JPH0813348A - 含水芳香族ポリアミドパルプ及びその製造方法 - Google Patents
含水芳香族ポリアミドパルプ及びその製造方法Info
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- JPH0813348A JPH0813348A JP10446595A JP10446595A JPH0813348A JP H0813348 A JPH0813348 A JP H0813348A JP 10446595 A JP10446595 A JP 10446595A JP 10446595 A JP10446595 A JP 10446595A JP H0813348 A JPH0813348 A JP H0813348A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】水中での分散性、開繊性が良好であり、ゴムと
の接着性に優れ、ビーターシートに用いた場合、高い機
械的強度を与える表面処理された含水芳香族ポリアミド
パルプおよびその製造方法を提供する。 【構成】グリシジル基の一部が加水分解されたエポキシ
樹脂エマルジョンを用い、芳香族ポリアミドパルプを該
エマルジョン中に分散させることにより芳香族ポリアミ
ドパルプにエポキシ樹脂を吸着させる。次に、系にRF
Lを分散させ、ラッテクスゴムを不安定化することによ
りRFLを芳香族ポリアミドパルプの表面に付着させ
る。次いで、脱水することにより含水率が30〜95重
量%である含水芳香族ポリアミドパルプを得る。
の接着性に優れ、ビーターシートに用いた場合、高い機
械的強度を与える表面処理された含水芳香族ポリアミド
パルプおよびその製造方法を提供する。 【構成】グリシジル基の一部が加水分解されたエポキシ
樹脂エマルジョンを用い、芳香族ポリアミドパルプを該
エマルジョン中に分散させることにより芳香族ポリアミ
ドパルプにエポキシ樹脂を吸着させる。次に、系にRF
Lを分散させ、ラッテクスゴムを不安定化することによ
りRFLを芳香族ポリアミドパルプの表面に付着させ
る。次いで、脱水することにより含水率が30〜95重
量%である含水芳香族ポリアミドパルプを得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面処理された含水芳香
族ポリアミド(以下、芳香族ポリアミドをアラミドと略
称することがある)パルプ及びその製造方法に関する。
さらに詳しくは、ビーターシートに用いた場合に取扱性
が容易で優れた機械的特性を与える、含水芳香族ポリア
ミドパルプ及びその製造方法に関する。
族ポリアミド(以下、芳香族ポリアミドをアラミドと略
称することがある)パルプ及びその製造方法に関する。
さらに詳しくは、ビーターシートに用いた場合に取扱性
が容易で優れた機械的特性を与える、含水芳香族ポリア
ミドパルプ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミド繊維とゴムとの接着性
を改良する方法として、特公昭50−94289号、特
公昭51−20983号公報等に見られるように、エポ
キシ処理を行った後にレゾルシンホルマリンラッテクス
ゴム(以下、RFLということがある)で処理する方法
が知られている。これらの方法において、処理の対象物
はホース、伝達ベルト、コンベアベルト、タイヤ等に用
いられる芳香族ポリアミドの長繊維のヤーン、コード類
であり、従来、芳香族ポリアミドパルプの、ゴムとの接
着性を上げるための処理方法は殆ど知られていなかっ
た。また、上記の方法の殆どが乾燥処理や加熱処理を行
うため、該方法を芳香族ポリアミドパルプの処理に応用
した場合、パルプの開繊が不充分となることやパルプの
分散性が損なわれるといった問題点を有していた。その
ために、パルプの形態でゴムと組み合わせて使用される
ビーターシート等では、これらの処理方法が利用できな
いのでゴムとの接着性に優れ分散性が良好である芳香族
ポリアミドパルプが望まれていた。
を改良する方法として、特公昭50−94289号、特
公昭51−20983号公報等に見られるように、エポ
キシ処理を行った後にレゾルシンホルマリンラッテクス
ゴム(以下、RFLということがある)で処理する方法
が知られている。これらの方法において、処理の対象物
はホース、伝達ベルト、コンベアベルト、タイヤ等に用
いられる芳香族ポリアミドの長繊維のヤーン、コード類
であり、従来、芳香族ポリアミドパルプの、ゴムとの接
着性を上げるための処理方法は殆ど知られていなかっ
た。また、上記の方法の殆どが乾燥処理や加熱処理を行
うため、該方法を芳香族ポリアミドパルプの処理に応用
した場合、パルプの開繊が不充分となることやパルプの
分散性が損なわれるといった問題点を有していた。その
ために、パルプの形態でゴムと組み合わせて使用される
ビーターシート等では、これらの処理方法が利用できな
いのでゴムとの接着性に優れ分散性が良好である芳香族
ポリアミドパルプが望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自動
車等の締結部ガスケットパッキンとして使用されるビー
ターシートを製造するのに適した、芳香族ポリアミドパ
ルプの分散性及び開繊性が良好で、ラテックスゴムとの
接着性に優れ、高い機械的特性を有するビーターシート
を与える含水芳香族ポリアミドパルプを提供することに
ある。
車等の締結部ガスケットパッキンとして使用されるビー
ターシートを製造するのに適した、芳香族ポリアミドパ
ルプの分散性及び開繊性が良好で、ラテックスゴムとの
接着性に優れ、高い機械的特性を有するビーターシート
を与える含水芳香族ポリアミドパルプを提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は次に
記す発明からなる。 (1)エポキシ樹脂とレゾルシンホルマリンラテックス
ゴムにより表面処理され、含水率が30〜95重量%で
あることを特徴とする含水芳香族ポリアミドパルプ。 (2)エポキシ樹脂が、グリシジル基の一部が加水分解
されたエポキシ樹脂である項(1)記載の含水芳香族ポ
リアミドパルプ。
記す発明からなる。 (1)エポキシ樹脂とレゾルシンホルマリンラテックス
ゴムにより表面処理され、含水率が30〜95重量%で
