JPH1030125A - 一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
一方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH1030125A JPH1030125A JP8189814A JP18981496A JPH1030125A JP H1030125 A JPH1030125 A JP H1030125A JP 8189814 A JP8189814 A JP 8189814A JP 18981496 A JP18981496 A JP 18981496A JP H1030125 A JPH1030125 A JP H1030125A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は鉄損の少ない一方向性電磁鋼板を製
造する方法を提供するものである。 【解決手段】 特定成分を含有する連続鋳造スラブを1
320〜1450℃にスラブ加熱したのち熱延し、所定
の工程によって一方向性電磁鋼板を製造する方法におい
て、スラブ加熱は1250℃以上の高温域を5℃/分以
上の昇温速度で加熱し、2回目の冷間圧延の少なくとも
1回のパス間で130〜350℃の温度範囲で1分以上
の時間保持することを特徴とする一方向性電磁鋼板の製
造方法。また、上記熱延板に熱延板焼鈍を施すことが望
ましい。更に、スラブの1250℃以上の高温域の加熱
の前に50%以下の圧下率で熱間変形を加えることが望
ましい。
造する方法を提供するものである。 【解決手段】 特定成分を含有する連続鋳造スラブを1
320〜1450℃にスラブ加熱したのち熱延し、所定
の工程によって一方向性電磁鋼板を製造する方法におい
て、スラブ加熱は1250℃以上の高温域を5℃/分以
上の昇温速度で加熱し、2回目の冷間圧延の少なくとも
1回のパス間で130〜350℃の温度範囲で1分以上
の時間保持することを特徴とする一方向性電磁鋼板の製
造方法。また、上記熱延板に熱延板焼鈍を施すことが望
ましい。更に、スラブの1250℃以上の高温域の加熱
の前に50%以下の圧下率で熱間変形を加えることが望
ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変圧器等の鉄心に使
用される一方向性電磁鋼板の製造方法に関するものであ
る。
用される一方向性電磁鋼板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板は主に変圧器や発電機
の鉄心材料に使用されるが、省エネルギー化が要求され
ている昨今、更に鉄損の少ない鋼板が市場から要求され
ている。鉄損の少ない一方向性電磁鋼板を得るには、
{110}<001>方位いわゆるゴス方位に高度に集
積した2次再結晶組織を得ることが必要である。2次再
結晶には、インヒビターと1次再結晶集合組織が大きく
影響することが知られている。インヒビターについて
は、仕上焼鈍を行うまでに鋼中に100〜1000Å程
度の析出分散相を均一微細に存在させることが必要で、
MnS,MnSe,Cu2 Sなどが一般的に知られてい
る。これらは、連続鋳造において粗大に析出してしまう
ので、スラブを高温に加熱し、十分溶体化させた後、熱
延でMnS,MnSe,Cu2 Sなどを均一微細に析出
させる。更には、熱延から脱炭・1次再結晶焼鈍までに
結晶粒界に粒界偏析元素のSb,Sn,Mo,Ge,
B,Te,As,Biなどを偏析させることが有効であ
る。
の鉄心材料に使用されるが、省エネルギー化が要求され
ている昨今、更に鉄損の少ない鋼板が市場から要求され
ている。鉄損の少ない一方向性電磁鋼板を得るには、
{110}<001>方位いわゆるゴス方位に高度に集
積した2次再結晶組織を得ることが必要である。2次再
結晶には、インヒビターと1次再結晶集合組織が大きく
影響することが知られている。インヒビターについて
は、仕上焼鈍を行うまでに鋼中に100〜1000Å程
度の析出分散相を均一微細に存在させることが必要で、
MnS,MnSe,Cu2 Sなどが一般的に知られてい
る。これらは、連続鋳造において粗大に析出してしまう
ので、スラブを高温に加熱し、十分溶体化させた後、熱
延でMnS,MnSe,Cu2 Sなどを均一微細に析出
させる。更には、熱延から脱炭・1次再結晶焼鈍までに
結晶粒界に粒界偏析元素のSb,Sn,Mo,Ge,
