JPH0976355A - 三次元造形方法およびそれに用いる装置 - Google Patents

三次元造形方法およびそれに用いる装置

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JPH0976355A
JPH0976355A JP7256793A JP25679395A JPH0976355A JP H0976355 A JPH0976355 A JP H0976355A JP 7256793 A JP7256793 A JP 7256793A JP 25679395 A JP25679395 A JP 25679395A JP H0976355 A JPH0976355 A JP H0976355A
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cutting
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thin
thin plates
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 均一な材質からなり複雑な形状を有する造形
物を造形でき、かつ、不要部分の除去が簡単に行え、さ
らに、安価につき工程も簡単になる三次元造形物の造形
方法およびそれに用いる装置を提供することである。 【構成】 この発明は、造形物を構成する各薄板におけ
る造形物の中空部分に該当する部分は切削除去してしま
い、他の不要部分には格子状の切断線を入れて、造形後
にこの不要部分をばらばらにすることにより除去しやす
くなるようにしている。また、薄板同士の接着を溶剤を
用いて薄板の表面を溶解し、その溶解した部分を他の薄
板に押圧して溶着することにより行うようになってい
る。したがって、どのような形状の造形物の造形でもで
きるようになり、不要部分の除去が容易になるととも
に、造形物全体が均一な材質で構成されるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、樹脂製の薄板に切削
や切断を加えながら複数枚接着積層して形成される積層
体から不要部分を除去し、任意の三次元造形物を得る三
次元造形方法およびそれに用いる装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、材料を複数の層状に積層して
造形を行う三次元造形方法や三次元造形装置があり、こ
のような中に、特開平6−190929号公報に開示さ
れたものがある。これは、図10(A)〜(D)に示す
ような工程を繰り返すことにより所定の形状を形成する
ものである。
【0003】すなわち、この工程においては、まず、図
10(A)に示すように、光透過性のフィルム1とこれ
に接着させた光硬化性の接着剤からなる接着層2をレー
ザー切断によって所定の形状に切断し、その上に、図1
0(B)に示すように、下面の所定部分に接着剤が塗布
されたフィルム3を搬送機構4によって搬送する。この
際、フィルム3に塗布された接着剤は、所定部分が露光
部5によって照射されて硬化し、硬化部6と未硬化部7
になる。
【0004】ついで、フィルム1上方のフィルム3を供
給側部分からレーザー切断部8で切断して離しフィルム
1上に載置したのち、図10(C)に示すように、フィ
ルム3を介して線光源9で未硬化部7を照射することに
より硬化させ、フィルム3の下面およびフィルム1の上
面に密着する接着層7aを形成させる。つぎに、押さえ
ローラ10でフィルム3の上面を押圧することにより、
接着層7aをフィルム1,3に密着させるとともに、ギ
ャップセンサ11で測定しながらフィルム3の上面を平
面にする。
【0005】そして、図10(D)に示すように、フィ
ルム3とこれに接着する接着層7a,硬化部6の所定部
分をレーザー切断部8で切断し不要部分を除去すること
により、図10(E)に示すような三次元の造形物12
が得られるというものである。なお、図10(A)から
図10(D)の操作をさらに繰り返すことによりさらに
多層の形状物を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では造形できる造形物の形状に制限があり、複雑な
形状、特に、内側に凹部があるようなものの造形は不可
能な場合がある。すなわち、この方法で造形できる凹部
の形状は、開口側が広く中に入る程狭くなるような単純
な形状に限られ、複雑な形状の凹部や開口側が狭い凹部
を有する造形物の造形は凹部に相当する不要部分の除去
が不可能であるためできないという問題を有している。
【0007】また、造形可能な形状の造形物の造形であ
