JPH0979760A - 焼結鉱の磁気浮上装置 - Google Patents

焼結鉱の磁気浮上装置

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JPH0979760A
JPH0979760A JP23412195A JP23412195A JPH0979760A JP H0979760 A JPH0979760 A JP H0979760A JP 23412195 A JP23412195 A JP 23412195A JP 23412195 A JP23412195 A JP 23412195A JP H0979760 A JPH0979760 A JP H0979760A
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electromagnet
sinter
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gap
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JP23412195A
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Tetsumi Harakawa
川 哲 美 原
Kenji Umetsu
津 健 司 梅
Atsushi Sugibashi
橋 敦 史 杉
Koichi Fujihira
平 幸 一 藤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結鉱の生産効率の向上。焼結鉱が電磁石に
吸着するのを防止すること。 【解決手段】 焼結鉱原料の点火位置(50)から焼結鉱排
出位置までの間で、焼結鉱の表層に対向する電磁石(M1
〜Mn);これに電流を通電する通電手段(Co1〜Con);焼
結鉱原料の、電磁石吸引方向の層厚(Dp)に対応する補正
値(Gd)を生成する手段(Mc);および、該補正値(Gd)に対
応して、通電手段(Co1〜Con)を介して電磁石の通電電流
(i1〜in)を、層厚(Dp)が大きいと高く、小さいと低くす
る通電制御手段(Sc1〜Scn);を備える。加えて、焼結鉱
原料の搬送速度(Vp)が高いと通電電流を高くする。電磁
石/焼結層間ギヤップが大きいと通電電流を高くする。
搬送方向の最高温度位置(RTs)が基準位置(Ps)より下流
であると、上流の電磁石の通電電流を高くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DL式鉄鉱石焼結
機に関し、特に、パレット上の燃焼帯上に生成した焼結
鉱の通気性を高めるための磁気浮上装置に関する。
【0002】
【従来の技術】DL式鉄鉱石焼結機においては、粉鉱石
と石灰石とを主原料とし、これにコ−クスを混合して、
エンドレスに連結したパレット上に装入して搬送し、搬
送中に原料の表層に点火して原料層の上部の空気を下向
きに吸引しながら原料中に混合したコ−クスを燃焼させ
る。表層からの燃焼によりパレット上の原料は表層から
順次、下層に向けて焼結鉱となって行く(図4)。その
結果、気孔率が高く原料とは異なった鉱物組成を有する
焼結鉱が得られ、それを使用することにより高炉の生産
性が向上する。
【0003】ところで、上部焼結鉱の荷重及び燃焼用空
気の下向き吸引の負圧により下部原料層が圧密化される
ため、通気性が悪く、原料の燃焼効率が低い。そこで、
燃焼帯の上方に出来た焼結層に上方から強磁界を加えて
焼結層を上吸引し、通気性を高めることが提案されてい
る。例えば、特開平04−124225号公報及び特開
平05−25682号公報に、焼結層を磁力を利用して
非接触で保持・浮揚させることにより、焼結ベッドの下
層部にかかる荷重を軽減し、通気性を改善し、燃焼効率
を上げて生産性向上及びNOx発生量低減を実現させる
方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現在強磁界を
発生する手段として電磁石を使用するのが一般的である
が、この場合、焼結層を電磁力を利用して非接触で浮揚
保持させるには1Tg重(磁力に換算して1.5テス
ラ)程度の吸引力が必要である。ところで、焼結鉱の生
産効率は、単純に考えると焼結鉱原料層厚を厚くしかつ
搬送速度(パレット移動速度)を高くするほど高くなる
が、焼結鉱層厚が大きくなるに従がいまた搬送速度が速
くなるに従がい、焼結鉱原料の燃焼速度(特に、燃焼が
層表面側から底側へ推移する速度)を速くしなければ、
焼結鉱排出位置に到達するまでに燃焼が完全に底側に達
しない。未燃焼原料が残ると、その分焼結鉱製造品質が
低く、生産効率が低い、という結果となる。この燃焼速
度を速くするためには、焼結鉱の通気性を高くする必要
があるが、焼結鉱層厚が大きくなるほど通気性を高くし
にくい問題がある。
【0005】一方、吸引力が強いほど、焼結層から分離
した焼結鉱が電磁石に吸引され付着する量が多く、電磁
石/焼結層間に団塊を生じてしまう。電磁石を焼結層か
ら200mm以上離さなければ焼結層の表層の焼結鉱が電
磁石に吸着し、焼結層の表面の剥離につながる。DL式
鉄鉱石焼結機においては、燃焼帯上の焼結鉱に効果的に
磁束を与えるとともに、焼結層の表層の焼結鉱が電磁石
に吸着するのを極力少くする必要がある。
【0006】本発明は、DL式鉄鉱石焼結機においてそ
の生産効率を向上することを第1の目的とし、焼結層表
層の焼結鉱が電磁石に吸着するのを防止することを第2
の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の第1態様の焼結鉱の磁気浮上装置は、焼
結鉱原料を搬送する、エンドレスに連結されたパレット
(10)の、該焼結鉱原料の表層に点火する位置(50)から焼
結鉱排出位置までの間で、該パレット上に生成した焼結
鉱の表層に対向する電磁石(M1〜Mn);前記電磁石に電流
を通電する通電手段(Co1〜Con);焼結鉱原料の、前記電
磁石が吸引する方向の層厚(Dp)に対応する補正値(Gd)を
生成する手段(Mc);および、該補正値(Gd)に対応して、
