JPH097926A - 照明装置及び露光装置 - Google Patents

照明装置及び露光装置

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JPH097926A
JPH097926A JP7159425A JP15942595A JPH097926A JP H097926 A JPH097926 A JP H097926A JP 7159425 A JP7159425 A JP 7159425A JP 15942595 A JP15942595 A JP 15942595A JP H097926 A JPH097926 A JP H097926A
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敬恭 長谷川
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圭司 吉村
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邦貴 小澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発光強度を正確に制御でき、露光むらを低減
することが可能な照明装置及び露光装置を提供する。 【構成】 レーザ制御系103は、パルスレーザ光源1
の発光強度を制御する発光強度制御手段と、発光時刻を
制御する発光時刻制御手段を有している。第1露光量検
出器14による検出結果に基づいた照度モニタ信号20
3を反映してレーザ制御系103は、発光強度と発光時
刻の制御を行っている。同時に次回の発光強度を予測す
る予測制御も行っている。これにより露光むらを平坦化
し、精度よく露光を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は照明装置に関し、特にI
C、LSI等の半導体デバイス、液晶デバイス、CCD
等の撮像デバイス、磁気ヘッド等のデバイスを製造する
際に用いるエキシマレーザを光源とした走査型露光装置
に使用される照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、ICパターンの大規模化、微細化
がますます求められてきている。前者の大規模化に応え
るために、スリット状の照明領域に対して、マスク及び
ウエハを同期して走査することによって広い面積を露光
する方式、所謂スリットスキャン方式を採用した走査型
露光装置が知られている。後者の微細化は、露光光の短
波長化によってなされ、従来の水銀ランプから遠紫外領
域の光を発するエキシマレーザが光源として用いられよ
うとしている。
【0003】エキシマレーザは、上限値で約2.5ms
ecの発光間隔に対して実際に発光している時間が数1
0nsecというパルス的な発光を行う光源である。ま
た、外部から与えられる制御量に対して、各発光パルス
毎における発光強度のばらつきが大きいという特徴を持
っている。
【0004】更に、ICパターンの大規模化、微細化に
伴ってパターン線幅管理精度が厳しくなり、ウエハの露
光むらにも厳しい精度が要求されている。例えば、25
6MDRAMでは0.25μmの線幅加工精度が必要と
され、この場合許容されうる露光むらは1%前後と見積
もられている。
【0005】エキシマレーザを光源とする走査型露光装
置において、露光むらを許容範囲に納めるために、エキ
シマレーザの充電電圧を変化させ発光強度を制御しなが
ら露光する方法が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】エキシマレーザの
発光強度は発光停止状態から発光させた場合、図15に
示すように、与える制御量(発光間隔、充電電圧等)が
同じであっても過渡的に発光強度がスパイク状に変化す
る現象(以後、スパイク現象と呼ぶ)が存在する。スパ
イク現象の生じている領域ではウエハの露光を行わない
方法や、スパイク現象を生じさせないためエキシマレー
ザを連続発光させ続ける方法も考えられる。しかし、エ
キシマレーザのチューブは比較的短寿命であるため、発
光された光は有効に使用すべきであり、露光ショット間
の移動を行っている時間やマスクとのアライメントを行
っている時間は、発光を停止させていた方が望ましい。
そのため、各露光ショット間の発光を停止させた場合、
過渡的な強度変化を考慮した発光強度の制御方法が必要
になる。
【0007】なお、本明細書において連続発光とは、パ
ルス発光を短い周期で繰り返し行うという意味で用いて
いる。
