JPH0982970A - 非単結晶半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
非単結晶半導体装置およびその製造方法Info
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- JPH0982970A JPH0982970A JP23541295A JP23541295A JPH0982970A JP H0982970 A JPH0982970 A JP H0982970A JP 23541295 A JP23541295 A JP 23541295A JP 23541295 A JP23541295 A JP 23541295A JP H0982970 A JPH0982970 A JP H0982970A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 オフリーク電流を低減するとともに、光リー
ク電流を最小限に抑えて、安定した閾値電圧(Vth)を
有する多結晶半導体装置を提供する。 【解決手段】 絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成
されたゲート電極と、前記ゲート電極の上に形成された
絶縁膜と、互いに分離して形成された第1および第2の
非単結晶半導体不純物領域と、前記第1および第2の非
単結晶半導体の不純物領域に挟まれた非単結晶半導体の
チャネル領域、および、前記非単結晶半導体の第1およ
び第2の不純物領域に、それぞれ接続された第1および
第2の電極を具備する非単結晶半導体装置である。前記
絶縁膜に形成された第1および第2の不純物領域のチャ
ネル領域側には、この不純物領域より低い濃度で不純物
が導入された高抵抗領域が存在することを特徴とする。
ク電流を最小限に抑えて、安定した閾値電圧(Vth)を
有する多結晶半導体装置を提供する。 【解決手段】 絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成
されたゲート電極と、前記ゲート電極の上に形成された
絶縁膜と、互いに分離して形成された第1および第2の
非単結晶半導体不純物領域と、前記第1および第2の非
単結晶半導体の不純物領域に挟まれた非単結晶半導体の
チャネル領域、および、前記非単結晶半導体の第1およ
び第2の不純物領域に、それぞれ接続された第1および
第2の電極を具備する非単結晶半導体装置である。前記
絶縁膜に形成された第1および第2の不純物領域のチャ
ネル領域側には、この不純物領域より低い濃度で不純物
が導入された高抵抗領域が存在することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非単結晶半導体装
置およびその製造方法に関する。
置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー液晶ディスプレイをはじめ
とする入出力デバイスの高密度化、コンパクト化および
低コスト化などを実現するための技術として、多結晶シ
リコン薄膜トランジスター(以下、多結晶シリコンTF
T)が注目されている。液晶ディスプレイにおいて高画
質な画面を得るためには、TFTのようなスイッチング
素子が必要であり、アモルファスシリコンTFTの実用
化が進んでいるが、高速動作が可能であって、周辺回路
を一体形成できるという理由から、次世代のスイッチン
グ素子として多結晶シリコンTFTが有望視されつつあ
る。しかも、多結晶シリコンTFTは、駆動用のICや
その接続が不要となり、高密度化および低コスト化にも
有利である。
とする入出力デバイスの高密度化、コンパクト化および
低コスト化などを実現するための技術として、多結晶シ
リコン薄膜トランジスター(以下、多結晶シリコンTF
T)が注目されている。液晶ディスプレイにおいて高画
質な画面を得るためには、TFTのようなスイッチング
素子が必要であり、アモルファスシリコンTFTの実用
化が進んでいるが、高速動作が可能であって、周辺回路
を一体形成できるという理由から、次世代のスイッチン
グ素子として多結晶シリコンTFTが有望視されつつあ
る。しかも、多結晶シリコンTFTは、駆動用のICや
その接続が不要となり、高密度化および低コスト化にも
有利である。
【0003】スイッチング素子として機能する画素TF
Tは、オフ状態のリーク電流、すなわち、オフ電流が極
めて低く、ON/OFF比が高いことが要求される。し
かしながら、多結晶シリコンTFTのオフ電流は、アモ
ルファスシリコンTFTのオフ電流よりも高く、画素T
FTの仕様を満たすものではなかった。これは、多結晶
シリコンには、多数のバンド間準位が存在することに起
因するものである。すなわち、多結晶シリコンTFTに
おいて、逆バイアスゲート電圧が増加するとドレイン近
傍に電界集中が発生し、前述の準位を介してトンネル電
流が流れてしまう。
Tは、オフ状態のリーク電流、すなわち、オフ電流が極
めて低く、ON/OFF比が高いことが要求される。し
かしながら、多結晶シリコンTFTのオフ電流は、アモ
ルファスシリコンTFTのオフ電流よりも高く、画素T
FTの仕様を満たすものではなかった。これは、多結晶
シリコンには、多数のバンド間準位が存在することに起
因するものである。すなわち、多結晶シリコンTFTに
おいて、逆バイアスゲート電圧が増加するとドレイン近
傍に電界集中が発生し、前述の準位を介してトンネル電
流が流れてしまう。
【0004】なお、従来では、図4に示すような順スタ
ガ型構造の多結晶シリコンTFTにおいて、自動的にマ
イクロオフセット領域を形成することにより、オフリー
ク電流を低減している。具体的には、ソース・ドレイン
電極102を基板101側に形成し、ゲート絶縁膜10
5を介して、ゲート電極107を上置きの構造で形成
