JPH0975748A - 光触媒構造体及びその製造方法 - Google Patents

光触媒構造体及びその製造方法

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JPH0975748A
JPH0975748A JP7248897A JP24889795A JPH0975748A JP H0975748 A JPH0975748 A JP H0975748A JP 7248897 A JP7248897 A JP 7248897A JP 24889795 A JP24889795 A JP 24889795A JP H0975748 A JPH0975748 A JP H0975748A
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和仁 橋本
Kazunori Saito
一徳 斎藤
Tetsuo Yoshimoto
哲夫 吉本
Shigemichi Miyama
重道 深山
Noriyoshi Saito
徳良 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い光触媒活性を有する新規な耐熱性の光触
媒構造体を提供するものである。 【構成】 耐熱性を有する基体上に酸化リンを含む酸化
チタンを主成分とする光触媒活性を有する薄膜を形成し
て得られる光触媒構造体であり、酸化チタン中の酸化リ
ンの含有量が酸化チタンに対して0.1〜15重量%、
酸化チタンの膜厚が0.02〜5μmである光触媒構造
体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた光触媒作用
と光透過性を有する薄膜を、種々の構造物を構成する部
材の表面に設けることを可能にした酸化チタン光触媒構
造体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から光を照射すると物質の分解や酸
化を促進する活性を示す光触媒は知られているが、最近
この光触媒を利用して硫黄酸化物や窒素酸化物等の大気
汚染物質を除去する試みがなされている。その光触媒と
して酸化チタンを用いる試みは数多く報告されている
(例えば、特開平6−385号公報、特開平6−496
77号公報、特開平6ー39285号公報など)。とこ
ろで、近年、地球環境汚染に対する関心が高まっている
中で、大気中のCO2、NOX及びSOXなどの物質を除
去する要請が高まり、又、これら有害物質を除去してア
メニティー空間を創出する構想にもみられるように、居
住空間の脱臭・抗菌・防汚・防かび等への要請がますま
す強くなってきている。そこで、このような汚染物質等
を除去するために、上述の酸化チタン光触媒を利用する
ことが考えられるが、従来の酸化チタン光触媒は、一般
に、処理すべき気体や液体等の被処理物を光触媒が収納
された容器内に導入して光触媒に接触させ、同時に、容
器内部に人工の光源を設置するか外部から光を導入して
光触媒に照射させるものであった。この場合、光触媒に
対する被処理物の接触面積の増大や光触媒に対する効率
の良い光照射を行うために、光触媒を微粒子状にした
り、あるいは、光触媒を透明基材に保持するようにした
試みなどもなされている。
【0003】酸化チタンの光触媒活性を向上させる目的
で、酸化チタンに各種の金属や金属酸化物を添加してそ
の効果を検討したものでは、Pt(西本、大谷等、日
化、No.2、246、1984)、Cu、Fe、P
b、Na、Mg、Ta、Znなど(飯田、野崎、工化、
70、1285、1967)等多くの報告があるが、リ
ンに関してその添加効果を報告した例は見出せない。
【0004】しかし、光触媒活性に関しては何等言及さ
れていないが、、酸化チタン薄膜形成用組成物として、
例えば特開昭60ー40171号公報ではチタンアルコ
キシド化合物にリン化合物等を添加した組成物を、又特
開昭60ー43608号公報や特開昭61ー10194
9号公報では、酸化チタンや酸化珪素にリンを添加した
酸化チタン膜や酸化珪素膜を管球や電球に応用している
例が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の酸化チタ
ン光触媒においては、例えば、微粒子状に形成すること
によって被処理物との接触面積は増やせても、光を受け
る実質面積についてはこれをそれ程増大させることはで
きないので、結局トータルの触媒効果を大きく向上させ
ることは困難であった。また、従来の酸化チタン光触媒
は、これを例えば硝子基板等の上に薄膜状に形成する場
合でも、酸化チタン光触媒自体は透明性の低いものであ
った。これは、従来は、薄膜状に形成して実用レベルの
光触媒作用を得るためには、酸化チタンゾルを基板状に
焼結形成するか、あるいは、酸化チタンを微粉末にして
これをバインダーで溶いて基板に塗布する以外に適当な
方法がないと考えられていたためである。しかし、前者
では高い活性を有しある程度の光透過性を有するものが
得られているが、実用に耐える膜強度を得るためには、
焼結温度を硝子軟化点以上の温度に設定する必要があ
り、少なくとも硝子基板に形成するのは困難なものであ
った。しかも、光透過性については、いわゆる白濁傾向
を示すもので、透明性が得られるほどに可視光を通過さ
せることは困難であり、この意味では不透明に近いもの
であった。また、後者の場合は、高温での焼結等の工程
は不要であるが、微粉末化した酸化チタンを塗布するた
めに白濁化して不透明なものであった。
【0006】更に、この種の分野で従来からよく知られ
ているゾルゲル法やCVD法等によって薄膜状にした酸
化チタンでは、透明性は確保できるが、実用レベルの光
触媒活性が得られていない。
【0007】このように、従来の酸化チタン光触媒は、
実用レベルの光触媒活性を示すものは、いずれも実質的
には不透明なものであったので、例えば、従来の光触媒
を透明硝子基板等の表面に形成しても、この硝子基板の