っても、凹部に相当する部分の除去が、面倒であった
り、困難であったりするという問題を有している。さら
に、上記方法で得られた造形物12は、フィルムの部分
と接着層の部分とが交互に積み重なって構成されるた
め、構造上その強度等が不均一になる。このため、この
造形物を試作品として実際に使用した場合、適正な使用
ができないことが生じるという問題も有している。
【0008】また、上記の方法に使用される装置は、光
硬化性の接着剤を使用するため内部を光のない暗闇の状
態にしたり、硬化のための露光部5や線光源9が必要と
なり構造が複雑で高価につくという問題を有している。
さらに、接着剤の硬化を二度に分けて行う等しなければ
ならず工程が複雑になるという問題も有している。
【0009】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、複雑な形状のものでも造形でき、均一な材質
からなる造形物を造形でき、かつ、不要部分の除去が容
易で、さらに、安価につき工程も簡単になる三次元造形
方法およびそれに用いる装置の提供をその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明にかかる三次元造形方法は、台部の上面に
樹脂製の薄板を載置し、その造形物形成部分の輪郭を切
断するとともに、不要部分の所定箇所を切削や切断した
のち、さらに、その薄板の上に他の樹脂製の薄板を接着
積層し、その薄板に切削や切断を行うといったことを繰
り返すことにより三次元造形物を造形する方法であっ
て、上記薄板における造形物の中空部分に該当する部分
は切削除去するとともに、他の不要部分には造形後の不
要部除去を容易にするために所定間隔の格子状切断線を
入れ、上記薄板同士の接着は、当接する二つの面のうち
のいずれか一方の面に溶剤を塗布してその面を溶解した
状態で、この薄板同士を重ね合わせ互いに押圧すること
により行うことを第1の要旨とし、上記薄板同士の接着
を、当接する二つの面のうちのいずれか一方の面に溶剤
を塗布してその面を溶解した状態で、この薄板同士を重
ね合わせ互いに押圧することにより行い、得られた造形
物を、水溶性でかつ上記造形物を構成する樹脂よりも高
融点の粉体内に埋設し、その状態で、上記造形物および
粉体を上記樹脂の融点よりも高温で上記粉体の融点より
も低温の温度で加熱し上記造形物を一体化することを第
2の要旨とする。
【0011】そして、この発明にかかる三次元造形装置
は、上面が平面状になり上下移動可能な台部と、この台
部上面に樹脂製の薄板を供給する供給部と、上記薄板の
下面に溶剤を塗布する溶剤塗布部と、上記台部上面に供
給された薄板を台部側に押圧する押圧部と、上記台部上
面に対して相対的にX,Y,Z方向に移動し台部上に供
給された薄板を切削する切削部とを備えたことを要旨と
する。
【0012】
【作用】すなわち、この発明は、従来例のように、薄い
フィルムを、造形物を構成する部分と不要部分の境界だ
けに切断線を設けながら接着積層し、最後に不要部分を
除去することにより造形物を得るというものではなく、
造形物の中空部分に該当する部分は切削除去してしま
い、他の不要部分には格子状の切断線を入れて、造形後
にこの不要部分をばらばらにすることにより除去しやす
くすることができるようになる。
【0013】この結果、複雑な形状の中空部を有する造
形物、例えば、迷路のように入りくんだ中空部を有する
造形物の造形も可能になり、また、中空部以外の不要部
分の除去作業も極めて容易になる。
【0014】また、薄板同士の接着が、接着剤によるも
のでなく、溶剤を用いて薄板の表面部分を溶解しその溶
解された部分を他の薄板に押圧することにより行うた
め、造形物全体が均一な材質で構成されるようになる。
さらに、得られた造形物を加圧状態で加熱することによ
り、溶解後再固化し造形物から層状の境界部をなくして
全体を均一な状態にすることができる。このため、より
実際に使用されるものに近い試作品が得られそのワーキ
ングテスト等を適正に行えるようになる。
【0015】さらに、樹脂製の薄板の接着が、薄板を溶
剤で接着することにより行われるため、露光等を気にす
ることなく通常の状態の中で行え、従来のような接着の
ための光源等が不要になり装置が簡単になり低コスト化
が図れるようになる。また、薄板同士の接着も従来例の
ように数度に分けて行うのではなく、一度に薄板の全面
に溶剤を塗布することにより行うためその工程も単純化
できるようになる。つぎに、実施例にもとづいて、この
発明による三次元造形方法およびそれに用いる装置を詳
しく説明する。
【0016】
【実施例】図1は、この発明の一実施例による三次元造