あることを特徴とする含水芳香族ポリアミドパルプ。 (2)エポキシ樹脂が、グリシジル基の一部が加水分解
されたエポキシ樹脂である項(1)記載の含水芳香族ポ
リアミドパルプ。
【0005】(3)水系のエポキシ樹脂エマルジョンに
芳香族ポリアミドパルプを分散させる工程、該芳香族ポ
リアミドパルプが分散している水系とレゾルシンホルマ
リンラテックスゴムおよび該レゾルシンホルマリンラテ
ックスゴムを不安定化させる成分を混合する工程、およ
び、過剰の水を除去する工程、を経ることを特徴とする
項(1)記載の含水芳香族ポリアミドパルプの製造方
法。 (4)エポキシ樹脂エマルジョンのエポキシ樹脂が、グ
リシジル基の一部が加水分解されたエポキシ樹脂である
項(3)記載の含水芳香族ポリアミドパルプの製造方
法。
芳香族ポリアミドパルプを分散させる工程、該芳香族ポ
リアミドパルプが分散している水系とレゾルシンホルマ
リンラテックスゴムおよび該レゾルシンホルマリンラテ
ックスゴムを不安定化させる成分を混合する工程、およ
び、過剰の水を除去する工程、を経ることを特徴とする
項(1)記載の含水芳香族ポリアミドパルプの製造方
法。 (4)エポキシ樹脂エマルジョンのエポキシ樹脂が、グ
リシジル基の一部が加水分解されたエポキシ樹脂である
項(3)記載の含水芳香族ポリアミドパルプの製造方
法。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるアラミド、すなわち全芳香族ポリアミドは、
アミド結合の少なくとも85モル%以上が芳香族環性ジ
アミン、芳香族環性ジカルボン酸成分より得られるもの
である。その具体例としては、ポリパラフェニレンテレ
フタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミド、
ポリパラベンズアミド、ポリ−4,4’−ジアミノベン
ズアニリド、ポリパラフェニレン−2, 6―ナフタリッ
クアミド、コポリパラフェニレン/4,4’−(3,
3’−ジメチルビフェニレン)−テレフタルアミド、コ
ポリパラフェニレン/2, 5−ピリジレン−テレフタル
アミド、ポリオルソフェニレンフタルアミド、ポリメタ
フェニレンフタルアミド、ポリパラフェニレンフタルア
ミド、ポリオルソフェニレンイソフタルアミド、ポリメ
タフェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンイ
ソフタルアミド、ポリオルソフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリ−1, 5−ナフタレンフタルアミド、ポリ−
4,4’−ジフェニレンオルソフタルアミド、ポリ−
4,4’−ジフェニレンイソフタルアミド、ポリ−1,
4−ナフタレンフタルアミド、ポリ−1, 4−ナフタレ
ンイソフタルアミド、ポリ−1, 5−ナフタレンイソフ
タルアミド等、及びこれらの芳香族ジアミンのベンゼン
核の一部をピペラジン、1, 5−ジメチルピペラジン、
2, 5−ジエチルピペラジンで置換した化合物等に代表
される脂環式アミンを含む芳香族ポリアミド、または芳
香族ジアミンが3,3’−オキシジフェニレンジアミ
ン、3, 4−オキシジフェニレンジアミン等のエーテル
結合、−S−、−SO2 −、−CO−、−NH−、等の
基により結合された2個のフェニル基を含む芳香族ポリ
アミドのコポリマー、例えば、ポリ−3,3’−オキシ
ジフェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェニレンテ
レフタルアミド共重合体、ポリ−3, 4―オキシジフェ
ニレンテレフタルアミド/ポリパラフェニレンテレフ夕
ルアミド共重合体等を挙げることができる。
用いられるアラミド、すなわち全芳香族ポリアミドは、
アミド結合の少なくとも85モル%以上が芳香族環性ジ
アミン、芳香族環性ジカルボン酸成分より得られるもの
である。その具体例としては、ポリパラフェニレンテレ
フタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミド、
ポリパラベンズアミド、ポリ−4,4’−ジアミノベン
ズアニリド、ポリパラフェニレン−2, 6―ナフタリッ
クアミド、コポリパラフェニレン/4,4’−(3,
3’−ジメチルビフェニレン)−テレフタルアミド、コ
ポリパラフェニレン/2, 5−ピリジレン−テレフタル
アミド、ポリオルソフェニレンフタルアミド、ポリメタ
フェニレンフタルアミド、ポリパラフェニレンフタルア
ミド、ポリオルソフェニレンイソフタルアミド、ポリメ
タフェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンイ
ソフタルアミド、ポリオルソフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリ−1, 5−ナフタレンフタルアミド、ポリ−
4,4’−ジフェニレンオルソフタルアミド、ポリ−
4,4’−ジフェニレンイソフタルアミド、ポリ−1,
4−ナフタレンフタルアミド、ポリ−1, 4−ナフタレ
ンイソフタルアミド、ポリ−1, 5−ナフタレンイソフ
タルアミド等、及びこれらの芳香族ジアミンのベンゼン
核の一部をピペラジン、1, 5−ジメチルピペラジン、
2, 5−ジエチルピペラジンで置換した化合物等に代表
される脂環式アミンを含む芳香族ポリアミド、または芳
香族ジアミンが3,3’−オキシジフェニレンジアミ
ン、3, 4−オキシジフェニレンジアミン等のエーテル
結合、−S−、−SO2 −、−CO−、−NH−、等の
基により結合された2個のフェニル基を含む芳香族ポリ
アミドのコポリマー、例えば、ポリ−3,3’−オキシ
ジフェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェニレンテ
レフタルアミド共重合体、ポリ−3, 4―オキシジフェ
ニレンテレフタルアミド/ポリパラフェニレンテレフ夕
ルアミド共重合体等を挙げることができる。
【0007】本発明に述べるアラミドパルプとは、アラ
ミド繊維が高度にフィブリル化された形状を有するもの
であり、BET法で測定したその比表面積の値が、好ま
しくは3〜25m2 /g を示すものであり、JIS
P 8121「パルプのろ水度試験方法」の、カナダ標
準型法で測定したろ水度の値が、好ましくは40〜70
0ml、より好ましくは100〜700mlのものをい
