JPH0978335A - 複合ミシン糸の製造方法 - Google Patents
複合ミシン糸の製造方法Info
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- JPH0978335A JPH0978335A JP23669995A JP23669995A JPH0978335A JP H0978335 A JPH0978335 A JP H0978335A JP 23669995 A JP23669995 A JP 23669995A JP 23669995 A JP23669995 A JP 23669995A JP H0978335 A JPH0978335 A JP H0978335A
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- Japan
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- yarn
- sewing thread
- thread
- multifilament
- sewing
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 可縫性に優れ、細番手化が可能なミシン糸を
低コストで製造する。 【解決手段】 複屈折率の高いマルチフィラメント糸を
実質的に芯部に配置し、複屈折率の低いマルチフィラメ
ント糸を実質的に鞘部に配置してなり、両者の複屈折率
差が0.01以上である芯鞘型複合フィラメント糸をコ
スパン法により紡糸し、延伸後又は延伸することなく熱
処理して、ミシン糸表層部にループ、たるみを発現させ
る。
低コストで製造する。 【解決手段】 複屈折率の高いマルチフィラメント糸を
実質的に芯部に配置し、複屈折率の低いマルチフィラメ
ント糸を実質的に鞘部に配置してなり、両者の複屈折率
差が0.01以上である芯鞘型複合フィラメント糸をコ
スパン法により紡糸し、延伸後又は延伸することなく熱
処理して、ミシン糸表層部にループ、たるみを発現させ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に、ループ、
たるみを有する、可縫性に優れたフィラメント複合ミシ
ン糸を低コストで製造する方法に関する。
たるみを有する、可縫性に優れたフィラメント複合ミシ
ン糸を低コストで製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在使用されているミシン糸は、長繊維
マルチフィラメント糸からなるフィラメントミシン糸
と、短繊維紡績糸からなるスパンミシン糸とに大別され
る。
マルチフィラメント糸からなるフィラメントミシン糸
と、短繊維紡績糸からなるスパンミシン糸とに大別され
る。
【0003】フィラメントミシン糸は、高強力で縫目外
観に優れているが、針穴との間の空隙率が低くなるた
め、熱的影響を受け易く、縫製後の強力保持率が低下す
るという問題がある。
観に優れているが、針穴との間の空隙率が低くなるた
め、熱的影響を受け易く、縫製後の強力保持率が低下す
るという問題がある。
【0004】一方、スパンミシン糸は、毛羽があり空隙
率が高くなるため、縫製後の強力保持率に優れており、
可縫性にも優れているが、フィラメントミシン糸に比較
して縫目外観が劣るという欠点がある。
率が高くなるため、縫製後の強力保持率に優れており、
可縫性にも優れているが、フィラメントミシン糸に比較
して縫目外観が劣るという欠点がある。
【0005】そこで、フィラメントミシン糸とスパンミ
シン糸の両方の長所を合わせ持つミシン糸として、マル
チフィラメント糸を芯糸とし、その周りに紡績糸を包絡
させたコアヤーンミシン糸が提案されている。例えば、
合成繊維のマルチフィラメント糸を芯成分とし、その周
りに綿等の植物性短繊維紡績糸を鞘成分として包絡させ
たものや、ポリエステルフィラメント糸を芯成分とし、
ポリエステルスフを鞘成分としたコアヤーンミシン糸
(特公昭62―38457号公報)などが知られてい
る。
シン糸の両方の長所を合わせ持つミシン糸として、マル
チフィラメント糸を芯糸とし、その周りに紡績糸を包絡
させたコアヤーンミシン糸が提案されている。例えば、
合成繊維のマルチフィラメント糸を芯成分とし、その周
りに綿等の植物性短繊維紡績糸を鞘成分として包絡させ
たものや、ポリエステルフィラメント糸を芯成分とし、
ポリエステルスフを鞘成分としたコアヤーンミシン糸
(特公昭62―38457号公報)などが知られてい
る。
【0006】しかしながら、これらのコアヤーンミシン
糸は、縫製中にミシン糸が受ける張力や摩擦により、ミ
シン糸表面の短繊維が切断、脱落して、ミシンの針部、
釜部、押さえ部などに付着し、これにミシン油などが染
み込んで、被縫製物を汚染させる原因となり、さらに
は、フィラメント糸の周りに紡績糸を均一にカバリング
することが難しく、フィラメント糸と紡績糸との収縮差
に起因する鞘成分の紡績糸の浮き上がりが生じ、縫製時
に目飛び、糸切れ等を引き起こす原因となるという欠点
を有している。
糸は、縫製中にミシン糸が受ける張力や摩擦により、ミ
シン糸表面の短繊維が切断、脱落して、ミシンの針部、
釜部、押さえ部などに付着し、これにミシン油などが染
み込んで、被縫製物を汚染させる原因となり、さらに
は、フィラメント糸の周りに紡績糸を均一にカバリング
することが難しく、フィラメント糸と紡績糸との収縮差
に起因する鞘成分の紡績糸の浮き上がりが生じ、縫製時
に目飛び、糸切れ等を引き起こす原因となるという欠点
を有している。
【0007】コアヤーンミシン糸のこれらの欠点を解消
するために、高伸度のマルチフィラメント糸(自発伸長
性ポリエステルマルチフィラメント糸)と、高強力、低
伸度のマルチフィラメント糸とからなり、前者がミシン
糸表層部でループ、たるみを形成している複合ミシン糸
が提案されている(特開平5―106134号公報、特
開平6―128834号公報)。
するために、高伸度のマルチフィラメント糸(自発伸長
性ポリエステルマルチフィラメント糸)と、高強力、低
伸度のマルチフィラメント糸とからなり、前者がミシン
糸表層部でループ、たるみを形成している複合ミシン糸
が提案されている(特開平5―106134号公報、特
開平6―128834号公報)。
【0008】しかし、この複合ミシン糸では、それぞれ
異なる特性のマルチフィラメント糸を予め作っておき、
