JPH0652788A - 電界放出型電子源装置およびその製造方法 - Google Patents
電界放出型電子源装置およびその製造方法Info
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- JPH0652788A JPH0652788A JP20109692A JP20109692A JPH0652788A JP H0652788 A JPH0652788 A JP H0652788A JP 20109692 A JP20109692 A JP 20109692A JP 20109692 A JP20109692 A JP 20109692A JP H0652788 A JPH0652788 A JP H0652788A
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- insulating layer
- insulating
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 冷陰極とゲート電極との間の距離を短縮して
も、冷陰極とゲート電極間の絶縁耐久力が低下すること
を防ぐことができ、かつ、簡単な製造工程で作製できる
電界放出型電子源装置およびその製造方法を提供する。 【構成】 n型シリコン基板11の表面に厚さ0.2〜
0.3μmの二酸化シリコンマスク15aを形成する。
二酸化シリコンマスク15aをマスクとして、シリコン
基板11を等方的にエッチングし、冷陰極10の基本と
なる円錐形状の凸部11aをシリコン基板11表面に形
成する。この後、シリコン基板11表面を熱酸化し、
0.3〜0.5μm程度の深さの二酸化シリコン層12
aを成長させ、絶縁層12の基本となる層を形成する。
この表面に更にシリコンを蒸着により0.2μm程度堆
積させ、絶縁補助層13を形成する。絶縁層12及び絶
縁補助層13の複合膜により、総合的な絶縁機能を持た
せる。
も、冷陰極とゲート電極間の絶縁耐久力が低下すること
を防ぐことができ、かつ、簡単な製造工程で作製できる
電界放出型電子源装置およびその製造方法を提供する。 【構成】 n型シリコン基板11の表面に厚さ0.2〜
0.3μmの二酸化シリコンマスク15aを形成する。
二酸化シリコンマスク15aをマスクとして、シリコン
基板11を等方的にエッチングし、冷陰極10の基本と
なる円錐形状の凸部11aをシリコン基板11表面に形
成する。この後、シリコン基板11表面を熱酸化し、
0.3〜0.5μm程度の深さの二酸化シリコン層12
aを成長させ、絶縁層12の基本となる層を形成する。
この表面に更にシリコンを蒸着により0.2μm程度堆
積させ、絶縁補助層13を形成する。絶縁層12及び絶
縁補助層13の複合膜により、総合的な絶縁機能を持た
せる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界放出型電子源装置
およびその製造方法に関する。
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路または薄膜の分野におい
て用いられている微細加工技術の進歩に伴って、高電界
において電子を放出する電界放出型電子源装置の製造技
術の進歩は目覚ましく、特に、極めて小型な構造を有す
る電界放出型冷陰極を備えた電界放出型電子源装置が製
造されている。この種の電子源装置の電界放出型冷陰極
は、三極管型の超小型電子管または超小型電子銃を構成
する主要部品の内、最も基本的な電子放出デバイスであ
る。
て用いられている微細加工技術の進歩に伴って、高電界
において電子を放出する電界放出型電子源装置の製造技
術の進歩は目覚ましく、特に、極めて小型な構造を有す
る電界放出型冷陰極を備えた電界放出型電子源装置が製
造されている。この種の電子源装置の電界放出型冷陰極
は、三極管型の超小型電子管または超小型電子銃を構成
する主要部品の内、最も基本的な電子放出デバイスであ
る。
【0003】ところで、多数の電子放出部を含む電界放
出型電子源装置は、例えば微小三極管や薄型表示素子等
の構成要素として考案されたものであり、電界放出型電
子源装置の動作および製造方法は、スタンフォード・リ
サーチ・インスティチュート(Stanford Research
Institute)のシー.エー.スピント(C.A.Spindt)
らによって、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジッ
クス(Journal of Appied Physics)の第47巻、12
号、5248〜5263頁(1976年12月)に発表さ
れた研究報告により公知であり、シー.エー.スピント
等による米国特許第3,789,471号およびエイチ.
エフ.グレイ(H.F.Gray)等による米国特許第4,3
07,507号及び第4,513,308号に開示されて
いる。
出型電子源装置は、例えば微小三極管や薄型表示素子等
の構成要素として考案されたものであり、電界放出型電
子源装置の動作および製造方法は、スタンフォード・リ
サーチ・インスティチュート(Stanford Research
Institute)のシー.エー.スピント(C.A.Spindt)
らによって、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジッ
クス(Journal of Appied Physics)の第47巻、12
号、5248〜5263頁(1976年12月)に発表さ
れた研究報告により公知であり、シー.エー.スピント
等による米国特許第3,789,471号およびエイチ.
エフ.グレイ(H.F.Gray)等による米国特許第4,3
07,507号及び第4,513,308号に開示されて
いる。
【0004】このデバイスつまり電界放出型電子源装置
は、電界放出の原理により電子を放出する冷陰極と、こ
の冷陰極に電界を印加して電子を放出させるために正電
圧が印加される電界印加電極としてのゲート電極とを備
えている。
は、電界放出の原理により電子を放出する冷陰極と、こ
の冷陰極に電界を印加して電子を放出させるために正電
圧が印加される電界印加電極としてのゲート電極とを備
えている。
【0005】電子放出型の上記冷陰極の動作電圧(電界
印加電極に印加する電圧)を低減する一つの手段とし
て、上記冷陰極とゲート電極との間の距離を短くするこ
とを挙げることができる。このためには、上記冷陰極と
ゲート電極とを電気的に絶縁する絶縁層の特性が重要で
あり、この絶縁層の特性が冷陰極とゲート電極との間の
距離を決定する重要な要素となる。すなわち、絶縁特性
の良好な材料で絶縁層を作製すれば、冷陰極とゲート電
極との間の距離を短縮することができる。現在、上記絶
縁層の材料としては、一般に二酸化シリコンが使用され
ている。ところで、上記二酸化シリコンの絶縁特性はそ
の作製方法により異なることはよく知られている。ま
た、上記冷陰極の材料としては仕事関数が比較的低く、
かつ加工が容易なシリコンを用いる場合が多い。上述の
点に着目した構造がジェイ.ピイ.スパラス(J.P.
