JPH09210565A - 焼結磁気吸引装置 - Google Patents

焼結磁気吸引装置

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JPH09210565A
JPH09210565A JP1641796A JP1641796A JPH09210565A JP H09210565 A JPH09210565 A JP H09210565A JP 1641796 A JP1641796 A JP 1641796A JP 1641796 A JP1641796 A JP 1641796A JP H09210565 A JPH09210565 A JP H09210565A
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magnet
gap
sintered
electromagnet
sintered ore
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JP1641796A
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Inventor
Koichi Fujihira
平 幸 一 藤
Tetsumi Harakawa
川 哲 美 原
Kenji Umetsu
津 健 司 梅
Atsushi Sugibashi
橋 敦 史 杉
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結磁気浮揚操業において、焼結鉱表面と磁
石が衝突するのを回避する。通常時はギャップを安定的
に小さく保ち、大きな浮揚力を発生させ、磁気浮揚効果
(生産性,歩留,品質等の向上)を高くする。 【解決手段】 焼結鉱上部に設置された吸引用磁石と、
磁石直下を原料の流れ方向に移動し、かつ磁石下面より
高い位置にある焼結鉱と衝突するのを防止するために磁
石を移動させる昇降装置、ならびに原料の流れ方向の該
磁石設置位置より上流側の焼結鉱表面および原料層高方
向の磁石位置を検出するギャップセンサ、ならびにギャ
ップ検出値に基づき、磁石下面と焼結鉱とのギャップ値
を算出し、少なくとも磁石下面領域での焼結表面と磁石
下面とのギャップ値が零となると、磁石を移動させるべ
く、昇降装置への移動動作指令を出すコントロ−ラを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DL式およびGW
式等の空気下方吸引式焼結法による鉄鉱石の焼結操業に
おいて、安定して高生産性,低NOXを実現するための
磁気浮揚による焼結磁気吸引装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばDL式鉄鉱石焼結機においては、
粉鉱石と石灰石を主原料とし、これにコークスを混合し
て、エンドレスに連結したパレット上に装入して搬送
し、搬送中に、混合したコークスを燃焼させる。そし
て、表層からの燃焼によりパレット上の原料は表層から
順次、下層に向けて焼結鉱となって行く。この過程で、
燃焼帯の上方に出来た焼結層に上方から強磁界を加えて
焼結層を上方に吸引し、通気性を高めることが提案され
ている。例えば、特開平04−124225号公報およ
び特開平05−25682号公報に、焼結層を磁力を利
用して非接触で保持・浮揚させることにより、焼結ベッ
ド(すでに焼結鉱となった層)の下層部にかかる荷重を
軽減し、通気性を改善し、燃焼効率を上げて生産性向上
およびNOX発生量低減等を実現させる方法が記載され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】磁気浮揚効果を十分に
発揮するためには、焼結鉱に作用する磁力をできるだけ
大きくすることを狙って、磁石下面(磁極面)と焼結鉱
とのギャップはなるべく小さくする必要がある。しか
し、この場合、磁気浮揚操業開始時に磁石と焼結表層と
のギャップを一定に設定した後、連続操業下では、操業
変動により焼結原料の層高が変動するので、焼結面がギ
ャップ設定時の磁石下面より高くなると、これが磁石と