し、ソース・ドレイン領域103と、ゲート絶縁膜10
5の下部に形成されるチャネル部104との間にチャネ
ル膜厚分の距離(マイクロオフセット)を設けることに
よって、ドレイン端での電界集中をある程度緩和してい
る。しかしながら、このような順スタガ型構造の場合に
は、オフセット領域はチャネル膜厚で決定されるため、
20〜100nmのオフセット長しか確保することがで
きない。この程度のオフセット長では、前述の電界集中
を十分に緩和することができなかった。
ガ型構造の多結晶シリコンTFTにおいて、自動的にマ
イクロオフセット領域を形成することにより、オフリー
ク電流を低減している。具体的には、ソース・ドレイン
電極102を基板101側に形成し、ゲート絶縁膜10
5を介して、ゲート電極107を上置きの構造で形成
し、ソース・ドレイン領域103と、ゲート絶縁膜10
5の下部に形成されるチャネル部104との間にチャネ
ル膜厚分の距離(マイクロオフセット)を設けることに
よって、ドレイン端での電界集中をある程度緩和してい
る。しかしながら、このような順スタガ型構造の場合に
は、オフセット領域はチャネル膜厚で決定されるため、
20〜100nmのオフセット長しか確保することがで
きない。この程度のオフセット長では、前述の電界集中
を十分に緩和することができなかった。
【0005】その結果、このような順スタガ型構造の多
結晶シリコンTFTでは、図5に示すように、Vds=
10Vにおけるオフ電流は1×10-10 A近い値とな
り、高精細、高画質の液晶ディスプレイに用いられる画
素TFTのオフ電流スペックとされている10-12 A以
下に低減できないという問題があった。
結晶シリコンTFTでは、図5に示すように、Vds=
10Vにおけるオフ電流は1×10-10 A近い値とな
り、高精細、高画質の液晶ディスプレイに用いられる画
素TFTのオフ電流スペックとされている10-12 A以
下に低減できないという問題があった。
【0006】チャネル膜厚を100nm以上にすれば、
電界集中を緩和することができるものの、次のような理
由から、順スタガ型構造における多結晶シリコン膜の膜
厚を大きくすることができなかった。周辺駆動回路用T
FTは、高速な動作を要求されており、高い移動度が必
要とされる。一方、多結晶シリコン膜は、通常、アモル
ファスシリコン膜にレーザ光を照射して結晶化させるこ
とによって得られるので、アモルファスシリコン膜の膜
厚が厚い場合には、十分に溶融させることができない。
その結果、100nm以上の膜厚のアモルファスシリコ
ン膜では、結晶性の良い多結晶シリコン膜が得られず、
TFTの移動度が低下して高速な動作に対応することが
困難となってしまう。
電界集中を緩和することができるものの、次のような理
由から、順スタガ型構造における多結晶シリコン膜の膜
厚を大きくすることができなかった。周辺駆動回路用T
FTは、高速な動作を要求されており、高い移動度が必
要とされる。一方、多結晶シリコン膜は、通常、アモル
ファスシリコン膜にレーザ光を照射して結晶化させるこ
とによって得られるので、アモルファスシリコン膜の膜
厚が厚い場合には、十分に溶融させることができない。
その結果、100nm以上の膜厚のアモルファスシリコ
ン膜では、結晶性の良い多結晶シリコン膜が得られず、
TFTの移動度が低下して高速な動作に対応することが
困難となってしまう。
【0007】また、このような構造の多結晶シリコンT
FTを液晶表示装置の画素部に用いた場合には、バック
ライトから照射された光が、TFTのチャネル部に到達
してしまうため、オフ時にチャネル領域にキャリアが誘
起される。その結果、光リーク電流が流れてしまい、保
持特性が劣化するという問題があった。
FTを液晶表示装置の画素部に用いた場合には、バック
ライトから照射された光が、TFTのチャネル部に到達
してしまうため、オフ時にチャネル領域にキャリアが誘
起される。その結果、光リーク電流が流れてしまい、保
持特性が劣化するという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、高速動作
を可能とする多結晶半導体装置等の非単結晶半導体装置
においては、オフ状態のリーク電流が大きく、かつ、バ
ックライト等の光入射により発生する光リーク電流が大
きいという問題を避けることが困難であった。
を可能とする多結晶半導体装置等の非単結晶半導体装置
においては、オフ状態のリーク電流が大きく、かつ、バ
ックライト等の光入射により発生する光リーク電流が大
きいという問題を避けることが困難であった。
【0009】そこで、本発明は、オフリーク電流を低減
するとともに、光リーク電流を最小限に抑えて、安定し
たしきい値電圧(Vth)を有する非単結晶半導体装置を
提供することを目的とする。
するとともに、光リーク電流を最小限に抑えて、安定し
たしきい値電圧(Vth)を有する非単結晶半導体装置を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成
されたゲート電極と、前記ゲート電極の上に形成された
絶縁膜と、互いに分離して形成された第1および第2の
非単結晶半導体不純物領域と、前記第1および第2の非
単結晶半導体の不純物領域に挟まれた非単結晶半導体の
チャネル領域、および、前記非単結晶半導体の第1およ
び第2の不純物領域に、それぞれ接続された第1および
第2の電極を具備し、前記絶縁膜に形成された第1およ
び第2の不純物領域のチャネル領域側には、この不純物
領域より低い濃度で不純物が導入された高抵抗領域が存
在することを特徴とする非単結晶半導体装置を提供す
る。
に、本発明は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に形成
されたゲート電極と、前記ゲート電極の上に形成された
絶縁膜と、互いに分離して形成された第1および第2の
