JPH0975605A - 過酸化水素水溶液中の有機不純物の除去方法 - Google Patents
過酸化水素水溶液中の有機不純物の除去方法Info
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Abstract
法。 【解決手段】少なくとも45重量%の過酸化水素水溶液
を特定の温度範囲で、かつ18〜150g/リットル−
過酸化水素水溶液・hrの速度で固相を析出させた後、
固相を融解する。
Description
に存在する有機不純物の除去方法に関する。さらに詳し
くは、少なくとも45重量%濃度の過酸化水素水溶液を
特定の温度および特定の固相生成速度に冷却して固相を
析出させ得られた固相を融解する方法である。本発明の
方法により、有機不純物の量が3ppm以下である高純
度過酸化水素水溶液を得ることができる。
は、主としてアントラキノンの自動酸化法によっている
(以下、アントラキノン法と記すことがある)。この方
法は一般に、2−アルキルアントラキノンを有機溶媒中
で水素化触媒の存在下で水素化して、対応するアントラ
ヒドロキノンとし、触媒を濾別後、酸素または空気によ
り酸化してアントラヒドロキノンを2−アルキルアント
ラキノンに再生するとともに過酸化水素を生成させ、生
成した過酸化水素を水で抽出することによって粗過酸化
水素水溶液を得る。得られた粗過酸化水素水溶液は減圧
蒸留、精留することによって精製および濃縮される。そ
の後、場合によっては水で所定濃度に希釈され、一般に
は約20〜70重量%の過酸化水素を含む水溶液とされ
る。
溶液は、通常不純物の含有量が少なく、漂白、化学研
磨、反応試剤、汚水処理等、非常に多くの分野で使用す
ることができる。しかしながら、アントラキノン法で製
造された過酸化水素水溶液には、反応媒体である2−ア
ルキルアントラキノン、それを溶解している有機溶媒も
しくはそれらの変質物、および抽出水や希釈水に含まれ
ている有機物質が混入し、全有機炭素量として数10〜
数百ppm程度の有機不純物が含まれている。そのた
め、電子材料の分野などの一部の分野においては過酸化
水素水溶液中に含まれる有機物質が問題となり、そのま
までは使用できない場合があり、過酸化水素水溶液中の
有機物質を除去することが必要である。
方法としては、一般に吸着剤を使用して吸着除去する方
法が知られている。例えば、特開昭63−156004
号公報には過酸化水素水溶液をハロゲン含有多孔性樹脂
と接触させることによって、有機不純物を除去すること
が記載されている。また、米国特許第5268160号
明細書には、過酸化水素水溶液をスチレン重合体のよう
な疎水性の吸着樹脂と接触させることによって、有機不
純物を除去する方法が記載されている。
物の除去法は、過酸化水素水溶液中の有機不純物濃度を
全有機炭素量として3ppm程度まで低下させることが
ほぼ限界であり、それ以下まで低減することは困難であ
る。また、吸着剤は使用に伴って劣化して有機物の除去
効果が低下するので、そのような場合は再生処理を施し
て使用するか、もしくは新しいものと交換しなくてはな
らない。
221号公報に、少なくとも61.2重量%の過酸化水
素を含む高濃度過酸化水素水溶液を−0.5〜−56.