【0008】しかしながら、前述のエキシマレーザの充
電電圧を変化させて発光強度を制御するという方法は、
充電電圧を加減できる範囲が充電電圧の7〜8%という
狭い範囲に過ぎない。更に、充電電圧と発光強度ばらつ
きの関係は図16に示すように充電電圧が低くなるにつ
れて発光強度ばらつきが大きくなるため、スパイク現象
を完全に除去することは困難であった。
【0009】本発明は、上述のような従来の技術の問題
点に鑑みて、レーザの発光当初から正確な露光量制御を
可能にする走査型露光装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願第1発明は、発光毎に発光強度の変動を伴うパ
ルス光源より発した複数のパルス光により物体を照明す
る照明装置において、前記パルス光の発光強度を制御す
る発光強度制御手段と、前記パルス光の発光時刻を制御
する発光時刻制御手段とを有し、前記発光強度と前記発
光時刻とを前記パルス光源が連続発光中に制御すること
を特徴とする照明装置である。
【0011】本願第1発明の照明装置により、物体をむ
らなく均一に照明することができる。
【0012】本願第2発明は、本願第1発明の照明装置
を有することを特徴とする露光装置である。
【0013】本願第3発明は、本願第2発明の露光装置
を用いてデバイスを製造することを特徴とするデバイス
製造方法である。
【0014】本願第2発明の露光装置及び本願第3発明
のデバイス製造方法により、IC、LSI等の半導体デ
バイス、液晶デバイス、CCD等の撮像デバイス、磁気
ヘッド等のデバイスを正確に製造することができる。
【0015】本願第4発明は、本願第1発明の照明装置
を有することを特徴とする加工装置である。
【0016】本願第4発明の加工装置により、被加工物
を正確に加工することができる。
【0017】
【実施例】
(第1の実施例)図1は、本発明の一実施例を示す概略
図であり、IC、LSI等の半導体デバイス、液晶デバ
イス、CCD等の撮像デバイス、磁気ヘッド等のデバイ
スを製造する際に用いる露光装置を示す。
【0018】エキシマレーザ等のパルス光を放射するパ
ルスレーザ光源1からの光束は、ビーム整形光学系2に
より所望の形状に整形され、ハエノ目レンズ等のオプテ
ィカルインテグレータ3の光入射面に指向される。ハエ
ノ目レンズは複数の微小なレンズの集まりからなるもの
であり、その光射出面近傍に複数の2次光源が形成され
る。コンデンサレンズ4は、オプティカルインテグレー
タ3の2次光源からの光束でマスキングブレード6をケ
ーラー照明している。ハーフミラー5より分割されたパ
ルス光の一部は、第1露光量検出器14に指向される。
マスキングブレード6とレチクル9は、結像レンズ7と
ミラー8により共役な関係に配置されており、マスキン
グブレード6の開口の形状によりレチクル9における照
明領域の形と寸法が規定される。本実施例において、レ
チクル9における照明領域は、レチクル9の走査方向に
短手方向を設定した長方形のスリット形状である。11
は投影レンズであり、レチクル9に描かれた回路パター
ンをウエハ12に縮小投影している。ウエハステージ1
3上には第2露光量検出器15が配置されており、この
第2露光量検出器15により光学系を介した際のレーザ
の露光量をモニタする事ができる。16は高速シャッタ
である。
【0019】101は、レチクルステージ10とウエハ
ステージ13を投影レンズ10の倍率と同じ比率で正確
に一定速度で移動させるように制御するためのステージ
駆動制御系である。102は露光量演算器であり、第1
露光量検出器14及び第2露光量検出器15によって光
電変換された電気信号を論理値に変換して主制御系10
4に送っている。レーザ制御系103は、所望の露光量
に応じてトリガ信号201、放電電圧信号202をエキ
シマレーザ1に対して出力し、レーザ出力、及び発光間
隔を制御する。トリガ信号201、放電電圧信号202
は、露光量演算器102からの照度モニタ信号203
や、ステージ駆動制御系からのステージの現在位置信号
204、主制御系104からの履歴情報などのパラメー
タに基づいて発信される。104はステージ駆動制御系
101、露光量演算器102、レーザ制御系103を統
括制御する主制御系である。主制御系104により強度
指令値信号205が発光強度の目標値としてレーザ制御
系103に与えられる。所望の露光量は、入力装置10
5に装置使用者が手動で、あるいは自動的に入力する。
そして、第1露光量検出器14、第2露光量検出器15
の検出結果は、表示部106に表示することが可能であ
る。