非単結晶半導体不純物領域と、前記第1および第2の非
単結晶半導体の不純物領域に挟まれた非単結晶半導体の
チャネル領域、および、前記非単結晶半導体の第1およ
び第2の不純物領域に、それぞれ接続された第1および
第2の電極を具備し、前記絶縁膜に形成された第1およ
び第2の不純物領域のチャネル領域側には、この不純物
領域より低い濃度で不純物が導入された高抵抗領域が存
在することを特徴とする非単結晶半導体装置を提供す
る。
【0011】また、本発明は、絶縁性基板上にゲート電
極を形成する工程、前記ゲート電極および絶縁性基板の
上に、絶縁膜および非単結晶半導体層を順次形成する工
程、前記非単結晶半導体層の上に、第1の領域と、この
領域の両側に位置し、前記第1の領域より膜厚の小さな
第2の領域とからなるチャネル保護膜を形成する工程、
前記チャネル保護膜をマスクとして用いて、前記非単結
晶半導体層に不純物イオンを導入して第1の不純物領域
および第2の不純物領域を形成すると同時に、前記チャ
ネル保護膜の第2の領域の下に位置する非単結晶半導体
層に、第1および第2の不純物領域より低濃度で不純物
を導入して高抵抗領域を形成する工程、および、前記非
単結晶半導体層の第1および第2の不純物領域の上に、
第1および第2の電極をそれぞれ形成する工程を具備す
る非単結晶半導体装置の製造方法を提供する。
極を形成する工程、前記ゲート電極および絶縁性基板の
上に、絶縁膜および非単結晶半導体層を順次形成する工
程、前記非単結晶半導体層の上に、第1の領域と、この
領域の両側に位置し、前記第1の領域より膜厚の小さな
第2の領域とからなるチャネル保護膜を形成する工程、
前記チャネル保護膜をマスクとして用いて、前記非単結
晶半導体層に不純物イオンを導入して第1の不純物領域
および第2の不純物領域を形成すると同時に、前記チャ
ネル保護膜の第2の領域の下に位置する非単結晶半導体
層に、第1および第2の不純物領域より低濃度で不純物
を導入して高抵抗領域を形成する工程、および、前記非
単結晶半導体層の第1および第2の不純物領域の上に、
第1および第2の電極をそれぞれ形成する工程を具備す
る非単結晶半導体装置の製造方法を提供する。
【0012】本発明においては、非単結晶シリコンTF
Tの構造を逆スタガ型とし、さらにそのソース・ドレイ
ン領域のチャネル領域側にLDD領域(Lightly
Doped Drain)を設けたので、オフリーク
電流を低減するとともに、光リーク電流を低減して、安
定した閾値電圧を有する非単結晶半導体装置を得ること
ができた。
Tの構造を逆スタガ型とし、さらにそのソース・ドレイ
ン領域のチャネル領域側にLDD領域(Lightly
Doped Drain)を設けたので、オフリーク
電流を低減するとともに、光リーク電流を低減して、安
定した閾値電圧を有する非単結晶半導体装置を得ること
ができた。
【0013】すなわち、本発明では、逆スタガ構造の非
単結晶シリコンTFTにおいて、ソース・ドレイン領域
のチャネル領域側に高抵抗のLDD領域(Lightl
yDoped Drain)を形成したので、従来の順
スタガ型構造の非単結晶シリコンにおけるマイクロオフ
セット構造よりも、オフセット長を大きくすることがで
きる。このため、オフリーク電流の原因となるドレイン
端での電界集中を十分に緩和でき、リーク電流を大幅に
低減することが可能となった。
単結晶シリコンTFTにおいて、ソース・ドレイン領域
のチャネル領域側に高抵抗のLDD領域(Lightl
yDoped Drain)を形成したので、従来の順
スタガ型構造の非単結晶シリコンにおけるマイクロオフ
セット構造よりも、オフセット長を大きくすることがで
きる。このため、オフリーク電流の原因となるドレイン
端での電界集中を十分に緩和でき、リーク電流を大幅に
低減することが可能となった。
【0014】特に、ゲート電極下置きの逆スガタ型構造
としているので、バックライトからの光がチャネル領域
に入射されにくく、しかも、ソース・ドレイン領域のチ
ャネル領域側には高抵抗層が設けられているため、微量
の光が入射されても、それによって生じる光リーク電流
を低減することができる。
としているので、バックライトからの光がチャネル領域
に入射されにくく、しかも、ソース・ドレイン領域のチ
ャネル領域側には高抵抗層が設けられているため、微量
の光が入射されても、それによって生じる光リーク電流
を低減することができる。
【0015】さらに、逆スタガ型構造であるので、非単
結晶半導体層に不純物を注入する際には、ゲート絶縁膜
やゲート絶縁膜/非単結晶シリコン膜の界面に水素が混
入されにくい。なお、水素が混入された場合には、電荷
が存在するので、しきい値電圧がシフトしてしまい、こ
れと同時に、水素混入のため、Si−Oボンドが切れて
欠陥を生成するおそれがある。そのため、移動度が低下
して高速動作しなくなる。本発明では、ゲート電圧を長
時間印加した際のしきい値電圧の経時劣化の割合を小さ
くすることができ、しきい値電圧の安定したTFT特性
が得られる。なお、本発明において、非単結晶半導体と
は、多結晶半導体、非晶質半導体、微結晶半導体等を含
む。
結晶半導体層に不純物を注入する際には、ゲート絶縁膜
やゲート絶縁膜/非単結晶シリコン膜の界面に水素が混
入されにくい。なお、水素が混入された場合には、電荷
が存在するので、しきい値電圧がシフトしてしまい、こ
れと同時に、水素混入のため、Si−Oボンドが切れて
欠陥を生成するおそれがある。そのため、移動度が低下
して高速動作しなくなる。本発明では、ゲート電圧を長
時間印加した際のしきい値電圧の経時劣化の割合を小さ
くすることができ、しきい値電圧の安定したTFT特性
が得られる。なお、本発明において、非単結晶半導体と
は、多結晶半導体、非晶質半導体、微結晶半導体等を含
む。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