前記通電手段(Co1〜Con)を介して前記電磁石(M1〜Mn)の
通電電流(i1〜in)を、層厚(Dp)が厚いと高く、薄いと低
くする通電制御手段(Sc1〜Scn);を備える。なお、理解
を容易にするためにカッコ内には、図面にて後述する実
施例の対応要素に付した記号を、参考までに付記した。
【0008】これによれば、手段(Mc)が、焼結鉱原料
の、前記電磁石が吸引する方向の層厚(Dp)に対応する補
正値(Gd)を生成し、通電制御手段(Sc1〜Scn)が、該補正
値(Gd)に対応して、通電手段(Co1〜Con)を介して電磁石
(M1〜Mn)の通電電流(i1〜in)を、層厚(Dp)が厚いと高
く、薄いと低くする。したがって、焼結鉱原料の層厚(D
p)が厚く、焼結鉱荷重が大きいときには、電磁石(M1〜M
n)の焼結層吸引力が強く、焼結層が効果的に持ち上げら
れ、焼結層下の燃焼帯への通気性が高くなる。これによ
り、焼結鉱排出位置にパレット(10)が到達するまでに、
焼結鉱原料はその表層から底まで十分に燃焼させること
ができ、焼結鉱原料層厚(Dp)を厚くすることによる焼結
鉱生産効率の向上が保証される。焼結鉱原料層厚(Dp)が
薄いときには電磁石(M1〜Mn)の通電電流(i1〜in)が低い
ので、焼結層表層の焼結鉱が電磁石に吸着する可能性が
低く、層厚(Dp)が薄いことにより比較的に弱い吸引力で
十分な通気性が確保される。
【0009】(2)本発明の第2態様の焼結鉱の磁気浮
上装置は、焼結鉱原料を搬送する、エンドレスに連結さ
れたパレット(10)の、該焼結鉱原料の表層に点火する位
置(50)から焼結鉱排出位置までの間で、該パレット上に
生成した焼結鉱の表層に対向する電磁石(M1〜Mn);前記
電磁石に電流を通電する通電手段(Co1〜Con);焼結鉱原
料の搬送速度(Vp)に対応する補正値(Gv)を生成する手段
(Mc);および、 該補正値(Gv)に対応して、前記通電手
段(Co1〜Con)を介して前記電磁石(M1〜Mn)の通電電流(i
1〜in)を、搬送速度(Vp)が高いと高く、低いと低くする
通電制御手段(Sc1〜Scn);を備える。
【0010】これによれば、手段(Mc)が、焼結鉱原料の
搬送速度(Vp)に対応する補正値(Gv)を生成し、通電制御
手段(Sc1〜Scn)が、補正値(Gv)に対応して、通電手段(C
o1〜Con)を介して電磁石(M1〜Mn)の通電電流(i1〜in)
を、搬送速度(Vp)が高いと高く、低いと低くする。した
がって、焼結鉱原料の搬送速度(Vp)が高いときには、電
磁石(M1〜Mn)の焼結層吸引力が強く、焼結層が効果的に
持ち上げられ、焼結層下の燃焼帯への通気性が高くな
る。これにより、焼結鉱原料の表層から底への焼燃の推
移(燃え拡がり)の速度が速く、焼結鉱排出位置にパレッ
ト(10)が到達するまでに、焼結鉱原料はその表層から底
まで十分に燃焼させることができ、焼結鉱原料の搬送速
度(Vp)を高くすることによる焼結鉱生産効率の向上が保
証される。焼結鉱原料の搬送速度(Vp)が遅いときには電
磁石(M1〜Mn)の通電電流(i1〜in)が低いので、焼結層表
層の焼結鉱が電磁石に吸着する可能性が低い。これによ
り通気性は向上せず、焼結鉱原料の表層から底への焼燃
速度は下がるが、焼結鉱原料の搬送速度が遅いので、焼
結鉱排出位置に到達するまでに、焼結鉱原料はその表層
から底まで十分に燃焼する。
【0011】(3)本発明の第3態様の焼結鉱の磁気浮
上装置は、焼結鉱原料を搬送する、エンドレスに連結さ
れたパレット(10)の、該焼結鉱原料の表層に点火する位
置(50)から焼結鉱排出位置までの間で、該パレット上に
生成した焼結鉱の表層に対向する電磁石(M1〜Mn);前記
電磁石に電流を通電する通電手段(Co1〜Con);電磁石と
それが吸引する焼結鉱原料の表層とのギャップ(s1〜sn)
を検出するギャップ検出手段(g1〜gn,d1〜dn);およ
び、該ギャップ検出手段が検出したギャップ(s1〜sn)に
対応して、前記通電手段(Co1〜Con)を介して前記電磁石
(M1〜Mn)の通電電流(i1〜in)を、ギャップ(s1〜sn)
が大きいと高く、小さいと低くする通電制御手段(Sc
1〜Scn);を備える。
【0012】これによれば、通電制御手段(Sc1〜Scn)
が、電磁石(M1〜Mn)の通電電流(i1〜in)を、電磁石/焼
結鉱間のギャップ(s1〜sn)が大きいと高く、小さいと低
くする。これにより、電磁石/焼結鉱間のギャップ(s1
〜sn)が大きい(これにより焼結鉱に作用する吸引力は
弱い)ときには電磁石電流が大きくなって吸引力が上げ
られ、焼結鉱の通気性が高まる。電磁石/焼結鉱間のギ
ャップ(s1〜sn)が小さい(これにより焼結鉱に作用する
吸引力は強い)ときには電磁石電流が小さくなって吸引
力が下げられ、焼結層表層の焼結鉱が電磁石に吸着する
可能性が低い。 (4)本発明の第4態様の焼結鉱の磁気浮上装置は、焼
結鉱原料を搬送する、エンドレスに連結されたパレット
(10)の、該焼結鉱原料の表層に点火する位置(50)から焼
結鉱排出位置までの間で、該パレット上に生成した焼結
鉱の表層に対向する電磁石(M1〜Mn);前記電磁石に電流
を通電する通電手段(Co1〜Con);焼結鉱原料の搬送方向
の温度分布を検出する温度分布検出手段(Ts1〜Tsn,M
c);および、検出した温度分布の高温部(RTs)が基準位
置(Ps)よりも焼結鉱排出位置に近い位置にあれば、少く
とも基準位置(Ps)よりも搬送方向で上流側にある電磁石
の通電電流(i1〜in)を前記通電手段(Co1〜Con)を介して
高くし(図9の19〜23)、検出した温度分布の高温部(RTs)
が基準位置(Ps)よりも焼結鉱原料の表層に点火する位置
に近い位置にあれば、少くとも検出した温度分布の高温
部(RTs)よりも搬送方向で上流側にある電磁石の通電電
流(i1〜in)を低くする(図9の14〜18)通電制御手段(Mc,S
c1〜Scn);を備える。
【0013】上記「焼結鉱原料の搬送方向の温度分布」
の「高温部(RTs)」は、焼結鉱原料の着火位置から焼結
鉱排出位置の間の、焼結鉱原料の燃焼が最も盛んな位置
