JPWO2007126006A1 - 軸受性に優れた摺動材料用銅合金 - Google Patents

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Abstract

固溶強化した銅合金、又は固溶と化合物生成による強化を行った銅合金に、0.05〜1.5質量%のSを含有させることで、銅合金の耐摩耗性と耐焼付性を高いレベルで両立させることができるようになり、過酷な条件であっても摺動材料用部材として長期間にわたる使用を可能とした。

Description

本発明は、各種産業機械の摺動用材料に適するよう、軸受性すなわち耐摩耗性と耐焼付性に優れた摺動材料用銅合金に関するものである。
従来、銅合金系の摺動用材料としては、青銅系、鉛青銅系、りん青銅系のものが多く使用されている。また、アルミニウム青銅系や高力黄銅系のものも広く採用されている(非特許文献1)。
JIS(日本工業規格) H5120
しかしながら、非特許文献1に規定された銅合金のうちの青銅系、鉛青銅系、りん青銅系のものは、いずれも強度が弱い。したがって、近年の連続的な高速・高圧条件のような過酷な条件下で使用する摺動用材料としては満足できない。また、鉛を含有するものは、環境や衛生面に悪影響を与えるという問題もある。
また、非特許文献1に規定された銅合金のうちのアルミニウム青銅系のものは、機械的強度,特に疲労強度には優れているものの、耐焼付性は大変劣っている。
また、非特許文献1に規定された銅合金のうちの高力黄銅系のものは、抗張力や靱性が優れているが、耐摩耗性の点でアルミニウム青銅系のものより劣っている。
本発明が解決しようとする問題点は、上記した従来の銅合金系摺動用材料では、耐摩耗性と耐焼付性を高いレベルで両立させることができないという点である。
本発明の軸受性に優れた摺動材料用銅合金は、
耐摩耗性と耐焼付性を高いレベルで両立させるために、
固溶強化した銅合金、
又は固溶と化合物生成による強化を行った銅合金に、
0.05〜1.5質量%のSを含有させたことを最も主要な特徴としている。
また、前記の本発明の軸受性に優れた摺動材料用銅合金は、
さらに0.1質量%以上、11.0質量%以下のPb、0.1質量%以上、5.4質量%未満のBiのうち少なくともどちらか一方を含有させたものでも良い。
本発明の摺動材料用銅合金は、従来は含有させていなかったSを適量含有させることで、耐摩耗性と耐焼付性を高いレベルで両立させることができ、過酷な条件であっても摺動材料用部材として長期間にわたって使用できるようになる。
加えて、本発明の摺動材料用銅合金は、Pbを添加していない場合には、環境や衛生面に悪い影響を与えることもない。
摩耗減量と摩擦係数を求める試験の説明図である。 実験1において、発明例1と比較例の摩擦係数の調査結果を示した図である。 固溶強化した銅合金について行った実験2において、発明例1と比較例の摩擦係数の調査結果を示した図である。 実験2において、発明例1と比較例のロックウェル硬さの調査結果を示した図である。 固溶強化した銅合金について行った実験3における図3と同様の図である。 実験3における図4と同様の図である。 固溶と化合物生成により強化した銅合金について行った実験4における図3と同様の図である。 実験4における図4と同様の図である。 固溶と化合物生成により強化した銅合金について行った実験5における図3と同様の図である。 実験5における図4と同様の図である。 固溶と化合物生成により強化した銅合金について行った実験6における図3と同様の図である。 実験6における図4と同様の図である。 固溶と化合物生成により強化した銅合金について行った実験7における図3と同様の図である。 実験7における図4と同様の図である。 摩擦係数を求める円筒軸受試験の概略説明図である。 実験8において、摩擦係数の調査結果を示した図で、(a)は発明例1、(b)比較例である。 実験8において、焼付きを調査した結果を示した図で、(a)は発明例1、(b)比較例である。