形装置20を示している。図において、21は、下面中
央部に取り付けられた伸縮ねじ22を介してモータ23
の作動によりZ(上下)方向に移動可能な台部であり、
上面が水平な平面状に形成されている。24は、台部2
1の上方に配設され台部21上をX(左右),Y(前
後)方向に移動できるスピンドル(上部の駆動機構等は
省略している)であり、その下端に切削用のエンドミル
25が取り付けられている。
【0017】このスピンドル24の下部側には、側部に
ホース26が連結された略円筒状のカバー部27がエン
ドミル25を覆うようにして設けられており、上記ホー
ス26の他端は三次元造形装置20の外部に設けられた
吸引機(図示せず)に連結されている。このため、上記
吸引機を作動させることにより、エンドミル25が材料
を切削した際に生じる材料の削り粉を三次元造形装置2
0の外部に排出することができる。
【0018】28は三次元造形装置20の一端側に配設
され、内部にアクリル製の薄板(厚み0.25mm)29
を収容する箱型のストッカーである。このストッカー2
8は、低部中央に配設されたばね30の上端部に支受板
31が上下に摺動自在に取り付けられ、その上面に複数
の薄板29が上方に付勢された状態で載置されている。
そして、このストッカー28の他端側側壁32は上端部
が他の側壁の上端部よりもやや低く(薄板29一枚の厚
み程度)なって、最上段の薄板29の他端側側面が外部
に露呈するようになっている。
【0019】33a,33bはストッカー28の上端位
置に一定間隔を保って平行に配設された送りローラであ
り、回転することにより、ストッカー28内の最上段の
薄板29を台部21側へ送り出すようになっている。3
4a,34bは、ストッカー28と台部21の間におけ
るストッカー28寄りの位置に上下に接触状態で配設さ
れたローラであり、35a,35bはその台部21寄り
の位置に上下に接触状態で配設された押圧ローラと塗布
ローラである。なお、上記送りローラ33a,33b,
ローラ34aおよび押圧ローラ35aは、同じ高さを保
って水平方向に一定間隔で配設されている。
【0020】上記ローラ34a,34bおよび押圧ロー
ラ35a,塗布ローラ35bはストッカー28から送り
出される薄板29を挟持して所定方向(ローラ34aお
よび押圧ローラ35aは反時計周り、ローラ34bおよ
び塗布ローラ35bは時計周り)に回転することによ
り、薄板29を台部21上に送るようになっている。
【0021】また、押圧ローラ35aは塗布ローラ35
bの上方で軸を中心として回転する外、台部21の前後
両側に配設されたレール(図示せず)に沿って移動し、
台部21の上面全体を押圧できるようになっている。3
6は、内部にアセトン37が収容されたタンクであり、
塗布ローラ35bの下部側がアセトン37に接触するよ
うにして塗布ローラ35bの下方に配設されている。し
たがって、押圧ローラ35aと塗布ローラ35bの間を
薄板29が通過すると、その薄板29の下面に沿って塗
布ローラ35bが転動しアセトン37を薄板29の下面
に塗布するようになる。
【0022】なお、この三次元造形装置20の周囲は壁
部(図示せず)によって囲われており、図示していない
スピンドル24を作動させる上部の駆動機構や各ローラ
の駆動機構等はこの壁部によって支えられている。
【0023】この構成において、造形を行う際には、ま
ず、台部21上に薄板29を軽く接着させた状態(造形
後、台部21から取り外せる程度に)で載置する。つい
で、吸引機を作動させ、スピンドル24を台部21上の
中央付近に移動させ回転させるとともに、X,Y方向に
移動させることにより、エンドミル25でその薄板29
の中に所定の形状を切削加工し、例えば、図2に示すよ
うな状態にする。
【0024】すなわち、図2においては、38は造形物
を構成する造形物部分であり、その外輪郭に切断線39
が設けられている。40は造形物の中空部分に該当する
部分でありその全面が切削によって除去されている。ま
た、41はその他の不要部分であり、その全面に一定間
隔を保った格子状の切断線42が設けられている。上記
切削加工の際、切削により生じた薄板29の切削粉は、
カバー部27からホース26を介して外部の吸引機に吸
い取られていく。
【0025】つぎに、台部21を少し(台部21上の薄
板29の上面の高さが、送りローラ33a,33b,ロ
ーラ34aおよび押圧ローラ35aの下端部の高さより
薄板29一枚の厚み分低くなるように)下降させ、スピ
ンドル24の回転および吸引機の作動を停止させるとと
もに、スピンドル24を上方に退避させる。そして、ス
トッカー28の送りローラ33a,33bを回転駆動さ
せ、ストッカー28内の最上段の薄板29aをローラ3