であり、これは、焼結鉱原料の組成,層厚,搬送速度お
よび着火位置/焼結鉱排出位置間の距離により、所定の
位置(基準位置Ps)となるべきである。例えば、高温部(R
Ts)がそれより下流側である(焼結鉱排出位置に近い)
と、燃焼速度が遅く焼結鉱排出位置で燃焼が完了してい
ない可能性が高い。高温部(RTs)が基準位置Psより上流
側である(着火位置に近い)と、燃焼むらを生じている可
能性(特に、部分的な高速燃焼による燃焼貫通)がある。
【0014】上記第4態様によれば、燃焼速度が遅い
(検出した温度分布の高温部(RTs)が基準位置(Ps)より
も焼結鉱排出位置に近い位置にある)ときには、通電制
御手段(Mc,Sc1〜Scn)が、少くとも基準位置(Ps)よりも
搬送方向で上流側にある電磁石の通電電流(i1〜in)を通
電手段(Co1〜Con)を介して高くする(図9の19〜23)の
で、基準位置(Ps)よりも上流側の焼結層に及ぶ吸引力が
高くなって焼結層の浮上げが強くなり、その結果通気性
が高くなり、燃焼が盛んになる。これにより、焼結鉱原
料の温度分布の高温部(RTs)が、上流方向に移動する。
すなわち基準位置(Ps)に近くなる。
【0015】燃焼速度が速い(検出した温度分布の高温
部(RTs)が基準位置(Ps)よりも着火位置に近い)ときに
は、通電制御手段(Mc,Sc1〜Scn)が、少くとも該高温部
(RTs)よりも搬送方向で上流側にある電磁石の通電電流
(i1〜in)を通電手段(Co1〜Con)を介して低くする(図9の
14〜18)ので、高温部(RTs)よりも上流側の焼結層に及ぶ
吸引力が低くなって、その結果通気性が低くなり、燃焼
が抑制される。これにより、焼結鉱原料の温度分布の高
温部(RTs)が、下流方向にシフトする。すなわち基準位
置(Ps)に近くなる。
【0016】基準位置(Ps)を、焼結鉱排出位置では焼結
鉱原料のすべての均一な燃焼が完了している場合の高温
部位置(RTs)に設定することにより、高品質の焼結鉱が
効率良く生産される。
【0017】
【発明の実施の形態】
(5)上記第4態様の一実施例は、上述の第1態様の要
件をも備えるので、上記(4)に説明した作用および効果
に加えて、上記(1)に説明した作用および効果が同時
に、同様に実現する。
【0018】(6)上記第4態様の一実施例は、上述の
第2態様の要件をも備えるので、上記(4)に説明した作
用および効果に加えて、上記(2)に説明した作用および
効果が同時に、同様に実現する。
【0019】(7)上記第4態様の一実施例は、上述の
第3態様の要件をも備えるので、上記(4)に説明した作
用および効果に加えて、上記(3)に説明した作用および
効果が同時に、同様に実現する。
【0020】(8)後述の第2実施例は、上記(1)〜(4)
の態様の要件をすべて備えるので、上記(1)〜(4)に説明
した作用および効果が同時に、同様に実現する。
【0021】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0022】
【実施例】
−第1実施例− 図1に本発明の第1実施例の全体構成を示し、図3にD
L式鉄鉱石焼結機の全体構成図を示す。焼結層11は、
パレット10及び搬送ロールrにより図1,図3紙面上
においてy方向右に搬送される。図1に示す電磁石M
1,M2,・・・・,Mnは、それぞれが図3に示すD
L式鉄鉱石焼結機の、磁気浮上装置Miの1つのユニッ
トである。図3に示すDL式鉄鉱石焼結機においては、
多数のパレット10がエンドレスに連結され、連続的に
搬送駆動される。ホッパ−30で焼結鉱原料がパレット
10に連続的に挿入され、点火炉50で原料の表面に着
火が行なわれる。
【0023】図4に、図3に示す点火炉50〜排鉱位置
までの、パレット10上の原料の燃焼状態を、模式的に
示す。着火した原料は、排鉱位置に至るまでに、順次表
面から下方向に燃えて行き、ブロア吸引ダクト20によ
る吸引圧によって原料の表層から下層に空気が吸引さ
れ、この空気が原料下層への燃焼の進行を助ける。排鉱
位置に到達するまでに原料は実質上すべて燃焼して焼結
鉱に変わっており、排鉱位置でパレット10が下方向に
旋回するときにパレットから落下する。パレット10上
の原料が表層から下層に燃焼が進行している行路上に磁
気浮上装置Miが配設されており、この装置Miの電磁
石M1〜Mnのそれぞれが、原料の表層に出来た焼結鉱
に磁束を与え、上方に吸引する。
【0024】再び図1を参照されたい。電磁石M1のコ
アM1aにはコイルM1bが巻回されており、コイルM
1bには、コイルドライバCo1が、指示されたレベル
の電流i1を通電する。コイルドライバCo1にはコン
トローラSc1が接続されており、さらにコントローラ
Sc1には操作盤100が接続されている。
【0025】作業者が操作盤100上の図示しない入力
キーにより基準吸引力指令isおよび基準ギャップ指令
sgをコントローラSc1に指示すると、コントローラ
Sc1はコイルドライバCo1にレベル指令io1を出
力する。コイルドライバCo1は、コントローラSc1
より出力されるレベル指令io1に従ったレベルの電流
i1を電磁石M1のコイルM1bに供給する。電磁石M
2〜Mnの構成は電磁石M1に同じであり、コイルドラ
イバCo2〜Con,コントローラSc2〜Scnが接
続され、その機能はコイルドライバCo1,コントロー
ラSc1にそれぞれ準じている。以下に電磁石M1,コ
イルドライバCo1及びコントローラSc1の詳しい構
成及び機能を説明し、電磁石M2〜Mn及びそれに接続
されるコイルドライバCo2〜Con,コントローラS
c2〜Scnについての説明は省略する。
【0026】電磁石M1の近傍には、ギャップセンサg
1が配置されている。本実施例において使用したギャッ
プセンサg1は、超音波発受信素子である。ギャップセ
ンサg1に接続された距離計d1が所定周期でギャップ
センサg1に超音波発振パルスを与える。センサg1が
発信した超音波は、焼結層11の表面,内部,底面(パ
レット10上面)において反射し、それぞれ行路長対応
の遅れ時間の後にセンサg1で受信される。センサg1
は反射到来した超音波のレベルを表わす電気信号(受信
