JPH0982961A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH0982961A
JPH0982961A JP23956995A JP23956995A JPH0982961A JP H0982961 A JPH0982961 A JP H0982961A JP 23956995 A JP23956995 A JP 23956995A JP 23956995 A JP23956995 A JP 23956995A JP H0982961 A JPH0982961 A JP H0982961A
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JP
Japan
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region
collector
type
conductivity type
semiconductor device
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JP23956995A
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English (en)
Inventor
Mitsuzo Sakamoto
光造 坂本
Isao Yoshida
功 吉田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 IGBTにおいて、コレクタ・エミッタ間の
逆方向耐圧の低減と、ターンオフ速度の向上と、オン電
圧の低減とを達成することを目的とする。 【構成】 従来のIGBT11のn型ベース23からコ
レクタ端子22への電流経路12としてダイオード32
を設ける。これにより、コレクタ・エミッタ間に逆方向
電圧が印加されたとき、ダイオード32を流れる電流は
pnpトランジスタ31を逆方向動作させるためのベー
ス電流となり逆方向耐圧が低減する。また、コレクタ・
エミッタ間が順方向に接続される場合にはダイオード3
2により、少数キャリアの蓄積低減によるターンオフ速
度の向上と、オン電圧の低減とを実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置に関し、特
に逆方向耐圧の低減と、ターンオフ速度の向上と、オン
電圧の低減とを図った絶縁ゲート型バイポーラトランジ
スタに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】電力の制御や変換を行うスイッチング素
子の一種として、IGBT(Insulated Ga
te Bipolar Transistor:以下I
GBTと称する)が知られている。このIGBTは、M
OS FETとバイポーラトランジスタとを複合化した
半導体装置であり、大電流、高耐圧に優れているので、
いわゆるパワーデバイスとして広範囲に用いられてい
る。
【0003】このようなIGBTにおいて、ターンオフ
速度の向上を目的として、IGBTの半導体チップの裏
面に高濃度のp型領域(いわゆるp+型領域)とn型領
域(いわゆるn+型領域)をストライプ状に形成するこ
とによりp+型コレクタ領域とn+型ベース領域とを短
絡した構造、いわゆるコレクタ短絡型IGBTが、ピー
・シー・アイ・エム'88のプロシーディングス(PC
IM '88 PROCEEDINGS)PP142−P
P151に報告されている。
【0004】このコレクタ短絡型IGBTでは、n+型
バッファ領域に蓄積した少数キャリアをp+型コレクタ
領域で吸収できるため、少数キャリア蓄積によるスイッ
チング遅延を抑えることにより、ターンオフ速度の向上
が可能である。また、コレクタ短絡型IGBTでは、n
+型エミッタ領域とp+型コレクタ領域間に寄生pn接
合ダイオードが存在している。このため、この寄生ダイ
オードを誘導性負荷を駆動するときのフリーホイリング
(Flee Wheeling)ダイオードとして代用
することも可能であるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したコレクタ短絡
型IGBTの場合、半導体チップの裏面に高濃度のp型
領域(いわゆるp+型領域)とn型領域(いわゆるn+
型領域)とを形成する必要があるので、プロセス工程に
おけるウエハの段階でそれら高濃度のp型領域とn型領
域とを形成した後には裏面エッチングをほとんど行えな
いという制約を受ける。
【0006】このため、前記n型ベース領域の厚さを約
100μm以下にした後にプロセス工程を進める必要が
あるので、約600V耐圧レベル以下で耐圧とオン電圧
