JP6359523B2 - アンチモン−変性低−鉛銅合金 - Google Patents

アンチモン−変性低−鉛銅合金 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により組み込まれる、2012年5月3日に出願された米国仮特許出願第61/642,260号からの優先権を主張する。
現在の配管工事材料は、典型的には、鉛含有銅合金から作られる。1つの標準的な真鍮合金配合物は、当該分野においては、C84400または(81%の銅、3%の錫、7%の鉛、および9%の亜鉛よりなる)「81,3,7,9」合金(以下、「81合金」)と言われる。[部分的には、飲料水適用のための銅合金における最大鉛含有量についての米国環境保護局(EPA)によって要求されているような]健康および環境問題による、および配管工事接続金具に含まれた鉛を低下させるためのコスト的な理由での要望が存在していたが、鉛の存在は、合金の所望の特性を達成するのに継続的に必要であった。例えば、真鍮合金中での鉛の存在は所望の機械的な特徴を提供し、および鋳物を機械加工し、および仕上げるのを助ける。鉛の単純な除去、またはあるレベル未満への低下は、鋳物の機械加工性ならびに構造的な一体性を実質的に劣化させ、実用的ではない。
真鍮合金からの鉛の除去または低減は、従前より試みられてきた。鉛の代わりに他の元素で置き換える当該分野におけるそのような従前の試みの結果、一次鋳造、一次機械加工、二次機械加工、研磨、メッキ、および機械的な組立てを含む製造プロセスにおける主な機械加工および仕上げの問題をもたらした。
いくつかの低または無鉛配合物は従前から記載されてきた。例えば、商品名SeBiLOY(登録商標)またはEnviroBrass(登録商標)、Federalloy(登録商標)、Biwalite(登録商標)、Eco Brass(登録商標)、ビスマス赤色真鍮(C89833)、およびビスマス青銅(C89836)下で販売されている製品、ならびに特許文献1および特許文献2参照。図1は、銅開発協会(CDA)へのその登録に基づいたいくつかの公知の合金の配合物を含む表である。低鉛または無鉛銅基鋳物についての現存の技術は、2つの主なカテゴリー:ケイ素基材料およびビスマス/セレン材料よりなる。
米国特許第7,056,396号明細書 米国特許第6,413,330号明細書
しかしながら、機械的特性または化学的特性の劣化、ならびに切削工具および仕上げの問題を引き起こす材料における鉛置換による製造プロセスに対する有意な破壊なくして、現在の銅/鉛合金と同様な特性を持つ低コスト合金を提供する低−鉛合金鋳造解決に対する要望が存在する。
本発明の1つの実施形態は、82%ないし約89%の銅、約0.01%ないし約0.65%の硫黄、0.1ないし約1.5%を超えるアンチモン、約2.0%ないし約4.0%の錫、約0.09%未満の鉛、約5.0%ないし約14.0%の亜鉛、および約0.5%ないし約2.0%のニッケルを含む組成物に関する。
本発明の1つの実施形態において、組成物は86%ないし約89%の銅、約0.01%ないし約0.56%の硫黄、0.1ないし約1.5%を超えるアンチモン、約7.5%ないし8.5%の錫、約0.09%未満の鉛、約1.0%ないし約5.0%の亜鉛、および約1.0%のニッケルを含む。
本発明の1つの実施形態において、組成物は58%ないし約62%の銅、約0.01%ないし約0.65%の硫黄、0.1ないし約1.5%を超えるアンチモン、約1.5%の錫、約0.09%未満の鉛、約31.0%ないし約41.0%の亜鉛、および約1.5%のニッケルを含む。
本発明の1つの実施形態において、組成物は58%ないし約62%の銅、約0.01%ないし約0.65%の硫黄、0.1ないし約1.5%を超えるアンチモン、約0.09%未満の鉛、および約31.0%ないし約41.0%の亜鉛を含む。
本発明のもう1つの実施形態は、硫黄を真鍮合金に加える方法に関する。ベースインゴットを約2,100度華氏の温度まで加熱して、溶融体を形成する。1つの実施形態において、Zn、Ni、およびSnを約2,124F°にて銅溶融体に加え、輝安鉱を約2,164F°で加え、およびリンを約2,164F°で加える。銅ホイルに包まれた輝安鉱を加え、温度を約2164Fに維持する。1つの実施形態において、リン脱酸素もこの温度で行われる。溶融体の加熱を止め、錫、亜鉛、ニッケルおよび炭素を含めた添加剤が約2124Fにおいて加えられる。少なくとも部分量のスラグが溶融体から掬い取られる。溶融体の温度は2100Fに維持される。スラグは溶融体から除去される。
本開示のさらなる特徴、利点、および実施形態は以下の詳細な明細書、図面、および特許請求の範囲を考慮して記載出来る。さらに、本開示の以下の要約および以下の詳細な記載の双方は例示的なものであって、特許請求される本開示の範囲をさらに限定することなくさらなる説明を提供することが意図されているのは理解されるべきである。
開示の以下のおよび他の目的、態様、特徴、および利点は、添付の図面と一緒に以下の記載を参照することによってより明確となり、より良好に理解されるであろう。
いくつかの公知の低−鉛の商業的銅合金についての配合をリストする表を供する。 本発明の選択された実施形態による合金の配合をリストする表を供する。 銅被覆黒鉛、MnS、および硫黄を含む半赤色真鍮の化学分析の表である。 銅被覆黒鉛、MnS、および硫黄を含む半赤色真鍮の化学分析の表である。 本発明のある実施形態による銅被覆黒鉛および輝安鉱を含む半赤色真鍮の化学分析の表である。 本発明のある実施形態による銅被覆黒鉛および輝安鉱を含む半赤色真鍮の化学分析の表である。 銅被覆黒鉛、MnS、および硫黄を含むある半赤色真鍮の組成および機械的特性を示す表である。 銅被覆黒鉛、MnS、および硫黄を含むある半赤色真鍮の組成および機械的特性を示す表である。 銅被覆黒鉛、MnS、および硫黄を含むある半赤色真鍮の組成および機械的特性を示す表である。 本発明のある実施形態による銅被覆黒鉛およびアンチモンを含む半赤色真鍮の組成および機械的特性を示す表である。 本発明のある実施形態による銅被覆黒鉛およびアンチモンを含む半赤色真鍮の組成および機械的特性を示す表である。 本発明のある実施形態による銅被覆黒鉛およびアンチモンを含む半赤色真鍮の組成および機械的特性を示す表である。 図7は、本発明のある実施形態によるアンチモンを含む黄色真鍮の化学分析の表である。 図8は、黄色真鍮のある実施形態の組成および機械的特性を示す表である。 図9は、本発明のある実施形態および選択された先行技術合金についての典型的かつ最小の機械的特性の分析である。 銅被覆黒鉛(1.5%)を含む半赤色真鍮の機械加工屑の形態を示す。 銅被覆黒鉛(「CCG」)(1.5%)および1.3%のMnSを含む半赤色真鍮の機械加工屑の形態を示す。 0.44%の硫黄を含む半赤色真鍮の機械加工屑の形態を示す。 1.3%MnSを含む半赤色真鍮の機械加工屑形態を示す。 1.64%の輝安鉱および1.5%の仮焼石油コークス(「CPC」)を含む半赤色真鍮の機械加工屑形態を示す。 1.64%の輝安鉱および1.5%のCPCを含む半赤色真鍮の機械加工屑形態を示す。 1.64%輝安鉱を含む半赤色真鍮の機械加工屑形態を示す。 1%の輝安鉱を含む半赤色真鍮の機械加工屑形態を示す。 0.8%の輝安鉱を含む半赤色真鍮の機械加工屑形態を示す。 1.2%の輝安鉱、1%の銅被覆黒鉛、および0.08%のホウ素を含む半赤色真鍮の機械加工屑形態を示す。 図11は、1.5%の銅被覆黒鉛および0.8%の輝安鉱を含む黄色真鍮の機械加工屑形態を示す。 図12は、商業的に入手可能なC36000鉛入赤色真鍮と比較した、C84030赤色真鍮およびC28330黄色真鍮の機械加工性を示す。 3つの機械的特性(UTS、YS、および%伸度)に対する輝安鉱の添加の量の関係を示すグラフである。 3つの機械的特性(UTS、YS、および%伸度)に対するアンチモン濃度の関係を示すグラフである。 3つの機械的特性(UTS、YS、および%伸度)に対する硫黄濃度の関係を示すグラフである。 図15Aないし17Jの金属組織の画像に示されたテスト試料についての化学の表である。 試料1109319の介在物寸法を示す顕微鏡写真。 低倍率における試料1109319のSEM後方散乱の画像。 より高い倍率における試料1109319のSEM後方散乱の画像。 試料1109319の元素マップ。 注釈付きロケーションを示す試料1109319のBE画像。 試料1109319−ロケーション1のEDSスペクトル。 試料1109319−ロケーション2のEDSスペクトル。 試料1109319−ロケーション3のEDSスペクトル。 試料1109319−ロケーション4のEDSスペクトル。 試料1109319の元素マップ。 試料84XX42−022812−H20P2−9Aの介在物寸法を示す顕微鏡写真。 低倍率における試料84XX42−022812−H20P2−9AのSEM後方散乱の画像。 より高い倍率における試料84XX42−022812−H20P2−9AのSEM後方散乱の画像。 試料84XX42−022812−H20P2−9Aの元素マップ。 注釈付きロケーションを示す試料84XX42−022812−H20P2−9AのBE画像。 試料84XX42−022812−H20P2−9A−ロケーション1のEDSスペクトル。 試料84XX42−022812−H20P2−9A−ロケーション2のEDSスペクトル。 