JPH0978455A - 芳香族ポリアミドパルプおよびその製造方法 - Google Patents
芳香族ポリアミドパルプおよびその製造方法Info
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- JPH0978455A JPH0978455A JP22937595A JP22937595A JPH0978455A JP H0978455 A JPH0978455 A JP H0978455A JP 22937595 A JP22937595 A JP 22937595A JP 22937595 A JP22937595 A JP 22937595A JP H0978455 A JPH0978455 A JP H0978455A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】フッ素樹脂により表面処理された、耐水性、撥
水性および電気特性の優れた芳香族ポリアミドパルプお
よび該芳香族ポリアミドパルプを簡便で環境負荷の少な
い製造工程で得る方法を提供する。 【解決手段】BET比表面積が3〜25m2 /gであ
り、フッ素樹脂により表面処理されていることを特徴と
する芳香族ポリアミドパルプ、および、下記の工程を有
することを特徴とする前記の芳香族ポリアミドパルプの
製造方法。 (イ)BET比表面積が3〜25m2 /gである芳香族
ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末を水中に分散させる
工程。 (ロ)凝集剤を分散液に添加して、フッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプの表面に定着させる工程。 (ハ)脱水を行い含水芳香族ポリアミドパルプを得る工
程。 (ニ)乾燥を行い水分量が30重量%未満に調節された
芳香族ポリアミドパルプを得る工程。 (ホ)フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理する工
程。 (ヘ)開繊を行う工程。
水性および電気特性の優れた芳香族ポリアミドパルプお
よび該芳香族ポリアミドパルプを簡便で環境負荷の少な
い製造工程で得る方法を提供する。 【解決手段】BET比表面積が3〜25m2 /gであ
り、フッ素樹脂により表面処理されていることを特徴と
する芳香族ポリアミドパルプ、および、下記の工程を有
することを特徴とする前記の芳香族ポリアミドパルプの
製造方法。 (イ)BET比表面積が3〜25m2 /gである芳香族
ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末を水中に分散させる
工程。 (ロ)凝集剤を分散液に添加して、フッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプの表面に定着させる工程。 (ハ)脱水を行い含水芳香族ポリアミドパルプを得る工
程。 (ニ)乾燥を行い水分量が30重量%未満に調節された
芳香族ポリアミドパルプを得る工程。 (ホ)フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理する工
程。 (ヘ)開繊を行う工程。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族ポリアミド
(以下、アラミドということがある。)パルプおよびそ
の製造方法に関する。
(以下、アラミドということがある。)パルプおよびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は、摩擦磨耗特性、耐熱性、
耐水性および耐薬品性に優れているので、従来より芳香
族ポリアミド樹脂製品の改質に用いられてきた。従来の
フッ素樹脂による芳香族ポリアミド樹脂製品の改質の方
法は、つぎの二種類の方法に分けることができる。
耐水性および耐薬品性に優れているので、従来より芳香
族ポリアミド樹脂製品の改質に用いられてきた。従来の
フッ素樹脂による芳香族ポリアミド樹脂製品の改質の方
法は、つぎの二種類の方法に分けることができる。
【0003】一方は、溶媒を用いてアラミド製品表面に
フルオロアルキル基等を導入する方法であり、他方は、
アラミド製品にフッ素樹脂分散液を含浸させた後、乾
燥、加熱処理を行いアラミド製品の表面にフッ素樹脂被
膜を形成させる方法である。
フルオロアルキル基等を導入する方法であり、他方は、
アラミド製品にフッ素樹脂分散液を含浸させた後、乾
燥、加熱処理を行いアラミド製品の表面にフッ素樹脂被
膜を形成させる方法である。
【0004】溶媒を用いる方法は、特開昭62−814
26号公報、特表平7−501840号公報などに開示
されているが、これらの方法においてアラミド製品の対
象はアラミドのテープや繊維であり、比表面積の大きい
アラミドパルプにこれらの方法を応用することは不可能
である。また、溶媒を用いるこれらの方法では装置が大
がかりになるばかりではなく、作業環境の悪化が問題と
なる。
26号公報、特表平7−501840号公報などに開示
されているが、これらの方法においてアラミド製品の対
象はアラミドのテープや繊維であり、比表面積の大きい
アラミドパルプにこれらの方法を応用することは不可能
である。また、溶媒を用いるこれらの方法では装置が大
がかりになるばかりではなく、作業環境の悪化が問題と
なる。
【0005】アラミド製品にフッ素樹脂分散液を含浸さ
せる処理方法は、特開昭56−107073号公報、特
開平2−210071号公報、特表平6−511029
号公報などに開示されているが、これらについてもアラ
ミド製品の対象は、コード、織布、フェルトなどであ
る。このらの方法をパルプに応用した場合は、フッ素樹
脂の付着は含浸操作に依存するために、乾燥時にフッ素
樹脂の付着分散が不均一となるといった問題点や付着量
を正確に制御することが困難であるといった問題点を有
している。
せる処理方法は、特開昭56−107073号公報、特
開平2−210071号公報、特表平6−511029
号公報などに開示されているが、これらについてもアラ
ミド製品の対象は、コード、織布、フェルトなどであ
る。このらの方法をパルプに応用した場合は、フッ素樹
脂の付着は含浸操作に依存するために、乾燥時にフッ素
樹脂の付着分散が不均一となるといった問題点や付着量
を正確に制御することが困難であるといった問題点を有
している。
【0006】上記のように、従来よりアラミドのテープ
や繊維をフッ素樹脂で改質する試みはなされてきたが、
パルプ状の形態をもつアラミド繊維(アラミドパルプ)
に均一にフッ素樹脂を付着させたフッ素樹脂処理アラミ
ドパルプは未だ知られていなかった。
や繊維をフッ素樹脂で改質する試みはなされてきたが、