裏面から照射した光を光触媒の表面部に有効に到達させ
ることができないので、結局、利用できる光は、光触媒
が形成された表面側から照射されたものだけとなる。従
って、この光触媒を、例えば、窓硝子の表面に形成して
室内の清浄化を行う場合には、当然、光触媒を硝子の室
内に面した表面に形成することになる。そうすると、光
触媒活性に利用できるのは室内側から照射される光だけ
となり、室外から入射する太陽光は利用できないという
重大な欠点が生じてしまう。
【0008】一般に、光触媒活性は、膜表面側から光を
照射する時、光の波長や強度にも関係するが、これらが
一定の時は、膜厚に比例して増加する領域を持つ。しか
し、膜裏面側から光を照射する時は、膜厚が厚すぎると
可視光の透過率の低下と酸化チタン膜そのものによって
紫外線が吸収されてしまい、膜表面の活性に寄与しにく
くなることが予想される。また、膜厚が薄すぎると可視
光の透過率は高く下地の風合いを損なうことも少ない
が、従来の例えば熱線反射ガラスなどでは光触媒活性は
認められないものであった。故に、好ましくは光触媒薄
膜の膜厚ができるだけ薄く、かつ光触媒活性が高い酸化
チタン薄膜が必要とされている。
【0009】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、優れた光触媒作用と光透過性を有する薄膜
を、種々の構造物を構成する部材の表面に設けることを
可能にした光触媒構造体及びその製造方法を提供するこ
とを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明にかかる光触媒構造体は、(構成1) 耐熱
性基体上に、酸化リンを含む酸化チタンを主成分とする
光触媒活性を有する薄膜を形成してなる構成とし、この
構成1の態様として、(構成2) 前記酸化リン含有量
が、酸化チタンの0.1〜15重量パーセントであるこ
とを特徴とする構成とし、構成1または2の態様とし
て、(構成3) 前記酸化リンを含む酸化チタンを主成
分とする薄膜の膜厚が、0.02〜5μmであることを
特徴とする構成とし、構成1ないし3のいずれかの態様
として、(構成4) 前記酸化チタン薄膜は少なくとも
アナターゼ結晶を含むものであることを特徴とする構成
とし、構成1ないし4のいずれかの態様として、(構成
5) 前記耐熱性基体と酸化リンを含む酸化チタンを主
成分とする薄膜との間にプレコート薄膜を設けたことを
特徴とする構成とし、
【0011】この構成5の態様として、(構成6) 前
記プレコート薄膜が酸化珪素を主成分とする材料からな
ることを特徴とする構成とし、この構成6の態様とし
て、(構成7) 前記プレコート薄膜の酸化珪素中に酸
化リンが、酸化珪素に対して1〜20重量パーセント含
有することを特徴とする構成とし、構成5ないし7のい
ずれかの態様として、(構成8) 前記プレコート薄膜
の膜厚が、0.02〜1μmであることを特徴とする構
成とし、構成1ないし8のいずれかの態様として、(構
成9) 前記耐熱性基体が、透光性基体であることを特
徴とする構成とし、構成9の態様として、(構成10)
前記透光性基体を使用した光触媒構造体において、波
長550nmの光に対する光直線透過率が50%以上で
あることを特徴とする構成とし、構成9または10の態
様として、(構成11) 前記透光性基体に設けた酸化
チタン薄膜の膜厚が0.02〜0.1μmであることを特
徴とする構成とし、構成9ないし11のいずれかの態様
として、(構成12) 前記透光性基体が硝子基体であ
ることを特徴とする構成とし、この構成12の態様とし
て、(構成13) 前記硝子基体が、アルカリ成分含有
硝子であることを特徴とする構成とし、更に、構成1か
ら8のいずれかの態様として、(構成14) 前記耐熱
性基体が、不透明セラミックスからなるものであること
を特徴とする構成とし、また、構成1から8のいずれか
の態様として、(構成15) 前記耐熱性基体が、金属
からなるものであることを特徴とする構成とした。
【0012】また、本発明にかかる酸化チタン光触媒構
造体の製造方法としては、(構成16) 耐熱性基体の
上に酸化リンを含む酸化チタンを主成分とする薄膜及び
プレコート薄膜を、ゾルゲル法によって成膜する工程を
含む製造工程によって請求項1ないし15のいずれかに
記載の光触媒構造体を製造することを特徴とする構成
と、(構成17) 耐熱性基体の上に酸化リンを含む酸
化チタンを主成分とする薄膜及びプレコート薄膜をパイ
ロゾル法もしくはCVD(化学的蒸着)法によって成膜
する工程を含む製造工程によって請求項1ないし15の
いずれかに記載の光触媒構造体を製造することを特徴と
する構成としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】上述の構成1によれば、酸化リン
を含む酸化チタンを主成分とする光触媒活性を有する薄
膜を形成することにより、膜厚の薄い領域でも優れた光
触媒作用を有し、特に耐熱性が要請される種々の構造物
を構成する部材として用いることができる光触媒構造体
を得ることが可能になった。
【0014】これは、酸化チタンに酸化リンを添加する
ことにより、酸化チタンの結晶性、特にアナターゼ結晶
相を増加させ、更にいったん生成したアナターゼ相から
ルチル相への加熱による相変化を防止又は遅延させる作
用のため、酸化チタンの光触媒活性の増加と形成された
酸化チタン薄膜の白濁防止に寄与する。そのため、実質
的に酸化チタン薄膜の膜厚が、1μm以下の薄い領域で
も、高い光触媒活性を発揮でき、更に膜厚の薄い0.1
μm前後の領域でも活性の高い薄膜とすることができた
ことにより、結果的に可視光の透過率の向上や機械的強
度の向上、光触媒薄膜の裏面側からの紫外線を利用する
場合の、光触媒活性の向上に寄与する。更に、酸化リン
は、耐熱性基体などから熱拡散されたナトリウムなどと
酸化チタンより優先的に反応すると考えられるため、酸