衝突し、磁石が移動する焼結鉱に引きずられる等、操業
トラブルが生じる恐れがある。一方、それを防止するた
めに焼結表面と磁石下面とのギャップを大きくすると、
焼結鉱に作用する磁力が低くなり効率が悪い。したがっ
て、磁石のもつ能力を効率よく利用するためには、焼結
鉱に作用する磁石をできるだけ大きくするためにギャッ
プは小さく保ちつつ、操業変動により焼結層高が高くな
っても磁石との衝突を事前に回避する必要がある。
【0004】本発明は、磁気浮揚による焼結磁気吸引装
置において、焼結面と磁石が衝突するのを回避するため
の磁石移動手段により、操業変動による層高上昇時はこ
れを検知して衝突の事前に磁石を移動(退避)させて、
磁石が焼結鉱に引きずられる等の操業トラブルを防ぐと
共に、通常時はギャップを安定的に小さく保ち、大きな
浮揚力を発生させ、磁気浮揚効果(生産性,歩留,品質
等の向上)を大きくする焼結磁気吸引装置を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本願発明は、焼結鉱を磁気浮上させて原料層の通気
性を改善する空気下方吸引式磁気浮揚焼結法による焼結
磁気吸引装置において、 焼結鉱上部に設置された吸引
用磁石を移動させる磁石移動手段,原料の流れ方向の該
磁石設置位置より上流側の焼結鉱表面および原料層高方
向の磁石位置を検出するギャップ検出手段、および、こ
のギャップ検出値に基づき、該磁石下面と焼結鉱とのギ
ャップ値を算出し、少なくとも磁石下面領域での焼結表
面と磁石下面とのギャップ値が零となると、磁石を移動
させるべく、磁石移動手段への移動指令を出す磁石移動
制御手段、を備えることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】例えば、ギャップ検出手段(例え
ば超音波式ギャップセンサ等の距離計)が磁石位置(原
料層高方向位置)ならびに原料の流れ方向の磁石設置位
置より上流側の焼結面位置を、原料の流れ方向と直交す
る幅方向(パレット幅方向)のある1点または複数点で
検出する。この検出値を基に、磁石移動制御手段によ
り、ある一定周期毎に焼結表層と電磁石下面との空隙を
算出する。これが対象となるギャップである。そして磁
石が焼結面とあるギャップで初期設定された後、操業変
動により焼結層高が上昇して、この時上記の1点または
複数点のギャップが少なくとも零となる場合は、ライン
の移動により該焼結面が磁石下面位置に到達する前に磁
石移動制御手段の指示に基づき、磁石下面と焼結表面の
突出部を完全に回避できる高さまで磁石移動手段(磁石
を上部から吊り下げ、昇降駆動する昇降装置等)によ
り、磁石を移動(上昇)させる。なお、昇降装置の巻き
上げ速度VMおよび焼結ライン速度VLを一定とすると、
最上流に設置される磁石端部と磁石手前に設置されるギ
ャップセンサとの距離Lは次の条件を満たす必要があ
る。
【0007】L≧(VL/VM)・GC ・・・(1) ただし、 L:磁石上流側端部と磁石手前に設置されるギャップセ
ンサとの距離〔m〕 VL:ライン速度〔m/min〕 VM:昇降装置巻き上げ速度〔m/min〕 GC:電磁石下面と焼結層高上昇部(ギャップセンサ検
出値)との高さの差すなわちギャップ〔m〕 すなわち距離Lは、焼結層高が上昇して衝突の恐れがあ
る焼結鉱をギャップセンサが検知してから磁石をこれに
衝突させないために、昇降装置が巻き上げ、回避するの
に必要な時間分に相当する距離である。
【0008】そして、該磁石が衝突を完全回避するのに
要する時間が経過した後、再び磁石移動制御手段の指示
に基づき、磁石移動手段により磁石を移動前の設定高さ
まで下げる。
【0009】なお、焼結表層部を検出するギャップ検出
手段は、原料の流れ方向の焼結層高の変動に限らずパレ
ット幅方向の変動も検知して、磁石面のどの位置でも衝
突が回避できるよう、パレット幅方向に検出可能な範囲
で多数設置するのが望ましい。
【0010】
【実施例】図1〜図4に本発明の一実施例を示す。図2
がDL式焼結機の概要および本発明の一実施例の磁気吸
引装置Mi(Ma〜Me)の設置態様を示すもの、図3
が磁気吸引装置Miの拡大平面図であってギャップセン
