JPH0978163A - 黄銅系摺動材料 - Google Patents
黄銅系摺動材料Info
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Abstract
ける異常摩耗や疲労を防止する。 【構成】 Zn:7〜35%,Ag:0.1〜4%,P
b:0.1〜5%未満、Mn:1〜5%、Si:0.5
〜2%を含有し、さらに、Ni:30%以下、Al:5
%以下、Cr:2%以下、P:0.5%以下、S:0.
1%以下、Sn:0.2%未満、及びFe:0.1%未
満の1種または2種以上を含有する黄銅系摺動材料の組
織を、鉛相の直径(同じ面積の円に換算したときの直
径、以下同じ)が50μm以下であり、かつ直径が20
〜50μmの鉛相の個数が0〜20個/mm2 であり、
さらにけい化マンガンは初晶としては存在せず、二次晶
として3×10-2mm2 当たり50個以上存在している
組織とする。
Description
関するものであり、さらに詳しく述べるならば、特にタ
ーボチャージャ用各種部品、例えば、フローティングブ
シュ、スラストワッシャ等の硫黄含有潤滑油による潤滑
下で高温で使用される部品用摺動材料に関するものであ
る。
いはりん青銅などが使用されてきた。また、これらの銅
合金の耐焼付性を向上させるために、P,AlなどのC
uマトリックスを強化する元素を添加する、なじみ性が
優れたBiなどを添加するなどの提案がなされ、それな
りの成果を達成している。
ーティングブシュの使用環境は高温であるために油中の
硫黄により銅が硫化する現象が生じる。また回転数も毎
分10万回転以上と高回転になるために、焼付や摩耗な
どが起こる。例えば、鉛青銅もしくはりん青銅は上述の
ように硫黄分が多い潤滑油中かつ/または高温で使用さ
れると、表面に黒色の硫化銅が生成し、この硫化銅層は
強度が弱くかつ母材に密着していないために容易に剥離
し、この結果焼付もしくは異常摩耗が起こる。また腐食
によって材料の強度劣化や疲労が起こる。また、潤滑油
が少なく混合−境界潤滑領域の摺動条件では鉛青銅及び
りん青銅は容易に焼付を招いていた。
上を目的として、特願平6−84875号(平成6年4
月22日出願−以下「先願」と言う)において、重量百
分率で0.1〜5%(以下特記しない限り百分率は「重
量%」を表すものとする)のAg;7〜35%のZnを
含有し、さらに必要により(イ)20%以下のSn,
0.5%以下のP,10%以下のAl,3%以下のS
i,5%以下のMn,2%以下のCr,10%以下のN
i、5%以下のSb,0.5%以下のS、3%以下のM
gからなる群から選択された1種又は2種以上、及び
(ロ)総量で30%以下のPb及びBiからなる群から
選択された1種又は2種をさらに含有することを特徴と
する耐硫化性に優れた銅系摺動材料を提案した。先願の
摺動材料は、実施例では所定組成の合金を金型鋳造もし
くは連続鋳造した後ターボチャージャー用フローティン
グブシュに加工され試験されている。
示された摺動材用黄銅合金は、組成が、Zn:10〜2
5%、Al:0.1〜3%、Fe:0.1〜2.0%、
Ni:0.5〜5.0%、Si:0.3〜2.0%、C
o:0.01〜2.0%、Pb:5〜10%、残部Cu
及び不純物からなり、またその合金の組織上の特長は次
のように説明されている。
柱状晶と等軸晶が必然的に形成されるために等軸晶相内
に粗大Pbが偏在するようになっていたが、その発明で
は微細結晶粒の晶出によりPbを微細に分布することが
できた。また、従来の珪素化マンガン系黄銅では珪素化
マンガンが針状になっていたが、その発明では球状のS
i−Ni−Co−Fe化合物晶出物が形成されており、
またこのような晶出物により鉛相を均一に分散させるこ
とができた。したがって、球状金属間化合物を晶出させ
ることにより柱状晶を抑制し等軸晶を発達させ、珪素系
晶出物の形態を変えかつPbを微細分布させることがで
きるようになった。また、珪素化マンガンの針状形態も
変えることができるようになった。
系摺動材料につき鋳造後の顕微鏡組織と摺動特性の関係
につき研究を行い、次のような知見を得た。通常の金型
鋳造黄銅中の鉛は、10μm程度以下の微細相と、この