化チタンの触媒活性低下を防止することができる。
【0015】これにより、特に透明性が要請される種々
の構造物、例えば、硝子窓等を構成する部材としてこの
光触媒構造体を用いることができることになり、室内の
大気汚染物質の除去、脱臭・抗菌・防汚・防かびなどの
作用を特別な装置を用いることなく窓硝子自体によって
行わせる画期的な効果を得ることが可能になる。しか
も、窓硝子に適用する場合、太陽光をきわめて有効に利
用できる大きなメリットが得られる。更に、蛍光灯やハ
ロゲンランプ等の様に紫外線を放出する照明灯や照明器
具の硝子容器の外面に適用すれば、可視光照度の低下の
少ないセルフクリーニング照明器具となる。
【0016】光触媒作用に優れた本発明にかかる酸化チ
タン薄膜を設けた光触媒構造体では、油脂の分解に代表
される防汚機能だけではなく、抗菌、脱臭機能をも合わ
せ持つものとなっている。建築物、輸送車両などの内面
や外面に付着する排気ガスの油煙、タバコのヤニなどが
付着すると同時に室内室外の光によって分解されるた
め、結果としてゴミや埃の付着しにくい構造体となって
いる。こうした油脂分の発生量としては、例えば電気化
学および工業物理化学vol63 No.1 p11(1995)に記載され
ているように、一般家庭の厨房のレンジ上部の換気扇付
近という極めて大量の油脂の付着が予想される場所でも
0.1mg/cm2・日以下であり、一般家庭の居間な
どでのタバコヤニやタールの汚染量は1μg/cm2
日以下であると報告されている。従って、光触媒構造体
に照射する光量によっても大きく異なるものの、油脂分
解量としての1〜5μg/cm2・Hrという値は実用
上十分な値であると言える。
【0017】構成2によれば、酸化リンを含む酸化チタ
ンを主成分とする薄膜中の酸化リンの含有量を酸化チタ
ンの0.1〜15重量パーセントとすることによって、
酸化チタンの結晶性の増加と形成された酸化チタン膜の
白濁防止に寄与する。含有量が0.1重量パーセント未
満の場合は、触媒活性向上に対する効果が少なく、また
15重量パーセントを越える場合は、酸化チタン薄膜の
耐湿性や光触媒活性が低下し、逆に結晶化を阻害する場
合もある。特に酸化チタン薄膜の膜厚が1μm以下の領
域では、酸化リンの含有量は酸化チタンに対して1〜8
重量パーセントが好ましく、透明性も高い上に光触媒活
性の高い優れた光触媒薄膜が得られる。
【0018】構成3によれば、酸化リンを含む酸化チタ
ンを主成分とする薄膜の膜厚を、0.02〜5μmとす
ることによって、高い光触媒活性を有し、しかもなお高
い光透過率を有する酸化チタン薄膜が得られる。膜厚を
0.02μm未満にすると十分な光触媒活性が得られな
くなる。又、膜厚を5μmを越えたものにすると、光透
過率の低下や酸化リンの添加効果が低下したり機械的強
度が低下する。また、薄膜の膜厚が5μmを越えると成
膜に時間を要したり膜質が低下したりするという問題も
生じやすい。又、膜厚を大きく例えば1μm以上とし、
酸化チタン薄膜中のナトリウム濃度を傾斜的に低下さ
せ、薄膜表面近傍においての酸化チタンを光触媒として
活用することも可能であり、この場合、プレコート薄膜
を省略することも可能である。
【0019】構成4によれば、酸化チタン薄膜をアナタ
ーゼ結晶が含まれるものとすることにより、より光触媒
活性の優れたものにすることができる。
【0020】構成5によれば、耐熱性基体と酸化リンを
含む酸化チタンを主成分とする薄膜との間にプレコート
薄膜を設けることにより、耐熱性基体の物質が酸化チタ
ン薄膜に拡散する等の理由による光触媒活性の低下とい
った弊害を防止でき、これにより、耐熱性基体の材質の
選択の幅を広げることが可能となった。さらには、耐熱
性基体に直接酸化チタン薄膜を形成する場合には、耐熱
性基体の物質が酸化チタン薄膜に拡散して、それが電荷
分離作用を行う酸化チタンには至らない程度に酸化チタ
ン薄膜の膜厚を厚くする必要があったが、その必要がな
くなったことで、耐熱性基体の材質如何にかかわらず、
酸化チタン薄膜の膜厚を著しく薄くしても高い光触媒活
性が得られるようになった。この点は、光照射効率の本
質的向上及び光透過性向上の観点から重大な意味を持
つ。
【0021】構成6によれば、プレコート薄膜は酸化珪
素を主成分とする材料からなるものとすることにより、
効率よく耐熱性基体からの拡散防止を行い、構成7によ
れば、この酸化珪素中に酸化リンが1〜20重量パーセ
ント含有するものとすることにより、さらにその効率を
向上できる。
【0022】プレコート薄膜の膜厚は、構成8のよう
に、0.02〜1μmであれば、プレコート薄膜として
採用可能な物質一般を考慮した場合でも、アルカリ等の
光触媒活性を低下させる物質の拡散を十分に阻止する効
果を得ることができる。逆に、0.02μm未満では十
分な物質拡散阻止効果を得ることが困難になり、1μm
を越えた膜を形成しても物質拡散阻止効果にはそれ以上
有利な点は生じないばかりでなく、光透過性が低下した
り、成膜操作が煩雑になるため好ましくない。
【0023】さらに、耐熱性基体として構成9のように
透光性基体を使用することにより、本発明の酸化チタン
薄膜の特性はより一層活かされることとなる。即ち、本
発明にかかる光触媒薄膜は透明で光触媒活性の高いもの
であるため、基体として透光性のものを使用すればその
特徴を十分発揮せしめることができるからである。
【0024】また、構成10に示すように透光性基体に
設けた光触媒構造体の、波長550nmの光に対する光
直線透過率を50%以上とすることで、従来にない極め
て透明性の高い光触媒体とすることが可能である。
【0025】この透光性基体の上に設ける酸化チタン薄
膜の膜厚を、構成11に示すように0.02〜0.1μm
とすることによって、光触媒活性は少し低下しても非常
に高い光透過性と良好な膜質が得られると共に、薄膜の
機械的特性の向上を図ることが可能である。
【0026】構成12のように、透光性基体を硝子基体
