配設されている。この活性炭触媒反応装置65は、上端部に上記排ガスダクト11が接続され、下部が希硫酸溜め66とされた装置本体67内に、多数の活性炭触媒層68…が配設されるとともに、この装置本体67の下部側壁に、清浄ガスの出口ダクト69が接続されたものである。
【0053】
すなわち、図12に示すように、上記装置本体67の上部に隔壁となる支持床70が設けられ、この支持床70に上記活性炭触媒層68が垂設されている。この活性炭触媒層68は、同様の活性炭が充填された円筒状のもので、その下端部には閉止板71が固定されている。他方、支持床70の各活性炭触媒層68の上端部には、当該活性炭触媒層68の内周部に連通する開口部72が穿設されている。さらに、上記活性炭触媒層68には、これを洗浄するための上述した洗浄装置32が配設され、装置本体67の下端部には、上記希硫酸溜め66内の希硫酸を反応槽35の吸収液槽38内に導入するための移送管73および移送ポンプ74が配設されている。そして、上記希硫酸溜め66、移送管73および移送ポンプ74により、希硫酸回収手段が構成されている。
【0054】
上記構成からなる排煙脱硫装置によれば、反応槽35で亜硫酸ガス濃度が100volppm以下まで脱硫された一次処理ガスは、ミストエリミネータ63でミスト分が捕集された後に、排ガスダクト11から活性炭触媒反応装置65内に送気される。そして、上記一次処理ガスは、支持床70の開口部72から各活性炭触媒層68内に流れ、これを径方向(厚さ方向)に通過して、同様に活性炭の触媒作用により残存していた亜硫酸ガスが除去されて出口ダクト69から排気される。
この際に、各活性炭触媒層68において生成された希硫酸は、そのまま下方に流下して希硫酸溜め66に一旦貯留された後に、移送ポンプ74によって移送管73から反応槽35の吸収液槽38内に移送される。
このような排煙脱硫装置にあっては、同様の高い亜硫酸ガスの除去効果が得られる他、特に一次処理ガスが活性炭触媒層68を上方から下方に向けて流れるために、当該一次処理ガスによって活性炭触媒層68で生成される希硫酸の流下が促進され、よって希硫酸の円滑な分離を行なうことが可能となる。
【0055】
なお、上記活性炭触媒反応装置の構成としては、上述したものに限るものではなく、例えば図13に示した第1変形例のものや、図14および図15に示した第2変形例のものも適用可能である。
すなわち、図13に示す活性炭触媒反応装置75は、装置本体76の下部に支持床77を配設し、この支持床77上に上端部に閉止板が固定された多数(図では3本を示す)の円筒状の活性炭触媒層78…を立設するとともに、上記支持床77に活性炭触媒層78において生成されて支持床77上に流下する希硫酸を下方の希硫酸溜め66に導入するための流下管79を設けたものである。
【0056】
また、図14および図15に示す活性炭触媒反応装置80は、装置本体81の内部に図2に示した活性炭触媒反応層19および上下部仕切板20、21と同様の構成のものを配設し、下部仕切板21の樋状部21aに設けられた流下管22を希硫酸溜め66に導入したものである。
このような第1変形例および第2変形例に示した活性炭触媒反応装置75、80においても、第5実施例に示したものと同様に、一次処理ガスが活性炭触媒層78、19を上方から下方に向けて流れるために、当該一次処理ガスによって活性炭触媒層78、19で生成される希硫酸の流下が促進され、よって希硫酸の円滑な分離を行なうことができる。
【0057】
【実施例6】
図16および図17は、本発明の活性炭触媒反応装置の第6実施例を示すもので、この例の活性炭触媒反応装置85においては、一次処理ガスの流れ方向に沿って装置本体86が水平方向に設置されており、この装置本体86の両端部に、排ガスダクト11および出口ダクト69が接続されている。この装置本体86内には、平板状の複数(図では3組)の活性炭触媒層87が、その側壁を水平方向に向けて上下方向に並行に配設されている。そして、最下段の活性炭触媒層87以外のものの下方には、それぞれ活性炭触媒層87から流下する希硫酸を集液するための受皿88が配設されており、各受皿88には、この受皿88で集液された希硫酸を装置本体85の下部に設けられた受液槽89に排出するための流下管90が取付けられている。