相より直径が1桁も大きい巨大相とも言うべき粗大球状
相と二つの分類に分けられる。微細鉛相は、Cu−Pb
系平衡状態図が示すとおりに銅結晶の粒界面に存在する
ものと、銅結晶内部に存在するものとに分類される。後
者は、銅の凝固後に銅マトリクッスから鉛がPbリッチ
融体として分離しその後凝固したかあるいは固体Pbと
して析出したものである考えられる。
よると微細結晶粒の形成によりPb粒子を約10μmの
粒子として均一に分布することができる。すなわち鉛粒
子の大きさは、凝固により形成される銅相の大きさに関
連している。しかし、先願のようにCoが添加されてい
ない組成系では1桁以上も大きさが異なる巨大鉛相と微
細鉛相が存在するために、巨大鉛相の形成過程は微細鉛
相とは別と考えることが妥当である。
相は、鉛が凝固中の銅に巻き込まれそして凝固銅相の大
きさにより大きさが決定されると考えることができる
が、銅の凝固後にも局部的に鉛が濃縮されて融体として
残っており、これが塊状に集まって凝固したものが巨大
相であると想定することが妥当であると考えた。このよ
うに鉛が巨大相を形成するように局部的に濃縮すること
は、先願の銅系摺動材料のPb濃度はわずか数%である
ことからも、また1個の重量がほぼ20g程度の小型部
品に属すブッシュ用金型鋳造素材では凝固時間が短いこ
とからも、予想外であった。
と、その部分では硫化の弊害を抑えるZn濃度が希薄に
なり、黄銅の耐硫化性が劣化する。したがって鉛が粗大
であると鉛部の耐腐食性や耐焼付性が劣るために、異常
摩耗や疲労が起こり、予想外に早期に摺動部品に起因す
るトラブルに至る。
あるけい化マンガンの形態は、前掲特公平7−5173
4号公報に説明されているCo無添加の従来技術合金で
は、一次晶出物では長く伸びた針状であり、共晶物はC
u結晶粒間に形成される微細二次晶である。けい化マン
ガンは微細に多数分散していることが耐摩耗性の面から
好ましいが、上記のCo無添加合金では一次晶が粗大針
状を呈しているために、耐摩耗性の面で好ましくない。
き、高周速下での焼付摩耗及び高周速摺動に伴う高温下
での硫化腐食反応を防止することができる黄銅系摺動材
料を提供することを目的とするものである。
発明に係る黄銅系摺動材料は、Zn:7〜35%,A
g:0.1〜4%,Pb:0.1〜5%未満、Mn:1
〜5%、Si:0.5〜2%を含有し、さらに、Ni:
30%以下、Al:5%以下、Cr:2%以下、P:
0.5%以下、S:0.1%以下、Sn:0.2%未
満、及びFe:0.1%未満の1種または2種以上を含
有し、残部が実質的にCu及び不可避的不純物からなる
黄銅系摺動材料であって、鉛相の直径が50μm以下で
あり、かつ直径が20〜50μmの鉛相の個数が0〜2
0個/mm2 であり、さらにけい化マンガンは初晶とし
て存在せず、針状の二次晶として3×10-2mm2 当た
り50個以上存在していることを特徴とする。
はCu合金を潤滑油中のS成分による硫化に伴う黒変化
を起こし難くする元素である。Znのこの効果は7%以
上で発揮されるが、35%を超えると摺動特性、特に耐
焼付性が劣化する。したがって、Zn含有量は7〜35
%であり、好ましいZnの含有量は15%以上である。
但し、Znの含有量が25%を超えると鉛相が偏析し易
くなる。したがって、好ましいZnの含有量は15〜2
5%である。
性を高める元素である。特に、摺動材料の摺動条件が流
体潤滑から境界潤滑に移行して焼付易い潤滑状態となる
と、Agの効果が顕著になる。Agの含有量が0.1%
以上でこの効果が発揮され、含有量が4%を超えると析
出するAgが多くなりかつAg粒子が粗大析出するよう
になるのでその効果が失われる。4%を超えるAgを含
有する銅合金は特殊な急冷鋳造をしなければAgを固溶
することができない。したがってAgの含有量は0.1
〜4%とし、好ましくは0.2〜2%である。
切削性及び異物埋収性を高める元素である。Pbの含有
量が0.1%未満ではこれらの効果がなく、5%以上と
なると鉛の分布が不均一になり逆に耐焼付性が劣化す
る。好ましい鉛含有量は2〜5%である。
n5 Si3 ,MnSi,MnSi12などのけい化マンガ
ン、主にMn5 Si3 を形成し、耐摩耗性を高める。M
nの含有量が1%未満ではけい化マンガンの形成量が少