試料84XX42−022812−H20P2−9A−ロケーション3のEDSスペクトル。 試料84XX42−022812−H20P2−9A−ロケーション4のEDSスペクトル。 試料84XX42−022812−H20P2−9Aの元素マップ。 試料84XX9−013112−H18P2−10Aの介在物寸法を示す顕微鏡写真。 低倍率における試料84XX9−013112−H18P2−10AのSEM後方散乱の画像。 より高い倍率における試料84XX9−013112−H18P2−10AのSEM後方散乱の画像。 試料84XX9−013112−H18P2−10Aの元素マップ。 注釈付きロケーションを示す試料84XX9−013112−H18P2−10AのBEの画像。 試料84XX9−013112−H18P2−10A−ロケーション1のEDSスペクトル。 試料84XX9−013112−H18P2−10A−ロケーション2のEDSスペクトル。 試料84XX9−013112−H18P2−10A−ロケーション3のEDSスペクトル。 試料84XX9−013112−H18P2−10A−ロケーション4のEDSスペクトル。 試料84XX9−013112−H18P2−10A元素マップ。 低倍率におけるPerm鋳型試料のBE画像。 高倍率におけるPerm鋳型試料のBE画像。 Perm鋳型試料−ロケーション1のEDSスペクトル。 Perm鋳型試料−ロケーション2のEDSスペクトル。 Perm鋳型試料−ロケーション3のEDSスペクトル。 Perm鋳型試料−ロケーション4のEDSスペクトル。 Perm鋳型試料−ロケーション5のEDSスペクトル。 Perm鋳型試料−ロケーション6のEDSスペクトル。 Perm鋳型型試料の元素マップ。 低倍率における焼鈍試料のBE画像。 高倍率における焼鈍試料のBE画像。 焼鈍試料−ロケーション1のEDSスペクトル。 焼鈍試料−ロケーション2のEDSスペクトル。 焼鈍試料−ロケーション3のEDSスペクトル。 焼鈍試料−ロケーション4のEDSスペクトル。 焼鈍試料−ロケーション5のEDSスペクトル。 焼鈍試料−ロケーション6のEDSスペクトル。 焼鈍試料−ロケーション7のEDSスペクトル。 焼鈍試料の元素マップ。 低倍率における冷間圧延試料のBE画像。 高倍率における冷間圧延試料のBE画像。 冷間圧延の試料−ロケーション1のEDSスペクトル。 冷間圧延の試料−ロケーション2のEDSスペクトル。 冷間圧延の試料−ロケーション3のEDSスペクトル。 冷間圧延の試料−ロケーション4のEDSスペクトル。 冷間圧延の試料−ロケーション5のEDSスペクトル。 冷間圧延試料の元素マップ。 半赤色真鍮および合金C84030についての相図を示す。アンチモンを含まない赤色真鍮についての相図である。 半赤色真鍮および合金C84030についての相図を示す。0.8重量%のアンチモンを含む半赤色真鍮についての相図である。 半赤色真鍮および合金C84030についての相図を示す。1.3重量%のアンチモンを含む半赤色真鍮についての相図である。 0.8Sbを含む半赤色真鍮の相集合図である。 0.8Sbを含む半赤色真鍮の相集合図の拡大された部分である。 1.3Sbを含む半赤色真鍮の相集合図の拡大された部分である。 0.8Sbを含む半赤色真鍮の相集合図の拡大された部分−シェイル冷却である。 1.3Sbを含む半赤色真鍮の相集合図の拡大された部分−シェイル冷却である。 図23は、黄色真鍮合金61/38/0.3/0 Cu/Zn/Sn/Sb重量%のロケーションを示す相図である。 0重量%のSbを含む黄色真鍮の平衡相集合図である。 0.6重量%のSbを含む黄色真鍮の平衡相集合図である。 1重量%のSbを含む黄色真鍮の平衡相集合図である。 0重量%のSbを含む黄色真鍮のシェイル相集合図である。 0.6重量%のSbを含む黄色真鍮のシェイル相集合図である。 1重量%のSbを含む黄色真鍮のシェイル相集合図である。 図25は、自由エネルギー図である。 脱亜鉛腐食(線間)が、「MBAF 180」試料の縁を通って調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面から0.0012”(31.2ミクロン)の最大深さまで延びることを示す。未エッチング。(494×)。 脱亜鉛腐食(線間)が、「MBAF180」試料のコアを通じて調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面から0.0113”(287.0ミクロン)の最大深さまで延びることを示す。未エッチング。(201×) 脱亜鉛腐食(線間)が、「C36000 Ht# 1−Yeager」試料の薄壁断面を通じて調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面から0.04830”(1,228.1ミクロン)の最大深さまで延びることを示す。未エッチング。(50×)。 脱亜鉛腐食(赤色線間)が、「C36000 Ht# 1−Yeager」試料の厚壁断面を通じて調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面から0.05133”(1,303.8ミクロン)の最大深さまで延びることを示す。(50×)。 「28330−Lab# 358050 P4 H2a」試料の縁を通じて調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面には脱亜鉛腐食は存在しないことを示す。未エッチング。(494×)。 脱亜鉛腐食(線間)が、「28330−Lab# 358050 P4 H2a」試料のコアを通じて調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面から0.0033”(82.8ミクロン)の最大深さまで延びることを示す。未エッチング。(494×)。 「84030−62412−H3P2−9」試料の縁を通って調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面には脱亜鉛腐食は存在しないことを示す。未エッチング。(494×)。 「84030−62412−H3P2−9」試料の縁を通って調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面には脱亜鉛腐食は存在しないことを示す。未エッチング。(494×)。 図30は、実験計画法(DOE)に基づいて試験された種々の合金の化学的組成を示す。 図31は、DOEに対するベースとして用いられた、C84030赤色真鍮および2つの商業的真鍮の間の合金特性の関係を示す。 図32は、実験計画法(DOE)に基づく、種々の試験された合金の組成および機械的特性を示す。
以下の詳細な記載においては、その一部を形成する添付の図面を参照する。図面においては、文脈がそうでないことを示すのでなければ、同様な符号は、典型的には、同様な成分を規定する。詳細な記載、図面、および特許請求の範囲に記載された説明的な実施形態は制限される意図ではない。本明細書中に示された主題の精神または範囲を逸脱することなく、他の実施形態を利用してよく、他の変形をなしてよい。本明細書中に一般的に記載された本開示の態様は、その全てが明示的に考えられ、本開示の部分を形成する、広く種々の異なる構成において配置し、置換し、組合せ、および設計することが出来る。
真鍮合金は、典型的には、チップブレーカーとして、および一般的には、配管工事を含めた広い範囲の状況で用いられる真鍮合金で望ましい品質を改良するために鉛を利用する。鉛の代替物としての硫化物の使用は、参照により組み込まれる、米国特許出願第13/317,785号に従前に教示されている。
「標準的な」真鍮合金における鉛の代わりに元素硫黄を加える結果、硫黄が最終合金に一体化されるようにはならず、むしろドロスの喪失をもたらすことが観察されている。以下にさらに記載されるように、本発明の真鍮合金は、改良された特性のためにアンチモンを利用する。本発明の1つの実施形態において、硫黄含有鉱物である輝安鉱は、硫黄の源として、およびアンチモンを合金に供するために利用される。
輝安鉱は、Sbの形態である天然に生じる硫化物鉱物である。輝安鉱は、典型的には、26.7%の硫黄、69.2%のアンチモンおよび0.4%の水分を含有する。見掛けの密度は1.19g/ccである。粒子サイズは325メッシュまたは44ミクロンである。以下に示される実施例で利用される1つの実施形態は、27%のSおよび69%のSbを含有する。
図2は、各々がアンチモンを含む、4つの合金の実施形態についての公称範囲を示す。C84030は硫黄およびアンチモンを有する赤色真鍮である。C90430は硫黄およびアンチモンを有する錫青銅である。C85930は、硫黄およびアンチモンを有する、永久鋳型鋳造適用のための黄色真鍮である。C28330は、硫黄およびアンチモンを有する鍛造適用のための黄色真鍮である。参照を容易とするために、各実施形態は全体を通じてこれらの数字によって参照されるであろう。そのような配合物で用いられる具体的な材料は、ある実施形態においては特定されていてよい。
合金の成分
本発明の合金は、銅、亜鉛、錫、硫黄、ニッケル、リン、およびアンチモンを含む。ある実施形態においては、マンガン、ジルコニウム、ホウ素、チタンおよび/または炭素のうちの1以上が含まれる。
