JPH0985099A - 水分解用光触媒の製造方法 - Google Patents

水分解用光触媒の製造方法

Info

Publication number
JPH0985099A
JPH0985099A JP7245799A JP24579995A JPH0985099A JP H0985099 A JPH0985099 A JP H0985099A JP 7245799 A JP7245799 A JP 7245799A JP 24579995 A JP24579995 A JP 24579995A JP H0985099 A JPH0985099 A JP H0985099A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
metal
oxide film
metal oxide
water splitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7245799A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoaki Shinohara
清晃 篠原
Akira Tanaka
彰 田中
Hitoshi Ishizawa
均 石沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP7245799A priority Critical patent/JPH0985099A/ja
Publication of JPH0985099A publication Critical patent/JPH0985099A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間に、簡単な装置構成により、しかも広
い面積や複雑な形状においても、金属酸化膜を均一に形
成することが可能であり、その結果、安価で性能がよい
水分解用光触媒を得ることができる水分解用光触媒の製
造方法を提供すること。 【解決手段】 金属基板1上に金属酸化膜を形成して水
分解用光触媒を製造する方法であり、陽極酸化法により
前記金属酸化膜を形成することを特徴とする水分解用光
触媒の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水を光分解して水
素と酸素の少なくともどちらか一方を生成させる際に使
用される水分解用光触媒を製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】現在、エネルギー源として様々なものが
用いられているが、最も消費されている化石燃料(例え
ば石油や石炭)では、燃焼の際、二酸化炭素や窒素酸化
物、硫黄酸化物等が排出される。その結果、二酸化炭素
は地球の温暖化をもたらし、窒素酸化物や硫黄酸化物は
空気中の水分と反応し、硝酸や硫酸を形成する。これら
の硝酸や硫酸は酸性雨の原因となり、自然破壊の要因と
なっている。
【0003】また、次世代のエネルギー源として原子力
発電があるが、安全性や廃棄物処理等の問題を抱えてい
る。一方、水素は燃焼させても水になるだけであり、ク
リーンなエネルギー源として近年注目されている。しか
し、水素を発生させるためのエネルギー源が化石燃料等
を用いたものでは意味がなくなってしまう。
【0004】このような中で、無尽蔵にある太陽光を利
用することは非常に有用である。この太陽光を利用して
水素を得る手段の一つとして水分解用光触媒がある。こ
れは触媒がバンドギャップ以上のエネルギーを吸収した
結果、ホールとエレクトロンを生成し、ホールが水と反
応して酸素と水素イオンを生じ、この水素イオンがエレ
クトロンと反応して水素を発生するというものである。
【0005】また、水分解用光触媒を使用する際の形状
としては粉、板、繊維、膜等が考えられるが、膜形状が
装置への組み込み易さやハンドリングの便利さから最も
良く用いられている。一般に、これら膜形状の水分解用
光触媒の製造方法には気相法、液相法、固相法などがあ
る。その中で、気相法については真空蒸着法、化学的蒸
着法、スパッタリング法などがあり、液相法については
電気メッキ、スピンコート法、ゾルゲル法等、固相法に
ついては溶射法や固相反応等を用いた方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、真空蒸着法は1×10-6Torr程度の高真空下で原料
を加熱蒸発させ、蒸発粒子を基板上に堆積させて膜を形