パルプ状の形態をもつアラミド繊維(アラミドパルプ)
に均一にフッ素樹脂を付着させたフッ素樹脂処理アラミ
ドパルプは未だ知られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芳香
族ポリアミドパルプの有する優れた特性に加えて、均一
にフッ素樹脂で処理され、耐水性および撥水性に優れ、
帯電し難いという電気的にも優れた性質を兼ね備えた、
均一にフッ素樹脂を付着させた芳香族ポリアミドパル
プ、並びに、簡便で環境負荷の少ないその製造方法を提
供することにある。
族ポリアミドパルプの有する優れた特性に加えて、均一
にフッ素樹脂で処理され、耐水性および撥水性に優れ、
帯電し難いという電気的にも優れた性質を兼ね備えた、
均一にフッ素樹脂を付着させた芳香族ポリアミドパル
プ、並びに、簡便で環境負荷の少ないその製造方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、BET比表面
積が3〜25m2 /gであり、フッ素樹脂により表面処
理されていることを特徴とする芳香族ポリアミドパルプ
に係るものである。
積が3〜25m2 /gであり、フッ素樹脂により表面処
理されていることを特徴とする芳香族ポリアミドパルプ
に係るものである。
【0009】また、本発明は、下記の(イ)乃至(ロ)
の工程を有することを特徴とする前記の芳香族ポリアミ
ドパルプの製造方法に係るものである。 (イ)BET比表面積が3〜25m2 /gである芳香族
ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末を水中に分散させる
工程。 (ロ)凝集剤を分散液に添加して、フッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプの表面に定着させる工程。
の工程を有することを特徴とする前記の芳香族ポリアミ
ドパルプの製造方法に係るものである。 (イ)BET比表面積が3〜25m2 /gである芳香族
ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末を水中に分散させる
工程。 (ロ)凝集剤を分散液に添加して、フッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプの表面に定着させる工程。
【0010】また、本発明は、下記の(イ)乃至(ハ)
の工程を有することを特徴とする前記の芳香族ポリアミ
ドパルプの製造方法に係るものである。 (イ)BET比表面積が3〜25m2 /gである芳香族
ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末を水中に分散させる
工程。 (ロ)凝集剤を分散液に添加して、フッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプの表面に定着させる工程。 (ハ)脱水を行い含水芳香族ポリアミドパルプを得る工
程。
の工程を有することを特徴とする前記の芳香族ポリアミ
ドパルプの製造方法に係るものである。 (イ)BET比表面積が3〜25m2 /gである芳香族
ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末を水中に分散させる
工程。 (ロ)凝集剤を分散液に添加して、フッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプの表面に定着させる工程。 (ハ)脱水を行い含水芳香族ポリアミドパルプを得る工
程。
【0011】また、本発明は、下記の(イ)乃至(ニ)
の工程を有することを特徴とする前記の芳香族ポリアミ
ドパルプの製造方法に係るものである。 (イ)BET比表面積が3〜25m2 /gである芳香族
ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末を水中に分散させる
工程。 (ロ)凝集剤を分散液に添加して、フッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプの表面に定着させる工程。 (ハ)脱水を行い含水芳香族ポリアミドパルプを得る工
程。 (ニ)乾燥を行い含水率が30重量%未満に調節された
芳香族ポリアミドパルプを得る工程。 以下に本発明を詳細に説明する。
の工程を有することを特徴とする前記の芳香族ポリアミ
ドパルプの製造方法に係るものである。 (イ)BET比表面積が3〜25m2 /gである芳香族
ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末を水中に分散させる
工程。 (ロ)凝集剤を分散液に添加して、フッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプの表面に定着させる工程。 (ハ)脱水を行い含水芳香族ポリアミドパルプを得る工
程。 (ニ)乾燥を行い含水率が30重量%未満に調節された
芳香族ポリアミドパルプを得る工程。 以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる芳香族ポリア
ミド(アラミド)パルプの原料となる芳香族ポリアミド
樹脂は、アミド結合の少なくとも85モル%以上が、芳
香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸成分より得られるも
のである。
ミド(アラミド)パルプの原料となる芳香族ポリアミド
樹脂は、アミド結合の少なくとも85モル%以上が、芳
香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸成分より得られるも
のである。
【0013】その具体例としては、ポリパラフェニレン
テレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリパラベンズアミド、ポリ−4,4’−ジアミノ
ベンズアニリド、ポリパラフェニレン−2,6−ナフタ
リックアミド、コポリパラフェニン/4,4’−(3,
3’−ジメチルビフェニレン)テレフタルアミド、コポ
リパラフェニレン/2,5−ピリジレンテレフタルアミ
ド、ポリオルソフェニレンフタルアミド、
テレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリパラベンズアミド、ポリ−4,4’−ジアミノ
ベンズアニリド、ポリパラフェニレン−2,6−ナフタ
リックアミド、コポリパラフェニン/4,4’−(3,
3’−ジメチルビフェニレン)テレフタルアミド、コポ
リパラフェニレン/2,5−ピリジレンテレフタルアミ
ド、ポリオルソフェニレンフタルアミド、
【0014】ポリメタフェニレンフタルアミド、ポリパ
ラフェニレンフタルアミド、ポリオルソフェニレンイソ
フタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、
ポリパラフェニレンイソフタルアミド、ポリオルソフェ
ニレンテレフタルアミド、ポリ−1,5−ナフタレンフ
タルアミド、ポリ−4,4’−ジフェニレンオルソフタ
ルアミド、ポリ−4,4’−ジフェニレンイソフタルア
ミド、ポリ−1,4−ナフタレンフタルアミド、ポリ−
1,4−ナフタレンイソフタルアミド、ポリ−1,5−
ナフタレンイソフタルアミドなど、
ラフェニレンフタルアミド、ポリオルソフェニレンイソ
フタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、
ポリパラフェニレンイソフタルアミド、ポリオルソフェ
ニレンテレフタルアミド、ポリ−1,5−ナフタレンフ
タルアミド、ポリ−4,4’−ジフェニレンオルソフタ
ルアミド、ポリ−4,4’−ジフェニレンイソフタルア
ミド、ポリ−1,4−ナフタレンフタルアミド、ポリ−
1,4−ナフタレンイソフタルアミド、ポリ−1,5−
ナフタレンイソフタルアミドなど、
【0015】およびこれらの芳香族ジアミンのベンゼン
核の一部をピペラジン、1,5−ジメチルピペラジン、
2,5−ジエチルピペラジンで置換した化合物などに代
表される脂環式アミンを含む芳香族ポリアミド、または
芳香族ジアミンが、8,3’−オキシジフェニレンジア
ミン、3,4−オキシジフェニレンジアミンなどのエー
テル結合、−S−、−SO2 −、−CO−、−NH−な
どの基により結合された2個のフェニル基を含む芳香族
ポリアミドのコポリマー、例えば、ポリ−8,8’−オ
キシジフェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェニレ
ンテレフタルアミド共重合体、ポリ−3,4−オキシジ
フェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェレンテレフ
タルアミド共重合体などを挙げることができる。
核の一部をピペラジン、1,5−ジメチルピペラジン、
2,5−ジエチルピペラジンで置換した化合物などに代
表される脂環式アミンを含む芳香族ポリアミド、または
芳香族ジアミンが、8,3’−オキシジフェニレンジア
ミン、3,4−オキシジフェニレンジアミンなどのエー
テル結合、−S−、−SO2 −、−CO−、−NH−な
どの基により結合された2個のフェニル基を含む芳香族
ポリアミドのコポリマー、例えば、ポリ−8,8’−オ
キシジフェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェニレ
ンテレフタルアミド共重合体、ポリ−3,4−オキシジ
フェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェレンテレフ
タルアミド共重合体などを挙げることができる。
【0016】本発明に用いられるアラミドパルプとは、
上記の芳香族ポリアミド樹脂から得られるアラミド繊維
が高度にフィブリル化された形状を有するものであり、
BET法で測定した比表面積の値が、3〜25m2 /g
を示すものであり、好ましくは5〜20m2 /g、さら
に好ましくは6〜16m2 /gを示すものである。パル
プの比表面積が3m2 /g未満の場合は、投入したフッ
素樹脂粉末の定着率が低下し、パルプの処理効果は得ら
れなくなる。また、25m2 /gを越える場合は、フィ
ブリルの絡み合いが多すぎるために、乾燥後の開繊が充
分に行われ難く、ガスケットや摩擦材などに用いた場合
にも、アラミドパルプの分散は悪くなり、物性の低下を
招く原因となる。
上記の芳香族ポリアミド樹脂から得られるアラミド繊維
が高度にフィブリル化された形状を有するものであり、
BET法で測定した比表面積の値が、3〜25m2 /g
を示すものであり、好ましくは5〜20m2 /g、さら
に好ましくは6〜16m2 /gを示すものである。パル
プの比表面積が3m2 /g未満の場合は、投入したフッ
素樹脂粉末の定着率が低下し、パルプの処理効果は得ら
れなくなる。また、25m2 /gを越える場合は、フィ
ブリルの絡み合いが多すぎるために、乾燥後の開繊が充
分に行われ難く、ガスケットや摩擦材などに用いた場合
にも、アラミドパルプの分散は悪くなり、物性の低下を
招く原因となる。
【0017】アラミドパルプを製造する方法は特に限定
されず、例えば、特公昭59−603号公報や特公平2
−200809号公報などに開示された方法を用いるこ
とができる。
されず、例えば、特公昭59−603号公報や特公平2
−200809号公報などに開示された方法を用いるこ
とができる。
【0018】本発明に用いられるフッ素樹脂としては、
例えば、四フッ化エチレン樹脂(以下、PTFEという
ことがある。)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PF
A)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹
脂(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂
(ETFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、三
フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)などが挙げられ
る。
例えば、四フッ化エチレン樹脂(以下、PTFEという
ことがある。)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PF
A)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹
脂(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂
(ETFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、三
フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)などが挙げられ
る。
【0019】これらのフッ素樹脂の微粒子を、アニオン
系、カチオン系あるいはノニオン系の界面活性剤を含む
水中に、容易には沈降しないように安定に分散させて、
フッ素樹脂粉末分散液(ディスパージョンまたはエマル
ジョンなどと呼ばれることがある。)を得る。さらに一
般的には、一種類以上の界面活性剤の存在下でこれらの
フッ素樹脂のモノマーを水系重合させることによって同
様なフッ素樹脂の分散液が得られる。
系、カチオン系あるいはノニオン系の界面活性剤を含む
水中に、容易には沈降しないように安定に分散させて、
フッ素樹脂粉末分散液(ディスパージョンまたはエマル