ここで、一次処理ガスの流れ方向上流側に位置する図中右方の各活性炭触媒層87の端部と受皿88(最下段では受液槽89)との間は、閉止板91によって閉塞されており、他方上記流れ方向下流側に位置する活性炭触媒層87の端部と上方に位置する受皿88との間は、閉止板92によって閉じられている。
【0058】
このような活性炭触媒反応装置85にあっては、亜硫酸ガス濃度が100volppm以下まで脱硫された一次処理ガスが排ガスダクト11から装置本体86内に流入すると、当該一次処理ガスは、活性炭触媒層87と受皿88との間から上記活性炭触媒層87の側壁に沿って流れる。ところが、当該活性炭触媒層87と受皿88との他端部は、閉止板92によって閉じられているため、上記一次処理ガスは、活性炭触媒層87をその厚さ方向に通過し、内部の活性炭の触媒作用によって、同様に亜硫酸ガスが除去される。
そして、これに伴って活性炭触媒層87に生成した希硫酸は、下方の受皿88に流下して集液され、流下管90を介して受液槽89に排出される。また、最下段の活性炭触媒層87において生成した希硫酸は、直接受液槽89に流下する。さらに、受液槽89内の希硫酸は、移送ポンプ74によって移送管73から前述した反応槽35あるいは吸収塔14の吸収液槽38または酸化槽15へと移送される。
【0059】
【実施例7】
図18は、本発明の排煙脱硫装置をジェットバブリング式の反応槽を有する排煙脱硫装置に適用した第2実施例の変形例である第7実施例を示すもので、図1ないし図5に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図18において、この例の排煙脱硫装置においては、反応槽(吸収塔)95内が、隔壁となるデッキ96により石灰石の水性スラリーからなる吸収液を貯留する吸収液槽97と、排ガスダクト11の入口側が接続された入口プレナム98とに画成されるとともに、上記デッキ96の中央部に開口部が形成され、この開口部に、上記吸収液槽97の吸収液面上の空間を排ガスダクト11の出口側に導く筒状のガスライザー99が接続されている。そして、上記デッキ96に穿設された多数の開口部に、下端開口部が上記吸収液槽97内の吸収液面より下方に位置し、かつ下端外周壁に排ガスの噴出孔が形成されたスパージャーパイプ41が垂設されている。
そしてさらに、上記ガスライザー99内に、上述した活性炭触媒反応装置18が設けられ、上記活性炭触媒反応装置18の希硫酸の流下管22は、吸収液槽97に導入されている。
【0060】
この例の排煙脱硫装置にあっては、反応槽95の入口プレナム98に送気された排ガスは、各スパージャーパイプ41の下端から噴出し、吸収液と激しく混合して液相連続のジェットバブリング層(吸収部)を形成し、排ガス中に含まれる亜硫酸ガスが酸化されるとともに、吸収液中の石灰石によって中和される反応が行われて、上記亜硫酸ガスが吸収・除去され、亜硫酸ガス濃度が100volppm以下の一次処理排ガスとされた後に、中央のガスライザー99に集められて内部の上記活性炭触媒反応装置18を通過し、この活性炭触媒反応装置18においてさらに残存した亜硫酸ガスが除去される。また、この際に活性炭触媒層19において生成された希硫酸は、流下管22から吸収液槽97内に導入される。
【0061】
したがって、上記排煙脱硫装置によれば、上記第2実施例を同様の作用効果が得られるうえ、さらに反応槽95内に一のデッキ96のみが設けられた構造であるために、当該反応槽95の構造を一層簡素化することができるという利点がある。
【0062】
なお、上記実施例の説明においては、いずれも活性炭触媒反応装置18、45、55、65、75、80、85を排煙脱硫装置の一部に組み込んで一次処理排ガスに残存した亜硫酸ガスの脱硫に利用した例についてのみ説明したが、これに限るものではなく、これらの活性炭触媒反応装置のみを、亜硫酸ガスが100volppm以下である各種の被処理ガスの脱硫に用いてもよい。