とすることで前記の特徴はさらに発揮されることとな
る。
【0027】さらに、構成13のように硝子成分として
アルカリ成分含有硝子を使用することで、汎用されてい
る安価なソーダライムガラスなどを透光性基体として使
用できるため、建築物用の窓ガラス、自動車、電車等の
輸送機器用の窓ガラス、各種鏡などへの応用を考えると
非常に大きいメリットと言える。
【0028】また、構成14に示すように、本発明にか
かる光触媒構造体は、基体としてタイル、レンガ、プロ
ックなどの不透明セラミックスを使用したものとするこ
とも可能であり、これによって耐熱性の構造材料を本発
明にかかる光触媒構造体とすることが可能である。こう
した構造材料には通常、光触媒作用を損なう成分が含ま
れており、熱処理の過程で光触媒層に拡散しやすいた
め、従来は光触媒薄膜を設けても高い光触媒作用を示す
ものは得られない場合が多かった。しかしながら、本発
明にかかるプレコート層を設けることでこうした問題も
解決され、例えば下地タイルの風合いを全く損なうこと
のないような薄い光触媒薄膜でも十分実用に耐える活性
を示すものが得られるようになった。
【0029】また、構成15に示すように、各種の金属
基体を使用して本発明にかかる光触媒構造体とすること
も可能で、基体としてはアルミ、ステンレス、鉄、銅な
どの金属が使用可能である。
【0030】更に、構成16の方法によれば、構成1な
いし15の光触媒構造体を比較的容易に得ることが可能
になる。ゾルゲル法の例としては、成分溶液への基体の
ディップ引き上げによる方法、成分溶液の転写印刷やス
クリーン印刷による方法、スピンコーターによる方法、
ドクターブレードやロールコーターを使用する方法、ス
プレー熱分解による方法などが採用可能である。基体の
大きさや種類、必要とされる膜厚などに応じて使い分け
ることが望ましい。
【0031】また、構成17の方法によれば、構成1な
いし15の光触媒構造体を比較的容易に得ることが可能
である。パイロゾル法は超音波を使用して成分溶液を微
細で均一の大きさのミストとし基体近傍で熱分解させて
成膜する一種のCVD法であり、触媒活性の高い光触媒
構造体の製造が可能である。また、成分化合物を選択す
ることにより通常この種の薄膜の成膜に良く使用される
CVD法によっても所望の光触媒構造体が得られる。
【0032】
【実施例】
<実施例1>図1は本発明の実施例1にかかる酸化チタ
ン光触媒構造体の部分断面図である。以下、図1を参照
にしながら実施例1の酸化チタン光触媒構造体及びその
製造方法を説明する。図1において、この実施例の酸化
チタン光触媒構造体は、耐熱性基体1の上に酸化リンを
含む酸化チタン薄膜2を形成したものである。
【0033】耐熱性基体1は、厚さ1mm、縦100m
m、横50mmのソーダライムガラス基板である。酸化
リンを含む酸化チタン薄膜2は、アナターゼ結晶を含む
膜厚0.1μmの薄膜である。この酸化チタン光触媒構
造体は次のようにして製造した。厚さ1mmのソーダラ
イムガラスを、縦100mm、横50mmに切り出し耐
熱性基体1を作成した。
【0034】次に、酸化リンを含む酸化チタン薄膜の原
料として、日本曹達(株)製のチタニウムテトライソプ
ロポキシド(A−1)284g、試薬一級のアセチルア
セトン300g、試薬一級のエタノール1010g、試
薬一級の五酸化リン2.47gを使用して還流下1時間
反応させて、酸化チタン含有量5%、酸化リン添加量3
%のディップ用薬剤1596gを調製した。室温下、こ
の薬剤をディップ引き上げ装置にセットして、前記ソー
ダライムガラスからなる耐熱性基体を浸漬し毎分25c
mの速度で引き上げた。得られた基体は100℃のオー
ブンで乾燥後500℃に加熱した電気炉中で焼成し、こ
の一連の操作を2回繰り返した。この酸化チタン薄膜
は、島津製作所製UV−VIS自記分光光度計による繰
り返し反射干渉法により膜厚を測定したところ、0.1
μmであった。この薄膜の油脂分解活性は以下の方法に
より調べ、図3の表に測定結果を示した。また、このガ
ラス板の一部を切断し薄膜X線回折により分析したとこ
ろ、アナターゼ結晶を含むものであった。
【0035】油脂分解活性測定法 得られた酸化チタン光触媒構造体の防汚機能を評価する
指標として、表面に付着する油脂分をどの程度早く分解
できるかを測定した。リノール酸を主成分とする市販の
サラダ油を使用してブラックライトによる紫外線照射時
の分解量を定量することとした。酸化チタン薄膜を設け
た5cm角の大きさの光触媒構造体の表面に紙で薄くサ
ラダ油を1cm2当たり0.1〜0.15mgになるよう
塗布した。塗布量は塗布前後の重量を0.1mgまで秤
量可能な精密天秤により測定して求めた。松下電器製ブ
ラックライトブルー蛍光灯FL15BLB−15Wを3
本並べて点灯し酸化チタン光触媒構造体表面での365
nmの波長を中心とする紫外線強度が3〜3.5mW/
cm2になるようブラックライトと酸化チタン光触媒構
造体との距離を調節した後、ブラックライトの点灯後の
経過時間と重量減少量の関係を求めるため所定時間にお
ける酸化チタン光触媒構造体の重量を測定し、重量減少
の傾きが一定になった時の、1時間当たり光触媒薄膜1
cm2当たりの油脂分解量を計算して分解活性の指標と
した。
【0036】<実施例2〜5>実施例1と同様にして酸
化チタン薄膜形成用の薬液中の酸化リンの含有量を変え
たほかは実施例1と同様の構成を有し、同様の方法で製
造したものであるので、各実施例の酸化リン含有量、膜
厚、油脂分解活性の測定結果を、図3に表にして掲げて
その詳細説明は省略する。
【0037】図3の表に示されるように、各実施例とも
優れた油脂分解活性と十分な光透過性を有していること
が分かる。
【0038】<実施例6〜8>実施例1と同様の薬液を
使用して、ディップ引き上げ速度を変えたりディップ回
数を増やしたりすることにより酸化チタン薄膜の膜厚を
変えたほかは実施例1と同様の構成を有し、同様の方法