を最適化したコレクタ短絡型の縦型IGBTは実現不可
能であるという問題があった。
【0007】また、通常のIGBTではエミッタをコレ
クタより高電圧にしたときの耐圧はp+型コレクタ領域
とn+型バッファ領域との間で形成されるpn接合ダイ
オードの耐圧により決まり、通常の逆方向耐圧は約20
V以上となる。このため、誘導性負荷を駆動する場合に
はフリーホイリングダイオードをIGBTと並列に接続
する必要があった。
【0008】本発明の第1の目的は、フリーホイリング
ダイオードの接続を不要にする、コレクタ・エミッタ間
の逆方向耐圧の低減を図ったIGBTを提供することに
ある。
【0009】本発明の第2の目的は、ベース領域に少数
キャリアが蓄積するのを防止することにより、ターンオ
フ速度の向上を図ったIGBTを提供することにある。
【0010】本発明の第3の目的は、ベース領域とコレ
クタ領域との間の順方向電圧降下を低減することによ
り、オン電圧の低減を図ったIGBTを提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば下
記の通りである。
【0012】(1)本発明の半導体装置は、第1導電型
コレクタ領域と第2導電型ベース領域と第1導電型ベー
ス領域と第2導電型エミッタ領域とゲート層を有する半
導体装置であって、前記第2導電型ベース領域と前記第
1導電型コレクタ領域との間に電流経路を設けている。
【0013】(2)本発明の半導体装置は、電流経路と
してダイオードを設けている。
【0014】(3)本発明の半導体装置は、ダイオード
として多結晶シリコンダイオードを用いている。
【0015】(4)本発明の半導体装置は、ダイオード
の第1導電型領域を、前記第2導電型ベース領域に接続
し、前記ダイオードの第2導電型領域を前記第1導電型
コレクタ領域に接続している。
【0016】(5)本発明の半導体装置は、第2導電型
ベース領域内に第1導電型コレクタ領域と第2導電型ベ
ース領域とは分離した第2の第1導電型コレクタ領域と
を設け、第2の第1導電型コレクタ領域と第2導電型ベ
ース領域とを短絡させてコレクタ短絡型の絶縁ゲート型
バイポーラトランジスタを構成して、電流経路としてコ
レクタ短絡型の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを
用いている。
【0017】(6)本発明の半導体装置は、オン状態の
とき、コレクタ短絡型の絶縁ゲート型バイポーラトラン
ジスタのコレクタ電流成分が全コレクタ電流成分の半分
以下になるように構成されている。
【0018】(7)本発明の半導体装置は、第1導電型
コレクタ領域を半導体チップの裏面に形成するととも
に、第2の第1導電型コレクタ領域を半導体チップの表
面に形成し、第1導電型コレクタ領域と第2の第1導電
型コレクタ領域とを接続してコレクタとしている。
【0019】(8)本発明の半導体装置は、電流通路と
して抵抗を設けている。
【0020】(9)本発明の半導体装置は、第2導電型
ベース領域内に電極を設け、この電極とコレクタ端子と
の間に多結晶シリコン抵抗を接続し、この多結晶シリコ
ン抵抗を電流経路としている。
【0021】(10)本発明の半導体装置は、第2導電
型ベース領域内の電極から第1導電型ベース領域までの
距離を第1導電型コレクタ領域までの距離より長くし、
第2導電型ベース領域を電流経路として働く抵抗として
いる。
【0022】(11)本発明の半導体装置は、電流経路
として働く抵抗として第2導電型ベース領域内に第1導
電型拡散抵抗領域を設け、この第1導電型拡散抵抗領域
内に第2導電型ベース領域とオーミックコンタクトをと
る手段と、コレクタ端子とオーミックコンタクトをとる
手段とを設けている。
【0023】(12)本発明の半導体装置は、コレクタ
端子とオーミックコンタクトをとった第2導電型ベース
領域内の電極と第1導電型ベース領域までの間にフロー
ティングの第1導電型領域とを設け、第2導電型ベース
領域を電流経路として働く抵抗としている。
【0024】(13)本発明の半導体装置は、オン状態
のとき、電流経路に流れる電流成分が全コレクタ電流成
分の半分以下になるように構成されている。
【0025】(14)本発明の半導体装置は、第1導電
型コレクタ領域を半導体チップの裏面に形成するととも
に、第1導電型コレクタ領域への電流経路の終端を半導
体チップの表面に形成している。
【0026】(15)本発明の半導体装置は、第1導電
型がp型からなるとともに、第2導電型がn型からなっ
ている。
【0027】
【作用】本発明によれば、特に例えばp型コレクタ領域
とn型ベース領域とが分離された縦型のIGBTの半導
体チップの表面側に、n型ベース領域とp型コレクタ領
