JPH0983152A - コントロールパネル及びその製造方法並びに製造に用いる金型装置 - Google Patents

コントロールパネル及びその製造方法並びに製造に用いる金型装置

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JPH0983152A
JPH0983152A JP25576795A JP25576795A JPH0983152A JP H0983152 A JPH0983152 A JP H0983152A JP 25576795 A JP25576795 A JP 25576795A JP 25576795 A JP25576795 A JP 25576795A JP H0983152 A JPH0983152 A JP H0983152A
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Hisaaki Onodera
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Sanyo Plastic Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハウジング(2)の開口部(14)を透明フ
ィルム(6)が、成形後にハウジング(2)が収縮して
も変形することがなく、開口部(14)内に配置された
表示装置(17)の視認性を損なわないコントロールパ
ネル(1)を提供する。 【解決手段】 開口部(14)を形成する金型の成形面
にフィルム(6)と透明なピース部材(12)が密着す
るように位置決めし、ピース部材(12)周囲に溶融し
たカラー樹脂(27)を射出する。カラー樹脂(27)
が成形後収縮しても、開口部(14)の径方向に沿った
収縮は、ピース部材(12)により抑制され、開口部
(14)のフィルム(6)が撓むことがない。従って、
開口部(14)内の表示装置(17)は、フィルム
(6)とピース部材(12)を通して、支障なく読み取
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はテレビジョン受像
機、オーディオ機器、エアコンディショナー等の電気製
品、複写機、電話機等の事務機器、その他の機器の動作
状態を表示し、あるいは動作を制御するために用いられ
るコントロールパネルと、このコントロールパネルを製
造する方法、さらにはこの製造方法に使用する金型装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】上述のような機器に使用されるコントロ
ールパネルは押釦スイッチ、液晶表示装置(LCD)等
の操作部材が配置されているが、このコントロールパネ
ルは成形性、量産性、軽量性等の観点から樹脂により成
形されている。このコントロールパネルの成形において
は、フィルムを成形用の金型内にセットして樹脂を金型
内に射出するフィルムインサート成形によって成形され
ている。
【0003】このフィルムインサート成形では、ハウジ
ングの表面にフィルムが積層された状態となり、これに
より、2色成形することなく、表面に模様、配色を施す
ことができると共に、光沢を付与でき、さらには文字、
数字等を配設できるところから、デザインの自由度が拡
大するメリットがある。また、フィルムによって被覆さ
れるため、コントロールパネルの防水性も向上する。
【0004】図10及び図11はこのフィルムインサー
ト成形によって成形された従来のコントロールパネルの
各例を示す。
【0005】図10のコントロールパネルは機器本体
(図示省略)に取り付けられるハウジング100と、こ
のハウジング100の上面に積層されたフィルム110
とから構成される。ハウジング100は透明な樹脂によ
り成形されており、機器本体に配置されたプリント配線
基板200を覆っている。
【0006】なお、プリント配線基板200にはLCD
等の表示装置210や発光ダイオード(LED)等の発
光素子220が実装されている。
【0007】フィルム110は0.3〜0.5mm程度
の厚さに成形されると共に、印刷が施されることにより
不透明となった部分111と、印刷が施されていない透
明部分112とに区画されている。
【0008】フィルム110の透明部分112はプリン
ト配線基板200に実装された表示装置210や発光素
子220の上方に位置しており、これにより、表示装置
210が表示する情報の読み取りや、発光素子220が
発する光の視認が可能となっている。これに対して、フ
ィルム110の不透明部分111はハウジング100下
方のプリント配線基板その他の部品が外から見えないよ
うに、隠蔽する部分である。