後から合糸、混繊するものであるから、製造工程が多く
なり、コストが高くなるという問題があり、さらには、
芯成分のマルチフィラメント糸と鞘成分のマルチフィラ
メント糸とが混然一体化した部分が生じ、その部分で
は、ミシン糸表層部でのループ、たるみの形成が不十分
となって、思ったほど可縫性が向上しないという問題も
生ずる。また、予め作成しておくマルチフィラメント糸
の太さには、自ずから限界があり、非常に細いマルチフ
ィラメント糸を得ることは困難であることから、これら
のマルチフィラメント糸を合糸、混繊して得た複合ミシ
ン糸は、どうしても太くなり、細番手のミシン糸が得ら
れないという問題もある。
異なる特性のマルチフィラメント糸を予め作っておき、
後から合糸、混繊するものであるから、製造工程が多く
なり、コストが高くなるという問題があり、さらには、
芯成分のマルチフィラメント糸と鞘成分のマルチフィラ
メント糸とが混然一体化した部分が生じ、その部分で
は、ミシン糸表層部でのループ、たるみの形成が不十分
となって、思ったほど可縫性が向上しないという問題も
生ずる。また、予め作成しておくマルチフィラメント糸
の太さには、自ずから限界があり、非常に細いマルチフ
ィラメント糸を得ることは困難であることから、これら
のマルチフィラメント糸を合糸、混繊して得た複合ミシ
ン糸は、どうしても太くなり、細番手のミシン糸が得ら
れないという問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
述のような従来のミシン糸の問題点を解消し、可縫性に
優れ、細番手化が可能なミシン糸を低コストで製造する
方法を提供することを課題とするものである。
述のような従来のミシン糸の問題点を解消し、可縫性に
優れ、細番手化が可能なミシン糸を低コストで製造する
方法を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく、種々検討を重ねた結果、特性の異なる2種
以上のマルチフィラメント糸を同時に紡糸するコスパン
方式を採用することを着想し、本発明を完成するに至っ
た。
解決すべく、種々検討を重ねた結果、特性の異なる2種
以上のマルチフィラメント糸を同時に紡糸するコスパン
方式を採用することを着想し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】即ち、本発明によれば、(1)複屈折率の
高いマルチフィラメント糸を実質的に芯部に配置し、複
屈折率の低いマルチフィラメント糸を実質的に鞘部に配
置してなり、両者の複屈折率差が0.01以上である芯
鞘型複合フィラメント糸をコスパン法により紡糸し、延
伸後又は延伸することなく熱処理して、ミシン糸表層部
にループ、たるみを発現させることを特徴とする複合ミ
シン糸の製造方法、(2)マルチフィラメント糸がポリ
エステルマルチフィラメント糸である上記1記載の複合
ミシン糸の製造方法、(3)吐出面から突出した紡糸液
案内棒を有する吐出孔を、中心側に配設したコスパン用
紡糸口金を用いて紡糸する上記(1)又は(2)記載の
複合ミシン糸の製造方法、(4)吐出断面積が連続的に
拡大する吐出孔を、中心側に配設したコスパン用紡糸口
金を用いて紡糸する上記(1)又は(2)記載の複合ミ
シン糸の製造方法、及び(5)鞘部に配置する複屈折率
の低いマルチフィラメント糸を、ミシン糸全重量に対し
て5〜40重量%用いる上記(1)〜(4)のいずれか
に記載の複合ミシン糸の製造方法が提供される。
高いマルチフィラメント糸を実質的に芯部に配置し、複
屈折率の低いマルチフィラメント糸を実質的に鞘部に配
置してなり、両者の複屈折率差が0.01以上である芯
鞘型複合フィラメント糸をコスパン法により紡糸し、延
伸後又は延伸することなく熱処理して、ミシン糸表層部
にループ、たるみを発現させることを特徴とする複合ミ
シン糸の製造方法、(2)マルチフィラメント糸がポリ
エステルマルチフィラメント糸である上記1記載の複合
ミシン糸の製造方法、(3)吐出面から突出した紡糸液
案内棒を有する吐出孔を、中心側に配設したコスパン用
紡糸口金を用いて紡糸する上記(1)又は(2)記載の
複合ミシン糸の製造方法、(4)吐出断面積が連続的に
拡大する吐出孔を、中心側に配設したコスパン用紡糸口
金を用いて紡糸する上記(1)又は(2)記載の複合ミ
シン糸の製造方法、及び(5)鞘部に配置する複屈折率
の低いマルチフィラメント糸を、ミシン糸全重量に対し
て5〜40重量%用いる上記(1)〜(4)のいずれか
に記載の複合ミシン糸の製造方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、コスパン法によ
り紡糸して芯鞘型複合フィラメント糸とする重合体とし
ては、溶融紡糸可能な各種の熱可塑性重合体を用いるこ
とができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン
6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィンなどを挙げることができ
る。なかでも、コスト、汎用性の点からポリエステルが
好ましく、特に、主たる繰り返し単位がエチレンテレフ
タレート単位からなるポリエステルが好ましい。テレフ
タル酸成分及び/又はエチレングリコール成分以外に少
量の第3成分を共重合させたものであってもよい。ま
た、他のポリマーを少量混合したものでもよい。
り紡糸して芯鞘型複合フィラメント糸とする重合体とし
ては、溶融紡糸可能な各種の熱可塑性重合体を用いるこ
とができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン
6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィンなどを挙げることができ
る。なかでも、コスト、汎用性の点からポリエステルが
好ましく、特に、主たる繰り返し単位がエチレンテレフ
タレート単位からなるポリエステルが好ましい。テレフ
タル酸成分及び/又はエチレングリコール成分以外に少
量の第3成分を共重合させたものであってもよい。ま
た、他のポリマーを少量混合したものでもよい。
【0013】この場合、ポリエステルの極限粘度は特に
限定されないが、耐熱性、耐摩耗性、強度の面から、極
限粘度は大きい方が望ましい。しかし、極限粘度を大き
くすると製造コストがかさむようになるので、紡出フィ