B,Te,As,Biなどを偏析させることが有効であ
る。
【0003】インヒビターの溶体化のためのスラブ高温
加熱をガス燃焼型加熱炉で行うと、スラブ表面から熱せ
られるためスラブ表層は温度が高く、スラブ中心部は温
度が低い状態になる。従って、スラブ中心部を目的の温
度に達するためには、スラブ表面温度はスラブ中心部よ
りもかなり高い温度となり、またガス燃焼型加熱炉では
昇温速度も1250℃以上で約1℃/分と遅いため、1
250℃以上の高温域に滞留する時間がかなり長くな
り、スラブ高温加熱後のスラブの結晶粒は異常粒成長し
線状細粒と呼ばれる2次再結晶不良を製品にもたらす原
因となっていた。この対策として、特公昭56−186
54号公報に提案されているようなスラブ急速加熱方式
を用いると、スラブ加熱の短時間化が可能となった。
加熱をガス燃焼型加熱炉で行うと、スラブ表面から熱せ
られるためスラブ表層は温度が高く、スラブ中心部は温
度が低い状態になる。従って、スラブ中心部を目的の温
度に達するためには、スラブ表面温度はスラブ中心部よ
りもかなり高い温度となり、またガス燃焼型加熱炉では
昇温速度も1250℃以上で約1℃/分と遅いため、1
250℃以上の高温域に滞留する時間がかなり長くな
り、スラブ高温加熱後のスラブの結晶粒は異常粒成長し
線状細粒と呼ばれる2次再結晶不良を製品にもたらす原
因となっていた。この対策として、特公昭56−186
54号公報に提案されているようなスラブ急速加熱方式
を用いると、スラブ加熱の短時間化が可能となった。
【0004】一方、1次再結晶集合組織については、従
来から熱延、冷延、焼鈍の各工程条件を適切に組み合わ
せることにより制御されてきた。特に2回目の冷間圧延
においては、特開昭58−25425号公報にパス間で
時効処理を施す方法が提案されている。
来から熱延、冷延、焼鈍の各工程条件を適切に組み合わ
せることにより制御されてきた。特に2回目の冷間圧延
においては、特開昭58−25425号公報にパス間で
時効処理を施す方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の方法で
得られる製品は、低鉄損という点では満足できるもので
はない。本発明は、スラブ加熱時の高温域におけるスラ
ブ加熱の昇温速度を規制することによりスラブ加熱時の
異常粒成長を抑制し、2回目の冷間圧延時のパス間時効
温度と時効時間をある範囲に制御することにより、低鉄
損な製品を得られる方法を提供するものである。
得られる製品は、低鉄損という点では満足できるもので
はない。本発明は、スラブ加熱時の高温域におけるスラ
ブ加熱の昇温速度を規制することによりスラブ加熱時の
異常粒成長を抑制し、2回目の冷間圧延時のパス間時効
温度と時効時間をある範囲に制御することにより、低鉄
損な製品を得られる方法を提供するものである。
【0006】
(1)重量%で、C:0.015〜0.100%、S
i:2.0〜4.0%、Mn:0.03〜0.12%、
SおよびSeの内から選んだ1種または2種合計:0.
005〜0.050%、残部は実質的にFeの組成にな
る連続鋳造スラブを、1320℃〜1450℃に加熱均
熱したのち熱延し、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施
した後、脱炭・1次再結晶焼鈍、最終仕上焼鈍によって
一方向性電磁鋼板を製造する方法において、上記スラブ
の1250℃以上の高温の温度域を5℃/分以上の昇温
速度で行うと共に、2回目の冷間圧延は複数パスよりな
り、少なくとも1回のパス間で130〜350℃の温度
範囲で1分以上の時間保持することを特徴とする一方向
性電磁鋼板の製造方法、および(2)連続鋳造スラブが
Cu,Sb,Sn,Mo,Ge,B,Te,As、およ
びBiから選ばれる1種または2種以上を各々の元素量
で0.003〜0.3%を含有することを特徴とする前
項(1)に記載の一方向性電磁鋼板の製造方法、(3)
熱延板に熱延板焼鈍を施すことを特徴とする前項(1)
または(2)に記載の一方向性電磁鋼板の製造方法であ
り、(4)スラブの1250℃以上の高温域の加熱の前
に、50%以下の圧下率で熱間変形を加えることを特徴
とする前項(1)〜(3)の何れかに記載の一方向性電
磁鋼板の製造方法である。
i:2.0〜4.0%、Mn:0.03〜0.12%、
SおよびSeの内から選んだ1種または2種合計:0.
