JPH0978132A - 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法

Info

Publication number
JPH0978132A
JPH0978132A JP7234522A JP23452295A JPH0978132A JP H0978132 A JPH0978132 A JP H0978132A JP 7234522 A JP7234522 A JP 7234522A JP 23452295 A JP23452295 A JP 23452295A JP H0978132 A JPH0978132 A JP H0978132A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annealing
steel sheet
cold rolling
slab
final
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7234522A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3368409B2 (ja
Inventor
Hiroaki Sato
浩明 佐藤
Yosuke Kurosaki
洋介 黒崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=16972351&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH0978132(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP23452295A priority Critical patent/JP3368409B2/ja
Publication of JPH0978132A publication Critical patent/JPH0978132A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3368409B2 publication Critical patent/JP3368409B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、低鉄損一方向性電磁鋼板を工業的
に安定して製造する方法を提供するものである。 【解決手段】 1回または2回冷延法による低鉄損一方
向性電磁鋼板の製造に際し、特定成分を含有するスラブ
の1200℃以上の高温域の加熱を5℃/分以上の昇温
速度で行うと共に、最終冷間圧延前焼鈍の冷却過程にお
いて700℃〜150℃の間を8℃/秒以上で冷却し、
最終冷間圧延における複数パスのパス間の少なくとも1
回に鋼板を200℃〜350℃の温度範囲で1分以上の
時間保持することを特徴とする。また、上記スラブの1
200℃以上の高温域の加熱前に、50%以下の圧下率
で熱間変形を加えてもよい。更に、2回法においては、
熱延板焼鈍を施しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変圧器等の鉄心に使
用される低鉄損一方向性電磁鋼板を工業的に安定して製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板は主に変圧器や発電機
の鉄心材料に使用されるが、省エネルギー化が要求され
ている昨今、更に磁束密度が高く、鉄損の少ない鋼板が
市場から要求されている。一般的に、低鉄損を達成する
ためには、鋼板のSi含有量を極力高め素材の固有抵抗
を上げて渦電流損を下げる方法と、製品板厚を極力薄く
し渦電流損を下げる方法が知られている。更に、低鉄損
を図るにはインヒビター、鋼板の組織、集合組織を高度
に制御する必要がある。この中の1つであるインヒビタ
ー分散形態のコントロールは、熱間圧延に先立つスラブ
高温加熱中にインヒビターを一旦溶体化させ、その後適
当な冷却パターンの熱間圧延を施すことが必要である。
【0003】インヒビター溶体化のためのスラブ高温加
熱をガス燃焼型加熱炉で行うと、スラブ表面から熱せら
れるのでスラブ表層で温度が高く、スラブ中心部で温度
が低い状態になる。よって、スラブ中心部まで目的の温
度に達するためには、スラブ表層温度は、スラブ中心部
よりもかなり高い温度となり、またガス燃焼型加熱炉で
は昇温速度も1200℃以上で約1℃/分と遅いために
1200℃以上の高温域に滞留する時間がかなり長くな
り、スラブ高温加熱後の結晶粒径は粗大化してしまい、
線状細粒と呼ばれる2次再結晶不良を製品にもたらす原
因となっていた。この対策として、特公昭56−186
54号公報に提案されているようなスラブ急速加熱方式
を用いると、スラブ加熱の短時間化が可能となった。
【0004】一方、熱延板焼鈍を施した後、一段の強冷
延を行い一方向性電磁鋼板を製造する方法において、強
圧下冷間圧延時に時効処理を施すことにより磁気特性が
向上することが報告されている(特公昭54−1384
6号公報参照)。また、2回以上の冷間圧延を行い一方