ラメント糸の極限粘度〔η〕 F が0.6〜1.0の範囲
内となるようにするのが適当である。
限定されないが、耐熱性、耐摩耗性、強度の面から、極
限粘度は大きい方が望ましい。しかし、極限粘度を大き
くすると製造コストがかさむようになるので、紡出フィ
ラメント糸の極限粘度〔η〕 F が0.6〜1.0の範囲
内となるようにするのが適当である。
【0014】更に、マルチフィラメント糸の断面形状
は、特に限定されないが、ミシン糸に光沢を望む場合
は、三角形等の多角形が好ましく、光沢を嫌う目立たな
いミシン糸としたい場合は、丸形が好ましい。また、芯
部に配置する複屈折率の高いマルチフィラメント糸と、
鞘部に配置する複屈折率の低いマルチフィラメント糸と
で、断面形状を異ならしめてもよい。
は、特に限定されないが、ミシン糸に光沢を望む場合
は、三角形等の多角形が好ましく、光沢を嫌う目立たな
いミシン糸としたい場合は、丸形が好ましい。また、芯
部に配置する複屈折率の高いマルチフィラメント糸と、
鞘部に配置する複屈折率の低いマルチフィラメント糸と
で、断面形状を異ならしめてもよい。
【0015】本発明においては、複屈折率の高いマルチ
フィラメント糸が実質的に芯部に配置され、複屈折率の
低いマルチフィラメント糸が実質的に鞘部に配置される
ようにコスパン法により紡糸して、芯鞘型複合フィラメ
ント糸を得ることが肝要である。
フィラメント糸が実質的に芯部に配置され、複屈折率の
低いマルチフィラメント糸が実質的に鞘部に配置される
ようにコスパン法により紡糸して、芯鞘型複合フィラメ
ント糸を得ることが肝要である。
【0016】このような芯鞘型複合フィラメントとする
ことによって、後からの熱処理により芯部の高複屈折率
マルチフィラメント糸が鞘部の低複屈折率マルチフィラ
メント糸よりも大きく収縮し、その結果、鞘部の低複屈
折率マルチフィラメント糸がミシン糸表層部でループ、
たるみを形成し、ミシン糸の可縫性を向上させるもので
あり、複屈折率の高いマルチフィラメント糸と複屈折率
の低いマルチフィラメント糸とを単に混繊しただけで
は、ミシン糸表層部に十分なループ、たるみを形成させ
ることができず、可縫性は向上しない。
ことによって、後からの熱処理により芯部の高複屈折率
マルチフィラメント糸が鞘部の低複屈折率マルチフィラ
メント糸よりも大きく収縮し、その結果、鞘部の低複屈
折率マルチフィラメント糸がミシン糸表層部でループ、
たるみを形成し、ミシン糸の可縫性を向上させるもので
あり、複屈折率の高いマルチフィラメント糸と複屈折率
の低いマルチフィラメント糸とを単に混繊しただけで
は、ミシン糸表層部に十分なループ、たるみを形成させ
ることができず、可縫性は向上しない。
【0017】また、本発明では、上記芯鞘型複合フィラ
メント糸をコスパン法により紡糸しているので、それぞ
れ異なる特性のマルチフィラメント糸を予め作ってお
き、後から合糸、混繊する従来法に比較して、製造工程
が大幅に少なくなり、コストを低減させることができ、
さらには、芯部のマルチフィラメント糸と鞘部のマルチ
フィラメント糸とが混然一体化した部分が生じるような
こともなく、ミシン糸表層部で十分なループ、たるみが
形成され、可縫性が向上する。
メント糸をコスパン法により紡糸しているので、それぞ
れ異なる特性のマルチフィラメント糸を予め作ってお
き、後から合糸、混繊する従来法に比較して、製造工程
が大幅に少なくなり、コストを低減させることができ、
さらには、芯部のマルチフィラメント糸と鞘部のマルチ
フィラメント糸とが混然一体化した部分が生じるような
こともなく、ミシン糸表層部で十分なループ、たるみが
形成され、可縫性が向上する。
【0018】また、コスパン法によれば、合糸、混繊を
必要とせず、紡出芯鞘型複合フィラメント糸をそのまま
用いることができるため、溶融紡糸可能な最小の太さで
使用することができ、ミシン糸の細番手化が可能とな
る。
必要とせず、紡出芯鞘型複合フィラメント糸をそのまま
用いることができるため、溶融紡糸可能な最小の太さで
使用することができ、ミシン糸の細番手化が可能とな
る。
【0019】更に、本発明においては、芯部の高複屈折
率マルチフィラメント糸と鞘部の低複屈折率マルチフィ
ラメント糸との複屈折率差が、0.01以上となるよう
に紡糸することが必要である。この複屈折率の差が0.
01未満では、熱処理によるミシン糸表層部でのルー
プ、たるみの発現が不十分となり、目的とする可縫性に
優れたミシン糸が得られない。
率マルチフィラメント糸と鞘部の低複屈折率マルチフィ
ラメント糸との複屈折率差が、0.01以上となるよう
に紡糸することが必要である。この複屈折率の差が0.
01未満では、熱処理によるミシン糸表層部でのルー
プ、たるみの発現が不十分となり、目的とする可縫性に
優れたミシン糸が得られない。
【0020】本発明で用いるコスパン法は、高複屈折率
のマルチフィラメント糸が芯部に配置され、低複屈折率
のマルチフィラメント糸が鞘部に配置された芯鞘型複合
フィラメント糸を、紡糸工程で一挙に得る方法であり、
例えば、(1)孔径の異なる2種以上の吐出孔を有する
紡糸口金を用いて紡糸する方法、(2)紡出されたフィ
ラメント群に、集束ガイド、メタリングオイル、インタ
ーレースなどを組み合わせて、集束群と非集束群間で空
気抵抗差に起因する紡糸張力差を発生させる方法、
(3)ポリマーの吐出面を異ならしめ、冷却差を付与し
た突出口金を使用する方法などが挙げられる。
のマルチフィラメント糸が芯部に配置され、低複屈折率
のマルチフィラメント糸が鞘部に配置された芯鞘型複合
フィラメント糸を、紡糸工程で一挙に得る方法であり、
例えば、(1)孔径の異なる2種以上の吐出孔を有する
紡糸口金を用いて紡糸する方法、(2)紡出されたフィ
ラメント群に、集束ガイド、メタリングオイル、インタ
ーレースなどを組み合わせて、集束群と非集束群間で空
気抵抗差に起因する紡糸張力差を発生させる方法、
(3)ポリマーの吐出面を異ならしめ、冷却差を付与し
た突出口金を使用する方法などが挙げられる。
【0021】特に、吐出面から突出した紡糸液案内棒を
有する吐出孔を、中心側に配設したコスパン用紡糸口金
を用いて紡糸する方法、及び吐出断面積が連続的に拡大
する吐出孔を、中心側に配設したコスパン用紡糸口金を
用いて紡糸する方法は、両マルチフィラメント糸の複屈
折率差を大きくすることができることから、好ましく用
いられる。
有する吐出孔を、中心側に配設したコスパン用紡糸口金
を用いて紡糸する方法、及び吐出断面積が連続的に拡大