非単結晶半導体装置を詳細に説明する。図1に、本発明
の非単結晶半導体装置の構造工程を表わす断面図を示
す。まず、図1(a)に示すように、無アルカリガラス
や石英ガラス等の絶縁性基板1上にSiOx 等の絶縁膜
2を、例えば、プラズマCVD等を用いて形成する。こ
の絶縁膜の膜厚は、通常100〜400nmである。続
いて、得られた絶縁膜2上に、スパッタ法等を用いてM
o−TaおよびMo−W等の金属膜を200〜400n
m程度の膜厚で堆積し、パターニングしてゲート電極3
aおよびCs線3bを形成する。
非単結晶半導体装置を詳細に説明する。図1に、本発明
の非単結晶半導体装置の構造工程を表わす断面図を示
す。まず、図1(a)に示すように、無アルカリガラス
や石英ガラス等の絶縁性基板1上にSiOx 等の絶縁膜
2を、例えば、プラズマCVD等を用いて形成する。こ
の絶縁膜の膜厚は、通常100〜400nmである。続
いて、得られた絶縁膜2上に、スパッタ法等を用いてM
o−TaおよびMo−W等の金属膜を200〜400n
m程度の膜厚で堆積し、パターニングしてゲート電極3
aおよびCs線3bを形成する。
【0017】次に、ゲート電極3aおよび絶縁膜2の上
にプラズマCVD法等を用いて、図1(b)に示すよう
に、ゲート絶縁膜4およびアモルファスシリコン膜(以
下、α−Si:H膜)を、連続成膜により形成する。ゲ
ート絶縁膜4は、例えば、SiOx またはSiNx で、
300〜450nmの膜厚で形成することができる。ま
た、その上に堆積されるα−Si:H膜は、SiH4 +
H2 混合ガスを用いて、プラズマCVDで形成すること
ができ、その膜厚は、20〜100nmとすることが好
ましい。α−Si:H膜の膜厚が20nm未満では、ビ
ームアニールを行なって結晶化させると、高いレーザー
パワー照射でアモルファスシリコン化が起こり、結晶性
の高い多結晶シリコンが得られないおそれがある。一
方、100nmを越えると、ビームアニールによってこ
のα−Si:H膜を溶融結晶化する際に、結晶性に優れ
た粒径の大きな多結晶シリコン膜を、チャネルとなるゲ
ート絶縁膜側に形成することができない。そのため、活
性層となる多結晶シリコン膜の膜厚は100nm以下と
することが好ましく、より好ましくは65nm以下であ
る。
にプラズマCVD法等を用いて、図1(b)に示すよう
に、ゲート絶縁膜4およびアモルファスシリコン膜(以
下、α−Si:H膜)を、連続成膜により形成する。ゲ
ート絶縁膜4は、例えば、SiOx またはSiNx で、
300〜450nmの膜厚で形成することができる。ま
た、その上に堆積されるα−Si:H膜は、SiH4 +
H2 混合ガスを用いて、プラズマCVDで形成すること
ができ、その膜厚は、20〜100nmとすることが好
ましい。α−Si:H膜の膜厚が20nm未満では、ビ
ームアニールを行なって結晶化させると、高いレーザー
パワー照射でアモルファスシリコン化が起こり、結晶性
の高い多結晶シリコンが得られないおそれがある。一
方、100nmを越えると、ビームアニールによってこ
のα−Si:H膜を溶融結晶化する際に、結晶性に優れ
た粒径の大きな多結晶シリコン膜を、チャネルとなるゲ
ート絶縁膜側に形成することができない。そのため、活
性層となる多結晶シリコン膜の膜厚は100nm以下と
することが好ましく、より好ましくは65nm以下であ
る。
【0018】このようにしてゲート絶縁膜4上に連続成
膜されたα−Si:H膜にビームアニールを行なって、
このα−Si:H膜を結晶化させることにより、多結晶
シリコン膜5を得る。なお、ビームアニールは、シリコ
ン膜を溶融結晶化できる任意のエネルギービームを用い
て行なうことができ、かかるエネルギービームとして
は、例えば、エキシマレーザーおよびArレーザー等の
レーザービームが挙げられる。
膜されたα−Si:H膜にビームアニールを行なって、
このα−Si:H膜を結晶化させることにより、多結晶
シリコン膜5を得る。なお、ビームアニールは、シリコ
ン膜を溶融結晶化できる任意のエネルギービームを用い
て行なうことができ、かかるエネルギービームとして
は、例えば、エキシマレーザーおよびArレーザー等の
レーザービームが挙げられる。
【0019】続いて、図1(c)に示すように、SiN
x およびSiOx 等の材料を用いて、チャネル長方向に
おける両端の膜厚が小さな階段状のチャネル保護膜6を
形成する。このような形状は、次の2つの方法で容易に
得ることができる。
x およびSiOx 等の材料を用いて、チャネル長方向に
おける両端の膜厚が小さな階段状のチャネル保護膜6を
形成する。このような形状は、次の2つの方法で容易に
得ることができる。
【0020】1つの方法は、1回の成膜工程と2回のエ
ッチング工程とによって形成する方法である。まず、多
結晶半導体層の上に、例えば100〜300nm、好ま
しくは150〜200nmの膜厚で絶縁膜を堆積し、こ
の上に、下層の絶縁膜6aの幅の第1のレジストパター
ンを形成した後、このレジストパターンをマスクとして
用いて、絶縁膜を所定の形状にエッチングする。第1の
レジストパターンの幅は、チャネル長と、その両側に形
成される2つのLDD領域の長さとの和(L+2ΔL)
に相当するものであり、その幅は適宜選択することがで
きるが、好ましくは5〜15μmであり、より好ましく
は5〜10μmである。このようにエッチングされた絶
縁膜の上に、さらに、前述のレジスト膜より小さい幅、
すなわちチャネル長(L)に相当する幅で第2のレジス
トパターンを形成し、このレジストパターンをエッチン
グマスクとして用いて第2のエッチングを行なう。な
お、この第2のエッチングの際に、絶縁膜を完全にエッ
チングせず、所定の膜厚分だけ残すことによって、図1
(c)に示すような両端の膜厚が小さい階段状の絶縁膜
が形成される。ここで、エッチングせずに残される絶縁