域との間に電流経路として働くダイオードまたは抵抗あ
るいは横型でp型コレクタ領域とn型ベース領域とを接
続したコレクタ短絡型のIGBTを設けた。これによ
り、コレクタ・エミッタ間に逆方向電圧が印加されたと
き、n型ベース領域からp型ベース領域に電流が流れ、
さらにこの電流が縦型のIGBTのp型ベース領域、n
型ベース領域、p型コレクタ領域を各々エミッタ、ベー
ス、コレクタとする寄生pnpトランジスタをオンさせ
るベース電流となる。このため、逆方向耐圧を低減でき
る。
【0028】また、電流経路によりIGBTをターンオ
フさせる場合のn型ベース領域への少数キャリアの蓄積
が低減できるため、ターンオフ速度を向上できる。さら
に、電流経路によりp型コレクタ領域とn型ベース領域
間の電圧降下を低減できるため、オン電圧を低減でき
る。
【0029】なお、本技術はすべて横型のIGBTで構
成しても同様な効果が得られる。
【0030】以下、本発明について、図面を参照して実
施例とともに詳細に説明する。
【0031】なお、実施例を説明するための全図におい
て、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り
返しの説明は省略する。
【0032】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の実施例1に係るIGBTの
等価回路図、図2はその断面図、図3はその平面図を示
している。
【0033】図1の等価回路図で示される本実施例のI
GBT10において、20はエミッタ端子、21はゲー
ト端子、22はコレクタ端子である。11は従来のIG
BTの等価回路部分で、30はMOSFET部、31は
pnpトランジスタ、23はn型ベース、24はp型ベ
ースである。本実施例のIGBTでは、n型ベース23
からコレクタ端子22への電流経路12としてダイオー
ド32を接続している。
【0034】図2は図3の平面図のaーa'領域の断面構
造を示しており、この本実施例のIGBT10は従来の
縦型IGBTと同様のプロセスで形成できる。すなわ
ち、p型コレクタ領域として働く約400μmの高濃度
p型半導体基板101上に、約10μm、0.1Ωcm
のn型バッファ領域102をエピタキシャル成長した後
に、約55μm、60Ωcmのn型ベース領域103を
エピタキシャル成長する。
【0035】縦型IGBTを形成する部分には約100
nmのゲート酸化膜105a上に形成した多結晶シリコ
ンゲート領域106aのパターン間に深さ約10μm、
ドーズ量1×1015/cm2程度の第1のp型ベース用拡
散領域104aと、多結晶シリコンゲート領域106a
をマスクにして自己整合的に形成した深さ約4μm、ド
ーズ量5×1013/cm2程度の第2のp型ベース用拡散
領域107aと深さ約1μm、ドーズ量1×1016/cm
2程度のエミッタ用n型拡散領域108aを設け、p型
ベース領域104a、107aとアルミ電極111aの
間をオーミックなコンタクトを取るために深さ約1μ
m、ドーズ量1×1015/cm2程度の高濃度P型拡散領
域109aを設ける。
【0036】本実施例の場合には、前記エミッタ用n型
拡散領域108aを形成するためのリンまたはヒ素のイ
オン打ち込みと、高濃度P型拡散領域109aを形成す
るためのボロンイオン打ち込みを、多結晶シリコン領域
にも行ないp型多結晶シリコン領域106bとn型多結
晶シリコン領域106cを形成して、図1に示したダイ
オード32を多結晶シリコンダイオードによって形成し
てある。ここでn型拡散領域108bは前記ダイオード
32のアノードをアルミ電極111bでn型ベース領域
103とオーミックに接続するために設けてある。
【0037】図3の平面図においては、多結晶シリコン
ダイオードからなるダイオード32のカソード用アルミ
電極111cと、n型拡散領域108bの平面構造が特
にわかるように示してある。ダイオード32のカソード
用アルミ電極111cはコレクタ用のボンディングパッ
ド122に接続してある。このコレクタ用ボンディング
パッド122に接続されたボンディングワイヤを、本I
GBTの半導体チップが実装される金属のステムまたは
コレクタ用のリードフレームに接続することにより、p
型コレクタ基板101とオーミックコンタクトをとるこ
とができる。これにより、図1に示した実施例1による
IGBT10が実現できる。
【0038】このように構成される実施例1のIGBT
10では、コレクタ端子22に負荷を接続し正の電圧を
印加した場合にはダイオード32は遮断状態であるた
め、従来のIGBTと同様に、ゲート端子21に正の電
圧が印加されるとコレクタ端子22からn型ベース領域
103にホールが注入されてオンし、コレクタ電位はオ