符号の説明
1 シェアピン
2 ファビリー試験片
3 回転軸
4 ブッシュ
本発明の摺動材料用銅合金は、耐摩耗性と耐焼付性を高いレベルで両立させるという目的を、従来は含有させていなかったSを、強化した銅合金に適量含有させることで実現するものである。
銅合金の場合、溶解させた銅中では、Sは早期に硫化物を形成して、溶解した銅の表面に浮上・分離するので、銅マトリックス中に硫化物を分散させること自体が困難であると考えられていた。従って、JISで規定された銅合金では、その成分中にSは含まれていない。
しかしながら、発明者らは、摺動材料用銅合金について種々実験及び検討を重ねた結果、硫化物の生成温度をα−Cuの凝固温度に近づければ、銅マトリックス中に硫化物を効果的に分散できることを見出した。そして、この硫化物の生成によって、銅合金の耐摩耗性と耐焼付性が向上することも判明した。
すなわち、本発明の摺動材料用銅合金は、発明者らの前記実験及び検討の結果なされたものであり、
固溶強化した銅合金、
又は固溶と化合物生成による強化を行った銅合金に、
0.05〜1.5質量%のSを含有させることによって、耐摩耗性と耐焼付性を高いレベルで両立させたものである。
以下、本発明の構成要件の限定理由について説明する。
S:0.05〜1.5質量%
Sは、Cuと結合してCu2S化合物(Znを含有する場合はZnS化合物)を形成し、耐摩耗性と耐焼付性を向上させる。しかしながら、銅合金中に前記硫化物を形成させるには0.05質量%以上含有する必要がある。一方、1.5質量%を超えて含有させると、組織中に占める硫化物が過剰となって、銅合金の脆化を招く。このため、本発明ではS含有量を0.05〜1.5質量%とした。
本発明は、固溶強化した銅合金、又は固溶と化合物生成による強化を行った銅合金に、前記範囲のSを含有させるものであるが、以下、これらの銅合金について、具体的に説明する。
1) 固溶強化した銅合金
固溶強化した銅合金としては、例えば鉛青銅系、高力黄銅系などが挙げられる。すなわち、鉛青銅では、Snを固溶したαマトリックス中に硬い(α+δ)共析相が分布している組織中にPbが分散した組織構成となっているからである。また、高力黄銅では、40質量%Znのα+β黄銅にAl,Fe,Mn,Sn,Niなどを添加してαとβ相への固溶強化と、β相の生成量を増して硬さと強さを向上させた組織構成となっているからである。
したがって、固溶強化した銅合金としては、前記鉛青銅系、高力黄銅系に限らず、他の銅合金であっても、Sn,Al,Ni,Fe,Mnを含有させた場合には本発明でいう固溶強化した銅合金に該当する。
また、Cuとの二元平衡状態図を読み取れば、ZnやSiも前記Snなどと同様に銅合金を固溶強化する元素といえる。
よって、ZnやSiを含有させた場合にも、本発明でいう固溶強化した銅合金に該当する。
2) 固溶と化合物生成による強化を行った銅合金
固溶と化合物生成による強化を行った銅合金としては、例えばりん青銅系、アルミニウム青銅系などが挙げられる。
すなわち、りん青銅では、Cu−Sn系のδ相(Cu31Sn8)とCu−P系のCu3P相とSnやPが固溶したα(Cu)相とからなる(α+δ+Cu3P)共晶相がαデンドライトの枝の間隙に分散した組織構成となっているからである。
また、アルミニウム青銅は、6〜10.5質量%Alを含有するCu−Al系に所定量のFe,Ni,Mnを加えたCu−Al−Fe、Cu−Al−Fe−Ni、Cu−Al−Fe−Mn合金である。このCu−Al系に固溶限以上のFeを含有するとκ相(FeAl及びこの固溶体)がマトリックス中に析出して硬化する。また、固溶限以上のNiを含有すると、κ相(NiAl)を析出し、Feとともに析出硬化特性を有するようになるからである。