なく、一方Mnの含有量が5%を超えるとけい化マンガ
ンが粗大化して逆に耐摩耗性を劣化する。好ましいMn
の含有量は1.5〜3.5%である。
化マンガンとして析出して耐摩耗性を向上する。Si含
有量が0.5%未満であるとけい化マンガンの形成量が
少なく、一方Siの含有量が2.0%を超えると耐焼付
性が低下しかつ合金が脆くなるために切削性が低下す
る。好ましいSi含有量は0.7〜2.0%である。
れるNi,P,Al,Cr、NiはCuマトリックスを
強化する元素であり、マトリックス強化により耐焼付性
及び耐摩耗性を向上させることができる。Pは銅の脱酸
材として使用されるが、鋳造銅中に一部が残存して潤滑
油との親油性を改善して摺動面での潤滑油分布を良好に
する。さらに、Al及びNiは高温における摺動面の酸
化を抑制する。
Pは0.5%、Alは5%を超えるとCuの延性が損な
われ、Crは2%を超えると延性及び鋳造性が損われる
ので、これらの値を含有量の上限とする必要がある。好
ましい含有量は、Niは1〜10%,Pは0.2〜0.
4%、Alは1〜5%、Crは0.1〜1.0%、であ
る。
材料使用中に潤滑油による黒変化を阻止する元素であ
る。すなわち、予めSを均一に銅合金母材に合金元素と
して添加して置くとAgがSと結合してAg2 Sを形成
し、最表面である摺動面ではAg2 Sが薄く延びて表面
を覆い、CuSの形成を遅らせる。また表面のAg2 S
は摺動特性が良い。さらにSは潤滑油との親油性を改善
する効果もある。しかしながらSの含有量が0.1%を
超えると、銅合金の強度が著しく劣化するために好まし
くない。好ましいSの含有量は0.005〜0.1%で
ある。
に通常含まれる不純物である。銅の純度は竿銅、電気
銅、電解精製銅,OFHCなど何れであってもよい。ま
た銅のスクラップから混入することがあるSnは0.2
%以下が好ましい。
る。本発明においては、鉛相の直径(当該相を同じ面積
の円に換算したときの直径)が50μm以下でなければ
ならない。鉛相の測定は、鉛相が加工方向に引き伸ばさ
れた塑性加工材の場合は加工方向の断面で測定するもの
とする。鋳造材料の鉛相の直径を測定するための顕微鏡
による観察面は任意である。
に換算して直径を測定するのは、局部的異常摩耗等に関
係する鉛相の寸法はその面積であるからである。このよ
うにして測定した直径が50μmを超える巨大鉛相が局
部的異常摩耗や焼付の発生箇所となり、また切削後の外
観も劣化する。また、50μm以下であっても20μm
以上の鉛相は耐摩耗性や耐焼付性が優れないので、20
〜50μmの鉛相は全く存在しないか20個/mm2 以
下であることが必要である。なお、通常の顕微鏡の視野
はn×10-2mm2 (但し1<n<10)程度であるの
で、この視野での測定をn×2回行って鉛相の個数を合
計することにより、本材料の摺動特性を正確に評価する
ことができる。
相を微細化するとともにけい化マンガン相は二次晶とし
て存在させる、即ち初晶として存在させないことが、耐
摩耗性を向上する上で、好ましい。このためには、ケイ
化Mn相が3×10-2mm2即ち3×104 μm2 の視
野中で50個以上存在していることが必要である。けい
化マンガンは顕微鏡試料をブラードでエッチングし、光
学顕微鏡で観察すると灰光沢色に見える。またけい化マ
ンガンは試料の断面では、最大20μmの長さで真直ぐ
または多少曲がった針状もしくは糸状のものと、針、棒
などの断面を見た点状のものが観察される。上記のけい
化マンガン個数はこれら針状に見えるものと点状に見え
るものも、それぞれ1個として計算して前記の視野中で
50個以上であることが必要である。上記の視野を3×
10-2mm2 としたのは、けい化マンガンの個数を正確
かつ迅速に数えることができるからである。
いて、後述の実施例の4種の黄銅組成をもとに以下のよ
うに考察した。黄銅組成No.13(2%Pb)の顕微
鏡組織(倍率100倍)を図3に示す。図中黒色の多数
の点が鉛相である。その直径は約10μmである。図3
においては図面で右下下がりの伸びる長い筋状方位と、
この方位に直交する短い筋状方位が認められ、後者の方
位の部分に鉛相が集中している。前者はデンドライトの