サgsおよびgmの配設位置を示すもの、図1が磁気吸
引装置Miの1つの電気システム構成を示すもの、図4
が磁気吸引装置Miの1つの磁石支持構造の外観を示す
ものである。
【0011】この実施例は、焼結鉱を搬送する、エンド
レスに連結されたパレット9(図2〜4)の、焼結鉱原
料の表層に点火する点火炉50(図2)の点火位置から
焼結鉱排出位置(排鉱)までの間で、該パレット9上に
生成した焼結鉱10の表層に対向して焼結鉱上部に設置
された吸引用磁石Ma〜Me(図2,図3),これらの
それぞれ移動させる、磁石移動手段である昇降装置R
(図1,図4;Ma〜Meのそれぞれにあるものを、図
示はしないがR1〜R5と表現する),前記焼結表面およ
び磁石位置を検出するギャップセンサgs(gs1〜g
13)およびgm(gm1〜gm5)(図1,図3,図
4)ならびにこれらのギャップ検出値GS(GS1
S13),GM(GM1〜GM5)に基づき、該磁石下面と焼
結鉱とのギャップ値Gc(Gc1〜Gc5)を算出し、少な
くとも磁石下面領域でのギャップ値が零となると磁石を
移動させ、また、衝突回避後は、磁石を元の位置に設定
するために、昇降装置R(R1〜R5)の動作を切り替え
る磁石移動制御手段であるコントロ−ラCo(図1)を
備える。
【0012】コントロ−ラCoは、操業開始とともにギ
ャップ検出手段gs1〜gs13およびgm1〜gm5のギ
ャップ検出値に基づき、磁石と焼結表面とのギャップ値
c(Gc1〜Gc5)を、ある一定周期(サンプリング周
期)TSで算出する。なお、この時の原料層高方向の磁
石位置を初期の設定位置GMOとして記憶する。そして、
少なくとも磁石下面領域でのギャップ値Gcが零となる
と、各磁石に設定された昇降装置Rによる磁石移動を行
うべく、昇降装置の巻き上げ指令を、通電手段である通
電回路Sp(図1;Ma〜Meのそれぞれに宛てにある
ものを、図示はしないがSp1〜Sp5と表現する)に与
える。そして、昇降装置Rは通電回路Spからの通電に
より、磁石を一定速度VMで磁石下面と焼結面の突出部
を完全に回避できる高さまで巻き上げ、磁石を上方に移
動させる。さらに磁石を巻き上げ位置まで移動させて一
定時間TW(磁石下面の全領域を通過するまでの焼結ラ
イン速度VLと磁石長さLMで決まる時間)の後、コント
ロ−ラCoは、記憶している磁石移動前の設定位置GMO
になるまで、昇降装置Rへの下降指令を通電回路Spに
対して行う。
【0013】これを一連の磁石移動手順として、少なく
とも磁石下面領域でのギャップ値Gcが零となる度に実
施する。この実施例では、磁石を原料の流れ方向に複数
個設置しているので、各磁石毎に前記の磁石昇降駆動を
同様に行なう。
【0014】なお、磁石の配置については、図1に示す
配置の他に、焼結パレット9の幅より長い長尺な磁石を
除いて長辺を原料の流れ方向に向けて配置しても同様で
ある。
【0015】図5に、図2に示す点火炉50〜排鉱位置
までの、パレット9上の原料の燃焼状態を示す。ホッパ
ー30で焼結原料がパレット9に連続的に装入され、点
火炉50で原料の表面に着火される。着火した原料は、
排鉱位置に至るまでに順次表面から下方向に燃えてい
き、ブロア吸引ダクト60に加えられる吸引圧によって
原料の表層から下層に空気が吸引され、この空気が原料
下層への燃焼を促進する。排鉱位置に到達するまでに原
料は実質上すべて燃焼して焼結鉱に変わっており、焼結
鉱は排鉱位置でパレット9が下方向に旋回するときにパ
レットから落下する。パレット9上の原料が表層から下
層に燃焼が進行している行路上に磁気吸引装置Mi(M
a〜Me)が配設されており、表層の焼結鉱に磁束を与
え、上方に吸引する。
【0016】本実施例では、仕様を表1に示す常伝導電
磁石を図3のように原料の流れ方向に5台(Ma〜M
e)準備して焼結面積300m2(3m幅×100m
長)の焼結製造ラインの点火炉出口点から24mの位置
に最上流の電磁石Maを焼結鉱とのギャップを50mm
離して設置し、以降残りの電磁石は間隔1m毎に、やは
りギャップを50mm離してそれぞれ設定した。
【0017】
【表1】
【0018】図4に電磁石1台分における磁気吸引装置
の支持機構を示す。各電磁石は、発生吸引力を測定する