したがって、固溶と化合物生成による強化を行った銅合金としては、前記りん青銅系、アルミニウム青銅系に限らず、他の銅合金であっても、CuとSn、CuとP、AlとFe、AlとNiを含有させた場合には本発明でいう固溶と化合物生成による強化を行った銅合金に該当する。
また、Cuとの二元或いは三元平衡状態図を読み取れば、NiとSi、MnとSiなども前記と同様に固溶と化合物生成により銅合金を強化する元素といえる。
よって、固溶限以上にNiとSiを含有させたコルソン合金や、MnとSiを含有させた場合にも、本発明でいう固溶と化合物生成による強化を行った銅合金に該当する。
本発明の摺動材料用銅合金は、上記構成に加えて、さらに0.1質量%以上、11.0質量%以下のPb、0.1質量%以上、5.4質量%未満のBiのうち少なくともどちらか一方を含有させたものでも良い。
以下、これらPb及びBiについて説明する。
PbはCuマトリックスには固溶せずに、分散した微細な収縮巣の周辺に凝集して、耐圧性を向上させるのと共に耐摩耗性を改善させる。さらに、PbとSが結合しPbS化合物を形成し、耐摩耗性と耐焼付性を向上させる。しかしながら、その含有量が0.1質量%未満では、耐摩耗性を向上させる効果が小さい。一方、その含有量が11.0質量%を超えるとPbを含有させない場合の耐摩耗性と変化がなくなるのみならず、環境や衛生面に悪影響を与える。従って、本発明では、Pbを添加する場合は、その含有量を0.1質量%以上、11.0質量%以下とした。
また、Cuとの二元平衡状態図を読み取れば、BiもPbと同様にCuマトリックスには固溶せずに単独、或いはBi23化合物として存在して耐摩耗性を向上させる元素といえる。発明者らの検討によれば、Biの最適含有量は0.1質量%以上、5.4質量%未満である。
すなわち、Biの含有量が0.1質量%未満では、耐摩耗性を向上させる効果が小さい一方、含有量が5.4質量%以上になるとBiを含有させない場合よりも耐摩耗性が悪くなる場合が発生し、またコスト高になるからである。
以下、本発明の摺動材料用銅合金の効果を確認するために行った実験結果を基に、発明例を比較例と対比しながら説明する。なお、これらの発明例は本発明に係る摺動材料用銅合金の効果を示す例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものでないことは言うまでもない。
(請求項1の効果を確認するための実験1)
実験は、青銅(CAC403相当)、りん青銅(CAC502B相当)、アルミニウム青銅(CAC703相当)で図1に示す形状のファビリー試験片を製造して行った。その結果を表1及び図2に示す。なお、発明例1は、前記JISで規定された青銅(CAC403)、りん青銅(CAC502B)、アルミニウム青銅(CAC703)に0.6質量%のSを目標として含有させたものである。
Figure 2007126006
表1より明らかなように、発明例1のほうがJISで規定された比較例よりもシェアピンやファビリー試験片+シェアピンの摩耗減量が小さくなり、摺動性が向上していることが分かる。なお、表1中に測定不能と記載したものは、試験中に焼付きを起こした資料であり、このことから耐焼付き性が向上していることも分かる。
また、図2より明らかなように、発明例1のほうがJISで規定された比較例よりも摩擦係数が小さくなり、摺動性が向上していることが分かる。
なお、表1に示した摩耗減量と図2に示した摩擦係数を求める試験は、300rpmで回転させた状態のシェアピン1(外径6.5mm)を、ファビリー試験片2である2個のVブロックで所定の荷重を作用させて挟持することにより行った(図1参照)。
なお、使用したシェアピン1は、S45C(機械構造用炭素鋼鋼材)調質材でロックウェル硬さHR Bを97としたものである。また、前記所定の荷重とは、青銅、りん青銅の場合は200kg、アルミニウム青銅の場合は100kgである。