向性電磁鋼板を製造する方法において、最終冷間圧延時
に時効処理を施すこと、ならびにこの時効処理に関連し
て最終冷間圧延前の工程である中間焼鈍の冷却速度をコ
ントロールすることによって磁気特性が向上することが
報告されている(特公昭56−3892号公報参照)。
しかし、これら2つの技術では、低鉄損という点で満足
できるものではなかった。
【0005】そこで、本発明者らは、2回冷延法で一方
向性電磁鋼板を製造する方法において、スラブ高温加熱
で、1200℃以上の高温域の加熱を5℃/分以上と
し、かつ、最終冷間圧延工程で、150℃〜350℃の
温度範囲でパス間時効を施した場合にのみ、著しく鉄損
特性が向上することを新たに見いだし提案した(特願平
6−110092号)。また、1回冷延法では、スラブ
高温加熱で1200℃以上の高温域の加熱を5℃/分以
上とし、かつ、冷間圧延工程で、180℃〜350℃の
温度範囲でパス間時効を施した場合にのみ、著しく鉄損
特性が向上することを新たに見いだし提案した(特願平
6−324453号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記提案法で得られる
製品は、板厚の薄い製品を製造した場合に安定性という
点では充分に満足できるものではなく、鉄損値が高い製
品が発生する場合もあった。本発明は、スラブ加熱時の
結晶粒の成長を抑制し、かつ、最終冷延前焼鈍での冷却
速度を規制し、かつ、冷間圧延時のパス間時効温度およ
びパス間時効時間をある範囲に制御することにより、工
業的に安定して鉄損の低い製品を得られる方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(1)重量%で、C :0.015〜0.100%、S
i:2.0〜4.0%、Mn:0.03〜0.12%、
Sol.Al:0.010〜0.065%、N :0.
0040〜0.0100%、SおよびSeのうちから選
んだ1種または2種合計:0.005〜0.050%、
さらにSb,Sn,Cu,Mo,Ge,B,Te,A
s、およびBiから選ばれる1種または2種以上を各々
の元素量で、0.003〜0.3%を含有し、残部は実
質的にFeの組成になる連続鋳造スラブを、1320℃
〜1450℃に加熱均熱したのち熱延し、予備冷延し、
中間焼鈍し、複数パスよりなる最終冷延を施し0.25
mm以下の最終板厚とし、脱炭・1次再結晶焼鈍、最終仕
上げ焼鈍によって一方向性電磁鋼板を製造する方法にお
いて、上記スラブの1200℃以上の高温域の加熱を5
℃/分以上の昇温速度で行うと共に、中間焼鈍(最終冷
延前焼鈍)の冷却過程において700℃〜150℃の間
を8℃/秒以上で冷却し、かつ最終冷延工程の少なくと
も1回のパス間で鋼板を200℃〜350℃の温度範囲
で1分以上の時間保持することを特徴とする低鉄損一方
向性電磁鋼板の製造方法であり、(2)熱延板に熱延板
焼鈍を施すことを特徴とする前項(1)に記載した低鉄
損一方向性電磁鋼板の製造方法、また(3)重量%で、
C :0.015〜0.100%、Si:2.0〜4.
0%、Mn:0.03〜0.12%、 Sol.Al:
0.010〜0.065%、N :0.0040〜0.
0100%、SおよびSeのうちから選んだ1種または
2種合計:0.005〜0.050%、さらにSb,S
n,Cu,Mo,Ge,B,Te,As、およびBiか
ら選ばれる1種または2種以上を各々の元素量で、0.
003〜0.3%を含有し、残部は実質的にFeの組成
になる連続鋳造スラブを、1320℃〜1450℃に加
熱均熱したのち熱延し、熱延板焼鈍し、複数パスよりな
る冷間圧延を施し0.25mm以下の最終板厚とし、脱炭
・1次再結晶焼鈍、最終仕上げ焼鈍によって一方向性電
磁鋼板を製造する方法において、上記スラブの1200
℃以上の高温域の加熱を5℃/分以上の昇温速度で行う
と共に、熱延板焼鈍(最終冷延前焼鈍)の冷却過程にお
いて700℃〜150℃の間を8℃/秒以上で冷却し、
かつ冷延工程の少なくとも1回のパス間で鋼板を200
℃〜350℃の温度範囲で1分以上の時間保持すること
を特徴とする低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法であ
り、(4)スラブの1200℃以上の高温域の加熱の前
に、50%以下の圧下率で熱間変形を加えることを特徴
とする前項(1),(2)または(3)の何れかに記載
した低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法である。
【0008】本発明者らは、鉄損の低い一方向性電磁鋼
板を安定して製造する方法を検討したところ、スラブ加
熱時の高温域におけるスラブ加熱を5℃/分以上の昇温
速度で行いスラブ加熱時の結晶粒の成長を抑制し、か
つ、熱延板焼鈍の冷却過程において700℃〜150℃
の間を8℃/秒以上で冷却することにより、固溶C,N
を富化し、かつ、最終冷間圧延時のパス間時効温度およ
びパス間時効時間をある範囲に制御することが非常に有
効であることを見いだした。
【0009】図1は、中間焼鈍の平均冷却速度と製品特
