JPH0978458A - ウレタン樹脂系耐久制電吸水剤、及び耐久制電吸水性繊維材の製造方法 - Google Patents

ウレタン樹脂系耐久制電吸水剤、及び耐久制電吸水性繊維材の製造方法

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JPH0978458A
JPH0978458A JP23552095A JP23552095A JPH0978458A JP H0978458 A JPH0978458 A JP H0978458A JP 23552095 A JP23552095 A JP 23552095A JP 23552095 A JP23552095 A JP 23552095A JP H0978458 A JPH0978458 A JP H0978458A
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雅子 古川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般的な加工機で容易に加工することがで
き、かつ、染色堅牢度に優れる耐久制電吸水剤を提供す
る。 【解決手段】 エチレンオキサイドを50重量%以上含
有し、遊離イソシアネート基を1分子当り1〜2.5個
有するウレタンプレポリマーを、重亜硫酸塩及び/又は
有機系ブロック化剤によりブロック化してなる、ウレタ
ンプレポリマーブロック化物を、必須成分として含有す
るウレタン樹脂系耐久制電吸水剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散染料の染色堅
牢度に優れた耐久制電吸水剤、及びそれを用いた耐久制
電吸水性繊維材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の分散染料の染色堅牢度に優れた耐
久制電吸水剤としては、例えばポリエーテル系アクリレ
ート樹脂が知られている。
【0003】しかしながら、このような従来の分散染料
の染色堅牢度に優れた耐久制電吸水剤にあっては、反応
形式上、酸素の存在を嫌う。このため、こうした薬剤を
用いるためには、特殊な加工機の導入が必要となってい
たため、一般の加工場では使用することができないとい
う問題点があった。
【0004】また、一般加工場で通常使用されている加
工機により容易に加工することのできる耐久制電吸水剤
として知られる水系の熱反応型ウレタン樹脂(特公昭5
7−42748号、特公平6−89323号)は分散染
料の染色堅牢度を著しく低下させるために限定用途にし
か用いることができないという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の問題点に着目してなされたものであり、一般の加工
機で容易に加工することができ、かつ、染色堅牢度に優
れる耐久制電吸水剤、及びそれを用いた耐久制電吸水性
繊維材の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のウレタン樹脂系
耐久制電吸水剤は、エチレンオキサイド(以下EOと省
略する)を50重量%以上含有し、遊離イソシアネート
基を1分子当り1〜2.5個有するウレタンプレポリマ
ーを、重亜硫酸塩及び/又は有機系ブロック化剤により
ブロック化してなる、ウレタンプレポリマーブロック化
物を、必須成分として含有するものである。
【0007】ここで、前記ウレタンプレポリマーの1分
子当りの遊離イソシアネート基の個数、即ち、前記ウレ
タンプレポリマーの平均官能基数は、好ましくは、1〜
2.3、より好ましくは、1〜2.0である。
【0008】本発明の耐久制電吸水性繊維材の製造方法
は、前記ウレタン樹脂系耐久制電吸水剤で繊維材を処理
して、該繊維材に耐久制電吸水性を付与するものであ
る。
【0009】本発明において繊維材とは、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ビニロン、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、スパンデックスなどの合
成繊維、木綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、レーヨ
ン、アセテートなどの再生繊維などの繊維、並びに、こ
れらの混紡、交織、交編、交配によって得られる布帛、
編物、糸、綿、不織布などの繊維製素材及び繊維製品を
含むものである。
【0010】本発明のウレタン樹脂系耐久制電吸水剤
は、特殊な加工機での使用に限定されることなく、一般
的な加工機で容易に加工することができる。そして、こ
れを用いて繊維材等を処理することにより、繊維材等に
耐久性のある制電性と吸水性を付与し、さらに、還元洗
浄工程及び/又はソーピング工程を経ることにより、染
色堅牢度に優れた仕上りにすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】前記ウレタンプレポリマーブロッ
ク化物の製造については、以下に述べる方法が挙げられ
る。
【0012】分子量400〜10,000で1個以上の
活性水素基を有する化合物と有機ポリイソシアネートを