(請求項1の効果を確認するための実験2)
Cuに、Niを含有させて固溶強化した銅合金(比較例)と、この銅合金に適量のSを添加した発明例1でファビリー試験片を製造し、実験1と同様の実験を行った。実験した比較例と発明例1のNi含有量とS添加量を表2に、摩擦係数を図3に示す。また、図4には、実験した比較例と発明例1のロックウェル硬さHR Hを示す。なお、実験時にVブロックに作用させた荷重は4kgである。
図3より、添加するS量の増加に伴って、摩擦係数が減少し、軸受性能が向上していることが分かる。また、図4より、ロックウェル硬さは、Sを添加した場合も、Sを添加していない場合と同等であることが分かる。
Figure 2007126006
(請求項1の効果を確認するための実験3)
Cuに、Siを含有させて固溶強化した銅合金(比較例)と、この銅合金にSを添加した発明例1でファビリー試験片を製造し、実験2と同じ実験を行った。実験した比較例と発明例1のSi含有量とS添加量を表3に、摩擦係数を図5に示す。また、図6には実験した比較例と発明例1のロックウェル硬さHR Hを示す。なお、実験時にVブロックに作用させた荷重は4kgである。
図5より、適量のSを添加した場合には、摩擦係数が減少し、軸受性能が向上していることが分かる。また、図6より、ロックウェル硬さは、Sを添加した場合も、Sを添加していない場合と同等であることが分かる。
Figure 2007126006
(請求項1の効果を確認するための実験4)
CuにSn及びPを固溶させるのと、Cu−Pの化合物及びCu−Snの化合物によって強化した銅合金(りん青銅:CAC502B相当)と、この銅合金にSを添加した発明例1でファビリー試験片を製造し、実験2と同じ実験を行った。実験したCAC502B相当品と発明例1のSn,P含有量とS添加量を表4に、摩擦係数を図7に示す。また、図8には実験したCAC502B相当品と発明例1のロックウェル硬さHR Bを示す。なお、実験時にVブロックに作用させた荷重は30kgである。
図7より、添加するS量の増加に伴って、摩擦係数が減少し、軸受性能が向上していることが分かる。また、図8より、Sを添加した場合、ロックウェル硬さも、CAC502B相当品よりも大きくなっていることが分かる。
Figure 2007126006
(請求項1の効果を確認するための実験5)
CuにSn,Ni及びSiを固溶させるのと、Ni−Siの化合物及びCu−Snの化合物によって強化した銅合金(コルソン合金)にSを添加した発明例1でファビリー試験片を製造し、実験2と同じ実験を行った。実験した発明例1のSn,Ni,Si含有量とS添加量を表5に、摩擦係数を図9に示す。また、図10には実験した発明例1のロックウェル硬さHR Bを示す。なお、実験時にVブロックに作用させた荷重は30kgである。
図9より、添加するS量の増加に伴って、摩擦係数が減少し、焼付き性が向上していることが分かる。また、図10より、ロックウェル硬さは、Sを添加した場合も、Sを添加していない場合と同等であることが分かる。
Figure 2007126006
(請求項2の効果を確認するための実験6)
CuにPを固溶させるのと、Cu−P化合物を分散させることによって強化した銅合金にSを含有させた請求項1に対応する発明例1と、この銅合金にさらにPbを添加した請求項2に対応する発明例2及びPb添加量が発明例2を外れた比較例とでファビリー試験片を製造し、実験2と同じ実験を行った。
実験した発明例1,2及び比較例のP,S含有量とPb添加量を表6に、摩擦係数を図11に示す。また、図12には実験した発明例1,2及び比較例のロックウェル硬さHR Hを示す。なお、実験時にVブロックに作用させた荷重は6kgである。
図11より、Sに加えて適量のPbを添加した場合、Sのみを添加した場合よりも摩擦係数がさらに減少し、焼付き性がより向上していることが分かる。また、図12より、ロックウェル硬さは、Pbを添加した場合は、Pbを添加していない場合と同等か、さらに向上していることが分かる。