信号)を発生する。距離計d1は、センサg1に超音波
発振パルスを与えてから計時を開始してセンサg1の受
信信号を監視し、反射第1波(焼結層11の表面反射
波)が受信信号に現われたときの計時値を距離変換し
て、電磁石M1/焼結層11間距離s1を表わすデ−タ
を生成し、これを、コントロ−ラSc1へのラッチにセ
ットする。距離計d1は、この距離検出処理を、所定周
期で繰返す。コントロ−ラSc1は、距離s1が必要な
タイミングで、距離計d1のラッチのデ−タ(距離s
1)を読込む。
【0027】コントローラSc1は、作業者より操作盤
100を介して与えられる基準ギャップ指令sgと距離
情報s1の差を補正値として基準吸引力指令isにフィ
ードバックすることによりレベル指令io1の値をフィ
ードバック制御し、コイルドライバCo1に出力する。
【0028】図2に、コントローラSc1の処理機能を
ブロック区分で示す。コントローラSc1は、CPU
(マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュ−タ)を主
体とする電子処理装置(電子デバイス+電気回路)であ
る。図2に示す処理機能は、プログラムで実行されるも
のであるが、説明および理解を簡単にするために、以
下、処理機能ブロックを、図2に示す要素表現に従って
説明する。なお、メモリ5は予め内容が登録されている
読み出し専用のメモリであり、ラッチL1〜L4は、実
際には、入力レジスタ(CPUの内部メモリの一領域)
である。
【0029】コントロ−ラSc1は、操作盤100より
与えられる基準ギャップ指令sgおよび基準吸引力指令
isを、それらが操作盤100より与えられる度に、ラ
ッチL2およびL1に格納する。操作盤100よりスタ
−ト指令が到来すると、コントローラSc1は、予めメ
モリ5に格納されているフィ−ドバックゲインkfをラ
ッチL4に格納する。フィ−ドバックゲインkfは、ギ
ャップ偏差を電磁石電流補正値に換算する係数である。
また、スタ−ト指令が到来し、ストップ指令が到来する
までは、距離計d1の測定距離s1の読込み,レベル指
令io1の算出およびコイルドライバCo1への出力、
でなる入出力処理(1回)を、所定周期(サンプリング
周期)で繰返し実行する。
【0030】この入出力処理(1回)の内容をまず説明
する。コントロ−ラSc1は、距離計d1の測定距離s
1をラッチL3にセットする。次に、測定距離s1(ラ
ッチL3のデ−タ)の、基準ギャップsg(ラッチL2
のデ−タ)に対する偏差 ss1=sg−s1 を、減算器AR1で算出する。
【0031】次に、ラッチL1の基準指令isより、偏
差ss1を減算し、さらに乗算器MR1でラッチL4に
格納されたフィードバックゲインkfを乗算した電流指
令値sp sp=is−kf・ss1 =is−kf・sg+kf・s1 を算出する。
【0032】次に、電流指令値spをPWM変換器2
で、所定周期のパルス(H/L2の値信号)の、通電
(H)幅に変換して、電流指令値spが大きい値である
とH幅が広いPWMパルスim1を生成し、このPWM
パルスim1を平滑回路3でその時系列平均値に変換し
て、これをレベル指令io1としてコイルドライバCo
1に与える。
【0033】以上に説明した入,出力処理が所定周期で
繰返されることにより、PWM変換器2が出力するPW
Mパルスim1の通電(H)デュ−ティは、距離計d1
の計測値s1(電磁石M1/焼結層11表面間距離)の
変動に対応して変動するが、平滑回路3の時定数が、上
述の入出力処理の繰返し周期よりも長いので、コイルド
ライバCo1に与えられる電流指令io1は、上述の入
出力処理の繰返し周期対応の変動を平滑化した緩やかな
変化を示すものとなる。
【0034】コントロ−ラSc1の以上に説明した処理
動作により、例えば、基準ギャップ指令sgより距離情
報s1の値が大きい場合においては、吸引力補正値ss
1は負値となり、電流指令値sp=is−kf・ss1
が大きくなって、コイルドライバCo1は電磁石M1の
吸引力を高くする通電電流i1をコイルM1bに通電す
るので、焼結層10の表面が電磁石M1の下面にさらに
引きつけられて上昇する。逆に、基準ギャップ指令sg
より距離情報s1の値が小さい場合においては、吸引力
補正値ss1は正の値となり、電流指令値sp=is−
kf・ss1が小さくなって、コイルドライバCo1は
電磁石M1の吸引力を低くとする電流i1をコイルM1
bに通電するので、焼結層10の表面が電磁石M1の下
面より離れる方向に下降する。
【0035】図5の(a)には電磁石(電磁石)M1の
吸引力の働く方向を示し、(b)には、電磁石M1の電
流値を一定にしている場合の、ギャップ(距離情報s
1)と、焼結層11に作用する吸引力との関係を示す。
上述の第1実施例では、ギャップs1が大きくなる(吸
引力が低下する)ときには、電磁石M1の電流値を大き
くするので吸引力が増加し、これに伴って焼結層11が
上移動してギャップが小さくなる。このギャップの減少
は吸引力の更なる増大をもたらすので、ギャップの拡大
に応じた電磁石M1の電流値のアップは、比較的に小さ
くても、大きな効果をもたらす。吸引力の増大により焼
結層11が基準ギャップsg以上に浮上するときは、電
磁石M1の電流値を小さくするので吸引力が低下し、こ
れに伴って焼結層11が下移動してギャップが大きくな
る。このギャップの増大は吸引力の更なる低下をもたら
すので、ギャップの縮小に応じた電磁石M1の電流値の
低減は、比較的に小さくても、大きな効果をもたらす。
このような焼結層11の運動は、振動的になり易い。こ
れを安定化するために、第1実施例では平滑回路3で、
PWMパルスを、その一周期よりも長い時定数で平滑化
している。
【0036】なお、コイルドライバCo1が、アナログ
指令入力のものであるので、PWMパルスを平滑化して
いるが、コイルドライバCo1がデュ−ティを制御した
パルス通電(チョッピング)タイプのものであるときに
は、平滑化回路3を省略し、PWMパルスim1をコイ
ルドライバCo1に与える。この場合、上述のギャップ
対応の電磁石通電電流補正はP(比例)制御のみである