する吐出孔を、中心側に配設したコスパン用紡糸口金を
用いて紡糸する方法は、両マルチフィラメント糸の複屈
折率差を大きくすることができることから、好ましく用
いられる。
【0022】図1は、吐出面から突出した紡糸液案内棒
を有する吐出孔を、中心側に配設したコスパン用紡糸口
金の一例を示す断面図であり、紡糸口金1Aの外周側に
は通常の吐出孔2Aを配設し、中心側には吐出面3から
突出した紡糸液案内棒4が嵌入された吐出孔5を配設し
ている。6は、紡糸液案内棒4を吐出孔5内に固定する
ための羽根である。
を有する吐出孔を、中心側に配設したコスパン用紡糸口
金の一例を示す断面図であり、紡糸口金1Aの外周側に
は通常の吐出孔2Aを配設し、中心側には吐出面3から
突出した紡糸液案内棒4が嵌入された吐出孔5を配設し
ている。6は、紡糸液案内棒4を吐出孔5内に固定する
ための羽根である。
【0023】この紡糸口金1Aから、同一紡糸温度、同
一紡糸速度で熱可塑性重合体を溶融紡糸すると、中心側
に配設した、紡糸液案内棒4を有する吐出孔5から吐出
されたフィラメント糸は、外周部に配設した通常の吐出
孔2Aから吐出されたフィラメント糸よりも複屈折率が
高くなり、複屈折率の高いマルチフィラメント糸が実質
的に芯部に配置され、複屈折率の低いマルチフィラメン
ト糸が実質的に鞘部に配置された芯鞘型複合フィラメン
ト糸が得られる。紡糸液案内棒4の吐出面3からの突出
長Lを変更することにより、紡出される高複屈折率フィ
ラメント糸の複屈折率を調節することができる。なお、
吐出面から突出した紡糸液案内棒を有する吐出孔を設け
た紡糸口金については、特公平2―20725号公報、
特公平3―43364号公報に詳しく記載されている。
一紡糸速度で熱可塑性重合体を溶融紡糸すると、中心側
に配設した、紡糸液案内棒4を有する吐出孔5から吐出
されたフィラメント糸は、外周部に配設した通常の吐出
孔2Aから吐出されたフィラメント糸よりも複屈折率が
高くなり、複屈折率の高いマルチフィラメント糸が実質
的に芯部に配置され、複屈折率の低いマルチフィラメン
ト糸が実質的に鞘部に配置された芯鞘型複合フィラメン
ト糸が得られる。紡糸液案内棒4の吐出面3からの突出
長Lを変更することにより、紡出される高複屈折率フィ
ラメント糸の複屈折率を調節することができる。なお、
吐出面から突出した紡糸液案内棒を有する吐出孔を設け
た紡糸口金については、特公平2―20725号公報、
特公平3―43364号公報に詳しく記載されている。
【0024】図2は、吐出断面積が連続的に拡大する吐
出孔を、中心側に配設したコスパン用紡糸口金の一例を
示す断面図であり、紡糸口金1Bの外周側には通常の吐
出孔2Bを配設し、中心側には吐出断面積が連続的に拡
大する吐出孔7を配設している。
出孔を、中心側に配設したコスパン用紡糸口金の一例を
示す断面図であり、紡糸口金1Bの外周側には通常の吐
出孔2Bを配設し、中心側には吐出断面積が連続的に拡
大する吐出孔7を配設している。
【0025】この紡糸口金1Bから、同一紡糸温度、同
一紡糸速度で熱可塑性重合体を溶融紡糸すると、中心側
に配設した吐出断面積が連続的に拡大する吐出孔7から
吐出されたフィラメント糸は、大きな紡糸ドラフトを受
け、外周部に配設した通常の吐出孔2Bから吐出された
フィラメント糸よりも複屈折率が高くなり、複屈折率の
高いマルチフィラメント糸が実質的に芯部に配置され、
複屈折率の低いマルチフィラメント糸が実質的に鞘部に
配置された芯鞘型複合フィラメント糸が得られる。
一紡糸速度で熱可塑性重合体を溶融紡糸すると、中心側
に配設した吐出断面積が連続的に拡大する吐出孔7から
吐出されたフィラメント糸は、大きな紡糸ドラフトを受
け、外周部に配設した通常の吐出孔2Bから吐出された
フィラメント糸よりも複屈折率が高くなり、複屈折率の
高いマルチフィラメント糸が実質的に芯部に配置され、
複屈折率の低いマルチフィラメント糸が実質的に鞘部に
配置された芯鞘型複合フィラメント糸が得られる。
【0026】吐出孔7の断面積の拡大の程度、即ち、大
径部直径D、小径部直径d及びノズル長lを変更するこ
とにより、紡出される高複屈折率フィラメント糸の複屈
折率を調節することができる。なお、吐出断面積が連続
的に拡大する吐出孔の詳細については、特開平4―19
4007号公報、特開平5―132810号公報に記載
されている。
径部直径D、小径部直径d及びノズル長lを変更するこ
とにより、紡出される高複屈折率フィラメント糸の複屈
折率を調節することができる。なお、吐出断面積が連続
的に拡大する吐出孔の詳細については、特開平4―19
4007号公報、特開平5―132810号公報に記載
されている。
【0027】図3は、上記のような紡糸口金を用いて、
コスパン紡糸を行う装置の一例を示す模式図であり、紡
糸口金11から吐出されたフィラメント糸12は、ヒー
タ13で加熱されたホットゾーン14を通過した後、冷
却風吹付装置15により冷却され、次いで油剤付与装置
16で油剤を付与した後、ゴデットローラ17、18を
経て、巻取機19により未延伸糸パッケージ20に巻き
取られる。
コスパン紡糸を行う装置の一例を示す模式図であり、紡
糸口金11から吐出されたフィラメント糸12は、ヒー
タ13で加熱されたホットゾーン14を通過した後、冷
却風吹付装置15により冷却され、次いで油剤付与装置
16で油剤を付与した後、ゴデットローラ17、18を
経て、巻取機19により未延伸糸パッケージ20に巻き
取られる。
【0028】なお、紡糸速度が数千m/分以上で、延伸
しなくてもミシン糸としての十分な強伸度特性を有して
いる場合は、延伸することなく、ミシン糸表層部にルー
プ、たるみを発現させるための熱処理を施してもよい
が、紡糸速度が低い場合は、更に延伸を行った後、熱処
理を施す。
しなくてもミシン糸としての十分な強伸度特性を有して
いる場合は、延伸することなく、ミシン糸表層部にルー
プ、たるみを発現させるための熱処理を施してもよい
が、紡糸速度が低い場合は、更に延伸を行った後、熱処
理を施す。
【0029】図4は、この延伸を行うための装置の一例
を示す模式図であり、未延伸糸パッケージ20から解舒
された未延伸フィラメント糸21は、例えば85℃〜1
20℃に加熱された予熱ローラ22と延伸ローラ23と
の間で所定の倍率に延伸される。延伸ローラ23は、例
えば180℃〜240℃に加熱されており、延伸された
フィラメントは、この延伸ローラ23上で熱セットされ