ジョンなどと呼ばれることがある。)を得る。さらに一
般的には、一種類以上の界面活性剤の存在下でこれらの
フッ素樹脂のモノマーを水系重合させることによって同
様なフッ素樹脂の分散液が得られる。
【0020】また、旭硝子(株)、ダイキン工業(株)
などから市販されているフッ素樹脂のディスパージョン
をそのまま利用して分散液を調製することも可能であ
る。分散液中のフッ素樹脂粉末の好ましい平均粒径は
0.01〜10μm、さらに好ましくは0.1〜1μm
である。平均粒径が小さすぎるとフッ素樹脂粉末のアラ
ミドパルプ表面への定着が困難となり、逆に大きすぎる
と安定な分散液を得ることが難しくなり、アラミドパル
プの表面に定着させた際もその分布が不均一となり易
い。
などから市販されているフッ素樹脂のディスパージョン
をそのまま利用して分散液を調製することも可能であ
る。分散液中のフッ素樹脂粉末の好ましい平均粒径は
0.01〜10μm、さらに好ましくは0.1〜1μm
である。平均粒径が小さすぎるとフッ素樹脂粉末のアラ
ミドパルプ表面への定着が困難となり、逆に大きすぎる
と安定な分散液を得ることが難しくなり、アラミドパル
プの表面に定着させた際もその分布が不均一となり易
い。
【0021】つぎに、アラミドパルプを上記のフッ素樹
脂粉末で表面処理する方法について説明する。例えば、
まずアラミドパルプを、充分な流動性が得られる程度に
水中に分散させる。分散液中のアラミドパルプの適当な
濃度は用いるパルプの比表面積やろ水度の値によって異
なるが、0.5〜5重量%の範囲で選ばれる。アラミド
パルプの均一な分散を行なうには、一般的なプロペラ式
の撹拌機を利用することができる。通常のリンターパル
プの分散に用いられている、パルプ用の離解機は均一分
散を達成するのに特に有効である。
脂粉末で表面処理する方法について説明する。例えば、
まずアラミドパルプを、充分な流動性が得られる程度に
水中に分散させる。分散液中のアラミドパルプの適当な
濃度は用いるパルプの比表面積やろ水度の値によって異
なるが、0.5〜5重量%の範囲で選ばれる。アラミド
パルプの均一な分散を行なうには、一般的なプロペラ式
の撹拌機を利用することができる。通常のリンターパル
プの分散に用いられている、パルプ用の離解機は均一分
散を達成するのに特に有効である。
【0022】次に、アラミドパルプ分散液にフッ素樹脂
粉末を添加する。フッ素樹脂粉末の添加量は、絶乾パル
プ重量に対するフッ素樹脂粉末の定着量が、好ましくは
0.3〜30重量%、より好ましくは0.5〜20重量
%、さらに好ましくは1.0〜10重量%となるように
する。フッ素樹脂の定着量が、0.3重量%未満では充
分な効果が得られない。また、30重量%を越える場合
には、処理されたアラミドパルプの開繊性が悪くなるた
めに、定着量に見合った効果が発現しない上、経済性の
劣るものとなる。
粉末を添加する。フッ素樹脂粉末の添加量は、絶乾パル
プ重量に対するフッ素樹脂粉末の定着量が、好ましくは
0.3〜30重量%、より好ましくは0.5〜20重量
%、さらに好ましくは1.0〜10重量%となるように
する。フッ素樹脂の定着量が、0.3重量%未満では充
分な効果が得られない。また、30重量%を越える場合
には、処理されたアラミドパルプの開繊性が悪くなるた
めに、定着量に見合った効果が発現しない上、経済性の
劣るものとなる。
【0023】水中にフッ素樹脂粉末が分散した分散液中
にアラミドパルプを投入して分散させる方法を採ること
もできる。この場合、市販のフッ素樹脂のディスパージ
ョンをそのまま用いることができる。市販のフッ素樹脂
のディスパージョンをそのまま用いる場合は、該フッ素
樹脂のディスパージョン中に、または該フッ素樹脂のデ
ィスパージョンを水で希釈した分散液中に、アラミドパ
ルプを充分な流動性が得られる程度に分散させる。アラ
ミドパルプとフッ素樹脂粉末の適切な量関係は上記のと
おりである。
にアラミドパルプを投入して分散させる方法を採ること
もできる。この場合、市販のフッ素樹脂のディスパージ
ョンをそのまま用いることができる。市販のフッ素樹脂
のディスパージョンをそのまま用いる場合は、該フッ素
樹脂のディスパージョン中に、または該フッ素樹脂のデ
ィスパージョンを水で希釈した分散液中に、アラミドパ
ルプを充分な流動性が得られる程度に分散させる。アラ
ミドパルプとフッ素樹脂粉末の適切な量関係は上記のと
おりである。
【0024】つぎに、このアラミドパルプ/フッ素樹脂
粉末の水中分散液に、フッ素樹脂粉末の分散を不安定化
させる作用を持つ凝集剤を添加して、フッ素樹脂粉末を
アラミドパルプの表面に定着させる。用いる凝集剤の種
類および添加量は、フッ素樹脂粉末を分散させるのに用
いている安定剤の種類、およびアラミドパルプの比表面
積によって異なるので、必ずしも限定されない。
粉末の水中分散液に、フッ素樹脂粉末の分散を不安定化
させる作用を持つ凝集剤を添加して、フッ素樹脂粉末を
アラミドパルプの表面に定着させる。用いる凝集剤の種
類および添加量は、フッ素樹脂粉末を分散させるのに用
いている安定剤の種類、およびアラミドパルプの比表面
積によって異なるので、必ずしも限定されない。
【0025】フッ素樹脂粉末がアニオン系の界面活性剤
で安定化されている場合は、強酸あるいは強電解質、あ
るいはポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダ系
などの高分子凝集剤、さらにはこれらの高分子凝集剤と
強酸あるいは強電解質を組合わせて適用することができ
る。
で安定化されている場合は、強酸あるいは強電解質、あ
るいはポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダ系
などの高分子凝集剤、さらにはこれらの高分子凝集剤と
強酸あるいは強電解質を組合わせて適用することができ
る。
【0026】フッ素樹脂粉末がカチオン系の界面活性剤
で安定化されている場合は、塩基あるいは強電解質、あ
るいはポリアクリルアミド系、ポリメタクリル酸エステ
ル系等の高分子凝集剤、さらにはこれらの高分子凝集剤
と塩基あるいは強電解質とを組合わせて適用することが
できる。
で安定化されている場合は、塩基あるいは強電解質、あ
るいはポリアクリルアミド系、ポリメタクリル酸エステ
ル系等の高分子凝集剤、さらにはこれらの高分子凝集剤
と塩基あるいは強電解質とを組合わせて適用することが
できる。
【0027】フッ素樹脂粉末がノニオン系の界面活性剤
で安定化されている場合は、強電解質、あるいはポリア
クリルアミド系などの高分子凝集剤、さらにはこれらの
高分子凝集剤と強電解質とを組合わせて適用することが
できる。
で安定化されている場合は、強電解質、あるいはポリア
クリルアミド系などの高分子凝集剤、さらにはこれらの
高分子凝集剤と強電解質とを組合わせて適用することが
できる。
