JPH0982139A - 絶縁層被覆電線 - Google Patents

絶縁層被覆電線

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JPH0982139A
JPH0982139A JP23824095A JP23824095A JPH0982139A JP H0982139 A JPH0982139 A JP H0982139A JP 23824095 A JP23824095 A JP 23824095A JP 23824095 A JP23824095 A JP 23824095A JP H0982139 A JPH0982139 A JP H0982139A
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JP
Japan
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insulating layer
film
electric wire
covered electric
porous film
Prior art date
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Pending
Application number
JP23824095A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Iimura
満男 飯村
Norikane Nahata
憲兼 名畑
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて低損失で、しかも、優れた機械的特性
を備えた絶縁層被覆電線を得る。 【解決手段】 厚み0.04mm,見掛け密度0.16
5g/cm3 (気孔率82%)のUHMW−PEの多孔
質フィルムを用意し、このフィルムを4mm幅にスリッ
トし、導体径が0.5mmの導線に巻き付ける。これに
より、平均伝搬遅延時間が3.8ns/mの絶縁層被覆
電線が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は絶縁層被覆電線に
関し、特に、絶縁層として多孔質の樹脂フィルムを用い
てなる絶縁層被覆電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、通信ケーブルの広帯域化への要求
により、通信ケーブルの低損失化が極めて重要な技術的
課題となっている。この為、通信ケーブルとして従来よ
り一般的に使用されている絶縁層で導体線を被覆してな
る絶縁層被覆電線においては、発泡ポリエチレン,発泡
ポリプロピレン及び発泡ポリスチレン等の発泡樹脂から
なるフィルムを導体線に被覆することが行われている。
これは、導体線を被覆する絶縁層として発泡樹脂フィル
ム、即ち、多孔質体の樹脂フィルムを用いることによ
り、当該発泡樹脂フィルムが空隙を有し、その誘電率が
小さいものであることから、絶縁層被覆電線の誘電損失
を小さくするできるためである。このような発泡樹脂フ
ィルムを用いた絶縁層被覆電線については、特公昭54
−8866号公報、特公昭52−49504号公報,特
開平5−47247号公報等に詳しく記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記の発泡
樹脂フィルムにより導体線を被覆してなる絶縁層被覆電
線では、その誘電損失をより小さくするためには、発泡
樹脂フィルムの発泡率(発泡度)がより大きいことが望
ましい。前記特開平5−47247号公報に記載されて
いるものでは発泡樹脂フィルムの発泡率(発泡度)を7
0%以上にしている。しかしながら、前記いずれの公報
においても、使用されている発泡樹脂フィルムは、低密
度または高密度のポリエチレン,ポリプロピレン等のポ
リオレフィンを発泡させてなるものであり、これはその
発泡率(発泡度)が大きくなるにつれて、耐摩耗性,耐
衝撃性が乏しくなり、曲げ,引っ張り,圧縮に対する耐
性も小さくなってしまうものである。このため、前記公
報に記載された絶縁層被覆電線は、未だ電気的特性と機
械的特性の両方を十分に満足できるものにはなっていな
い。
【0004】本発明は前記課題に鑑みてなされたもので
あり、極めて低損失で、しかも、優れた機械的特性を備
えた絶縁層被覆電線を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明にかかる絶縁層被覆電線は、導体線に見掛け
密度が0.1〜0.5g/cm3 の範囲にある超高分子
量ポリエチレン多孔質フィルムを巻回してなるものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、超高分子量ポリ
エチレン多孔質フィルムを構成する超高分子量ポリエチ
レン(以下、UHMW−PEと略称する。)とは、一般
にその重量平均分子量(Mw)が5000,000以上
のポリエチレンで、低密度ポリエチレンや,高密度ポリ
エチレンのように通常の試験条件下では流動しないもの
である。このUHMW−PEは低密度ポリエチレンや高
密度ポリエチレンでは認められない傑出した特性を有す
る。例えば、非付着性表面との間の低い摩擦係数,良好
な薬品耐性がそれである。特に摩擦係数はPTFE(ポ
リテトラフルオロエチレン)とのそれと同等の低い値を
示す。また、高い耐磨耗性,耐衝撃性を有し,しかも応
力亀裂に対しても優れた耐性を示す。
【0007】本発明の絶縁層被覆電線は、前記の傑出し
た特性を有するUHMW−PEを用い、その見掛け密度
が0.1〜0.5g/cm3 (気孔率:45〜90%)
の範囲、より好ましくは0.1〜0.28g/cm
3 (気孔率:70〜90%)の範囲にある多孔質フィル
ムを形成し、かかる多孔質フィルムを導体線に被覆す
る。この多孔質フィルムの見掛け密度が0.1g/cm
3 より小さい時は、フィルム中の気孔(空隙)の割合が
大きくなりすぎてフィルムの耐圧縮性,耐屈曲性が劣悪
になり、その結果、電線の折り曲げ等によってフィルム
に破壊,破損が生じ、被覆層としての機能を果たし得な