で製造したものであるので、各実施例の膜厚、油脂分解
活性の測定結果を、図3に表にして掲げてその詳細説明
は省略する。但し、実施例7および8では酸化チタン薄
膜の膜厚を厚くするため、ディツプ成膜回数を実施例7
では40回、実施例8では75回行って所定の膜厚の光
触媒構造体とした。
【0039】図3の表に示されるように、酸化チタン薄
膜の膜厚が薄くても、酸化リンが添加されていると、優
れた油脂分解活性と十分な光透過性を有していることが
分かる。
【0040】<実施例9>この実施例は、図2に示した
ように実施例6における酸化チタン光触媒薄膜2と耐熱
性基体1との間に、SiO2膜からなるプレコート薄膜
3をディップコートによって形成したものである。Si
2からなるプレコート薄膜は、Si成分を含有する薬
液によるディップ引き上げ法により製造した。使用した
薬液はエチルシリケート186g、エタノール681
g、酢酸206g、濃塩酸0.3gを混合し還流下10
時間反応させてアルコキシシラン重合体からなる薬液を
調製した。冷却後、この薬液の所定量をディツプ装置に
セットした後ソーダライムガラスからなる基体を浸漬し
毎分20cmの速度で引き上げた。100℃−10分間
乾燥後、500℃の電気炉中で30分間焼成しプレコー
ト薄膜を設けた透光性基体とした。この基体に実施例6
と同様の方法により酸化チタン光触媒薄膜を設けたもの
であり、各実施例の膜厚、並びに油脂分解活性の測定結
果は図3に表にして掲げてその詳細説明は省略する。
【0041】図3の表に示されるように、プレコート薄
膜がない実施例1〜5に比較して、酸化チタン薄膜を薄
くしても優れた油脂分解活性を示すことから、より高い
透明性を確保できることが分かる。
【0042】<実施例10〜12>これらの実施例は、
実施例9で使用したプレコート薄膜形成用薬液に酸化リ
ンを所定量加えてプレコート薄膜を形成したものであ
る。得られたプレコート薄膜を設けた基体の上に、実施
例9と同様にして酸化チタン光触媒薄膜を設けて光触媒
構造体とした。プレコート形成用薬液に添加する酸化リ
ンの添加量を変えた時の、膜厚、油脂分解活性の測定結
果を図3に表にして示す。
【0043】図3の表に示されるように、プレコート薄
膜中に酸化リンが含まれていない実施例9に比較して、
同一の膜厚の酸化チタン薄膜の場合より高い油脂分解活
性を示すことが分かる。
【0044】<実施例13,14>これらの実施例は、
実施例10におけるプレコート薄膜形成用の薬液を使用
して、ディップ引き上げ速度を変えたり成膜回数を増や
して重ね塗りを行ったりしてプレコート薄膜の膜厚を変
えたものである。得られたプレコート薄膜を設けた基体
の上に、実施例9と同様にして酸化チタン光触媒薄膜を
設けて光触媒構造体とした。プレコート薄膜の膜厚を変
えた時の、油脂分解活性の測定結果を図3に表にして示
す。
【0045】これらの実施例でも優れた油脂分解活性が
得られていることが分かる。
【0046】<実施例15>この実施例は、透光性基体
に石英硝子を使用したもので厚さ1mm、縦50mm、
横70mmの石英硝子基体を用い、実施例1と同一の薬
液と方法により膜厚0.03μmの酸化チタン薄膜光触
媒構造体を製造した。油脂分解活性の測定結果を図3に
表にして示す。
【0047】図3の表からも分かる通り、プレコート薄
膜がない場合でも基体が石英のため基体から熱処理中に
拡散してくる不純物がなく優れた油脂分解活性を示し
た。
【0048】<実施例16>酸化リンを含む酸化チタン
薄膜の原料として、チタニウムテトライソプロポキシド
(A−1)284g、試薬一級のジエチレングリコール
265g、試薬一級のアセチルアセトン100g、試薬
一級のエタノール944g、試薬一級の五酸化リン2.
47gを混合し還流下1時間反応させて転写印刷用の薬
液とした。日本写真印刷製の転写印刷機JV型を使用し
て厚さ1mm、縦200mm、横150mmのソーダラ
イムガラス基板に酸化チタン層を印刷した。なお、使用
したソーダライムガラス基板は実施例10と同一の薬液
と方法により酸化リンを1.5%含むSiO2を主成分と
するプレコート薄膜を0.1μmの厚さで予め設けたも
のである。転写印刷後、150℃で乾燥、500℃で焼
成した。この一連の印刷、乾燥、焼成を5回繰り返し
て、膜厚0.5μmの酸化チタン光触媒薄膜を得た。油
脂分解活性の測定結果を図3に表にして示す。
【0049】<実施例17>厚さ1mm、縦200m
m、横150mmのソーダライムガラス板をパイロゾル
成膜装置へセットし、日本曹達(株)製のアトロンNS
i−500を超音波により霧化させて20ml/min
の速度で500℃に加熱したガラス板に2分間導入し酸
化珪素からなる膜厚0.04μmのプレコート薄膜を形
成させた。次に、チタニウムテトライソプロポキシド
(A−1)142g、五酸化リン1.2g、アセチルア
セトン1L、アルコール100gからなる原料溶液を同
じように超音波により霧化させて20ml/minの速
度で上記装置へ導入して500℃で1分間成膜すること
により、ガラス板の上に膜厚0.06μmの酸化チタン
薄膜が形成された。このガラス板の一部を切断し薄膜X
線回折により分析したところ、アナターゼ結晶を含むも
のであった。図3の表ににこのガラス板の一部を使用し
て測定した、光直線透過率と油脂分解活性を示す。
【0050】図3の表からも分かる通り、光直線透過
率、油脂分解活性ともに良好な光触媒構造体が得られて
いる。
【0051】<実施例18>厚さ1mm、縦100m
m、横70mmのソーダライムガラス板を常圧CVD成
膜装置の成膜部へセットし、チタニウムテトライソプロ
ポキシド(A−1)142g、及びリン酸トリエチル
2.7gを各々200℃に加熱した気化器に別々に仕込
み、窒素ガスを50ml/minで気化器へ導入してバ
ブリングさせ、加熱した導管を通して別々にガラス板を
設置した成膜部へ導入した。成膜部は500℃に加熱
し、空気200ml/minを一緒に導入し5分間成膜