任意の割合にて反応させ、EO含有量50重量%以上で
0.5〜4.0重量%の遊離イソシアネート基を含有す
るウレタンプレポリマーとし、熱解離するブロック化剤
でブロック化する方法。
【0013】このとき使用する活性水素基を有する化合
物は、1分子あたりのEO含有量が0〜100重量%の
間で使用可能である。プレポリマー成分として同時に複
数のEO含有量の異なる活性水素基を有する化合物を使
用してもよい。但し、ウレタンプレポリマーになったと
きに、ウレタンプレポリマーのEO含有量として50重
量%以上になるように設計することを必須とする。
【0014】また、この活性水素基を有する化合物は、
活性水素基数が異なるものを同時に複数使用してもよ
い。
【0015】活性水素基を有する化合物としては、以下
のものが挙げられる。
【0016】活性水素基1個を含有する化合物として
は、アルキルアルコールにアルキレンオキサイド(例え
ば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド)を付加重合した化合物が挙げられる。
ここで、アルキルアルコールとしては、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。
【0017】活性水素基を2個以上含有する化合物と
しては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ール、ポリエステルポリエーテルポリオールが挙げられ
る。
【0018】ここで、ポリエーテルポリオールとして
は、2個以上の活性水素基含有化合物に上記のようなア
ルキレンオキサイドを付加重合させた化合物が挙げられ
る。
【0019】この2個以上の活性水素基含有化合物とし
ては、多価アルコール、アミン類が挙げられ、多価アル
コールとしては、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタン
ジオールまたはデカンジオール等のジオール類、グリセ
リン、ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン等のトリオール類、エリスリトー
ル、ペンタエリスリトール、ソルビトールまたはショ糖
等のポリオール類が挙げられる。
【0020】また、アミン類としては、エタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミ
ンまたはトリブタノールアミン等のアルカノールアミン
類、N−メチルアミン、アンモニア、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等
のポリアルキレンポリアミン類、ジアミノジフェニルメ
タン、フェニレンジアミン、キシレンジアミン、ピペラ
ジン等が挙げられる。
【0021】ポリエステルポリオールとしては、二塩基
性脂肪酸またはそれらの無水物と、前記多価アルコール
類、前記ポリエーテルポリオール等の重縮合物が挙げら
れる。
【0022】有機ポリイソシアネート化合物としては、
トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(p−MDI)、ポリフェニルポリ
メチルポリイソシアネートで代表される液状MDI、粗
MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラ
メチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、水
素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(12H−MD
I)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙
げられるが、無黄変性を考慮する場合には、ヘキサメチ
レンジイソシアネート(HMDI)等の脂肪族イソシア
ネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(
12H−MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)等の脂環式イソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシア
ネート(TMXDI)等の芳脂環族イソシアネートが好
ましい。
【0023】これらの構成単位で、分子量400〜1
0,000で1個以上の活性水素基を有する化合物をポ
リオール成分とし、これと有機ポリイソシアネートを反
応させて、EO含有量50重量%以上で、0.5〜4.
0重量%の遊離イソシアネート基を含有するウレタンプ
レポリマーを得る。
【0024】このとき使用する、活性水素基を有する化
合物は、前記のごとく、ウレタンプレポリマーのEO含
有量が50重量%以上となるよう任意に選択されるもの
であり、さらに、ポリオール成分と有機ポリイソシアネ
ートのモル比(活性水素基/NCO基のモル比)も、ウ
レタンプレポリマーの遊離イソシアネート基の数が1分
子当り1〜2.5、好ましくは1〜2.3、より好まし
くは1〜2.0となるよう任意に選択されるものであ
る。
【0025】また、ポリオール成分と有機ポリイソシア