Spallas)等により提案されている(Inst.Phys.Con
f.Ser.No.99:Section 1, Paper presented
at 2nd Int.Conf.on Vac.Microelectron.,
Bath, 1989)。
印加電極に印加する電圧)を低減する一つの手段とし
て、上記冷陰極とゲート電極との間の距離を短くするこ
とを挙げることができる。このためには、上記冷陰極と
ゲート電極とを電気的に絶縁する絶縁層の特性が重要で
あり、この絶縁層の特性が冷陰極とゲート電極との間の
距離を決定する重要な要素となる。すなわち、絶縁特性
の良好な材料で絶縁層を作製すれば、冷陰極とゲート電
極との間の距離を短縮することができる。現在、上記絶
縁層の材料としては、一般に二酸化シリコンが使用され
ている。ところで、上記二酸化シリコンの絶縁特性はそ
の作製方法により異なることはよく知られている。ま
た、上記冷陰極の材料としては仕事関数が比較的低く、
かつ加工が容易なシリコンを用いる場合が多い。上述の
点に着目した構造がジェイ.ピイ.スパラス(J.P.
Spallas)等により提案されている(Inst.Phys.Con
f.Ser.No.99:Section 1, Paper presented
at 2nd Int.Conf.on Vac.Microelectron.,
Bath, 1989)。
【0006】上記構造の電界放出型電子源装置の要部断
面を図4に示す。上記電子源装置は冷陰極20が形成さ
れる基板電極21として単結晶シリコンを使用し、基板
電極21の表面を熱酸化することによって形成された絶
縁層22を有している。単結晶シリコンを熱酸化するこ
とにより得られる二酸化シリコンは、他のどの作製方法
により得られる二酸化シリコンよりも絶縁特性が優れて
いる。したがって、上記単結晶シリコンを熱酸化するこ
とによって作製した二酸化シリコンからなる絶縁層22
を有している上記電子源装置は、冷陰極20とゲート電
極層23との間の距離を短縮することができる。
面を図4に示す。上記電子源装置は冷陰極20が形成さ
れる基板電極21として単結晶シリコンを使用し、基板
電極21の表面を熱酸化することによって形成された絶
縁層22を有している。単結晶シリコンを熱酸化するこ
とにより得られる二酸化シリコンは、他のどの作製方法
により得られる二酸化シリコンよりも絶縁特性が優れて
いる。したがって、上記単結晶シリコンを熱酸化するこ
とによって作製した二酸化シリコンからなる絶縁層22
を有している上記電子源装置は、冷陰極20とゲート電
極層23との間の距離を短縮することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
4に示した電界放出型電子源装置は、基板電極21とゲ
ート電極層23との間の距離を短くしたことによって、
基板表面に付着したごみ等により生じる熱酸化層(絶縁
層22)の層厚の不均一性および基板電極21を構成す
るシリコンの結晶成長時に生じる不純物の偏析等の影響
を受け易くなる。このため、基板電極21とゲート電極
層23との間の絶縁破壊耐久力が低下し易くなって、基
板電極21とゲート電極層23との間にリーク電流が生
じる可能性が大きくなる。このため、上記電子源装置の
歩留まり低下を抑えるには各製造工程の管理を充分に行
うことが必要となる。
4に示した電界放出型電子源装置は、基板電極21とゲ
ート電極層23との間の距離を短くしたことによって、
基板表面に付着したごみ等により生じる熱酸化層(絶縁
層22)の層厚の不均一性および基板電極21を構成す
るシリコンの結晶成長時に生じる不純物の偏析等の影響
を受け易くなる。このため、基板電極21とゲート電極
層23との間の絶縁破壊耐久力が低下し易くなって、基
板電極21とゲート電極層23との間にリーク電流が生
じる可能性が大きくなる。このため、上記電子源装置の
歩留まり低下を抑えるには各製造工程の管理を充分に行
うことが必要となる。
【0008】また、熱酸化による絶縁層22の形成時
に、電子放出部である冷陰極20の先端部にも絶縁物が
形成されるので、熱酸化後に冷陰極20の先端部を露出
させる作業が行われる。このとき、上記電子源装置の平
面図である図5(A)に示すような電極構成である場合に
は、冷陰極20の先端部の露出のため行うエッチングに
より、冷陰極20の先端部の二酸化シリコンだけでな
く、ゲート電極層23で覆われていない部分の二酸化シ
リコン(たとえば、図5に示すゲート電極層23の外側
の基板電極21上に形成された二酸化シリコン)が同時
にエッチングされる。このため、図5(A)の領域Wにお
ける線分Bに沿った断面図である図5(B)に示すよう
に、上記ゲート電極層23の端部近傍で、ゲート電極層
23の下の二酸化シリコン(絶縁層22)がゲート電極層
23の下側で内方に向かって削られてしまう。また、同
様なことは冷陰極20周辺のゲート電極層23の端部で
も発生する。
に、電子放出部である冷陰極20の先端部にも絶縁物が
形成されるので、熱酸化後に冷陰極20の先端部を露出
させる作業が行われる。このとき、上記電子源装置の平
面図である図5(A)に示すような電極構成である場合に
は、冷陰極20の先端部の露出のため行うエッチングに
より、冷陰極20の先端部の二酸化シリコンだけでな
く、ゲート電極層23で覆われていない部分の二酸化シ
リコン(たとえば、図5に示すゲート電極層23の外側
の基板電極21上に形成された二酸化シリコン)が同時
にエッチングされる。このため、図5(A)の領域Wにお
ける線分Bに沿った断面図である図5(B)に示すよう
に、上記ゲート電極層23の端部近傍で、ゲート電極層
23の下の二酸化シリコン(絶縁層22)がゲート電極層
