JPH0982216A - 電界放出型電子源の製造方法 - Google Patents

電界放出型電子源の製造方法

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JPH0982216A
JPH0982216A JP23548995A JP23548995A JPH0982216A JP H0982216 A JPH0982216 A JP H0982216A JP 23548995 A JP23548995 A JP 23548995A JP 23548995 A JP23548995 A JP 23548995A JP H0982216 A JPH0982216 A JP H0982216A
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JP
Japan
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field emission
electron source
temperature heat
silicon substrate
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JP23548995A
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Masao Urayama
雅夫 浦山
Yoshiyuki Takegawa
宜志 竹川
Hiroko Morita
裕子 森田
Morichika Yano
盛規 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲート電極からエミッタ基板に流れるリーク
電流を低減させ、良好な電流−電圧特性を有する電界放
出型電子源及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 n型シリコン基板12の表面に3〜10
nm程度の厚さの熱酸化膜15aを形成し、窒素ガス雰
囲気中において、このシリコン基板12を1100℃で
10時間前高温熱処理した後、600℃まで温度を下げ
て低温熱処理を行い、その後再び1100℃まで上昇さ
せて後高温熱処理を行う。続いて、シリコン基板12の
表面を熱酸化し、厚さが0.2〜0.3μmの熱酸化シ
リコン層15bを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放出の原理に
基づいて電子を放出する冷陰極を有する電界放出型電子
源の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路又は薄膜の分野において
用いられている微細加工技術により、真空中の高電界に
おいて電子を放出する電界放出型電子源の製造技術の進
歩は目覚ましく、特に極めて小型な構造を有する電界放
出型冷陰極が製造されている。この種の電界放出型冷陰
極は、3極管の超小型電子管又は超小型電子銃を構成す
る主要部品の内、最も基本的な電子放出デバイスであ
る。
【0003】電界放出型電子源の動作及び製造方法は、
スタンフォード リサーチ インスティチュート(Stan
ford Research Institute)のシー.エー.スピント
(C.A.Spindt)らによるジャーナル オブ アプライド
フィジックス(Journal ofApplied Physics)の第47
巻、12号、5248〜5263頁(1976年12
月)に発表された研究報告、シー.エー.スピント等に
よる米国特許第3,789,471号公報及びエイチ.
エフ.グレイ(H.F.Gray)等による米国特許第4,30
7,507号公報及び第4,513,308号公報等で
散見される。
【0004】この電界放出型電子源は、その用途として
例えば微小3極管や薄型表示素子等の構成要素として考
察されたものであり、デバイスとしては、多数の微小な
冷陰極を制御することによりその機能を発揮する。個々
の電界放出型電子源は、電界放出の原理により電子を放
出する冷陰極と、該冷陰極に電界を印加して電子を放出
させるために正電圧を印加する電界印加電極であるゲー
ト電極とを備えている。
【0005】以下、電界放出型電子源の従来の製造方法
について、図5を参照しながら説明する。まず、図5
(A)に示すように、エミッタ基板として、比抵抗ρ=
3〜5Ω・cmのn型シリコン基板112を用いて、その
表面を熱酸化し、厚さが0.2〜0.3μmの熱酸化シ
リコン層115aを形成する。次に、熱酸化シリコン層
115aの表面に例えば円形(又は四角形)のレジスト
パターンを形成し、熱酸化シリコン層115aをエッチ
ングすることにより、図5(B)に示すような円形の熱
酸化シリコンマスク115を形成する。
【0006】この熱酸化シリコンマスク115を用いて
シリコン基板112の表面をドライエッチング法により