【0028】また、ビールやワインの清澄剤としてや顔
料工場の廃液処理剤として用いられているタンニン酸
と、硫酸アルミニウムなどの多価の金属イオンを含む電
解質を併用して適用することは、使用されている界面活
性剤の種類に係わらず、特に有効である。この場合、系
に水酸化カルシウムやアンモニアなどのアルカリ成分を
加えて、系のpHを3. 5から6. 0の範囲に調整する
ことによって、添加したフッ素樹脂粉末の80重量%以
上をパルプ表面に定着させることができる。
料工場の廃液処理剤として用いられているタンニン酸
と、硫酸アルミニウムなどの多価の金属イオンを含む電
解質を併用して適用することは、使用されている界面活
性剤の種類に係わらず、特に有効である。この場合、系
に水酸化カルシウムやアンモニアなどのアルカリ成分を
加えて、系のpHを3. 5から6. 0の範囲に調整する
ことによって、添加したフッ素樹脂粉末の80重量%以
上をパルプ表面に定着させることができる。
【0029】ノニオン系の界面活性剤で安定化したもの
は不安定化し難く、完全に沈降させることが難しいが、
うまく沈降させた場合は、細かい粒子がパルプ表面に均
一に定着するので、本発明においてはノニオン系の分散
液を原料に用いる方が望ましい。
は不安定化し難く、完全に沈降させることが難しいが、
うまく沈降させた場合は、細かい粒子がパルプ表面に均
一に定着するので、本発明においてはノニオン系の分散
液を原料に用いる方が望ましい。
【0030】フッ素樹脂粉末の分散液の不安定化の方法
としては、前述のとおり、タンニン酸と硫酸アルミニウ
ムを併用する方法が、特に有効である。つまり、凝集さ
せることが困難なノニオン系の分散液に対して有効に働
き、また、アニオン系の分散液についても他の凝集剤よ
りも少ない添加量でフッ素樹脂をアラミドパルプ表面に
定着させることができる。
としては、前述のとおり、タンニン酸と硫酸アルミニウ
ムを併用する方法が、特に有効である。つまり、凝集さ
せることが困難なノニオン系の分散液に対して有効に働
き、また、アニオン系の分散液についても他の凝集剤よ
りも少ない添加量でフッ素樹脂をアラミドパルプ表面に
定着させることができる。
【0031】上記のようにして、本発明のBET比表面
積が3〜25m2 /gであり、フッ素樹脂により表面処
理されていることを特徴とする芳香族ポリアミドパルプ
を得ることができる。
積が3〜25m2 /gであり、フッ素樹脂により表面処
理されていることを特徴とする芳香族ポリアミドパルプ
を得ることができる。
【0032】また、フッ素樹脂粉末を定着させた後に、
必要に応じて過剰の水分を除くための脱水を行うことも
できる。脱水方法は特に限定されるものではなく、例え
ば、常法に従ってろ別し、ろ別された表面処理アラミド
パルプを遠心分離機などの脱水機により脱水し、その含
水率を調整して含水芳香族ポリアミドパルプを得る。こ
こで、本発明において含水芳香族ポリアミドパルプと
は、その含水率が30重量%以上のものをいう。含水率
は、好ましくは30重量%以上95重量%以下である。
このようにして、含水率が30重量%以上である、本発
明のBET比表面積が3〜25m2 /gであり、フッ素
樹脂により表面処理されていることを特徴とする芳香族
ポリアミドパルプを得ることができる。
必要に応じて過剰の水分を除くための脱水を行うことも
できる。脱水方法は特に限定されるものではなく、例え
ば、常法に従ってろ別し、ろ別された表面処理アラミド
パルプを遠心分離機などの脱水機により脱水し、その含
水率を調整して含水芳香族ポリアミドパルプを得る。こ
こで、本発明において含水芳香族ポリアミドパルプと
は、その含水率が30重量%以上のものをいう。含水率
は、好ましくは30重量%以上95重量%以下である。
このようにして、含水率が30重量%以上である、本発
明のBET比表面積が3〜25m2 /gであり、フッ素
樹脂により表面処理されていることを特徴とする芳香族
ポリアミドパルプを得ることができる。
【0033】つづいて含水率が30重量%未満の芳香族
ポリアミドパルプを作製する場合には、さらに以下の乾
燥の操作を行う。パルプの乾燥を行うことにより含水率
が30重量%未満、好ましくは5重量%以下である、本
発明のBET比表面積が3〜25m2 /gであり、フッ
素樹脂により表面処理されていることを特徴とする芳香
族ポリアミドパルプを得ることができる。乾燥の方法は
とくに限定されず、通常用いられる方法、例えば、10
0〜200℃の加熱オーブン中で乾燥する方法を適用す
ることができる。
ポリアミドパルプを作製する場合には、さらに以下の乾
燥の操作を行う。パルプの乾燥を行うことにより含水率
が30重量%未満、好ましくは5重量%以下である、本
発明のBET比表面積が3〜25m2 /gであり、フッ
素樹脂により表面処理されていることを特徴とする芳香
族ポリアミドパルプを得ることができる。乾燥の方法は
とくに限定されず、通常用いられる方法、例えば、10
0〜200℃の加熱オーブン中で乾燥する方法を適用す
ることができる。
【0034】乾燥を行った表面処理アラミドパルプは、
好ましくはついで加熱処理を行う。加熱処理の加熱温度
と加熱時間は、表面処理に用いたフッ素樹脂の種類によ
って決定することが好ましい。加熱温度は用いられたフ
ッ素樹脂の融点(ゲル化温度)以上とする。加熱時間
は、アラミドパルプの表面に付着したフッ素樹脂粉末が
溶融するだけの時間、または、アラミドパルプの表面に
に付着したフッ素樹脂が溶融した後、パルプを被覆する
だけの時間が必要である。加熱処理後はアラミドパルプ
を冷却する。冷却については、例えば、室温に戻して空
冷するだけで充分である。
好ましくはついで加熱処理を行う。加熱処理の加熱温度
と加熱時間は、表面処理に用いたフッ素樹脂の種類によ
って決定することが好ましい。加熱温度は用いられたフ
ッ素樹脂の融点(ゲル化温度)以上とする。加熱時間
は、アラミドパルプの表面に付着したフッ素樹脂粉末が
溶融するだけの時間、または、アラミドパルプの表面に
に付着したフッ素樹脂が溶融した後、パルプを被覆する
だけの時間が必要である。加熱処理後はアラミドパルプ
を冷却する。冷却については、例えば、室温に戻して空
冷するだけで充分である。
【0035】乾燥後、または加熱処理後の表面処理アラ
ミドパルプは、つづいて開繊処理を行うことが好まし
い。開繊は、ハンマーミル、ACMパルベライザー、コ
ーンミル、ロールクラッシャー、スクリュー中粉砕機、
エッジランナー、リングロールミル、スタンプミル、ロ
ッドミル、衝撃粉砕機、ジェットミル、塔式摩砕機、コ
ロイドミルなどの粉砕装置や、円筒または樋状の容器中
で、スクリュー、リボン、フィンガープロング、Z形翼
などを回転させて混合を行う固定形混合機などを用いて
行うことができる。
ミドパルプは、つづいて開繊処理を行うことが好まし