成する方法であるが、前記の様なかなりの高真空を必要
とする。化学的蒸着法は、化合物気体の反応を基本とし
たものであり、気体原料または液体・固体原料を気化し
たものを気相または基板表面において、分解・結合など
の化学反応をさせて膜を形成する方法であり、大型の装
置が必要となる。
【0007】また、スパッタリング法は、高周波電源に
よりイオン化した気体分子をターゲット(原料)に衝突
させ、前記イオンの運動量に相当する表面からはねとば
された原料を基板上に堆積させる方法である。スパッタ
リング法は、このように原料を融かす必要がないので、
高融点の金属や酸化物、窒化物を原料とすることもでき
る。しかし、装置自体はかなり大がかりなものとなる。
【0008】スピンコート法は、ウエットプロセスによ
る膜を形成する方法であり、ガラス、プラスチックや金
属などの基板上に塗布液(原料)を回転による遠心力に
よって飛散させ、基板上に薄膜を形成する方法である。
しかし、膜厚は原料の濃度、スピナーの回転数、立ち上
がり時間、原料の量、基板表面の状態等によって変わる
他、膜を製造するには考慮すべき要因が数多くあり、均
一な膜を形成することが困難である。
【0009】溶射法は、プラズマ等により原料粉末を溶
かし、溶融状態の原料を基板上に吹き付けて膜を形成す
る方法である。この方法は、原料の熱分解が起こる可能
性があり、稼働するのにかなりのコストがかかる。ま
た、非常に大きな装置が必要になる。以上のように、従
来の膜形状の水分解用光触媒の製造方法は、装置自体が
大がかりであったり、広い面積に均一な膜を製造するの
は困難であるという問題があった。さらに、複雑な形状
のものに対しても均一な膜を形成することが難しい等の
問題点があった。
【0010】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、短時間に、簡単な装置構成により、しかも
広い面積や複雑な形状においても、金属酸化膜を均一に
形成することが可能であり、その結果、安価で性能がよ
い水分解用光触媒を得ることができる水分解用光触媒の
製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に「金属基板上に金属酸化膜を形成して水分解用光触媒
を製造する方法であり、陽極酸化法により前記金属酸化
膜を形成することを特徴とする水分解用光触媒の製造方
法(請求項1)」を提供する。また、本発明は第二に
「前記金属がチタン、タンタル、ニオブ、タングステ
ン、モリブデン、バナジウム、ビスマス、ジルコニウ
ム、ハフニウム、錫、インジウムまたはイットリウム、
或いはこれらの金属の合金であることを特徴とする請求
項1記載の水分解用光触媒の製造方法(請求項2)」を
提供する。
【0012】また、本発明は第三に「前記陽極酸化法に
使用する電解質がリン酸、硫酸、これらの混酸、グリセ
ロリン酸塩、またはグリセロリン酸塩と酢酸塩の混合溶
液であることを特徴とする請求項1または2記載の水分
解用光触媒の製造方法(請求項3)」を提供する。ま
た、本発明は第四に「前記金属酸化膜を水熱処理するこ
とにより、触媒活性を向上させた水分解用光触媒とする
ことを特徴とする請求項1〜3記載の水分解用光触媒の
製造方法(請求項4)」を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者らは、陽極酸化法に着目
し、膜形状の水分解用光触媒を製造する方法を見出し
た。陽極酸化法とは、適当な形状の金属片を陽極とし、
電解質中でアノード反応により金属の表面上に数μmの
酸化膜を製造することができるものである。
【0014】従って、金属酸化物が触媒活性を持つよう
な金属を選択して、これを陽極として用いれば、その金
属の形状に応じて、大がかりな装置や、操作に熟練を要
することなく均一な厚さの膜形状の水分解用光触媒を製
造することができる。水を光分解して水素と酸素のう
ち、少なくとも一方を生成させる際に使用される水分解
用光触媒としては、タンタル、ニオブ、タングステン、
モリブデン、バナジウム、ビスマス、チタン、ジルコニ
ウム、ハフニウム、錫、インジウム、イットリウムなど
の金属あるいはそれらの合金の酸化物が有用である。
【0015】そこで、本発明においてはそれらを陽極、
即ち水分解用光触媒の基板金属として用いる(請求項
2)。なお、陽極酸化は前記のように陽極に用いた物質
(金属基板)の表面上に数μmの酸化膜を形成するもの
であるため、表面層のみが前記金属であれば良く、必ず