ネートの反応温度及び時間は、30〜130℃で、30
分〜50時間である。
【0026】なお、ウレタンプレポリマーの合成は、非
溶剤系で可能であるが、ウレタンプレポリマーの粘度に
よっては、イソシアネートと不活性な、かつ、ウレタン
プレポリマーを溶解し得る溶剤を用いてもよい。これら
には、ジオキサン、メチルエチルケトン、ジメチルホル
ムアミド、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロ
リドン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート等が挙げられる。
【0027】次に、遊離イソシアネート基を含むウレタ
ンプレポリマーをブロック化する方法を以下に説明す
る。ブロック化剤としては、常温以上、かつ、100℃
以下でウレタンプレポリマーと反応し、ブロック化でき
るもので、遊離イソシアネート基をブロックすることが
できる。このようなものとして、有機系ブロック化剤と
しては、2〜3級アルコール類、活性メチレン化合物、
フェノール類、オキシム類、ラクタム類、イミダゾール
類が挙げられる。また、このようなブロック化剤として
重亜硫酸塩には、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウ
ムなどが挙げられる。この重亜硫酸塩によるブロックで
は、適当な濃度に重亜硫酸塩を水に溶解して実施する公
知の方法を用いる。
【0028】以上のようにして合成したウレタンプレポ
リマーブロック化物は、安定な水溶性の熱反応性ウレタ
ン組成物であり、100〜180℃に加熱処理すること
によりブロック化剤が解離してイソシアネート基が再生
し、引き続いてイソシアネート基が反応して高分子化す
る。
【0029】このウレタンプレポリマーブロック化物を
必須成分として含有するウレタン樹脂系耐久制電吸水剤
を用いて繊維材に耐久制電吸水性を付与するには、浸
漬、浸透、スプレー、コーティングなど公知の方法によ
って、繊維材に前記耐久制電吸水剤を付与し、しかる後
に加熱処理を施す。さらに、公知の還元洗浄及び/又は
ソーピングを施して、染色堅牢度に優れた耐久制電吸水
性繊維材を得る。
【0030】なお、加熱処理時における前記高分子化を
促進させるために、本ウレタン樹脂系耐久制電吸水剤に
は、繊維材への処理前に、適宜に触媒を加えてもよい。
【0031】本発明のウレタン樹脂系耐久制電吸水剤で
は、熱反応性のウレタンプレポリマーブロック化物が、
加熱により高分子化することによって、繊維材などの各
種素材に耐久性を付与する。特にポリエステル製の繊維
材に効果的である。
【0032】また、ウレタンプレポリマー中のEO含有
量を50%重量以上とすることにより、制電性と吸水性
を付与する。
【0033】さらに、ウレタンプレポリマーブロック化
物の平均官能基数を1〜2.5と一般のウレタンプレポ
リマーブロック化物より低くすることで、樹脂に対する
分散染料の透過力を高くできる。このため、還元洗浄段
階で過剰の分散染料は洗い流される。よって、加工上が
りの繊維材は、樹脂をつけない、即ち未加工の繊維材と
同程度の染色堅牢度を示すことができる。また、官能基
数が低いため、風合いもソフトになる。
【0034】また、ウレタンプレポリマーブロック化物
の官能基数と付着量の調節によって、染色堅牢度と耐久
制電吸水性を両立させることができる。
【0035】なお、本発明の耐久制電吸水性を阻害しな
い範囲で、通常使用される樹脂類、例えば尿素系樹脂、
メラミン系樹脂、グリオキザール系樹脂、エポキシ系樹
脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、フッ素系樹脂、ビ
ニル系樹脂、ポリウレタン樹脂等、さらに、各種カチオ
ン系、アニオン系、非イオン系、両性イオン系等の一次
静電防止剤や界面活性剤、ポリビニルアルコール(PV
A)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリア
ルキレングリコール等の水溶性高分子を併用することが
できる。
【0036】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量
%を示す。
【0037】製造例1 片末端をメチル封鎖したエチレンオキサイド重付加物
(分子量2,500)300部にヘキサメチレンジイソ
シアネート20部を添加し、100℃で2時間反応を行
い、遊離イソシアネート基1.6%を有するウレタンプ
レポリマー(EO=94%、平均官能基数(1分子当り
の有機イソシアネート基数をいう、以下同じ。)1)を
得た。次に、30%重亜硫酸ナトリウム水溶液47部を
添加し、45℃で60分間撹拌を行った後、水700部
で希釈し、樹脂分30%の透明粘稠なアニオン性ブロッ
ク化イソシアネート水溶液を調製した。
【0038】製造例2 片末端をメチル封鎖したエチレンオキサイド重付加物
(分子量2,500)62.5部とエチレンオキサイド
重付加物(分子量2,000)200部にヘキサメチレ
ンジイソシアネート38部を添加し、100℃で2時間
反応を行い、遊離イソシアネート基3.2%を有するウ
レタンプレポリマー(EO=87%、平均官能基数1.