う。
ミド繊維が高度にフィブリル化された形状を有するもの
であり、BET法で測定したその比表面積の値が、好ま
しくは3〜25m2 /g を示すものであり、JIS
P 8121「パルプのろ水度試験方法」の、カナダ標
準型法で測定したろ水度の値が、好ましくは40〜70
0ml、より好ましくは100〜700mlのものをい
う。
【0008】アラミドパルプを製造する方怯は特に限定
されず、例えば特公昭59−603号や特公平2−20
0809号公報等に開示された方法を用いることができ
る。
されず、例えば特公昭59−603号や特公平2−20
0809号公報等に開示された方法を用いることができ
る。
【0009】本発明に用いられる水系のエポキシ樹脂エ
マルジョンを製造するためのエポキシ樹脂は本発明の目
的を達成するものであれば特に限定されない。例えば、
次に記すものを用いることができる。すなわち、スミエ
ポキシELA−128(商品名、住友化学工業(株)
製)等のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、スミエ
ポキシELA−012(同上)等のビスフェノールA型
固形エポキシ樹脂、スミエポキシESCN−220L
(同上)等のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、スミエポキシELM−120(同上)等のトリグリ
シジルアミン型エポキシ樹脂、スミエポキシELM−4
34(同上)等のテトラグリシジルアミン型エポキシ樹
脂等が挙げられる。なかでも4官能型のテトラグリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂が接着性を向上させる点で好ま
しい。さらにこれらのエポキシ樹脂のエポキシ当量の値
は1000g/eq.以下であることが好ましい。10
00g/eq.以上の場合は、充分な接着性が得られな
い。
マルジョンを製造するためのエポキシ樹脂は本発明の目
的を達成するものであれば特に限定されない。例えば、
次に記すものを用いることができる。すなわち、スミエ
ポキシELA−128(商品名、住友化学工業(株)
製)等のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、スミエ
ポキシELA−012(同上)等のビスフェノールA型
固形エポキシ樹脂、スミエポキシESCN−220L
(同上)等のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、スミエポキシELM−120(同上)等のトリグリ
シジルアミン型エポキシ樹脂、スミエポキシELM−4
34(同上)等のテトラグリシジルアミン型エポキシ樹
脂等が挙げられる。なかでも4官能型のテトラグリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂が接着性を向上させる点で好ま
しい。さらにこれらのエポキシ樹脂のエポキシ当量の値
は1000g/eq.以下であることが好ましい。10
00g/eq.以上の場合は、充分な接着性が得られな
い。
【0010】これらのエポキシ樹脂を用いて水系エマル
ジョンを製造する方法としては、一般的に用いられてい
る方法がそのまま適用できる。すなわち、例えば、ポリ
オキシエチレンと高級脂肪酸アルコールのエーテル化合
物等のノニオン系の界面活性剤の存在下でエポキシ樹脂
を水中に高速攪拌により分散させて水系エポキシ樹脂エ
マルジョン(以下、エポキシエマルジョンということが
ある)を得る。このときのエポキシ樹脂/界面活性剤の
組成比(重量)は、エポキシ樹脂、界面活性剤の種類に
よっても変るが、エマルジョンの安定性、接着性等の点
から、97/3〜70/30の範囲で選ぶことが好まし
い。また、エポキシ樹脂の乳化物である、ANS−10
01、ANS−1006(商品名、竹本油脂(株)
製)、等の市販のエポキシエマルジョンを使用すること
も可能である。
ジョンを製造する方法としては、一般的に用いられてい
る方法がそのまま適用できる。すなわち、例えば、ポリ
オキシエチレンと高級脂肪酸アルコールのエーテル化合
物等のノニオン系の界面活性剤の存在下でエポキシ樹脂
を水中に高速攪拌により分散させて水系エポキシ樹脂エ
マルジョン(以下、エポキシエマルジョンということが
ある)を得る。このときのエポキシ樹脂/界面活性剤の
組成比(重量)は、エポキシ樹脂、界面活性剤の種類に
よっても変るが、エマルジョンの安定性、接着性等の点
から、97/3〜70/30の範囲で選ぶことが好まし
い。また、エポキシ樹脂の乳化物である、ANS−10
01、ANS−1006(商品名、竹本油脂(株)
製)、等の市販のエポキシエマルジョンを使用すること
も可能である。
【0011】さらに、エポキシエマルジョンとしてはグ
リシジル基の一部を加水分解させてグリコール基とした
エポキシ樹脂を用いることで芳香族ポリアミドパルプへ
の吸着が容易に行えるようになる。グリシジル基の一部
を加水分解させてグリコール基としたエポキシ樹脂のエ
マルジョンを得る方法としては、エポキシ樹脂を一般的
な方法で加水分解させたものを原料としてエマルジョン
分散液を作るという方法を用いることもできるが、次に
述べるように通常の方法でエポキシエマルジョン分散液
を作成した後、加水分解させる方が均一で安定なエマル
ジョンを容易に得ることができる。エマルジョンを加水
分解させるにはエマルジョンの種類により様々な方法が
あるが、そのまま加熱処理を施すのが最も簡単な方法で
ある。加水分解はエポキシ樹脂中のエポキシ基の一部を
開環してグリコール基とするために行なうが、好ましく
は当初存在するエポキシ基の10%以上、さらに好まし
くは20%以上99%未満を加水分解する。加水分解が
不十分な場合はパルプへの樹脂の吸着が不十分となりや
すく、行過ぎた場合は処理パルプのラッテクスゴムとの
接着性等の性能が低下する。
リシジル基の一部を加水分解させてグリコール基とした
エポキシ樹脂を用いることで芳香族ポリアミドパルプへ
の吸着が容易に行えるようになる。グリシジル基の一部
を加水分解させてグリコール基としたエポキシ樹脂のエ
マルジョンを得る方法としては、エポキシ樹脂を一般的
な方法で加水分解させたものを原料としてエマルジョン
分散液を作るという方法を用いることもできるが、次に