性との関係を示した。すなわち、本発明に従った成分範
囲にあるC:0.070%、Si:3.19%、Mn:
0.071%、S:0.022%、Sol.Al:0.03
1%、N:0.0077%、Sn:0.11%を含有す
る鋳片を、短時間加熱が可能な通電加熱炉により到達温
度1390℃とし、1200℃から1390℃までを1
0℃/分の昇温速度で加熱したスラブを用いて板厚2.
00mmの熱延板を作製した。そして、1.65mmに予備
冷延した。1000℃×2分均熱後、Cの析出温度域と
考えられる700℃〜150℃を種々の冷却温度で冷却
するという中間焼鈍を施し、最終冷間圧延工程で途中板
厚1.00mmと0.50mmの段階で鋼板を300℃で1
0分間保持し、0.22mmの最終仕上げ厚とした。得ら
れた冷延板を公知の方法で脱炭焼鈍し、焼付分離材を塗
布した後、最終仕上げ焼鈍を行いコーティング液を塗布
し製品とした。
【0010】かくして得られた製品n=5の磁束密度、
鉄損と中間焼鈍での700℃〜150℃の冷却速度との
関係について調べた結果を図1に示す。同図より明らか
なように中間焼鈍での700℃〜150℃の冷却速度を
8℃/秒以上とすることにより安定して良好な磁気特性
が得られることが分かる。
【0011】図2は、以下に示す工程で製造した製品の
特性を調べて示した。すなわち、本発明に従った成分範
囲にあるC:0.075%、Si:3.12%、Mn:
0.080%、S:0.020%、Sol.Al:0.02
5%、N:0.0070%、Sn:0.10%を含有す
る鋳片を、短時間加熱が可能な誘導加熱炉により到達温
度1380℃とし、1200℃から1380℃までを1
0℃/分、または1℃/分の昇温速度で加熱したスラブ
を用いて板厚2.20mmの熱延板を作製した。そして、
1.70mmに予備冷延した。1000℃×2分均熱後、
Cの析出温度域と考えられる700℃〜150℃を平均
1℃/秒または8℃/秒または15℃/秒の冷却速度で
冷却するという中間焼鈍を施し、最終冷間圧延工程で途
中板厚1.10mmと0.55mmの段階で鋼板を種々の温
度で10分間保持し、0.22mmの最終仕上げ厚とし
た。得られた冷延板を公知の方法で脱炭焼鈍し、焼付分
離材を塗布した後、最終仕上げ焼鈍を行いコーティング
液を塗布して製品とした。
【0012】かくして得られた製品板の磁束密度、鉄損
と中間焼鈍での700℃〜150℃での冷却速度および
パス間時効温度との関係について調べた結果を図2に示
す。同図より明らかなように中間焼鈍での700℃〜1
50℃の冷却速度を8℃/秒以上とし、最終冷延工程で
200℃〜350℃の温度でパス間時効を施すことによ
り安定して良好な磁気特性が得られることが分かる。
【0013】このようにこの発明は、高温スラブ加熱を
スラブの昇温速度を5℃/分以上とし、かつ、中間焼鈍
の冷却過程において700℃〜150℃の間を8℃/秒
以上で冷却し、かつ、最終冷延工程で200℃〜350
℃の温度で1分以上のパス間時効を施すことにより安定
して良好な磁気特性が得られるという全く新しい知見に
基づいて完成されたものである。
【0014】ここにこの発明によって磁気特性が向上す
る理由については、必ずしも明確に解明されたわけでは
ないが、次の通りと考えられる。スラブ昇温速度を速め
ることによりスラブ加熱中の結晶粒の成長を抑制し、熱
間圧延後、熱延板の組織および析出物の均一化が図られ
ると共に熱延板での結晶粒径が小さくなる。集合組織も
{100}方位粒が減少し、{111}方位粒が増加す
る。冷延前の結晶粒径が小さくなると、1次再結晶後、
粒内から核発生する{110}方位粒は減少し、粒界近
傍から核発生する{111}方位粒が増加する。{11
1}方位粒が増加し、{100}方位粒が減少すること
は、2次再結晶の安定をもたらすが、一方、{110}
方位粒が減少するために、安定して低鉄損を得られな
い。
【0015】そこで、最終冷延前焼鈍の冷却過程で、固
溶C,Nを富化し、パス間時効温度を従来よりも狭い範
囲に限定することで、固溶C,Nが冷間圧延によって形
成された転位等欠陥部に固着する作用によって変形機構
に影響を大きく与え、{110}〈001〉方位粒を増
加させてやると、{110}方位粒、{111}方位粒
が増加し、{100}方位粒が減少し、従来よりも安定
して鉄損の低い一方向性電磁鋼板が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の成分および処理条件
を限定した理由について説明する。Siは、下限2.0
%未満では良好な鉄損が得られず、上限4.0%を超え
ると冷延性が著しく劣化する。Cは、下限0.015%
未満であれば2次再結晶が不安定となり、上限の0.1
00%はこれよりCが多くなると脱炭所要時間が長くな
り経済的に不利となるために限定した。
【0017】Mnは、下限0.03%未満であれば熱間
脆化を起こし、上限0.12%を超えるとかえって磁気
特性を劣化させる。S,Seは、MnS,MnSeを形
成するために必要な元素で、これらの1種または2種の
合計が下限0.005%未満ではMnS,MnSeの絶
対量が不足し、上限0.050%を超えると熱間割れを