ン電圧まで低下する。しかしながら従来は、コレクタ端
子22とn型ベース23との間にはpnpトランジスタ
31のエミッタ・ベース間ダイオードが存在しているた
め、このオン電圧を低減することが難しかった。
【0039】これに対し、本実施例の場合にはコレクタ
端子22とn型バッファ領域102との間に多結晶シリ
コンダイオードからなるダイオード32が存在している
ため、このダイオード32が電流経路として動作するた
め、オン電圧を低減できるという効果がある。
【0040】また、次にゲート端子21の電圧を下げて
IGBT10を遮断する場合には、ダイオード32のな
い従来のIGBT11ではn型ベース領域103に注入
されたホールが蓄積されるため遮断速度が速くできない
という問題があったが、本実施例ではダイオード32を
通ってコレクタ端子22側に流すことができるため、高
速に遮断できるようになるという効果がある。
【0041】さらにまた、通常のIGBTでは、エミッ
タをコレクタより高電圧にしたときの耐圧はpnpトラ
ンジスタ31のエミッタ・ベース間ダイオードの耐圧に
より決まり、通常の逆方向耐圧は約20V以上となる。
このため、誘導性負荷を駆動する場合にはフリーホイリ
ングダイオードをコレクタ端子22とエミッタ端子20
間に追加して接続する必要があった。これに対し、本実
施例の場合には、ダイオード32とp型ベース24とn
型ベース23の間に形成されるダイオードを通ってエミ
ッタ端子20からコレクタ端子22に電流が流れる。さ
らに、ダイオード32の流せる電流はたとえ少なくて
も、この電流はpnpトランジスタ31が逆方向動作し
たときのベース電流となるため、pnpトランジスタ3
1の逆方向動作でのエミッタ電流がn型ベース24から
コレクタ端子22へ電流が流れる。このため、逆方向耐
圧は約3V程度以下の低い値にできる。
【0042】従って、以上のような実施例1によれば次
のような効果が得られる。
【0043】(1)フリーホイリングダイオードの接続
を不要にする、コレクタ・エミッタ間の逆方向耐圧の低
減を図ったIGBTを提供することができる。
【0044】(2)ベース領域に少数キャリアが蓄積す
るのを防止することにより、ターンオフ速度の向上を図
ったIGBTを提供することができる。
【0045】(3)ベース領域とコレクタ領域との間の
順方向電圧降下を低減することにより、オン電圧の低減
を図ったIGBTを提供することができる。
【0046】(実施例2)図4は本発明の実施例2に係
るIGBTを示す断面図である。本実施例のIGBTで
は、ダイオード32として実施例1における多結晶シリ
コンダイオードに代えて、pn接合ダイオードを用いた
例を示している。
【0047】すなわち、n型拡散領域108aと同じ工
程で形成されるn型拡散領域108cをダイオード32
のカソード、p型拡散領域107aと同じ工程で形成さ
れるp型拡散領域107bをダイオード32のアノード
として用いる点が異なるだけであり実質的には全く同じ
である。よって、実施例1で述べたコレクタ・エミッタ
間の逆方向耐圧の低減効果、ターンオフ速度の向上効
果、オン電圧の低減効果は実施例1の場合と同様に得ら
れる。
【0048】なお、本実施例においては、p型拡散領域
107bの代わりにp型拡散領域104aと同一工程で
形成されるp型拡散領域をダイオード32のアノードと
してもよい。また、ダイオード32のカソード用アルミ
電極111c(これを第2のコレクタ電極とも呼ぶこと
にする)と半導体チップの裏面であるp型コレクタ領域
101との接続方法も実施例1の場合と同様にして実現
できる。
【0049】本実施例において、高濃度n型拡散層10
8b、108cと高濃度p型拡散層109bはアルミ電
極111b、111cとオーミックコンタクトをとるた
めに設けてあり、以下の実施例においても同じ目的で設
けてある。
【0050】(実施例3)図5は本発明の実施例3に係
るIGBTの等価回路図、図6はその断面図、図7はそ
の平面図を示している。本実施例のIGBT10では、
n型ベース23からコレクタ端子22への電流経路12
として多結晶シリコンからなる抵抗34を接続してい
る。
【0051】図6は図7の平面図のaーa'領域の断面構
造を示している。本実施例における抵抗34は、ゲート
電極領域106aと同時に形成される多結晶シリコン領
域106dを使用している。第2のコレクタ電極111
cは実施例1の場合と同様にして半導体チップ裏面のp
型コレクタ領域101と接続される。
【0052】図7の平面図においては、第2のコレクタ
電極111cと多結晶シリコン層106dからなる抵抗
34とn型ベース領域103をオーミックに接続するた
めの高濃度n型拡散領域108bの平面構造が特にわか
るように示してある。