4a,34b側に送り出す。
【0026】ついで、ローラ34a,34b,押圧ロー
ラ35aおよび塗布ローラ35bを回転駆動させ、薄板
29aを、図3に示したローラ34a,34b,押圧ロ
ーラ35aおよび塗布ローラ35bの位置から台部21
上に載置された薄板29の上面側に移動させる。この
際、薄板29aの下面には塗布ローラ35bの周面に含
浸したアセトン37が塗布され、薄板29aの下面は溶
解した状態になる。
【0027】そして、さらに、ストッカー28から最上
段の薄板29bを送り出し、ローラ34a,34b,押
圧ローラ35aおよび塗布ローラ35b側に移動させる
ことにより、薄板29bの先端部で薄板29aの後端部
を押し、薄板29aを薄板29の上面にぴったり合うよ
うに重ねる。
【0028】つぎに、図4に示すように、押圧ローラ3
5aを台部21上で往復移動させ、薄板29aの上面を
押圧することにより、薄板29aを薄板29に接着させ
る。そして、再度、吸引機を作動させるとともに、スピ
ンドル24を下降させ、回転駆動させながらX,Y方向
に移動させることにより、図2に示した薄板29の造形
物部分38の上層に該当する形状に、薄板29aを切削
加工する。
【0029】つぎに、再度、台部21を下降させ、吸引
機の作動およびスピンドル24の回転を停止させるとと
もに、このスピンドル24を上方に退避させる。そし
て、ローラ34a,34b,押圧ローラ35aおよび塗
布ローラ35bを回転駆動させて薄板29bを薄板29
aの上面に移動させるとともに、送りローラ33a,3
3bを回転させてストッカー28から最上段の薄板29
cを送り出し、その先端部で薄板29bの後端部を押す
ことにより、薄板29bを薄板29aの上面に合わせ
る。
【0030】ついで、上記押圧や切削加工を行うといっ
た一連の操作を繰り返すことにより、図5に示すような
積層体43を得ることができ、この積層体43から、切
断線42によって小さなブロック状に分離された不要部
分41を除去することにより、造形物44(図6参照)
が得られる。なお、上記積層体43を得るまでの一連の
工程は、予め準備されたプログラムに沿ったコンピュー
ター制御により行われる。
【0031】つぎに、上記造形物44を、図6に示すよ
うな加圧具45内に加圧状態で収容する。この加圧具4
5は、上部開口縁部の内壁にねじ46が刻設された箱状
本体47の上記ねじ46にねじ蓋48を螺合させて構成
されている。そして、内部には塩(Nacl)49が充
填されている。
【0032】したがって、上記造形物44を箱状本体4
7の塩49内に埋設し、その状態でねじ蓋48を回転し
て締め付けることにより、造形物44を加圧状態にする
ことができる。ついで、この造形物44が収容された加
圧具45を加熱炉(図示せず)に入れ、アクリルの融点
(約220℃)よりも高温で、塩49の融点(800
℃)よりも低温の温度、例えば、270℃の温度で10
分程度、加熱する。そして、常温に冷却したのち、上記
加熱具45から造形物44を取り出す。
【0033】この結果、上記造形物44は、一旦、溶解
したのち再固化するため、アセトン37を用いた溶着に
よる接着層によって形成される層状の境界線部分44a
がなくなり、図7に示すような全体が均一な造形物50
になる。また、この造形物50に塩49が付着していて
も水洗いすることにより、塩49が溶け簡単に除去する
ことができる。
【0034】このように、上記実施例では、積層される
各薄板29に形成される造形物部分38の中空部分40
は切削除去してしまい、造形物部分38の周囲に位置す
る不要部分41には格子状の切断線42を入れるように
なっている。この結果、細い迷路のように入りくんだ複
雑な中空部を有する造形物であっても、エンドミル25
で切削可能な形状であればどのような造形物の造形も可
能になる。
【0035】また、不要部分41は、切断線42によっ
て小さなブロック状に分割されるため、台部21上から
積層体43を取り外す際にも多少除去され、台部21か
ら積層体43を取り外したのちに造形物44に付着して
いるものも、容易に除去することができる。なお、上記
不要部分41は、造形後は容易に除去できることが必要
であるが、造形中は型くずれすることなくそのその形状
を維持しておく必要があり、型くずれしやすい形状の場
合は、外周端部側に切り残し部を少し設けておいてもよ
い。
【0036】また、薄板29同士の接着が、アクリルを
溶解するアセトン37を薄板29の表面に塗布してその
表面部分を溶解しその溶解された部分を他の薄板29に
押圧することにより行われるため、造形物44全体が異
なる材質を含まない均一な材質で構成されるようにな