ためのロードセル13を介して架台20に吊り下げられ
ている。吊り下げ柱は昇降装置Rで上下駆動される。こ
の昇降装置Rを用いてパレット9上の原料(焼結鉱)の
表面から所定距離に電磁石下面を設定する。また、電磁
石の上部に磁石上面位置を検出する超音波式ギャップセ
ンサgmが各1台(計5台gm1〜gm5)、ならびに
最上流磁石の設置位置の更に上流側に焼結表面を検出す
る超音波式ギャップセンサgsが、最上流磁石の端部と
ギャップセンサを原料の流れ方向に距離2m{〔(1)
式〕で示した式で計算される距離を満たす}離し、また
パレット幅方向に間隔200mmで13台(gs1〜g
s13)設置されている。なお、全てのギャップセンサ
の設置高さはいずれも同じである。各電磁石は直流電源
盤80に、また各昇降装置Rの三相誘導モーターは、機
側操作盤100内のリレーを介して三相交流電源に結線
され、給電される(通電回路Sp)。さらに、コントロ
ーラCoには機側操作盤100が接続されている。電源
の準備の後、あらかじめ作業者が機側操作盤100よ
り、各電磁石について、焼結表面検出用のギャップセン
サgsの設置位置を基準とした原料の流れ方向の各電磁
石位置L〔m〕、ライン速度VL〔m/min〕、昇降装置
巻き上げ速度VM〔m/min〕、そして後に示す余裕ギャ
ップβ〔mm〕を設定し、コントローラCo内に記憶す
る。そして、操業開始前に電磁石を昇降装置によって所
定のギャップとなるまで下げる。以上で磁気印加の準備
が完了する。なお、このとき焼結原料の層高は550m
m、焼結ライン速度はVL=3.3m/min一定、昇降装
置の昇降速度はVM=0.18m/min一定であった。
【0019】磁気印加開始(操業開始)後は、コントロ
ーラ内で電磁石手前の焼結鉱表面を検出するギャップセ
ンサgs、および前記電磁石位置を検出するギャップセ
ンサgmの検出値に基づき、各電磁石の高さ方向位置G
MOをコントローラ内に設定、記憶する。そして、上記検
出値に基づき、コントローラ内に、あらかじめ設定した
下式によって、電磁石直下における焼結表面とのギャッ
プGを算出する: Gc=GS−(GM+W) ・・・(2) ただし、Gc:電磁石下面と焼結表面とのギャップ〔m
m〕 GS :ギャップセンサgsによって検出される焼結表面
までの距離〔mm〕 GM :ギャップセンサgmによって検出される電磁石上
面までの距離〔mm〕 W :ギャップセンサgmの検出点における電磁石高さ
〔mm〕。
【0020】本実施例では、ギャップセンサ検出値によ
るギャップ算出周期Ptは、0.2secとした。このギ
ャップGcに基づき、それが零または負となる場合は電
磁石下面と焼結鉱が衝突する恐れがあるとして、コント
ロ−ラCoは各電磁石の昇降装置R1〜R5(昇降装置)
の巻き上げ指令を通電手段Sp1〜Sp5に対して行う。
そして、昇降装置R(R1〜R5)は通電回路Sp(Sp
1〜Sp5)からの通電により、磁石を一定速度で指定位
置まで巻き上げを開始し、磁石を上方に移動させる。な
お、巻き上げ位置は、磁石下面と焼結面の突出部が完全
に接触しない高さまであり、ギャップセンサgmの検出
値では次式で与えられる。
【0021】GMU=GM0+Gc−β ・・・(3) ただし、 GMU:磁石上昇位置におけるギャップセンサgmの検出
値〔mm〕 GM0:磁石移動前の磁石位置〔mm〕 Gc:(2)式から求まる電磁石下面と焼結表面とのギャッ
プ値〔mm〕(零または負の値で、その絶対値は電磁石
下面と磁石下面より高い位置にある焼結層高上昇部との
高さの差に相当) β :余裕ギャップ〔mm〕 ここでβは、焼結面との衝突を防げても、ギャップ値G
cがほぼ零の場合では、大きな吸引力が発生し、焼結層
の剥離または電磁石が引きずられる等の問題が生じる可
能性があるので、これらが生じないために確保すべき空
間ギャップとして設定している。本実施例ではβは20
mmに設定した。
【0022】磁石の昇降は各電磁石の位置を検出するギ
ャップセンサgmの検出値GM(移動前ではGM=GM0
が、上記計算により求まるギャップ値GMUとなるまで、
磁石を上昇させる。さらに磁石を巻き上げ位置まで移動
させて下式で求める一定時間TW(磁石下面の全領域を