い。開繊は、ハンマーミル、ACMパルベライザー、コ
ーンミル、ロールクラッシャー、スクリュー中粉砕機、
エッジランナー、リングロールミル、スタンプミル、ロ
ッドミル、衝撃粉砕機、ジェットミル、塔式摩砕機、コ
ロイドミルなどの粉砕装置や、円筒または樋状の容器中
で、スクリュー、リボン、フィンガープロング、Z形翼
などを回転させて混合を行う固定形混合機などを用いて
行うことができる。
【0036】好ましくは、固定形混合機で予備開繊を行
った後、ジェットミルなどの微粉砕機で本開繊を行うこ
とにより、フッ素樹脂で表面処理された良好な開繊アラ
ミドパルプが得られるが、これに限定されるものではな
い。
った後、ジェットミルなどの微粉砕機で本開繊を行うこ
とにより、フッ素樹脂で表面処理された良好な開繊アラ
ミドパルプが得られるが、これに限定されるものではな
い。
【0037】上では加熱処理後に開繊処理を行う方法に
ついて記載したが、含水芳香族ポリアミドパルプを乾燥
した後に開繊処理を行い、ついで加熱処理を行うことも
できる。
ついて記載したが、含水芳香族ポリアミドパルプを乾燥
した後に開繊処理を行い、ついで加熱処理を行うことも
できる。
【0038】加熱処理時の被処理物の形態は、アラミド
パルプのみならず、アラミドパルプを抄紙したシートの
形態、アラミドパルプとフィラーの混合物などの形態で
あってもよい。本発明は、乾燥以降の工程の順序や加熱
処理時の形態によって限定されるものではない。
パルプのみならず、アラミドパルプを抄紙したシートの
形態、アラミドパルプとフィラーの混合物などの形態で
あってもよい。本発明は、乾燥以降の工程の順序や加熱
処理時の形態によって限定されるものではない。
【0039】開繊された表面処理アラミドパルプは、運
搬や計量時などの取扱い性を容易にするため適当な方法
で圧縮することができる。本発明の表面処理アラミドパ
ルプは、0.05〜0.1g/ccの嵩密度に圧縮して
も、実際の使用に際して分散性に影響を及ぼすものでは
ない。
搬や計量時などの取扱い性を容易にするため適当な方法
で圧縮することができる。本発明の表面処理アラミドパ
ルプは、0.05〜0.1g/ccの嵩密度に圧縮して
も、実際の使用に際して分散性に影響を及ぼすものでは
ない。
【0040】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例中の各種の物性値の測定は以下に述べる測定方法
に従って実施した。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例中の各種の物性値の測定は以下に述べる測定方法
に従って実施した。
【0041】物性評価方法 1.水分率 赤外水分計(メトラー社製LP16型)により測定し
た。20℃、65%の恒温恒湿雰囲気に24時間パルプ
を静置して一部のパルプについて水分率を測定した後、
残りのパルプを相対湿度100%のデシケーター中に2
4時間静置して水分率の上昇した量を測定した。
た。20℃、65%の恒温恒湿雰囲気に24時間パルプ
を静置して一部のパルプについて水分率を測定した後、
残りのパルプを相対湿度100%のデシケーター中に2
4時間静置して水分率の上昇した量を測定した。
【0042】2. 表面処理濾液のCOD CODは、JIS K0102. 17 に準拠して、1
00℃のKMnO4 法で測定した。
00℃のKMnO4 法で測定した。
【0043】3. フッ素樹脂の定着率 芳香族ポリアミドパルプへのフッ素樹脂の定着率は、表
面処理に用いたフッ素樹脂分散液のCODと表面処理後
の濾液のCODから次式により算出した。 フッ素樹脂定着率〔重量%〕=100×{1−(表面処
理濾液のCOD〔mg/l〕)/(フッ素樹脂分散液の
COD〔mg/l〕)}
面処理に用いたフッ素樹脂分散液のCODと表面処理後
の濾液のCODから次式により算出した。 フッ素樹脂定着率〔重量%〕=100×{1−(表面処
理濾液のCOD〔mg/l〕)/(フッ素樹脂分散液の
COD〔mg/l〕)}
【0044】4. アラミドパルプに対するフッ素樹脂の
付着率 アラミドパルプに対するフッ素樹脂の付着率を次の式で
定義し、求めた。
付着率 アラミドパルプに対するフッ素樹脂の付着率を次の式で
定義し、求めた。
【0045】5.水滴の転落角 パルプを角型シートマシン(熊谷理機(株)製)を用い
て250mm角の金網上に抄紙し、200g/ m2 のシ
ートを作製した。得られたシート上にマイクロシリンジ
で25μlの水滴を滴下した後、シートを傾斜させて水
滴が転がり落ちる角度を測定した。
て250mm角の金網上に抄紙し、200g/ m2 のシ
ートを作製した。得られたシート上にマイクロシリンジ
で25μlの水滴を滴下した後、シートを傾斜させて水
滴が転がり落ちる角度を測定した。
【0046】6.摩擦後の表面電位 パルプを強制的に摩擦帯電させたときの表面電位を測定
した。 (1)試験片形状 水分率を調整した5gのパルプを、内径38mm、高さ
50mmの紙管に充填したものを試験片とした。 (2)表面電位測定方法 紙管の端面からパルプを1mm突出させ、この面をガラ
ス/エポキシ樹脂積層板で30回摩擦する。その後、静
電電位測定機(EV−102、ノイズ研究所(株)製)
により表面電位を測定した。 (3)測定条件 パルプ表面から測定機までの距離:50mm 帯電時から測定までの時間:10秒 測定環境:20℃、相対湿度62%(一定)
した。 (1)試験片形状 水分率を調整した5gのパルプを、内径38mm、高さ
50mmの紙管に充填したものを試験片とした。 (2)表面電位測定方法 紙管の端面からパルプを1mm突出させ、この面をガラ
ス/エポキシ樹脂積層板で30回摩擦する。その後、静
電電位測定機(EV−102、ノイズ研究所(株)製)
により表面電位を測定した。 (3)測定条件 パルプ表面から測定機までの距離:50mm 帯電時から測定までの時間:10秒 測定環境:20℃、相対湿度62%(一定)
【0047】実施例1 絶乾重量9. 5gのパラ系芳香族ポリアミドパルプ〔ト
ワロン1099(日本アラミド(有)、BET比表面
積:11.6m2 /g、濾水度:360ml)〕とPTF
E系分散液〔ノニオン系分散液、フルオンディスパージ
ョンAD1(旭硝子(株)製、平均粒径:0. 25μ
m、固形分60重量%)〕0. 83g(固形分0. 5
g)を1リットルのイオン交換水中に分散させた後、固
形分1gの特殊油水分離剤グレージンCF(松本油脂
(株)製、成分はタンニン酸(60重量部)/硫酸アル
ミ(40重量部))を10重量%水溶液の状態で加え
て、系内のタンニン酸の濃度を600ppm、硫酸アル
ミの濃度を400ppmに調整した。これに100mg
の水酸化カルシウム粉末を添加してpHを調節し、その
まま10分間攪拌してフッ素樹脂を芳香族ポリアミドパ
ルプの表面に沈降、定着させた。ついで、ろ別、脱水、