23の下側で内方に向かって削られてしまう。また、同
様なことは冷陰極20周辺のゲート電極層23の端部で
も発生する。
【0009】このため、上記絶縁層22のエッチングが
過度に行われた場合、あるいは、装置動作のために各電
極に電圧を印加したときの静電力によりゲート電極層2
3の形状が変化した場合には、上記ゲート電極の下の絶
縁層22が削られたことに起因して、短い距離を隔てた
基板電極21とゲート電極層23とが電気的に短絡し易
くなって、信頼性も低下するという問題が出て来る。
過度に行われた場合、あるいは、装置動作のために各電
極に電圧を印加したときの静電力によりゲート電極層2
3の形状が変化した場合には、上記ゲート電極の下の絶
縁層22が削られたことに起因して、短い距離を隔てた
基板電極21とゲート電極層23とが電気的に短絡し易
くなって、信頼性も低下するという問題が出て来る。
【0010】上記問題の改善方法としては、上記二酸化
シリコン(絶縁層22)のエッチング工程を行う前にあら
かじめゲート電極層23の端部に、この端部下の絶縁層
22を保護するためのレジストをパターニングしておく
こと等が挙げられるが、この場合、製造工程が複雑にな
ってしまう。
シリコン(絶縁層22)のエッチング工程を行う前にあら
かじめゲート電極層23の端部に、この端部下の絶縁層
22を保護するためのレジストをパターニングしておく
こと等が挙げられるが、この場合、製造工程が複雑にな
ってしまう。
【0011】そこで、本発明の目的は、冷陰極とゲート
電極との間の距離を短縮しても、冷陰極とゲート電極間
の絶縁耐久力が低下することを防止でき、歩留まり低下
や信頼性低下を引き起こすことがなく、簡単な製造工程
で作製できる電界放出型電子源装置およびその製造方法
を提供することにある。
電極との間の距離を短縮しても、冷陰極とゲート電極間
の絶縁耐久力が低下することを防止でき、歩留まり低下
や信頼性低下を引き起こすことがなく、簡単な製造工程
で作製できる電界放出型電子源装置およびその製造方法
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電界放出型電子源装置は、半導体または金
属からなり、凸部を有する基板と、上記基板の表面に対
して不純物拡散もしくは熱酸化を施すことによって、上
記基板上に形成された絶縁層と、上記凸部の先端部より
も裾野側の基板上に形成された絶縁層の上に形成され、
上記絶縁層を構成する物質に比べて、上記絶縁層をエッ
チング除去する際に用いられるエッチング材料に対して
耐腐食性が優れた物質で構成された絶縁補助層と、上記
絶縁補助層の上に形成されたゲート電極層と、上記絶縁
層をエッチング除去して、上記凸部の先端部を露出する
と共に、上記先端部の形状を制御することによって形成
された上記凸部の先端部が先端部となる冷陰極とを備え
ることを特徴としている。
に、本発明の電界放出型電子源装置は、半導体または金
属からなり、凸部を有する基板と、上記基板の表面に対
して不純物拡散もしくは熱酸化を施すことによって、上
記基板上に形成された絶縁層と、上記凸部の先端部より
も裾野側の基板上に形成された絶縁層の上に形成され、
上記絶縁層を構成する物質に比べて、上記絶縁層をエッ
チング除去する際に用いられるエッチング材料に対して
耐腐食性が優れた物質で構成された絶縁補助層と、上記
絶縁補助層の上に形成されたゲート電極層と、上記絶縁
層をエッチング除去して、上記凸部の先端部を露出する
と共に、上記先端部の形状を制御することによって形成
された上記凸部の先端部が先端部となる冷陰極とを備え
ることを特徴としている。
【0013】また、本発明の電界放出型電子源装置の製
造方法は、半導体または金属からなり、凸部を有する基
板の表面に、不純物拡散もしくは熱酸化を施すことによ
って、上記基板上に絶縁層を形成し、上記凸部の先端部
よりも裾野側の基板上に形成された絶縁層の上に、上記
絶縁層を構成する物質に比べて、上記絶縁層をエッチン
グ除去する際に用いられるエッチング材料に対して耐腐
食性が優れた物質で構成された絶縁補助層を形成し、上
記絶縁補助層の上に、ゲート電極層を形成し、上記絶縁
層をエッチング除去して、上記凸部の先端部を露出させ
ると共に、上記先端部の形状制御を行って冷陰極の先端
部を形成したことを特徴としている。
造方法は、半導体または金属からなり、凸部を有する基
板の表面に、不純物拡散もしくは熱酸化を施すことによ
って、上記基板上に絶縁層を形成し、上記凸部の先端部
よりも裾野側の基板上に形成された絶縁層の上に、上記
絶縁層を構成する物質に比べて、上記絶縁層をエッチン
グ除去する際に用いられるエッチング材料に対して耐腐
食性が優れた物質で構成された絶縁補助層を形成し、上
記絶縁補助層の上に、ゲート電極層を形成し、上記絶縁
層をエッチング除去して、上記凸部の先端部を露出させ
ると共に、上記先端部の形状制御を行って冷陰極の先端
部を形成したことを特徴としている。
【0014】
【作用】本発明の電界放出型電子源装置によれば、基板
表面を酸化して得られた絶縁層とゲート電極層との間
に、冷陰極先端部露出のための絶縁物除去工程(エッチ
ング除去)で用いるエッチング材料に対して耐腐食性が
絶縁層より優れ、上記エッチング材料によってエッチン
グされにくい絶縁補助層を設けている。このため、製造
工程において、上記絶縁層をエッチング除去する前に上
記ゲート電極層端部付近の絶縁層および絶縁補助層を保
護するためのマスク作製工程がなくても、上記ゲート電
極層端部付近の絶縁補助層および絶縁層が上記ゲート電
極層の下側で内方に向かって過度に削られてしまうこと
がない。
表面を酸化して得られた絶縁層とゲート電極層との間
に、冷陰極先端部露出のための絶縁物除去工程(エッチ