1℃に冷却して結晶を析出させ、その結晶を不純物含量
の少ない過酸化水素水溶液の洗浄液で洗浄して精製する
方法が記載されている。
溶液中の有機不純物を高い除去効率で除去する方法を提
供することにある。
溶液を精製するに際し、原料過酸化水素水溶液を特定の
条件下で固相の析出操作を行うことにより、従来から知
られている吸着剤を用いた方法よりも有機物含量の少な
い過酸化水素水溶液を得ることができることを見い出し
た。
水素水溶液をそのまま、または希釈、あるいは濃縮して
調製された少なくとも45重量%の過酸化水素を含有す
る過酸化水素水溶液を、−0.5℃〜−56.1℃の温
度で冷却して固相を析出させ、得られた固相を融解する
ことによる過酸化水素水溶液中の有機不純物の除去方法
である。
は、上記温度範囲で固相の生成速度を18〜150g/
リットル−原料過酸化水素水溶液・hrとすることによ
り、有機不純物が3ppm以下まで除去された高純度の
過酸化水素水溶液を得ることができるものである。
溶液は少なくとも45重量%の過酸化水素を含有する水
溶液が用いるられる。特に好ましくは45〜61重量%
の過酸化水素を含有する水溶液であり、このような濃度
の過酸化水素を原料として使用することにより、析出す
る固相は、過酸化水素の水和物として得られ、取り扱い
上安全であり好ましい。原料過酸化水素水溶液として4
5重量%よりも濃度の低い過酸化水素水溶液を使用する
と、水が固相として析出するので、過酸化水素水溶液の
精製には効果がない。
酸化水素水溶液を用いると過酸化水素が固相として析出
する。この場合でも過酸化水素水溶液の精製には有効で
はあるが、析出する固相は100重量%の過酸化水素で
あるため安全性の面から取り扱いが困難となり好ましく
ない。
水素水溶液は、アントラキノン法により製造されたもの
が好適であるが、アントラキノン法による過酸化水素水
溶液に限らず、その他の方法で製造されたものでもよ
い。
却、固相の回収、固相の融解操作を2回以上繰り返して
も構わない。
析出する際に、析出する固相と同じ過酸化水素濃度を有
する固相を種結晶として添加することが好ましい。種結
晶の添加量はごく少量でよく、1リットルの原料過酸化
水素水溶液に対して0.5〜1g程度でよい。種結晶を
添加する際の温度は、原料過酸化水素水溶液濃度におけ
る凝固点温度よりも低い温度で、かつその温度差は小さ
いことが好ましい。有機物をより効果的に除去するため
には、その温度差を5℃以下とすることがより好まし
い。
析出させる際の固相の生成速度は、小さくすることが好
ましい。固相の生成速度を小さくするほど、固相に含ま
れる有機不純物の量が少なくなり、精製効果は高くな
る。しかし、固相の生成速度がある一定量以下になると
有機不純物の除去効果はほぼ一定となり精製効果自体は
変わらない。一方、固相の生成速度をある一定量以下に
小さくすると、有機不純物以外の不純物、例えばFe,
Crなどの金属不純物などが固相に含まれ易くなり、そ
の濃度が増加する傾向が見られる。また、製造設備の容
量が同じである場合、固相の生成速度を小さくすると単
位時間当たりの生産量が少なくなり、工業的観点から好
ましくない。他方、固相の生成速度が大きくなると単位
時間当たりの生産量は上がるが、有機不純物の除去効率
が低下し好ましくない。これらのことから固相の生成速
度は18〜150g/リットル−原料過酸化水素水溶液
・hrとすることが好ましく、より好ましくは60〜1
50g/リットル−原料過酸化水素水溶液・hrであ
る。
た固相を液相から分離する方法は、いかなる方法を用い
ても構わないが、液相には不純物が濃縮されているの
で、これが固相に付着するような方法は好ましくない。
一般的には遠心分離機による分離方法が好適である。
られる固相を、高純度の過酸化水素水溶液で洗浄するこ
とにより、固相に付着した母液をできるだけ完全に除去
することが好ましい。
れらの実施例により限定されるものではない。なお、有
機不純物の測定は全有機体炭素計TOC−5000
((株)島津製作所製)を用いて行った。
化水素を含有する過酸化水素水溶液を原料として入れ、
攪拌しながら水溶液を−53℃まで冷却した後、過酸化
水素水和物の結晶を種結晶として0.5g添加し、過酸
化水素水和物結晶を一部析出させた後、固相の生成速度
が150g/リットル−原料過酸化水素水溶液・hrに
なるように冷却温度を調整し、水溶液の温度が−54.