合金は、主成分として銅を含む。銅は、抗菌特性および耐腐食性を含めた合金に対する基本的な特性を提供する。純粋な銅は、比較的低い降伏強度および引張強度を有し、青銅および真鍮の通常の合金クラスに対して非常に硬くはない。従って、合金化を通じての多くの適用での使用のために銅の特性を改良するのが望ましい。銅は、典型的には、ベースインゴットとして加えられるであろう。ベースインゴットの組成物の純度は、源鉱山および採鉱後加工に依存して変化するであろう。銅は、組成が広く変化し得るリサイクルされた材料からのものであってもよい。従って、インゴット化学は変化し得るものであり、そこで、1つの実施形態においては、ベースインゴットの化学が考慮されることが認識されるべきである。例えば、どれくらい多くのさらなる亜鉛を合金についての所望の最終組成に到達するために加えるかを決定する場合、ベースインゴット中の亜鉛の量が考慮される。ベースインゴットは、ベースインゴット中の二次的な元素および最終合金でのそれらの意図された存在を考慮しつつ、合金につき必要な銅を供するように選択されるべきである。というのは、鉄のような少量の種々の不純物は普通であって、所望の特性に対して重要な効果を有しないからである。
鉛は、典型的には、特に、機械加工が重要な因子である配管工事のような適用では、銅合金において成分として含まれてきた。鉛は、銅合金に共通する多くの他の元素に対して低い融点を有する。それ自体、銅合金中の鉛は、溶融体が冷却されるにつれて、樹状晶間または粒界領域まで移動する傾向がある。樹状晶間または粒界領域における鉛の存在は、機械加工性および耐圧性を大いに改良することが出来る。しかしながら、最近の数十年間においては、鉛の深刻な有害な強い影響力は、望ましい銅合金の多くの適用において鉛を利用してきた。特に、機械加工性を改良するのに一般に認められている特徴である、樹状晶間または粒界領域における鉛の存在は、部分的には、鉛が銅合金から浸出し得る望ましくない容易性の原因である。
硫黄は、鉛入銅合金を用いるある不利を克服するために本発明の合金に加えられる。溶融体に存在する硫黄は、典型的には、やはり溶融体に存在する遷移金属と反応して、遷移金属硫化物を形成する。例えば、硫化銅および硫化亜鉛が形成出来、あるいはマンガンが存在する実施形態では、それは硫化マンガンを形成することが出来る。図25は、本発明の実施形態において形成出来るいくつかの遷移金属硫化物についての自由エネルギー図を示す。硫化銅についての融点は1130摂氏であり、硫化亜鉛では1185摂氏であり、硫化マンガンでは1610摂氏であり、および硫化錫では832摂氏である。かくして、本発明の範囲を限定することなく、形成の自由エネルギーに徴し、かなりの量の硫化物の形成は、マンガンを有しない実施形態では硫化亜鉛であろう、と考えられる。銅が固化を開始し、かくして、溶融体中に樹状晶を形成した後に固化する硫化物は、樹状結間領域または粒界において凝集すると考えられる。
鉛は、鉛に関連する健康の関心なくして銅合金に強い影響力を与えるので、硫黄は同様な特性を供する。硫黄は、樹状晶間または粒界領域において凝集する傾向があると考えられる硫化物を形成する。硫化物の存在は、金属構造中の破壊、および粒界領域中での欠けの形成のための点を提供し、機械加工の潤滑性を改良し、改良された全体的機械加工性を可能とする。本発明の合金中にかなり存在する硫化物は、改良された潤滑性を提供する。硫化物の良好な分布は耐圧性ならびに機械加工性を改良する。
いくつかの実施形態における錫の存在は強度および硬度を増加させるが、固溶強化によって、およびCuSnのようなCu−Sn金属間相を形成することによって、延性を低下させる。それは、固化範囲も増大させる。鋳造流動性は錫含有量と共に増大する。錫は耐腐食性も増大させる。しかしながら、現在、Snは他の成分に対して非常に高価である。
亜鉛に関しては、Znの存在は、程度は低いが、Snのそれと同様であり、ある実施形態においては、ほぼ2%のZnは、前記した特徴に対する前記した改良に関して1%のSnと概略同等である。Znは固溶体硬化によって強度および硬度を増大させる。しかしながら、Cu−Zn合金は短い凍結範囲を有する。ZnはSnよりもかなり安価である。
ある実施形態に関して、鉄は、融解および注入操作の間に撹拌棒、編杓子等から拾われた不純物と、またはベースインゴット中の不純物と考えることが出来る。不純物のそのようなカテゴリーは、合金特性に対して材料効果を有しない。
いくつかの実施形態において、ニッケルが含まれて、強度および硬度を増大させる。さらに、ニッケルは、合金中での硫化物粒子の分布を助ける。1つの実施形態において、ニッケルの添加は、鋳造の冷却プロセスの間に硫化物が沈殿するのを助ける。硫化物の沈殿は望ましい。というのは、懸濁された硫化物は、鋳造後機械加工の操作の間に欠け破壊および機械加工潤滑性のための鉛の代替物として作用するからである。より低い鉛含有量では、硫化物沈殿は低下した機械加工性の効果を最小化するであろうと考えられる。
リンは脱酸を供するのに加えることが出来る。リンの添加は、液状合金中のガスの含有量を低下させる。ガスの除去は、一般には、溶融体中のガス含有量を低下させ、仕上げられた合金での多孔度を低下させることによって、より高い品質の鋳物を提供する。しかしながら、過剰のリンは、金属−鋳型反応に寄与出来、低い機械的特性および多孔性鋳物を生起させる。
半赤色真鍮および錫真鍮のようないくつかの実施形態において、アルミニウムは不純物として処理される。そのような実施形態において、アルミニウムは、耐圧性および機械的特性に対して有害な効果を有する。しかしながら、黄色真鍮鋳物中のアルミニウムは、鋳造流動性を選択的に改良することが出来る。アルミニウムは、液状金属の容易な流動を可能とするそのような実施形態において微細な羽状樹状晶構造を助長すると考えられている。
ケイ素もまた不純物と考えられる。多数の合金に関する鋳造業において、ケイ素基材料は、ケイ素を含有しない合金においてケイ素汚染に導きかねない。少量の残存ケイ素は半赤色真鍮合金を汚染しかねず、多数の合金の製造を不可能に近づける。加えて、ケイ素の存在は、半赤色真鍮合金の機械的特性を低下させかねない。
ある実施形態においては、マンガンが加えられてよい。マンガンは、硫化物の分布を助けると考えられている。特に、マンガンの存在は、溶融体中での硫化亜鉛の形成および滞留を助けると考えられている。1つの実施形態において、少量のマンガンが加えられて、耐圧性を改良する。1つの実施形態において、マンガンはMnSとして加えられる。
ジルコニウムまたはホウ素が個々に(必ずしも組み合わせられない)加えられて、研磨の間に鋳物の表面仕上げを改良する微細粒構造を生じさせることが出来る。
ある実施形態において、炭素が加えられて、耐圧性を改良し、多孔度を低下させ、および機械加工性を改良することが出来る。1つの実施形態において、炭素は、銅被覆黒鉛(「CCG」)として合金に加えられてよい。銅被覆黒鉛製品の1つのタイプはSuperior Graphiteから入手可能であって、名称DesulcoMC(商標)下で販売されている。銅被覆黒鉛の1つの実施形態は、99.5%最小炭素、0.5%最大灰分、および0.5%最大水分を含有する黒鉛を利用する。粒子のUSメッシュサイズは200または125ミクロンである。この黒鉛は60重量%Cuで被覆され、非常に低いSを有する。
もう1つの実施形態において、炭素は、熱的に精製されたコークスとしても知られた仮焼石油コークス(「CPC」)として合金に加えられてよい。CPCはサイズ分級されてよい。1つの態様において、1%の硫黄が加えられ、CPCは60重量%のCuで被覆される。銅被覆黒鉛と比較してその比較的高いかつ粗いSの含有量のため、CPCは合金にわずかにより高いS、よって、良好な機械加工性を付与する。
炭素の大部分は最終の合金に存在しないと考えられる。むしろ、ドロスとして表面まで浮かび、またはガスとして溶融体から放出される二酸化炭素(約2100F)を形成するように反応する炭素粒子が形成されると考えられる。合金の最終炭素含有量は約0.005%であり、2.2g/ccの低い密度が伴うことが観察されている。炭素粒子は2100Fにおいて(炭素沸騰のように)浮かび上がり、かつCOを形成し、溶融体を精製する。かくして、炭素を利用する合金は、S、MnS、輝安鉱等のような他の添加と比較してより均質かつ純粋と出来る。さらに、炭素の原子半径は0.19×10−10Mであり、これは銅のそれ(1.57×−10M)よりも小さい。本発明の範囲を限定することなく、その低い原子容量のため、炭素は銅の面心立方晶系結晶格子に残存し、かくして、強度および延性に寄与すると考えられる。
チタンは、黒鉛形態におけるように、炭素と組み合わせて添加されてよい。本発明の範囲を限定することなく、チタンは、特に、生の黒鉛に対して、炭素粒子を銅マトリックスと結合させるのを助けると考えられる。炭素で被覆された銅を利用する実施形態では、チタンは炭素を分布させるのに有用でないであろう。
アンチモンを有する真鍮合金は、耐脱亜鉛性を呈することが示されている。加えて、アンチモンは、粒界に分離させることによって欠け破壊を助けることが出来る。これは、改良された機械加工性を提供する。SbはCu(CuSb)およびZn(ZnSb)と共に化合物を形成する。合金材料における後方散乱電子画像(18B−Fおよび20B−F)に関してさらに以下で議論するように、もし輝安鉱として加えられれば、SbはSから分離し、SnおよびCuと相互作用する。アンチモンは、やはり硫黄を提供し、および元素硫黄の使用で生じるある問題を回避する利点を有する輝安鉱の形態で提供されてよい。