一次枝、後者は二次枝と極めて良く似ており、したがっ
て鉛は二次枝間で濃縮されそして晶出したものと考えら
れる。
微鏡組織(倍率100倍)を図4に示す。図中黒色の鉛
相の直径は約10μmである。この組織においてはデン
ドライトの一次枝相当の方位は図で右上上りに、二次枝
相当の方位はこれと直交する方向にそれぞれ認められる
が、図3と比較すると鋳造組織は粒状晶に近づいてい
る。また、鉛相の分布は図3と比較するとよりランダム
である。
微鏡組織(倍率100倍)を図5に示す。この組織にお
いてはデンドライトが図の左下側にあり、右上部では等
軸晶となっている。微細な鉛相はデンドライトに二次枝
間や等軸晶の結晶粒界・粒内に存在する。これに対し直
径が100μm弱の巨大鉛相はデンドライト部と等軸晶
のいずれの結晶領域にも存在している。
微鏡組織(倍率100倍)を図6に示し、30〜50μ
mの巨大鉛相が存在している。この組織は図5よりも等
軸晶傾向が強く、また微細鉛相の分布は図5よりもラン
ダムになっている。図5と図6を比較し総合して考察す
ると、微細鉛相の分布形態は鋳造組織がデンドライト晶
かあるいは等軸晶かと関連している。即ちデンドライト
晶形成傾向が強くなると鉛は銅の粒間に存在する傾向が
ある。しかし巨大鉛相の発生位置はこのような傾向がな
い。
考察すると、強いデンドライト傾向(図3)あるいは強
い等軸晶でかつ微細結晶形成傾向(図4)の鋳造では巨
大鉛相は発生しないが、これらのどちらでもないと(図
5,6)では巨大鉛相が発生している。
織(倍率500倍)を図7に示す。この組織において黒
く着色されているのが鉛相であり、薄い灰色に着色され
ているのがけい化マンガン相である。けい化マンガンは
二次晶として銅結晶粒の粒界に存在しており、Cuとの
共晶になっていると考えられる。
をもつ鋳造黄銅を得るためには、平衡状態図、鋳型内溶
湯の温度分布、Pbなどの溶質の拡散係数などにより、
凝固設計することが必要となるが、具体的には、直径約
20mm,長さ約300mm程度の棒材を外径が200
mm程度(すなわち肉厚90mm)以上の銅金型で鋳造
し、鋳造後放冷却する方法を採用することができる。銅
金型としては、耐熱性及び耐焼付性に優れたCr銅を使
用することが好ましい。金型を肉厚銅とすると、鋳型の
熱伝導度及び熱容量が大きくなるために注湯の初期にお
ける溶湯全体の温度降下が大きくなる。このために鉛の
濃縮、けい化マンガン初晶形成を抑えまた二次晶の発達
を抑えることができる。
には金型鋳造により部品形状に鋳込むか、あるいは金型
鋳造後もしくは連続鋳造フローティングブシュなど部品
の形状を得るために塑性加工及び/又は機械加工を適宜
行う。なお、上述で説明したとおり塑性加工により鉛が
引き伸ばされても本発明が規定する直径はほとんど変化
ないので、塑性加工のみにより巨大鉛相の寸法を本発明
範囲内とすることはできない。また微細なけい化マンガ
ンは塑性加工によりほとんど分断されないので、所定面
積当たりの個数はほとんど変化がない。以下、実施例に
より本発明をより詳しく説明する。
た合金を高周波炉で溶解し銅金型(外径が200mmの
Cr銅金型)に亜鉛華を薄く塗布して直径が20mm,
長さが250mmの素材に鋳造した。これから以下説明
する試験用の試験片を機械加工により削り出して試験を
行った。また鋳造材の内最も冷却速度が遅くなる中心部
を3×10-2mm2 の視野で6回光学顕微鏡観察を行
い、組織を測定した結果を図1(表1)に示す。表1に
おいて、Pb(1)は鉛相の最大直径(μm),Pb
(2)は直径が20〜50μmの鉛相の個数(mm2 当
たりの個数)、Si−Mnはけい化マンガン相が3×1
0-2mm2 視野当たり存在する個数の平均値である。
0) バイトR :0.4mm 切削速度 :2.6m/s(3500rpm) 送り :0.1mm/min 削込量 :0.26mm 切削後の粗さ不良が起こった時に工具寿命が尽きたと判
定し、それまでの切削距離(km)を判定した。試験結
果を表1に示す。
である。比較例11は鉛青銅であり、また比較例12は
リン青銅であり、これらは全ての摺動性能が著しく不良
である。比較例9は、けい化マンガンを二次晶として分
散させた青銅であって、Ni,Al等の選択成分を添加