が、これをPI(比例,積分)制御あるいはPID(比
例,積分,微分)制御に変更して、積分項により、通電
電流値の振動的変化を抑制する。上述の、アナログ指令
入力のコイルドライバCo1および平滑回路3を用いる
態様でも、上述のギャップ対応の電磁石通電レベル補正
を、PI(比例,積分)制御あるいはPID(比例,積
分,微分)制御に変更してもよい。
【0037】本実施例によれば、DL式鉄鉱石焼結機に
おいて、生産量の変動に対応して吸引力を制御し、原料
の通気性を高く保ちながら、焼結鉱の電磁石への吸着を
抑制することができる。
【0038】−第2実施例− 図6に本発明の第2実施例の全体構成を示す。図6に示
す電磁石M1,M2,・・・・,Mnは、それぞれが第
1実施例と同様に図3に示すDL式鉄鉱石焼結機の、磁
気浮上装置Miの1つのユニットであり、第1実施例の
ものと構造は同一である。
【0039】図6を参照すると、第1実施例と同様に、
電磁石M1には、コイルドライバCo1が指示電流i1
を供給する。第1実施例と同様に、コイルドライバCo
1にはコントローラSc1が接続されており、さらにコ
ントローラSc1には操作盤100が接続されている。
他の電磁石M2〜Mnに関しても同様である。 この第
2実施例では、これらのコントロ−ラSc1〜Scnに
加えて、それらに対して上位となるマスタコントロ−ラ
Mcが備わっており、このマスタコントロ−ラMcが、
第1実施例にはない電磁力電流補正値Sm1〜Smnの
それぞれを、各コントロ−ラSc1〜Scnに与えると
共に、全コントロ−ラSc1〜Scnに、演算ゲインG
v,GdおよびGgを与える。
【0040】図7に、コントロ−ラSc1(他のSc2
〜Scnも同様な構成)の処理機能をブロック区分で示
す。コントローラSc1は、CPU(マイクロプロセッ
サ又はマイクロコンピュ−タ)を主体とする電子処理装
置(電子デバイス+電気回路)である。図7に示す処理
機能は、プログラムで実行されるものであるが、説明お
よび理解を簡単にするために、以下、処理機能ブロック
を、図7に示す要素表現に従って説明する。なお、ラッ
チL1〜L7は、実際には、入力レジスタ(CPUの内
部メモリの一領域)である。
【0041】コントロ−ラSc1は、操作盤100より
与えられる基準ギャップ指令sgおよび基準吸引力指令
isを、それらが操作盤100より与えらる度に、ラッ
チL2およびL1に格納する。また、マスタコントロ−
ラMcからデ−タ(電磁力電流補正値Sm1ならびに演
算ゲインGv,GdおよびGg)の送信があると通信回
路4を介してそれらを受信し、ラッチL4〜L7に格納
する。
【0042】第2実施例のコントロ−ラSc1の機能概
要を説明する、第1実施例のコントロ−ラSc1と比較
して、第2実施例のコントロ−ラSc1は、マスタコン
トロ−ラMcから電磁力電流補正値Sm1ならびに演算
ゲインGv,GdおよびGgを受信するための通信回路
4を備える点、これらのデ−タを格納するラッチL4〜
L7を備える点、これらのデ−タを電磁石に対する通電
レベル指令io1の算出に用いる点、ならびに、指令値
spの算出式にこれらのデ−タが用いられる点、が異な
る。
【0043】すなわち、指令値spの算出式は、第1実
施例のコントロ−ラSc1の場合、 sp=is−k・ss1 =is−k・sg+k・s1 であったところ、第2実施例のコントロ−ラSc1の場
合は、 sp=Gv・Gd・is−Gg・ss1+Sm1 =Gv・Gd・is−Gg・sg+Gg・s1+Sm1
である。その他の構成および機能は、第1実施例のコン
トロ−ラSc1と同一である。
【0044】「ss1」は、第1実施例の補正値「ss
1」と同一の補正値であり、「Sm1」は、焼結鉱原料
の、点火炉50から焼結鉱排出位置までの温度分布の高
温部(RTs)を、基準位置(Ps)にシフトするため
の、すなわち、点火炉50から焼結鉱排出位置までの温
度分布を、基準パタ−ンに実質上合致させるための、電
磁石電流補正値であり、マスタコントロ−ラMc(図
6)が与える。Gvは、焼結鉱原料の搬送速度Vpに対
応した、搬送速度Vpが高いと大きい値のゲインであ
り、マスタコントロ−ラMcが与える。Gdは、焼結鉱
と電磁石とのギャップs1(z方向)に対応した、層厚
Dpが大きいと大きい値のゲインであり、マスタコント
ロ−ラMcが与える。また、Ggは、焼結鉱原料の層厚
Dp(z方向)に対応した、ギャップs1が大きいと小
さい値のゲインであり、マスタコントロ−ラMcが与え
る。
【0045】なお、層厚Dpが大きいときには、電磁石
M1/焼結層11間ギャップs1は小さい。大きい層厚
Dpを浮上駆動するために、Gdが大きく、電磁石電流
値が大きいので、これにギャップs1対応の電流値補正
が強く働くと、焼結層11が電磁石M1に吸着する可能
性が高くなる。ゲインGgはこれを抑制するため、層厚
Dpが大きいときにはギャップ対応の電流補正値を小さ
くするものである。
【0046】次に、第2実施例のコントロ−ラSc1の
処理機能を、図7を参照して詳細に説明する。操作盤1
00よりスタ−ト指令が到来し、ストップ指令が到来す
るまでは、距離計d1の測定距離s1の読込み,レベル
指令io1の算出およびコイルドライバCo1への出
力、でなる入出力処理(1回)を、所定周期(サンプリ
ング周期)で繰返し実行する。
【0047】この入出力処理(1回)の内容をまず説明
する。コントロ−ラSc1は、距離計d1の測定距離s
1をラッチL3に格納する。次に、測定距離s1(ラッ
チL3のデ−タ)の、基準ギャップsg(ラッチL2の
デ−タ)に対する偏差 ss1=sg−s1 を、減算器AR1で算出し、そして乗算器MR3で、算
出値に、ラッチL7のゲインGgを乗算する。すなわ
ち、 Gg・ss1=Gg・(sg−s1) を算出する。
【0048】次に、ラッチL1の基準指令isに、乗算
器MR2,MR1でラッチL5およびL6のゲインG
v,Gdを乗算して、 Gv・Gd・is を算出し、この算出値Gv・Gd・isより補正値Gg
・ss1を減算し、補正値Sm1を加算した電流指令値
sp sp=Gv・Gd・is−Gg・ss1+Sm1 =Gv・Gd・is−Gg・sg+Gg・s1+Sm1 を算出する。