述べるように通常の方法でエポキシエマルジョン分散液
を作成した後、加水分解させる方が均一で安定なエマル
ジョンを容易に得ることができる。エマルジョンを加水
分解させるにはエマルジョンの種類により様々な方法が
あるが、そのまま加熱処理を施すのが最も簡単な方法で
ある。加水分解はエポキシ樹脂中のエポキシ基の一部を
開環してグリコール基とするために行なうが、好ましく
は当初存在するエポキシ基の10%以上、さらに好まし
くは20%以上99%未満を加水分解する。加水分解が
不十分な場合はパルプへの樹脂の吸着が不十分となりや
すく、行過ぎた場合は処理パルプのラッテクスゴムとの
接着性等の性能が低下する。
【0012】適当な加水分解の条件は、エポキシ樹脂、
界面活性剤の種類、組成、濃度等によって様々であるが
一例を挙げれば、テトラグリシジルアミン型エポキシ樹
脂であるスミエポキシELM−434(住友化学工業
(株)製)のノニオン型エマルジョン、ANS−100
6(竹本油脂(株)製)の場合は以下の様にして加水分
解することができる。すなわち、これを65℃の温度で
130時間、加熱処理することにより目的のグリシジル
基の一部を加水分解させてグリコール基としたエポキシ
樹脂のエマルジョンを得ることができる。この処理によ
りエポキシ当量の値は、約120g/eq.から約24
0g/eq.に増大する。このとき反応率は50%とな
る。エマルジョンを室温で3〜6ヵ月静置することでも
同様の効果をあげることが出来る。さらに、酸、アリカ
リ、アミン類等の触媒を用いて反応を促進することも出
来る。
界面活性剤の種類、組成、濃度等によって様々であるが
一例を挙げれば、テトラグリシジルアミン型エポキシ樹
脂であるスミエポキシELM−434(住友化学工業
(株)製)のノニオン型エマルジョン、ANS−100
6(竹本油脂(株)製)の場合は以下の様にして加水分
解することができる。すなわち、これを65℃の温度で
130時間、加熱処理することにより目的のグリシジル
基の一部を加水分解させてグリコール基としたエポキシ
樹脂のエマルジョンを得ることができる。この処理によ
りエポキシ当量の値は、約120g/eq.から約24
0g/eq.に増大する。このとき反応率は50%とな
る。エマルジョンを室温で3〜6ヵ月静置することでも
同様の効果をあげることが出来る。さらに、酸、アリカ
リ、アミン類等の触媒を用いて反応を促進することも出
来る。
【0013】アラミドパルプの処理に際しては、まず水
系のエポキシ樹脂エマルジョンに芳香族ポリアミドパル
プを分散させる工程を行う。具体的には、アラミドパル
プをエポキシエマルジョン、好ましくは上記のグリシジ
ル基の一部を加水分解したエポキシエマルジョンで処理
して、アラミドパルプの表面にエポキシ樹脂を付着させ
る。処理の方法は必ずしも限定されないが、例えば、以
下に記すような方法を行なうことができる。まずアラミ
ドパルプを、充分な流動性が得られる程度に水中に分散
させる。分散液中のアラミドパルプの適当な濃度は用い
るパルプの比表面積やろ水度の値によって異なるが、好
ましくは0.2〜5重量%の範囲で選ばれる。均一な分
散を行なうには、一般的なプロペラ式の攪拌機を利用す
ることができる。次にこの分散液を攪拌しつつ、所要量
のエポキシエマルジョン、好ましくは前記したグリシジ
ル基の一部を加水分解したエポキシエマルジョンを滴下
する。滴下量は、絶乾パルプ重量に対するエポキシ樹脂
の付着量が好ましくは0.3〜10重量%、さらに好ま
しくは1〜6重量%となるようにする。0.3重量%以
下では充分な処理効果が得られず、10重量%以上では
付着量に見合った効果が発現しないため経済性も劣るも
のとなる。エポキシ樹脂のパルプ表面への付着はエマル
ジョンの滴下と同時に始まる。エマルジョンの滴下が終
了したら、そのまま5〜30分攪拌を継続してエポキシ
樹脂のパルプ表面への付着を十分に行う。本発明の方法
によれば、これだけでエポキシ樹脂がほぼ100%、ア
ラミドパルプの表面に付着する。
系のエポキシ樹脂エマルジョンに芳香族ポリアミドパル
プを分散させる工程を行う。具体的には、アラミドパル
プをエポキシエマルジョン、好ましくは上記のグリシジ
ル基の一部を加水分解したエポキシエマルジョンで処理
して、アラミドパルプの表面にエポキシ樹脂を付着させ
る。処理の方法は必ずしも限定されないが、例えば、以
下に記すような方法を行なうことができる。まずアラミ
ドパルプを、充分な流動性が得られる程度に水中に分散
させる。分散液中のアラミドパルプの適当な濃度は用い
るパルプの比表面積やろ水度の値によって異なるが、好
ましくは0.2〜5重量%の範囲で選ばれる。均一な分
散を行なうには、一般的なプロペラ式の攪拌機を利用す
ることができる。次にこの分散液を攪拌しつつ、所要量
のエポキシエマルジョン、好ましくは前記したグリシジ
ル基の一部を加水分解したエポキシエマルジョンを滴下
する。滴下量は、絶乾パルプ重量に対するエポキシ樹脂
の付着量が好ましくは0.3〜10重量%、さらに好ま
しくは1〜6重量%となるようにする。0.3重量%以
下では充分な処理効果が得られず、10重量%以上では
付着量に見合った効果が発現しないため経済性も劣るも
のとなる。エポキシ樹脂のパルプ表面への付着はエマル
ジョンの滴下と同時に始まる。エマルジョンの滴下が終
了したら、そのまま5〜30分攪拌を継続してエポキシ
樹脂のパルプ表面への付着を十分に行う。本発明の方法
によれば、これだけでエポキシ樹脂がほぼ100%、ア
ラミドパルプの表面に付着する。
【0014】次にエポキシ樹脂で表面処理された芳香族
ポリアミドパルプが分散している水系とレゾルシンホル
マリンラテックスゴムおよび該レゾルシンホルマリンラ
テックスゴムを不安定化させる成分を混合する工程を行
う。この工程においては、ラテックスゴムを不安定化さ
せてそのゴム成分を芳香族ポリアミドパルプに付着させ
る。一般にレゾルシンホルマリンの縮合物は水溶性であ
り、加熱乾燥処理を行わないで目標とする処理量を、全
量パルプに付着させることは困難である。しかしなが
ら、ラテックスゴムとレゾルシンホルマリン縮合物を混
合熟成したRFLであれば、ラテックスゴムを不安定化
することで、投入したRFLのほぼ全量がパルプへ付着
することを本発明者らは見出したものである。
ポリアミドパルプが分散している水系とレゾルシンホル
マリンラテックスゴムおよび該レゾルシンホルマリンラ