ング除去)で用いるエッチング材料に対して耐腐食性が
絶縁層より優れ、上記エッチング材料によってエッチン
グされにくい絶縁補助層を設けている。このため、製造
工程において、上記絶縁層をエッチング除去する前に上
記ゲート電極層端部付近の絶縁層および絶縁補助層を保
護するためのマスク作製工程がなくても、上記ゲート電
極層端部付近の絶縁補助層および絶縁層が上記ゲート電
極層の下側で内方に向かって過度に削られてしまうこと
がない。
【0015】したがって、本発明によれば、冷陰極とゲ
ート電極との間の距離を短縮しても、冷陰極とゲート電
極間の絶縁耐久力が低下することを防止でき、歩留まり
低下や信頼性低下を引き起こすことがなく、簡単な製造
工程で作製できる電界放出型電子源装置を実現できる。
ート電極との間の距離を短縮しても、冷陰極とゲート電
極間の絶縁耐久力が低下することを防止でき、歩留まり
低下や信頼性低下を引き起こすことがなく、簡単な製造
工程で作製できる電界放出型電子源装置を実現できる。
【0016】また、本発明の電界放出型電子源装置の製
造方法によれば、基板表面を酸化して得られた絶縁層と
ゲート電極層との間に、冷陰極先端部露出のための絶縁
物除去工程(エッチング除去)で用いるエッチング材料に
対して耐腐食性が絶縁層より優れ、上記エッチング材料
によってエッチングされにくい絶縁補助層を形成する。
このため、上記製造方法によれば、上記絶縁層をエッチ
ング除去する前に上記ゲート電極層端部付近の絶縁層お
よび絶縁補助層を保護するためのマスク作製工程がなく
ても、上記ゲート電極端部付近の絶縁補助層および絶縁
層が上記ゲート電極層の下側で内方に向かって過度に削
られてしまうことがない。
造方法によれば、基板表面を酸化して得られた絶縁層と
ゲート電極層との間に、冷陰極先端部露出のための絶縁
物除去工程(エッチング除去)で用いるエッチング材料に
対して耐腐食性が絶縁層より優れ、上記エッチング材料
によってエッチングされにくい絶縁補助層を形成する。
このため、上記製造方法によれば、上記絶縁層をエッチ
ング除去する前に上記ゲート電極層端部付近の絶縁層お
よび絶縁補助層を保護するためのマスク作製工程がなく
ても、上記ゲート電極端部付近の絶縁補助層および絶縁
層が上記ゲート電極層の下側で内方に向かって過度に削
られてしまうことがない。
【0017】したがって、本発明の製造方法によれば、
冷陰極とゲート電極との間の距離を短縮しても、冷陰極
とゲート電極間の絶縁耐久力が低下することを防止で
き、歩留まり低下や信頼性低下を引き起こすことがない
電界放出型電子源装置を簡単に製造できる。
冷陰極とゲート電極との間の距離を短縮しても、冷陰極
とゲート電極間の絶縁耐久力が低下することを防止で
き、歩留まり低下や信頼性低下を引き起こすことがない
電界放出型電子源装置を簡単に製造できる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明の電界放出型電子源装置の製造方
法の実施例を示す要部側面断面図である。図2は、図1
に示した電界放出型電子源装置の製造方法によって製造
された本発明の電界放出型電子源装置の実施例の要部側
面断面図である。図3(A)は、図2に示した部分が基板
11上に複数配列されている上記実施例の電界放出型電
子源装置の各電極の位置関係を示した上面図である。ま
た、図3(B)は、図3(A)に示した実施例の一部分(領
域X)の線分Yに沿った拡大断面図である。
する。図1は、本発明の電界放出型電子源装置の製造方
法の実施例を示す要部側面断面図である。図2は、図1
に示した電界放出型電子源装置の製造方法によって製造
された本発明の電界放出型電子源装置の実施例の要部側
面断面図である。図3(A)は、図2に示した部分が基板
11上に複数配列されている上記実施例の電界放出型電
子源装置の各電極の位置関係を示した上面図である。ま
た、図3(B)は、図3(A)に示した実施例の一部分(領
域X)の線分Yに沿った拡大断面図である。
【0019】図1を参照して本発明の電界放出型電子源
装置の製造方法の実施例を説明する。
装置の製造方法の実施例を説明する。
【0020】まず、図1(A)に示すように、比抵抗ρ=
0.01〜0.02Ω・cmのn型シリコン基板11の表
面を熱酸化し、厚さが0.2〜0.3μmの二酸化シリ
コン層15を形成する。
0.01〜0.02Ω・cmのn型シリコン基板11の表
面を熱酸化し、厚さが0.2〜0.3μmの二酸化シリ
コン層15を形成する。
【0021】次に、上記二酸化シリコン層15の表面
に、例えば円形のレジストパターンを形成し、次に、二
酸化シリコン層15をエッチングすることにより、図1
(B)に示すような上方からみた形が円形の二酸化シリコ
ンマスク15aを形成する。
に、例えば円形のレジストパターンを形成し、次に、二
酸化シリコン層15をエッチングすることにより、図1
(B)に示すような上方からみた形が円形の二酸化シリコ
ンマスク15aを形成する。
【0022】次に、上記二酸化シリコンマスク15aを
用いてシリコン基板11の表面をドライエッチング法に
より等方的にエッチングし、図1(C)に示すように、円
錐形状に突出した冷陰極を構成するための凸部11aを
シリコン基板11の表面に形成する。本実施例では凸部
11aは円錐形状であるが、冷陰極を構成するための凸
部11a の形状はこれに限るものではない。
用いてシリコン基板11の表面をドライエッチング法に
より等方的にエッチングし、図1(C)に示すように、円
錐形状に突出した冷陰極を構成するための凸部11aを
シリコン基板11の表面に形成する。本実施例では凸部
11aは円錐形状であるが、冷陰極を構成するための凸
部11a の形状はこれに限るものではない。
【0023】次に、上記凸部11aが形成されたシリコ