8)を得た。次に、30%重亜硫酸ナトリウム水溶液8
7部を添加し、45℃で60分間撹拌を行った後、水6
16部で希釈し、樹脂分30%の透明粘稠なアニオン性
ブロック化イソシアネート水溶液を調製した。
【0039】製造例3 片末端をメチル封鎖したエチレンオキサイド重付加物
(分子量2,500)62.5部とエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド[EO/PO=50/50]
重付加物(分子量2,000)200部にヘキサメチレ
ンジイソシアネート38部を添加し、100℃で2時間
反応を行い、遊離イソシアネート基3.2%を有するウ
レタンプレポリマー(EO=54%、平均官能基数1.
8)を得た。次に、30%重亜硫酸ナトリウム水溶液8
7部を添加し、45℃で60分間撹拌を行った後、水6
16部で希釈し、樹脂分30%の透明粘稠なアニオン性
ブロック化イソシアネート水溶液を調製した。
【0040】製造例4 エチレンオキサイド重付加物(分子量2,000)25
0部にヘキサメチレンジイソシアネート42部を添加
し、100℃で2時間反応を行い、遊離イソシアネート
基3.6%を有するウレタンプレポリマー(EO=86
%、平均官能基数2)を得た。次に、30%重亜硫酸ナ
トリウム水溶液95部を添加し、45℃で60分間撹拌
を行った後、水586部で希釈し、樹脂分30%の透明
粘稠なアニオン性ブロック化イソシアネート水溶液を調
製した。
【0041】製造例5 エチレンオキサイド重付加物(分子量2,000)25
0部にヘキサメチレンジイソシアネート42部を添加
し、100℃で2時間反応を行い、遊離イソシアネート
基3.6%を有するウレタンプレポリマー(EO=86
%、平均官能基数2)を得た。次に、メチルエチルケト
オキシム24部を添加して60℃で1時間反応し、ウレ
タンプレポリマー中の遊離イソシアネート基が0%にな
ったことを確認した後、水657部を添加して樹脂分3
0%の透明なブロック化イソシアネート水溶液を調製し
た。
【0042】製造例6 グリセリンベースによるエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド[EO/PO=80/20]重付加物(分
子量8,000)130部とエチレンオキサイド重付加
物(分子量2,000)70部にヘキサメチレンジイソ
シアネート20部を添加し、100℃で2時間反応を行
い、遊離イソシアネート基2.3%を有するウレタンプ
レポリマー(EO=79%、平均官能基数2.3)を得
た。次に、30%重亜硫酸ナトリウム水溶液42部を添
加し、45℃で60分間撹拌を行った後、水471部で
希釈し、樹脂分30%の透明粘稠なアニオン性ブロック
化イソシアネート水溶液を調製した。
【0043】製造例7 グリセリンベースによるエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド[EO/PO=80/20]重付加物(分
子量8,000)400部とエチレンオキサイド重付加
物(分子量2,000)100部にヘキサメチレンジイ
ソシアネート42部を添加し、100℃で2時間反応を
行い、遊離イソシアネート基1.9%を有するウレタン
プレポリマー(EO=78%、平均官能基数2.5)を
得た。次に、30%重亜硫酸ナトリウム水溶液93部を
添加し、45℃で60分間撹拌を行った後、水1,17
0部で希釈し、樹脂分30%の透明粘稠なアニオン性ブ
ロック化イソシアネート水溶液を調製した。
【0044】製造例8[対照品1] グリセリンベースによるエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド[EO/PO=80/20]重付加物(分
子量8,000)220部とプロピレンオキサイド重付
加物(分子量2,000)180部にヘキサメチレンジ
イソシアネート44部を添加し、100℃で2時間反応
を行い、遊離イソシアネート基2.5%を有するウレタ
ンプレポリマー(EO=40%、平均官能基数2.2)
を得た。次に、30%重亜硫酸ナトリウム水溶液25部
を添加し、45℃で60分間撹拌を行った後、水1,0
11部で希釈し、樹脂分30%の透明粘稠なアニオン性
ブロック化イソシアネート水溶液を調製した。
【0045】製造例9[対照品2] グリセリンベースによるエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド[EO/PO=80/20]重付加物(分
子量8,000)500部とエチレンオキサイド重付加
物(分子量2,000)53.6部にヘキサメチレンジ
イソシアネート40.5部を添加し、100℃で2時間
反応を行い、遊離イソシアネート基1.7%を有するウ
レタンプレポリマー(EO=76%、平均官能基数2.