【0020】本実施例では、図15に示したように各発
光パルス間の発光強度ばらつきが大きく、様々な周波数
成分を持っている場合に、周波数成分に応じて発光強度
制御と発光タイミング制御を使い分け、ウエハ上の露光
むらを平坦化する。
【0021】図2に、本実施例のレーザ制御系103の
構成概念図を示す。
【0022】ウエハステージ13の現在位置もしくは目
標値を反映する現在位置信号204は、速度検出部21
に入力され、速度信号に変換される。速度検出部21か
ら出力された速度信号は所定のゲインGsc22を乗算
されることにより、パルスレーザ光源1の基本的な発光
間隔を決定する基準値となり、概念上の加算器A23に
入力される。加算器A23の出力はトリガ生成器24に
入力され、発光間隔値が実際のパルス間隔に反映された
トリガ信号201となって出力される。
【0023】なお、概念上の加算器とは加算器としての
機能があればよいということであり、ハードウエアある
いはソフトウエアいずれかでその機能が実現できればよ
いということである。
【0024】露光量演算器102から出力された照度モ
ニタ信号203は、サンプルホールド回路25によって
ラッチされ、キャッシュメモリ26に発光強度が記録さ
れる。キャッシュメモリ26には走査露光による1ショ
ットを露光する間のすべての発光強度の計測値が記録さ
れる。キャッシュメモリ26にストアされたデータは、
1ショット間強度計測テーブル27として主制御系10
4に転送される。サンプルホールド回路25からの出力
は、他方では加算器B28において乗算器29の出力と
の差分をとられて偏差信号30となる。偏差信号30
は、可変周波数フィルタ(例えばローパスフィルタ)3
1に入力され、ゲインGw32を乗算されて加算器A2
3に逆位相で入力される。33は可変周波数フィルタ3
1の通過域指令信号であり、主制御系104から与えら
れる。
【0025】このフィードバック(以下、FBと略す)
機構により、発光強度ばらつきの低周波に当たる変動成
分に応じて発光タイミングを変更することができる。し
たがって、発光強度ばらつきの低周波成分に起因した露
光むらの平坦化が発光タイミング制御によってなされ
る。
【0026】一方、偏差信号30は、可変周波数フィル
タ31よりも高い周波数領域を通過領域とする可変周波
数フィルタ34に入力され、ゲインGc35を乗算され
て概念上の加算器C36に逆位相で入力される。37は
可変周波数フィルタ34の通過域指令信号であり、主制
御系104から与えられる。
【0027】このFB機構により、発光強度ばらつきの
高周波に当たる変動成分に応じて発光強度を変更するこ
とができる。したがって、発光強度ばらつきの高周波成
分に起因した露光むらの平坦化が発光強度制御によって
なされる。
【0028】なお、通過域指令信号33、37の設定配
分、及びゲインGw32、ゲインGc35の設定配分を
変化させることにより発光タイミング制御と発光強度制
御の比率配分及び切り替えが可能である。更に、通過域
指令信号33、37の配分を走査露光中に変化させるこ
とにより、FBモードを変化させることも可能である。
【0029】38はテーブル読み出し同期信号であり、
フィードフォワード(以下、FFと略す)テーブル39
内のカウンタ(不図示)によりパルス数がカウントされ
る。カウントされたパルス数に応じて、所定のFFデー
タがFFテーブル39から読み出され、主制御系104
から与えられた強度指令値信号205と共に、概念上の
乗算器29に入力される。乗算器29の出力は概念上の
加算器C36に入力される。加算器C36の出力はパル
スレーザ光源1に対する充電電圧信号202となる。
【0030】スパイク補正テーブル40は、図15に示
したような非制御時における過渡特性から、こうした過
渡的変化を打ち消すように設定された時間毎(パルス
毎)の補正データであり、FFテーブル39にセットさ
れる。すなわち、FFテーブル39の値がスパイク現象
による目標強度との偏差を補正する値に設定されている
ので、FFテーブル39の値を強度指令値205に乗算
することによってレーザの発光強度は平坦化される。
【0031】このFF機構によって、スパイク現象によ
る積算露光量むらを低減することができる。
【0032】同様の考え方で、FFテーブルの読み出し
値を乗算器29ではなく、加算器A23に与えてもよい
し、両者に共に与えてもよい。しかし加算器A23に対
するFFテーブルは、照明領域の強度分布の形状をパラ
メータとして考慮しなければならないため、異なるテー
ブルを用意する必要がある。
【0033】なお50、51は、レーザ非制御時のスパ