生じ、また、最終仕上げ焼鈍での純化が困難となる。
【0018】Sol.Alは、AlNを形成するために必要
な元素で、下限0.010%未満ではAlNの絶対量が
不足し、上限0.065%を超えるとAlNの適当な分
散状態が得られない。Nは、AlNを形成するために必
要な元素で、下限0.0040%未満ではAlNの絶対
量が不足し、上限0.0100%を超えるとAlNの適
当な分散状態が得られない。Sb,Sn,Cu,Mo,
Ge,B,Te,As、およびBiは粒界に偏析させ、
2次再結晶を安定化させるが、各々の元素量で、下限
0.03%未満では偏析量が不足し、上限0.3%は経
済的理由と脱炭性の悪化によるものである。
【0019】スラブ加熱温度は、1320℃〜1450
℃とするが、1320℃未満であると製品の鉄損のバラ
ツキが大きい。1450℃を超えるとスラブが溶融す
る。高温域におけるスラブ加熱に関しては、加熱時の結
晶粒径の粗大化の抑制および組織、集合組織の改善のた
めに、1200℃以上の昇温速度を5℃/分以上とする
が、1200℃未満では粒成長への影響が少ないために
昇温速度を規定する必要はない。昇温速度5℃/分未満
では、磁気特性の改善効果が少ないためである。
【0020】中間焼鈍(最終冷延前焼鈍)での700℃
〜150℃の冷却速度は、図1に示すように8℃/秒未
満だと磁気特性の改善効果が少ない。700℃〜150
℃としたのは、その温度域が、Cの析出温度域と考えら
れるためである。
【0021】最終冷間圧延時のパス間時効温度は、図2
に示すように、200℃より低温だと磁気特性の改善効
果に乏しく、また350℃を超えても磁気特性の改善効
果が少ない。時効処理は1回でも効果があるが、圧延と
時効処理を交互に繰り返すと製品の磁気特性が一層向上
する。パス間時効時間は、1分未満だと磁気特性の改善
効果が少ない。
【0022】1200℃以上の高温域のスラブ加熱前に
50%以下の圧下で熱間変形を加えることは、柱状晶を
破壊し、熱延板の組織の均一化に有効で製品の磁気特性
のバラツキを少なくする。圧下率の上限を50%とした
のは、これ以上圧下率を高くしても、磁気特性の値に変
化がないからである。
【0023】製品板厚を0.25mm以下と限定したの
は、最近の需要ニーズに対応して低鉄損な製品を得るた
めである。2回冷延法では、熱延板焼鈍は必要に応じて
実施する。熱延板の組織や析出物の均一化に有効で、製
品の磁気特性のバラツキを少なくする。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕〔C〕0.072%、〔Si〕3.21
%、〔Mn〕0.088%、〔S〕0.025%、〔So
l.Al〕0.022%、〔N〕0.0089%、〔S
n〕0.10%、〔Cu〕0.06%を含有する鋳片の
予備加熱をガス燃焼型加熱炉で鋳片中心部の温度が12
00℃の温度域に達するまで加熱し、その後、試料番号
7,8については25%の圧下率で熱間変形を加え、そ
れ以外の試料については、熱間変形を加えることなく、
誘導加熱炉に導き、その後1380℃まで昇温速度1℃
/分または、10℃/分の条件でスラブ高温加熱を行っ
た鋳片を熱間圧延し、1.8mm厚の熱延板とした。そし
て、1100℃×2分の均熱後、700℃〜150℃の
温度域を種々の冷却速度で冷却する熱延板焼鈍を施し、
冷間圧延工程の途中板厚1.2mmと0.6mmの段階で、
250℃×3分間のパス間時効を施して0.22mmの最
終仕上げ厚とした。得られた冷延板を公知の方法で脱炭
焼鈍し焼付分離材を塗布した後最終仕上げ焼鈍を行いコ
ーティング液を塗布し製品とした。
【0025】この時の鋳片昇温速度、熱延板焼鈍での7
00℃〜150℃での冷却速度、鋳片高温加熱前の鋳片
圧下の有無および得られた製品n=10の平均の磁束密
度B8 、鉄損W17/50 、鉄損のバラツキを表1に示す。
これより、本発明例は比較例と比べ安定して低鉄損材料
が得られることが分かる。
【0026】
【表1】
【0027】〔実施例2〕〔C〕0.073%、〔S
i〕3.22%、〔Mn〕0.070%、〔Se〕0.
014%、〔S〕0.014%、〔Sol.Al〕0.02
4%、〔N〕0.0077%、〔Sb〕0.025%、
〔Mo〕0.03%を含有する鋳片を誘導加熱炉で到達
温度を1370℃とし、1200℃〜1370℃まで1
2℃/秒の昇温速度にて高温加熱を行った鋳片を熱間圧
延し、2.3mm厚の熱延板とした。試料番号1,2につ
いては、100℃×2分の熱延板焼鈍を施し、試料番号
3,4については、熱延板焼鈍を施すことさえなかっ
た。続く予備冷延で、板厚を1.6mmとした後、中間焼
鈍で、1000℃×2分均熱後、700℃〜150℃の
冷却速度を0.2℃/秒と30℃/秒の2水準で冷却し
た。最終冷間圧延工程の途中板厚1.1mmと0.6mmの
段階で300℃×10分のパス間時効を施し、0.17
mmの最終仕上げ板厚とした。得られた冷延板を公知の方
法で脱炭焼鈍し焼付分離材を塗布した後、最終仕上げ焼
鈍を行いコーティング液を塗布し製品とした。得られた
製品n=10の平均の磁束密度B8 、鉄損W17/50 、鉄