突出した焼結鉱が通過するのに要する焼結ライン速度と
磁石長さで決まる時間)が経過した後、コントロ−ラC
oは、記憶している磁石移動前の設定位置GM0になるま
で、昇降装置R(R1〜R5)への下降指令を通電回路S
p(Sp1〜Sp5)に対して行う: TW=LM/VL ・・・(4) ただし、 TW:磁石上昇完了から磁石下降開始までの時間〔mm〕 VL:ライン速度〔m/min〕 LM:該電磁石の原料の流れ方向長さ〔m〕。
【0023】すなわちTW〔min〕後に昇降装置の三相誘
導モータに逆通電(リレースイッチにより三相電源のU
相とW相の結線を反転する)し、操業開始時にコントロ
ーラ内に記憶された磁石位置GM0とギャップセンサgm
の検出値GMとを比較し、電磁石を初期の位置GM=GM0
(記憶された磁石位置)になるまで下げる。以上の一連
の動作(以下移動動作と称す)を焼結突出部の移動に合
わせて順次下流側の電磁石でも行う。
【0024】図6および図7に、1つの焼結突出部が吸
引装置Miを通過する間の、各電磁石Ma〜Meの移動
動作を時系列で示す。また、図8および図9にコントロ
ーラCoによる磁石移動制御動作を示す。図8および図
9を参照して、コントロ−ラCoの制御動作を説明す
る。なお、図8および図9には、磁石1台分についての
制御動作を示すが、設置される他の磁石に関しても、制
御動作は同様である。ただし、各磁石の配置位置によ
り、焼結突出部が到来する時刻が各磁石で異なるので、
その分の時間ずれがある。この時間ずれを図6および図
7に示している。
【0025】電源が入れられるとまず、コントローラC
o内のCPUの初期化が行なわれる。これにおいて、信
号の入出力ポートを待機時の信号レベルに設定し、カウ
ンタおよびタイマを初期化する。
【0026】次にコントローラCo内のCPUは、作業
者が機側操作盤100へ入力する入力値の読み取りを行
う(ステップ1)。ここで、作業者は、図3に示すよう
にギャップセンサgsの設置位置を基準とした各電磁石
の上流側端部との原料の流れ方向距離Li(i=1〜
5)を入力する。また、原料の流れ方向での各電磁石の
長さLMi,焼結ライン速度(一定値)VL、および、前
記余裕ギャップβiを入力する。CPUはこれらの入力
を内部メモリにセ−ブ(記憶)し、各磁石毎に移動を開
始するまでの待機時間TDi、および、磁石を巻き上げ位
置まで移動させて一定時間待機する時間TW(磁石下面
の全領域を突出した焼結鉱が通過するのに要する焼結ラ
イン速度と磁石長さで決まる時間)をあらかじめ設定し
た関数(計算式)により算出する(ステップ2,3)。
以下、カッコ内では「ステップ」という語を省略して、
ステップNo.数字のみを記す。
【0027】電源の準備、および各電磁石を昇降装置を
使用してギャップ設定(定常磁石位置に設定)した後、
CPUはスタート指示の入力があるのを待ち、スタート
指示があれば次の処理に進行するが、スタート指示がな
ければ再び機側操作盤100の入力読み取りに戻り、ス
タート入力が到来するまでこれを繰り返しており、スタ
ート指示入力の待機状態にある(1〜4の繰返し)。
【0028】スタート指示入力が到来するとCPUは、
時限値がPtのタイマPtをスタートする(4,5)。
そして、CPUは次に、各電磁石毎に設置されたギャッ
プセンサgmiの検出距離GMiを順次読み込む(6)。
なお、数字iは各電磁石に対応しており、本実施例では
i=1〜5で、原料の流れ方向で上流側が小さい値を示
す数字になっている。
【0029】次に、この時点でスタート指示後の処理実
行が、初回か否かをチェックする(7)。初回であれ
ば、先に読み込んだギャップセンサgmiの検出距離G
miを操業時の磁石定常位置(距離)としてGM0iにそれ
ぞれ設定する(8)。次に、パレット幅方向に設置され
たギャップセンサgsjの検出距離Gsjを順次読み込む
(9)。なお、数字jはギャップセンサgsに対応して
おり、本実施例ではj=1〜13である。
【0030】各ギャップセンサgsjの読み込みの後、
これらの読み込み値を用いて、あらかじめ設定された関
数〔式(2)〕の演算により、パレット幅方向(jの値
毎)の電磁石下面と焼結面とのギャップGjを算出する