また、回収した希硫酸についても、別置きの貯留槽に導き、これを濃縮工程において濃縮して別途硫酸として製品化し、回収してもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1に記載の活性炭触媒反応装置およびこれを用いた請求項15に記載の脱硫方法によれば、100volppm以下の亜硫酸ガスと、酸素および水分とを含む被処理ガスを、複数の活性炭触媒層の厚さ方向に通過させることにより、活性炭の触媒作用によって最終的に希硫酸として分離・除去することができる。この際に、請求項2または請求項16に記載の発明のように、接触硫酸化速度Rが5μmol/g/hr 以上である活性炭を用い、さらに請求項17に記載の発明のように、当該被処理ガスを接触脱硫率Yが少なくとも80%となるように活性炭触媒層に通過させれば、一層好適である。
【0064】
したがって、これを組み込んだ請求項10に記載の排煙脱硫装置およびこれを用いた請求項18に記載の脱硫方法によれば、従来の湿式の排煙脱硫装置によって吸収液により亜硫酸ガスが100volppm以下まで除去された一次処理排ガスから、さらに当該排ガス中の亜硫酸ガスを高い効率で除去することができ、よって、装置の大型化や動力消費の増大を招くことなく、多量の排ガスから極めて高い効率で亜硫酸ガスを除去することが可能となる。
【0065】
特に、請求項13に記載の発明のように、脱硫効率の高いジェットバブリング式の反応槽を有する排煙脱硫装置に組み込んだ場合には、一次処理排ガスがより低い亜硫酸濃度とされ、かつ上記ジェットバブリング層における気液接触によりほぼ飽和状態となって活性炭触媒反応装置に送られるため、上述した希硫酸の生成・流下がより一層効率的に行なわれるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排煙脱硫装置の第1実施例を示す要部の構成図である。
【図2】図1の活性炭触媒反応装置を示す要部の斜視図である。
【図3】第1実施例の変形例を示す要部の構成図である。
【図4】第1実施例の他の変形例を示す要部の構成図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す要部の構成図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す要部の構成図である。
【図7】図6の活性炭触媒反応装置を示す要部の斜視図である。
【図8】図6の支持床を示す要部の底面図である。
【図9】本発明の第4実施例を示す要部の構成図である。
【図10】図9の活性炭触媒反応装置を示す要部の斜視図である。
【図11】本発明の第5実施例を示す要部の構成図である。
【図12】図11の活性炭触媒反応装置を示す要部の斜視図である。
【図13】図12の活性炭触媒反応装置の第1変形例を示す構成図である。
【図14】図12の活性炭触媒反応装置の第2変形例を示す構成図である。
【図15】図14の活性炭触媒層を示す要部の斜視図である。
【図16】本発明の第6実施例を示す要部の構成図である。
【図17】図16の活性炭触媒層を示す要部の斜視図である。
【図18】本発明の第7実施例を示す要部の構成図である。
【図19】本発明者等が先に開発した活性炭充填塔を示す概略構成図である。
【図20】高濃度亜硫酸ガスを含む被処理ガスに対する活性炭の脱硫率と操作時間との関係を示すグラフである。
【図21】低濃度亜硫酸ガスを含む被処理ガスに対する活性炭の脱硫率と操作時間との関係を示すグラフである。
【図22】接触脱硫率と被処理ガス中の亜硫酸ガス濃度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
14 吸収塔
15 酸化槽(吸収液槽)
17 吸収液散布ライン