【0049】次に、電流指令値spをPWM変換器2
で、所定周期のパルス(H/L2値信号)の、通電
(H)幅に変換して、電流指令値spが大きい値である
とH幅が広いPWMパルスim1を生成し、このPWM
パルスim1を平滑回路3でその時系列平均値に変換し
て、これをレベル指令io1としてコイルドライバCo
1に与える。
【0050】以上に説明した入,出力処理が所定周期で
繰返されることにより、PWM変換器2が出力するPW
Mパルスim1の通電(H)デュ−ティは、距離計d1
の計測値s1(電磁石M1/焼結層11表面間距離)の
変動に対応して変動するが、平滑回路3の時定数が、上
述の入出力処理の繰返し周期よりも長いので、コイルド
ライバCo1に与えられる電流指令io1は、上述の入
出力処理の繰返し周期対応の変動を平滑化した緩やかな
変化を示すものとなる。
【0051】再度図6を参照すると、ブロア吸引ダクト
20には温度センサTs1〜Tsnが電磁石M1〜Mn
に対向する吸気口20p1〜20pnの一つづつにそれ
ぞれ備えられている。温度センサTs1〜Tsnは、各
吸気口20p1〜20pnのブロア吸気P1〜Pnの温
度ts1〜tsnを測定してマスタコントローラMcに
出力する。検出温度ts1〜tsnは、電磁石M1〜M
n直下の焼結鉱原料の燃焼ガス温度(ブロア吸引ガス温
度)を表わす。
【0052】マスタコントローラMcは各温度ts1〜
tsnを比較してブロア吸気の温度が最も高温である吸
気口(高温吸気口20ptsとする)を検索し、その位
置より焼結層11中の焼結鉱の生成進行度合を推測す
る。つまり、高温吸気口20ptsが作業者が設定した基
準吸気口(20psとする)と比較して排鉱位置に近い位
置のものである程焼結鉱の生成効率が悪く、高温吸気口
20ptsが基準吸気口20psと比較して点火炉50に近
い位置のものである程焼結鉱が急激に生成されていると
判定する。
【0053】そしてマスタコントローラMcは、高温吸
気口20ptsが基準吸気口20psよりも排鉱位置に近い
場合には、焼結鉱の生成効率を上昇させる為に(燃焼速
度を高くするために)、基準吸気口20ps直近およびそ
れより上流の電磁石の吸引力増大を指示する補正指令S
m1〜SmnをコントローラSc1〜Scnに送信す
る。反対に、高温吸気口20ptsが基準吸気口20psよ
りも点火炉50に近い場合には、マスタコントローラM
cは、高温吸気口20pts直近およびそれより上流の電
磁石の吸引力低減を指示する補正指令Sm1〜Smnを
コントローラSc1〜Scnに送信する。
【0054】図8に、マスタコントローラMcの処理機
能をブロック区分で示す。マスタコントローラMcは、
CPU6を主体とする電子処理装置(電子デバイス+電
気回路)である。上述の温度センサTs1〜Tsnは、
温度計(アナログ電気回路)T1〜Tnに接続されてお
り、これらの温度計の、温度センサTs1〜Tsnの検
出温度ts1〜tsnを表わすアナログ信号は、アナロ
グスイッチ7を介して選択的にCPU6のA/D変換入
力ポ−トに与えられる。CPU6は、検出温度ts1〜
tsnが必要なとき、アナログスイッチ7に順次に温度
計T1〜Tnを指定する制御信号を与え、各検出温度t
s1〜tsnを順次にA/D変換して読込む。
【0055】図9及び図10に、図8に示すマスタコン
トローラMcのCPU6の処理動作を示す。電源が投入
されるとCPU6はまず、初期化を行う。これにおい
て、入出力ポ−トを待機時の信号レベルに設定し、レジ
スタ(内部メモリの1領域)を初期値に設定し、カウン
タおよびタイマを初期化する(ステップ1)。以後、カ
ッコ内にはステップという言葉を省略してステップ番号
数字のみを記す。
【0056】次にCPU6は、操作盤100の作業者に
よる入力の読み取り(2)を行なう。ここで作業者が基
準吸気口20pts直近の電磁石の番号Psを入力する
と、このPsをレジスタRPsに格納する。
【0057】作業者が焼結鉱原料層厚Dpを入力する
と、関数演算テ−ブルfd(Dp)よりDp対応のゲイ
ンデ−タGdを読出してレジスタRGdに格納する。な
お、関数演算テ−ブルfd(Dp)は、Dpをアドレス
とし、Dp対応のゲインデ−タGdを格納した、メモリ
領域(内部メモリの一領域)であり、Dp対応のゲイン
Gdは、Dpが大きいと大きい値となっている。ただ
し、Dpの上限値以上では一定値(上飽和値)、Dpの
下限値以下でも一定値(下飽和値)となっている。Dp
入力に対応してCPU6は更に、関数演算テ−ブルfg
(Dp)よりDp対応のゲインデ−タGgを読出してレ
ジスタRGgに格納する。なお、関数演算テ−ブルfg
(Dp)も、Dpをアドレスとし、Dp対応のゲインデ
−タGgを格納した、メモリ領域(内部メモリの一領
域)であり、Dp対応のゲインGgは、Dpが大きいと
小さい値となっている。ただし、Dpの上限値以上では
一定値(下飽和値)、Dpの下限値以下でも一定値(上
飽和値)となっている。
【0058】作業者が焼結鉱原料の搬送速度Vpを入力
すると、関数演算テ−ブルfv(Vp)よりVp対応の
ゲインデ−タGvを読出してレジスタRGvに格納す
る。なお、関数演算テ−ブルfv(Vp)も、Vpをア
ドレスとし、Vp対応のゲインデ−タGvを格納した、
メモリ領域(内部メモリの一領域)であり、Vp対応の
ゲインGvは、Vpが大きいと大きい値となっている。
ただし、Vpの上限値以上では一定値(上飽和値)、V
pの下限値以下でも一定値(下飽和値)となっている。
【0059】CPU6は、スタ−ト指示の入力があるの
を待ち(3)、スタート指示があれば、ステップ4に進
むが、スタート指示が無ければ再び操作盤100の入力
読み取り(2)に戻り、スタート指示が到来するまでこ
れを繰り返しており、スタート入力の待機状態にある
(3)。
【0060】スタート入力が到来するとCPU6は、時
限値PtのタイマPtをスタートする(4)。そして、
温度計T1〜Tnの検出温度ts1〜tsnを順次に読
込む(5〜7,11,12および7,11,12の繰返
し)。このとき検出温度ts1〜tsnの最高温度を判
定して(8)レジスタRMtに格納し(9)、かつ、最