た後、ゴデットローラ24との間でリラックスされて、
巻取機25により延伸糸パッケージ26に巻き取られ
る。
を示す模式図であり、未延伸糸パッケージ20から解舒
された未延伸フィラメント糸21は、例えば85℃〜1
20℃に加熱された予熱ローラ22と延伸ローラ23と
の間で所定の倍率に延伸される。延伸ローラ23は、例
えば180℃〜240℃に加熱されており、延伸された
フィラメントは、この延伸ローラ23上で熱セットされ
た後、ゴデットローラ24との間でリラックスされて、
巻取機25により延伸糸パッケージ26に巻き取られ
る。
【0030】未延伸糸を延伸する場合は、高複屈折率マ
ルチフィラメント糸の最大延伸倍率の85%前後の延伸
倍率で延伸するのが好ましい。かかる延伸倍率で延伸す
ると、例えば複屈折率差が0.01である場合は、低複
屈折率マルチフィラメント糸が、その最大延伸倍率の約
65%まで延伸され、延伸された複合フィラメント糸を
同一条件で熱セットすると、鞘成分の低複屈折率マルチ
フィラメント糸は、より高負荷で延伸された芯成分の高
複屈折率マルチフィラメント糸に比較して、高伸度、低
強度、低収縮(又は自己伸長)となり、後の熱処理工程
で、ミシン糸表層部に十分なループ、たるみを形成する
ことになる。
ルチフィラメント糸の最大延伸倍率の85%前後の延伸
倍率で延伸するのが好ましい。かかる延伸倍率で延伸す
ると、例えば複屈折率差が0.01である場合は、低複
屈折率マルチフィラメント糸が、その最大延伸倍率の約
65%まで延伸され、延伸された複合フィラメント糸を
同一条件で熱セットすると、鞘成分の低複屈折率マルチ
フィラメント糸は、より高負荷で延伸された芯成分の高
複屈折率マルチフィラメント糸に比較して、高伸度、低
強度、低収縮(又は自己伸長)となり、後の熱処理工程
で、ミシン糸表層部に十分なループ、たるみを形成する
ことになる。
【0031】なお、紡出フィラメント糸を一旦巻き取る
ことなく、連続して延伸する、いわゆる直延伸法を採用
することもできる。
ことなく、連続して延伸する、いわゆる直延伸法を採用
することもできる。
【0032】このようにして得た芯鞘型複合フィラメン
ト糸(単糸)は、ミシン糸製造の点で、熱収縮率が低い
方が好ましく、沸水収縮率が3.0%以下であることが
望ましい。
ト糸(単糸)は、ミシン糸製造の点で、熱収縮率が低い
方が好ましく、沸水収縮率が3.0%以下であることが
望ましい。
【0033】上記方法で得られた単糸を、必要に応じて
施撚する。
施撚する。
【0034】本発明においては、ミシン糸の撚構造、撚
数には特に限定はなく、例えば、単糸に施撚した単糸撚
ミシン糸(片撚ミシンン糸とも言う)、S撚(下撚)を
施した2本の単糸をZ合撚(上撚)した双糸ミシン糸、
S撚(下撚)を施した3本の単糸をZ合撚(上撚)した
3子ミシン糸などに適用される。
数には特に限定はなく、例えば、単糸に施撚した単糸撚
ミシン糸(片撚ミシンン糸とも言う)、S撚(下撚)を
施した2本の単糸をZ合撚(上撚)した双糸ミシン糸、
S撚(下撚)を施した3本の単糸をZ合撚(上撚)した
3子ミシン糸などに適用される。
【0035】この際、鞘部を構成する複屈折率の低いマ
ルチフィラメント糸がミシン糸の全重量に対して占める
比率は、5〜40重量%が好ましく、更に好ましくは1
0〜30重量%である。この比率が低過ぎると、可縫性
が向上し難く、逆に高すぎると、ミシン糸の強力が低下
する傾向がある。
ルチフィラメント糸がミシン糸の全重量に対して占める
比率は、5〜40重量%が好ましく、更に好ましくは1
0〜30重量%である。この比率が低過ぎると、可縫性
が向上し難く、逆に高すぎると、ミシン糸の強力が低下
する傾向がある。
【0036】また、本発明においては、上記単糸を、ミ
シン糸の全単糸に用いてもよく、或は双糸ミシン糸の内
の1単糸又は、3子ミシン糸の内の1単糸若しくは2単
糸に用いる等、一部の単糸に用いることもできる。
シン糸の全単糸に用いてもよく、或は双糸ミシン糸の内
の1単糸又は、3子ミシン糸の内の1単糸若しくは2単
糸に用いる等、一部の単糸に用いることもできる。
【0037】次いで、染色が行われるが、ポリエステル
ミシン糸の場合、通常、130℃前後で行われ、チーズ
状で染色しても、カセ状で染色してもよい。
ミシン糸の場合、通常、130℃前後で行われ、チーズ
状で染色しても、カセ状で染色してもよい。
【0038】ミシン糸表層部にループ、たるみを発現さ
せるための熱処理については、例えばポリエステルミシ
ン糸の場合は80℃〜150℃の温度で、収縮を許容し
ながら熱処理すればよく、紡糸(延伸)後、任意の段階
で行うことができる。特に、ポリエステルミシン糸の場
合は、染色温度(130℃前後)で十分にループ、たる
みが発現するので、染色時に、同時にループ、たるみを
発現させるのが好都合である。
せるための熱処理については、例えばポリエステルミシ
ン糸の場合は80℃〜150℃の温度で、収縮を許容し
ながら熱処理すればよく、紡糸(延伸)後、任意の段階
で行うことができる。特に、ポリエステルミシン糸の場
合は、染色温度(130℃前後)で十分にループ、たる
みが発現するので、染色時に、同時にループ、たるみを
発現させるのが好都合である。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、ミシン糸の評価は下記の方法により行っ
た。
する。なお、ミシン糸の評価は下記の方法により行っ
た。
【0040】(1)高速可縫性 本縫1本針ミシンを用い、4000rpmの速度、ミシ
ン針#14でT/Rサージ3枚を縫製して、ミシン糸の
切断が多発した場合は×、ごく僅かに切断が起こった
が、実用上問題がなかった場合は○、全く切断しなかっ
た場合は◎で示した。
ン針#14でT/Rサージ3枚を縫製して、ミシン糸の
切断が多発した場合は×、ごく僅かに切断が起こった
が、実用上問題がなかった場合は○、全く切断しなかっ
た場合は◎で示した。
【0041】(2)バック縫可縫性 本縫1本針ミシンを用い、2000rpmの速度、ミシ
ン針#11でバック方向にT/Rサージ1枚を30cm
縫製して、ミシン糸の切断が多発した場合は×、ごく僅
かに切断が起こったが、実用上問題がなかった場合は
○、全く切断しなかった場合は◎で示した。
ン針#11でバック方向にT/Rサージ1枚を30cm
縫製して、ミシン糸の切断が多発した場合は×、ごく僅
かに切断が起こったが、実用上問題がなかった場合は