18、45、55、65、75、80、85 活性炭触媒反応装置
19、47、57、68、78、87 活性炭触媒層
20 上部仕切板
21 下部仕切板
21a 樋状部
22、50、79、90 流下管
27 吸収液戻りライン
31 吸収部
32 洗浄装置(洗浄手段)
35、95 反応槽(吸収塔)
36 下部デッキ
37 上部デッキ
38、97 吸収液槽
39、98 入口プレナム
40 出口プレナム
41 スパージャーパイプ
42、99 ガスライザー
46、56、70、77 支持床
48、58、72 開口部
49、71、91、92 閉止板
66 希硫酸溜め
67、76、86 装置本体
73 移送管
74 移送ポンプ
88 受皿
89 受液槽
96 デッキ
Claims (21)
- 100volppm以下の亜硫酸ガスと、酸素および水分とを含む被処理ガスから上記亜硫酸ガスを除去する活性炭触媒反応装置であって、活性炭が充填され、それぞれの長手方向の側壁を上記被処理ガスの流れ方向に沿わせて当該流れ方向と交差する方向に複数配設され、かつ上記長手方向と交差する厚さ方向に上記被処理ガスが通過するように設けられた活性炭触媒層と、この活性炭触媒層で上記活性炭を触媒とする上記亜硫酸ガスと酸素との接触酸化反応により生成した希硫酸を連続的に排出する希硫酸回収手段とを備えてなることを特徴とする活性炭触媒反応装置。
- 上記活性炭は、ヤシ殻活性炭、木材からの活性炭、コールタール系ピッチからの活性炭、石油ピッチからの活性炭、石炭からの活性炭および活性コークスから選択される一種または複数種からなり、かつ接触硫酸化速度Rが5μmol/g/hr 以上であることを特徴とする請求項1に記載の活性炭触媒反応装置。
- 上記活性炭触媒層は、各々上記厚さ寸法が0.2〜2mで、かつ通過する被処理ガスの空塔速度が0.1〜2.0m/sである断面積を有するとともに、上記被処理ガスの流れ方向と交差する方向に互に並行に配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の活性炭触媒反応装置。
- 上記活性炭は、最大外形寸法が0.1〜20mmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の活性炭触媒反応装置。
- 上記各活性炭触媒層は板状をなし、かつ隣接する上記活性炭触媒層の上記流れ方向の先端側端部間および基端側端部間に、交互に当該端部間を閉塞する仕切板を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の活性炭触媒反応装置。
- 上記活性炭触媒層は、上記被処理ガスの流れ方向に沿って上記側壁を上下方向に向けて配設されており、かつ上記希硫酸回収手段は、上記活性炭触媒層の下端部同士を連結する仕切板に形成されて希硫酸を集液する樋状部と、この樋状部で集液された上記希硫酸を排出する流下管とを備えてなることを特徴とする請求項5に記載の活性炭触媒反応装置。
- 上記活性炭触媒層は、上記流れ方向に沿って上記側壁を水平方向に向けて配設されており、かつ上記希硫酸回収手段は、上記活性炭触媒層の下面側下方に設けられて上記希硫酸を集液する受皿と、この受皿で集液された上記希硫酸を排出する流下管とを備えてなることを特徴とする請求項5に記載の活性炭触媒反応装置。
- 上記各活性炭触媒層は円筒状をなし、かつ側壁を上記流れ方向に沿わせて配設されているとともに、上記流れ方向の基端側が開口し、かつ先端面が閉塞されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の活性炭触媒反応装置。
- 上記活性炭触媒層を洗浄する洗浄手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の活性炭触媒反応装置。