しも基板全体が前記金属である必要はない。
【0016】しかし、このような構造にすると、金属の
良好な加工性が損なわれ、複雑な形状の膜及び均一な膜
の形成が困難になる。前記金属基板は、用途によりその
一部または全面を陽極酸化する。陽極酸化する必要のな
い部分には、例えばマスキング剤を塗布しておくとよ
い。本発明にかかる陽極酸化に使用する電解質は、リン
酸、硫酸あるいはこれらの混酸、及びグリセロリン酸塩
と酢酸塩の混合溶液またはグリセロリン酸塩だけの溶液
が好ましい(請求項3)。
【0017】グリセロリン酸塩としては、グリセロリン
酸ナトリウム、グリセロリン酸カルシウムなどがある
が、水に非常に溶けやすいことからグリセロリン酸ナト
リウムが最も好ましい。また、酢酸塩であればいかなる
ものでもよいが、特にアルカリ金属(リチウム、ナトリ
ウム、カリウム、ルビジウムなど)とアルカリ土類金属
(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウ
ムなど)の酢酸塩が好ましい。
【0018】これらの電解質を用いることにより、高電
圧まで安定して陽極酸化することが可能であり、その結
果、最高20μm 程度の比較的厚い陽極酸化膜を形成す
ることができるので好ましい。また、陰極に用いる物質
は何でも良く、一般にステンレス、白金等が用いられ
る。
【0019】陽極酸化における印可電圧は低すぎると、
形成する酸化膜が薄くなって触媒活性が低くなり、高す
ぎると、基板との付着強度の低下や皮膜のむらが生じて
しまう。そこで、100〜400Vが好ましい。また、
印可電圧が100〜200Vを越えると、基板表面で無
数の火花放電が発生し、ミクロンオーダーの微小領域で
皮膜が局所的に非常に高い温度に加熱される。その結
果、良く結晶化された均一な膜を形成することができる
ので好ましい。
【0020】本発明の水分解用光触媒の製造方法におい
ては、金属酸化物が複数の結晶相を持つ場合、電解質の
濃度と電圧を調節することにより、結晶相の比を任意に
変えることができる。例えば、チタンを陽極酸化した場
合、その皮膜であるチタニアにはアナタ−ス相とルチル
相の結晶相が生成する。チタニアでは、アナタ−ス相の
方がルチル相より優れた触媒活性を持つことが知られて
いることから、アナタ−ス単一相にすることが好まし
い。
【0021】そこで、アナタ−ス単一相を形成するため
の条件として、β−グリセロリン酸ナトリウム−酢酸カ
ルシウム混合溶液を用いた場合、最高電圧を200〜4
00Vの範囲とし、β−グリセロリン酸ナトリウムの濃
度を0.001 〜0.05mol/l、酢酸カルシウムの濃度を
0.05〜0.5 mol/lとするのが最適である。また、陽
極酸化の一回の反応時間は数分程度と比較的短時間で終
了する。さらに、特殊な装置を必要とせず、室温の水溶
液中で製造できるので、エネルギ−消費量が非常に少な
くてすむ。
【0022】以上のように、本発明によれば、大面積や
複雑な形状のものであっても、均一な厚さの膜形状の水
分解用光触媒を形成することができる。さらに、陽極酸
化法により形成した金属酸化膜は密閉容器内の高圧水蒸
気または水中で熱処理(水熱処理)すると結晶化が進
み、その結果、多孔質化して表面積が増加する。
【0023】つまり、陽極酸化法により形成した金属酸
化膜は結晶性が向上し、かつ表面積が増加しているの
で、水分解用光触媒として有用な該金属酸化膜を水熱処
理すれば、水の分解に対する触媒活性をさらに向上させ
ることができるので好ましい(請求項4)。水熱処理法
は、高圧をかけるので比較的低い温度で陽極酸化膜の結
晶性を高くすることができる。つまり、高温で熱処理し
たのと同様の効果が得られるという利点がある。
【0024】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこの例に限定されるものではない。
【0025】
【実施例】
[実施例1] (水分解用光触媒の製造方法)円筒形状に曲げた金属チ
タン板(内径5cm、高さ15cm、厚さ0.5 mm)の
外面をマスキングし、内面を電解質β−グリセロリン酸
ナトリウム−酢酸カルシウム混合溶液中、350Vで陽
極酸化し、触媒活性を示すチタニア皮膜を形成した(図
1)。
【0026】電解質は、β−グリセロリン酸ナトリウム
0.005 mol及び酢酸カルシウム0.09molを合わせて
1リットルの純水に溶解して調製した。前記チタン板を
陽極とし、陰極のチタン板と共にこの水溶液中に浸し、
3Aの直流電流を流した。電圧が除々に上昇し、200