高温度を示した温度計Tiの番号デ−タiをレジスタR
Tsに書込む(10)。
【0061】なお、温度センサTs1〜Tsnの数字
(1〜n),それが接続された温度計T1〜Tnの数字
(1〜n)および電磁石M1〜Mnの数字(1〜n)
は、焼結鉱原料の搬送方向で、上流側が小さい値を示す
数字になっており、温度センサTsiと電磁石Miと
は、焼結鉱原料の搬送方向yで実質上同一位置にある。
操作盤100を介してマスタコントロ−ラMcに入力さ
れる基準位置デ−タPsは、いずれかの電磁石Mjの位
置を、該Mjのjを表わすデ−タと規定されているもの
である。
【0062】CPU6は次に、最高温度位置(レジスタ
RTsのデ−タRTs)が、基準位置Ps(レジスタR
Psのデ−タ)よりも上流側(Ps−RTs>0)か、
下流側(Ps−RTs<0)か、あるいは同一位置(P
s−RTs=0)かをチェックする。
【0063】最高温度位置(RTs)が基準位置Psよ
りも上流側(Ps−RTs>0)である(最高温度位置
RTsおよびそれより上流側の燃焼速度が高過ぎる:焼
結層の通気性が高い)と、CPU6は、最高温度位置R
Tsの電磁石への補正値を、基準位置Psに対する最高
温度位置RTsの差に、1単位当りの補正値ΔSmを乗
算した値(負値:電磁石電流値低減量)に設定し(1
5)、この電磁石より1つ上流の電磁石への補正値を、
更に1単位大きい値(負値)に設定し、順次このように
上流の電磁石への今回の補正値を、1単位づつ大きい値
(負値)に設定する(15〜18)。最高温度位置RT
sの電磁石よりも下流の電磁石への補正値は0とする
(19)。
【0064】最高温度位置(RTs)が基準位置Psよ
りも下流側(Ps−RTs<0)である(少くとも基準
位置Psおよびそれより上流側の燃焼速度が低過ぎる:
焼結層の通気性が低い)と、CPU6は、基準位置Ps
の電磁石宛ての今回の補正値を、基準位置Psに対する
最高温度位置RTsの差に、1単位補正値ΔSmを乗算
した値(正値:電磁石電流値増加量)に設定し(2
0)、この電磁石より1つ上流の電磁石への補正値を、
更に1単位大きい値(正値)に設定し、順次このように
上流の電磁石への補正値を、1単位づつ大きい値(正
値)に設定する(20〜23)。基準位置Psの電磁石
よりも下流の電磁石への補正値は0とする(24)。
【0065】最高温度位置(RTs)が基準位置Psと
合致している(Ps−RTs=0)と、これは、焼結鉱
原料の燃焼が、作業者がPsで指定したy方向温度分布
(y位置をパラメ−タとするy位置各所の燃焼速度の分
布)と実質上合致するパタ−ンで進行している(最適)
と見なせる。このときにはCPU6は、全電磁石への補
正値を0に設定する(14)。
【0066】上述のように今回の補正値を設定するとC
PU6は、各電磁石宛ての今回の補正値のそれぞれを、
各電磁石の直前までの補正値の累算値RSm1〜Rsm
nのそれぞれに加え、得た和(補正値が負値であると減
算と同義)をレジスタRSm1〜Rsmnに更新格納す
る(25〜28)。
【0067】次にCPU6は、レジスタRGd,RGg
およびRGvのゲインデ−タGd,GgおよびGvと、
レジスタRSm1〜RSmnのデ−タSm1〜Smnそ
れぞれとを、コントロ−ラSc1〜Scnのそれぞれに
送信する(29)。したがって、コントロ−ラSc1
は、デ−タGd,GgおよびGvとデ−タSm1を受信
して、それぞれラッチL6,L7およびL5とラッチL
4に格納する。コントロ−ラSc2は、一般にはSc1
と異なったデ−タGd,GgおよびGvとデ−タSm2
を受信してラッチに格納する。他のコントロ−ラSc3
〜Scnも同様である。
【0068】CPU6は次に、再び操作盤100の入力
読み取り(30)に戻り、ストップが指示されていれ
ば、ステップ2に戻り、再びスタート指示がされるのを
待つ(31,2)が、ストップ指示が指定されていなけ
れば、タイマPtがタイムオーバとなるまで待機し、デ
−タ入力があれば、それを該当のレジスタに更新書込み
する。タイマPtがタイムオ−バすると、ステップ4に
戻り再び以上の動作(4〜32)を実行する。以下、ス
トップ指示があるまで、ステップ4〜32の処理を、タ
イマPtの設定周期で繰り返す。
【0069】この第2実施例では、第1実施例と同様
に、焼結層上面と電磁石との距離に対応して、それが大
きいと電磁石の通電電流を大きくし、小さいと小さくす
るので、焼結層に、所定量に浮上するよう吸引力が加わ
り、焼結層の通気性が確保される。また、電磁石への焼
結鉱の吸着が少くなる。
【0070】第2実施例では更に、焼結鉱原料の層厚D
pが大きいと、電磁石の吸引力通電指令値sp(=is
・Gd・Gv−ss1+Sm1)の補正値Gdを大きく
するので、各種層厚Dpのそれぞれにおいて、焼結層を
所定量浮上するよう吸引力が加わり十分な通気性が確保
される。したがって、生産性向上のための層厚Dpの増
加が容易である。
【0071】第2実施例では更に、焼結鉱原料の搬送速
度Vpが高いと、電磁石の吸引力指令値spの補正値G
vを大きくするので、通気性が高くなり、搬送速度Vp
を高くしても焼結鉱排出位置に到達するまでに焼結鉱原
料の燃焼がその底に達し、未燃原料の残留を実質上生じ
ない。したがって、生産性向上のための搬送速度Vpの
増速が容易である。
【0072】第2実施例では更に、焼結鉱原料の搬送方
向の温度分布を検出して、最高温度位置(燃焼が最も盛
んな位置)RTsが、基準位置Psより下流であると、
少くとも基準位置Psおよびそれより上流の電磁石の吸
引力指令値spの補正値Sm1を大きくして、それらの
電磁石の通電電流値を大きくするので、基準位置Psお
よびそれより上流において焼結層の通気性が高くなり、
最高温度位置Rtsが上流側に移動する。これにより、
焼結鉱排出位置に到達するまでに焼結鉱原料の燃焼がそ
の底に達し、未燃原料の残留を実質上生じない。したが
って焼結鉱の生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の全体構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】 図1に示すコントローラSc1の機能を示す