005〜0.050%、残部は実質的にFeの組成にな
る連続鋳造スラブを、1320℃〜1450℃に加熱均
熱したのち熱延し、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施
した後、脱炭・1次再結晶焼鈍、最終仕上焼鈍によって
一方向性電磁鋼板を製造する方法において、上記スラブ
の1250℃以上の高温の温度域を5℃/分以上の昇温
速度で行うと共に、2回目の冷間圧延は複数パスよりな
り、少なくとも1回のパス間で130〜350℃の温度
範囲で1分以上の時間保持することを特徴とする一方向
性電磁鋼板の製造方法、および(2)連続鋳造スラブが
Cu,Sb,Sn,Mo,Ge,B,Te,As、およ
びBiから選ばれる1種または2種以上を各々の元素量
で0.003〜0.3%を含有することを特徴とする前
項(1)に記載の一方向性電磁鋼板の製造方法、(3)
熱延板に熱延板焼鈍を施すことを特徴とする前項(1)
または(2)に記載の一方向性電磁鋼板の製造方法であ
り、(4)スラブの1250℃以上の高温域の加熱の前
に、50%以下の圧下率で熱間変形を加えることを特徴
とする前項(1)〜(3)の何れかに記載の一方向性電
磁鋼板の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者は、鉄損の少ない製品を
得られる方法を検討したところ、スラブ加熱の高温域に
おけるスラブ加熱を5℃/分以上の昇温速度で行い、ス
ラブ加熱時の結晶粒成長を抑制し、かつ、2回目の冷間
圧延時のパス間時効温度と時効時間をある範囲に制御す
ることが非常に有効であることを見いだした。
得られる方法を検討したところ、スラブ加熱の高温域に
おけるスラブ加熱を5℃/分以上の昇温速度で行い、ス
ラブ加熱時の結晶粒成長を抑制し、かつ、2回目の冷間
圧延時のパス間時効温度と時効時間をある範囲に制御す
ることが非常に有効であることを見いだした。
【0008】図1は、本発明者が行った実験結果の一例
である。本発明に従った成分範囲にあるC:0.03
%、Si:3.05%、Mn:0.050%、S:0.
022%を含有する鋳片を連続鋳造し、短時間加熱が可
能な電気式雰囲気制御加熱型誘導加熱炉により到達温度
を1370℃とし、1250℃から1370℃までを種
々昇温速度で加熱したスラブを熱延し2.7mmの熱延板
を作成した。そして、0.760mmに冷間圧延し、85
0℃×3分の中間焼鈍を行い、続いて2回目の冷間圧延
により0.340mmに仕上げた。この2回目の冷間圧延
は3パスで行い、1パスと2パスの間で種々の温度で3
分間パス間時効を行った。2パスと3パスの間はパス間
時効を行わなかった。続いて、脱炭・1次再結晶焼鈍を
行い、最終仕上焼鈍そして絶縁コーティングを施した。
この時のスラブ昇温速度、パス間時効温度と鉄損W
17/50 の関係を図1に示す。これにより、スラブ昇温速
度を5℃/分で、かつ、パス間時効温度が130〜35
0℃の温度でパス間時効を施すことにより良好な磁気特
性を得られることが分かる。
である。本発明に従った成分範囲にあるC:0.03
%、Si:3.05%、Mn:0.050%、S:0.