膜の膜厚は、好ましくは40〜150nm、より好まし
くは50〜100nmである。
ッチング工程とによって形成する方法である。まず、多
結晶半導体層の上に、例えば100〜300nm、好ま
しくは150〜200nmの膜厚で絶縁膜を堆積し、こ
の上に、下層の絶縁膜6aの幅の第1のレジストパター
ンを形成した後、このレジストパターンをマスクとして
用いて、絶縁膜を所定の形状にエッチングする。第1の
レジストパターンの幅は、チャネル長と、その両側に形
成される2つのLDD領域の長さとの和(L+2ΔL)
に相当するものであり、その幅は適宜選択することがで
きるが、好ましくは5〜15μmであり、より好ましく
は5〜10μmである。このようにエッチングされた絶
縁膜の上に、さらに、前述のレジスト膜より小さい幅、
すなわちチャネル長(L)に相当する幅で第2のレジス
トパターンを形成し、このレジストパターンをエッチン
グマスクとして用いて第2のエッチングを行なう。な
お、この第2のエッチングの際に、絶縁膜を完全にエッ
チングせず、所定の膜厚分だけ残すことによって、図1
(c)に示すような両端の膜厚が小さい階段状の絶縁膜
が形成される。ここで、エッチングせずに残される絶縁
膜の膜厚は、好ましくは40〜150nm、より好まし
くは50〜100nmである。
【0021】他の方法は、2回の成膜工程によって形成
する方法であり、まず、多結晶半導体層の上に、下層の
絶縁膜6aの膜厚、例えば40〜150nm、好ましく
は50〜100nmの膜厚で絶縁材料を堆積する。次
に、(L+2ΔL)の幅にエッチングを行なって下層の
絶縁膜6aを形成する。続いて、上層の絶縁膜6bの膜
厚、例えば50〜260nm、好ましくは50〜150
nmの膜厚で絶縁材料を堆積し、前述の絶縁膜6aより
小さい幅(チャネル長Lに相当する幅)でエッチングす
る。なお、下層の絶縁膜6aの幅と上層の絶縁膜6bの
幅との差によって、LDD領域の長さが決定される。
する方法であり、まず、多結晶半導体層の上に、下層の
絶縁膜6aの膜厚、例えば40〜150nm、好ましく
は50〜100nmの膜厚で絶縁材料を堆積する。次
に、(L+2ΔL)の幅にエッチングを行なって下層の
絶縁膜6aを形成する。続いて、上層の絶縁膜6bの膜
厚、例えば50〜260nm、好ましくは50〜150
nmの膜厚で絶縁材料を堆積し、前述の絶縁膜6aより
小さい幅(チャネル長Lに相当する幅)でエッチングす
る。なお、下層の絶縁膜6aの幅と上層の絶縁膜6bの
幅との差によって、LDD領域の長さが決定される。
【0022】得られた階段状のチャネル保護膜6をマス
クとして用いて、イオンドーピングまたはイオン注入法
等の方法により、P+ 等のN型不純物またはB- 等のP
型不純物を多結晶シリコン膜に選択的にドープする。そ
の結果、チャネル保護膜6で覆われていない領域には高
濃度で不純物が導入されて、ソース・ドレイン領域5b
が形成され、チャネル保護膜6の膜厚の大きな領域の直
下には、不純物が導入されずにチャネル領域5aが形成
される。さらに、本発明においては、図1(c)に示す
ように、チャネル保護膜6の両端部の膜厚を小さくして
いるので、このチャネル保護膜6の膜厚が小さい領域の
直下の多結晶シリコン膜には、ソース・ドレイン領域よ
りも低い濃度で不純物が導入され、これによって、LD
D(Lightly Doped Drain)領域5
cが形成される。
クとして用いて、イオンドーピングまたはイオン注入法
等の方法により、P+ 等のN型不純物またはB- 等のP
型不純物を多結晶シリコン膜に選択的にドープする。そ
の結果、チャネル保護膜6で覆われていない領域には高
濃度で不純物が導入されて、ソース・ドレイン領域5b
が形成され、チャネル保護膜6の膜厚の大きな領域の直
下には、不純物が導入されずにチャネル領域5aが形成
される。さらに、本発明においては、図1(c)に示す
ように、チャネル保護膜6の両端部の膜厚を小さくして
いるので、このチャネル保護膜6の膜厚が小さい領域の
直下の多結晶シリコン膜には、ソース・ドレイン領域よ
りも低い濃度で不純物が導入され、これによって、LD
D(Lightly Doped Drain)領域5
cが形成される。
【0023】上述のように不純物イオンをドープして、
多結晶シリコン膜のソース・ドレイン領域のチャネル領
域側にLDD領域を形成するためには、保護膜の膜厚お
よび注入条件の最適化が必要である。例えば、チャネル
保護膜6をSiNx で形成し、不純物としてP+ を導入
する場合には、チャネル領域上の保護膜厚=200n
m、LDD領域上の保護膜厚=60nmとし、加速電圧
30keV、ドーズ量1×1015cm-2の条件で注入す
ることが好ましい。この際には、ソース・ドレイン領域
には7×1014cm-2、LDD領域には2×1012cm
-2のP+ がドープされ、所望のLDD構造が得られる。
多結晶シリコン膜のソース・ドレイン領域のチャネル領
域側にLDD領域を形成するためには、保護膜の膜厚お
よび注入条件の最適化が必要である。例えば、チャネル
保護膜6をSiNx で形成し、不純物としてP+ を導入
する場合には、チャネル領域上の保護膜厚=200n
m、LDD領域上の保護膜厚=60nmとし、加速電圧
30keV、ドーズ量1×1015cm-2の条件で注入す
ることが好ましい。この際には、ソース・ドレイン領域
には7×1014cm-2、LDD領域には2×1012cm
-2のP+ がドープされ、所望のLDD構造が得られる。
【0024】ここで、図1(c)に示すΔL、すなわ
ち、チャネル保護膜6の両端の膜厚の薄い領域の距離
が、LDD長に相当する。本発明においては、このチャ
ネル保護膜6をエッチングにより形成する際のレジスト
パターンの幅を調節することによって、容易にLDD長
を制御することが可能である。したがって、図4に示す
ような従来のマイクロオフセット構造のオフセット長よ