Vを越えたあたりから陽極のチタンの表面で火花放電が
発生し始め、酸化膜が形成された。
【0027】印可電圧が予め設定した最高到達電圧であ
る350Vに達すると、電流は自動的に流れなくなっ
た。なお、本実施例においてはこの間約7分であった。
陽極酸化した金属チタン板の表面を粉末X線回折で分析
し、結晶相を同定したところ、結晶性が高く、しかもア
ナタース相が100%の陽極酸化膜が形成されているこ
とが判った。X線回折パターンを図2に示す。 (触媒活性の評価)水分解用光触媒の触媒活性の評価
は、閉鎖循環系触媒反応装置を用い、犠牲試薬としてメ
タノールを添加したメタノール水溶液から水素を生成さ
せることで行った。
【0028】上記製造した触媒(235.5cm2 )を
メタノール水溶液350ml(水が300ml、メタノ
ールが50ml)中に入れ、マグネチックスターラーで
攪拌し、内部から450W高圧水銀ランプを用い全光照
射して行った。反応管はいずれもパイレックス製のもの
を用いた。また、生成した水素の検出及び定量はガスク
ロマトグラフィーで行った。表1に測定結果を示す。
【0029】上記の結果から、陽極酸化法で製造された
チタニアの触媒活性が確認できた。 [実施例2] (水分解用光触媒の製造方法)実施例1と同形状の金属
チタン板を電解質リン酸−硫酸混合液中、250Vで陽
極酸化し、触媒活性を示すチタニア皮膜を形成した。
【0030】電解質はリン酸0.26mol、硫酸0.35mo
lを混合して1リットルに希釈して調製した。以下実施
例1のβ−グリセロリン酸ナトリウム−酢酸カルシウム
混合溶液を用いた場合と同様の手順で陽極酸化を行っ
た。陽極酸化した金属チタン板の表面を粉末X線回折で
分析し、結晶相を同定したところ、結晶性が高く、しか
もアナタース相が100%であった。X線回折パターン
を図3に示す。 (触媒活性の評価)水分解用光触媒の触媒活性の評価は
実施例1と同様に、閉鎖循環系触媒反応装置を用い、犠
牲試薬としてメタノールを添加したメタノール水溶液か
ら水素を生成させることで行った。表1に測定結果を示
す。 [実施例3] (水分解用光触媒の製造方法)円筒形状に曲げた金属チ
タン板(内径5cm、高さ15cm、厚さ0.5 mm)の
外面をマスキングし、内面を電解質β−グリセロリン酸
ナトリウム−酢酸バリウム混合溶液中、350Vで陽極
酸化し、触媒活性を示すチタニア皮膜を形成した。
【0031】電解質はβ−グリセロリン酸ナトリウム0.
005 mol及び酢酸バリウム0.07molを合わせて1リ
ットルの純水に溶解して調製した。前記チタン板を陽極
とし、陰極のチタン板と共にこの水溶液中に浸し、3A
の直流電流を流す。陽極酸化した金属チタン板の表面を
粉末X線回折により分析し、結晶相を同定した。この結
果、結晶性が高く、しかもアナタース相が100%の陽
極酸化膜が形成されていた。X線回折パターンは実施例
1と同等であった。 (触媒活性の評価)水分解用光触媒の触媒活性の評価
は、閉鎖循環系触媒反応装置を用い、犠牲試薬としてメ
タノールを添加したメタノール水溶液から水素を生成さ
せることで行った。
【0032】上記製造した触媒(235.5 cm2 )をメタ
ノール水溶液350ml(水が300ml、メタノール
が50ml)中に入れ、マグネチックスターラーで攪拌
し、内部から450W高圧水銀ランプを用い全光照射し
て行った。反応管はいずれもパイレックス製のものを用
いた。また、生成した水素の検出及び定量はガスクロマ
トグラフィーで行った。表1に測定結果を示す。
【0033】上記の結果から、陽極酸化法で製造された
チタニアの触媒活性が確認できた。 [実施例4] (水熱処理)実施例1で製造した水分解用光触媒を容量
1.3 リットルのオートクレーブの中央に吊し、水0.2 リ
ットルを入れて、300℃、2時間加熱することで水熱
処理を行った。
【0034】水熱処理後の金属チタン板の表面を粉末X
線回折で分析し、結晶相を同定したところ、チタニアは
水熱処理前と比較して結晶化が進んでいた。また、電子
顕微鏡による観察では皮膜は多孔質化していた。図4に
X線回折パターンを示す。 (触媒活性の評価)水分解用光触媒の触媒活性の評価は
実施例1と同様に、閉鎖循環系触媒反応装置を用い、犠
牲試薬としてメタノールを添加したメタノール水溶液か
ら水素を生成させることで行った。表1に測定結果を示
す。 [実施例5] (水熱処理)実施例2で製造した水分解用光触媒を実施
例4と同様に容量1.3 リットルのオートクレーブに水0.