合金配合物
図2は、半赤色真鍮、錫青銅、黄色真鍮(永久鋳型鋳造)および黄色真鍮(砂型鋳造)に対応する4つの実施形態を掲げる表を示す。図3は、種々の合金熱含有量を、注釈中に示された成分と比較する表である。表3は、例えば、種々の成分を有する合金の硫黄含有量の比較を供する。図4は、アンチモンおよび銅被覆黒鉛を有する半赤色真鍮の実施形態の化学的組成を供する。図7は、アンチモンを有する黄色真鍮の実施形態の化学的組成を供する。
輝安鉱の使用は、かなり高価なMnSのような、いくつかの他の成分としての同様な量にて仕上げられた合金に対して硫黄を供すると観察することが出来る。前記されたように、合金形成における硫黄の使用は、合金溶融体に一体化されるよりはむしろ、環境にしばしば激しく放出された硫黄ダストおよび二酸化イオンの量による環境問題を含めたいくつかの問題を供する。加えられた硫黄の量に関する良好な「収率」を提供し、および仕上げられた合金中に保有された硫黄の源の使用は、有益であると観察されてきた。さらに種々の硫黄源を利用することが出来るが、いずれの非硫黄成分も仕上げられた合金の特性に対してネガティブな強い影響力を有することで出来る。さらに、コストおよび入手可能性は、合金での硫黄源としての使用のために硫化物を選択することについての考慮事項である。0.4ないし1.6%の範囲の輝安鉱は、所望の量の硫黄を提供し、合金に残存するアンチモンは仕上げられた合金の特性に対して許容出来ない強い影響力を有しないことが観察されている。合金の機械的特性に対するアンチモンの強い影響力の議論は、さらに後に議論される。
本発明の1つの実施形態は、82%ないし約89%の銅、約0.01%ないし約0.65%の硫黄、0を超え、1.5%までのアンチモン、約2.0%ないし約4.0%の錫、約0.09%未満の鉛、約5.0%ないし約14.0%の亜鉛、および約0.5%ないし約2.0%のニッケルを含む組成物に関する。1つの実施形態において、0.65%未満の硫黄を利用して、合金から作成された仕上げ製品の機械的特性にネガティブに強い影響を与える、二酸化イオンのようなガスの形成を最小化させる。
本発明の1つの実施形態において、組成物は86%ないし約89%の銅、約0.1%ないし約0.65%の硫黄、0を超え、約1.5%までのアンチモン、約7.5%ないし約8.5%の錫、約0.09%未満の鉛、約1.0%ないし約5.0%の亜鉛、および約1.0%のニッケルを含む。
本発明の1つの実施形態において、組成物は、58%ないし約62%の銅、約0.01%ないし約0.65%の硫黄、0を超え、約1.5%までのアンチモン、約1.5%の錫、約0.09%未満の鉛、約31.0%ないし約41.0%の亜鉛、および約1.5%のニッケルを含む。
本発明の1つの実施形態において、組成物は、58%ないし約62%の銅、約0.01%ないし約0.65%の硫黄、0を超え、約1.5%までのアンチモン、約0.09%未満の鉛、および約31.0%ないし約41.0%の亜鉛を含む。
図3は、銅被覆黒鉛、MnSおよび硫黄を含む種々の半赤色真鍮の例を示す化学分析の表である。図4は、本発明のある実施形態による、銅被覆黒鉛およびアンチモンを含む種々の半赤色真鍮の例を示す化学分析の表である。図7は、本発明のある実施形態による、アンチモンを含む黄色真鍮の実施形態を示す化学分析の表である。
1つの実施形態において、真鍮合金は輝安鉱を含む。輝安鉱は、0を超えるが、1.2%未満の範囲で加えることが出来る。1つの実施形態において、好ましい範囲は約0.4ないし約1.2%である。1つの実施形態において、輝安鉱は1.64%である。代替実施形態において、輝安鉱は0.6%である。代替実施形態において、輝安鉱は0.4%である。好ましい実施形態は約1%の輝安鉱を利用する。元素Sの添加は、硫黄ダストおよびS0の大気への放出による環境問題に寄与する。輝安鉱の使用は、合金溶融体中の元素硫黄での作業に関連する欠点なくして、アンチモンの源および硫黄の源を供する。最終合金における、Sb、Sおよび輝安鉱についての好ましい範囲は、各々、0.3ないし0.8%、0.1ないし0.35%および0.4ないし1%である。(これは、図13Bおよび図13Cから明らかである)。
ある実施形態において、真鍮合金は、炭素と組み合わせて輝安鉱を含んでよい。1つの実施形態において、合金は1.0%のCCGまたはCPCおよび1%の輝安鉱を含む。さらなる実施形態において、追加の0.2%の硫黄を、良好な機械加工性のために供せられる。1つの実施形態において、1%の炭素および1%の輝安鉱が利用される。1つの実施形態において、輝安鉱は0.6%であって、炭素は1である。代替実施形態において、輝安鉱は1.64%であって、炭素は1.5%である。1つの実施形態において、炭素は銅被覆黒鉛である。代替実施形態において、炭素はCPCである。
当然のことながら、溶融体で利用される輝安鉱の合計量を変化させて、最終合金における硫黄の量およびアンチモンの量を変化させることが出来る。例えば、27%のS/69%のSb:0.4%の輝安鉱の利用は0.071%のSおよび0.27%のSbを与え;0.6%の輝安鉱は0.12%のSおよび0.4%のSbを与え;0.8%の輝安鉱は0.2%のSおよび0.64%のSbを与え;1%の輝安鉱は0.25%のSおよび0.77%のSbを与え;1.2%の輝安鉱は0.278%のSおよび0.859%のSbを与え、および1.64%の輝安鉱は0.4%のSおよび1.35%のSbを与える。
1つの実施形態において、約0.8ないし約1.0の輝安鉱と一緒になって約0.5ないし約1.0のCCG(またはCPC)は、望ましい機械的特性および機械加工性を供する。輝安鉱の使用は、フレアーリングおよび過剰のドロスを含めた、合金溶融体において純粋な硫黄を用いることに関する問題の多くを回避しつつ、硫黄の利点を供する。SEM(図15J、図16J、図17J、図18I、図19J、および図20H)に示されるように、輝安鉱はSbおよびSまで分解する。SbはCuおよびSnと反応して、金属間化合物を形成し;他方、SはCuおよびZnと反応して、それらの硫化物を形成する。
硫黄およびアンチモンを供するための輝安鉱の添加は、元素硫黄の使用よりも優れたいくつかの利点を提供する。硫黄の使用の結果、環境インパクトを含めた望まない結果がもたらされる。例えば、溶融体への硫黄の添加はフレアーリングを引き起こすことがあり、これは、硫黄の損失、ならびに添加の間における危険な状態をもたらす。さらに、硫黄の多くが失われてドロスとなるので、硫黄の使用は、溶融体および最終合金に入る加えられた硫黄のパーセンテージに関して、より低い収率を直接的にもたらす。ドロスの増加は、合金化についての他の問題を引き起こし得る。
1つの実施形態において、溶融体への添加に先立って、輝安鉱は銅ホイルに包まれる。包まれた輝安鉱は、インゴットを融解させ、かつ温度を約2000Fとした後に、加えることが出来る。
1つの実施形態において、約0.5ないし約1.0のCCG(またはCPC)が約0.8ないし約1.0の輝安鉱と共に利用されて、機械的な特性および機械加工性の最良な組合せを供する。さらなる実施形態において、追加の硫黄が加えられて、合金中の硫黄の量をさらに増加させてよい。
合金の特徴
1つの実施形態において、多数の離散硫黄/硫化物粒子が、鋳造を通じて一般的には均一に全体に分布するように、本発明の合金は固化する。これらの非金属硫黄粒子は、潤滑性を改良し、およびこの新しい合金に鋳造された部品の機械加工の間に生じた削屑を破壊するように働き、それにより、鉛の量の有意なまたは完全な低下を伴って機械加工性を改良する。本発明の範囲を限定することなく、硫化物は潤滑性を改良すると考えられる。アンチモンの存在は、以下に記載されるように、C84030赤色真鍮の特性をさらに改良する。輝安鉱を利用する実施形態は、合金溶融体プロセスとより容易に適合する形態にて硫黄を供給しつつ、アンチモンおよび硫黄の源を提供する。
記載された合金の好ましい実施形態は、現在の鉛入合金の機械加工性の利点を保有する。さらに、関連するある材料の相対的な希少性のため、インゴット合金の好ましい実施形態は、鉛入真鍮合金の置き換えのために現在提唱されているビスマスおよび/またはセレン合金化真鍮のそれよりもかなり安価であろうと考えられる。本明細書中に記載されたある実施形態においては、硫黄は溶融体に可溶性である硫化物として存在するが、部品における合金の固化、および引き続いての冷却の間に硫化物として沈殿する。この沈殿した硫黄は、合金中の、およびビスマスおよびセレン合金中の鉛の機能と同様な削屑破壊体として働くことによって、改良された機械加工性を可能とする。ビスマスおよび/またはセレン合金の場合には、いくらかの金属ビスマスとのビスマス化物またはセレン化物の形成は、この新しい硫黄を含有する合金として同様な目的を達成する。機械加工性の改良は、増大した工具寿命、改良された機械加工表面、低下した工具力等として際立たせる。この新しいアイデアは、産業界に低鉛真鍮/青銅を供給し、これは、今日の環境において、配管工事継手に含有することが出来る鉛の量の、法律による、いずれかの数の規制当局の制限を配慮している。
溶融体プロセス