していない組成を有している点で本発明に対する比較例
に相当する。この比較例は耐焼付性及び切削性が不良で
ある。比較例10は比較例9にPbを添加した組成系に
相当する。Pb添加により切削性が大幅に改善されてい
るが、その他の性質はやはり不良である。
性、耐摩耗性、耐食性及び切削性のすべての性質がすぐ
れていることが分かる。
19については実施例1と同様に鋳造を行い、一方黄銅
組成No.16,17,18については鋳鉄金型の外径
を50mmと小さくして冷却速度を低下させて鋳造組織
を変化させた。その後実施例1と同様に耐焼付試験を行
い、その結果得られた焼付荷重を表2に併記した。組成
No.16はPb含有量が多く、組成No.17は徐冷
を行ったために、粗大鉛相が発生した例である。これら
の例ではいずれも耐焼付性が低下していることが表2よ
り分かる。これに対して本発明実施例は何れも耐焼付性
が良好である。
ターボチャージャーのフローティングブシュに加工し、
実車のターボチャージャーに組み込んで30000km
相当のベンチテストを行った。使用したエンジンは
(7.5W−SE級)であり、S含有量は1.5%、使
用中の推定最高温度は150〜200℃であった。なお
走行期間中エンジンの交換は行わなかった。本発明材料
を使用したブシュは試験後も表面は銅色を呈していた
が、比較例材料を使用したブシュは黒変しておりまた摩
耗量が前者の約20倍であった。
材料は潤滑油中の硫黄による耐硫化性腐食に優れており
しかも耐焼付性は従来の鉛青銅やりん青銅よりも優れて
いるという画期的材料である。したがって本明細書冒頭
で説明した各種部品に本発明の銅系摺動材料は極めて適
している。
及び摺動特性を示す図表である。
及び耐焼付性を示す図表である。
銅の金属顕微鏡組織写真である。
銅の金属顕微鏡組織写真である。
銅の金属顕微鏡組織写真である。
銅の金属顕微鏡組織写真である。
の金属顕微鏡組織写真である。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量百分率でZn:7〜35%,Ag:
0.1〜4%,Pb:0.1〜5%未満、Mn:1〜5
%、Si:0.5〜2%を含有し、さらに、Ni:30
%以下、Al:5%以下、Cr:2%以下、P:0.5
%以下、S:0.1%以下、Sn:0.2%未満、及び
Fe:0.1%未満の1種または2種以上を含有し、残
部が実質的にCu及び不可避的不純物からなる黄銅系摺
動材料であって、鉛相の直径(同じ面積の円に換算した
ときの直径、以下同じ)が50μm以下であり、かつ直
径が20〜50μmの鉛相の個数が0〜20個/mm2
であり、さらにけい化マンガンは初晶としては存在せ
ず、二次晶として3×10-2mm2 当たり50個以上存
在していることを特徴とする黄銅系摺動材料。 - 【請求項2】 金型鋳造材もしくは連続鋳造材を機械加
工したことを特徴とする請求項1記載の黄銅系摺動材
料。 - 【請求項3】 金型鋳造材もしくは連続鋳造材を塑性加
工及び機械加工したことを特徴とする請求項1記載の黄
銅系摺動材料。
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---|---|---|---|
JP25569795A JP3375802B2 (ja) | 1995-09-07 | 1995-09-07 | 黄銅系摺動材料 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25569795A JP3375802B2 (ja) | 1995-09-07 | 1995-09-07 | 黄銅系摺動材料 |
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JPH0978163A true JPH0978163A (ja) | 1997-03-25 |
JP3375802B2 JP3375802B2 (ja) | 2003-02-10 |
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ID=17282388
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