2 リットルと共に入れ、300℃、2時間加熱すること
により水熱処理を行った。
【0035】水熱処理後の金属チタン板の表面を粉末X
線回折で分析し、結晶相を同定したところ、チタニアは
水熱処理前と比較して結晶化が進み、また、多孔質化し
ていた。図5にX線回折パターンを示す。 (触媒活性の評価)水分解用光触媒の触媒活性の評価は
実施例1と同様に、閉鎖循環系触媒反応装置を用い、犠
牲試薬としてメタノールを添加したメタノール水溶液か
ら水素を生成させることで行った。表1に測定結果を示
す。 [実施例6] (水熱処理)実施例3で製造した水分解用光触媒を容量
1.3 リットルのオートクレーブの中央に吊し、水0.2 リ
ットルを入れて、300℃、2時間加熱することで水熱
処理を行った。
【0036】水熱処理後の金属チタン板の表面を粉末X
線回折により分析し、結晶相を同定した。その結果、チ
タニアは水熱処理前と比較して結晶化が進んでいた。ま
た、電子顕微鏡による観察では皮膜は多孔質化してい
た。X線回折パターンは実施例4と同等であった。 (触媒活性の評価)水分解用光触媒の触媒活性の評価は
実施例1と同様に、閉鎖循環系触媒反応装置を用い、犠
牲試薬としてメタノールを添加したメタノール水溶液か
ら水素を生成させることで行った。表1に測定結果を示
す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の水分解用光
触媒の製造方法によれば、短時間に、簡単な装置構成に
より、しかも広い面積や複雑な形状においても、金属酸
化膜を均一に形成することが可能であり、その結果、安
価で性能がよい水分解用光触媒を得ることができる。
【0039】本発明は、水分解用光触媒として有用な金
属酸化物膜を容易にかつ安価に製造する有効な手段であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する装置(一例)の概念図
【図2】実施例1で製造したチタニアのX線回折パター
【図3】実施例2で製造したチタニアのX線回折パター
【図4】実施例4で製造したチタニアのX線回折パター
【図5】実施例5で製造したチタニアのX線回折パター
【符号の説明】 1 陽極(金属基板) 2 陰極 3 電解質 4 直流電源 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 11/26 302 C25D 11/26 302

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基板上に金属酸化膜を形成して水分
    解用光触媒を製造する方法であり、陽極酸化法により前
    記金属酸化膜を形成することを特徴とする水分解用光触
    媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属がチタン、タンタル、ニオブ、
    タングステン、モリブデン、バナジウム、ビスマス、ジ
    ルコニウム、ハフニウム、錫、インジウムまたはイット
    リウム、或いはこれらの金属の合金であることを特徴と
    する請求項1記載の水分解用光触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記陽極酸化法に使用する電解質がリン
    酸、硫酸、これらの混酸、グリセロリン酸塩、またはグ
    リセロリン酸塩と酢酸塩の混合溶液であることを特徴と
    する請求項1または2記載の水分解用光触媒の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記金属酸化膜を水熱処理することによ
    り、触媒活性を向上させた水分解用光触媒とすることを
    特徴とする請求項1〜3記載の水分解用光触媒の製造方
    法。
JP7245799A 1995-09-25 1995-09-25 水分解用光触媒の製造方法 Pending JPH0985099A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7245799A JPH0985099A (ja) 1995-09-25 1995-09-25 水分解用光触媒の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7245799A JPH0985099A (ja) 1995-09-25 1995-09-25 水分解用光触媒の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0985099A true JPH0985099A (ja) 1997-03-31

Family

ID=17139015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7245799A Pending JPH0985099A (ja) 1995-09-25 1995-09-25 水分解用光触媒の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0985099A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000010706A1 (fr) * 1998-08-21 2000-03-02 Ecodevice Laboratory Co., Ltd. Photocatalyseur de type a rayonnement visible et son procede de production
JP2006116398A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Norio Shimizu 光触媒の製造方法
JP2007054742A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Niigata Univ 水素発生触媒、水素発生電極及びこれらの製造方法
JP2009280479A (ja) * 2008-04-23 2009-12-03 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 樹状物質およびそれを含む構造体
JP2010159483A (ja) * 2008-12-10 2010-07-22 Dowa Holdings Co Ltd 酸化チタン電極の合成方法並びに酸素酸イオンの電解還元用電解槽