乾燥を行った後、380℃に10分間保持して加熱処理
を行った。その後、コーヒーミルによりパルプの開繊を
行いフッ素樹脂で処理された乾燥芳香族ポリアミドパル
プを得た。このアラミドパルプを上記の方法で評価して
結果を表1に記した。
ワロン1099(日本アラミド(有)、BET比表面
積:11.6m2 /g、濾水度:360ml)〕とPTF
E系分散液〔ノニオン系分散液、フルオンディスパージ
ョンAD1(旭硝子(株)製、平均粒径:0. 25μ
m、固形分60重量%)〕0. 83g(固形分0. 5
g)を1リットルのイオン交換水中に分散させた後、固
形分1gの特殊油水分離剤グレージンCF(松本油脂
(株)製、成分はタンニン酸(60重量部)/硫酸アル
ミ(40重量部))を10重量%水溶液の状態で加え
て、系内のタンニン酸の濃度を600ppm、硫酸アル
ミの濃度を400ppmに調整した。これに100mg
の水酸化カルシウム粉末を添加してpHを調節し、その
まま10分間攪拌してフッ素樹脂を芳香族ポリアミドパ
ルプの表面に沈降、定着させた。ついで、ろ別、脱水、
乾燥を行った後、380℃に10分間保持して加熱処理
を行った。その後、コーヒーミルによりパルプの開繊を
行いフッ素樹脂で処理された乾燥芳香族ポリアミドパル
プを得た。このアラミドパルプを上記の方法で評価して
結果を表1に記した。
【0048】実施例2 絶乾重量1470gのパラ系芳香族ポリアミドパルプ
〔トワロン1099(日本アラミド(有)、BET比表
面積:11. 6m2 /g、濾水度:360ml)〕とP
TFE系分散液〔ノニオン系分散液、フルオンディスパ
ージョンAD1(旭硝子(株)製、平均粒径:0.25
μm、固形分60重量%)〕47g(固形分28g)を
150リットルのイオン交換水中に分散させた後、10
重量%に希釈した特殊油水分離剤グレージンCF(松本
油脂(株)製、成分はタンニン酸(60重量部)/硫酸
アルミ(40重量部))を1130g加えて、系内のタ
ンニン酸の濃度を750ppmに調整した。これに56
3gの1重量%アンモニア水を添加してpHを調節し、
そのまま20分間攪拌してフッ素樹脂を芳香族ポリアミ
ドパルプの表面に沈降、定着させた。ついで、ろ別、脱
水、乾燥を行った後、380℃に20分間保持して加熱
処理を行った。その後、レーディゲミキサーM−20
(松坂貿易(株)製)によりパルプの予備開繊を行い、
さらにジェットオーミルJOM−0202型(セイシン
企業株(製))により本開繊を行った。そして、フッ素
樹脂で処理された乾燥芳香族ポリアミドパルプを得た。
このアラミドパルプを上記の方法で評価して結果を表1
に記した。
〔トワロン1099(日本アラミド(有)、BET比表
面積:11. 6m2 /g、濾水度:360ml)〕とP
TFE系分散液〔ノニオン系分散液、フルオンディスパ
ージョンAD1(旭硝子(株)製、平均粒径:0.25
μm、固形分60重量%)〕47g(固形分28g)を
150リットルのイオン交換水中に分散させた後、10
重量%に希釈した特殊油水分離剤グレージンCF(松本
油脂(株)製、成分はタンニン酸(60重量部)/硫酸
アルミ(40重量部))を1130g加えて、系内のタ
ンニン酸の濃度を750ppmに調整した。これに56
3gの1重量%アンモニア水を添加してpHを調節し、
そのまま20分間攪拌してフッ素樹脂を芳香族ポリアミ
ドパルプの表面に沈降、定着させた。ついで、ろ別、脱
水、乾燥を行った後、380℃に20分間保持して加熱
処理を行った。その後、レーディゲミキサーM−20
(松坂貿易(株)製)によりパルプの予備開繊を行い、
さらにジェットオーミルJOM−0202型(セイシン
企業株(製))により本開繊を行った。そして、フッ素
樹脂で処理された乾燥芳香族ポリアミドパルプを得た。
このアラミドパルプを上記の方法で評価して結果を表1
に記した。
【0049】実施例3 絶乾重量1470gのパラ系芳香族ポリアミドパルプ
〔トワロン1099(日本アラミド(有)、BET比表
面積:11. 6m2 /g、濾水度:360ml)〕とP
TFE系分散液〔ノニオン系分散液、フルオンディスパ
ージョンAD1(旭硝子(株)製、平均粒径:0. 25
μm、固形分60重量%)、47g(固形分28g)を
150リットルのイオン交換水中に分散させた後、10
重量%に希釈した特殊油水分離剤グレージンCF(松本
油脂(株)製、成分はタンニン酸(60重量部)/硫酸
アルミ(40重量部))を1130g加えて、系内のタ
ンニン酸の濃度を750ppmに調整した。これに56
3gの1重量%アンモニア水を添加してpHを調節し、
そのまま20分間攪拌してフッ素樹脂を芳香族ポリアミ
ドパルプの表面に沈降、定着させた。その後、ろ別、脱
水を行いフッ素樹脂で処理された含水芳香族ポリアミド
パルプ(含水率:69%)を得た。この含水芳香族ポリ
アミドパルプ40. 32gを角型シートマシン(熊谷理
機(株)製)を用いて250mm角の金網上に抄紙し、
200g/m2 のシートを作製した。さらに、得られた
シートを380℃に20分保持して加熱処理を行った
後、上記の方法で評価して結果を表1に記した。
〔トワロン1099(日本アラミド(有)、BET比表
面積:11. 6m2 /g、濾水度:360ml)〕とP
TFE系分散液〔ノニオン系分散液、フルオンディスパ
ージョンAD1(旭硝子(株)製、平均粒径:0. 25
μm、固形分60重量%)、47g(固形分28g)を
150リットルのイオン交換水中に分散させた後、10
重量%に希釈した特殊油水分離剤グレージンCF(松本
油脂(株)製、成分はタンニン酸(60重量部)/硫酸
アルミ(40重量部))を1130g加えて、系内のタ
ンニン酸の濃度を750ppmに調整した。これに56
3gの1重量%アンモニア水を添加してpHを調節し、
そのまま20分間攪拌してフッ素樹脂を芳香族ポリアミ
ドパルプの表面に沈降、定着させた。その後、ろ別、脱
水を行いフッ素樹脂で処理された含水芳香族ポリアミド
パルプ(含水率:69%)を得た。この含水芳香族ポリ
アミドパルプ40. 32gを角型シートマシン(熊谷理
機(株)製)を用いて250mm角の金網上に抄紙し、
200g/m2 のシートを作製した。さらに、得られた
シートを380℃に20分保持して加熱処理を行った
後、上記の方法で評価して結果を表1に記した。
【0050】比較例1 パラ系芳香族ポリアミドパルプ〔トワロン1099(日
本アラミド(有)、BET比表面積:11. 6m2 /
g、濾水度:360ml)〕を上記の方法で評価して結
果を表1に記した。
本アラミド(有)、BET比表面積:11. 6m2 /
g、濾水度:360ml)〕を上記の方法で評価して結
果を表1に記した。
【0051】
