JPH0984929A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＥＬパネルを遊技盤または遊技盤のバックラ
イトとして大きな輝度差なく発光させることができる遊
技機を遊技中に目障りとならずかつ簡単な構造で安価に
提供する。 【解決手段】 ＥＬパネル４が遊技盤として配設されて
いるとともに、ＥＬパネル４の周縁部には、透明電極層
上に電圧降下防止用の導電層４ｆが設けられている。導
電層４ｆは非遊技領域１０に位置し、かつ機枠１および
ガラス蓋３の窓枠３ａによって隠蔽されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の技術分野】本発明は、パチンコゲーム機等の遊
技機に関する。

【０００２】

【従来の技術】遊技機では、透明基材上に透明電極層と
発光層と絶縁層と背面電極層とを順次積層形成したＥＬ
パネルを遊技盤または遊技盤のバックライトとして配設
して遊技盤に発光機能を付加することが考えられてい
る。例えば、実開平４−５００９２号に開示されるパチ
ンコ機の盤面表示装置では、ＥＬパネルが遊技盤として
配設されて遊技盤に発光機能が付加されるようになって
いる。また、特開平７−１０８０８４号に開示されるパ
チンコゲーム機では、種々の形象を施した化粧シートが
遊技盤として配設されているとともに化粧シートの裏面
にＥＬパネルが接合され、ＥＬパネルをバックライトと
して遊技盤に発光機能が付加されるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造では、遊技盤の機能上、大型のＥＬパネルが必要
となり、その構造上、透明電極層が給電線との接続部か
ら近い部位と遠い部位とで大きな電気抵抗差を生じ、こ
の影響を受けて透明電極層と背面電極層との間の電圧が
給電線との接続部から遠い部位で大きく低下し、発光部
位によって大きな輝度差が生じるという不都合があっ
た。そこで、ＥＬパネルの透明電極層に大きな電気抵抗
差が生じないように給電線の配線を工夫してＥＬパネル
を大きな輝度差なく発光させることが考えられるが、こ
の場合には給電線の配線が複雑となって高価なものとな
ったり、給電線が遊技領域を通って配線されると、ＥＬ
パネルの構造上、給電線が透明基材や透明電極層を透過
して遊技領域内で視認されることとなり、遊技中に目障
りとなるという不都合がある。

【０００４】本発明の目的は、ＥＬパネルを遊技盤また
は遊技盤のバックライトとして大きな輝度差なく発光さ
せることができる遊技機を遊技中に目障りとならずかつ
簡単な構造で安価に提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る遊技機では、透明基材上に透明電極層
と発光層と絶縁層と背面電極層とを順次積層形成したＥ
Ｌパネルが遊技盤または遊技盤のバックライトとして配
設されており、ＥＬパネルの周縁部には透明電極層上に
電圧降下防止用の導電層が非遊技領域に位置するように
設けられていることを特徴としている。導電層は、外装
部材または非遊技領域に位置する装飾部材によって隠蔽
されていることが望ましい。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明が適用されたパチンコ機で
は、図１に示されるように機枠１が設けられている。機
枠１の裏側には、木製の基台２（図２に図示）が設けら
れ、この基台２に機枠１が図示しないヒンジ手段により
必要に応じて開閉できるように取り付けられている。

【０００７】機枠１には、上部に窓孔１ａが形成され、
この窓孔１ａに外装部材としてのガラス蓋３が図示しな
いヒンジ手段により必要に応じて開閉できるように取り
付けられている。ガラス蓋３は窓枠３ａを有し、この窓
枠３ａに透明なガラス板３ｂを装着した構造となってい
る。ガラス蓋３の内側には、ＥＬパネル４が遊技盤とし
て配設されている。

【０００８】ＥＬパネル４は図２に示されるようにケン
ト紙５を介して基台２に貼着されている。ケント紙５は
基台２の表面に接着剤６で貼着され、その表面にＥＬパ
ネル４が接着剤７で貼着されている。接着剤６、７とし
ては、水溶性接着剤が適用可能である。

【０００９】ＥＬパネル４上には、パチンコ球の通過領
域を規制するガイドレール８が配設され、このガイドレ
ール８により遊技領域９と非遊技領域１０とが区分けさ
れている。遊技領域９には、中央部に所定の図柄を可変
表示する表示装置１１が配設されているとともに、表示
装置１１の周囲に複数のヤクモノ１２や釘１３が配設さ
れている。表示装置１１はＥＬパネル４および基台２を
貫通して基台２の裏面に図示しないビスにより固定され
ている。ヤクモノ１２はＥＬパネル４を貫通して基台２
に螺合する図示しないビスによりＥＬパネル４の表面上
に固定されている。釘１３はその頭部がＥＬパネル４の
表面上に突出するようにＥＬパネル４を貫通して基台２
に打ち付け固定されている。