る。このため、実際に使用されるものに近い試作品が得
られその強度テスト等を含めたワーキングテストを適正
に行えるようになる。さらに、この造形物44を加圧具
45を用いた加圧状態で加熱することにより、溶着によ
る不均一な境界線部分44aがなくなり、全体が層状で
ない均一な造形物50になる。これによって、上記効果
はさらに増すようになる。
【0037】また、三次元造形装置20が、台部21や
スピンドル24を備えた一般的な切削装置からなる部分
と、薄板29を上方の出口側に付勢しながら収容するス
トッカー28と、このストッカー28から台部21に薄
板29を搬送する各ローラ34a,34b等で構成さ
れ、これらのローラのうちの塗布ローラ35bが薄板2
9へのアセトン37の塗布も行うようになっているた
め、装置全体の構造が簡単で安価につくようになる。ま
た、これを用いた工程も単純になる。
【0038】図8は、この発明の他の実施例による三次
元造形装置51を示している。この三次元造形装置で
は、塗布ローラ35bの上側に配設されたローラ52は
定位置での回転のみ可能で水平移動はできないようにな
っている。したがって、このローラ52が水平移動する
ためのレールは設けられていない。そしてスピンドル2
4の横には、板状の押圧板53がX,Z方向に移動可能
に設けられている。
【0039】上記押圧板53は、台部21上に薄板29
が載置された際に、スピンドル24とともにX方向に移
動したのち、図9に示すように、下方に移動し薄板29
の全面を水平に押圧するようになっている。それ以外の
部分の構成については、上記実施例の三次元装置20と
同様である。したがって、同一部分に同一符号を記して
いる。
【0040】このように構成したことにより、積層され
る複数の薄板29の水平状態をより正確にすることがで
きるようになる。その他の作用効果については上記実施
例と同様である。
【0041】なお、上記実施例においては、薄板とし
て、アクリル製のものを使用し、これを接着する溶剤と
してアセトン37を使用しているが、これに限定するも
のでなく、他の樹脂からなる薄板を用い、溶剤としてそ
の樹脂を溶解するものを使用することもできる。
【0042】すなわち、薄板にナイロン製のものやPE
T製のものを使用する場合、溶剤にはフェノールを用
い、薄板にポリカーボネート製のものやポリふっ化ビニ
リデン製のものを使用する場合、溶剤にはケトンを用
い、薄板にポリサルホン製のものや芳香族ポリエステル
製のものを使用する場合、溶剤にはハロゲン化炭化水素
を用いる等、薄板を構成する樹脂に応じて適宜、溶剤を
替えて用いる。
【0043】また、加圧具45内に充填する粉体は、N
aclからなる塩49に限らず、Kclや他の塩のを含
めて水溶性で融点が造形物44を構成する樹脂より高い
ものであればなんでも使用することができる。さらに、
切削手段としては、エンドミル25を用いたスピンドル
24に代えて、公知のレーザー発生器やレーザー照射部
を備えた装置を用いることもできる。
【0044】また、溶剤の塗布も塗布ローラ35bに代
えて、スプレーのような溶剤噴霧器を用いてもよい。こ
の場合、上記溶剤噴霧器は、搬送される薄板29の下側
に配設して、薄板29の下面に溶剤を塗布するようにし
てもよいし、上記溶剤噴霧器を搬送される薄板29の上
側または台部21の上側に配設して、薄板29の上面に
溶剤を塗布するようにしてもよい。その際、塗布ローラ
35bは、薄板29の搬送用のローラとしてのみ用い
る。
【0045】
【発明の効果】この発明は、以上のように、造形物の中
空部分に該当する部分は切削除去し、他の不要部分には
格子状の切断線を入れるようになっている。その結果、
複雑な形状の中空部を有する造形物の造形も可能にな
り、また、中空部以外の不要部分の除去作業も極めて容
易になる。また、薄板同士の接着に、接着剤のような造
形物と材質の異なるものを使用しないため、造形物全体
が均一な材質で構成されるようになる。このため、より
実際に使用されるものに近い試作品が得られるようにな
る。さらに、造形後に加圧加熱処理することにより、層
状の造形物の層がなくなって全体が均一な状態の造形物
を得ることができるようになる。また、装置が単純化で
き低コスト化が図れるようになるとともに、造形の工程
も単純化できるようになるという効果も奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による三次元造形装置の構
成を示す構成図である。
【図2】薄板の切削切断形状を示す平面図である。
【図3】台部に薄板を搬送する状態を示す構成図であ
る。
【図4】台部上に搬送された薄板を押圧ローラで押圧し
接着する状態を説明する構成図である。