ン基板11の表面を熱酸化し、図1(D)に示すように、
0.3〜0.5μm程度の厚さを有する二酸化シリコン
層12aを成長させる。この熱酸化の際に、シリコン基
板11の凸部11aの表面も同時に熱酸化され、円錐状
の冷陰極10が形成される。
ン基板11の表面を熱酸化し、図1(D)に示すように、
0.3〜0.5μm程度の厚さを有する二酸化シリコン
層12aを成長させる。この熱酸化の際に、シリコン基
板11の凸部11aの表面も同時に熱酸化され、円錐状
の冷陰極10が形成される。
【0024】次に、上記冷陰極10を含むシリコン基板
11を真空蒸着装置内に配置し、図1(E)に示すよう
に、冷陰極10の垂線16を軸にシリコン基板11を回
転させながら、絶縁補助層13となるシリコンを、シリ
コン基板11に対して図中矢印Aで示す斜め上方から蒸
着することによって、厚さ0.2μm程度の絶縁補助層
13を、上記凸部11a から形成した冷陰極10の先端
部よりも裾野側の基板11上に形成された二酸化シリコ
ン層12aと、二酸化シリコンマスク15a 上とに堆積
させる。
11を真空蒸着装置内に配置し、図1(E)に示すよう
に、冷陰極10の垂線16を軸にシリコン基板11を回
転させながら、絶縁補助層13となるシリコンを、シリ
コン基板11に対して図中矢印Aで示す斜め上方から蒸
着することによって、厚さ0.2μm程度の絶縁補助層
13を、上記凸部11a から形成した冷陰極10の先端
部よりも裾野側の基板11上に形成された二酸化シリコ
ン層12aと、二酸化シリコンマスク15a 上とに堆積
させる。
【0025】次に、図1(F)に示すように、上記シリコ
ン蒸着時と同様に上記シリコン基板11を回転させなが
ら、ゲート電極層14を構成するモリブデン金属を、上
記シリコン基板11に対して図中矢印Aで示す斜め上方
から蒸着し、厚さ0.2μm程度のゲート電極層14を
絶縁補助層13上に堆積する。なお、上記ゲート電極層
14の蒸着の際に、上記ゲート電極層14の蒸着領域
が、平面図である図3(A)に示すように、絶縁補助層1
3を蒸着した領域の内側の領域となるように、上記絶縁
補助層13の周辺領域にマスク等の遮蔽物を設けてお
く。
ン蒸着時と同様に上記シリコン基板11を回転させなが
ら、ゲート電極層14を構成するモリブデン金属を、上
記シリコン基板11に対して図中矢印Aで示す斜め上方
から蒸着し、厚さ0.2μm程度のゲート電極層14を
絶縁補助層13上に堆積する。なお、上記ゲート電極層
14の蒸着の際に、上記ゲート電極層14の蒸着領域
が、平面図である図3(A)に示すように、絶縁補助層1
3を蒸着した領域の内側の領域となるように、上記絶縁
補助層13の周辺領域にマスク等の遮蔽物を設けてお
く。
【0026】最後に、電子放出部として不要な二酸化シ
リコンマスク15aと、上記冷陰極10の先端を覆って
いる二酸化シリコン層12aの一部とをフッ酸とフッ化
アンモニウムとの混合水溶液からなるエッチング材料に
より除去し、図1(G)に示すようにシリコン基板11が
含む冷陰極10の先端部を露出させる。これによって、
絶縁層12、絶縁補助層13、ゲート電極層14の各層
は、冷陰極10の先端部の周囲を取り囲んで冷陰極10
の先端部が露出するように形成され、ゲート電極層14
の冷陰極10の近傍の表面は、冷陰極10の先端部の高
さと同程度の高さを有するように形成される。
リコンマスク15aと、上記冷陰極10の先端を覆って
いる二酸化シリコン層12aの一部とをフッ酸とフッ化
アンモニウムとの混合水溶液からなるエッチング材料に
より除去し、図1(G)に示すようにシリコン基板11が
含む冷陰極10の先端部を露出させる。これによって、
絶縁層12、絶縁補助層13、ゲート電極層14の各層
は、冷陰極10の先端部の周囲を取り囲んで冷陰極10
の先端部が露出するように形成され、ゲート電極層14
の冷陰極10の近傍の表面は、冷陰極10の先端部の高
さと同程度の高さを有するように形成される。
【0027】上記製造方法によって、図1(G)および図
1(G)の拡大図である図2に示す本発明の電界放出型電
子源装置の実施例が作製される。
1(G)の拡大図である図2に示す本発明の電界放出型電
子源装置の実施例が作製される。
【0028】図2に示すように、上記実施例の冷陰極1
0は、基板電極としてのシリコン基板11上に円錐状に
突出するように形成されている。上記シリコン基板11
が含む冷陰極10の先端部の裾野側には絶縁層12が形
成されている。上記絶縁層12は、基板電極をなすシリ
コン基板11の表面を酸化することにより形成されたも
のである。上記絶縁層12上には、絶縁補助層13が形
成されている。さらに、絶縁補助層13上には、冷陰極
10から電子を放出させるために正電圧が印加される電
界印加電極としてのゲート電極層14が積層されてい
る。
0は、基板電極としてのシリコン基板11上に円錐状に
突出するように形成されている。上記シリコン基板11
が含む冷陰極10の先端部の裾野側には絶縁層12が形
成されている。上記絶縁層12は、基板電極をなすシリ
コン基板11の表面を酸化することにより形成されたも
のである。上記絶縁層12上には、絶縁補助層13が形
成されている。さらに、絶縁補助層13上には、冷陰極
10から電子を放出させるために正電圧が印加される電
界印加電極としてのゲート電極層14が積層されてい
る。
【0029】上記絶縁補助層13を構成するシリコン
は、上記絶縁層12を構成する二酸化シリコンに比べ
て、上記フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合水溶液に
対する耐腐食性が優れているので、上記混合水溶液によ
ってほとんど除去されず、図1(G)および図3(B)に示