テックスゴムを不安定化させる成分を混合する工程を行
う。この工程においては、ラテックスゴムを不安定化さ
せてそのゴム成分を芳香族ポリアミドパルプに付着させ
る。一般にレゾルシンホルマリンの縮合物は水溶性であ
り、加熱乾燥処理を行わないで目標とする処理量を、全
量パルプに付着させることは困難である。しかしなが
ら、ラテックスゴムとレゾルシンホルマリン縮合物を混
合熟成したRFLであれば、ラテックスゴムを不安定化
することで、投入したRFLのほぼ全量がパルプへ付着
することを本発明者らは見出したものである。
【0015】ラテックスゴムを不安定化するための方法
は、アニオン系ラテックスゴムの場合は系を酸性にす
る。または、カチオンを投入してイオンポテンシャルを
低くすることによりラテックスゴムを凝集させる。カチ
オン系ラテックスゴムの場合はこの逆で、系をアルカリ
性にする。または、アニオンを投入する方法が挙げられ
る。系をアルカリ性や酸性にしたり、カチオン、アニオ
ンを投入する時期については、RFLを投入する前であ
っても、RFLを投入した後であってもいずれでもよ
い。
は、アニオン系ラテックスゴムの場合は系を酸性にす
る。または、カチオンを投入してイオンポテンシャルを
低くすることによりラテックスゴムを凝集させる。カチ
オン系ラテックスゴムの場合はこの逆で、系をアルカリ
性にする。または、アニオンを投入する方法が挙げられ
る。系をアルカリ性や酸性にしたり、カチオン、アニオ
ンを投入する時期については、RFLを投入する前であ
っても、RFLを投入した後であってもいずれでもよ
い。
【0016】ラテックスゴムを不安定化させる成分をつ
ぎに具体的に例示する。アニオン性ラテックスゴムの場
合は、塩酸、硝酸、炭酸、リン酸、酢酸、シュウ酸等の
無機酸、有機酸を用いてもよいし、硫酸アルミニウム、
硫酸銅、3塩化鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム
等の塩類を添加することによってラテックスゴムの不安
定化が可能である。多価の金属塩である硫酸アルミニウ
ム等は取扱い性がよくラテックスゴムに対する凝集作用
も大きいので、RFLのパルプに対する付着が比較的容
易に行える。カチオン性ラテックスゴムの場合は、アン
モニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウム等のアルカリ類や炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、酢酸ナトリウム等の塩を用いることによって
ラテックスゴムの不安定化が可能である。
ぎに具体的に例示する。アニオン性ラテックスゴムの場
合は、塩酸、硝酸、炭酸、リン酸、酢酸、シュウ酸等の
無機酸、有機酸を用いてもよいし、硫酸アルミニウム、
硫酸銅、3塩化鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム
等の塩類を添加することによってラテックスゴムの不安
定化が可能である。多価の金属塩である硫酸アルミニウ
ム等は取扱い性がよくラテックスゴムに対する凝集作用
も大きいので、RFLのパルプに対する付着が比較的容
易に行える。カチオン性ラテックスゴムの場合は、アン
モニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウム等のアルカリ類や炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、酢酸ナトリウム等の塩を用いることによって
ラテックスゴムの不安定化が可能である。
【0017】RFL中のレゾルシンとホルムアルデヒド
のモル比は1:0.1〜1:8の範囲が好ましく、さら
に好ましくは1:0.5〜1:4の範囲で用いる。ま
た、レゾルシンとホルムアルデヒドとを所定の仕込モル
比で、塩基性触媒下ないしは酸性触媒下で反応させた初
期縮合物を用いることも効果的であり、そのまま、ない
しはさらにホルムアルデヒドと反応させて用いることが
できる。初期縮合物としては、ハロゲン化フェノール、
ホルムアルデヒド、フェノール誘導体から導かれる化合
物や多価フェノール類と塩化硫黄から導かれる化合物等
を用いてもよく、これらの2種以上の混合物であっても
良い。
のモル比は1:0.1〜1:8の範囲が好ましく、さら
に好ましくは1:0.5〜1:4の範囲で用いる。ま
た、レゾルシンとホルムアルデヒドとを所定の仕込モル
比で、塩基性触媒下ないしは酸性触媒下で反応させた初
期縮合物を用いることも効果的であり、そのまま、ない
しはさらにホルムアルデヒドと反応させて用いることが
できる。初期縮合物としては、ハロゲン化フェノール、
ホルムアルデヒド、フェノール誘導体から導かれる化合
物や多価フェノール類と塩化硫黄から導かれる化合物等
を用いてもよく、これらの2種以上の混合物であっても
良い。
【0018】レゾルシンホルマリン縮合物とラテックス
ゴムとの固形分重量比は、1:0.1〜1:10の範囲
が好ましく、さらに好ましくは1:0.5〜1:4の範
囲で用いる。固形分重量比が1:0.1未満になるとラ
テックスゴムが少なく、パルプに対するRFLの充分な
付着は行えない。また、固形分重量比が1:10より大
きくなるとラテックスゴムの量が多過ぎるためにビータ
ーシートに用いた場合、充分な機械的強度は得られにく
い。
ゴムとの固形分重量比は、1:0.1〜1:10の範囲
が好ましく、さらに好ましくは1:0.5〜1:4の範
囲で用いる。固形分重量比が1:0.1未満になるとラ
テックスゴムが少なく、パルプに対するRFLの充分な
付着は行えない。また、固形分重量比が1:10より大
きくなるとラテックスゴムの量が多過ぎるためにビータ
ーシートに用いた場合、充分な機械的強度は得られにく
い。
【0019】RFL処理に用いるラテックスゴムはビー
ターシートに用いるラテックスゴムと同系統のもの以外
に、例えば、アクリロニトリルブタジエンラテックスゴ
ム(NBRラテックス),スチレンブタジエンラテック
スゴム(SBRラテックス)に対してはビニルピリジン
スチレンブタジエン共重合ゴムラテックスやクロロプレ
ンラテックスゴムを混合しても充分な接着性が得られ
る。
ターシートに用いるラテックスゴムと同系統のもの以外
に、例えば、アクリロニトリルブタジエンラテックスゴ