- 排ガスを吸収部において吸収液と接触させて亜硫酸ガスを除去するとともに、当該排ガス中の亜硫酸ガスを吸収した上記吸収液を吸収液槽に貯留する湿式の排煙脱硫装置において、上記排ガス流路の上記吸収部の下流側に請求項1ないし9のいずれかに記載の活性炭触媒反応装置を設け、かつ上記活性炭触媒反応装置の希硫酸回収手段を、上記吸収液槽に導いたことを特徴とする排煙脱硫装置。
- 上記活性炭触媒反応装置は、上記吸収部と吸収液槽とが設けられた吸収塔の排ガス出口側配管に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の排煙脱硫装置。
- 上記活性炭触媒反応装置は、上記吸収部と吸収液槽とが設けられた吸収塔内に配設されていることを特徴とする請求項10に記載の排煙脱硫装置。
- 隔壁となる下部デッキおよび上部デッキにより、上記下部デッキの下方に位置する吸収液槽と、上記上下部デッキ間にあって排ガスダクトが接続された入口プレナムと、上記上部デッキ上方にあって排ガスダクトと連通する出口プレナムとに画成され、上記下部デッキに穿設された複数の開口部に、下端開口部が上記吸収液槽内の吸収液面より下方に位置し、かつ下端外周壁に排ガスの噴出孔が形成されたスパージャーパイプが垂設されるとともに、上記下部デッキと上部デッキとの間に、上記吸収液槽の吸収液面上の空間を出口プレナム側に連通させるガスライザーが配設された反応槽を有する排煙脱硫装置において、上記出口プレナム内に上記請求項1ないし9のいずれかに記載の活性炭触媒反応装置を設け、かつ上記希硫酸回収手段を上記吸収液槽に導いたことを特徴とする排煙脱硫装置。
- 上記活性炭触媒層を洗浄する洗浄手段を設け、かつ上記洗浄手段における洗浄液は、上記吸収液槽内の吸収液石膏スラリーを脱水して得られた母液を、上記吸収塔へ戻すための吸収液戻りラインから供給されていることを特徴とする請求項10ないし13のいずれかに記載の排煙脱硫装置。
- 100volppm以下の亜硫酸ガスと、酸素および水分とを含む被処理ガスを、活性炭が充填され、それぞれの長手方向の側壁を上記被処理ガスの流れ方向に沿わせて、当該流れ方向と交差する方向に複数配設された活性炭触媒層の上記側壁と交差する厚さ方向に通過させることにより、上記活性炭触媒層において亜硫酸ガスと酸素とを接触酸化させて三酸化イオウに変換させるとともに、この三酸化イオウを水分と反応させて希硫酸を生成させ、得られた上記希硫酸を上記活性炭触媒層から連続的に分離することを特徴とする脱硫方法。
- 上記活性炭として、ヤシ殻活性炭、木材からの活性炭、コールタール系ピッチからの活性炭、石油ピッチからの活性炭、石炭からの活性炭および活性コークスから選択される一種または複数種からなり、かつ接触硫酸化速度Rが5μmol/g/hr 以上であるものを用いることを特徴とする請求項15に記載の脱硫方法。
- 上記被処理ガスを、上記活性炭触媒層に接触脱硫率Yが少なくとも80%となるように通過させることを特徴とする請求項15または16に記載の脱硫方法。
- 排ガスに吸収液を接触させて得られた100volppm以下の亜硫酸ガスと、酸素および水分とを含む一次処理排ガスを、請求項15ないし17のいずれかに記載の脱硫方法によって二次脱硫処理するとともに、これと並行して上記二次脱硫処理において生成した希硫酸を、上記一次処理において上記排ガス中の亜硫酸ガスを吸収した吸収液を貯留する吸収液槽に導入することを特徴とする脱硫方法。
- 上記吸収液は、石灰石の水性スラリー液であり、上記吸収液槽において、上記吸収液と亜硫酸ガスとの反応によって得られた中和物を酸化して石膏を生成させることを特徴とする請求項18に記載の脱硫方法。
- 上記活性炭触媒層を、水で洗浄するとともに、洗浄後の排液を上記吸収液槽に導入することを特徴とする請求項18または19に記載の脱硫方法。
- 上記活性炭触媒層を、上記吸収液槽内の吸収液石膏スラリーを脱水して得られた母液もしくは上記母材と水との混合液で洗浄するとともに、洗浄後の排液を上記吸収液槽に導入することを特徴とする請求項19に記載の脱硫方法。
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