等方的にエッチングし、図5(C)に示すように冷陰極
の基本となる凸部111aをシリコン基板112の表面
に形成する。更に、凸部111aが形成されたシリコン
基板112の表面を熱酸化し、図5(D)に示すよう
に、0.3〜0.5μm程度の厚さを有する絶縁層11
3となる熱酸化シリコン層113aを形成する。
【0007】このような構造を有するシリコン基板11
2を真空蒸着装置内に配置し、図5(E)に示すように
ニオブ金属を絶縁層113上に斜め方向より0.3μm
程度堆積させ、ゲート電極層114を形成する。最後
に、電子放出源として不要な熱酸化シリコンマスク11
5と、絶縁層113として機能する熱酸化シリコン層1
13aの一部とを弗酸と弗化アンモニウムとの混合溶液
により除去し、図5(F)に示すようにシリコン基板1
12の冷陰極111に相当する部分を露出させる。
【0008】以上の製造方法により得られた電界放出型
電子源の側方視要部断面を図6に示す。図6に示すよう
に、絶縁層113及びゲート電極層114の各層は、シ
リコン基板112に形成された円錐状の冷陰極111の
周囲を取り囲むと共に冷陰極111の先端部分が露出す
るように形成される。さらに、冷陰極111近傍のゲー
ト電極層114の表面は、冷陰極111の先端部の高さ
と同程度の高さを有するように形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の製造方法に
より作製された電界放出型電子源の電流−電圧特性につ
いて説明する。このときの測定系を図7に示し、ゲート
電流IG及びアノード電流IAとゲート電圧VG(電子引
き出し電圧)との相関関係を図8に示す。なお、アノー
ド電極116に印加されたアノード電圧VAは、200
Vとした。ここで特徴的な点は、アノード電流IAより
ゲート電流IGの方が約2桁大きくなっていることであ
る。これは、ゲート電極114から冷陰極電極となるシ
リコン基板112にリーク電流が流れているためであ
り、前記従来の製造方法により作製された電界放出型電
子源では、電子源としての十分な電流−電圧特性が得ら
れないという問題がある。
【0010】また、これら微小電子源の応用デバイスと
して、平面型蛍光表示素子、あるいはマイクロ波、ミリ
波デバイス等が考えられているが、これらは全て真空中
に放出された電子(アノード電流)を用いることにより
その機能を発揮する。従って、リークにより流れる電流
はデバイスに於いては極力少なくすることが望ましい。
【0011】そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、ゲ
ート電極からエミッタ基板に流れるリーク電流を無く
し、良好な電流−電圧特性を有する電界放出型電子源の
製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電界
放出の原理により電子を放出する冷陰極を有する電界放
出型電子源の製造方法において、単結晶シリコン基板を
非酸化性ガス雰囲気中で熱処理を行う熱処理工程と、該
熱処理が施された前記シリコン基板の表面にマスク層を
形成するマスク層形成工程と、前記マスク層にマスクパ
ターンを形成するマスクパターン形成工程と、前記マス
クパターンを介して前記シリコン基板の表面にエッチン
グ加工を施して冷陰極の基本となる凸部を形成する凸部
形成工程とを含むことを特徴とする電界放出型電子源の
製造方法である。
【0013】請求項2の発明は、請求項1において、前
記マスク層形成工程は、前記シリコン基板の表面を熱酸
化して熱酸化層を形成する熱酸化層形成工程であること
を特徴とする電界放出型電子源の製造方法である。
【0014】請求項3の発明は、請求項1において、前
記熱処理工程は、1000℃以上1200℃以下の温度
範囲で行われる電界放出型電子源の製造方法である。
【0015】請求項4の発明は、請求項1において、前
記熱処理工程は、600℃以上800℃以下の温度範囲
で行われる低温熱処理と、これに続く1000℃以上1
200℃以下の温度範囲で行われる高温熱処理とからな
る電界放出型電子源の製造方法である。
【0016】請求項5の発明は、請求項1において、前
記熱処理工程は、1000℃以上1200℃以下の温度
範囲で行われる高温熱処理と、これに続く600℃以上
800℃以下の温度範囲で行われる低温熱処理とからな
る電界放出型電子源の製造方法である。
【0017】請求項6の発明は、請求項1において、前
記熱処理工程は、1000℃以上1200℃以下の温度
範囲で行われる前高温熱処理と、これに続く600℃以
上800℃以下の温度範囲で行われる低温熱処理と、さ
らにこれに続く1000℃以上1200℃以下の温度範
囲で行われる後高温熱処理とからなる電界放出型電子源
の製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明にかかる電界放出型電子源
の製造方法の工程順序は以下のとおりである。なお、本