り、LDD長を大きくすることができる。
ち、チャネル保護膜6の両端の膜厚の薄い領域の距離
が、LDD長に相当する。本発明においては、このチャ
ネル保護膜6をエッチングにより形成する際のレジスト
パターンの幅を調節することによって、容易にLDD長
を制御することが可能である。したがって、図4に示す
ような従来のマイクロオフセット構造のオフセット長よ
り、LDD長を大きくすることができる。
【0025】なお、前述のような条件の場合、LDD長
は2〜3μmとすることが好ましく、この条件で得られ
たソース・ドレイン領域5bのシート抵抗は、およそ1
00Ω/□であり、LDD領域5cのシート抵抗は、1
50kΩ/□程度であった。
は2〜3μmとすることが好ましく、この条件で得られ
たソース・ドレイン領域5bのシート抵抗は、およそ1
00Ω/□であり、LDD領域5cのシート抵抗は、1
50kΩ/□程度であった。
【0026】LDD長は、少なくとも1.5μm以上で
あることが好ましい。1.5μm未満であると、レジス
トパターンの分解能以下であり、LDD長を精度よく制
御することができないため特性がばらつく。それと同時
に、十分に電界集中を緩和することが困難となる。ま
た、LDD領域の抵抗は、ソース・ドレイン領域の抵抗
の500〜2×103 倍であることが好ましく、このよ
うな抵抗値が得られるように、チャネル保護膜の膜厚お
よび不純物注入の際の条件等を適宜選択することができ
る。
あることが好ましい。1.5μm未満であると、レジス
トパターンの分解能以下であり、LDD長を精度よく制
御することができないため特性がばらつく。それと同時
に、十分に電界集中を緩和することが困難となる。ま
た、LDD領域の抵抗は、ソース・ドレイン領域の抵抗
の500〜2×103 倍であることが好ましく、このよ
うな抵抗値が得られるように、チャネル保護膜の膜厚お
よび不純物注入の際の条件等を適宜選択することができ
る。
【0027】次に、図1(d)に示すように、高濃度で
ドープされた多結晶シリコン膜5bとゲート絶縁膜4b
との所定の領域をパターニングした後、例えば、ITO
等の透明導電性材料を用いて画素電極7を形成する。さ
らに、図2に示すように、Al、Mo、Ta等の高融点
金属およびそのシリサイド等を用いて、ソース・ドレイ
ン領域5bの上にソース・ドレイン電極8を形成する。
ドープされた多結晶シリコン膜5bとゲート絶縁膜4b
との所定の領域をパターニングした後、例えば、ITO
等の透明導電性材料を用いて画素電極7を形成する。さ
らに、図2に示すように、Al、Mo、Ta等の高融点
金属およびそのシリサイド等を用いて、ソース・ドレイ
ン領域5bの上にソース・ドレイン電極8を形成する。
【0028】上述のようにして得られた本発明の多結晶
シリコンTFTを画素スイッチング素子として用い、対
向電極10を有する基板9を離間して配置し、その間に
液晶材料11を注入することによって、本発明の多結晶
半導体装置を用いた液晶表示装置12が得られる。
シリコンTFTを画素スイッチング素子として用い、対
向電極10を有する基板9を離間して配置し、その間に
液晶材料11を注入することによって、本発明の多結晶
半導体装置を用いた液晶表示装置12が得られる。
【0029】図3に、本発明の多結晶シリコンTFTの
Id−Vg特性を示す。なお、チャネル幅(W)とチャ
ネル長(L)との比は、W/L=3μm/6μmとし、
Vds=10Vとした。図3中、曲線aおよびbは、そ
れぞれ、未照射時および光照射時の測定結果を表わして
おり、本発明によって、未照射時におけるオフ領域での
Idのはね上がりを低減し、オフリーク電流を10-13
A程度に制限できた。さらに、光を照射した際(曲線
b)でも、オフリーク電流は10-12 A以下であり、図
5の10-10 A近い値よりもはるかに小さいことに注目
される。
Id−Vg特性を示す。なお、チャネル幅(W)とチャ
ネル長(L)との比は、W/L=3μm/6μmとし、
Vds=10Vとした。図3中、曲線aおよびbは、そ
れぞれ、未照射時および光照射時の測定結果を表わして
おり、本発明によって、未照射時におけるオフ領域での
Idのはね上がりを低減し、オフリーク電流を10-13
A程度に制限できた。さらに、光を照射した際(曲線
b)でも、オフリーク電流は10-12 A以下であり、図
5の10-10 A近い値よりもはるかに小さいことに注目
される。
【0030】さらに、逆スタガ型構造とし、ソース・ド
レイン領域のチャネル領域側にLDD領域を形成した本
発明の多結晶シリコンTFTの移動度は、80cm2 /
V・s以上と優れているので、画素スイッチング素子以
外にも駆動回路用素子に用いることが可能である。
レイン領域のチャネル領域側にLDD領域を形成した本
発明の多結晶シリコンTFTの移動度は、80cm2 /
V・s以上と優れているので、画素スイッチング素子以
外にも駆動回路用素子に用いることが可能である。
【0031】図2に示したように、逆スタガ型構造とL
DD領域を設けた本発明のTFTを、液晶ディスプレイ
の画素TFTとして用いた場合には、バックライトから
の光入射による光リーク電流を低減することができた。
すなわち、逆スタガ型構造においては、アレイ基板とチ
ャネル領域5aとの間には、ゲート電極3が存在してい
るので、ディスプレイに表示するためにアレイ基板側か
らバックライトを照射しても、チャネル領域には光が到
達しない。このため、光リーク電流の発生を抑制するこ
とができる。さらに、ソース・ドレイン間の電流経路に
は、高抵抗のLDD領域が設けられているために、横方
向からの微量の光照射による光リーク電流を最小限にす
ることができ、ほとんどソース・ドレイン間には電流が
流れない。
DD領域を設けた本発明のTFTを、液晶ディスプレイ
の画素TFTとして用いた場合には、バックライトから