1つの実施形態において、加熱に先立って、黒鉛は坩堝の底に置かれる。1つの実施形態において、炭化ケイ素または粘土黒鉛坩堝が溶融体で用いることが出来る。黒鉛の使用は、最終合金に実質的に一体化されるようになることなく、加熱の間に亜鉛の損失を低下させると考えられる。1つの実施形態において、90ないし95 lbの容量の坩堝のために、ほぼ2カップの黒鉛が用いられる。本明細書中で用いられる例では、90ないし95 lbの合金の容量を有するB−30坩堝が溶融体で用いられた。CPCまたはCCGを用いる実施形態では、炭素は銅ホイルに包まれ、150Cのオーブン中で予熱されて、水分を除去し、溶融体に投入され、続いて撹拌される。
所望の目的の合金の形成に基づき、要求されるベースインゴットが坩堝に入れられ、炉が開始される。ベースインゴットが約1,149度摂氏の温度とされて、溶融体を形成する。1つの実施形態において、慣用的なガス−燃焼炉が用いられ、もう1つの実施形態において、誘導炉が用いられる。次いで、炉のスイッチが切られ、すなわち、溶融体はもはや加熱されない。次いで、1つの実施形態においては、硫黄およびリンを除いた添加物が15ないし20秒の間溶融体に投入されて、Zn、NiおよびSnの所望のレベルを達成する。添加物は、所与のベースインゴットについての最終の所望の合金組成を達成するのに必要な材料を含む。1つの実施形態において、添加物は、最終合金に存在させるべき元素の元素形態を含む。次いで、部分量のスラグが溶融体の頂部から掬い出される。
次いで、炉は約1,171摂氏の温度とされる。次いで、炉は閉鎖され、硫黄添加物が、輝安鉱の形態などで投入される。リンが加えられたある実施形態では、溶融体の脱気/脱酸のためなどに、次いで、炉が約1,177度摂氏の温度まで再度加熱され、リンがCu−Pマスター合金として溶融体に投入される。次に、好ましくは、スラグの全てが坩堝の頂部から掬い出される。圧力試験、および機械加工性およびメッキの評価のためのテイル鋳物、化学分析のためのボタン状物、楔状物およびミニインゴット、および張力試験のためのウェブバーが、各々、約1,149、約1,116、および約1,093度摂氏において注入される。
機械的特性
本合金の種々の実施形態の機械的特性、ならびに(輝安鉱その他のような)アンチモンを加えない赤色真鍮についての機械的特性をテストした。前記した製法および得られる合金に従って調製された試料の熱を、極限引張強さ(「UTS」)、降伏強度(「YS」)、パーセント伸度(「E%」)、ブリネル硬度(「BHN」)、および弾性率(「MoE」)についてテストした。
図5は、銅被覆黒鉛、MnS、および硫黄のうちの1以上についての組成および機械的特性を示す。(機械加工性に関するセクションにおける以下の)表1は、機械加工性、機械的特性、コスト等を含めた、銅被覆黒鉛、MnS、および硫黄を含む半赤色真鍮の合金のある実施形態の選択された特性の分析を供する。図6は、輝安鉱を加えた、およびMnSおよび銅被覆黒鉛の種々の他の組合せを含む半赤色真鍮を示す、半赤色真鍮C84030の組成および機械的特性を示す。図5ないし6で理解出来るように、少量の輝安鉱を含む半赤色真鍮(SRB)の機械的特性は、一般に、40.5 ksi UTS、18.3 ksi Ysおよび41.0%伸度前後である。輝安鉱のアンチモンの全ての変動を持つ、鍛練または永久鋳型鋳造いずれかについての、黄色真鍮合金への輝安鉱の添加は、一般に、49.83 ksi UTS、29.0 ksi Ysおよび7%伸度前後である。C84030の1%輝安鉱合金は、42.9 ksi UTS、20.3 ksi YS、および32%伸度を供した。
MnSを0.4および0.6%の輝安鉱と共に加えると、SRBの硫黄含有量が増加することが観察された。1.64%の輝安鉱を利用すると、硫黄レベルは0.4%となるが、Sbレベルもまた1.35%まで増加する。
アンチモンは、低レベルにおいて真鍮合金のある望ましい特性を改良するか、またはそれに対して有害でないと観察される。1.5%を超えると、アンチモンの存在は、機械的特性にネガティブに強い影響力を与え始める。しかしながら、改良された特徴を供するためには十分なアンチモンが必要である。かくして、C84030の1つの実施形態は0.1%ないし1.5%アンチモンを含む。
真鍮合金での炭素の使用は、有益な結果を供する。CCGまたはCPCを含むSRBは、43.5ksi前後のUTS、18.1 ksiのYSを有するが、範囲59%(49ないし61%)に伸度を有する。しかしながら、MnSをCCGに加えると、UTSを(42.9 ksi)までわずかに減少させ、YSはほとんど変化せず(17.95 ksi)、伸度は33ないし51%(平均47%)まで減少する。CCGまたはCPCと組み合わせた高レベル(1.64%)の輝安鉱は、USTを38.5 ksiまで減少させ、YSは19.8 ksi前後であり、伸度は17ないし22%(平均20%)まで降下する。
真鍮合金でのMnSの使用は42.3 ksi UTS、18.08 ksi YSおよび45%の伸度を与える。MnSのCCGおよびCPCへの添加はUTS、YSおよび%伸度の良好な組合せを与える。しかしながら、硫黄のレベルは、望ましい機械加工性を生じさせるのに十分高くはない。その上、MnSの添加はインゴットのコストをかなり増大させる。SのSRBへの添加は、39.7 ksi UTS、18.67 YSおよび29%の伸度を与える。
図8は、C28330、黄色真鍮のある実施形態の組成および機械的特性を示す表である。黄色真鍮C28330のある実施形態の特性が、公知の鉛入黄色真鍮合金C26000およびC35600と比較されている。ZrおよびBを加えて、P4H2Aを加熱して、微粒化がなんらかの有益な効果を生じさせるかを見た。いくらかの利点を有するように見える。結晶粒−微細化されたもののUTSおよび硬度は冷間圧延状態において比較的より高い。冷圧延され、かつ1290Fで焼鈍されたものの%伸度およびUTSもまた比較的より高い。焼鈍された試料の粒度は熱P4H1のそれよりも細かいと考えられる。図8は、焼鈍および冷間加工に関する情報も含む。
総じて、黄色真鍮C28330のテストされた実施形態は、前記した2つの鉛入合金C26000およびC35600に対して匹敵する結果を有した。4分1硬質、半硬質、硬質、および過剰硬質は、10%、30%、45%冷間圧延等のような冷間圧延の異なる段階に対応する。硬度は、合金の加工硬化挙動に依存する。C28330の実施形態は、0.150から0.040インチまで冷間圧延された。これは、73%冷間圧延に対応する。これは、過剰硬質状態と同等である。
図9は、いくつかの商業的に入手可能な合金化合物についての、およびC84030赤色真鍮およびC85930黄色真鍮のテストされた実施形態についての特性をまとめる。
機械加工性
機械加工性は、半赤色真鍮C84030および黄色真鍮C28330のある実施形態についてテストされた。本出願に記載された機械加工性テストは、以下の方法を用いて行った。部品は、冷却剤供給、2軸、CNCターニングセンターによって機械加工された。切削工具はカーバイドインサートであった。機械加工性は、前記したCNCターニングセンターでのターニングの間に用いられたエネルギーの比率に基づく。計算式は以下のように書くことが出来る。
=(E/E)×100
=切削力
=「公知の」合金C36000(CDA)のターニングの間に用いられたエネルギー
=新しい合金のターニングの間に用いられたエネルギー
供給速度=.005 IPR
スピンドルのスピード=1,500 RPM
切断の深さ=切断の半径方向深さ=0.038インチ
電気計測器を用いて、切断工具が負荷をかけられた間に、電気的引力を測定した。この引力はミリアンペア測定を介して記録された。以下の表1は、いくつかのテストされた試料についての化学組成および機械加工性格付けをリストする。以下の表2は、本発明によるC84030赤色真鍮のいくつかのテストされた試料についての化学的組成および機械加工性格付けをリストする。以下の表3は、本発明によるC28330黄色真鍮のいくつかのテストされた試料についての化学的組成および機械加工性格付けをリストする。
図10AないしJは、C84030赤色真鍮の機械加工性を示し、および図11は、商業的に入手可能なC36000鉛入赤色真鍮と比較したC28330黄色真鍮を示す。
C84030赤色真鍮の実施形態の機械加工性テストは、CCGの添加が機械加工性を改良しないことを示す。CCGおよびMnSが一緒に加えられると、機械加工性のいくらかの改良がある。硫黄の添加は機械加工性を改良し;しかしながら、硫黄の添加は、環境に優しくない融解領域で多量のフュームを生じさせる。MnSの添加は機械加工性を改良し;しかしながら、MnSは非常に高価であって、インゴットのコストをかなり増加させる。輝安鉱としてのアンチモンの添加は機械加工性を改良する。しかしながら、C84030赤色真鍮の実施形態の機械加工性に対する利点は1%輝安鉱を超えると小さくなる(例えば、0.8%アンチモンを供給)。というのは、輝安鉱含有量が1%を超えると機械加工性は減少するからである。さらに、例えば、MnSまたはCCPと組み合わせて輝安鉱として供されたアンチモンは機械加工性を改良することが観察されている。1つの実施形態において、赤色真鍮合金は0.4ないし1%輝安鉱を含む。1つの実施形態において、0.3ないし0.8%アンチモンが含まれている。
鍛練用合金C28330の機械加工性指標は、1%未満のSbを含有するC84030と比較して61%であった。永久鋳型鋳造によって製造されたテイル鋳物は機械加工性評価で用いられたことが観察された。これらは、砂型鋳造C84030テイル鋳物と比較して微細粒構造を有する。C28330の欠け形態は、C84030と比較して良好でなかった。しかしながら、機械加工された表面は良好に見えたことに注意すべきである。もし異なるスピード、供給および工具の幾何学を用いたならば、機械加工性格付けが変化し、試料は工具および適切な供給速度およびスピードを適切に使用して良好に機械加工出来る可能性が存在することがひ認められる。