7)を得た。次に、30%重亜硫酸ナトリウム水溶液9
2部を添加し、45℃で60分間撹拌を行った後、水
1,290部で希釈し、樹脂分30%の透明粘稠なアニ
オン性ブロック化イソシアネート水溶液を調製した。
【0046】製造例10[対照品3] グリセリンベースによるエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド[EO/PO=80/20]重付加物(分
子量8,000)300部にヘキサメチレンジイソシア
ネート19部を添加し、100℃で2時間反応を行い、
遊離イソシアネート基1.5%を有するウレタンプレポ
リマー(EO=75%、平均官能基数3)を得た。次
に、30%重亜硫酸ナトリウム水溶液44部を添加し、
45℃で60分間撹拌を行った後、水700部で希釈
し、樹脂分30%の透明粘稠なアニオン性ブロック化イ
ソシアネート水溶液を調製した。
【0047】実施例1〜7 製造例1〜7で得られた熱反応型ウレタン組成物10部
にエラストロンキャタリスト64[有機錫系触媒、第一
工業製薬(株)製]を0.2部、1%重曹水溶液2部を
混合した樹脂加工液に、ポリエステルパレス(分散染料
による染色布;茶色)を浸漬し、搾液(絞り率70%)
し、120℃で2分間熱風乾燥した後、さらに、170
℃で1分間熱処理を施した。続いて、還元洗浄(ハイド
ロサルファイト0.2部、水酸化ナトリウム0.2部、
トライポールTK[エステル系非イオン活性剤、第一工
業製薬(株)製]0.1部の80℃水溶液にて5分洗
浄)後、60℃で5分の湯洗、1分の水洗し、最後に1
60℃1分で熱風乾燥した。
【0048】得られた加工布の制電性、吸水性、染色堅
牢度を比較した。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】 比較例1〜4 製造例8〜10で得られた熱反応型ウレタン組成物につ
いて、実施例1〜7と同様にして行なった。結果を表2
に示す。なお、比較例4として、前記ポリエステルパレ
スを水に浸漬して乾燥したものについても評価した。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】上記の実施例に見られるように、本発明
のウレタン樹脂系耐久制電吸水剤は、耐久制電吸水性に
優れ、さらに従来よりウレタン樹脂系耐久制電剤が課題
としてきた染色堅牢度に対しても優れた効果があること
がわかる。また、一般的な加工機で容易に加工すること
ができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンオキサイドを50重量%以上含
    有し、遊離イソシアネート基を1分子当り1〜2.5個
    有するウレタンプレポリマーを、重亜硫酸塩及び/又は
    有機系ブロック化剤によりブロック化してなる、ウレタ
    ンプレポリマーブロック化物を、必須成分として含有す
    るウレタン樹脂系耐久制電吸水剤。
  2. 【請求項2】 前記ウレタンプレポリマーが、遊離イソ
    シアネート基を1分子当り1〜2.3個有することを特
    徴とする請求項1記載のウレタン樹脂系耐久制電吸水
    剤。
  3. 【請求項3】 前記ウレタンプレポリマーが、遊離イソ
    シアネート基を1分子当り1〜2.0個有することを特
    徴とする請求項1記載のウレタン樹脂系耐久制電吸水
    剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のウ
    レタン樹脂系耐久制電吸水剤で繊維材を処理して、該繊
    維材に耐久制電吸水性を付与することを特徴とする耐久
    制電吸水性繊維材の製造方法。
JP7235520A 1995-09-13 1995-09-13 耐久制電吸水性繊維材の製造方法 Expired - Fee Related JP3002768B2 (ja)

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CN114351452A (zh) * 2021-12-27 2022-04-15 太仓市隆纺油剂有限公司 一种可降解低残油率涤纶低弹丝油剂及其制备方法

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