022%を含有する鋳片を連続鋳造し、短時間加熱が可
能な電気式雰囲気制御加熱型誘導加熱炉により到達温度
を1370℃とし、1250℃から1370℃までを種
々昇温速度で加熱したスラブを熱延し2.7mmの熱延板
を作成した。そして、0.760mmに冷間圧延し、85
0℃×3分の中間焼鈍を行い、続いて2回目の冷間圧延
により0.340mmに仕上げた。この2回目の冷間圧延
は3パスで行い、1パスと2パスの間で種々の温度で3
分間パス間時効を行った。2パスと3パスの間はパス間
時効を行わなかった。続いて、脱炭・1次再結晶焼鈍を
行い、最終仕上焼鈍そして絶縁コーティングを施した。
この時のスラブ昇温速度、パス間時効温度と鉄損W
17/50 の関係を図1に示す。これにより、スラブ昇温速
度を5℃/分で、かつ、パス間時効温度が130〜35
0℃の温度でパス間時効を施すことにより良好な磁気特
性を得られることが分かる。
【0009】図2は、図1の実験で作成した中間焼鈍板
を供試材とし、2回目の冷間圧延により0.340mmに
仕上げた。この2回目の冷間圧延は3パスで行い、1パ
スと2パスの間で200℃の温度で種々の時間パス間時
効を行った。2パスと3パスの間はパス間時効を行わな
かった。続いて、脱炭・1次再結晶焼鈍、最終仕上焼鈍
そして絶縁コーティングを施した。この時のパス間時効
時間と鉄損W17/50 の関係を図2に示す。これにより、
パス間時効時間を1分以上とすると良好な磁気特性を得
られることが分かる。
を供試材とし、2回目の冷間圧延により0.340mmに
仕上げた。この2回目の冷間圧延は3パスで行い、1パ
スと2パスの間で200℃の温度で種々の時間パス間時
効を行った。2パスと3パスの間はパス間時効を行わな
かった。続いて、脱炭・1次再結晶焼鈍、最終仕上焼鈍
そして絶縁コーティングを施した。この時のパス間時効
時間と鉄損W17/50 の関係を図2に示す。これにより、
パス間時効時間を1分以上とすると良好な磁気特性を得
られることが分かる。
【0010】次に本発明の諸条件の限定理由を説明す
る。Cは、下限0.015%未満であれば2次再結晶が
不安定となり、上限の0.100%は、これよりCが多
くなると脱炭所要時間が長くなり経済的に不利となるた
めに限定した。Siは、下限2%未満では良好な鉄損が
得られず、上限4%を越えると冷延性が著しく劣下す
る。
る。Cは、下限0.015%未満であれば2次再結晶が
不安定となり、上限の0.100%は、これよりCが多
くなると脱炭所要時間が長くなり経済的に不利となるた
めに限定した。Siは、下限2%未満では良好な鉄損が
得られず、上限4%を越えると冷延性が著しく劣下す
る。
【0011】Mnは、下限0.03%未満であれば熱間
脆化を起こし、上限0.12%を越えるとかえって磁気
特性を劣化させる。S,Seは、MnS,MnSeを形
成するために必要な元素で、これらの一種または2種の
合計が下限0.005%未満ではMnS,MnSeの絶
対量が不足し、上限0.050%を越えると熱間割れを
生じ、また、最終仕上焼鈍での鈍化が困難となる。
脆化を起こし、上限0.12%を越えるとかえって磁気
特性を劣化させる。S,Seは、MnS,MnSeを形
成するために必要な元素で、これらの一種または2種の
合計が下限0.005%未満ではMnS,MnSeの絶
対量が不足し、上限0.050%を越えると熱間割れを
生じ、また、最終仕上焼鈍での鈍化が困難となる。
【0012】Cuは、Cu2 Sを形成するために必要な
元素で、下限0.003%未満ではCu2 Sの絶対量が
不足し、上限0.3%は経済的理由と表面キズによるも
のである。Sb,Sn,Mo,Ge,B,Te,As、
およびBiは粒界に偏析させ、2次再結晶を安定化させ
るが、各々の元素量が下限0.003%未満では偏析量
が不足し、上限0.3%は経済的理由と脱炭性の悪化に
よるものである。添加する元素は一種でもよいし、2種
以上添加してもよい。
元素で、下限0.003%未満ではCu2 Sの絶対量が
不足し、上限0.3%は経済的理由と表面キズによるも
のである。Sb,Sn,Mo,Ge,B,Te,As、
およびBiは粒界に偏析させ、2次再結晶を安定化させ
るが、各々の元素量が下限0.003%未満では偏析量
が不足し、上限0.3%は経済的理由と脱炭性の悪化に
よるものである。添加する元素は一種でもよいし、2種
以上添加してもよい。
【0013】スラブ加熱温度は1320〜1450℃と
する。1320℃未満だと鉄損が悪化する。1450℃
を超えるとスラブが溶融する。高温域のスラブ加熱はス
ラブの結晶粒の異常粒成長を防止するため5℃/分以上
とする。1250℃未満では粒成長への影響が少ないた
め昇温速度を規定しない。
する。1320℃未満だと鉄損が悪化する。1450℃
を超えるとスラブが溶融する。高温域のスラブ加熱はス
ラブの結晶粒の異常粒成長を防止するため5℃/分以上
とする。1250℃未満では粒成長への影響が少ないた
め昇温速度を規定しない。
【0014】2回目の冷間圧延時のパス間時効温度は、
図1に示すように130℃未満や350℃を超えると磁
気特性改善効果を得られない。時効処理は1回でも効果