することにより、ガラス板の上に膜厚0.6μmの酸化
リンを含む酸化チタン薄膜が形成された。このガラス板
の一部を切断し薄膜X線回折により分析したところ、ア
ナターゼ結晶を含むものであった。図3の表ににこのガ
ラス板の一部を使用して測定した、光直線透過率と油脂
分解活性を示す。
【0052】図3の表からも分かる通り、光直線透過
率、油脂分解活性ともに良好な光触媒構造体が得られて
いる。
【0053】<実施例19〜21>耐熱性基体として縦
100mm、横100mmの浴室用タイル(実施例1
9)、縦200mm、横100mm、厚さ70mmら切
り出した造園用レンガ(実施例20)、汎用のコンクリ
ートプロックを縦200mm、横150mmに切り出し
たもの(実施例21)を使用して、ディップ法により実
施例10と同一の薬液と方法により酸化リンを含むSi
2を主成分とするブレコート薄膜を設けた。さらにそ
の上に実施例1と同一の薬液を使用して10回ディップ
成膜することにより、0.5μmの膜厚の酸化リンを含
む酸化チタン薄膜を設けた光触媒構造体とした。但し、
実施例20の造園用レンガについては、所定寸法に切り
だしたものを500℃に加熱した炉中に入れて噴霧器で
実施例19に使用したディップ用の薬液を10回スプレ
ーし熱分解させて酸化チタン薄膜を形成させて光触媒構
造体とした。これらの構造体の一部を切断し薄膜X線回
折により分析したところ、アナターゼ結晶を含むもので
あった。図3の表にこれらの構造体の一部を5cm×5
cmに切り出して測定した、油脂分解活性を示す。
【0054】図3の表からも分かる通り、良好な油脂分
解活性を有する光触媒構造体が得られている。
【0055】<実施例22〜24>耐熱性基体として縦
100mm、横100mmのアルミ板(実施例22)、
縦100mm、横100mmのステンレス板(実施例2
3)、縦100mm、横100mmの鉄板(実施例2
4)を使用して、ディップ法により実施例13と同一の
方法により酸化リンを含むSiO2を主成分とするブレ
コート薄膜を設けた。さらにその上に実施例1と同一の
薬液を使用して5回ディップ成膜することにより、酸化
チタン薄膜を設けた光触媒構造体とした。これらの構造
体の一部を切断し薄膜X線回折により分析したところ、
アナターゼ結晶を含むものであった。図3の表ににこれ
らの構造体の一部を5cm×5cmに切り出して測定し
た、油脂分解活性を示す。
【0056】図3の表からも分かる通り、良好な油脂分
解活性を示す光触媒構造体が得られている。
【0057】<比較例1>この比較例は、実施例1にお
ける酸化チタン薄膜2を形成する薬液に五酸化リンのみ
を加えずに調製したものを使用して、酸化チタン薄膜の
膜厚を0.1μmとしたほかは実施例1と同様の構成を
有し同様の方法で作成したものである。この比較例の油
脂分解活性は図3の表に掲げ詳細説明は省略する。図3
の表からも分かるように、光触媒活性は実施例1に比較
して非常に低いことが分かる。
【0058】<比較例2>この比較例は、比較例1の薬
液を使用して、成膜回数を増やして、酸化チタン薄膜の
膜厚を変えたものである。比較例2では酸化チタン薄膜
の膜厚の厚いものを得るため、デッィプ成膜を90回行
って光触媒構造体とした。これらの比較例の油脂分解活
性は、図3の表に掲げて詳細説明は省略する。図3の表
からも分かるように、光触媒活性は比較例2では膜厚が
厚いため相当高くなっているが光直線透過率は50%以
下の低いものになっている。
【0059】<比較例3>この比較例は、実施例9と同
様の薬液と方法によりプレコート薄膜を設けたものであ
り、酸化チタン薄膜形成用には実施例1の薬液をアセチ
ルアセトンを使用して2倍に希釈し、引き上げ速度を毎
分10cmとして成膜して、膜厚0.01μmの酸化リ
ンを含む酸化チタン光触媒薄膜を作成した例である。光
触媒活性は図3の表からも分かるように非常に低いもの
となっている。 <比較例4,5>これらの比較例は、実施例9と同様の
方法によりプレコート薄膜を設けたものであり、薬液の
濃度をエタノールで3倍に希釈したり(比較例4)、成
膜回数を30回に増やすことにより(比較例5)、プレ
コート薄膜の膜厚を変えたものである。このプレコート
薄膜を設けた基体の上に比較例1と同一の方法により酸
化チタン薄膜を設けて光触媒構造体とした。これらの光
触媒構造体の光直線透過率や油脂分解活性などを図3の
表にまとめて示した。プレコート薄膜の膜厚が薄い比較
例4の場合では光触媒活性は低いものとなっていること
が分かる。比較例5のプレコート薄膜は膜厚が1.2μ
mと厚いため、プレコート薄膜に要求される性能は満足
しており、酸化チタン薄膜の油脂分解活性もある程度認
められている。しかし、膜厚が厚いため成膜回数も30
回と多く、実用上煩雑なものとなっている。これらの比
較例4および5の光直線透過率や油脂分解活性の値を図
3の表にまとめて示した。
【0060】<比較例6>この比較例は、実施例11の
プレコート薄膜形成用薬剤を使用し、薬液濃度をエタノ
ールを使用して3倍に希釈するにより、膜厚0.01μ
mの酸化リンを含有した酸化珪素からなるプレコート薄
膜を設けたものである。このプレコート薄膜の上に比較
例1と同一の方法により酸化チタン薄膜を設けて光触媒
構造体としたものである。この光触媒構造体の光直線透
過率や油脂分解活性などを図3の表に示した。
【0061】<比較例7>この比較例は、実施例20と
同一の方法により切りだしたレンガにプレコート薄膜を
設けないで酸化チタン薄膜を設けたものである。実施例
20と同一の薬液と方法により酸化チタン薄膜を形成さ
せて光触媒構造体とした。得られた構造体の油脂分解活
性を図3の表に示した。下地のレンガからの有害成分の
熱拡散により酸化チタン薄膜の活性が実施例20に比較
して大きく低下していることが分かる。
【0062】酸化チタン薄膜の油脂分解活性は、例えば
基体がソーダライムガラス等の場合基体から拡散してく