実施形態においては、エミッタ基板として単結晶シリコ
ン基板が用いられ、非酸化性ガスとして窒素が用いられ
る。
【0019】1.シリコンウェハの洗浄 2.窒素雰囲気中におけるシリコンウェハの熱処理 3.シリコンウェハ表面へのマスク層の形成 4.レジストパターンの形成 5.マスク層のエッチング 6.レジストアッシング 7.レジスト除去処理(ウェット) 8.Siエッチング 9.エッチング後処理 10.熱酸化処理前の洗浄 11.シリコンウェハ表面への熱酸化層(絶縁層)の形
成 12.蒸着によるゲート金属層の形成 13.BHFによるSiO2マスクの除去
【0020】以上の工程順序で行われる本発明にかかる
電界放出型電子源の製造方法において、上記工程2の窒
素雰囲気中におけるシリコンウェハの熱処理について詳
細に説明する。当該熱処理は、シリコンウェハに存在す
る固溶酸素の外拡散及び析出を利用し、電子を放出する
冷陰極(エミッタ)が形成されるシリコンウェハの表面
層に無欠陥層を形成し、さらにウェハ内に存在、あるい
はプロセス工程中に混入してしまう重金属等のデバイス
特性劣化の要因になる不純物を固着(不動化)すること
を目的として行われる。
【0021】本発明において、上記窒素雰囲気中におけ
るシリコンウェハの熱処理は、以下の4通りが有効であ
る。 (1)1000℃以上1200℃以下の高温熱処理のみ (2)600℃以上800℃以下の低温熱処理の後に1
000℃以上1200℃以下の高温熱処理 (3)1000℃以上1200℃以下の高温熱処理の後
に600℃以上800℃以下の低温熱処理 (4)1000℃以上1200℃以下の前高温熱処理の
後に600℃以上800℃以下の低温熱処理、さらにこ
れに続く1000℃以上1200℃以下の後高温熱処理
【0022】上記熱処理工程において、600℃以上8
00℃以下の低温熱処理の前に行われる1000℃以上
1200℃以下の高温熱処理は、シリコンウェハ表面付
近の酸素を外拡散によりウェハ外に放出させ、デヌーデ
ッドゾーン(DZ)と呼ばれる無欠陥層を形成させる。
従って、当該高温熱処理は非酸化性ガス雰囲気中で行う
必要がある。また、無欠陥層を形成すると同時に、ウェ
ハ内部に存在していた欠陥核に過飽和酸素を析出させ、
DZ層より内部に欠陥を形成する。この欠陥を重金属等
のデバイス特性を劣化させる不純物のゲッタリング核と
して利用する。上記600℃以上800℃以下の低温熱
処理は、後に行われる高温熱処理でウェハ内に欠陥層が
形成されやすくするために、欠陥の核を形成し、成長さ
せる。最後に、600℃以上800℃以下の低温熱処理
の後に行われる1000℃以上1200℃以下の高温熱
処理は、前高温熱処理と同様の効果をもたらすと共に、
低温熱処理で成長した欠陥核をさらに成長させる。
【0023】また、上記工程3において、シリコンウェ
ハの表面にマスク層を形成するのであるが、このマスク
層としては、シリコンウェハがエッチングされる際にエ
ッチングされないものであればよく、例えば、シリコン
ウェハの表面を熱酸化することによって形成される熱酸
化層(SiO2層)あるいは窒化シリコン層等が挙げら
れる。さらに、このマスク層を形成する方法としては、
上述した熱酸化法以外にもCVD法、PVD法(電子ビ
ーム蒸着、スパッタ等)等がある。本発明においては、
同一装置で一連の工程を連続処理できるという観点か
ら、シリコンウェハの熱酸化によりSiO2からなるマ
スク層を形成するのが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。 (実施例1)図1は、本発明に係る電界放出型電子源の
製造方法の一実施例を示す側方視要部断面図であり、図
2は、図1の方法により製造された電界放出型電子源の
側方視要部断面図である。まず、図1を参照して電界放
出型電子源の製造方法の一実施例について説明する。図
1(A)に示すように、エミッタ基板として比抵抗ρ=
3〜5Ω・cmのn型シリコン基板12を用い、その表面
に3〜10nm程度の厚さの熱酸化膜15aを形成し
た。これは、熱処理の際にシリコン基板12の表面が荒
れるのを防ぐためである。
【0025】次に、窒素ガス雰囲気中において、110
0℃で10時間前高温熱処理した後、600℃まで温度
を下げて低温熱処理を行い、その後再び1100℃まで
上昇させた後高温熱処理を行った(図1(B)参照)。
続いて、図1(C)に示すように、n型シリコン基板1
2の表面を熱酸化し、厚さが0.2〜0.3μmの熱酸
化シリコン層15bを形成した。この熱酸化シリコン層
15bの表面に円形のレジストパターンを形成し、熱酸
化シリコン層15bをエッチングすることにより、図1
(D)に示すような円形の熱酸化シリコンマスク15を
形成した。
【0026】この熱酸化シリコンマスク15を用いてシ
リコン基板12の表面をドライエッチング法により等方
的にエッチングし、図1(E)に示すように冷陰極11
の基本となる基板から突出した円錐形状を有する凸部1