○、全く切断しなかった場合は◎で示した。
【0042】(3)パッカリング 本縫1本針ミシンを用い、3500rpmの速度、ミシ
ン針#11でT/Rブロード1枚を縫製して、パッカリ
ングの発生が少ない場合を○、パッカリングの発生が多
い場合を×で示した。
ン針#11でT/Rブロード1枚を縫製して、パッカリ
ングの発生が少ない場合を○、パッカリングの発生が多
い場合を×で示した。
【0043】(4)ミシン糸表面ループ 20cmの長さのミシン糸の表面に存在する、ミシン糸
の見掛け直径の0.2〜1.0倍程度の浮き上がったル
ープ、たるみの数を目視で数え、個/cmで示した。
の見掛け直径の0.2〜1.0倍程度の浮き上がったル
ープ、たるみの数を目視で数え、個/cmで示した。
【0044】[実施例1〜4、比較例1、2]極限粘度
0.80のポリエチレンテレフタレートを、図3に示す
紡糸装置及び図1に示すコスパン用紡糸口金を用いて、
紡糸温度295℃、紡糸速度1000m/分で紡糸し、
16本の高複屈折率フィラメントが芯部に配置され、4
本の低複屈折率フィラメントが鞘部に配置された芯鞘型
未延伸複合フィラメント糸を得た。
0.80のポリエチレンテレフタレートを、図3に示す
紡糸装置及び図1に示すコスパン用紡糸口金を用いて、
紡糸温度295℃、紡糸速度1000m/分で紡糸し、
16本の高複屈折率フィラメントが芯部に配置され、4
本の低複屈折率フィラメントが鞘部に配置された芯鞘型
未延伸複合フィラメント糸を得た。
【0045】図1に示すコスパン用紡糸口金において、
通常の吐出孔2Aのノズル径を0.25mm、ノズル長
を0.5mmとし、吐出孔5のノズル径を1.0mm、
ノズル長を1.0mm、紡糸液案内棒4の直径を0.5
mmとした。また、紡糸液案内棒4の吐出面3からの突
出長Lを表1に示すように変更して、吐出孔5から紡出
されるフィラメントの複屈折率を変更した。
通常の吐出孔2Aのノズル径を0.25mm、ノズル長
を0.5mmとし、吐出孔5のノズル径を1.0mm、
ノズル長を1.0mm、紡糸液案内棒4の直径を0.5
mmとした。また、紡糸液案内棒4の吐出面3からの突
出長Lを表1に示すように変更して、吐出孔5から紡出
されるフィラメントの複屈折率を変更した。
【0046】次いで、図2に示す延伸装置により、80
0m/分の速度で延伸し、210℃で熱セットして、6
%のリラックスを付与し、50デニール/20フィラメ
ントの芯鞘型延伸複合フィラメント糸を得た。この場
合、延伸倍率は、芯鞘型延伸複合フィラメント糸の伸度
が約20%となるように調整した。得られた延伸複合フ
ィラメント糸の強伸度は、表1に示す通りであった。
0m/分の速度で延伸し、210℃で熱セットして、6
%のリラックスを付与し、50デニール/20フィラメ
ントの芯鞘型延伸複合フィラメント糸を得た。この場
合、延伸倍率は、芯鞘型延伸複合フィラメント糸の伸度
が約20%となるように調整した。得られた延伸複合フ
ィラメント糸の強伸度は、表1に示す通りであった。
【0047】得られた芯鞘型延伸複合フィラメント糸に
対してS方向に900T/mの下撚を施して下撚単糸を
得、次いで該下撚単糸2本を引き揃えて、Z方向に80
0T/mの上撚を施した後、130℃で40分間チーズ
染色し、染色と同時にミシン糸表層部にループ、たるみ
を発現させ、その後、シリコーン系油剤を3%owf付
与してミシン糸を得た。
対してS方向に900T/mの下撚を施して下撚単糸を
得、次いで該下撚単糸2本を引き揃えて、Z方向に80
0T/mの上撚を施した後、130℃で40分間チーズ
染色し、染色と同時にミシン糸表層部にループ、たるみ
を発現させ、その後、シリコーン系油剤を3%owf付
与してミシン糸を得た。
【0048】得られたミシン糸の評価結果は表2に示す
通りであり、芯部の高複屈折率マルチフィラメント糸と
鞘部の低複屈折率マルチフィラメント糸との複屈折率差
が0.01未満の場合(比較例1、2)は、染色による
ミシン糸表層部でのループ、たるみの発現が不十分とな
り、目的とする可縫性に優れたミシン糸が得られなかっ
たが、複屈折率差が0.01以上の場合(実施例1〜
4)は、ミシン糸表層部に十分なループ、たるみが発現
し、可縫性に優れ、パッカリングの発生が少ないミシン
糸が得られた。
通りであり、芯部の高複屈折率マルチフィラメント糸と
鞘部の低複屈折率マルチフィラメント糸との複屈折率差
が0.01未満の場合(比較例1、2)は、染色による
ミシン糸表層部でのループ、たるみの発現が不十分とな
り、目的とする可縫性に優れたミシン糸が得られなかっ
たが、複屈折率差が0.01以上の場合(実施例1〜
4)は、ミシン糸表層部に十分なループ、たるみが発現
し、可縫性に優れ、パッカリングの発生が少ないミシン
糸が得られた。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】[比較例3]実施例2において、図1に示
す紡糸口金1Aの中心側には通常の吐出孔2Aを4個配
設し、外周側には吐出面3から突出した紡糸液案内棒4
が嵌入された吐出孔5を4個と通常の吐出孔2Aを12
個配設して、16本の高複屈折率フィラメントと4本の
低複屈折率フィラメントとがランダムに混繊された未延
伸複合フィラメント糸を得た。
す紡糸口金1Aの中心側には通常の吐出孔2Aを4個配
設し、外周側には吐出面3から突出した紡糸液案内棒4
が嵌入された吐出孔5を4個と通常の吐出孔2Aを12
個配設して、16本の高複屈折率フィラメントと4本の
低複屈折率フィラメントとがランダムに混繊された未延
伸複合フィラメント糸を得た。
【0052】この未延伸複合フィラメント糸を、実施例
2と同一条件で延伸し、合撚糸した後、染色し、ミシン
糸を得た。
2と同一条件で延伸し、合撚糸した後、染色し、ミシン
糸を得た。
【0053】得られたミシン糸の評価結果は、高速可縫
性、バック縫可縫性、パッカリングがいずれも×であ
り、ループ、たるみの発現が不十分で、可縫性の改善効
果は認められなかった。
性、バック縫可縫性、パッカリングがいずれも×であ
り、ループ、たるみの発現が不十分で、可縫性の改善効
果は認められなかった。
【0054】[実施例5〜8、比較例4、5]5モル%
の5―ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合した極限
粘度が0.47のポリエチレンテレフタレートを、図3
に示す紡糸装置及び図2に示すコスパン用紡糸口金を用