ム(NBRラテックス),スチレンブタジエンラテック
スゴム(SBRラテックス)に対してはビニルピリジン
スチレンブタジエン共重合ゴムラテックスやクロロプレ
ンラテックスゴムを混合しても充分な接着性が得られ
る。
【0020】パルプに対するRFLの付着量は重量比で
20%未満が好ましく、3%から15%がより好まし
い。20%を超えるとパルプの分散性が悪くなる傾向に
ある。また、3%未満ではビーターシートの機械的強度
が低下する傾向を示す。
20%未満が好ましく、3%から15%がより好まし
い。20%を超えるとパルプの分散性が悪くなる傾向に
ある。また、3%未満ではビーターシートの機械的強度
が低下する傾向を示す。
【0021】RFLを吸着させた後、過剰の水分を除去
する。水分の除去方法は特に限定されず、例えば、常法
に従ってろ別した後、所望の含水率になるように脱水し
て、エポキシ樹脂およびRFLで表面処理された含水ア
ラミドパルプを得る。パルプの含水率は30〜95重量
%好ましくは40〜90重量%の範囲に調節される。
する。水分の除去方法は特に限定されず、例えば、常法
に従ってろ別した後、所望の含水率になるように脱水し
て、エポキシ樹脂およびRFLで表面処理された含水ア
ラミドパルプを得る。パルプの含水率は30〜95重量
%好ましくは40〜90重量%の範囲に調節される。
【0022】ここで言う含水率とは、以下の計算式によ
り求めることができる。 含水率[重量%]={(W1 −W2 )/W1 } × 1
00 W1 : パルプの含水状態における重量 W2 : パルプの絶乾後の重量 含水率を30重量%以下にすることは、大きな加圧力や
加熱乾燥等の特別な操作を要するため経済的でない上に
処理パルプの分散性も損うことになる。含水率を95重
量%以上にするのは含水パルプが重くなるので操作性が
悪く、また運搬等の面で経済的ではない。ビーターシー
ト用途において、前記した含水率は、取扱い性、分散
性、経済性の点で特に好ましい範囲である。
り求めることができる。 含水率[重量%]={(W1 −W2 )/W1 } × 1
00 W1 : パルプの含水状態における重量 W2 : パルプの絶乾後の重量 含水率を30重量%以下にすることは、大きな加圧力や
加熱乾燥等の特別な操作を要するため経済的でない上に
処理パルプの分散性も損うことになる。含水率を95重
量%以上にするのは含水パルプが重くなるので操作性が
悪く、また運搬等の面で経済的ではない。ビーターシー
ト用途において、前記した含水率は、取扱い性、分散
性、経済性の点で特に好ましい範囲である。
【0023】以下に実施例により本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【実施例】実施例中の含水アラミドパルプの評価は次に
記す方法により行なった。 [含水アラミドパルプの評価方法] 1.評価法 1 アラミドパルプ/無機フィラー/ラテックス ビーター
シートモデルでの評価。 (1)抄紙 パルプの絶乾重量で5gに相当するパルプと15g〜3
0gのけいそう土(パルプのフィラーの保持性により、
抄紙後の、パルプ/けいそう土/ラッテクスゴムの重量
比が、1/3/1になるように調整する。)と硫酸アル
ミニウム(14〜18水和物)35.4gを秤量し、2
リットルの標準パルプ離解機(熊谷理機工業(株)製)
で、3000rpmで3分間、2リットルの水中に分散
させる。次に、離解を行ったパルプを15リットルの水
槽内に移し、さらに水を加え全体の重量を9.3Kgに
する。撹拌機で撹拌しながら、NBRラテックス(商品
名:ラッテクスNipol1562(日本ゼオン(株)
製))12.5gと加硫剤(商品名:NC811(日本
ゼオン(株)製))2.0gに水を加え、全体の重量を
150gにしたラテックスゴム液を添加して3分間撹拌
する。続いて、25cm角の角型シートマシン(熊谷理
機工業(株)製)により、#80メッシュの金網を用い
て、常法に従って抄紙を行ない、その後50℃で5時間
乾燥して25cm角、単位重量400g/m2 のアラミ
ド/けいそう土/ラッテクスゴム複合紙を得る。
記す方法により行なった。 [含水アラミドパルプの評価方法] 1.評価法 1 アラミドパルプ/無機フィラー/ラテックス ビーター
シートモデルでの評価。 (1)抄紙 パルプの絶乾重量で5gに相当するパルプと15g〜3
0gのけいそう土(パルプのフィラーの保持性により、
抄紙後の、パルプ/けいそう土/ラッテクスゴムの重量
比が、1/3/1になるように調整する。)と硫酸アル
ミニウム(14〜18水和物)35.4gを秤量し、2
リットルの標準パルプ離解機(熊谷理機工業(株)製)
で、3000rpmで3分間、2リットルの水中に分散
させる。次に、離解を行ったパルプを15リットルの水
槽内に移し、さらに水を加え全体の重量を9.3Kgに
する。撹拌機で撹拌しながら、NBRラテックス(商品
名:ラッテクスNipol1562(日本ゼオン(株)
製))12.5gと加硫剤(商品名:NC811(日本
ゼオン(株)製))2.0gに水を加え、全体の重量を
150gにしたラテックスゴム液を添加して3分間撹拌
する。続いて、25cm角の角型シートマシン(熊谷理
機工業(株)製)により、#80メッシュの金網を用い
て、常法に従って抄紙を行ない、その後50℃で5時間
乾燥して25cm角、単位重量400g/m2 のアラミ
ド/けいそう土/ラッテクスゴム複合紙を得る。
【0024】(2)シートの加硫 上記のシートを105℃×50Kg/cm2 にて30分
間プレス成形し、シートの加硫を行いビーターシートモ
デルを得る。 (3)引張試験 上記の方法で得られたシートモデルよりJIS1号試験
片を打ち抜き引張強度を次の条件で測定する。 試験片寸法 :JIS1号ダンベル型 ゲージ長さ :70mm クロスヘッド速度:5mm/min
間プレス成形し、シートの加硫を行いビーターシートモ
デルを得る。 (3)引張試験 上記の方法で得られたシートモデルよりJIS1号試験
片を打ち抜き引張強度を次の条件で測定する。 試験片寸法 :JIS1号ダンベル型 ゲージ長さ :70mm クロスヘッド速度:5mm/min
【0025】2.評価法2 ろ水度 含水アラミドパルプのろ水度は、JIS P 8121
「パルプのろ水度試験方法」のカナダ標準型法に準じて
測定した。
「パルプのろ水度試験方法」のカナダ標準型法に準じて
測定した。