【表1】 ─────────────────────────────────── 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 ─────────────────────────────────── 20℃、65%RHでの 水分率(重量%) 2.9 1.5 ─ 6.0 20℃、100 %RHでの 水分率(重量%) 5.0 3.9 ─ 14.5 水分率の上昇量(%) 2.1 2.4 ─ 8.5 ─────────────────────────────────── ろ液のCOD(mg/l) 8 17 19 ─ 槽内のCOD(mg/l) 960 510 510 ─ 投入したフッ素樹脂の 定着率(重量%) 99 97 96 ─ パルプに対するフッ素 樹脂の付着率(重量%) 5.0 1.8 1.8 ─ ─────────────────────────────────── 水滴が転落した角度 ─ 49 32 ※1 表面電位(kV) 水分率3%のとき ─ -0.85 ─ -1.60 水分率4%のとき ─ -0.19 ─ -1.30 ─────────────────────────────────── ※1:水滴がシートに吸収されるために測定不可能であった。
【0052】
【発明の効果】本発明のフッ素樹脂で表面処理された芳
香族ポリアミドパルプは、耐水性および撥水性に優れ、
また、表面電位が低いため帯電し難いという電気的にも
優れた性質を示す。また、本発明のフッ素樹脂で表面処
理された芳香族ポリアミドパルプの製造方法は、簡便で
環境負荷の少ない優れた製造方法である。
香族ポリアミドパルプは、耐水性および撥水性に優れ、
また、表面電位が低いため帯電し難いという電気的にも
優れた性質を示す。また、本発明のフッ素樹脂で表面処
理された芳香族ポリアミドパルプの製造方法は、簡便で
環境負荷の少ない優れた製造方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 13/26 D21H 5/20 E
Claims (6)
- 【請求項1】BET比表面積が3〜25m2 /gであ
り、フッ素樹脂により表面処理されていることを特徴と
する芳香族ポリアミドパルプ。 - 【請求項2】下記の(イ)乃至(ロ)の工程を有するこ
とを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリアミドパルプ
の製造方法。 (イ)BET比表面積が3〜25m2 /gである芳香族
ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末を水中に分散させる
工程。 (ロ)凝集剤を分散液に添加して、フッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプの表面に定着させる工程。 - 【請求項3】下記の(イ)乃至(ハ)の工程を有するこ
とを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリアミドパルプ
の製造方法。 (イ)BET比表面積が3〜25m2 /gである芳香族
ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末を水中に分散させる
工程。 (ロ)凝集剤を分散液に添加して、フッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプの表面に定着させる工程。 (ハ)脱水を行い含水芳香族ポリアミドパルプを得る工
程。 - 【請求項4】下記の(イ)乃至(ニ)の工程を有するこ
とを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリアミドパルプ
の製造方法。 (イ)BET比表面積が3〜25m2 /gである芳香族
ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末を水中に分散させる
工程。 (ロ)凝集剤を分散液に添加して、フッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプの表面に定着させる工程。 (ハ)脱水を行い含水芳香族ポリアミドパルプを得る工
程。 (ニ)乾燥を行い含水率が30重量%未満に調節された
芳香族ポリアミドパルプを得る工程。 - 【請求項5】上記の(ニ)の工程の後に下記の(ホ)の
工程を有することを特徴とする請求項4記載の芳香族ポ
リアミドパルプの製造方法。 (ホ)開繊を行う工程。 - 【請求項6】上記の(ニ)の工程の後に下記の(ホ)つ
いで(ヘ)の工程を有することを特徴とする請求項4記
載の芳香族ポリアミドパルプの製造方法。 (ホ)フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理する工
程。 (ヘ)開繊を行う工程。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22937595A JP3602215B2 (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 芳香族ポリアミドパルプおよびその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22937595A JP3602215B2 (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | 芳香族ポリアミドパルプおよびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0978455A true JPH0978455A (ja) | 1997-03-25 |
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ID=16891195
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---|---|---|---|
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---|---|
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH09188767A (ja) * | 1995-08-03 | 1997-07-22 | Nippon Aramido Kk | フッソ樹脂系シート、シート積層複合体、その製造方法およびその用途 |
JP2004523670A (ja) * | 2001-03-05 | 2004-08-05 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 電導性パラ−アラミドパルプ |
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