すように、上記絶縁補助層13は、上記絶縁層12の端
部から突き出した形状になる。このように、上記絶縁層
12と絶縁補助層13とが構成する総合的な電気的絶縁
層は、上記図1(G)および図3(B)に示すゲート電極1
4の端部よりも突き出した形状にできる。すなわち、上
記実施例によれば、従来と異なり、ゲート電極端部にお
いて、絶縁層がゲート電極層の下で内側に向かって削ら
れてしまうことがなく、上記電気的絶縁層を薄膜化して
も上記端部における絶縁破壊耐久力が低下しないように
できる。また、絶縁層12のエッチングが過度に行われ
ても基板電極11とゲート電極層14とが接触すること
はないので、リーク電流を有効に低減できる。
は、上記絶縁層12を構成する二酸化シリコンに比べ
て、上記フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合水溶液に
対する耐腐食性が優れているので、上記混合水溶液によ
ってほとんど除去されず、図1(G)および図3(B)に示
すように、上記絶縁補助層13は、上記絶縁層12の端
部から突き出した形状になる。このように、上記絶縁層
12と絶縁補助層13とが構成する総合的な電気的絶縁
層は、上記図1(G)および図3(B)に示すゲート電極1
4の端部よりも突き出した形状にできる。すなわち、上
記実施例によれば、従来と異なり、ゲート電極端部にお
いて、絶縁層がゲート電極層の下で内側に向かって削ら
れてしまうことがなく、上記電気的絶縁層を薄膜化して
も上記端部における絶縁破壊耐久力が低下しないように
できる。また、絶縁層12のエッチングが過度に行われ
ても基板電極11とゲート電極層14とが接触すること
はないので、リーク電流を有効に低減できる。
【0030】さらに、上記実施例の製造方法によれば、
冷陰極10の先端部分の露出工程の前に、ゲート電極層
端部に、絶縁補助層13および絶縁層12を保護するた
めの保護用マスクを形成する必要がないので、製造工程
を簡略化できる。したがって、各工程で発生するシリコ
ン基板11とゲート電極層14間のリーク電流の原因要
素に対する工程管理も容易になる。
冷陰極10の先端部分の露出工程の前に、ゲート電極層
端部に、絶縁補助層13および絶縁層12を保護するた
めの保護用マスクを形成する必要がないので、製造工程
を簡略化できる。したがって、各工程で発生するシリコ
ン基板11とゲート電極層14間のリーク電流の原因要
素に対する工程管理も容易になる。
【0031】上記実施例の図1(F)に示した工程つまり
冷陰極の先端の露出工程の前の工程まで形成された状態
の電界放出型電子源装置Jと、同じく冷陰極の先端の露
出工程の前の工程まで形成された状態であり、絶縁補助
層13であるシリコン層が形成されていない従来の電界
放出型電子源装置Kについて、基板電極とゲート電極と
の間の抵抗値の測定を行った。この抵抗値の測定結果
を、次の表1に示す。なお、シリコン基板11,21
は、リーク電流が発生し易いように不純物の偏析が顕著
であると思われる部分を使用した。このとき、測定に使
用したテスターの測定限界は10MΩである。したがっ
て、表1において、測定外と記載されている所は抵抗値
が10MΩ以上であることを示している。表1にしめす
ように、上記実施例による装置Jの方が、従来例の装置
Kよりも基板電極とゲート電極との間の抵抗値が大き
く、装置Jの方が絶縁耐久力が優れていることがわか
る。
冷陰極の先端の露出工程の前の工程まで形成された状態
の電界放出型電子源装置Jと、同じく冷陰極の先端の露
出工程の前の工程まで形成された状態であり、絶縁補助
層13であるシリコン層が形成されていない従来の電界
放出型電子源装置Kについて、基板電極とゲート電極と
の間の抵抗値の測定を行った。この抵抗値の測定結果
を、次の表1に示す。なお、シリコン基板11,21
は、リーク電流が発生し易いように不純物の偏析が顕著
であると思われる部分を使用した。このとき、測定に使
用したテスターの測定限界は10MΩである。したがっ
て、表1において、測定外と記載されている所は抵抗値
が10MΩ以上であることを示している。表1にしめす
ように、上記実施例による装置Jの方が、従来例の装置
Kよりも基板電極とゲート電極との間の抵抗値が大き
く、装置Jの方が絶縁耐久力が優れていることがわか
る。
【0032】
【表1】
【0033】尚、上記実施例においては、シリコン基板
11を熱酸化して絶縁層12を形成したが、基板11に
不純物を拡散して絶縁層を形成しても良い。また、絶縁
層12として二酸化シリコンを用いたため絶縁補助層1
3にシリコン層を使用したが、絶縁補助層13は、これ
に限定されるものではなく、冷陰極10及び絶縁層12
の材質と、冷陰極先端部の絶縁物除去に用いるエッチン
グ材料の種類に応じ、絶縁層12の材質に比べて、上記
エッチング材料に対する耐腐食性が高い材質で絶縁補助
層13を構成すれば良い。
11を熱酸化して絶縁層12を形成したが、基板11に
不純物を拡散して絶縁層を形成しても良い。また、絶縁
層12として二酸化シリコンを用いたため絶縁補助層1
3にシリコン層を使用したが、絶縁補助層13は、これ
に限定されるものではなく、冷陰極10及び絶縁層12
の材質と、冷陰極先端部の絶縁物除去に用いるエッチン
グ材料の種類に応じ、絶縁層12の材質に比べて、上記
エッチング材料に対する耐腐食性が高い材質で絶縁補助
層13を構成すれば良い。
【0034】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の電界放出型電子源装置は、半導体または金属からなる
基板表面を酸化して得られた絶縁層とゲート電極層との
間に、冷陰極先端部露出のためのエッチング除去工程で