くなる。また、0.5g/cm3 より大きい時は、その
誘電率が十分に低減されたものとならず、得られる絶縁
層被覆電線の誘電損失を有効に低減できなくなり、例え
ば電線の平均伝搬遅延時間が満足できないレベルにまで
上昇してしまう。また、多孔質フィルムにおける孔の孔
径はその平均値で0.1〜3.0μmの範囲にあるのが
好ましく、この範囲よりも大きい場合はフィルムの機械
的強度が弱くなり、この範囲よりも小さい場合は見掛け
密度の大きいフィルムを得ることが困難となり、前記
0.1〜0.5g/cm3 の範囲の見掛け密度を得るこ
とができなくなる。また、多孔質フィルムの厚みは一般
に1.0mm以下であり、好ましくは0.2mm以下に
する。これは、その径が1mm以下の細い導体線に対し
ても被覆性良く巻回できるようにするためである。
【0008】本発明においてUHMW−PEの重量平均
分子量(Mw)は500,000〜8,000,000
の範囲にあるのが好ましく、8,000,000を越え
ると多孔質フィルムに成形する際の成形性の点て劣悪な
傾向を示す。
【0009】UHMW−PEを多孔質フィルムに成形す
る方法としては、例えば、特開平2−232242号公
報,特公平7−17782号公報等に記載されたそれ自
体公知の方法を用いる。特開平2−232242号公報
に記載の方法は、UHMW−PEを例えばデカリン、キ
シレン等のUHMW−PEを溶解することが可能な溶媒
に加熱した状態で均一に溶解し、その後、流延法により
フィルムを成形し,収縮を抑えながら溶媒を蒸発し、そ
の後一軸または二軸方向へ延伸して多孔質フィルムを得
る方法である。また、特公平7−17782号公報に記
載の方法は、UHMW−PEとポロゲンとを混合し、こ
れを加熱してUHMW−PEとポロゲンの溶液を形成
し、この溶液を成形ダイを通して押し出すことによりフ
ィルムを得、このフィルムを冷却することにより、フィ
ルムがポロゲンの多い層と少ない層に分離し、フィルム
からポロゲンを乾燥除去することにより、多孔質フィル
ムを得る方法である。かかる2つの公報に記載された方
法により得られるUHMW−PEの多孔質フィルムは、
UHMW−PEが本来備えている前記の高剛性及び高弾
性に加え、これが延伸されていることにより、その強度
がより一層増加し、極めて高い剛性及び弾性を有するも
のとなる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)厚み0.04mm,見掛け密度0.165
g/cm3 (気孔率82%)のUHMW−PEの多孔質
フィルムを用意する。このフィルムの引張強度は3.8
kgf/mm2 で、平均孔径は0.3μmである。
【0011】次に、このフィルムを4mm幅にスリット
し、導体径が0.5mmの導線に巻き付けることにより
絶縁層被覆電線を得た。この絶縁層被覆電線の平均伝搬
遅延時間を測定したところ3.7ns/mであった。
【0012】(実施例2)厚み0.05mm,見掛け密
度0.234g/cm3 (気孔率75%)のUHMW−
PEの多孔質フィルムを用意する。このフィルムの引張
強度は5.3kgf/mm2 で、平均孔径は0.1μm
である。
【0013】次に、このフィルムを2mm幅にスリット
し、導体径が0.8mmの導線に巻き付けることにより
絶縁層被覆電線を得た。この絶縁層被覆電線の平均伝搬
遅延時間を測定したところ3.8ns/mであった。
【0014】(比較例1)厚み0.05mm,見掛け密
度0.56g/cm3 (気孔率40%)のUHMW−P
Eの多孔質フィルムを用意する。このフィルムの引張強
度は6.1kgf/mm2 で、平均孔径は0.08μm
である。
【0015】次に、このフィルムを2mm幅にスリット
し、導体径が0.8mmの導線に巻き付けることにより
絶縁層被覆電線を得た。この被覆電線の平均伝搬遅延時
間を測定したところ、4.0ns/mで、明らかに平均
伝搬遅延時間が上昇していた。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる絶縁層被
覆電線によれば、導体線に見掛け密度が0.1〜0.5
g/cm3 の範囲にある超高分子量ポリエチレン多孔質
フィルムを巻回してなるものとしたことにより、従来の
絶縁層被覆電線に比して電気的特性と機械的特性の両立
化を一層高いレベルで実現できる絶縁層被覆電線を得る
ことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体線に見掛け密度が0.1〜0.5g
    /cm3 の範囲にある超高分子量ポリエチレン多孔質フ
    ィルムを巻回してなる絶縁層被覆電線。
  2. 【請求項2】 前記超高分子量ポリエチレンの重量平均
    分子量(Mw)が500000〜8000000の範囲
    にある請求項1に記載の絶縁層被覆電線。
  3. 【請求項3】 前記超高分子量ポリエチレン多孔質フィ
    ルムの平均的な孔径が0.1〜3.0μmの範囲にある
    請求項1に記載の絶縁層被覆電線。
JP23824095A 1995-09-18 1995-09-18 絶縁層被覆電線 Pending JPH0982139A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006024473A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Nippon Sheet Glass Co Ltd 電線用絶縁フィルム及びそれを用いた電線
JP2009234272A (ja) * 2000-04-05 2009-10-15 Nitto Denko Corp インク容器用通気フィルタ
JP2012523492A (ja) * 2009-03-25 2012-10-04 本田技研工業株式会社 車体用キャリアの電気的絶縁構造
JP2014017139A (ja) * 2012-07-10 2014-01-30 Furukawa Electric Co Ltd:The ケーブル

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