るナトリウム等のアルカリ成分により阻害されるので、
こうした成分の拡散防止のため、基体上にプレコート薄
膜を設けることが望ましい。この場合は安価なソーダラ
イムガラス等が有利に使用できるので実用上の意義は極
めて大きい。
【0063】<実施例25>実施例7に使用したものと
同一の方法により酸化チタン光触媒構造体の試料を作成
し、その試料を使用して以下に記載の方法により抗菌性
の評価を行った。その結果、光を照射しない暗所におい
たものでは大腸菌の生存率が1時間後で91%、2時間
後で90%、3時間後で90%であったのに対して、フ
ラックライトの光を照射したものでは1時間後の生存率
が62%、2時間後で37%、3時間後で14%であっ
た。また、蛍光灯の光を照射したものでも大腸菌の生存
率は、1時間後で82%、2時間後で61%、3時間後
で25%であり、暗所においた光触媒構造体の試料に比
べて高い抗菌性を示した。
【0064】抗菌性評価方法 5cm角に切り出した試料を80%エタノールで消毒し
150℃で乾燥して滅菌後、予め前培養と希釈を行って
菌濃度を105個/mlに調節しておいた大腸菌の菌液
を0.2ml試料面に滴下しインキュベーター内にセッ
トする。ブラックライト(15W×2本、光源との距離
10cm)の光を照射するもの、蛍光灯(15W×2
本、光源との距離10cm)の光を照射するもの、光照
射を全く行わないもの、の3種の光照射条件で各々4個
の試料をセットする。所定時間後(1、2、3、4時間
後)に試料を取り出し、滅菌生理食塩水に浸した滅菌ガ
ーゼで試料上の菌液を拭き取る。拭き取った滅菌ガーゼ
を10mlの滅菌生理食塩水に入れ十分攪拌する。この
上澄み菌液をオートクレーブ滅菌した95mmφのシャ
ーレ寒天培地に植え付け、36℃で24時間培養後大腸
菌のコロニー数を計数する。インキュベーターに入れる
までの操作を全く同様にした試料を同一の方法により処
理して大腸菌のコロニー数を計数して、その数値を基準
にして各試料の所定時間後における生存率を算出する。
【0065】プレコート薄膜の組成は、可視光透過率が
高く、基体からのナトリウムの拡散を押さえることが可
能な薄膜なら制限はなく、例えばSiO2薄膜、酸化錫
薄膜、インジウム添加酸化錫薄膜、酸化インジウム薄
膜、錫添加酸化インジウム薄膜、酸化ゲルマニウム薄
膜、アルミナ薄膜、ジルコニア薄膜、SiO2+MOx
(MOxはP25、B23、ZrO2、TiO2、Ta2
5、Nb25から選ばれた少なくとも一種の金属酸化
物)薄膜をその例として挙げることができるが、アルカ
リ拡散防止能の見地から、酸化珪素薄膜、またはSiO
2に酸化リンを1〜20重量%程度添加した薄膜が特に
望ましい。
【0066】さらに光触媒活性の高い酸化チタン薄膜を
得るための必要条件は、少なくともアナターゼ結晶を含
むことが必要である。アナターゼ結晶は、成膜温度また
は成膜後の熱処理温度が高いと相転移して一部がルチル
結晶に変化するのでルチル結晶を含んだアナターゼ結晶
の酸化チタン薄膜も好適に用いられる。しかし、高温で
アナターゼ結晶のすべてをルチル結晶にすると相転移に
よる酸化チタンの白濁が生じるので可視光透過率を減少
させるため好ましくない。
【0067】本発明において酸化チタン薄膜及びプレコ
ート薄膜の成膜法としては、通常用いられている成膜法
はすべて使用可能である。即ち、化学的気相析出法(C
VD法)やスプレー法、ゾル溶液の吹き付け法、超音波
によるミストを熱分解させるパイロゾル法、ディップ
法、スピンコート法、印刷法などの化学的成膜方法だけ
ではなく、物理的成膜法としてのスパッター法、真空蒸
着法、イオンプレーティング法、微粉末やゾルを用いた
溶射法など様々の成膜法が採用可能である。
【0068】プレコート薄膜を製造する薬剤としては、
SiO2を生成するものとしては、Si(OCH3)4、Si(OC
2H5)4、SiCH3(OCH3)3などのシリコンアルコキシド及び
その縮合物やSiCl4などのシリコンハロゲン化物などが
あり、酸化錫を形成するものとしては、Sn(OCH3)4、Sn
(OC2H5)4、Sn(OC4H9)4、Sn(AcAc)4、Sn(OCOC7H15)4、Sn
Cl4、などがあり、酸化インジウムを生成するものとし
て、In(OCH3)3、In(OC2H5)3、InCl3、In(AcAc)3、In(NO
3)3・nH2Oなどがあり、酸化ゲルマニウムを生成するもの
としては、Ge(OC2H5)4、Ge(OC4H9)4、GeCl4などがあ
り、アルミナを生成するものとしては、Al(OC2H5)3、Al
(OC3H7-i)3、Al(OC4H9)3、In(AcAc)3、In(NO3)3・nH2Oな
どがあり、酸化リンを生成するものとして、P(OC
2H5)3、PO(OCH3)3、PO(OC2H5)3、H3PO4、P2O5などがあ
り、酸化ほう素を生成するものとして、B(OCH3)3、B(OC2H
5)3、B(OC4H9)3、B(AcAc)3、BCl3、H3BO3などがあり、
これら通常使用可能な化合物またはそれらの混合物が使
用できる。なお、化学式中、AcAc=CH3COCHCOCH3(アセ
チルアセトナート)を示す。
【0069】酸化チタン薄膜を製造する薬剤としては、
Ti(OC2H5)4、Ti(OC3H7-i)4、Ti(OC4H9)4、Ti(OC4H9)2Cl
2などのチタンアルコキシド、チタンアルコキシドにエ
チレングリコールなどのグリコール類、酢酸や乳酸など
のカルボン酸類、トリエタノールアミンなどのアルカノ
ールアミン類、アセチルアセトンなどのβ−ジケトン類
との付加反応物や錯体、及びTiCl4などの塩化物をエタ
ノールなどの汎用アルコール、酢酸エステルやβ−ジケ
トンなどの溶剤に溶解したものまたはそれらの混合物な
どが使用できる。この酸化チタン薄膜に酸化リンを添加
する場合はこれらの薬剤に酸化リンを生成する化合物と
して、P(OC2H5)3、PO(OCH3)3、PO(OC2H5)3、H3PO4、P2O