半赤色真鍮の機械的特性に対する輝安鉱、アンチモン、および硫黄含有量の効果
最初に、合金の機械的特性に対する硫黄の強い影響力を検討することが出来る。表4は、図5からの4つの合金の機械的特性(UTS、YS、および%伸度)に対する硫黄添加の効果を示す。2つの異なる標的硫黄の含有量を、硫黄の強い影響力を比較するためにテストした。理解出来るように、合金84XX5―H8P4−9A−Xおよび84XX5−H9P1−9A−Xのより低い硫黄含有量は、より低いYSを呈したが、合金84XX51−H21P3−9A−Xおよび84XX52−H22P1−9A−Xのより高い硫黄含有量よりも優れたより高いUTSおよび実質的により高い%伸度を呈した。高Sレベルは合金をドロス性かつ汚くし、鋳造における介在物および多孔性に導き、よって、より低いUTSおよび%伸度に導く。しかしながら、YSは影響されないままである。
本発明の合金における種々の成分の強い影響力をテストした。表5は図6からの本発明のいくつかの合金をリストする。これらの合金の機械的特性がテストされた。具体的には、UTS、YS、および%伸度。表5は、輝安鉱、アンチモン、および硫黄の試料合金の各々についての重量パーセントもリストする。UTSおよびYSは、1.0%の輝安鉱(0.770アンチモン、および0.249硫黄)を有する合金84XX42−H20P2−7Xにおいて最大の改良(増加)の傾向を呈する。%伸度は、輝安鉱、アンチモン、および硫黄の重量パーセントが増加するにつれて減少の傾向を呈し、より高いパーセンテージにおけるより顕著性との間の減少を伴う。
後方散乱電子画像(図15BないしDおよび15J;16BないしDおよび16HないしJ;および17BないしJ)は、SbがSnおよびCuに関連していることを示す。Cu−Sn−Sbの三元化合物が形成されるのが可能である。Cuを含む固溶体中のSbと共にこれらの化合物は、強度および延性と機械加工性にも寄与する。しかしながら、過剰な量のSbは、例えば、1.64輝安鉱添加(合金中1.3%Sb)の場合におけるように、この調査で観察されている強度および延性に対して有害効果を有し得る。
顕微鏡分析
顕微鏡分析は、図14に示されたように、C84030赤色真鍮のある実施形態についてなされた。試料1109319はボタンからのものであった。他の2つは引張試験のバーのグリップ領域からのものであった。
金属組織学的手法
各試料の一部を装着し、金属組織学的に調製し、次いで、半定量的化学的含有量および元素マッピングについての後方散乱電子(BE)モードにおいて、エネルギー分散分光法(SEM/EDS)を装備した倒立金属顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いて光学的に調べた。BEモードは、異なる原子量パーセンテージの元素の間でより大きなコントラストを達成する。
結果−赤色真鍮
観察された微細構造は、銅が豊富なマトリックス全体にわたり分散した粒子よりなる。研磨された金属組織として、顕微鏡写真を500×で撮影した。次いで、画像分析を行って、粒子サイズを決定した。最小、最大および平均測定は以下の表において報告される。洗練された顕微鏡写真が、各々、3つの試験された試料合金の各々について図15A、16A、および17Aにおいて提供される。
ある実施形態の顕微鏡分析を行って、合金を特徴付け、合金の構造内の種々の元素の微細構造および位置づけに関する情報を提供した。図14は、その顕微鏡写真が図15ないし17に示される合金の化学をリストする。輝安鉱はSbおよびSに分解するようである。SはZnSおよびCuSを形成する。Sbは銅マトリックスを備えた固溶体中にあり、また、Snと共に化合物を形成するようである。Sb−Sn相図を見ると、43.6ないし61%のSbの組成範囲にわたって形成される金属間化合物SnSbがある。
図15A、16A、および17Aは、各々、介在物を示す、試料1109337、試料84XX42−022812−H20P2−9A、および84XX9−013112−H18P2−10Aの写真である。図15Bおよび15Cは試料1109337のSEM画像である。図16Bおよび16Cは、試料84XX42−022812−H20P2−9AのSEM画像である。図17Bおよび17Cは、試料84XX9−013112−H18P2−10AのSEM画像である。暗い材料は、合金内での硫黄の分布を示す。理解出来るように、硫化銅および硫化亜鉛としての硫黄の分布は、樹状晶および樹状晶間領域に存在する。
図15Dは、硫黄、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、錫、およびアンチモンについての試料1109337の元素マッピングを示す。図15Jは、硫黄、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、錫、およびアンチモンについての試料1109337の元素マッピングを示す。元素の分布は、アンチモンおよび硫黄に分解する輝安鉱を示す。特に、15Dのアンチモン分布および15Dの硫黄分布は、アンチモンが、硫黄を含む、すなわち、依然として硫化物として存在する領域に隔離されないことを示す。図25で理解出来るように、合金溶融体に関与する温度(2164度華氏)においては、観察された元素の分布は、関与する反応の自由エネルギーに基づいた予測される形成に合致する。
図16Dは、硫黄、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、錫、およびアンチモンについての試料84XX42−022812−H20P2−9Aの元素マッピングを示す。図16Jは、硫黄、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、錫、アンチモン、リン、および鉛についての試料84XX42−022812−H20P2−9Aの元素マッピングを示す。元素の分布は、アンチモンおよび硫黄に分解する輝安鉱を示す。特に、16Fのアンチモン分布および16Dの硫黄分布は、アンチモンが、硫黄を含む、すなわち、依然として硫化物として存在する領域に隔離されないことを示す。図25において理解出来るように、合金溶融体に関与する温度(2164度華氏)においては、観察された元素の分布は、関与する反応の自由エネルギーに基づいて予測される形成と合致する。
図17Dは、硫黄、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、錫、およびアンチモンについての試料84XX9−013112−H18P2−10Aの元素マッピングを示す。図17Jは、硫黄、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、錫、アンチモン、リンおよび鉛についての試料84XX9−013112−H18P2−10Aの元素マッピングを示す。元素の分布は、アンチモンおよび硫黄に分解する輝安鉱を示す。特に、18Fのアンチモン分布および18Dの硫黄分布は、硫黄を含む、すなわち、依然として硫化物として存在する領域にアンチモンが隔離されないことを示す。図25において理解出来るように、合金溶融体に関与する温度(2164度華氏)において、観察された元素分布は、関与する反応の自由エネルギーに基づいて予測される形成と合致する。
顕微鏡写真の情報は、先に議論した改良された機械的特性を裏付ける。いくつかのアンチモンは固溶体に残存するゆえに、良好な%伸度が観察される。金属間化合物および固溶体は強度に寄与する。しかしながら、もし余りにも多くの金属間化合物があれば、強度および%伸度は徐々に減少し得るであろう。UTSおよび%伸度の減少は、1.64%輝安鉱添加で観察される。
SEM/EDS元素分析は、主として、硫黄、亜鉛、錫、またはアンチモンよりなる分散した粒子を明らかとする。必要とされる元素強度を示す、1500×における元素マップと共に200×および1000×において撮影されたSEM後方散乱画像は、図15EないしJ、16EないしJ、および17EないしJに掲げられる。表6は、テストされた合金についての粒子サイズの情報を記載する。平均粒子サイズは、図14に示されるように、SbおよびS含有量と共に増加する
試料1109320からのベース材料のSEM EDSスペクトル結果は、より少量の錫、ニッケル、および亜鉛と共に有意な量の銅よりなる(図15F、ロケーション1参照)。明るい着色相は、より少量のニッケル、亜鉛と共に有意な量の銅、錫、およびアンチモンを明らかとする(図15Gおよび15I、ロケーション2および4参照)。暗い着色相は、より少量のニッケルと共に有意な量の亜鉛および硫黄を明らかとする(図15H、ロケーション3参照)。EDSスペクトルはSbについていずれのピークも示さなかったが、微細構造におけるSb(マトリックスならびにいくらかの金属間化合物)の存在は、元素マップから明らかである(図15D参照)。なお、この試料のMn含有量は非常に低いゆえに、図15Dについてテストされた領域に検出されたMnがあったが、図15Jにおいてはそれがなく、EDSスペクトルはMnについてのピークを示さない。これは、Mnの非常に不均一な分布を示す。半定量的な化学的分析データが、図15Eに示された試料1109320のロケーションについて表7に報告される。