の光入射による光リーク電流を低減することができた。
すなわち、逆スタガ型構造においては、アレイ基板とチ
ャネル領域5aとの間には、ゲート電極3が存在してい
るので、ディスプレイに表示するためにアレイ基板側か
らバックライトを照射しても、チャネル領域には光が到
達しない。このため、光リーク電流の発生を抑制するこ
とができる。さらに、ソース・ドレイン間の電流経路に
は、高抵抗のLDD領域が設けられているために、横方
向からの微量の光照射による光リーク電流を最小限にす
ることができ、ほとんどソース・ドレイン間には電流が
流れない。
【0032】このように、バックライトのチャネル領域
への入射に起因した光リーク電流を最小限に抑えること
が可能であり、本発明の多結晶半導体装置においては、
光リーク電流を避けるために、アレイ基板上にブラック
マトリックスを設ける必要がない。
への入射に起因した光リーク電流を最小限に抑えること
が可能であり、本発明の多結晶半導体装置においては、
光リーク電流を避けるために、アレイ基板上にブラック
マトリックスを設ける必要がない。
【0033】さらに、本発明の多結晶半導体装置におい
ては、LDD領域上のチャネル保護膜の膜厚を薄くして
も、TFT特性の低下はみられなかったので、LDD領
域上の保護膜の膜厚を小さくして、イオンドーピング時
の加速電圧を小さくすることができる。このため、不純
物イオンを多結晶半導体層に導入する際に、ゲート絶縁
膜中や多結晶シリコン膜/絶縁膜界面へ水素が混入しな
い。ゲート絶縁膜中に水素が混入すると電荷となるた
め、しきい値電圧が経時的に著しく変化してしまう。本
発明では、水素が入りにくいので、しきい値電圧の安定
したTFT特性が得られる。同時に、水素が入ると、S
iOx 膜中のSi−Oボンドを切り、欠陥を生じる。そ
のため、移動度が低下してしまうが、本発明では低下は
生じない。
ては、LDD領域上のチャネル保護膜の膜厚を薄くして
も、TFT特性の低下はみられなかったので、LDD領
域上の保護膜の膜厚を小さくして、イオンドーピング時
の加速電圧を小さくすることができる。このため、不純
物イオンを多結晶半導体層に導入する際に、ゲート絶縁
膜中や多結晶シリコン膜/絶縁膜界面へ水素が混入しな
い。ゲート絶縁膜中に水素が混入すると電荷となるた
め、しきい値電圧が経時的に著しく変化してしまう。本
発明では、水素が入りにくいので、しきい値電圧の安定
したTFT特性が得られる。同時に、水素が入ると、S
iOx 膜中のSi−Oボンドを切り、欠陥を生じる。そ
のため、移動度が低下してしまうが、本発明では低下は
生じない。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
高速動作が可能な多結晶半導体装置において、オフリー
ク電流の原因となるドレイン端での電界集中を十分に緩
和してリーク電流を大幅に低減するとともに、TFTに
光が入射した場合に生じる光リーク電流を低減し、か
つ、安定した閾値電圧を有する優れた特性の多結晶半導
体装置が得られる。
高速動作が可能な多結晶半導体装置において、オフリー
ク電流の原因となるドレイン端での電界集中を十分に緩
和してリーク電流を大幅に低減するとともに、TFTに
光が入射した場合に生じる光リーク電流を低減し、か
つ、安定した閾値電圧を有する優れた特性の多結晶半導
体装置が得られる。
【0035】かかる多結晶半導体装置は、液晶表示装置
のみならず、イメージセンサー等の種々の入出力デバイ
スのスイッチング素子にも適用でき、その工業的価値は
絶大である。
のみならず、イメージセンサー等の種々の入出力デバイ
スのスイッチング素子にも適用でき、その工業的価値は
絶大である。
【図1】本発明の多結晶半導体装置の製造工程を示す断
面図。
面図。
【図2】本発明の多結晶半導体装置を示す断面図。
【図3】本発明の多結晶半導体装置の特性を示すグラフ
図。
図。
【図4】従来の多結晶半導体装置の一例を示す断面図。
【図5】従来の多結晶半導体装置の特性を示すグラフ
図。
図。
1…絶縁性基板,2…絶縁膜,3…ゲート電極,4…ゲ
ート絶縁膜 5…多結晶シリコン膜,6…チャネル保護膜,7…画素
電極 8…ソース・ドレイン電極,9…対向基板,10…対向
電極,11…液晶材料 12…液晶表示装置,100…スタガ型多結晶シリコン
TFT 101…絶縁性基板,102…ソース・ドレイン電極 103…n+ 多結晶シリコン膜,104…多結晶シリコ
ン膜 105…ゲート絶縁膜,106…ドープドシリコン10
7…ゲート電極。
ート絶縁膜 5…多結晶シリコン膜,6…チャネル保護膜,7…画素
電極 8…ソース・ドレイン電極,9…対向基板,10…対向
電極,11…液晶材料 12…液晶表示装置,100…スタガ型多結晶シリコン
TFT 101…絶縁性基板,102…ソース・ドレイン電極 103…n+ 多結晶シリコン膜,104…多結晶シリコ
ン膜 105…ゲート絶縁膜,106…ドープドシリコン10
7…ゲート電極。
Claims (2)
- 【請求項1】 絶縁性基板と、 前記絶縁性基板上に形成されたゲート電極と、 前記ゲート電極の上に形成された絶縁膜と、 互いに分離して形成された第1および第2の非単結晶半
導体不純物領域と、前記第1および第2の非単結晶半導
体の不純物領域に挟まれた非単結晶半導体のチャネル領
域、および前記非単結晶半導体の第1および第2の不純
物領域に、それぞれ接続された第1および第2の電極を
具備し、 前記絶縁膜に形成された第1および第2の不純物領域の
チャネル領域側には、この不純物領域より低い濃度で不
純物が導入された高抵抗領域が存在することを特徴とす
る非単結晶半導体装置。 - 【請求項2】 絶縁性基板上にゲート電極を形成する工
程、 前記ゲート電極および絶縁性基板の上に、絶縁膜および
非単結晶半導体層を順次形成する工程、 前記非単結晶半導体層の上に、第1の領域と、この領域