【0009】図11のコントロールパネルもハウジング
130と、ハウジング130に積層されたフィルム14
0とによって構成されるが、ハウジング130は樹脂に
顔料が混合されたカラー樹脂によって成形されており、
これにより、ハウジング130の全体が不透明となって
いる。これに対して、フィルム140は全体が透明であ
る。
【0010】この構造のコントロールパネルはフィルム
140がハウジング130の上面の一部に積層されてお
り、ハウジング130の他の部分が露出している。これ
はハウジング130に用いたカラー樹脂の質感をコント
ロールパネルに付与するためである。
【0011】図11のコントロールパネルでは、プリン
ト配線基板200に実装された表示装置210の情報の
読み取りを可能とする必要があり、このため、ハウジン
グ130における表示装置200との対向部位に開口部
150が形成されている。
【0012】同図において、230はハウジング130
を貫通して、ハウジング130の上方に抜け出た押釦で
あり、この押釦230の下方のプリント配線基板200
上には、スイッチ240が設けられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
に示すコントロールパネルはフィルム110が薄いとこ
らから、不透明部分111下方のプリント配線基板20
0、その他の部品がハウジング100を透して外部から
見え、外観上、好ましくない問題を有している。
【0014】また、大型の機器に対応するため、広い面
積のフィルム110を用いてフィルムインサート成形を
行った場合、フィルム110に用いた樹脂とハウジング
100に用いたカラー樹脂との熱膨張係数の相違で、カ
ラー樹脂の硬化時にフィルム110が歪み易く、この歪
みにより外観を損なうと共に、干渉縞が生じて、表示装
置210が表示する情報の読み取りが行いにくくなる問
題も有している。
【0015】一方、図11に示すコントロールパネルで
は、ハウジング130に開口部150を形成するため、
この開口部150によって、ハウジング130全体の強
度が低下している。
【0016】また、フィルム140が薄いため、開口部
150部分でフィルム140が破れる問題も有してい
る。
【0017】さらには、図10の場合と同様に、フィル
ム140に用いた樹脂とハウジング150に用いた樹脂
との熱膨張係数の相違で、成形後にフィルム110が歪
み易く、これにより、表示装置210の情報の読み取り
が行いにくくなっていると共に、外観を損なっている。
特に開口部の内径が、開口部150の様に大径になれば
なるほど、フィルム110の撓みが目立ち、外観を損な
うとともに、開口部150内の表示装置210が見づら
くなるという問題が顕著となっていた。
【0018】本発明はこのような従来技術の問題点を考
慮してなされたものであり、機器本体側に配置されたプ
リント配線基板、その他の部品が外部から見えることな
く、しかもフィルムの歪みや破れがなく、強度も向上し
た構造のコントロールパネルを提供することを目的とす
る。
【0019】また、本発明はこのコントロールパネルを
製造する製造方法を提供することを目的とする。
【0020】さらに、本発明はこのコントロールパネル
の製造に使用される金型装置を提供することを目的とす
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のコントロールパ
ネルは、所定部分に開口部が位置するようにカラー樹脂
によって成形されたハウジングと、このハウジングの開
口部に嵌合状態で設けられる透明樹脂からなるピース部
材と、前記ハウジング及びピース部材の表面の少なくと
も一部を覆う透明樹脂からなるフィルムと、を備えてい
ることを特徴とする。
【0022】この構成では、ハウジングの開口部に液晶
表示装置等の表示部材が臨む。この開口部にはピース部
材が嵌合するが、ピース部材が透明樹脂のため、ピース
部材を介して表示部材を視認することができる。
【0023】このピース部材はハウジングの開口部に嵌
められることで、開口部々分に強度を付与することから
コントロールパネル全体の強度が大きくなると共に、フ
ィルムの開口部々分を支持するため、フィルムが薄くて
も破れることがない。
【0024】一方、コントロールパネルの下方にはプリ
ント配線基板等の部品が配置されるが、コントロールパ
ネルのハウジングがカラー樹脂からなり、全体が不透明
なため、部品が外部から見えることがない。
【0025】このコントロールパネルを製造する本発明
の方法は、上記ハウジングの開口部に対応する金型の成
形面部分に透明樹脂からなるピース部材を取り付け、透
明樹脂からなるフィルムをピース部材の表面の少なくと
も一部を覆うように相対的に位置決めした後、金型を型