イク波形を計測する際にオフにするスイッチであり、こ
の際に計測されたデータからオリジナルのFFテーブル
を作成する。
【0034】図3に、スパイク現象を補正するためのF
Fテーブル作成のアルゴリズムを示す。
【0035】1回の露光プロセスで計測した発光強度の
データは1ショット間強度計測テーブル27としてキャ
ッシュメモリ26から読み出され、フィルタ51を介し
て加算器E52に入力される。フィルタ51は、強度計
測データのパルス軸方向のローパスフィルタであり、図
10で示したような強度計測データから高周波成分の発
光強度ばらつきを取り除き、ライン1のようなプロファ
イルを取り出す役目を持っている。加算器E52に入力
されたデータは、レーザ光源の目標出力値53と比較さ
れ、減算結果をバッファ54に格納する。バッファ54
に蓄積されたデータは、マルチプライヤ55によって所
定の倍率だけ乗算され、加算器F56に入力される。
【0036】一方、FFテーブル39に蓄積されたデー
タは、パルスレーザ光源1のスパイク補正のためのFF
データとして一旦読み出された後、前回露光時のFFデ
ータ57としてFFソーステーブル58に転送される。
FFソーステーブル58に格納されたデータは、新しい
FFテーブル39を作るために加算器F56に入力さ
れ、加算器F56の出力は新しいFFテーブル39とな
る。
【0037】次に、スパイク現象を補正するためのFF
テーブル作成のその他のアルゴリズムについて説明す
る。
【0038】図4及び図5は、本実施例のパルスレーザ
光源1(具体的にはエキシマレーザ)の発光開始からの
パルス数と発光強度の関係を示した図である。レーザ制
御量(発光間隔、充電電圧等)及び今回の連続発光開始
から次回の連続発光開始までの時間(Tw)は、それぞ
れの図において等しく且つ一定であるが、各連続発光間
の発光停止時間を図4においてはTa、図5においては
Tbと異ならせたものである。発明者らが行った実験に
より、発光停止時間が長くなるとスパイクの高さが高く
なることが分かっている。すなわちTa>Tbの時、E
max1>Emax2である。line1、line2
は複数のスパイク強度特性を平均化した、スパイク形状
を代表する曲線である。
【0039】このようにスパイク形状は発光停止時間に
応じて変化するため、レーザ光源非制御時のスパイク波
形から導いたFFソーステーブルを発光停止時間に応じ
て補正し、FFテーブルを作成する必要がある。その他
に、レーザ管球の温度、レーザの累積発光パルス数、1
回の連続発光時間、発光周波数、充電電圧等がFFテー
ブルに対して影響を与えるパラメータとして考えられ
る。
【0040】ここで、テーブル補正パラメータ群として
連続発光時間とレーザの累積発光パルス数を考慮した場
合のFFソーステーブルの補正式を示す。
【0041】レーザ光源非制御時のk番目のパルス光の
発光強度計測値をm(k)、レーザ光源非制御時の発光
強度の指令値をI0、レーザ光源非制御時の発光停止時
間をT0、実際に露光する際の発光停止時間をTx、レ
ーザの累積発光パルス数をN、補正パラメータ計測時の
累積発光パルス数をNmとすれば、k番目のFFテーブ
ルのデータは以下のようになる。
【0042】C(k)= (I0/m(k))×(α
(T0/Tx))× exp(−(N−Nm)/τ) ここで、αは発光停止時間とスパイクの高さの相関を比
例関係とみた時の比例定数、τはレーザ光源の強度減衰
の時定数である。
【0043】図6にスパイク現象を補正するための、F
Fテーブルを作成するフローチャートを示す。
【0044】ステップ601〜604は、レーザ光源非
制御時のスパイク波形を計測する手順である。ステップ
601では、スイッチ50、51をオフにすることによ
り、照度モニタ信号203から生成されるFB信号とF
Fテーブル39から送られるFF信号を切断し、パルス
レーザ光源1が一定の充電電圧、一定の発光間隔で発光
を行うようにする。ステップ602において発光を開始
し、発光強度を各パルス光において第1露光量検出器1
4もしくは第2露光量検出器15で計測する。ステップ
603では、計測された発光強度を逐次キャッシュメモ
リー26に格納する。パルスレーザ光源1の発光は走査
露光1ショット分に必要なパルス数だけ行われ、図4、
5のように複数回行われる。所望の精度が得られる程度
に計測を行ったら、ステップ604において非制御時の
発光を終了する。
【0045】ステップ605において、レチクル9及び
ウエハ12を走査露光開始位置まで移動し、ウエハ12
の露光プロセスに入る。ステップ606では、切断され