があるが、圧延と時効処理を交互に繰り返すと製品の磁
気特性が一層向上する。パス間時効は、図2に示すよう
に1分未満では磁気特性改善効果に乏しい。
図1に示すように130℃未満や350℃を超えると磁
気特性改善効果を得られない。時効処理は1回でも効果
があるが、圧延と時効処理を交互に繰り返すと製品の磁
気特性が一層向上する。パス間時効は、図2に示すよう
に1分未満では磁気特性改善効果に乏しい。
【0015】1250℃以上の高温域のスラブ加熱前に
50%以下の圧下率で熱間変形を加えると、スラブの柱
状晶を破壊し、熱延板の組織の均一化に有効で磁気特性
が改善する。上限の50%は効果が飽和するからであ
る。熱延板焼鈍は必要に応じて実施する。熱延板の組織
の均一化に有効で、製品の磁気特性を改善する。
50%以下の圧下率で熱間変形を加えると、スラブの柱
状晶を破壊し、熱延板の組織の均一化に有効で磁気特性
が改善する。上限の50%は効果が飽和するからであ
る。熱延板焼鈍は必要に応じて実施する。熱延板の組織
の均一化に有効で、製品の磁気特性を改善する。
【0016】
(実施例1)[C]0.035%、[Si]3.09
%、[Mn]0.053%、[S]0.022%、[C
u]0.12%を含有する鋳片を連続鋳造し、スラブを
ガス燃焼型加熱炉で1150℃に加熱し、その後一部の
試料は種々の圧下率で熱間変形を加え、電気式雰囲気制
御型誘導加熱炉に装入した。そして、1250℃を超え
る領域の昇温速度を種々変えて1360℃に加熱した。
その後、2.2mmに熱間圧延し、0.810mmに冷間圧
延し、880℃×3分の中間焼鈍を行い、ついで0.2
90mmに2回目の冷間圧延をした。この2回目の冷間圧
延は、2パスで行い、1パスと2パスの間でパス間時効
温度を種々変え4分間の時効処理を行った。そして、脱
炭・1次再結晶焼鈍、最終仕上焼鈍、絶縁コーティング
を施して製品とした。この時のスラブ高温加熱前の熱間
変形の圧下率、スラブ昇温速度、パス間時効温度、時効
時間と磁束密度B8 、鉄損W17/50 の関係を表1に示
す。これより、本発明例は、比較例よりも低鉄損が得ら
れることが分かる。
%、[Mn]0.053%、[S]0.022%、[C
u]0.12%を含有する鋳片を連続鋳造し、スラブを
ガス燃焼型加熱炉で1150℃に加熱し、その後一部の
試料は種々の圧下率で熱間変形を加え、電気式雰囲気制
御型誘導加熱炉に装入した。そして、1250℃を超え
る領域の昇温速度を種々変えて1360℃に加熱した。
その後、2.2mmに熱間圧延し、0.810mmに冷間圧
延し、880℃×3分の中間焼鈍を行い、ついで0.2
90mmに2回目の冷間圧延をした。この2回目の冷間圧
延は、2パスで行い、1パスと2パスの間でパス間時効
温度を種々変え4分間の時効処理を行った。そして、脱
炭・1次再結晶焼鈍、最終仕上焼鈍、絶縁コーティング
を施して製品とした。この時のスラブ高温加熱前の熱間
変形の圧下率、スラブ昇温速度、パス間時効温度、時効
時間と磁束密度B8 、鉄損W17/50 の関係を表1に示
す。これより、本発明例は、比較例よりも低鉄損が得ら
れることが分かる。
【0017】
【表1】
【0018】(実施例2)[C]0.050%、[S
i]3.10%、[Mn]0.060%、[S]0.0
11%、[Se]0.016%、[Sb]0.014
%、[Mo]0.012%を含有する鋳片を連続鋳造
し、1200℃にガス燃焼型加熱炉でスラブ加熱し、そ
の後電気式抵抗通電加熱方式で1250℃以上の温度域
を15℃/分の速度で昇温し、1390℃に加熱した。
そして、2.00mm厚に熱延した。そして、1050℃
×2分の熱延板焼鈍をし、0.68mmに冷間圧延し、8
80℃×3分の中間焼鈍を行い、その後0.220mmに
2回目の冷間圧延を行った。この冷間圧延は3パスで行
い、表2に示す条件で時効処理した。そして、脱炭・1
次再結晶焼鈍を行い、次いで焼鈍分離剤を塗布した後、
最終仕上焼鈍を行い、コーティング液を塗布した。この
時の時効処理条件と磁気特性の関係を表2に示す。これ
より、本発明例は比較例よりも磁気特性が良好であるこ
とが分かる。
i]3.10%、[Mn]0.060%、[S]0.0
11%、[Se]0.016%、[Sb]0.014
%、[Mo]0.012%を含有する鋳片を連続鋳造
し、1200℃にガス燃焼型加熱炉でスラブ加熱し、そ
の後電気式抵抗通電加熱方式で1250℃以上の温度域
を15℃/分の速度で昇温し、1390℃に加熱した。
そして、2.00mm厚に熱延した。そして、1050℃
×2分の熱延板焼鈍をし、0.68mmに冷間圧延し、8
80℃×3分の中間焼鈍を行い、その後0.220mmに
2回目の冷間圧延を行った。この冷間圧延は3パスで行
い、表2に示す条件で時効処理した。そして、脱炭・1
次再結晶焼鈍を行い、次いで焼鈍分離剤を塗布した後、
最終仕上焼鈍を行い、コーティング液を塗布した。この
時の時効処理条件と磁気特性の関係を表2に示す。これ
より、本発明例は比較例よりも磁気特性が良好であるこ
とが分かる。
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、鉄損の少