締めして成形室内にカラー樹脂を射出し、成形するもの
である。
【0026】この方法では、成形室内へのカラー樹脂の
射出で、開口部にピース部材が位置し、且つ、フィルム
が積層されたハウジングを成形できる。射出した樹脂の
硬化時の冷却に際しては、ピース部材がフィルムに接触
すると共に、カラー樹脂と一体化してカラー樹脂の収縮
を抑えるため、カラー樹脂がフィルムに作用させる応力
を軽減できる。このため熱膨張係数の相違によるフィル
ムの歪みを抑制する。
【0027】この方法においては、成形室内を吸引した
状態で成形室へカラー樹脂を射出することができる。こ
の吸引によりフィルムとピース部材との間に侵入するカ
ラー樹脂を排出させることができ、カラー樹脂が成形後
の表面に残ることがなくなる。
【0028】この製造方法に使用される本発明の金型装
置は、所定部分に開口部を有するハウジングをカラー樹
脂の射出成形によって成形するための成形面が形成され
た一対の金型と、この一対の金型のいずれかに設けら
れ、前記ハウジングの開口部に対応する成形面部分に透
明樹脂からなるピース部材を取り付ける取付手段と、を
備えていることを特徴とする。
【0029】この金型装置では、取付手段にピース部材
を取り付けて、型締めし、カラー樹脂を射出すること
で、上述したコントロールパネルを製造することができ
る。
【0030】本発明の金型装置では、上述した構成に加
えて、フィルムとフィルムの表面の少なくとも一部を覆
うピース部材との間からカラー樹脂を吸引する吸引手段
を備えることができる。この吸引手段を備えることで、
ピース部材とフィルムとの間にカラー樹脂が入り込むこ
とがなくなる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は本発明をファクシミリ送受
信機のコントロールパネル1に適用した一例の平面図を
示す。
【0032】このコントロールパネル1には、平面矩形
状に形成されたハウジング2の上面の中央部分に、第1
の表示部3及び第2の表示部4が設けられると共に、右
側に12個のテンキー7が配設されている。また、この
ハウジング2の左側部分には、複数の押釦5が配置され
ている。
【0033】第1の表示部3には液晶表示装置等が臨ん
でおり、電話番号、送信先その他の情報を文字等によっ
て表示する。第2の表示部4は記憶したエラーコード等
を7セグメントLED等の数字により表示するものであ
る。
【0034】押釦5、第1及び第2の表示部が配設され
た領域のハウジング2上面には、フィルム6が覆ってい
る。このフィルム6をこれらの領域に設けることで、こ
れらの部分に耐水性を付与することができる。また、フ
ィルム6の押釦5に対応する位置には、「FAX」、
「TEL」等の表示が印刷され、押釦5に直接表示する
ことなく、押釦5の動作表示を行っている。
【0035】なお、テンキー7の配設領域はフィルム6
に覆われることなく、ハウジング2に用いた樹脂が露出
して、その樹脂の質感がコントロールパネル1に付与さ
れている。
【0036】図2は図1のA−A線断面を示し、ハウジ
ング2における上述した領域にフィルム6が積層されて
いる。ハウジング2はカラー樹脂によって成形されてお
り、これにより全体が不透明となっている。
【0037】カラー樹脂は基材となる樹脂に顔料を混合
したものであり、基材となる樹脂としては、ABS樹脂
(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)ある
いはスチレン樹脂にブタジエンゴム樹脂がブレンドされ
たHIPS樹脂(高衝撃性ポリスチレン樹脂(high
impact poristyrene))等の樹脂
が使用される。
【0038】このハウジング2の所定部位には大小の貫
通穴が形成されることにより、それぞれ開口部14、1
5となっており、大きい側の開口部14にはピース部材
12が嵌め込み状態で取り付けられている。
【0039】ピース部材12はAS樹脂(アクリルニト
リルスチレン樹脂)等の透明樹脂によって成形されるも
のであり、光の透過が可能となっている。小さい側の開
口部15は貫通状態となっており、この開口部15には
図3に示すように、押釦5が挿通される。
【0040】フィルム6はピース部材12及び開口部1
5を含む領域のハウジング2上面に接合されている。こ
のフィルム6はPET樹脂(ポリエチレンテレフレート
樹脂)、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)等の透明樹
脂により、0.1mm〜0.3mm程度の薄さに成形さ
れている。
【0041】このように、共に透明樹脂からなるピース
部材12及びフィルム6が重合した部分は、光が透過す