用いられるエッチング材料に対する耐腐食性が上記絶縁
層より優れ、上記エッチング材料によってエッチングさ
れにくい絶縁補助層を有しているので、製造工程におい
て、上記絶縁層をエッチング除去する前に上記ゲート電
極層端部付近の絶縁層および絶縁補助層を保護するため
のマスク作製工程がなくても、上記ゲート電極層端部付
近の絶縁補助層および絶縁層が上記ゲート電極の下側で
上記ゲート電極の内方に向かって過度に削られてしまわ
ないように作製することが容易である。
の電界放出型電子源装置は、半導体または金属からなる
基板表面を酸化して得られた絶縁層とゲート電極層との
間に、冷陰極先端部露出のためのエッチング除去工程で
用いられるエッチング材料に対する耐腐食性が上記絶縁
層より優れ、上記エッチング材料によってエッチングさ
れにくい絶縁補助層を有しているので、製造工程におい
て、上記絶縁層をエッチング除去する前に上記ゲート電
極層端部付近の絶縁層および絶縁補助層を保護するため
のマスク作製工程がなくても、上記ゲート電極層端部付
近の絶縁補助層および絶縁層が上記ゲート電極の下側で
上記ゲート電極の内方に向かって過度に削られてしまわ
ないように作製することが容易である。
【0035】したがって、本発明によれば、冷陰極とゲ
ート電極との間の距離を短縮しても、冷陰極とゲート電
極間の絶縁耐久力が低下することを防止でき、歩留まり
低下や信頼性低下を引き起こすことがなく、簡単な製造
工程で作製できる電界放出型電子源装置を実現できる。
ート電極との間の距離を短縮しても、冷陰極とゲート電
極間の絶縁耐久力が低下することを防止でき、歩留まり
低下や信頼性低下を引き起こすことがなく、簡単な製造
工程で作製できる電界放出型電子源装置を実現できる。
【0036】また、本発明の電界放出型電子源装置の製
造方法によれば、基板表面を酸化して得られた絶縁層と
ゲート電極層との間に、冷陰極先端部露出のための絶縁
物除去工程(エッチング除去)で用いるエッチャントに対
して耐腐食性が絶縁層より優れ、上記エッチャントによ
ってエッチングされにくい絶縁補助層を形成する。この
ため、上記製造方法によれば、上記絶縁層をエッチング
除去する前に上記ゲート電極層端部付近の絶縁層および
絶縁補助層を保護するためのマスク作製工程がなくて
も、上記ゲート電極層端部付近の絶縁補助層および絶縁
層が上記ゲート電極層の下側で内方に向かって過度に削
られてしまうことがない。
造方法によれば、基板表面を酸化して得られた絶縁層と
ゲート電極層との間に、冷陰極先端部露出のための絶縁
物除去工程(エッチング除去)で用いるエッチャントに対
して耐腐食性が絶縁層より優れ、上記エッチャントによ
ってエッチングされにくい絶縁補助層を形成する。この
ため、上記製造方法によれば、上記絶縁層をエッチング
除去する前に上記ゲート電極層端部付近の絶縁層および
絶縁補助層を保護するためのマスク作製工程がなくて
も、上記ゲート電極層端部付近の絶縁補助層および絶縁
層が上記ゲート電極層の下側で内方に向かって過度に削
られてしまうことがない。
【0037】したがって、本発明の製造方法によれば、
冷陰極とゲート電極との間の距離を短縮しても、冷陰極
とゲート電極間の絶縁耐久力が低下することを防止で
き、歩留まり低下や信頼性低下を引き起こすことがない
電界放出型電子源装置を簡単に製造できる。
冷陰極とゲート電極との間の距離を短縮しても、冷陰極
とゲート電極間の絶縁耐久力が低下することを防止で
き、歩留まり低下や信頼性低下を引き起こすことがない
電界放出型電子源装置を簡単に製造できる。
【図1】 本発明の電界放出型電子源装置の製造方法の
実施例を示す要部側面断面図である。
実施例を示す要部側面断面図である。
【図2】 図1に示した電界放出型電子源の製造方法に
よって製造された電界放出型電子源装置の要部側面断面
図である。
よって製造された電界放出型電子源装置の要部側面断面
図である。
【図3】 図2に示した要部を基板上に複数個配列した
電界放出型電子源装置の各電極の位置関係を示した上面
図と、上記上面図の領域Xの線分Yに沿った拡大断面図
とを含む図である。
電界放出型電子源装置の各電極の位置関係を示した上面
図と、上記上面図の領域Xの線分Yに沿った拡大断面図
とを含む図である。
【図4】 従来の電界放出型電子源装置の要部側面断面
図である。
図である。
【図5】 図4に示した要部を基板上に複数個配列した
電界放出型電子源装置の各電極の位置関係を示す上面図
と上記上面図に示した領域Wの線分Zに沿った拡大断面
図を含む図である。
電界放出型電子源装置の各電極の位置関係を示す上面図
と上記上面図に示した領域Wの線分Zに沿った拡大断面
図を含む図である。
10,20 冷陰極 11,21 シリコン基板 12,22 絶縁層 13 絶縁補助層 14,23 ゲート電極層
Claims (2)
- 【請求項1】 半導体または金属からなり、凸部を有す
る基板と、上記基板の表面に対して不純物拡散もしくは
熱酸化を施すことによって、上記基板上に形成された絶
縁層と、 上記凸部の先端部よりも裾野側の基板上に形成された絶
縁層の上に形成され、上記絶縁層を構成する物質に比べ
て、上記絶縁層をエッチング除去する際に用いられるエ
ッチング材料に対して耐腐食性が優れた物質で構成され
た絶縁補助層と、 上記絶縁補助層の上に形成されたゲート電極層と、 上記絶縁層をエッチング除去して、上記凸部の先端部を
露出すると共に、上記先端部の形状を制御することによ
って形成された上記凸部の先端部が先端部となる冷陰極
とを備えることを特徴とする電界放出型電子源装置。 - 【請求項2】 半導体または金属からなり凸部を有する
基板の表面に、不純物拡散もしくは熱酸化を施すことに
よって、上記基板上に絶縁層を形成し、 上記凸部の先端部よりも裾野側の基板上に形成された絶