【0053】このように構成される実施例3のIGBT
10では、コレクタ端子22に負荷を接続し正の電圧を
印加した場合には抵抗34が存在しているので、pnp
トランジスタ31がオンするために必要なエミッタ・ベ
ース間電圧がコレクタ端子22とn型ベース23との間
に発生する。このため、従来のIGBTと同様に、ゲー
ト端子21に正の電圧が印加されるとコレクタ端子22
からn型ベース領域103にホールが注入されてオン
し、コレクタ電位はオン電圧まで低下する。本実施例の
場合にはコレクタ端子22とn型バッファ領域102と
の間は抵抗34で接続されているため、この抵抗34が
電流通路として動作するため、オン電圧を低減できると
いう効果がある。
【0054】また、次にゲート端子21の電圧を下げて
IGBT10を遮断する場合には、n型ベース領域10
3に注入されたホールを抵抗34を通ってコレクタ端子
22側に流すことができるため、高速に遮断できるよう
になるという効果がある。
【0055】さらにまた、エミッタをコレクタより高電
圧にしたときには抵抗34を通ってエミッタ端子20か
らコレクタ端子22に電流が流れる。さらに、抵抗34
の電流がたとえ低くても、抵抗34を流れる電流はpn
pトランジスタ31が逆方向動作したときのベース電流
となるため、pnpトランジスタ31の逆方向動作での
エミッタ電流がn型ベース24からコレクタ端子22へ
電流が流れる。このため、逆方向耐圧は約2V程度以下
の低い値にできる。
【0056】従って、このような実施例3によっても、
コレクタ・エミッタ間の逆方向耐圧の低減効果、ターン
オフ速度の向上効果、オン電圧の低減効果は実施例1の
場合と同様に得られる。
【0057】(実施例4)図8は本発明の実施例4に係
るIGBTの第4の実施例の等価回路図、図9はその断
面図、図10はその平面図を示している。本実施例のI
GBT10では、n型ベース23からコレクタ端子22
への電流経路12として、コレクタ短絡型のIGBTが
動作するようにpnpトランジスタ33とn型ベース領
域103に存在する等価的な抵抗35、36を接続して
いる。
【0058】図9は図10の平面図のaーa'領域の断面
構造を示している。本実施例では、p型拡散領域104
aと同一工程で形成されるp型拡散領域104bとp型
拡散領域104aと同一工程で形成されるp型拡散領域
104bを第2のp型コレクタ領域とし、n型拡散領域
108aと同一工程で形成されるn型拡散領域108c
を第2のコレクタ電極111cとn型ベース領域103
とをオーミックに接続するためのn型拡散領域として用
いている。このため、表面には横型でコレクタ短絡型の
IGBTが形成される。
【0059】n型拡散領域108c直下からp型拡散領
域104b直下までのn型エピタキシャル領域103は
図9の抵抗36で、またp型拡散領域104bとp型拡
散領域109aの間のn型エピタキシャル領域103は
抵抗35で等価的には表現している。また、p型拡散領
域104aと同一工程で形成されるp型拡散領域104
cはフローティングとなっており、高耐圧化のためのフ
ィールドリミティングリングとしての役割も果たせる
が、本実施例の場合にはp型拡散領域104bと共に前
記抵抗35の値を大きくし、n型拡散領域108cとp
型ベース領域104a、107a、109aとの距離を
長くしなくてもすむようにしてある。もしも、p型拡散
領域104cやp型拡散領域104bがない場合には、
p型拡散領域109bとp型ベース領域104a、10
7a、109aとの距離はp型基板101とp型ベース
領域104a、107a、109aの距離より長くする
必要がある。
【0060】図10の平面図においては、p型拡散領域
104cやp型拡散領域104bの平面構造が特にわか
るように示してある。
【0061】なお、本実施例において、第2のコレクタ
電極111cをn型拡散領域108cのみと接続し、p
型拡散領域104bと109bは設けなくとも構わな
い。この場合には横型でコレクタ短絡型のIGBTとし
ての動作がなくなるだけであり、実施例3の図5の抵抗
34として、n型ベース領域の抵抗35、36を用いた
ことと同じになる。また、コレクタ短絡型のIGBTの
単位面積当りの電流駆動能力は通常のIGBT部に比べ
低いため、コレクタ電流成分が全コレクタ電流成分の半
分以下になるように構成することが望ましい。
【0062】このように構成される実施例3のIGBT
10では、コレクタ端子22に負荷を接続し正の電圧を
印加した場合には抵抗35、36が存在しているので、
pnpトランジスタ31がオンするために必要なエミッ
タ・ベース間電圧がコレクタ端子22とn型ベース23
との間に発生する。このため、従来のIGBTと同様