の両側に位置し、前記第1の領域より膜厚の小さな第2
の領域とからなるチャネル保護膜を形成する工程、 前記チャネル保護膜をマスクとして用いて、前記非単結
晶半導体層に不純物イオンを導入して第1の不純物領域
および第2の不純物領域を形成すると同時に、前記チャ
ネル保護膜の第2の領域の下に位置する非単結晶半導体
層に、第1および第2の不純物領域より低濃度で不純物
を導入して高抵抗領域を形成する工程、および前記非単
結晶半導体層の第1および第2の不純物領域の上に、第
1および第2の電極をそれぞれ形成する工程を具備する
非単結晶半導体装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23541295A JPH0982970A (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | 非単結晶半導体装置およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23541295A JPH0982970A (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | 非単結晶半導体装置およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0982970A true JPH0982970A (ja) | 1997-03-28 |
Family
ID=16985718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23541295A Pending JPH0982970A (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | 非単結晶半導体装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0982970A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001318627A (ja) * | 2000-02-29 | 2001-11-16 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 発光装置 |
KR100671824B1 (ko) * | 2005-12-14 | 2007-01-19 | 진 장 | 역 스태거드 박막 트랜지스터 제조 방법 |
JP2012151417A (ja) * | 2011-01-21 | 2012-08-09 | Japan Display Central Co Ltd | 薄膜トランジスタ回路基板及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-09-13 JP JP23541295A patent/JPH0982970A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001318627A (ja) * | 2000-02-29 | 2001-11-16 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 発光装置 |
US7995010B2 (en) | 2000-02-29 | 2011-08-09 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting device |
US8493295B2 (en) | 2000-02-29 | 2013-07-23 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting device |
US8674909B2 (en) | 2000-02-29 | 2014-03-18 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting device |
US9035853B2 (en) | 2000-02-29 | 2015-05-19 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting device |
US9178004B2 (en) | 2000-02-29 | 2015-11-03 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting device |
US9331130B2 (en) | 2000-02-29 | 2016-05-03 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting device |
US9502483B2 (en) | 2000-02-29 | 2016-11-22 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting device |
US10032840B2 (en) | 2000-02-29 | 2018-07-24 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Light-emitting device |
KR100671824B1 (ko) * | 2005-12-14 | 2007-01-19 | 진 장 | 역 스태거드 박막 트랜지스터 제조 방법 |
JP2012151417A (ja) * | 2011-01-21 | 2012-08-09 | Japan Display Central Co Ltd | 薄膜トランジスタ回路基板及びその製造方法 |
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