るため、その下方の視認が可能となっている。また、ピ
ース部材12が径の大きな開口部14に嵌合状態で設け
られるため、ハウジング2の強度が向上している。
【0042】さらに、フィルム6はハウジング2の大径
の開口部14上にも張設されるが、この開口部14には
ピース部材12が嵌合状態で設けられているため、ピー
ス部材12によって支持されている。このため、フィル
ム6が薄くても、その破れを防止することができる。
【0043】図3は以上の構造のコントロールパネル1
をファクシミリ送受信機に組み込んだ断面を示してい
る。
【0044】ファクシミリ送受信機の機器本体8におけ
るコントロールパネル1の下方には、プリント配線基板
16が配置されており、このプリント配線基板16に表
示装置17が実装されている。
【0045】表示装置17としては液晶表示装置が使用
され、コントロールパネル1のピース部材12に臨むよ
うにプリント配線基板16に実装されている。このよう
に透明なピース部材12の下方に表示装置17を配置す
ることにより、図1に示す第1の表示部3が構成され、
表示する情報の視認が可能となる。
【0046】ハウジング2における小径の開口部15に
は、押釦5(図1参照)が貫通して上方に突出してい
る。この押釦5と対向するプリント配線基板16の上面
には、スイッチ19が取り付けられて、押釦5への押圧
操作による信号の入力が可能となっている。
【0047】以上のようなコントロールパネル1は大径
の開口部14にピース部材12が嵌合状態で取り付けら
れており、このピース部材12によって開口部14部分
に強度が付与されている。
【0048】従って、ハウジング2全体としての強度が
増大しており、ハウジング2自体の変形を防止すること
ができる。
【0049】また、ハウジング2はカラー樹脂によって
成形されて、不透明となっているため、下方のプリント
配線基板16、その他の部品が外部から見えることがな
く、外観が向上する。
【0050】さらに、フィルム6が開口部14に張設さ
れていても、この開口部14内に嵌め込まれたピース部
材12で支持されているため、フィルム6が薄くても、
その破れを防止することができる。
【0051】次に、コントロールパネル1の製造方法を
説明する。図4〜図6はコントロールパネル1の製造に
使用される金型装置の各工程における断面を示す。
【0052】これらの図において、21は可動型として
のキャビ型、22はこのキャビ型21と対向する固定型
としてのコア型であり、これらの一対の金型21、22
の対向面には型締めによって成形用の成形室23(図5
参照)を形成するための成形面が形成されている。
【0053】この場合、キャビ型21の成形面には、小
径の開口部15(図2参照)を形成するための突起部2
4が形成されている。また、ピース部材12を取り付け
る取付手段としての凹部25がコア型22の成形面に形
成されている。
【0054】以上のような金型装置を用いたコントロー
ルパネル1の製造は、まず、図4に示すように金型2
1、22の型開き状態で、コア型22の凹部25にピー
ス部材12を嵌め込んで固定すると共に、キャビ型21
の成形面にフィルム6を取り付けることで開始する。
【0055】このフィルム6の取り付けは、フィルム6
がコア型22のピース部材12の表面を覆うように、そ
の位置決めを行う。この場合、フィルム6は片面にアク
リル系等の熱反応性樹脂が印刷等により塗布されてお
り、この熱反応性樹脂の塗布面をピース部材12に臨む
ように取り付ける。
【0056】図示例においてフィルム6の位置決めは、
キャビ型21の突起部24を利用して行うものである。
すなわち、フィルム6は開口部15に対向する部分に穴
部26が形成されており、この穴部26に突起部24を
貫通させることで、キャビ型21に対するフィルム6の
位置決めを行うようになっている。
【0057】図5はこれらのセットに続いた型締めを示
す。この型締め状態では、キャビ型21とコア型22と
の成形面によって成形室23が形成される。
【0058】また、この型締めにより、ピース部材12
とフィルム6とが接触した状態となる。かかる型締め状
態で、溶融したカラー樹脂をゲート(図示省略)から成
形室23内に射出する。
【0059】図6はこのカラー樹脂の射出状態を示し、
カラー樹脂の熱によりフィルム6の熱反応性樹脂が溶融
して、接着力が発現する。この射出の後、金型21、2
2を型締めしたままで、カラー樹脂を冷却して硬化す
る。この硬化の後、金型を型開きし、成形されたコント
ロールパネル1(図2参照)を取り出す。
【0060】このようなコントロールパネル1の製造で
は、ピース部材12がフィルム6との接触状態でカラー
樹脂の冷却を行う。この時、フィルム6が既成形品であ