損のバラツキを表2に示す。これより、本発明例は比較
例と比べ安定して低鉄損材料が得られることが分かる。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、鉄損の低
い一方向性電磁鋼板を工業的に安定して製造でき、その
工業的効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間焼鈍での700℃〜150℃の平均冷却速
度と製品の磁束密度B8 、鉄損W17/50 の関係図であ
る。
【図2】スラブ高温加熱時のスラブ昇温速度と最終冷間
圧延時のパス間時効時間および中間焼鈍での700℃〜
150℃の冷却速度と製品の磁束密度B8 、鉄損W17/5
0 の関係図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.015〜0.100%、 Si:2.0〜4.0%、 Mn:0.03〜0.12%、 Sol.Al:0.010〜0.065%、 N :0.0040〜0.0100%、 SおよびSeのうちから選んだ1種または2種合計:
    0.005〜0.050%、さらにSb,Sn,Cu,
    Mo,Ge,B,Te,As、およびBiから選ばれる
    1種または2種以上を各々の元素量で、0.003〜
    0.3%を含有し、残部は実質的にFeの組成になる連
    続鋳造スラブを、1320℃〜1450℃に加熱均熱し
    たのち熱延し、予備冷延し、中間焼鈍し、複数パスより
    なる最終冷延を施し0.25mm以下の最終板厚とし、脱
    炭・1次再結晶焼鈍、最終仕上げ焼鈍によって一方向性
    電磁鋼板を製造する方法において、上記スラブの120
    0℃以上の高温域の加熱を5℃/分以上の昇温速度で行
    うと共に、中間焼鈍(最終冷延前焼鈍)の冷却過程にお
    いて700℃〜150℃の間を8℃/秒以上で冷却し、
    かつ最終冷延工程の少なくとも1回のパス間で鋼板を2
    00℃〜350℃の温度範囲で1分以上の時間保持する
    ことを特徴とする低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱延板に熱延板焼鈍を施すことを特徴と
    する請求項1に記載した低鉄損一方向性電磁鋼板の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 重量%で、 C :0.015〜0.100%、 Si:2.0〜4.0%、 Mn:0.03〜0.12%、 Sol.Al:0.010〜0.065%、 N :0.0040〜0.0100%、 SおよびSeのうちから選んだ1種または2種合計:
    0.005〜0.050%、さらにSb,Sn,Cu,
    Mo,Ge,B,Te,As、およびBiから選ばれる
    1種または2種以上を各々の元素量で、0.003〜
    0.3%を含有し、残部は実質的にFeの組成になる連
    続鋳造スラブを、1320℃〜1450℃に加熱均熱し
    たのち熱延し、熱延板焼鈍し、複数パスよりなる冷間圧
    延を施し0.25mm以下の最終板厚とし、脱炭・1次再
    結晶焼鈍、最終仕上げ焼鈍によって一方向性電磁鋼板を
    製造する方法において、上記スラブの1200℃以上の
    高温域の加熱を5℃/分以上の昇温速度で行うと共に、
    熱延板焼鈍(最終冷延前焼鈍)の冷却過程において70
    0℃〜150℃の間を8℃/秒以上で冷却し、かつ冷延
    工程の少なくとも1回のパス間で鋼板を200℃〜35
    0℃の温度範囲で1分以上の時間保持することを特徴と
    する低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 スラブの1200℃以上の高温域の加熱
    の前に、50%以下の圧下率で熱間変形を加えることを
    特徴とする請求項1,2または3の何れかに記載した低
    鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法。
JP23452295A 1995-09-12 1995-09-12 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JP3368409B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23452295A JP3368409B2 (ja) 1995-09-12 1995-09-12 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23452295A JP3368409B2 (ja) 1995-09-12 1995-09-12 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0978132A true JPH0978132A (ja) 1997-03-25
JP3368409B2 JP3368409B2 (ja) 2003-01-20