ていたスイッチ50、51を接続し、再びFF制御、F
B制御が行える状態になる。ステップ607では、FF
テーブル39に格納するためのデータC(k)を前述の
式に基づいて計算する。T0にはレーザ光源非制御時の
スパイク波形を計測する際の発光停止時間(例えば、図
4におけるTa)が、パラメータTxにはステップ60
4が終了してから露光を開始するステップ608直前ま
での予測される時間t1が代入される。
【0046】第1ショット以降は、ステップ609にお
いて次の露光ショットが走査露光開始できる位置までレ
チクル9及びウエハ12を移動させる。ステップ610
において、次の露光ショットが開始されるまで発光が停
止する時間tmを予測し、C(k)のパラメータTxに
代入する。tmは、各露光ショットのウエハ12上の位
置に対応して時間が異なる。ステップ611では最後の
ショットが終了したかどうかを判断し、最後でなければ
608に戻る。
【0047】図7にスパイク現象を補正するための、F
Fテーブルを作成するフローチャートのその他の例を示
す。
【0048】ステップ701〜704は、レーザ光源非
制御時のスパイク波形を計測する手順であり図6におけ
る601〜604とほぼ同様である。異なる点は、ステ
ップ701でスイッチ50、51をオフにすると同時に
高速シャッタ16を閉じている。このため、発光強度の
計測は第1露光量検出器14によって行われる。705
からはウエハステージ14とレチクルステージ13が走
査露光開始位置まで移動し、ウエハーの露光プロセスに
入る。
【0049】ステップ706において高速シャッタ16
が閉じていてかつ、制御がかけられていない状態でレー
ザ発光が行われ、所定の数すなわちテーブル補正倍率を
十分な精度で計算できる数のパルス光が発光され、発光
強度を第1露光量検出器14で計測する。ステップ70
7において、露光が開始する直前までにステップ706
において計測した発光強度計測データを代表する近似曲
線を求め、この近似曲線におおよそ合致するようにFF
ソーステーブルを伸縮するテーブル補正倍率を計算し、
補正されたFFテーブルを作成する。更にステップ70
7とプロセスを並行してステップ708において、スイ
ッチ50、51をオンにすると同時に高速シャッタ16
を開く。ステップ709でFFテーブルから読み出した
値に基づいて走査露光を行う。露光が終わるとステップ
710において次の露光ショットが走査露光開始できる
位置までレチクル9及びウエハ12を移動させる。ステ
ップ711で、最後のショットが終了したかどうかを判
断し、最後でなければステップ712において高速シャ
ッターを閉じ、ステップ706からの過程を再び繰り返
す。
【0050】このようにして、スパイク補正のためのF
Fデータは常に更新されていくので、レーザ光源のチュ
ーブの経時変化等が起こってスパイクの形状が変化して
も、スパイク補正テーブルはその変化に自動的に追従す
るようになる。
【0051】(第2の実施例)次に本発明の第2の実施
例について説明する。
【0052】本実施例の走査型露光装置の構成は、図1
に示した第1の実施例で説明したものと同じであるの
で、説明は省略する。
【0053】図8に、本実施例のレーザ制御系103の
構成概念図を示す。図2に示した第1の実施例と同符号
のものは同じ機能を有しており、以下に第1の実施例と
異なる点について説明する。
【0054】サンプルホールド回路25からの出力は加
算器B28に入力し、乗算器29の出力との差分をとら
れて偏差信号30となる。偏差信号30はゲインGw3
2を乗算され、加算器A23に入力される。ゲインGw
32のゲインは、コンパレータ41からのゲインコント
ロール信号42によって制御されている。コンパレータ
41は、主制御系104から与えられた閾値指令信号4
3(C0)と充電電圧信号202を比較監視しており、
充電電圧信号202に応じてゲインを変更している。
【0055】コンパレータ41への入力信号(本実施例
では充電電圧信号202)とゲインコントロール信号4
2との関係の一例を図9に示す。本実施例において、ゲ
インコントロール信号42はHiとLoの2通りの値の
みをとっているが、充電電圧信号202とゲインコント
ロール信号42との関係を連続的な曲線で変化させる応
用例も考えられる。さらに閾値指令信号43とゲインコ
ントロール信号42の配分を露光中に変化させることに
より、FBモードを変化させることも可能である。
【0056】以上説明したように、本実施例は、目標強
度との偏差量に応じて変化する充電電圧信号202の絶
対値に基づいて、発光強度制御と発光タイミング制御の