ない製品を製造でき、その工業的効果は非常に大きい。
ない製品を製造でき、その工業的効果は非常に大きい。
【図1】スラブの1250℃以上の高温域の加熱の昇温
速度と、2回目の冷間圧延のパス間時効温度と製品のW
17/50 の関係を示す図。
速度と、2回目の冷間圧延のパス間時効温度と製品のW
17/50 の関係を示す図。
【図2】2回目の冷間圧延のパス間時効時間と製品の鉄
損W17/50 の関係を示す図。
損W17/50 の関係を示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.015〜0.100
%、Si:2.0〜4.0%、Mn:0.03〜0.1
2%、SおよびSeの内から選んだ1種または2種合
計:0.005〜0.050%、残部は実質的にFeの
組成になる連続鋳造スラブを、1320℃〜1450℃
に加熱均熱したのち熱延し、中間焼鈍を挟む2回の冷間
圧延を施した後、脱炭・1次再結晶焼鈍、最終仕上焼鈍
によって一方向性電磁鋼板を製造する方法において、上
記スラブの1250℃以上の高温の温度域を5℃/分以
上の昇温速度で行うと共に、2回目の冷間圧延は複数数
パスよりなり、少なくとも1回のパス間で130〜35
0℃の温度範囲で1分以上の時間保持することを特徴と
する一方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 連続鋳造スラブがCu,Sb,Sn,M
o,Ge,B,Te,As、およびBiから選ばれる1
種または2種以上を各々の元素量で0.003〜0.3
%を含有することを特徴とする請求項1に記載の一方向
性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 熱延板に熱延板焼鈍を施すことを特徴と
する請求項1または2に記載の一方向性電磁鋼板の製造
方法。 - 【請求項4】 スラブの1250℃以上の高温域の加熱
の前に、50%以下の圧下率で熱間変形を加えることを
特徴とする請求項1,2または3の何れか1つに記載の
一方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8189814A JPH1030125A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8189814A JPH1030125A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1030125A true JPH1030125A (ja) | 1998-02-03 |
Family
ID=16247664
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8189814A Withdrawn JPH1030125A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1030125A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0959142A2 (en) * | 1998-05-21 | 1999-11-24 | Kawasaki Steel Corporation | Grain oriented electromagnetic steel sheet and manufacturing method thereof |
JP2015193921A (ja) * | 2014-03-17 | 2015-11-05 | Jfeスチール株式会社 | 鉄損特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法 |
-
1996
- 1996-07-18 JP JP8189814A patent/JPH1030125A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0959142A2 (en) * | 1998-05-21 | 1999-11-24 | Kawasaki Steel Corporation | Grain oriented electromagnetic steel sheet and manufacturing method thereof |
EP0959142A3 (en) * | 1998-05-21 | 2003-09-17 | Kawasaki Steel Corporation | Grain oriented electromagnetic steel sheet and manufacturing method thereof |
JP2015193921A (ja) * | 2014-03-17 | 2015-11-05 | Jfeスチール株式会社 | 鉄損特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法 |
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