【0026】実施例1 19.88gのトワロン1097( 商品名、日本アラミ
ド( 有) 製ポリパラフェニレンテレフタルアミドパル
プ、BET法による比表面積:6m2 /g、水分率:6
重量%)をビーカー中でイオン交換水2リットルに分散
させた。この分散液を攪拌させながら熱処理によりグリ
シジル基が加水分解されたエポキシエマルジョン液AN
S1006(竹本油脂(株)製、WPE(エポキシ当
量)=288g/eq.)5.86gを30秒で滴下
し、15分間室温で攪拌を続けた。次に、硫酸アルミニ
ウム(14〜18水和物)を10g添加して5分間攪拌
を続けた後、RFL液(内容は下記に示す。)を42g
添加して15分攪拌した後、含水率が約70重量%にな
るまで脱水して、エポキシ樹脂とRFLにより表面処理
された含水アラミドパルプを得た。この含水アラミドパ
ルプの性能を上記の評価法により評価して、表1に示す
結果を得た。この含水アラミドパルプの水に対する分散
性及び開織性は良好であった。
ド( 有) 製ポリパラフェニレンテレフタルアミドパル
プ、BET法による比表面積:6m2 /g、水分率:6
重量%)をビーカー中でイオン交換水2リットルに分散
させた。この分散液を攪拌させながら熱処理によりグリ
シジル基が加水分解されたエポキシエマルジョン液AN
S1006(竹本油脂(株)製、WPE(エポキシ当
量)=288g/eq.)5.86gを30秒で滴下
し、15分間室温で攪拌を続けた。次に、硫酸アルミニ
ウム(14〜18水和物)を10g添加して5分間攪拌
を続けた後、RFL液(内容は下記に示す。)を42g
添加して15分攪拌した後、含水率が約70重量%にな
るまで脱水して、エポキシ樹脂とRFLにより表面処理
された含水アラミドパルプを得た。この含水アラミドパ
ルプの性能を上記の評価法により評価して、表1に示す
結果を得た。この含水アラミドパルプの水に対する分散
性及び開織性は良好であった。
【0027】RFL液として レゾルシンホルマリン初期縮合物 ※1 6.15g ホルムアルデヒド(37%試薬) 2.71g NBRラテックスゴム ※2 36.59g 0.1%アンモニア水 404.55g の混合物、計450gを調整後、24時間熟成して使用
した。 ※1 商品名:スミカノール700S(住友化学工業
(株)製) ※2 商品名:Nipol1562(日本ゼオン(株)
製)
した。 ※1 商品名:スミカノール700S(住友化学工業
(株)製) ※2 商品名:Nipol1562(日本ゼオン(株)
製)
【0028】実施例2 実施例1と同様の原料を同量づつ用いた処理に於いて、
エポキシエマルジョンを投入した後、RFLを添加し、
次いで硫酸アルミニウムを添加して、エポキシ樹脂とR
FLにより表面処理された含水アラミドパルプを得た。
この含水アラミドパルプの性能を上記の評価法により評
価して、表1に示す結果を得た。この含水アラミドパル
プの水に対する分散性及び開織性は良好であった。
エポキシエマルジョンを投入した後、RFLを添加し、
次いで硫酸アルミニウムを添加して、エポキシ樹脂とR
FLにより表面処理された含水アラミドパルプを得た。
この含水アラミドパルプの性能を上記の評価法により評
価して、表1に示す結果を得た。この含水アラミドパル
プの水に対する分散性及び開織性は良好であった。
【0029】実施例3 1.06kgのトワロン1097(同上)を200リッ
トルの反応槽中でイオン交換水90リットルに分散させ
た。この分散液を攪拌させながら、加水分解したエポキ
シエマルジョン液ANS1006(竹本油脂(株)製、
WPE=300g/eq)313gを2分間で投入し1
5分間室温で攪拌を続けた。次に、硫酸アルミニウム
(14〜18水和物)を350g添加して5分間攪拌を
続けた後RFL液(下記に示す。)を2250g添加し
て15分攪拌した後、含水率が約70重量%になるまで
脱水して、エポキシ樹脂とRFLにより表面処理された
含水アラミドパルプを得た。この含水アラミドパルプの
性能を上記の評価法により評価して、表1に示す結果を
得た。この含水アラミドパルプの水に対する分散性及び
開織性は良好であった。
トルの反応槽中でイオン交換水90リットルに分散させ
た。この分散液を攪拌させながら、加水分解したエポキ
シエマルジョン液ANS1006(竹本油脂(株)製、
WPE=300g/eq)313gを2分間で投入し1
5分間室温で攪拌を続けた。次に、硫酸アルミニウム
(14〜18水和物)を350g添加して5分間攪拌を
続けた後RFL液(下記に示す。)を2250g添加し
て15分攪拌した後、含水率が約70重量%になるまで
脱水して、エポキシ樹脂とRFLにより表面処理された
含水アラミドパルプを得た。この含水アラミドパルプの
性能を上記の評価法により評価して、表1に示す結果を
得た。この含水アラミドパルプの水に対する分散性及び
開織性は良好であった。
【0030】RFL液 レゾルシンホルマリン初期縮合物 ※1 30.8g ホルムアルデヒド(37%試薬) 13.5g NBRラテックスゴム ※2 182.9g 0.1%アンモニア水 2022.8g の混合物、計2250gを調整後、24時間熟成して使
用した。 ※1 商品名:スミカノール700S(住友化学工業
(株)製) ※2 商品名:Nipol1562(日本ゼオン(株)
製)
用した。 ※1 商品名:スミカノール700S(住友化学工業
(株)製) ※2 商品名:Nipol1562(日本ゼオン(株)
製)
【0031】
【表1】
【0032】比較例1 表面処理された含水アラミドパルプの代りに処理を行な
わないアラミドパルプ(トワロン1097、水分率 約
6重量%)をそのまま用いて、上記の評価法に準じて評
価して、表2に示す結果を得た。
わないアラミドパルプ(トワロン1097、水分率 約
6重量%)をそのまま用いて、上記の評価法に準じて評
価して、表2に示す結果を得た。
【0033】比較例2 19.88gのトワロン1097(同上)をビーカー中
でイオン交換水2リットルに分散させた。この分散液を
攪拌させながら、グリシジル基が加水分解したエポキシ
エマルジョン液 ANS1006(竹本油脂(株)製、
WPE=288g/eq)5.86gを30秒で滴下
し、15分間室温で攪拌を続けた。次いでろ別した後含
水率が約70重量%になるまで脱水して、エポキシ樹脂
により表面処理された含水アラミドパルプを得た。この