いて、紡糸温度300℃、紡糸速度2000m/分で紡
糸し、16本の高複屈折率フィラメントが芯部に配置さ
れ、4本の低複屈折率フィラメントが鞘部に配置された
芯鞘型未延伸複合フィラメント糸を得た。
の5―ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合した極限
粘度が0.47のポリエチレンテレフタレートを、図3
に示す紡糸装置及び図2に示すコスパン用紡糸口金を用
いて、紡糸温度300℃、紡糸速度2000m/分で紡
糸し、16本の高複屈折率フィラメントが芯部に配置さ
れ、4本の低複屈折率フィラメントが鞘部に配置された
芯鞘型未延伸複合フィラメント糸を得た。
【0055】図2に示すコスパン用紡糸口金において、
通常の吐出孔2Bのノズル径を0.25mm、ノズル長
を0.5mmとし、吐出孔7の小径部直径dを0.2m
mとした。また、吐出孔7の大径部直径Dは、実施例8
のみ10.0mmとし、その他は5.0mmとして、ノ
ズル長lを表3に示すように変更することにより、吐出
孔7から紡出されるフィラメントの複屈折率を変更し
た。
通常の吐出孔2Bのノズル径を0.25mm、ノズル長
を0.5mmとし、吐出孔7の小径部直径dを0.2m
mとした。また、吐出孔7の大径部直径Dは、実施例8
のみ10.0mmとし、その他は5.0mmとして、ノ
ズル長lを表3に示すように変更することにより、吐出
孔7から紡出されるフィラメントの複屈折率を変更し
た。
【0056】次いで、図2に示す延伸装置により、80
0m/分の速度で延伸し、200℃で熱セットして、3
%のリラックス処理を施し、50デニール/20フィラ
メントの芯鞘型延伸複合フィラメント糸を得た。この場
合、延伸倍率は、芯鞘型延伸複合フィラメント糸の伸度
が約20%となるように調整した。得られた延伸複合フ
ィラメント糸の強伸度は、表3に示す通りであった。
0m/分の速度で延伸し、200℃で熱セットして、3
%のリラックス処理を施し、50デニール/20フィラ
メントの芯鞘型延伸複合フィラメント糸を得た。この場
合、延伸倍率は、芯鞘型延伸複合フィラメント糸の伸度
が約20%となるように調整した。得られた延伸複合フ
ィラメント糸の強伸度は、表3に示す通りであった。
【0057】得られた芯鞘型延伸複合フィラメント糸に
対してS方向に900T/mの下撚を施して下撚単糸を
得、次いで該下撚単糸3本を引き揃えて、Z方向に70
0T/mの上撚を施した後、130℃で60分間チーズ
染色し、染色と同時にミシン糸表層部にループ、たるみ
を発現させ、その後、シリコーン系油剤を3%owf付
与してミシン糸を得た。
対してS方向に900T/mの下撚を施して下撚単糸を
得、次いで該下撚単糸3本を引き揃えて、Z方向に70
0T/mの上撚を施した後、130℃で60分間チーズ
染色し、染色と同時にミシン糸表層部にループ、たるみ
を発現させ、その後、シリコーン系油剤を3%owf付
与してミシン糸を得た。
【0058】得られたミシン糸の評価結果は表4に示す
通りであり、芯部の高複屈折率マルチフィラメント糸と
鞘部の低複屈折率マルチフィラメント糸との複屈折率差
が0.01未満の場合(比較例4、5)は、染色による
ミシン糸表層部でのループ、たるみの発現が不十分とな
り、目的とする可縫性に優れたミシン糸が得られなかっ
たが、複屈折率差が0.01以上の場合(実施例5〜
8)は、ミシン糸表層部に十分なループ、たるみが発現
し、可縫性に優れ、パッカリングの発生が少ないミシン
糸が得られた。
通りであり、芯部の高複屈折率マルチフィラメント糸と
鞘部の低複屈折率マルチフィラメント糸との複屈折率差
が0.01未満の場合(比較例4、5)は、染色による
ミシン糸表層部でのループ、たるみの発現が不十分とな
り、目的とする可縫性に優れたミシン糸が得られなかっ
たが、複屈折率差が0.01以上の場合(実施例5〜
8)は、ミシン糸表層部に十分なループ、たるみが発現
し、可縫性に優れ、パッカリングの発生が少ないミシン
糸が得られた。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】[比較例6]実施例6において、図2に示
す紡糸口金1Bの中心側には通常の吐出孔2Bを4個配
設し、外周側には吐出断面積が連続的に拡大する吐出孔
7を4個と通常の吐出孔2Bを12個配設して、16本
の高複屈折率フィラメントと4本の低複屈折率フィラメ
ントとがランダムに混繊された未延伸複合フィラメント
糸を得た。
す紡糸口金1Bの中心側には通常の吐出孔2Bを4個配
設し、外周側には吐出断面積が連続的に拡大する吐出孔
7を4個と通常の吐出孔2Bを12個配設して、16本
の高複屈折率フィラメントと4本の低複屈折率フィラメ
ントとがランダムに混繊された未延伸複合フィラメント
糸を得た。
【0062】この未延伸複合フィラメント糸を、実施例
6と同一条件で延伸し、合撚糸した後、染色し、ミシン
糸を得た。
6と同一条件で延伸し、合撚糸した後、染色し、ミシン
糸を得た。
【0063】得られたミシン糸の評価結果は、高速可縫
性、バック縫可縫性、パッカリングがいずれも×であ
り、ループ、たるみの発現が不十分で、可縫性の改善効
果は認められなかった。
性、バック縫可縫性、パッカリングがいずれも×であ
り、ループ、たるみの発現が不十分で、可縫性の改善効
果は認められなかった。
【0064】[実施例9〜13]実施例2において、芯
部に配置される高複屈折率フィラメントと、鞘部に配置
される低複屈折率フィラメントの本数を表5に示すよう
に変えることにより、鞘部に配置される低複屈折率マル
チフィラメント糸がミシン糸の全重量に対して占める比
率を変更した。得られた延伸複合フィラメント糸の強伸
度は、表5に示す通りであった。
部に配置される高複屈折率フィラメントと、鞘部に配置
される低複屈折率フィラメントの本数を表5に示すよう
に変えることにより、鞘部に配置される低複屈折率マル
チフィラメント糸がミシン糸の全重量に対して占める比
率を変更した。得られた延伸複合フィラメント糸の強伸
度は、表5に示す通りであった。
【0065】更に、得られたミシン糸の評価結果は、表
6に示す通りであり、鞘部に配置される低複屈折率マル
チフィラメント糸がミシン糸の全重量に対して占める比
率が、5〜40重量%である場合(実施例9〜13)
に、特に好ましい結果が得られ、10〜30重量%であ
る場合(実施例10、11)には、更に好ましい結果が