に、ゲート端子21に正の電圧が印加されるとコレクタ
端子22からn型ベース領域103にホールが注入され
てオンし、コレクタ電位はオン電圧まで低下する。本実
施例の場合にはコレクタ端子22とn型バッファ領域1
02との間は抵抗35、36で接続されているため、オ
ン電圧を低減できるという効果がある。
【0063】また、次にゲート端子21の電圧を下げて
IGBT10を遮断する場合には、n型ベース領域23
に注入されたホールを抵抗35、36を通ってコレクタ
端子22側に流すことができるため、高速に遮断できる
ようになるという効果がある。
【0064】さらにまた、エミッタをコレクタより高電
圧にしたときには抵抗35、36を通ってエミッタ端子
20からコレクタ端子22に電流が流れる。さらに、抵
抗35、36の電流がたとえ低くても、抵抗35を流れ
る電流はpnpトランジスタ31が逆方向動作したとき
のベース電流となるため、pnpトランジスタ31の逆
方向動作でのエミッタ電流がp型ベース24からコレク
タ端子22へ電流が流れる。このため、逆方向耐圧は約
2V程度以下の低い値にできる。
【0065】従って、このような実施例4によっても、
コレクタ・エミッタ間の逆方向耐圧の低減効果、ターン
オフ速度の向上効果、オン電圧の低減効果は実施例1の
場合と同様に得られる。
【0066】(実施例5)図11は本発明の実施例2に
係るIGBTを示す断面図である。本実施例のIGBT
では、実施例3の図5に示した抵抗34を図6に示した
ような多結晶シリコン抵抗に代えて拡散抵抗を用いた例
を示している。等価回路的には図8と同じになる。
【0067】すなわち、p型拡散領域107aと同じ工
程で形成されるp型拡散領域107cを第2のp型コレ
クタ領域とし、n型ベース領域103とはアルミ電極1
11bにより接続されている。ここで、p型拡散領域1
07cの拡散抵抗は図8の抵抗36、n型拡散領域10
8bとp型ベース領域104a、107a、109aと
の間のn型エピタキシャル領域103は抵抗35とな
る。
【0068】従って、このような実施例5によっても、
コレクタ・エミッタ間の逆方向耐圧の低減効果、ターン
オフ速度の向上効果、オン電圧の低減効果は実施例1の
場合と同様に得られる。
【0069】また、本実施例ではp型拡散抵抗107c
の値によりn型ベース領域103への少数キャリアの注
入を最適化できるため、コレクタとn型ベースが分離さ
れたIGBT成分だけの場合でもIGBTのオン抵抗低
減を図りやすいという特徴がある。なお、本実施例にお
いて抵抗35を増加するためには、図9に示したフロー
ティング状態のp型拡散領域104cを使用することも
できる。なお、高濃度p型拡散層109cはアルミ電極
111cとオーミックコンタクトをとるために設けてあ
る。
【0070】(実施例6)図12は本発明の実施例6に
係るIGBTを示す断面図である。実施例1乃至5にお
けるIGBTにおいては、コレクタ電流の大部分は半導
体チップの裏面を流れる縦型構造の例で説明したのに対
して、本実施例のIGBTでは、横型構造の例を示すも
のである。
【0071】本実施例においては通常のIGBTのコレ
クタ電極と本発明の特徴の一つである第2のコレクタ電
極とが共通のアルミ電極111dになる。図12におい
て、中央部から左側はp型拡散領域107cをコレクタ
とする通常の横型IGBT構造になっており、一方、中
央部から右側の表面金傍の断面構造は図11に示した断
面構造と同様の構造になっている。すなわち、n型ベー
ス領域103とコレクタ電極111dとの間にはp型拡
散領域107cにより形成された抵抗(図8の36)が
存在する。
【0072】なお、本実施例においてはリング状に形成
されたp型ベース領域104aと酸化膜112により図
の中央のn型ベース領域103が分離できる。また、本
実施例においては、大部分のコレクタ電流は横型IGB
T部を通り流れるように中央部から左側の構造の割合を
多くとることが低損失化のためには望ましい。
【0073】なお、本実施例の構造のIGBTの製造方
法は、周知のウエハの張り合わせ技術を用いて実現する
ことができる。すなわち、半導体基板101上に酸化膜
を形成したウエハと、n型半導体基板(領域)103上
に酸化膜を形成したウエハとを酸化膜同士を接触させて
接着させることにより、n型半導体領域103を有する
構造を得る。その後の製造方法は実施例1の説明で述べ
た方法と同様であるので省略する。
【0074】従って、このような実施例6によっても、
コレクタ・エミッタ間の逆方向耐圧の低減効果、ターン
オフ速度の向上効果、オン電圧の低減効果は実施例1の
場合と同様に得られる。
【0075】また、本実施例ではp型ベース領域104
aと酸化膜103により素子分離できる構造であるた