(10)。そして、該読み込み時点での算出値Gj
内、最も小さいギャップ値GMINを選択する(11)。
そして、このギャップ値GMINが零以下か否かをチェッ
クする(12)。もし零以下であれば、磁石と焼結面が
衝突する恐れがあることを示し、移動動作が必要であ
る。一方、ギャップ値GMINが零より大きければ、移動
動作は不要であり、機側操作盤100にストップ入力が
あるかをチェックして(13)、ストップが指示されて
いれば、先に述べた操作開始前の機側操作盤からの入力
読み取り処理(1)に戻り、再びスタート指示がされる
のを待つが、ストップ指示が指定されていなければ、タ
イマPtがタイムオーバーとなるまで待機し(14)、
待機中にストップ入力,データ入力の有無をチェックし
入力があるとそれを読込む。デ−タ入力があったときに
は、それを該当するレジスタ(内部メモリの一領域)に
書込む。これにより、先にステップ1で読込んだデ−タ
が更新される。なお、ここでの入力がVLであればここ
でTD,TWを再度算出してデ−タTD,TWを算出値に更
新し、入力がLMであればTWを算出してデ−タTWを算
出値に更新する(14)。
【0031】上述のステップ12のチェックで移動動作
が必要(GMIN≦0)と判定された場合、CPUは、あ
らかじめ設定した関数〔式(3)〕による演算により、物
理的に磁石移動に必要な磁石上昇位置(上限位置)を各
電磁石のギャップセンサgmiの計測値GMUiとして設定
する(15)。その後、できるだけ焼結面への磁気印加
時間を稼ぐため、磁石移動時間を最小限にすることと
し、ステップ2で算出している待機時間TDiの経過を待
って(16)、それが経過すると、まず磁石上昇完了フ
ラグFl(後に示すが磁石が移動によって上限位置にあ
る時を1とする)が零か否かを判定する。移動動作開始
前は0であるので、この時は電磁石Miの昇降装置Ri
上昇駆動を実行する指令を機側操作盤内の通電回路Sp
iへ送る(17,18)。そして、電磁石上昇駆動によ
って、電磁石のギャップセンサgmiが先に示した電磁
石上昇距離GMUiを検出したか否かをチェックする(1
9)。検出する(電磁石の上昇が完了)と、磁石が上昇
完了したことを示すフラグFlに1を設定し(20)、
磁石上昇駆動を停止する指令を機側操作盤内の通電回路
Spiへ送る(21)。一方、検出していない(電磁石
の上昇が完了していない)場合は前記フラグFlは0の
ままである。
【0032】次に、磁石が移動動作により上昇完了後、
先に示した待機時間TWiが経過するのを待つ(22)。
経過していない間は経過するまで上限位置での待機を継
続するが、経過した場合は、次に昇降装置Riの下降駆
動する指令を機側操作盤内の通電回路Spiへ送る(2
3,24)。そして、電磁石下降駆動によって、電磁石
のギャップセンサgmiが磁石定常位置(距離)として
M0iを検出したか否かをチェックする(23)。検出
する(電磁石の定常位置設定が完了)と、該磁石の移動
動作が全て完了し、前記フラグFlを0(初期化)に設
定し(25)、磁石下降駆動を停止する指令を機側操作
盤内の通電回路Spiへ送る(26)。一方、検出して
いない(電磁石の定常位置設定が完了していない)場合
は、まだ電磁石が定常位置GM0iに到達していないの
で、電磁石下降駆動を継続し、上記のように各電磁石の
ギャップセンサgmiが先に示した磁石定常位置(距
離)としてGM0iを検出するまで処理を実行する。
【0033】以上が、磁石移動制御の一連の処理であ
り、ストップ入力指示があるまでは、各ギャップセンサ
の読み込みをPt周期で繰返しながら、ステップ9〜1
2の、磁石上駆動要否の判定を行ない要となるとステッ
プ15〜26の退避上駆動および戻し駆動を行なう。
【0034】なお、本実施例では、電磁石が下降中に移
動動作(上昇)の必要が生じた場合でも、焼結面の突出
量に合わせた移動動作が対応可能である。というのは、
ステップ15〜26の退避上駆動および戻し駆動の間
も、経由でステップ13およびタイマPtのタイムオ
−バチェックを行なって、タイムオ−バを待ち、タイム
オ−バしてからステップ5〜12の磁石上駆動要否の判
定を行ない、これを経てからステップ15〜26の退避