試料84XX42−022812−H20P2−9Aからのベース材料のSEM EDSスペクトル結果は、より少量の錫、ニッケル、および亜鉛と共に有意な量の銅よりなる(図16E、ロケーション1参照)。暗い着色相は、より少量の銅と共に有意な量の亜鉛および硫黄を明らかとする(図16G、ロケーション2参照)。明るい着色相は、より少量のリン、鉛、鉄、ニッケル、および亜鉛と共に有意な量の銅、錫、およびアンチモンを明らかとする(図16H、16I、ロケーション3および4参照)。
半定量的な化学分析データは、前記ロケーションについて表8に報告される。Sbは、固溶体中のマトリックスに、また、金属間化合物においても存在する。
試料84XX9−011312−H18P2−10Aからのベース材料のSEM EDSスペクトル結果は、より少量の錫、アンチモン、ニッケルおよび亜鉛と共に有意な量の銅よりなる(図17F、ロケーション1参照)。明るい着色相は、より少量のニッケル亜鉛と共に銅、錫、およびアンチモンを明らかにする(図17G、ロケーション2参照)。暗い着色相は、より少量の鉄および銅と共に有意な量の亜鉛および硫黄を明らかとする(図17H、17I、ロケーション3および4参照)。ロケーション4(図17J)は、より少量のニッケルを明らかとする。
半定量的化学分析データは、前記ロケーションについて表9に報告される。Sbは固溶体中のマトリックスに、また、金属間化合物にも存在する。
結果−黄色真鍮
金属組織学的加工は、黄色真鍮C28330の実施形態についても行われた。この合金(28330−030613−P4H2A)の化学は図7に与えられる。各試料からの断面を導電性エポキシ中に熱装着し、0.04ミクロンの最終研磨まで金属組織学的に調製し、後方散乱モードにてSEMで調べて、観察された粒子を同定した。後方散乱モードは、異なる重量パーセンテージの元素の間のより大きなコントラストを達成する。評価は、低いおよび高い倍率で撮影された後方散乱電子(BE)ビーム画像、−定量的化学物質含有量を伴うSEM/EDSスペクトル、および元素マッピングよりなるものであった。
SEM/EDSスペクトル分析は、全ての3つの試料についてのベース材料を通じてベース材料および分散された介在物を含めたいくつかのロケーションで撮影された。図18AないしIは、Perm鋳型試料についての画像およびスペクトル結果を示す。図19AないしJは、冷間圧延および焼鈍された試料についての画像およびスペクトル結果を示す。図20AないしHは、冷間圧延された試料についての画像およびスペクトル結果を示す。各試料ロケーションについての半定量的データは以下の表(表10)に報告される。
結果は半定量的であり、特に断りのない限り、スペクトルの結果は重量パーセントであって、用いた方法はSEM/EDSであった。
結果は、永久鋳型鋳造試料の粒度が約50ミクロンであることを示す(図18A)。粒および第二の相の粒子は、冷間圧延の間に細長くなった(図20Aおよび20B)。1290Fにおける焼鈍は再結晶された微細構造を生じた。粒は等軸である(図19B)。平均粒度は約70ミクロンである。これは、鋳放し粒度よりも比較的粗い。1100および1200Fで焼鈍されたC28330の合金では、伸度値から明らかなように、70ミクロン粒よりも微細であろうと考えられる。1290F焼鈍の大きな粒度は%伸度を低下させる。2つの合金のアンチモン含有量は0.3ないし0.4%の範囲にあった。テストされた領域はいずれのアンチモンピークも示さなかったが、それは低レベルのためだと考えられる。アンチモンは、Cuを含む固溶体中にあると考えられる。
赤色真鍮についての添加物の分析
先に議論したように、銅はそれと合金化させるために多数の元素を利用することが出来る。本明細書中に開示された輝安鉱の使用は、炭素、CCGおよびCPC、硫黄、硫化マンガンの2つの形態と比較して、および表11に記されるその組合せと比較してテストされた。
相図
相の情報は、赤色真鍮C84030(図21AないしC、22AないしE)および黄色真鍮C28330合金(図23および24AないしF)について集められた。
ベース組成:赤色真鍮については87 Cu、9 Zn、3 Sn、1 Ni、0.4 Sに加え、示された量のアンチモン。Sbは、Cu(Cu)と、Mn(MnSbおよびMnSb)と、Zn(ZnSb)と、およびS(Sb)とで安定な化合物を形成することが一般に観察される。これらのうち、Sbが0.4ないし1.3重量%の範囲で加えられると、CuSbのみが形成されると考えられる。Sbの添加は、固相線温度を変化させなかった。図21Aおよび図21Bは、各々、0%のアンチモン、0.8%および1.3%アンチモンを有する合金の相図を示す。
図22Aは、0.8Sbを含む半赤色真鍮の相集合図である。拡大された図22Bで理解出来るように、2重量%未満のCuSbが形成された。0.8Sbを含む半赤色真鍮の相集合図の拡大された部分。図22Cは、1.3%アンチモンを含む半赤色真鍮C84030の相集合図の拡大された部分である。Sb含有量が1.3まで増大されると、CuSbの量は3重量%前後まで増加した。図19D(0.8%Sb)および22E(1.3%Sb)で理解出来るように、同様な量のCu2Sbが、同様に、シェイル冷却の間に形成される。シェイル冷却は、FCC固溶体相(固溶体中にZn、Ni、いくらかのSnおよびいくらかのSbを含有するCu)、Zn、CuSn金属間化合物、CuSおよびCuSbを含むベータ(β’)相を期待出来ることを示す。融点はSbの添加によって影響されず、約1025Cであり、これは、1030Cの平衡温度に近い。シェイル冷却下での固相線温度は825Cである。
微細構造分析は、Cuを含む固溶体中にZn、SnおよびNiがあることを示す。微細構造および相分析を考慮すると、輝安鉱はSbおよびSに分解されると考えられる。いくらかのSbがCuを含む固溶体中にあり、いくらかはCuSb化合物を形成する。SはZnおよびCuと組み合わせられて、ZnSおよびCuSを形成する。いくつかの相におけるSnおよびCuの高レベルは、それがCuSn相であることを示す。
前記した観察された相に基づくと、100kgの全合金は以下の量のkgで表した各相を含有するであろう。
図23は、黄色真鍮合金C28330(61/38/0.3/0 Cu/Zn/Sn/Sb 重量%)のロケーションを示す相図を示す。図24Aは、0重量%のSbを含む黄色真鍮の平衡相集合図を示す。図24Bは、0.6重量%のSbを含む黄色真鍮の平衡相集合図を示す。アンチモンの強い影響力は図24Bにおいて理解出来、図24Cにおいてさらに見られ、これは、1重量%のSbを含む黄色真鍮の平衡相集合図である。図24Dは、0重量%のSbを含む黄色真鍮のシェイル相集合図である。図24Eは、0.6重量%のSbを含む黄色真鍮のシェイル相集合図である。図24Fは、1重量%のSbを含む黄色真鍮のシェイル相集合図である。シェイル冷却は、予測された相がZn、いくらかのZnSおよびCuSbを含むベータ(β)相であることを示す。Sbでの観察された融点は約900Cであって、固相線温度は894Cである。
100kgの全合金は、以下の量のkgで表した各相を含有するであろう。
液相線および固相線の温度
系の熱的調査は、DSC−2400 Setaram Setsys示差走査型熱量分析を用いて行った。DSCの温度較正は、150ないし1065℃の温度範囲にわたる7つの純粋な金属:In、Sn、Pb、Zn、Al、Ag、およびAuを用いて行った。試料を切断し、機械的に研磨して、いずれの可能な汚染された表面層も除去した。その後、それらをエタノールで清浄化し、蓋カバーを備えた黒鉛坩堝に入れて、可能な蒸発を制限し、装置を保護した。酸化を回避するために、分析チャンバーを10−2ミリバールまで減圧し、次いで、アルゴンで満たした。DSC測定は、流動するアルゴン雰囲気下で行った。三連の各試料をテストした。試料の重量は62ないし78mgであった。
2つの試料、1つは半赤色真鍮からのものであるC84030、および他方は黄色真鍮からのものであるC28330を用いて、液相線および固相線の温度を測定した。それらの組成は表16に与えられる。
固相線および液相線の温度を見出すために、試料を室温から1100Cまで加熱し、次いで、800Cまで冷却し、次いで、1100Cまで加熱し、800Cまで再度冷却した。最後に、装置を室温とした。これらの実験は、DSCチャンバーの真空ポンプ減圧が先行するアルゴン雰囲気下で行った。かくして、2サイクルからのデータを収集した。加熱は、認められるように、10C/分で行い、冷却は15C/分で行った。双方のサイクルから得られた固相線および液相線の温度は以下の表に掲げる。第一のサイクルからのデータは、C84030(低−Zn合金)では7.3%、およびC28330(高Zn)合金では35.4%であった第二のサイクルで起こるZn損失のため、合金のより代表的なものである。測定値は表17に示される。
脱亜鉛実験
4つの真鍮試料、2つの市販の真鍮、およびC28330黄色真鍮およびC84030赤色真鍮の実施形態を、ISO 6590、「金属および合金の腐食−真鍮の耐脱亜鉛性の決定」に従って、脱亜鉛腐食に対する抵抗性について評価した。このテストでは、粉砕された断面を、1%塩化銅溶液に、75±5℃にて24時間浸漬した。浸漬時間の最後に、研磨された断面を露出した表面に対して垂直に調製し、いずれの脱亜鉛腐食の深さも測定する。この分析は、ISO規格に従い鋳物の薄い領域および厚い領域の双方で行った。可能であれば、断面は厚いおよび薄い壁断面から調製した。均一な断面の試料を呈した試料を縁およびコアから採取した。100ミクロンを超える脱亜鉛貫入は、許容される脱亜鉛を超えると考えられた。