【図5】薄板の積層体が形成された状態を説明する構成
図である。
【図6】造形物が埋設された加圧具の内部の状態を説明
する縦断面図である。
【図7】加圧加熱処理により得られた造形物を示す縦断
面図である。
【図8】この発明の他の実施例による三次元造形装置の
構成を示す構成図である。
【図9】他の実施例の三次元装置で薄板を押圧接着する
状態を示す構成図である。
【図10】従来例による造形の工程を説明する説明図で
あり、(A)は下側に接着層が設けられたフィルムを所
定の形状に切断した状態、(B)はその上方に新たなフ
ィルムを搬送した状態、(C)は下側のフィルムと上側
のフィルムを接着した状態、(D)は上側のフィルムを
切断する状態、(E)は得られた造形を示している。
【符号の説明】
20,51 三次元造形装置 21 台部 22 伸縮ねじ 23 モータ 24 スピンドル 25 エンドミル 28 ストッカー 29 薄板 30 ばね 31 支受板 33a,33b 送りローラ 34a,34b ローラ 35a 押圧ローラ 35b 塗布ローラ 36 タンク 37 アセトン 38 造形物部分 39,42 切断線 40 中空部分 41 不要部分 43 積層体 44、50 造形物 49 塩

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台部の上面に樹脂製の薄板を載置し、そ
    の造形物形成部分の輪郭を切断するとともに、不要部分
    の所定箇所を切削や切断したのち、さらに、その薄板の
    上に他の樹脂製の薄板を接着積層し、その薄板に切削や
    切断を行うといったことを繰り返すことにより三次元造
    形物を造形する方法であって、上記薄板における造形物
    の中空部分に該当する部分は切削除去するとともに、他
    の不要部分には造形後の不要部除去を容易にするために
    所定間隔の格子状切断線を入れ、上記薄板同士の接着
    は、当接する二つの面のうちのいずれか一方の面に溶剤
    を塗布してその面を溶解した状態で、この薄板同士を重
    ね合わせ互いに押圧することにより行うことを特徴とす
    る三次元造形方法。
  2. 【請求項2】 台部の上面に樹脂製の薄板を載置し、そ
    の造形物形成部分の輪郭を切断するとともに、不要部分
    の所定箇所を切削や切断したのち、さらに、その薄板の
    上に他の樹脂製の薄板を接着積層し、その薄板に切削や
    切断を行うといったことを繰り返すことにより三次元造
    形物を造形する方法であって、上記薄板同士の接着を、
    当接する二つの面のうちのいずれか一方の面に溶剤を塗
    布してその面を溶解した状態で、この薄板同士を重ね合
    わせ互いに押圧することにより行い、得られた造形物
    を、水溶性でかつ上記造形物を構成する樹脂よりも高融
    点の粉体内に埋設し、その状態で、上記造形物および粉
    体を上記樹脂の融点よりも高温で上記粉体の融点よりも
    低温の温度で加熱し上記造形物を一体化することを特徴
    とする三次元造形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1で得られた造形物を、水溶性で
    かつ上記造形物を構成する樹脂よりも高融点の粉体内に
    埋設し、その状態で、上記造形物および粉体を上記樹脂
    の融点よりも高温で上記粉体の融点よりも低温の温度で
    加熱し上記造形物を一体化する三次元造形方法。
  4. 【請求項4】 上面が平面状になり上下移動可能な台部
    と、この台部上面に樹脂製の薄板を供給する供給部と、
    上記薄板の下面に溶剤を塗布する溶剤塗布部と、上記台
    部上面に供給された薄板を台部側に押圧する押圧部と、
    上記台部上面に対して相対的にX,Y,Z方向に移動し
    台部上に供給された薄板を切削する切削部とを備えたこ
    とを特徴とする三次元造形装置。
  5. 【請求項5】 供給部が、積層状態の薄板を上方に付勢
    する押上部と最上段の薄板の上面に当接し回転によりそ
    の最上段の薄板を台部側に移動させるローラからなるス
    トッカーを備え、溶剤塗布部が、上記ストッカーと台部
    の間に配設された溶剤タンクと、この溶剤タンク内の溶
    剤にその下部側を接触させるとともにその上端部を溶剤
    タンクの上方を通過する薄板の下面に接触させ溶剤を塗
    布するローラからなっている請求項4に記載の三次元造
    形装置。
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