上駆動および戻し駆動に戻るからである。すなわち、ス
テップ15〜26の退避上駆動および戻し駆動とステッ
プ5〜12の磁石上駆動要否の判定とを実質上並行して
実行している。
【0035】また、電磁石巻き上げ高さ(上限位置)
は、焼結表面の突出部を衝突なしに完全に回避できる位
置であれば問題はなく、特定されない。さらに、本実施
例では、常電導磁石を使用したが、永久磁石を併用した
複合電磁石や超伝導磁石の場合でも同様である。また、
台数も5台に限らない。
【0036】本発明によって、操業変動による焼結層高
が変動し、実施例の中でピーク高さが通常より70mm
(磁石下面より20mm)高い位置に層高が上昇して
も、磁石移動動作によって電磁石を40mm上昇移動さ
せ、電磁石と焼結鉱が衝突したり、焼結鉱に引きずられ
る等、操業トラブルが発生することがなかった。また、
通常時のギャップを小さく(設定ギャップの50mm前
後に維持)でき、大きな吸引力が発生できたので、磁気
浮揚効果として、生産性が安定して15%程度向上し
た。
【0037】
【発明の効果】本発明を磁気浮揚焼結操業に適用するこ
とで、操業変動により磁石と焼結面が異常に接近して
も、磁石が焼結鉱に引きずられる等の操業トラブルを防
ぐと共に、通常時はギャップを小さく保ち、大きな浮揚
力を発生させられるので、安定した磁気浮揚効果(生産
性,歩留,品質等の向上)を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の中の1つの電磁石(図2
に示すMa〜Meの1つ)の昇降駆動系を示すブロック
図である。
【図2】 DL式焼結機の概要および本発明の一実施例
の磁気吸引装置Mi(Ma〜Me)の設置態様を示す縦
断面図である。
【図3】 図2に示す磁気吸引装置Miの拡大平面図で
ある。
【図4】 図2に示す磁気吸引装置Miの1つの磁石支
持構造の外観を示す斜視図である。
【図5】 図2に示すDL式焼結機において、パレット
9上の原料の燃焼状態を模式時に示す縦断面図である。
【図6】 図1に示すコントローラCoの磁石移動制御
による図2に示す磁気吸引装置Miの3つの電磁石Ma
〜Mcの昇降移動タイミングを示すタイムチャ−トであ
る。
【図7】図1に示すコントローラCoの磁石移動制御に
よる図2に示す磁気吸引装置Miの2つの電磁石Md,
Meの昇降移動タイミングを示すタイムチャ−トであ
る。
【図8】 図1に示すコントローラCoの磁石移動制御
の内容の一部を示すフローチャートである。
【図9】 図1に示すコントローラCoの磁石移動制御
の内容の残部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
gs,gs1〜13:焼結面位置検出用のギャップセンサ gm,gm1〜5 :磁石位置検出用のギャップセンサ Mi:焼結磁気吸引装置 M,Ma〜Me:電磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉 橋 敦 史 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結鉱を磁気浮上させて原料層の通気性
    を改善する空気下方吸引式磁気浮揚焼結法による焼結磁
    気吸引装置において、 焼結鉱上部に設置された吸引用磁石を上下に移動させる
    磁石移動手段,原料の流れ方向の該磁石設置位置より上
    流側の焼結鉱表面と原料層高方向の磁石位置とをそれぞ
    れ検出するギャップ検出手段、および、 このギャップ検出値に基づき、該磁石下面と焼結鉱との
    ギャップ値を算出し、少なくとも磁石下面領域での焼結
    表面と磁石下面とのギャップ値が零となると、磁石を移
    動させるべく、磁石移動手段への移動指令を出す磁石移
    動制御手段、を備えることを特徴とする焼結磁気吸引装
    置。
JP1641796A 1996-02-01 1996-02-01 焼結磁気吸引装置 Withdrawn JPH09210565A (ja)

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