め、分離された複数の素子を同一半導体チップ上に形成
できるという利点もある。なお、本実施例の場合には半
導体基板101はn型でもp型でも構わない。
【0076】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前
記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲において種々変更可能であることは勿論であ
る。
【0077】例えば、前記各実施例では、nチャネル型
のIGBTを例にあげて説明したが、これに限らずpチ
ャネル型のIGBTに適用しても同様の効果が得られ
る。
【0078】また、前記各実施例で示したIGBTの各
構成部分の厚さ寸法、不純物ドーズ量などは一例を示し
たものであり、これらの値は目的、用途などに応じて任
意の変更が可能である。
【0079】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0080】(1)フリーホイリングダイオードの接続
を不要にする、コレクタ・エミッタ間の逆方向耐圧の低
減を図ったIGBTを提供することができる。
【0081】(2)ベース領域に少数キャリアが蓄積す
るのを防止することにより、ターンオフ速度の向上を図
ったIGBTを提供することができる。
【0082】(3)ベース領域とコレクタ領域との間の
順方向電圧降下を低減することにより、オン電圧の低減
を図ったIGBTを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るIGBTの等価回路図
である。
【図2】本発明の実施例1に係るIGBTの断面図であ
る。
【図3】本発明の実施例1に係るIGBTの平面図であ
る。
【図4】本発明の実施例2に係るIGBTの断面図であ
る。
【図5】本発明の実施例3に係るIGBTの等価回路図
である。
【図6】本発明の実施例3に係るIGBTの断面図であ
る。
【図7】本発明の実施例3に係るIGBTの平面図であ
る。
【図8】本発明の実施例4に係るIGBTの等価回路図
である。
【図9】本発明の実施例4に係るIGBTの断面図であ
る。
【図10】本発明の実施例4に係るIGBTの平面図で
ある。
【図11】本発明の実施例5に係るIGBTの断面図で
ある。
【図12】本発明の実施例6に係るIGBTの断面図で
ある。
【符号の説明】
10…本発明のIGBT、11…従来のIGBTの部
分、12…電流経路、20…エミッタ端子、21…ゲー
ト端子、22…コレクタ端子、23…n型ベース、24
…p型ベース、30…MOSFET部、31,33…p
npトランジスタ、32…ダイオード、34,35,3
6…抵抗、101…p型基板(コレクタ領域)、102
…n型エピタキシャル領域(n型バッファ領域)、10
3…n型エピタキシャル領域(n型ベース領域)、10
4a…p型拡散領域(p型ベース領域)、104b,1
04c…p型拡散領域、105a,105b,112…
酸化膜、106a…多結晶シリコン領域(ゲート電
極)、106b…p型多結晶シリコン領域、106c…
n型多結晶シリコン領域、106d…多結晶シリコン領
域(抵抗)、107a…p型拡散領域(p型ベース領
域)、107b,107c…p型拡散領域、108a…
n型拡散領域(n型エミッタ領域)、108b,108
c…n型拡散領域、109a,109b,109c…p
型拡散領域、110…保護膜、111a…アルミ電極
(エミッタ電極)、111b…アルミ電極(アノード電
極)、111c…アルミ電極(第2のコレクタ電極)、
111d…アルミ電極(コレクタ電極)。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型コレクタ領域と第2導電型ベ
    ース領域と第1導電型ベース領域と第2導電型エミッタ
    領域とゲート層を有する半導体装置であって、前記第2
    導電型ベース領域と前記第1導電型コレクタ領域との間
    に電流経路を設けたことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記電流通路として、ダイオードを設け
    たことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記ダイオードが、多結晶シリコンダイ
    オードであることを特徴とする請求項2に記載の半導体
    装置。
  4. 【請求項4】 前記ダイオードの第1導電型領域を、前
    記第2導電型ベース領域に接続し、前記ダイオードの第
    2導電型領域を前記第1導電型コレクタ領域に接続した