パルプの性能を上記の評価法により評価して、表2に示
す結果を得た。
でイオン交換水2リットルに分散させた。この分散液を
攪拌させながら、グリシジル基が加水分解したエポキシ
エマルジョン液 ANS1006(竹本油脂(株)製、
WPE=288g/eq)5.86gを30秒で滴下
し、15分間室温で攪拌を続けた。次いでろ別した後含
水率が約70重量%になるまで脱水して、エポキシ樹脂
により表面処理された含水アラミドパルプを得た。この
パルプの性能を上記の評価法により評価して、表2に示
す結果を得た。
【0034】比較例3 19.88gのトワロン1097(同上)をビーカー中
でイオン交換水2リットルに分散させた。この分散液を
攪拌させながら、硫酸アルミニウム(14〜18水和
物)を10g添加して5分間攪拌を続けた後、実施例1
と同様のRFL液を42g添加して15分攪拌した後、
含水率が約70重量%になるまで脱水して、RFLによ
り表面処理された含水アラミドパルプを得た。この含水
アラミドパルプの性能を上記の評価法により評価して、
表2に示す結果を得た。
でイオン交換水2リットルに分散させた。この分散液を
攪拌させながら、硫酸アルミニウム(14〜18水和
物)を10g添加して5分間攪拌を続けた後、実施例1
と同様のRFL液を42g添加して15分攪拌した後、
含水率が約70重量%になるまで脱水して、RFLによ
り表面処理された含水アラミドパルプを得た。この含水
アラミドパルプの性能を上記の評価法により評価して、
表2に示す結果を得た。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明の含水芳香族ポリアミドパルプは
水に対する分散性、開繊性が良好でビーターシートの製
造工程で添加されるラッテクスゴムとの濡れ性や接着性
にも優れているので、均質で機械的強度の優れたビータ
ーシートを製造することができる。
水に対する分散性、開繊性が良好でビーターシートの製
造工程で添加されるラッテクスゴムとの濡れ性や接着性
にも優れているので、均質で機械的強度の優れたビータ
ーシートを製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D01F 6/60 371 A
Claims (4)
- 【請求項1】エポキシ樹脂とレゾルシンホルマリンラテ
ックスゴムにより表面処理され、含水率が30〜95重
量%であることを特徴とする含水芳香族ポリアミドパル
プ。 - 【請求項2】エポキシ樹脂が、グリシジル基の一部が加
水分解されたエポキシ樹脂である請求項1記載の含水芳
香族ポリアミドパルプ。 - 【請求項3】水系のエポキシ樹脂エマルジョンに芳香族
ポリアミドパルプを分散させる工程、該芳香族ポリアミ
ドパルプが分散している水系とレゾルシンホルマリンラ
テックスゴムおよび該レゾルシンホルマリンラテックス
ゴムを不安定化させる成分を混合する工程、および、過
剰の水を除去する工程、を経ることを特徴とする請求項
1記載の含水芳香族ポリアミドパルプの製造方法。 - 【請求項4】エポキシ樹脂エマルジョンのエポキシ樹脂
が、グリシジル基の一部が加水分解されたエポキシ樹脂
である請求項3記載の含水芳香族ポリアミドパルプの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10446595A JP3165818B2 (ja) | 1994-04-28 | 1995-04-27 | 含水芳香族ポリアミドパルプ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9232294 | 1994-04-28 | ||
JP6-92322 | 1994-04-28 | ||
JP10446595A JP3165818B2 (ja) | 1994-04-28 | 1995-04-27 | 含水芳香族ポリアミドパルプ及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0813348A true JPH0813348A (ja) | 1996-01-16 |
JP3165818B2 JP3165818B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=26433776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10446595A Expired - Fee Related JP3165818B2 (ja) | 1994-04-28 | 1995-04-27 | 含水芳香族ポリアミドパルプ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3165818B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007100232A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Duskin Co Ltd | 物品への物質随伴吸着方法 |
JP2007239977A (ja) * | 2006-03-13 | 2007-09-20 | Teijin Techno Products Ltd | ビーターシートガスケットおよびその製造方法 |
-
1995
- 1995-04-27 JP JP10446595A patent/JP3165818B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007100232A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Duskin Co Ltd | 物品への物質随伴吸着方法 |
JP2007239977A (ja) * | 2006-03-13 | 2007-09-20 | Teijin Techno Products Ltd | ビーターシートガスケットおよびその製造方法 |
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---|---|
JP3165818B2 (ja) | 2001-05-14 |
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