3℃に達するまでこの操作を継続した。次いで、遠心脱
水器により生成した固相と液相とを分離して固相を回収
し、融解して濃度48.7重量%の過酸化水素水溶液を
得た。この過酸化水素水溶液中の全有機炭素量を測定し
た結果、下記の通りであった。
溶液・hrとした他は実施例1と同様の操作で精製を行
った。その結果を以下に示す。
溶液・hrとした他は実施例1と同様の操作で精製を行
った。その結果を以下に示す。
溶液・hrとした他は実施例1と同様の操作で精製を行
った。その結果を以下に示す。
水溶液・hrとした他は実施例1と同様の操作で精製を
行った。その結果を以下に示す。
含有する過酸化水素水溶液を用いて、−54℃で種結晶
を添加し、−55.8℃まで冷却した他は実施例3と同
様の操作で精製を行った。その結果を以下に示す。
で冷却した後、過酸化水素水和物の結晶を種結晶として
添加した他は実施例1と同様の操作で精製を行った。そ
の結果を以下に示す。
で冷却した後、過酸化水素水和物の結晶を種結晶として
添加した他は実施例1と同様の操作で精製を行った。そ
の結果を以下に示す。
含有する過酸化水素水溶液を用いて、−33℃で種結晶
を添加し、−52℃まで冷却した他は実施例3と同様の
操作で精製を行った。その結果を以下に示す。
水溶液・hrとした他は実施例1と同様の操作で精製を
行った。その結果を以下に示す。
水溶液・hrとした他は実施例1と同様の操作で精製を
行った。その結果を以下に示す。
化水素水和物の結晶を種結晶として添加した他は実施例
1と同様に操作により精製した。その結果を下記に記
す。
0mmφのフッ素樹脂製カラム管に吸着剤を10ml充
填した吸着樹脂充填カラムに80ml/hrで吸着樹脂
充填カラムに通液し吸着剤を用いて有機物を吸着除去を
行った。ここに使用した吸着剤はブロム化スチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体の多孔製樹脂、商品名セパビー
ズSP207(三菱化学(株)製)を使用した。24時
間通液し、その間適宜通液後の過酸化水素水溶液に含ま
れる全有機炭素量を測定した。精製結果を以下に示す。
m) 精製前 88 2時間後 7 6時間後 11 24時間後 28
セパビーズSP825(三菱化学(株)製)を使用した
他は比較例4と同様に操作し過酸化水素水溶液を精製し
た。精製結果を以下に示す。
m) 精製前 88 2時間後 10 6時間後 15 24時間後 32
液中の有機不純物を高い除去効率で、かつ安全に除去す
ることができる工業的に意義ある有利な方法である。
Claims (3)
- 【請求項1】少なくとも45重量%の過酸化水素を含有
する過酸化水素水溶液を、−0.5℃〜−56.1℃の
温度で冷却し、18〜150g/リットル−原料過酸化
水素水溶液・hrの生成速度で固相を析出させ、得られ
た固相を融解することを特徴とする過酸化水素水溶液中
の有機不純物の除去方法。 - 【請求項2】固相を析出させる際の固相生成速度が60
〜150g/リットル−原料過酸化水素水溶液・hrで
ある請求項1記載の過酸化水素水溶液中の有機不純物の
除去方法。 - 【請求項3】固相を析出させるに際し、冷却温度を原料
過酸化水素水溶液濃度の凝固点温度よりも低くかつその
温度差が5℃以下として種結晶を添加し固相を析出させ
る請求項1〜2記載の過酸化水素水溶液中の有機不純物
の除去方法。
Priority Applications (1)
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JP24175695A JP3835488B2 (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 過酸化水素水溶液中の有機不純物の除去方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999054254A1 (de) * | 1998-04-21 | 1999-10-28 | Basf Aktiengesellschaft | Hochreine wässrige wasserstoffperoxid-lösungen, verfahren zu ihrer herstellung und ihre verwendung |
WO2002044083A1 (en) * | 2000-12-02 | 2002-06-06 | Degussa Ag | Crystallisation process for producing highly concentrated hydrogen peroxide |
-
1995
- 1995-09-20 JP JP24175695A patent/JP3835488B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO1999054254A1 (de) * | 1998-04-21 | 1999-10-28 | Basf Aktiengesellschaft | Hochreine wässrige wasserstoffperoxid-lösungen, verfahren zu ihrer herstellung und ihre verwendung |
WO2002044083A1 (en) * | 2000-12-02 | 2002-06-06 | Degussa Ag | Crystallisation process for producing highly concentrated hydrogen peroxide |
EP1213262A1 (de) * | 2000-12-02 | 2002-06-12 | Degussa AG | Verfahren zur Herstellung von höchstkonzentriertem Wasserstoffperoxid und hiermit erhältliches mindestens 99,9 gew.-%iges Wasserstoffperoxid |
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