るピース部材12と接触して、ピース部材12により押
さえ付けられた状態となっていると共に、カラー樹脂と
ピース部材12の外周面とが溶着して一体化し、この一
体化状態でカラー樹脂が収縮する。
【0061】このような状態では、開口部14(図2参
照)の径方向に沿うカラー樹脂の収縮が抑制される。従
って、カラー樹脂がその収縮時にフィルム6に及ぼす同
方向への応力を軽減させることができる。このため、フ
ィルム6とカラー樹脂27との熱膨張係数が異なってい
ても、フィルム6の歪みを抑制することができ、これに
より、フィルム6が歪むことなくハウジング2に接合す
るため、干渉縞が生じることがなく、干渉縞に起因した
情報の読み取りにくさを解消することができると共に、
外観を損なうことがなくなる。
【0062】図7は金型装置の他の実施の形態を示し、
コア型22の成形面にピン28が突出するように形成さ
れている。このピン28はピース部材12をコア型22
に取り付ける取付手段となるものであり、ピン28をピ
ース部材12に貫通させることで、その固定を行うこと
ができる。
【0063】図8は、更に別の実施の形態に係るコント
ロールパネルを製造する金型装置の断面を示す。この金
型装置におけるコア型22には、ピース部材12が嵌め
込みによって取り付けられる凹部25が形成されてい
る。
【0064】かかる金型装置では、フィルム6はキャビ
型21に取り付けられるが、このフィルム6に対してピ
ース部材12が貫通するようになっている。このためピ
ース部材12には凸部31が形成されると共に、フィル
ム6にはこのピース部材12の凸部31が貫通する穴部
32が形成されている。
【0065】図8において、33はキャビ型21に形成
された吸引穴であり、ピース部材12の凸部31の周囲
に位置するようにキャビ型21の成形面に開孔してい
る。34はこの吸引穴33が連通するようにキャビ型2
1内に形成された吸引室であり、その後部に連結路35
が連通しており、この連結路35がホース等を介して、
ポンプ等の減圧装置(図示省略)に連結されている。
【0066】これらの吸引孔33、吸引室34、連結路
35は成形室23内にセットされたフィルム6及びピー
ス部材12との間に侵入したカラー樹脂を吸引によって
排出する。
【0067】この構成の金型装置は、キャビ型21の成
形面にフィルム6を位置決めして取り付けると共に、コ
ア型22の凹部25にピース部材12を嵌め込んでセッ
トして、型締めを行う。この型締めでフィルム6の穴部
32にピース部材12の凸部31が貫通すると共に、凸
部31の周囲にフィルム6が接触する。
【0068】この型締め状態でポンプを駆動して連結路
35、吸引室34、吸引孔33を介して、成形室23内
の空気を吸引し、この吸引状態のままで、カラー樹脂を
成形室23内に射出する。
【0069】射出された樹脂はフィルム6とピース部材
12の周囲の成形室内に充満する。このときカラー樹脂
の一部はフィルム6とピース部材12との間に侵入する
が、成形室内が吸引状態のため、これらの間から速やか
に排出される。
【0070】このためカラー樹脂がフィルム6とピース
部材12との間に残存することなく、フィルム6及びピ
ース部材12の透明性を確保することができる。
【0071】図9は以上のようにして成形されたコント
ロールパネル1を示し、カラー樹脂がピース部材12の
表面に残らないため、ピース部材12全体の透明性が確
保でき、これにより、ピース部材12に臨む表示装置等
の情報を明確に視認することができる。
【0072】尚、上記実施の形態において、ピース部材
12を構成する透明樹脂は、必ずしも完全に透明である
必要はなく、下方の表示装置17等が視認できるもので
あれば、乳白色等の半透明な樹脂であってもよい。
【0073】
【発明の効果】本発明のコントロールパネルはハウジン
グをカラー樹脂によって成形するため、内部の部品が見
えることがなく、外観が向上する。また、ハウジング下
方に配置される表示装置等に対応した開口部に透明樹脂
からなるピース部材を嵌合状態で設けているため、強度
が向上してハウジングの変形を防止することができると
共に、フィルムの破れを防止することができる。
【0074】本発明のコントロールパネルの製造方法
は、フィルムとピース部材とを接触させた状態でカラー
樹脂を射出し、硬化するため、フィルムがピース部材に
よって押さえ付けられ、これにより、カラー樹脂との熱
膨張係数の相違によるフィルムの歪みを抑制することが
でき、開口部が大径であっても、歪みに起因した情報の
読み取りにくさ及び外観の劣化を防止することができ
る。
【0075】このコントロールパネルの製造において、
成形室内を吸引した状態で、カラー樹脂を射出する場合