【００１０】ＥＬパネル４は遊技領域９から非遊技領域
１０にかけて遊技盤として配設され、その周縁部全域は
非遊技領域１０に位置し、かつ機枠１およびガラス蓋３
の窓枠３ａによって隠蔽されている。このＥＬパネル４
は図２に示されるように透明基材としてのポリエチレン
テレフタレート（ＰＥＴ）製の透明フィルム４ａ上に透
明電極層４ｂ、発光層４ｃ、絶縁層４ｄ、背面電極層４
ｅを順次積層形成した構造となっている。

【００１１】透明電極層４ｂは酸化インジウム・スズ
（ＩＴＯ）等を透明フィルム４ａ上に真空蒸着して形成
したものであって、透明フィルム４ａ上にその全域に亘
って積層形成されている。透明電極層４ｂ上には、図３
および図４に示されるように電圧降下防止用の導電層４
ｆが周縁部略全域に亘って帯状に積層形成され、この導
電層４ｆにより囲まれるようにして発光層４ｃが積層形
成されている。導電層４ｆの両端部は、透明電極層４ｂ
の下端部に隣接配置されている。導電層４ｆはカーボン
ペーストを透明フィルム４ａ上に印刷・乾燥し、そのカ
ーボン層上に銀ペーストを印刷・乾燥したカーボン層と
銀層の２層構造であり、透明フィルム４ａの表面側から
はカーボン層が透明フィルム４ａおよび透明電極層４ｂ
を透過して黒色に視認可能となっている。この導電層４
ｆは遊技中に目障りとならないように非遊技領域１０に
位置し、かつ機枠１およびガラス蓋３の窓枠３ａによっ
て隠蔽されている。

【００１２】発光層４ｃは硫化亜鉛に銅をドープしてな
る発光体とフッ素樹脂バインダーとを混合・攪拌したイ
ンクを透明電極層４ｂ上に印刷・乾燥して形成したもの
であって、透明電極層４ｂ上の複数箇所に星型等の図柄
としてパターニングされ、透明フィルム４ａの表面側か
らは図４に示されるように星型等の図柄として視認され
るようになっている。発光層４ｃの周囲には、図４に示
されるように非発光層４ｇが配設され、透明フィルム４
ａの表面側からは、非発光層４ｇの色彩が星型等の図柄
の背景色として視認されるようになっている。非発光層
４ｇは着色顔料とフッ素樹脂バインダーとを混合・攪拌
したインクを透明電極層４ｂ上に印刷・乾燥して形成し
たものであって、発光層４ｃと共に導電層４ｆにより囲
まれるようにして透明電極層４ｂ上に積層形成されてい
る。

【００１３】絶縁層４ｄは高誘電体であるチタン酸バリ
ウムとフッ素樹脂バインダーとを混合・攪拌したインク
を発光層４ｃ上および非発光層４ｄ上に印刷・乾燥して
形成したものであって、発光層４ｃ上および非発光層４
ｄ上にその全域に亘って積層形成されている。

【００１４】背面電極層４ｅはカーボンペーストを絶縁
層４ｄ上に印刷・乾燥して形成したものであって、絶縁
層４ｄ上の複数箇所に各発光層４ｃと平面的に重なるよ
うに星型等の図柄としてパターニングされて絶縁層４ｄ
上に部分的に積層形成されている。各背面電極層４ｅに
は、ヤクモノ１２の取り付け用のビスや釘１３を介して
透明電極層４ｂと導通しないように当該ビスや釘１３の
貫通部にビスや釘１３との接触を回避する逃げ孔４ｈ
（図２に図示）が形成されている。各背面電極層４ｅの
周囲には、図３に示されるように絶縁層４ｄ上に積層形
成された複数の帯状の導電層４ｉが各背面電極層４ｅへ
の給電用として配設され、各導電層４ｉに各背面電極層
４ｅが個別に導通されている。各導電層４ｉは、カーボ
ンペーストを絶縁層４ｄ上に印刷・乾燥し、そのカーボ
ン層上に銀ペーストを印刷・乾燥したカーボン層と銀層
の２層構造２層構造であって、その一端部はカーボン層
が背面電極層４ｅに連続するとともに銀層の一部が背面
電極４ｅ上に平面的に重なるように絶縁層４ｄ上にパタ
ーニングされている。各導電層４ｉの他端部は、導電層
４ｆと共に透明電極層４ｂの下端部に隣接して配設さ
れ、透明電極層４ｂの下端部で導電層４ｆと共に図示し
ないコネクタを介してフラットケーブル１４の一端部と
接続されている。フラットケーブル１４の他端部は、パ
チンコ球の入賞等に対応して各導電層４ｆや導電層４ｉ
への通電を制御する図示しない駆動回路基板に接続され
ている。そして、駆動回路基板の制御により、パチンコ
球の入賞等に対応してフラットケーブル１４を介して導
電層４ｆが通電されるとともに各導電層４ｉが同時にま
たは選択的に通電され、これにより透明電極層４ｂと各
背面電極層４ｅとの間に交流電場が印加されて各発光層
４ｃが星型等の図柄として同時にまたは選択的に発光す
るようになっている。