得られた。
6に示す通りであり、鞘部に配置される低複屈折率マル
チフィラメント糸がミシン糸の全重量に対して占める比
率が、5〜40重量%である場合(実施例9〜13)
に、特に好ましい結果が得られ、10〜30重量%であ
る場合(実施例10、11)には、更に好ましい結果が
得られた。
【0066】
【表5】
【0067】
【表6】
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、可縫性に優れ、細番手
化が可能なミシン糸を低コストで製造することができ
る。
化が可能なミシン糸を低コストで製造することができ
る。
【図1】本発明で使用するコスパン用紡糸口金の一例を
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
【図2】本発明で使用するコスパン用紡糸口金の他の例
を示す縦断面図である。
を示す縦断面図である。
【図3】本発明において、コスパン紡糸を行うための装
置の一例を示す模式図である。
置の一例を示す模式図である。
【図4】本発明において、コスパン紡糸した未延伸複合
フィラメント糸を延伸するための装置の一例を示す模式
図である。
フィラメント糸を延伸するための装置の一例を示す模式
図である。
1A、1B コスパン用紡糸口金 2A、2B 通常の吐出孔 3 吐出面 4 紡糸液案内棒 5 吐出面から突出した紡糸液案内棒を有する吐出孔 6 羽根 7 吐出断面積が連続的に拡大する吐出孔 11 紡糸口金 12 フィラメント糸 13 ヒータ 14 ホットゾーン 15 冷却風吹付装置 16 油剤付与装置 17、18 ゴデットローラ 19 巻取機 20 未延伸糸パッケージ 21 未延伸フィラメント糸 22 予熱ローラ 23 延伸ローラ 24 ゴデットローラ 25 巻取機 26 延伸糸パッケージ
Claims (5)
- 【請求項1】 複屈折率の高いマルチフィラメント糸を
実質的に芯部に配置し、複屈折率の低いマルチフィラメ
ント糸を実質的に鞘部に配置してなり、両者の複屈折率
差が0.01以上である芯鞘型複合フィラメント糸をコ
スパン法により紡糸し、延伸後又は延伸することなく熱
処理して、ミシン糸表層部にループ、たるみを発現させ
ることを特徴とする複合ミシン糸の製造方法。 - 【請求項2】 マルチフィラメント糸がポリエステルマ
ルチフィラメント糸である請求項1記載の複合ミシン糸
の製造方法。 - 【請求項3】 吐出面から突出した紡糸液案内棒を有す
る吐出孔を、中心側に配設したコスパン用紡糸口金を用
いて紡糸する請求項1又は2記載の複合ミシン糸の製造
方法。 - 【請求項4】 吐出断面積が連続的に拡大する吐出孔
を、中心側に配設したコスパン用紡糸口金を用いて紡糸
する請求項1又は2記載の複合ミシン糸の製造方法。 - 【請求項5】 鞘部に配置する複屈折率の低いマルチフ
ィラメント糸を、ミシン糸全重量に対して5〜40重量
%用いる請求項1〜4のいずれか1項記載の複合ミシン
糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07236699A JP3103023B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 複合ミシン糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07236699A JP3103023B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 複合ミシン糸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0978335A true JPH0978335A (ja) | 1997-03-25 |
JP3103023B2 JP3103023B2 (ja) | 2000-10-23 |
Family
ID=17004465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07236699A Expired - Fee Related JP3103023B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 複合ミシン糸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3103023B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6811872B2 (en) | 2001-08-16 | 2004-11-02 | Teijin Limited | Filament machine sewing thread |
CN102021668A (zh) * | 2011-01-13 | 2011-04-20 | 南通大学 | 用于中空纤维纺丝的嵌针式喷丝头 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03268718A (ja) * | 1990-03-20 | 1991-11-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 蒸気処理機能付調理器 |
-
1995
- 1995-09-14 JP JP07236699A patent/JP3103023B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6811872B2 (en) | 2001-08-16 | 2004-11-02 | Teijin Limited | Filament machine sewing thread |
CN102021668A (zh) * | 2011-01-13 | 2011-04-20 | 南通大学 | 用于中空纤维纺丝的嵌针式喷丝头 |
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Publication number | Publication date |
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JP3103023B2 (ja) | 2000-10-23 |
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