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の半導体装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第2導電型ベース領域内に前記第1
    導電型コレクタ領域と前記第2導電型ベース領域とは分
    離した第2の第1導電型コレクタ領域とを設け、前記第
    2の第1導電型コレクタ領域と前記第2導電型ベース領
    域とを短絡させてコレクタ短絡型の絶縁ゲート型バイポ
    ーラトランジスタを構成して、前記電流経路として前記
    コレクタ短絡型の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ
    を用いたことを特徴とする請求項1に記載の半導体装
    置。
  6. 【請求項6】 オン状態のとき、前記コレクタ短絡型の
    絶縁ゲート型バイポーラトランジスタのコレクタ電流成
    分が全コレクタ電流成分の半分以下であることを特徴と
    する請求項5に記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記第1導電型コレクタ領域を半導体チ
    ップの裏面に形成するとともに、前記第2の第1導電型
    コレクタ領域を半導体チップの表面に形成し、前記第1
    導電型コレクタ領域と第2の第1導電型コレクタ領域と
    を接続してコレクタとしたことを特徴する請求項5また
    は6に記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記電流通路として、抵抗を設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記第2導電型ベース領域内に電極を設
    け、該電極とコレクタ端子との間に多結晶シリコン抵抗
    を接続し、前記多結晶シリコン抵抗を前記電流経路とし
    たことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記第2導電型ベース領域内の電極か
    ら前記第1導電型ベース領域までの距離を前記第1導電
    型コレクタ領域までの距離より長くし、前記第2導電型
    ベース領域を前記電流経路として働く抵抗としたことを
    特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】 前記電流経路として働く抵抗として前
    記第2導電型ベース領域内に第1導電型拡散抵抗領域を
    設け、該第1導電型拡散抵抗領域内に前記第2導電型ベ
    ース領域とオーミックコンタクトをとる手段と、コレク
    タ端子とオーミックコンタクトをとる手段とを設けたこ
    とを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】 前記コレクタ端子とオーミックコンタ
    クトをとった前記第2導電型ベース領域内の電極と前記
    第1導電型ベース領域までの間にフローティングの第1
    導電型領域とを設け、前記第2導電型ベース領域を前記
    電流経路として働く抵抗としたことを特徴とする請求項
    8に記載の半導体装置。
  13. 【請求項13】 オン状態のとき、前記電流経路に流れ
    る電流成分が全コレクタ電流成分の半分以下であること
    を特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の
    半導体装置。
  14. 【請求項14】 前記第1導電型コレクタ領域を半導体
    チップの裏面に形成するとともに、前記第1導電型コレ
    クタ領域への電流経路の終端を半導体チップの表面に形
    成したことを特徴する請求項8乃至13のいずれか1項
    に記載の半導体装置。
  15. 【請求項15】 前記第1導電型がp型からなるととも
    に、前記第2導電型がn型からなることを特徴とする請
    求項1乃至14のいずれか1項に記載の半導体装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100503938B1 (ko) * 2002-02-05 2005-07-26 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 반도체장치
DE102005031139B4 (de) * 2004-08-27 2009-09-03 Mitsubishi Denki K.K. Halbleitervorrichtung

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