Figure 2007126006
(請求項2の効果を確認するための実験7)
CuにPを固溶させるのと、Cu−P化合物を分散させることによって強化した銅合金にSを含有させた請求項1に対応する発明例1と、この銅合金にさらにBiを添加した請求項2に対応する発明例2及びBi添加量が発明例2を外れた比較例とでファビリー試験片を製造し、実験2と同じ実験を行った。
実験した発明例1,2及び比較例のP,S含有量とBi添加量を表7に、摩擦係数を図13に示す。また、図14には実験した発明例1と発明例2のロックウェル硬さHR Hを示す。なお、実験時にVブロックに作用させた荷重は6kgである。
図13より、Sに加えて適量のBiを添加した場合、Sのみを添加した場合よりも摩擦係数がさらに減少し、焼付き性がより向上していることが分かる。また、図14より、ロックウェル硬さは、Biを添加した場合は、Pbを添加していない場合と略同等であることが分かる。
Figure 2007126006
(請求項1の効果を確認するための実験8)
実験は、図15に示すように、回転軸3を嵌入したブッシュ4の上下から油圧を作用させて荷重を加えた状態で、回転軸3を回転させてトルクを検出し、摩擦係数を計算することにより行った。その結果を図16及び図17に示す。
図16は前記ブッシュ4をりん青銅(CAC502C相当)で製造した従来例と、この従来例のりん青銅に0.6質量%のSを目標として含有させた発明例1を使用した摩耗試験結果を示した図である。また、図17は前記従来例と発明例1を使用した焼付き試験結果を示した図である。
なお、図16に示した摩耗試験は、5MPaの一定荷重をブッシュ4に作用させた状態で、0.7m/secの周速で2時間回転させることにより行った。また、図17に示した焼付き試験は、0.7m/secの周速で回転させつつ、ブッシュ4に作用させる荷重を、5MPaから10分ごとに5MPa増加することにより行った。
図16より明らかなように、発明例1のほうがJISで規定された比較例よりも摩擦係数が小さくなると共に、一時的に摩擦係数が増加することもなく、摺動性が向上していることが分かる。
また、図16に示した摩耗試験に供した従来例と発明例1の試験前と試験後の重量差から比重で除して摩耗体積(摩耗減量)を求めたところ、従来例は2.159mm3であったものが発明例1では1.047mm3と、摩耗減量は約1/2であった。
また、図17より明らかなように、比較例では15MPaの荷重をブッシュ4に作用させた約2分後に焼付きが発生したが、発明例1の場合は20MPaの荷重をブッシュ4に作用させた約2分後に焼付きが発生した。このことからも、発明例1では比較例より摺動性が向上していることが分かる。
なお、図16及び図17で示した結果を得た、円筒軸受試験に使用した回転軸3は、実験1で使用したシェアピンと同様のS45C調質材である。
以上の実験では、PbとBiを共に添加した銅合金についての実験は行っていない。しかしながら、PbとBiのみを添加した場合の実験を行って、本発明の優位性を確認している。したがって、PbとBiを共に添加した場合も、同様の優位性を備えることは容易に推察できる。

Claims (2)

  1. 固溶強化した銅合金、
    又は固溶と化合物生成による強化を行った銅合金に、
    0.05〜1.5質量%のSを含有させたことを特徴とする軸受性に優れた摺動材料用銅合金。
  2. さらに0.1質量%以上、11.0質量%以下のPb、0.1質量%以上、5.4質量%未満のBiのうち少なくともどちらか一方を含有させたことを特徴とする請求項1に記載の軸受性に優れた摺動材料用銅合金。
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