図26Aは、脱亜鉛腐食(線間)が、「MBAF 180」試料の縁を通じて調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面から0.0012”(31.2ミクロン)の最大深さまで延びることを示す。未エッチング。(494×)。図26Bは、脱亜鉛腐食(線間)が、「MBAF180」試料のコアを通じて調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面から0.0113”(287.0ミクロン)の最大深さまで延びることを示す。未エッチング。(201×)。
図27Aは、脱亜鉛腐食(線間)が、「C36000 Ht# 1−Yeager」試料の薄壁断面を通じて調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面から0.04830”(1,228.1ミクロン)の最大深さまで延びることを示す。未エッチング。(50×)。図27Bは、脱亜鉛腐食(線間)が、「C36000 Ht# 1−Yeager」試料の厚壁断面を通じて調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面から0.05133”(1,303.8ミクロン)の最大深さまで延びることを示す。未エッチング。(50×)。
図28Aは、C28330黄色真鍮合金の「28330−Lab# 358050 P4 H2a」試料の縁を通じて調製された金属組織断面において(頂部に向かう)露出表面には、脱亜鉛腐食は存在しないことを示す。未エッチング。(494×)。図28Bは、脱亜鉛腐食(線間)が、「28330−Lab# 358050 P4H2a」試料のコアを通じて調製された金属組織断面において、(頂部に向かう)露出表面から0.0033”(82.8ミクロン)の最大深さまで延びることを示す。未エッチング。(494×)。
図29Aは、「84030−62412−H3P2−9」試料の縁を通じて調製された金属組織断面における(頂部に向かう)露出表面には、脱亜鉛腐食が存在しないことを示す。未エッチング。(494×)。図29Bは、「84030−62412−H3P2−9」試料の縁を通じて調製された金属組織断面において(頂部に向かう)露出表面には、脱亜鉛腐食が存在しないことを示す。未エッチング。(494×)。
この脱亜鉛結果は、本発明の黄色真鍮C28330の実施形態が、C36000黄色真鍮を含めた市販の合金と比べて、脱亜鉛に対する優れた抵抗性を供することを示す。具体的には、結果は、「MBAF 180」として確認される試料のコアからの断面、および「C36000 Ht# 1−Yeager」として確認される試料からの厚いおよび薄い壁断面の双方が、ISO 6509、「金属および合金の腐食−真鍮の耐脱亜鉛の決定」に従ってテストすると、有意な脱亜鉛腐食を呈することを示す。ISO 6509は、いずれの許容基準も含まないが、これらの試料の脱亜鉛深さは、同様なオーストラリアの標準AS 2345、「銅合金の耐脱亜鉛性」に含まれる100ミクロン最大脱亜鉛深さを超える。これらの結果は、これらの試料が脱亜鉛腐食に感受性であることを示す。この調査は、「MBAF 180」として確認される試料の縁からの断面、および「28330−Lab# 358050 P4H2a」および「84030−62412−H3P2−9」として確認される試料のコアおよび縁双方からの断面が、ISO 6509に従ってテストすると、100ミクロンの最大脱亜鉛深さに適合する脱亜鉛腐食を呈することを示す。
特性実験のパラメーター
一連の合金を作り、テストして、図2中のC84030赤色真鍮合金について記載されたものの外にある組成を有する合金の特性を決定した。図30は、イタリック体で示された分散での成分と共にC84030に対するこれらの分散の化学的組成を示す。組成は、硫黄の場合の数個のケースを除いて、Cu、Sn、Zn、Ni、およびSbのような公称C84030組成の外側にあるように、ソフトウェアによって選択された。
「性能指数」を供して、C84030と比較した分散合金の特性を定量するために、UTS、YSおよびEL%特性を利用した。これらの3つの特性値の各々についての十分な結果は、さらなる調査を作り出すための溶解金属注入量の1つについて一緒に起こらなければならなかった。これらの3つの特性値は:
1)極限引張強さはC84030の最大限界よりも大きくなければならない(>42.9)。
2)降伏強度は、C84030の最大限度よりも大きくなければならない(>20.3)。
3)伸度%は、C84400の典型的な限度よりも大きくなければならない(>26)。
である。
以下の表19は、分散試験の結果のまとめを提供する。実験計画法(DOE)は、概念的には、統計学的田口式に基づいた構造である。合金に対する規定要素は、それらの規定された限界の上下双方とした。以下の表19は、常に100%である最終結果を持つこの論理を示す。最終目標は、C84030についての公称範囲に対する規定された限度上下双方に行くことによって、良好な特性が存在したかを見ることである。図31は、C84030赤色真鍮と、DOEのためのベースとして用いられた2つの市販の真鍮との間の合金特性の関連を示す。図32は、機械的特性と共に、いくつかのテストされた分散合金についての組成の情報を含む。分散合金のいずれも、3つの特性につき優れた結果を提供しなかった。8つの合金の機械的特性は、C84030についての図9に示された最小および典型的機械的特性のいくつかを満足することが出来るC84030についての範囲外にあるいくつかの合金があるが、UTS、YSおよび%伸度について前記した要件を超えることが出来る単一の合金はないことを示す。
説明的実施形態のこれまでの記載は、説明および記載の目的で示してきた。開示された正確な形態に関して網羅的または限定的であることは意図されず、前記教示に徴して修飾および変形は可能であり、または開示された実施形態のプラクティスから獲得してもよい。本発明の範囲は、ここに添付された特許請求の範囲またはその同等物によって規定されることが意図される。

Claims (14)

  1. 82重量%ないし89重量%の銅分;
    0.01重量%ないし0.65重量%の硫黄分;
    0.1重量%ないし1.5重量%のアンチモン分;
    2.0重量%ないし4.0重量%の錫分;
    0.09重量%未満の鉛分;
    5.0重量%ないし14.0重量%の亜鉛分;および
    0.5重量%ないし2.0重量%のニッケル分;
    から成る合金組成物。
  2. 0.1ないし1.0重量%のアンチモン分を含む請求項1記載の合金組成物。
  3. さらに、0.3重量%のチタンを含む請求項1記載の合金組成物。
  4. さらに、0.1重量%炭素を含む請求項1記載の合金組成物。
  5. 58重量%ないし62重量%の銅、0.01重量%ないし0.65重量%の硫黄、0を超え、1.5重量%までのアンチモン、1.5重量%の錫、0.09重量%未満の鉛、31.0重量%ないし41.0重量%の亜鉛、および1.5重量%のニッケルから成る合金組成物。
  6. 0.1ないし1.0重量%のアンチモン分を含む請求項記載の合金組成物。
  7. さらに、0.1重量%のチタンを含む請求項記載の合金組成物。
  8. さらに、0.1重量%の炭素を含む請求項記載の合金組成物。
  9. 58重量%ないし62重量%の銅、0.01重量%ないし0.65重量%の硫黄、0.1を超え、1.5重量%までのアンチモン、0.09重量%未満の鉛、および31.0重量%ないし41.0重量%の亜鉛から成る合金組成物。
  10. 0.1ないし1.5重量%のアンチモン分を含む請求項記載の合金組成物。
  11. さらに、0.3重量%のチタンを含む請求項記載の合金組成物。
  12. さらに、0.1重量%の炭素を含む請求項記載の合金組成物。
  13. 86重量%ないし89重量%の銅、0.01重量%ないし0.65重量%の硫黄、0を超え、1.5重量%までのアンチモン、7.5重量%ないし8.5重量%の錫、0.09重量%未満の鉛、1.0重量%ないし5.0重量%の亜鉛、および1.0重量%のニッケルから成る合金組成物。
  14. ベースインゴットを2,100度華氏の温度まで加熱して、溶融体を形成し;
    銅ホイルに包んだ輝安鉱を加え、2000度華氏に前記温度を維持し;
    前記溶融体の加熱を中止し、添加物を前記溶融体中に加え;
    少なくとも部分量のスラグを前記溶融体から掬い出し;
    前記溶融体を2,140度華氏の温度まで加熱し;
    前記溶融体の加熱を中止し、輝安鉱を前記溶融体に投入し;
    前記溶融体を2,150度華氏の温度まで加熱し;次いで、
    前記溶融体からスラグを除去することを含み、
    ここに、前記添加物は錫、亜鉛、ニッケル、および炭素を含むことを特徴とする、請求項1から13の何れか一項に記載される合金組成物の製造方法。
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