には、フィルムとピース部材の間からカラー樹脂を排出
することができ、これらの透明性を確保することができ
る。
【0076】本発明の金型装置はピース部材を取り付け
る取付手段を備えているため、上述したコントロールパ
ネルの製造に好適に適用することができる。また、吸引
手段を備えることにより、フィルムとピース部材との間
からカラー樹脂を排出することができ、フィルム及びピ
ース部材の透明性を維持することができる。
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したファクシミリ送受信機の平面
図である。
【図2】コントロールパネルの一例の断面図である。
【図3】コントロールパネルを組み込んだ機器の断面図
である。
【図4】金型装置の一例の型開き状態の断面図である。
【図5】金型装置の型締め状態の断面図である。
【図6】カラー樹脂を射出した状態の断面図である。
【図7】ピース部材の別の取り付け構造を示す金型装置
の断面図である。
【図8】他の実施の形態に係る金型装置を示す断面図で
ある。
【図9】図8の金型装置によって成形されたコントロー
ルパネルの断面図である。
【図10】従来のコントロールパネルの断面図である。
【図11】従来の他のコントロールパネルの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 コントロールパネル 2 ハウジング 6 フィルム 12 ピース部材 14 開口部 21 キャビ型 22 コア型 27 カラー樹脂

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定部分に開口部(14)が位置するよ
    うにカラー樹脂(27)によって成形されたハウジング
    (2)と、このハウジング(2)の開口部(14)に嵌
    合状態で設けられる透明樹脂からなるピース部材(1
    2)と、前記ハウジング(2)及びピース部材(12)
    の表面の少なくとも一部を覆う透明樹脂からなるフィル
    ム(6)と、を備えていることを特徴とするコントロー
    ルパネル。
  2. 【請求項2】 所定部分に開口部(14)を有したコン
    トロールパネル(1)を一対の金型(21)(22)で
    射出成形する方法において、 前記開口部(14)に対応する金型(22)の成形面部
    分に透明樹脂からなるピース部材(12)を取り付け、
    透明樹脂からなるフィルム(6)を前記ピース部材(1
    2)の表面の少なくとも一部を覆うように相対的に位置
    決めした後、金型(21)(22)を型締めして成形室
    (23)内にカラー樹脂(27)を射出し、成形するこ
    とを特徴とするコントロールパネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記型締めによりピース部材(12)の
    一部がフィルム(6)を貫通し、このピース部材(1
    2)とフィルム(6)との間に射出により侵入するカラ
    ー樹脂(27)を吸引により排出することを特徴とする
    請求項2記載のコントロールパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 所定部分に開口部(14)を有するハウ
    ジング(2)をカラー樹脂(27)の射出成形によって
    成形するための成形面が形成された一対の金型(21)
    (22)と、この一対の金型(21)(22)のいずれ
    かに設けられ、前記ハウジング(2)の開口部(14)
    に対応する成形面部分に透明樹脂からなるピース部材
    (12)を取り付ける取付手段とを備えていることを特
    徴とするコントロールパネル製造用の金型装置。
  5. 【請求項5】 所定部分に開口部(14)を有するハウ
    ジング(2)をカラー樹脂(27)の射出成形によって
    成形するための成形面が形成された一対の金型(21)
    (22)と、この一対の金型(21)(22)のいずれ
    かに設けられ、前記ハウジング(2)の開口部(14)
    に対応する成形面部分に透明樹脂からなるピース部材
    (12)を取り付ける取付手段と、前記ピース部材(1
    2)の表面の少なくとも一部を覆うように相対的な位置
    決めがなされる透明樹脂からなるフィルム(6)と当該
    ピース部材(12)との間からカラー樹脂(27)を吸
    引する吸引手段とを備えていることを特徴とするコント
    ロールパネル製造用の金型装置。
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