Family

ID=16972351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23452295A Expired - Lifetime JP3368409B2 (ja) 1995-09-12 1995-09-12 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3368409B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990088437A (ko) * 1998-05-21 1999-12-27 에모또 간지 철손이매우낮은고자속밀도방향성전자강판및그제조방법
JP4954876B2 (ja) * 2005-06-10 2012-06-20 新日本製鐵株式会社 磁気特性が極めて優れた方向性電磁鋼板及びその製造方法
JP2016089198A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 Jfeスチール株式会社 磁気特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990088437A (ko) * 1998-05-21 1999-12-27 에모또 간지 철손이매우낮은고자속밀도방향성전자강판및그제조방법
JP4954876B2 (ja) * 2005-06-10 2012-06-20 新日本製鐵株式会社 磁気特性が極めて優れた方向性電磁鋼板及びその製造方法
JP2016089198A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 Jfeスチール株式会社 磁気特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3368409B2 (ja) 2003-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0762436A (ja) 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH02274815A (ja) 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH08253816A (ja) 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法
KR100831756B1 (ko) 그레인 방향성 전기 강 스트립의 제조시 억제제 분포를조절하는 방법
JP3368409B2 (ja) 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH08134551A (ja) 鉄損及び磁歪特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH08100216A (ja) 磁気特性に優れる一方向性珪素鋼板の製造方法
JP3743707B2 (ja) 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3369443B2 (ja) 高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH04301035A (ja) 長手方向の磁気特性が均一な方向性けい素鋼板の製造方法
JP3338238B2 (ja) 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH0762437A (ja) 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH07316657A (ja) 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH08176665A (ja) 低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3498978B2 (ja) 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法
JPS63109115A (ja) 電磁特性の良好な方向性珪素鋼板の製造方法
JPH04346621A (ja) 磁気特性が優れかつ表面外観の良い無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH1030125A (ja) 一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3369371B2 (ja) 高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法
JPS60197819A (ja) 薄手高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法
JPH06330174A (ja) 低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法
JPH09170020A (ja) 高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH05117751A (ja) 一方向性電磁鋼板用連続鋳造スラブの熱間圧延方法
JP3399721B2 (ja) 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH06158168A (ja) 高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020917

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071115

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081115

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081115

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091115

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101115

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101115

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111115

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111115

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121115

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121115

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131115

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131115

Year of fee payment: 11

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131115

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term