混合比率を制御することによって、露光むらを平坦化す
ることができる。
【0057】次にスパイク現象を低減するための本実施
例のFF機構について説明する。
【0058】パルス数に応じて、所定のFFデータがF
Fテーブル39から読み出され、主制御系104から与
えられた強度指令値信号205と共に、概念上の乗算器
29に入力される。加算器C36には、乗算器29の出
力を2倍にしたものとサンプルホールド回路25からの
出力を逆位相にしたものが入力される。そして、加算器
C36の出力がパルスレーザ光源1に対する充電電圧信
号202となる。
【0059】このFF機構によって、スパイク現象を低
減することができる。
【0060】同様の考え方で、FFテーブルの読み出し
値を乗算器29ではなく、加算器A23に与えてもよい
し、両者に共に与えてもよい。
【0061】また、スパイク補正テーブルを作成するた
めのアルゴリズムも、第1の実施例に示したものと同じ
である。ただし、レーザ光源非制御時のスパイク波形を
計測する際には、強度指令値205が直接充電電圧信号
202になるべく図8の場合とは逆にスイッチ52を切
り替える必要がある。
【0062】(第3の実施例)次に本発明の第3の実施
例について説明する。
【0063】本実施例の走査型露光装置の構成も、図1
に示した第1の実施例で説明したものと同じであるの
で、説明は省略する。
【0064】図10に、本実施例のレーザ制御系103
の構成概念図を示す。第1、第2の実施例と同符号のも
のは同じ機能を有しており、以下に前述の実施例と異な
る点について説明する。
【0065】本実施例が第2の実施例と異なる点は、充
電電圧信号202がスライサ44によって制御されてい
る点である。スライサ44は、図11に示したような入
出力関係を持ち、閾値は主制御系104からの閾値指令
信号45によって決定される。
【0066】また、発光間隔の制御に関しては、コンパ
レータ41に入力される信号が第2の実施例では充電電
圧信号202であったのに対して、本実施例では加算器
C29からの出力信号が入力され、閾値指令信号43と
比較してゲインコントロール信号42を出力している。
なお、コンパレータ41への入力信号(本実施例では加
算器C29の出力信号)とゲインコントロール信号42
との関係は、第2の実施例で用いた図5と同じものであ
る。更に、加算器A23に対するFB機構も第2の実施
例と同じものである。
【0067】本実施例においては、閾値指令信号43と
閾値指令信号45は同じ値を用いているが、異なった値
でもよい。
【0068】本実施例のFB機構、FF機構によって、
露光むらを平坦化することができる。
【0069】また第1、第2の実施例と同様に、FFテ
ーブルの読み出し値を乗算器29ではなく、加算器A2
3に与えてもよいし、両者に共に与えてもよい。
【0070】そして、スパイク補正テーブルを作成する
ためのアルゴリズムも、第1の実施例に示したものと同
じである。
【0071】(第4の実施例)次に本発明の第4の実施
例について説明する。
【0072】本実施例の走査型露光装置の構成は、図1
に示した第1の実施例で説明したものと同じであるの
で、説明は省略する。
【0073】図12に、本実施例のレーザ制御系103
の構成概念図を示す。第1、第2、第3の実施例と同符
号のものは同じ機能を有しており、以下に前述した実施
例と異なる点について説明する。
【0074】本実施例では、発光タイミング制御のみが
FB機構を有しており、発光タイミング制御、発光強度
制御が独立して行われている。このような形態でも露光
むらを平坦化することができる。更に、本実施例に示し
たものとは逆に発光タイミング制御がFF機構を、発光
強度制御がFB機構を有するようなものでも同様な効果
が得られるのは言うまでもない。
【0075】そして、スパイク補正テーブルを作成する
ためのアルゴリズムも、第1の実施例に示したものと同
じである。
【0076】なお、第1乃至第4の実施例においては走
査型露光装置を例にあげ説明してきたが、ステッパ等の
非走査型の露光装置にも本発明は適用できるものであ
る。更には露光装置に限らず、パルスレーザ光源を有す
る照明装置や加工装置にも適用できるものであり、照明
むらや加工むらを低減することができる。
【0077】(第5の実施例)次に、本発明の露光装置
を利用した半導体デバイスの製造方法の実施例を説明す
る。
【0078】図13は半導体デバイス(ICやLSI等
の半導体チップ、液晶パネルやCCD)の製造フローを
示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回