5などを加えることにより可能となる。
【0070】光触媒反応を促進させるために公知の方法
により種々の添加物を加えることも可能である。例えば
光透過性を失わない程度に、微量の金属(金、白金、パ
ラジウム、銀、銅、亜鉛)を光触媒反応を利用した光電
着法により酸化チタン薄膜に均一に担持させて、油分解
活性の向上による高い自己クリーニング性を持たせた
り、高い抗菌活性を持たせたりすることも可能である。
【0071】
【発明の効果】以上詳述してきたように、本発明にかか
る酸化チタン光触媒構造体は、耐熱性基体上に、光触媒
活性を有する酸化リンを含む酸化チタンを主成分とする
薄膜を形成してなる構造を有しているものであり、これ
によって従来は光触媒活性が非常に低かった酸化チタン
薄膜の膜厚の薄い領域でも実用になり得る光触媒活性を
持つものとすることが可能となった。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化チタン光触媒構造体の模式図
【図2】プレコート薄膜を設けた酸化チタン光触媒構造
体の模式図
【図3】本発明にかかる実施例及び比較例の一覧表
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化チタン光触媒構造体の模式図
【図2】プレコート薄膜を設けた酸化チタン光触媒構造
体の模式図
【図3】本発明に係わる実施例および比較例の一覧図表
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 一徳 神奈川県小田原市高田345 日本曹達株式 会社小田原研究所内 (72)発明者 吉本 哲夫 神奈川県小田原市高田345 日本曹達株式 会社小田原研究所内 (72)発明者 深山 重道 神奈川県小田原市高田345 日本曹達株式 会社小田原研究所内 (72)発明者 斉藤 徳良 東京都千代田区大手町2−2−1 日本曹 達株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性基体上に、酸化リンを含む酸化チタ
    ンを主成分とする光触媒活性を有する薄膜を形成してな
    る光触媒構造体
  2. 【請求項2】前記酸化リン含有量が、酸化チタンの0.
    1〜15重量パーセントであることを特徴とする請求項
    1に記載の光触媒構造体
  3. 【請求項3】前記酸化リンを含む酸化チタンを主成分と
    する薄膜の膜厚が、0.02〜5μmであることを特徴
    とする請求項1または2に記載の光触媒構造体
  4. 【請求項4】前記酸化チタン薄膜は少なくともアナター
    ゼ結晶を含むものであることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の光触媒構造体
  5. 【請求項5】前記耐熱性基体と酸化リンを含む酸化チタ
    ンを主成分とする薄膜との間にプレコート薄膜を設けて
    なることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載の光触媒構造体
  6. 【請求項6】前記プレコート薄膜が酸化珪素を主成分と
    する材料からなることを特徴とする請求項5に記載の光
    触媒構造体
  7. 【請求項7】前記プレコート薄膜の酸化珪素中に酸化リ
    ンが、酸化珪素に対して1〜20重量パーセント含有す
    ることを特徴とする請求項6に記載の光触媒構造体
  8. 【請求項8】前記プレコート薄膜の膜厚が、0.02〜
    1μmであることを特徴とする請求項5ないし7のいず
    れかに記載の光触媒構造体
  9. 【請求項9】前記耐熱性基体が、透光性基体であること
    を特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の光触
    媒構造体
  10. 【請求項10】前記透光性基体を使用した光触媒構造体
    において、波長550nmの光に対する光直線透過率が
    50%以上であることを特徴とする請求項9に記載の光
    触媒構造体
  11. 【請求項11】前記透光性基体に設けた酸化チタン薄膜
    の膜厚が0.02〜0.1μmであることを特徴とする請
    求項9または10に記載の光触媒構造体
  12. 【請求項12】前記透光性基体が硝子基体であることを
    特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の光触
    媒構造体
  13. 【請求項13】前記硝子基体が、アルカリ成分含有硝子
    であることを特徴とする請求項12に記載の光触媒構造
  14. 【請求項14】前記耐熱性基体が、不透明セラミックス
    からなるものであることを特徴とする請求項1から8の
    いずれかに記載の光触媒構造体
  15. 【請求項15】前記耐熱性基体が、金属からなるもので
    あることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載
    の光触媒構造体
  16. 【請求項16】耐熱性基体の上に酸化リンを含む酸化チ
    タンを主成分とする薄膜及びプレコート薄膜を、ゾルゲ
    ル法によって成膜する工程を含む製造工程によって請求
    項1ないし15のいずれかに記載の光触媒構造体を製造
    することを特徴とする光触媒構造体の製造方法
  17. 【請求項17】耐熱性基体の上に酸化リンを含む酸化チ
    タンを主成分とする薄膜及びプレコート薄膜をパイロゾ
    ル法もしくはCVD(化学的蒸着)法によって成膜する
    工程を含む製造工程によって請求項1ないし15のいず
    れかに記載の光触媒構造体を製造することを特徴とする
    光触媒構造体の製造方法
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