JP2012504193A (ja) * 2008-09-30 2012-02-16 インドゥストリエ・デ・ノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 次亜塩素酸塩セル用のカソード部材及び双極プレート

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000010706A1 (fr) * 1998-08-21 2000-03-02 Ecodevice Laboratory Co., Ltd. Photocatalyseur de type a rayonnement visible et son procede de production
US6908881B1 (en) 1998-08-21 2005-06-21 Ecodevice Laboratory Co., Ltd. Visible radiation type photocatalyst and production method thereof
JP2006116398A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Norio Shimizu 光触媒の製造方法
JP2007054742A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Niigata Univ 水素発生触媒、水素発生電極及びこれらの製造方法
JP2009280479A (ja) * 2008-04-23 2009-12-03 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 樹状物質およびそれを含む構造体
JP2012504193A (ja) * 2008-09-30 2012-02-16 インドゥストリエ・デ・ノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 次亜塩素酸塩セル用のカソード部材及び双極プレート
JP2010159483A (ja) * 2008-12-10 2010-07-22 Dowa Holdings Co Ltd 酸化チタン電極の合成方法並びに酸素酸イオンの電解還元用電解槽

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8445401B2 (en) Rutile-type titanium dioxide photocatalyst
Sclafani et al. Influence of the preparation methods of titanium dioxide on the photocatalytic degradation of phenol in aqueous dispersion
Zhitomirsky Cathodic electrosynthesis of titania films and powders
Bellardita et al. Preparation of catalysts and photocatalysts used for similar processes
JP2007070675A (ja) 半導体電極とそれを用いたエネルギ変換システム
JP2022051582A (ja) チタン基材、チタン基材の製造方法、及び、水電解用電極、水電解装置
JPH0985099A (ja) 水分解用光触媒の製造方法
Ryshchenko et al. Electrochemical synthesis of crystalline niobium oxide
Pereira et al. Titanium dioxide/oxidized carbon fiber electrodes electrochemically produced and their influences on Brilliant Green dye degradation
JP2000178791A (ja) 多孔質酸化チタン皮膜の製造方法
JP2007325995A (ja) 光触媒皮膜及びその製造方法
US11358124B2 (en) Preparation method of a nanometer metal oxide supported carrier based on anodic oxidation
Xiaohong et al. TiO2 ceramic films prepared by micro-plasma oxidation method for photodegradation of rhodamine B
CN1228138C (zh) 一种用于降解水中有机污染物的改性二氧化钛固定化方法
JPH09262473A (ja) 酸化鉄光触媒とそれによる水素の製造方法
Duan et al. Morphology-dependent activities of TiO 2-NTs@ Sb-SnO 2 electrodes for efficient electrocatalytic methyl orange decolorization
KR100926126B1 (ko) 일체형 나노튜브 광촉매의 제조방법, 이를 이용한 6가크롬환원 장치 및 환원 방법
JP5683594B2 (ja) 超多孔性光触媒材料、その製造方法およびその使用
Brudzisz et al. Pom-pom-like nanowire clusters prepared by potentiostatic oxidation of copper in NH4HCO3 solution
CN103388122B (zh) 一种不锈钢表面TiO2渗镀层的制备方法
CN113351194B (zh) 富氧空位二氧化钛材料、制备及其在锂氧电池中应用
JPH10130887A (ja) 多孔質酸化チタン皮膜の製造方法及び多孔質酸化チタン皮膜及び窒素酸化物ガス分解用光触媒
US20100047611A1 (en) Nanoporous titanium oxide and method for preparing the same
JP3911355B2 (ja) 光触媒体の作製方法
RU2595900C1 (ru) Способ изготовления и модификации электрохимических катализаторов на углеродном носителе