縁層の上に、上記絶縁層を構成する物質に比べて、上記
絶縁層をエッチング除去する際に用いられるエッチング
材料に対して耐腐食性が優れた物質で構成された絶縁補
助層を形成し、 上記絶縁補助層の上に、ゲート電極層を形成し、 上記絶縁層をエッチング除去して、上記凸部の先端部を
露出させると共に、上記先端部の形状制御を行って冷陰
極の先端部を形成したことを特徴とする電界放出型電子
源装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20109692A JPH0652788A (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 電界放出型電子源装置およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20109692A JPH0652788A (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 電界放出型電子源装置およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0652788A true JPH0652788A (ja) | 1994-02-25 |
Family
ID=16435332
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20109692A Pending JPH0652788A (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 電界放出型電子源装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0652788A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08129952A (ja) * | 1994-10-27 | 1996-05-21 | Nec Corp | 電界放出型電子銃の製造方法 |
FR2734946A1 (fr) * | 1995-05-31 | 1996-12-06 | Nec Corp | Dispositif a cathode froide du type a emission de champ, a electrode emettrice conique, et procede de fabrication de ce dispositif |
US5666020A (en) * | 1994-11-16 | 1997-09-09 | Nec Corporation | Field emission electron gun and method for fabricating the same |
US5811819A (en) * | 1994-12-22 | 1998-09-22 | Hitachi, Ltd. | Electron beam source and its manufacturing method and electron beam source apparatus and electron beam apparatus using the same |
US6043103A (en) * | 1997-06-25 | 2000-03-28 | Nec Corporation | Field-emission cold cathode and method of manufacturing same |
-
1992
- 1992-07-28 JP JP20109692A patent/JPH0652788A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08129952A (ja) * | 1994-10-27 | 1996-05-21 | Nec Corp | 電界放出型電子銃の製造方法 |
US5620350A (en) * | 1994-10-27 | 1997-04-15 | Nec Corporation | Method for making a field-emission type electron gun |
US5666020A (en) * | 1994-11-16 | 1997-09-09 | Nec Corporation | Field emission electron gun and method for fabricating the same |
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US5739628A (en) * | 1995-05-31 | 1998-04-14 | Nec Corporation | Field emission type cold cathode device with conical emitter electrode and method for fabricating the same |
KR100233692B1 (ko) * | 1995-05-31 | 1999-12-01 | 가네꼬 히사시 | 원추형 에미터 전극을 갖는 전계 방출형 냉음극 장치 및 그의 제조방법 |
US6043103A (en) * | 1997-06-25 | 2000-03-28 | Nec Corporation | Field-emission cold cathode and method of manufacturing same |
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