路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では設計した
回路パターンを形成したマスク(レチクル9)を制作す
る。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の
材料を用いてウエハ(ウエハ12)を製造する。ステッ
プ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意し
たマスクとウエハとを用いて、リソグラフィー技術によ
ってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5
(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作
成されたウエハを用いてチップ化する工程であり、アッ
センブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケー
ジング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6
(検査)ではステップ5で作成された半導体デバイスの
動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうし
た工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ス
テップ7)される。
【0079】図14は上記ウエハプロセスの詳細なフロ
ーを示す。ステップ11(酸化)ではウエハ(ウエハ1
2)の表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では
ウエハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極
形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ス
テップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち
込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハにレジ
スト(感材)を塗布する。ステップ16(露光)では上
記露光装置によってマスク(レチクル9)の回路パター
ンの像でウエハを露光する。ステップ17(現像)では
露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチン
グ)では現像したレジスト以外の部分を削り取る。ステ
ップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要
となったレジストを取り除く。これらステップを繰り返
し行うことによりウエハ上に回路パターンが形成され
る。
【0080】本実施例の製造方法を用いれば、従来は難
しかった高集積度の半導体デバイスを製造することが可
能になる。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、発光強度を正確に制御
でき、露光むらを低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走査型露光装置の概略図である。
【図2】第1の実施例における露光装置のレーザ制御系
の構成概念図である。
【図3】スパイク補正テーブルを作成するためのアルゴ
リズムを示した図である。
【図4】連続発光を繰り返すレーザ光源の過渡的な発光
強度の変化と減衰曲線(ライン1)を示した図である。
【図5】連続発光を繰り返すレーザ光源の過渡的な発光
強度の変化と減衰曲線(ライン1)を示した図である。
【図6】フィードフォワードテーブルを作成するフロー
チャートの一例である。
【図7】フィードフォワードテーブルを作成するフロー
チャートのその他の例である。
【図8】第2の実施例における露光装置のレーザ制御系
の構成概念図である。
【図9】第2の実施例におけるコンパレータの入出力特
性を示した図である。
【図10】第3の実施例における露光装置のレーザ制御
系の構成概念図である。
【図11】第3の実施例におけるスライサの入出力特性
を示した図である。
【図12】第4の実施例における露光装置のレーザ制御
系の構成概念図である。
【図13】半導体デバイスの製造工程を示す図である。
【図14】図13の工程中のウエハプロセスの詳細を示
す図である。
【図15】エキシマレーザ光源の発光開始からの過渡的