1aをシリコン基板12の表面に形成した。更に、この
凸部11aが形成されたシリコン基板12の表面を熱酸
化し、図1(F)に示すように、0.3〜0.5μm程
度の厚さを有する絶縁層13となる熱酸化シリコン層1
3aを形成した。
【0027】このような構造を有するシリコン基板12
を真空蒸着装置内に配置し、図1(G)に示すようにニ
オブ金属を絶縁層13上に斜め方向より0.3μm程度
堆積させ、ゲート電極層14を得た。最後に、電子放出
源として不要な熱酸化シリコンマスク13aと絶縁層1
3として機能する熱酸化シリコン層13aの一部を弗酸
と弗化アンモニウムとの混合溶液により除去し、図1
(H)に示すようにシリコン基板12の冷陰極11に相
当する部分を露出させた。これによって、図2に示すよ
うに、絶縁層13となる熱酸化シリコン層13a及びゲ
ート電極層14の各層は、シリコン基板12に形成され
た円錐状の冷陰極11の周囲を取り囲むと共に冷陰極1
1の先端部分が露出するように形成された。さらに、冷
陰極11近傍のゲート電極層14の表面は、冷陰極11
の先端部の高さと同程度の高さを有するように形成され
た。
【0028】次に、上記工程で作製された電界放出型電
子源の電流−電圧特性を定量するための測定系を図3に
示すと共に、これにより得られたゲート電流IG及びア
ノード電流IAとゲート電圧VG(電子引き出し電圧)と
の相関関係を図4に示す。なお、アノード電極16に印
加されたアノード電圧VAは200Vとした。図4より
明らかなようにゲート電流IGよりアノード電流IAが常
に2桁以上大きく、ゲート電極14から冷陰極電極とな
るシリコン基板12に流れるリーク電流が無い良好な特
性を示した。
【0029】また、このときの試料基板の破断面をH
F:K2Cr27(0.15mol)=2:1のエッチング
溶液でエッチングしたところ、基板表面から30〜50
μmの幅で無欠陥層が確認された。これに対し、本発明
の熱処理を行わなかった試料基板においては、基板断面
の全ての領域に一様に欠陥と思われるエッチピットが観
察された。
【0030】(実施例2)実施例1と同様、エミッタ基
板として比抵抗ρ=3〜5Ω・cmのn型シリコン基板1
2を用い、その表面に5〜8nm程度の厚さの熱酸化膜1
5aを形成した。これは、実施例1と同様に熱処理の際
にシリコン基板12の表面が荒れるのを防ぐためであ
る。次に、窒素ガス雰囲気中において、1050℃の温
度で60時間高温熱処理のみを行い、その後に、図1
(C)に示すように、n型シリコン基板12の表面を熱
酸化し、厚さが0.2〜0.3μmの熱酸化シリコン層
15bを形成した。後の製造工程は実施例1と同様に行
い、図2に示すような電界放出型電子源を作製した。こ
のときの試料基板の破断面をHF:K2Cr27(0.
15mol)=2:1のエッチング溶液でエッチングした
ところ、基板表面から10〜30μmの幅で無欠陥層が
確認された。
【0031】(実施例3)実施例1と同様に、エミッタ
基板として比抵抗ρ=3〜5Ω・cmのn型シリコン基板
12を用い、その表面に5〜8nm程度の厚さの熱酸化膜
15aを形成した。これは、実施例1と同様に熱処理の
際にシリコン基板12の表面が荒れるのを防ぐためであ
る。次に、窒素ガス雰囲気中において、650℃の温度
で60時間低温熱処理を行い、更に、1050℃で60
時間高温熱処理を行った。この後に、図1(C)に示す
ように、n型シリコン基板12の表面を熱酸化し、厚さ
が0.2〜0.3μmの熱酸化シリコン層15bを形成
した。後の製造工程は実施例1と同様に行い、図2に示
すような電界放出型電子源を作製した。このときの試料
基板の破断面をHF:K2Cr27(0.15mol)=
2:1のエッチング溶液でエッチングしたところ、基板
表面から20〜40μmの幅で無欠陥層が確認された。
【0032】(実施例4)実施例1と同様に、エミッタ
基板として比抵抗ρ=3〜5Ω・cmのn型シリコン基板
12を用い、その表面に5〜8nm程度の厚さの熱酸化膜
15aを形成した。これは、実施例1と同様に熱処理の
際にシリコン基板12の表面が荒れるのを防ぐためであ
る。次に、窒素ガス雰囲気中において、1050℃の温
度で60時間高温熱処理を行い、更に、650℃で60
時間低温熱処理を行った。この後に、図1(C)に示す
ように、n型シリコン基板12の表面を熱酸化し、厚さ
が0.2〜0.3μmの熱酸化シリコン層15bを形成
した。後の製造工程は実施例1と同様に行い、図2に示
すような電界放出型電子源を作製した。このときの試料
基板の破断面をHF:K2Cr27(0.15mol)=
2:1のエッチング溶液でエッチングしたところ、基板
表面から20〜40μmの幅で無欠陥層が確認された。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電界放出
型電子源の製造方法によれば、単結晶シリコン基板の表