ブロック図である。
【図3】 図1に示す電磁石M1〜Mnを装備したDL
式鉄鉱石焼結機の概要を示す側面図である。
【図4】 図3に示すパレット10上の焼結鉱原料の縦
断面であり、該原料の燃焼帯の、パレット搬送方向の分
布を示す。
【図5】 (a)は図1に示す電磁石M1の吸引力の働
く方向を示す拡大縦断図であり、(b)は電磁石M1と
焼結層との間のギャップと焼結層に作用する吸引力の関
係を示すグラフである。
【図6】 本発明の第2実施例の全体構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】 図6に示すコントローラSc1の機能を示す
ブロック図である。
【図8】 図6に示すマスタコントローラMcの構成を
示すブロック図である。
【図9】 図8に示すCPU6の制御動作の一部を示す
フローチャートである。
【図10】 図8に示すCPU6の制御動作の残部を示
すフローチャートである。
【符号の説明】 10:パレット 20:ブロア吸引ダ
クト 20p1〜20pn:吸気口 g1〜gn:ギャ
ップセンサ M1〜Mn:電磁石 M1a:コア M1b:コイル Pi,P1〜Pn:ブロア
吸引 r:搬送ロール Ts1〜Tsn:温度セン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤 平 幸 一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結鉱原料を搬送する、エンドレスに連結
    されたパレットの、該焼結鉱原料の表層に点火する位置
    から焼結鉱排出位置までの間で、該パレット上に生成し
    た焼結鉱の表層に対向する電磁石;前記電磁石に電流を
    通電する通電手段;焼結鉱原料の、前記電磁石が吸引す
    る方向の層厚に対応する補正値を生成する手段;およ
    び、 該補正値に対応して、前記通電手段を介して前記電磁石
    の通電電流を、層厚が厚いと高く、薄いと低くする通電
    制御手段;を備える焼結鉱の磁気浮上装置。
  2. 【請求項2】焼結鉱原料を搬送する、エンドレスに連結
    されたパレットの、該焼結鉱原料の表層に点火する位置
    から焼結鉱排出位置までの間で、該パレット上に生成し
    た焼結鉱の表層に対向する電磁石;前記電磁石に電流を
    通電する通電手段;焼結鉱原料の搬送速度に対応する補
    正値を生成する手段;および、 該補正値に対応して、前記通電手段を介して前記電磁石
    の通電電流を、搬送速度が高いと高く、低いと低くする
    通電制御手段;を備える焼結鉱の磁気浮上装置。
  3. 【請求項3】焼結鉱原料を搬送する、エンドレスに連結
    されたパレットの、該焼結鉱原料の表層に点火する位置
    から焼結鉱排出位置までの間で、該パレット上に生成し
    た焼結鉱の表層に対向する電磁石;前記電磁石に電流を
    通電する通電手段;電磁石とそれが吸引する焼結鉱原料
    の表層とのギャップを検出するギャップ検出手段;およ
    び、 該ギャップ検出手段が検出したギャップに対応して、前
    記通電手段を介して前記電磁石の通電電流を、ギャップ
    が大きいと高く、小さいと低くする通電制御手段;を備
    える焼結鉱の磁気浮上装置。
  4. 【請求項4】焼結鉱原料を搬送する、エンドレスに連結
    されたパレットの、該焼結鉱原料の表層に点火する位置
    から焼結鉱排出位置までの間で、該パレット上に生成し
    た焼結鉱の表層に対向する、搬送方向に配列された複数
    個の電磁石;それぞれが各電磁石に電流を通電する複数
    個の通電手段;焼結鉱原料の搬送方向の温度分布を検出
    する温度分布検出手段;および、 検出した温度分布の高温部が基準位置よりも焼結鉱排出
    位置に近い位置にあれば、少くとも基準位置よりも搬送
    方向で上流側にある電磁石の通電電流レベルを前記通電
    手段を介して高くし、検出した温度分布の高温部が基準
    位置よりも焼結鉱原料の表層に点火する位置に近い位置
    にあれば、少くとも検出した温度分布の高温部よりも搬
    送方向で上流側にある電磁石の通電電流レベルを低くす
    る通電制御手段;を備える焼結鉱の磁気浮上装置。
  5. 【請求項5】焼結鉱原料の、前記電磁石が吸引する方向
    の層厚に対応する補正値を生成する手段;および、該補
    正値に対応して、前記通電手段を介して前記電磁石の通
    電電流を、層厚が厚いと高く、薄いと低くする層厚対応
    の通電電流補正手段;を更に備える、請求項4記載の焼
    結鉱の磁気浮上装置。
  6. 【請求項6】焼結鉱原料の搬送速度に対応する補正値を
    生成する手段;および、該補正値に対応して、前記通電
    手段を介して前記電磁石の通電電流を、搬送速度が高い
    と高く、低いと低くする速度対応の通電電流補正手段;
    を更に備える、請求項4又は請求項5記載の焼結鉱の磁
    気浮上装置。
  7. 【請求項7】電磁石とそれが吸引する焼結鉱原料の表層
    とのギャップを検出するギャップ検出手段;および、該
    ギャップ検出手段が検出したギャップに対応して、前記
    通電手段を介して前記電磁石の通電電流を、ギャップが
    大きいと高く、小さいと低くするギャップ対応の通電電
    流補正手段;を更に備える、請求項4,請求項5又は請
    求項6記載の焼結鉱の磁気浮上装置。
JP23412195A 1995-09-12 1995-09-12 焼結鉱の磁気浮上装置 Withdrawn JPH0979760A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011240712A (ja) * 2007-09-05 2011-12-01 Mitsuboshi Belting Ltd Vリブドベルトの製造方法

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