な強度変化を表した図である。
【図16】レーザの充電電圧と発光強度ばらつきの関係
を示した図である。
【符号の説明】
1 パルスレーザ光源 2 ビーム整形光学系 3 オプティカルインテグレータ 4 コンデンサレンズ 5 ハーフミラー 6 マスキングブレード 7 結像レンズ 8 ミラー 9 レチクル 10 レチクルステージ 11 投影レンズ 12 ウエハ 13 ウエハステージ 14 第1露光量検出器 15 第2露光量検出器 16 高速シャッタ 101 ステージ駆動制御系 102 露光量演算器 103 レーザ制御系 104 主制御系 105 入力装置 106 表示部 201 トリガ信号 202 充電電圧信号 203 照度モニタ信号 204 現在位置信号 205 強度指令値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小澤 邦貴 神奈川県川崎市中原区今井上町53番地キヤ ノン株式会社小杉事業所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光毎に発光強度の変動を伴うパルス光
    源より発した複数のパルス光により物体を照明する照明
    装置において、前記パルス光の発光強度を制御する発光
    強度制御手段と、前記パルス光の発光時刻を制御する発
    光時刻制御手段とを有し、前記発光強度と前記発光時刻
    とを前記パルス光源が連続発光中に制御することを特徴
    とする照明装置。
  2. 【請求項2】 前記パルス光の発光強度を検出する発光
    強度検出手段を有し、該発光強度検出手段の検出結果に
    応じて、前記発光強度を制御することを特徴とする請求
    項1記載の照明装置。
  3. 【請求項3】 前記パルス光の発光強度を検出する発光
    強度検出手段を有し、該発光強度検出手段の検出結果に
    応じて、前記発光時刻を制御することを特徴とする請求
    項1、2記載の照明装置。
  4. 【請求項4】 前記パルス光の発光強度を検出する発光
    強度検出手段を有し、該発光強度検出手段の検出結果に
    基づいた前記パルス光の発光強度の変動の周波数成分に
    応じて、前記発光強度制御手段と前記発光時刻制御手段
    とを使い分けることを特徴とする請求項1記載の照明装
    置。
  5. 【請求項5】 前記パルス光の発光強度を予測する発光
    強度予測手段を有し、該発光強度予測手段の予測値に応
    じて、前記発光強度を制御することを特徴とする請求項
    1乃至4記載の照明装置。
  6. 【請求項6】 前記パルス光の発光強度を予測する発光
    強度予測手段を有し、該発光強度予測手段の予測値に応
    じて、前記発光時刻を制御することを特徴とする請求項
    1乃至5記載の照明装置。
  7. 【請求項7】 前記パルス光の発光強度を検出する発光
    強度検出手段を有し、該発光強度検出手段の検出結果に
    応じて、前記発光強度予測手段の予測値を更新すること
    を特徴とする請求項5、6記載の照明装置。
  8. 【請求項8】 前記発光強度制御手段は、前記パルス光
    源に充電する充電電圧を制御することにより発光強度を
    制御することを特徴とする請求項1乃至7記載の照明装
    置。
  9. 【請求項9】 前記パルス光源は、エキシマレーザであ
    ることを特徴とする請求項1乃至8記載の照明装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9記載の照明装置を有す
    ることを特徴とする露光装置。
  11. 【請求項11】 前記パルス光源より発した複数のパル
    ス光が順次形成する照明領域をマスク及びウエハに対し
    て相対的に走査する走査手段を有し、前記照明領域を前
    記マスク及びウエハ上で変位させながら重ね合わせ、前
    記照明領域よりも広い領域を照明し、前記マスクに形成
    された転写パターンを前記ウエハに露光転写することを
    特徴とする請求項10記載の露光装置。
  12. 【請求項12】 請求項10、11記載の露光装置を用
    いてデバイスを製造することを特徴とするデバイスの製
    造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至9記載の照明装置を有す
    ることを特徴とする加工装置。
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