面にシリコンウェアハ加工時にマスクとして用いるマス
ク層を形成する工程の前に、非酸化性ガス雰囲気中でシ
リコン基板を熱処理することにより、ゲート電極からエ
ミッタ基板に流れるリーク電流の原因となるエミッタ基
板中の欠陥等を、エミッタが形成されるシリコン基板表
面付近から除去することができる。その結果、ゲート電
極から冷陰極基板となるエミッタ基板に流れるリーク電
流が大きく減少し、かつ、良好な電流-電圧特性を有す
る電子源を歩留まりよく作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(H)は、本発明にかかる電界放出型
電子源の製造方法の一実施例を示す側方視要部断面図で
ある。
【図2】図1の方法により製造された電界放出型電子源
の側方視要部断面図である。
【図3】図1の方法により製造された電界放出型電子源
の電流−電圧特性を定量するための測定系を示す図であ
る。
【図4】図1の方法により製造された電界放出型電子源
の電流−電圧特性を示すグラフである。
【図5】(A)〜(F)は、従来の電界放出型電子源の
製造方法を示す側方視要部断面図である。
【図6】図5の方法により製造された電界放出型電子源
の側方視要部断面図である。
【図7】図5の方法により製造された電界放出型電子源
の電流−電圧特性を定量するための測定系を示す図であ
る。
【図8】図5の方法により製造された電界放出型電子源
の電流−電圧特性を示すグラフである。
【符号の説明】
11 冷陰極 11a 凸部 12 シリコン基板 13 絶縁層 13a 熱酸化シリコン層 14 ゲート電極 15 熱酸化シリコンマスク 15a 熱酸化膜
フロントページの続き (72)発明者 矢野 盛規 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界放出の原理により電子を放出する冷
    陰極を有する電界放出型電子源の製造方法において、単
    結晶シリコン基板を非酸化性ガス雰囲気中で熱処理を行
    う熱処理工程と、該熱処理が施された前記シリコン基板
    の表面にマスク層を形成するマスク層形成工程と、前記
    マスク層にマスクパターンを形成するマスクパターン形
    成工程と、前記マスクパターンを介して前記シリコン基
    板の表面にエッチング加工を施して冷陰極の基本となる
    凸部を形成する凸部形成工程とを含むことを特徴とする
    電界放出型電子源の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記マスク層形成工程は、前記シリコン
    基板の表面を熱酸化して熱酸化層を形成する熱酸化層形
    成工程であることを特徴とする請求項1記載の電界放出
    型電子源の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱処理工程は、1000℃以上12
    00℃以下の温度範囲で行われる請求項1記載の電界放
    出型電子源の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記熱処理工程は、600℃以上800
    ℃以下の温度範囲で行われる低温熱処理と、これに続く
    1000℃以上1200℃以下の温度範囲で行われる高
    温熱処理とからなる請求項1記載の電界放出型電子源の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記熱処理工程は、1000℃以上12
    00℃以下の温度範囲で行われる高温熱処理と、これに
    続く600℃以上800℃以下の温度範囲で行われる低
    温熱処理とからなる請求項1記載の電界放出型電子源の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱処理工程は、1000℃以上12
    00℃以下の温度範囲で行われる前高温熱処理と、これ
    に続く600℃以上800℃以下の温度範囲で行われる
    低温熱処理と、さらにこれに続く1000℃以上120
    0℃以下の温度範囲で行われる後高温熱処理とからなる
    請求項1記載の電界放出型電子源の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150325456A1 (en) * 2014-05-12 2015-11-12 Canon Kabushiki Kaisha Method for cleaning base, heat process method for semiconductor wafer, and method for manufacturing solid-state image capturing apparatus

Cited By (2)

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