【００１５】上記の構成によれば、ＥＬパネル４が遊技
盤として配設され、ＥＬパネル４によって遊技盤に発光
機能が付加される。そして、ＥＬパネル４の周縁部に
は、透明電極層４ｂ上に電圧降下防止用の導電層４ｆが
設けられているので、簡単な構造で安価な導電層４ｆに
より、透明電極層４ｂがフラットケーブル１４との接続
部から近い部位と遠い部位とで大きな電気抵抗差を生じ
ないようにすることができ、これにより透明電極層４ｂ
と各背面電極層４ｅとの間の電圧がフラットケーブル１
４との接続部から遠い部位で大きく低下するのを防止し
て各発光層４ｃを星型等の図柄として同時にまたは選択
的に大きな輝度差なく発光させることができる。

【００１６】また、ＥＬパネル４では、導電層４ｆが非
遊技領域１０に位置されているので、導電層４ｆが遊技
領域９内で視認されることがなく、遊技中に目障りとな
ることはない。また、導電層４ｆが非遊技領域１０に位
置するだけでなく機枠１およびガラス蓋３の窓枠３ａに
よって隠蔽されているので、非遊技領域１０においても
導電層４ｆが視認されることがなく、遊技中に目障りと
ならないばかりでなく、外観見栄えも向上する。

【００１７】なお、上記の例では、導電層４ｆが非遊技
領域１０に位置し、かつ機枠１およびガラス蓋３の窓枠
３ａによって隠蔽された構成について説明したが、これ
に限らず、少なくとも導電層４ｆが非遊技領域１０に位
置する構成であればよい。また、導電層４ｆの隠蔽は、
機枠１およびガラス蓋３の窓枠３ａに限らず、非遊技領
域１０に位置する電飾部品によって行なうようにしても
よい。

【００１８】また、上記の例では、ＥＬパネル４を遊技
盤として配設したが、種々の形象を施した化粧シートを
遊技盤として配設するとともに当該化粧シートの裏面に
ＥＬパネルを接合し、ＥＬパネルを遊技盤のバックライ
トとして用いる場合にも勿論適用可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る遊技機
では、透明基材上に透明電極層と発光層と絶縁層と背面
電極層とを順次積層形成したＥＬパネルが遊技盤または
遊技盤のバックライトとして配設されており、ＥＬパネ
ルの周縁部には透明電極層上に電圧降下防止用の導電層
が非遊技領域に位置するように設けられているので、Ｅ
Ｌパネルを遊技盤または遊技盤のバックライトとして大
きな輝度差なく発光させることができ、しかも遊技中に
目障りとならずかつ簡単な構造で安価である。また、導
電層が外装部材または非遊技領域に位置する装飾部材に
よって隠蔽される構成とすれば、遊技中に目障りとなら
ないばかりでなく、外観見栄えも向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用されたパチンコ機の概略構成を示
す正面図である。

【図２】図１の要部拡大断面図である。

【図３】図１のＥＬパネルの裏面図である。

【図４】図１のＥＬパネルの平面図である。

【符号の説明】

４ ＥＬパネル ４ａ 透明フィルム ４ｂ 透明電極層 ４ｃ 発光層 ４ｄ 絶縁層 ４ｅ 背面電極層 ４ｆ 導電層 ９ 遊技領域 １０ 非遊技領域

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 貞之 東京都墨田区太平四丁目１番１号 株式会 社精工舎内 (72)発明者 奥山 英希 東京都墨田区太平四丁目１番１号 株式会 社精工舎内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明基材上に透明電極層と発光層と絶縁
   層と背面電極層とを順次積層形成したＥＬパネルが遊技
   盤または遊技盤のバックライトとして配設されており、
   上記ＥＬパネルの周縁部には上記透明電極層上に電圧降
   下防止用の導電層が非遊技領域に位置するように設けら
   れていることを特徴とする遊技機。
2. 【請求項２】 請求項１において、上記導電層は、外装
   部材または非遊技領域に位置する装飾部材によって隠蔽
   されていることを特徴とする遊技機。